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4. 世界あの街この街: ポートランド


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第49回 ポートランド

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(画像:tabinote)

アメリカ合衆国・国旗

【画像:Wikipedia提供】

見どころと特徴

コンパクトで美しい街並み、豊かな自然、美食とリベラルな雰囲気で人気の高い都市。各種ランキングでも「全米で最も住みやすい街」と評されている。消費税がなく、先進的なショップが多いため買い物天国としても名高い。


ポートランドの街並みはコンパクトでわかりやすい。
アメリカの他の都市と異なり、徒歩と公共交通機関で手軽に巡れてしまう。自転車があればどこに行くにも便利。

ポートランドは市街を南北に貫くウィラメット川によって東西に分けられている。
大きく4つのブロックに分かれており、最も栄えているのが川の西側、ダウンタウンを擁するサウスウエスト地区。
同じく川の西側北はノースウエスト地区で、オールドタウン(チャイナタウン)、リノベーションされたカフェやショップがならぶパール地区、郊外のおしゃれなショッピング通りノブヒルなど魅力的な地域が続く。
川の東側も新しいレストランやビールの醸造所、ショップなどが増えており、ホーソン地区、ベルモント、ロイド地区などはその代表格。
Pioneer Courthouse Square to 501 SE Hawthorne Blvd  Portland  OR 97214  USA   Google Maps
(画像:Google)


街歩きの起点はサウスウエスト地区のダウンタウン。交通機関が集中し、ホテルやカフェも多く便利。
パイオニア・コートハウス・スクエアはショッピングセンターや公園を擁する街の中心。レストランやお土産屋、フードコートなど旅行者にも住人にも便利なエリア。
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(画像:tabinote)

パイオニア・コートハウス・スクエアでは毎週月曜日にファーマーズマーケットが開かれ大変にぎわう。
なお、ファーマーズマーケットは毎日どこかで催されているので滞在中ハシゴすることも可能。
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ダウンタウンから北に歩くとパールディストリクト。
レンガの趣ある建物が集まる通り沿いにはおしゃれなショップやレストランが並ぶ。世界最大の独立系書店、パウエルズやアウトドアショップなど買い物もはかどるエリア。
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(画像:tabinote)

一方パールから川沿いに向かうとチャイナタウン。ここから川沿いを歩き有名なVoodooドーナツをひやかして帰るのが定番コース。
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(画像:tabinote)

パールから西に向かい、ロード405を超えると高級住宅街ノブヒル。こちらもショッピングやカフェなど個性的なお店が多い。ダウンタウンから歩いて行くとちょうどいい運動になる。
ノブヒルまで行ったなら、バーンサイド通りを越えて有名なバラ園に行ってみよう。ちょっとした山道並みの坂を越えると標識が現れる。一帯には日本庭園、ホロコーストの碑、動物園などがあり、家族連れやランナーなど穏やかな雰囲気。
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(画像:tabinote)

International Rose Test Garden (トリップアドバイザー提供)

ウィラメット川の東側は西側よりも商業地区が分散しているが、近年先進的な店舗が増えており注目度は高い。クラフトビールの醸造所も多く、昼過ぎから多くの人がグラスを傾けている。
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(画像:tabinote)

ポートランドは徒歩でも動きやすいので、ついつい歩きすぎてしまう。
あちこちにあるカフェに入って適宜休憩しよう。通り沿いの店にふらっと入っても恐ろしくレベルの高いコーヒーが出てくる。
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(画像:tabinote)


ポートランドの楽しみはアウトドア。
コロンビア川渓谷は深い緑や滝の美しい景観で知られ、ハイキングやサイクリングで多くの人が訪れる。ダウンタウンから渓谷までは25km、ランニングで向かうという強者もいる模様。
Columbia River Gorge (トリップアドバイザー提供)

市街から北西、ウィラメット川沿いに拡がるのがフォレストパーク。パークという名から想像できないほどの広大な森林で、ハイカーやロードバイクを駆る強者、トレイルランナーなどアウトドア愛好家でにぎわう。
Forest Park (トリップアドバイザー提供)

マウント・フッドは標高3424m、オレゴン州最高峰で、ポートランド市街からもその冠雪に輝く雄大な姿を見ることができる。ウインタースポーツはもちろん、夏スキーやトレッキングなど豊富なツアーがある。
Mount Hood (トリップアドバイザー提供)

道具がなければ街中にたくさんあるアウトドアショップで相談してみよう。
日本で売っていないような珍しいアイテムが見つかるかも。
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(画像:tabinote)


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(画像:tabinote)

ポートランドは食の先進都市として名高い。
美しい自然を背景にした豊富な山海の幸、近郊で取れた新鮮な野菜や畜肉、高品質なビールやワイン、コーヒーやベーカリーなどポートランド名物は非常に多い。

地元産の食材を使ったレストラン、タイや中東などの洗練されたエスニックレストラン、人気の屋台料理など、高級料理からストリートフードまでレベルが高い。

有名なカフェも多く、サードウェーブの先駆けでもあるストンプタウンをはじめとして自家焙煎のこだわったお店が多い。

そして、酒飲みにはとても誘惑の多い街。香川の製麺所のようにあちこちにビール醸造所があり、その日その日にしか味わえない挑戦的なレシピでつくられたできたてのクラフトビールを楽しめる。街中にもクラフトビールのバーが多い。
多くの店でハッピーアワーを催しており、午後早い時間や深夜など、ビールにつまみを格安で楽しめる。
ワインも有名で、郊外の醸造所を巡るワイナリーツアーも豊富。

なお、オレゴン州の飲酒可能年齢は21歳からなので注意したい。
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(画像:tabinote)


日本からの行き方

(空路)
成田からポートランドまではデルタ航空の直行便がある。
夕方16時台に出発、現地に朝10時前に着く。価格も安く、10万円台から。
他に、同じデルタのシアトル便を利用し、シアトルからバスで向かうという手もある。
ロサンゼルス、カリフォルニアなどを経由して国内線で向かってもよい。

(パッケージツアー)
日程をゆったりとって、現地のデザインホテルに泊まるような比較豪華なツアーが多い。デルタ直行便、サーチャージ込み最安で20万円から。ニューヨークの周遊がセットになっているものもある。
ポートランドはホテル代が高いので一考の価値あり。

(陸路)
鉄道のアムトラック、近郊都市からの長距離バスなどがある。

バスでおすすめはボルトバス。全米を縦横にむすぶグレイハウンド社が保有するブランドで、ポートランドとシアトル・カナダのバンクーバーを結んでいる。
安全な乗り場、広いシート、WiFi付の快適なバスで、運賃も安い。
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(画像:tabinote)

(空港)
ポートランドの空の玄関はポートランド国際空港(PDX)。
市街中心部から北東に15km程、ノースイースト地区のむこう、コロンビア川沿いにある。
1つのターミナルビルに5つのコンコースがあり、デルタの直行便はコンコースDに発着する。
設備や周辺商業地区の充実度、アクセスの便利さなどから空港の評価は高い。

空港からはMAXライトレールが便利。所要40分ほどで運賃は2.5ドル。ダウンタウンまで所要20~30分、40ドルほど。




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地理と気候

西ヨーロッパやチリと同様の西岸海洋性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。夏も適度に涼しく冬も寒すぎない。北緯45度と日本では札幌市のあたりに該当する高緯度だが、暖流の影響で冬でも滅多に氷点下になることはない(ポートランドと札幌は姉妹都市)。

「曇り空と雨」はポートランド名物。特に秋の終わりから春頃までは雨曇りが多い。ベストシーズンは空が晴れ渡る春から夏。夏は日射しがきついが最も暑い時間でも30度ほどで、過ごしやすい。
夏場は日が長く、夜8~9時にようやく日が陰り始める。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。


【画像:Google提供】


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が7割強、ヒスパニックが1割、アフリカ系とアジア系が1割弱。
通貨は米国ドル。1ドル=124円程度(15年8月時点)。

一般に物価が安く暮らしやすいと言われるが、米国の大都市(ニューヨークやロサンゼルス)よりは安いといった程度。ホテルや外食は全般に高め。ただし、ポートランドは消費税がないため日本よりもかなり安く買えるものもある。特にアウトドアグッズやアパレルが狙い目。
外食はカフェなら10~15ドル。屋台なら7ドル程度から。
交通費は路面電車・バスが一日5ドル。タクシーが初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.6ドル。

クレジットカードは必須で、ホテルからスーパーまでカードがないと生活が成り立たない。現金の両替は最小限でOK。両替は日本でしておくのが鉄則。

チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。

クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

ポートランドはアメリカの中ではかなり治安がいい方とされている。繁華街を歩いている限りは夜も人通りがある。
オールドタウン(チャイナタウン)、チャイナタウンから続く公園、橋の下、駅のあたりはホームレスが多く、荒れた雰囲気があるので注意すること。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

(メトロバス・ストリートカー)
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(画像:tabinote)

ダウンタウンと郊外を結ぶ路面電車であるMAXライトレール、ダウンタウンを中心に巡る環状線の路面電車・ストリートカー、そして市内を縦横に結ぶバスがある。
バスは多くの街ではローカル住民しか利用しない危険な乗り物というイメージだが、ポートランドでは全くそんなことはなく旅行者も安心して利用できる。

チケットはすべて共通で、2時間半で2.5ドル、1日券が5ドル。チケットはFred MeyerやSafewayといったスーパーで購入でき、スマホのチケットアプリもある。

(レンタサイクル)
自転車天国のポートランドには多くの貸し自転車屋がある。おおむね一日スポーツタイプを借りて35ドル~が相場。また、ホテルでレンタル自転車を用意している場合もあるので確認してみよう。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。ポートランドには登録者が多く、貸し自転車屋よりも低い予算で高機能なロードバイクを借りることができる。
(Spinlisterについてはこちらの記事をご参考)

(タクシー)
白黒の塗装がなされたラジオ・キャブや緑の社名が書かれたPortland Taxiが代表的。ぼったくりなどは基本ない。流しのタクシーは少ないが、ホテルの前あたりに停車している。
PCやスマホでも配車できるが、ショートメッセージの受信のために現地の携帯電話番号が必要。アメリカの電話番号を付与してくれるスマホアプリ・HeyWireが便利。
Uberも多く、市内ですぐに見つかる。

Portland Taxiの場合、初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.6ドル。チップは料金の1割が目安で、最低1ドル。人数や荷物の多さに応じて多めに支払う。ドライバーがチップ込みと思っておつりをくれない場合は、支払いの際に「3ドルおつりくれ」などと言い添えると誤解がない。

(レンタカー)
広いアメリカ、特に郊外に出るならレンタカーの利用がおすすめ。
ダウンタウンや主要道は一方通行が多いので注意。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。


ホテルとシーズン

ホテルの供給はやや不足している。特にサウスウエスト、ダウンタウンのレートは高騰気味。
オンシーズンの4つ星ホテルなら一泊300~400ドル台となる。郊外の宿や、ホステルなどバス・トイレを共用する施設ならぐっと手ごろになる。
ベッド&ブレックファースト形式のいわゆる民宿や個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。なんといってもアメリカはairbnbの本場。便利な場所に沢山のおしゃれな物件がある。airbnbの人気物件はすぐ埋まるので、キャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。
Ace Hotel Portland (トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。以下のリンク「No Contract and Prepaid Phone Plan Guide」を参照のこと。「Bring Your Own Phone?」が「Yes」のカードは自分のSIMフリー携帯を持ち込んで契約できる。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良いが販売場所は限られる(Portland周辺では売っていない)。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPhoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないこともあり、いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
個人経営のカフェも多いが、至る所にあるスターバックスでWiFiが提供されている。

4. 世界あの街この街: ラスベガス


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第48回 ラスベガス


ラスベガス(トリップアドバイザー提供)

アメリカ合衆国・国旗

【画像:Wikipedia提供】

見どころと特徴

世界最大級のカジノタウンであると共に、コンサートやスポーツなども超一流がそろうエンターテイメント・シティ。グランドキャニオンやセドナなどアメリカ中西部の大自然も近い。

ラスベガスの繁華街は大きく2つのエリアに分かれる。1つはカジノホテルが建ち並ぶ大通りラスベガス・ブルーバードを中心とする南北7kmほどのエリア、ストリップ。もう1つはストリップの北に位置するダウンタウン。
マッカラン国際空港-から-フ


空港からストリップに入ってすぐ南側、MGMグランドでタクシーを降りチェックイン。
広いストリップは中央分離帯にヤシが植えられ南国の雰囲気。さっそくモールのようなパチンコ屋のような巨大施設が目に入ってくる。自由の女神やマンハッタンを模したような建物は名物ホテルのニューヨーク・ニューヨークだ。
この一角は新フォーコーナーと呼ばれ、ハーシーズ・チョコレートのミュージアムやローラーコースターが名物となっている。
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(画像:Google)

さらに北に歩いてみる。巨大なホテル、巨大なフードコート、巨大な看板…なにもかもが巨大で圧倒される。

右手に見えるエッフェル塔はフランスをイメージしたホテル・パリスの目印。その正面がホテル・ベラッジオ。夜の噴水アトラクションがあまりにも有名。
3649 S Las Vegas Blvd   Google マップ
(画像:Google)


Bellagio Fountains (トリップアドバイザー提供)

この一帯はフォーコーナーと呼ばれ、ストリップの中心的なエリアだ。
フラミンゴロードの交差点を抜けると右手にフラミンゴ、左手にはシーザースパレスというやはり名物ホテルがそびえ立っている。

Flamingo Las Vegas Hotel & Casino (トリップアドバイザー提供)


Caesars Palace (トリップアドバイザー提供)

その北にあるのがラスベガスの新名所、2014年に開業したLINQ。様々なショップやレストラン、アミューズメントが集まる複合施設だ。
Linq  Google マップ
(画像:Google)

LINQの目玉は40人乗りの超巨大観覧車、ハイローラー。

The LINQ Hotel & Casino (トリップアドバイザー提供)

さらに北に歩くとミラージ、ベネシアン、Wynnといったこれまた名物ホテルがある。ミラージの火山ショーとWynnのホログラムショーはいずれも無料。こちらも立ち寄ってみよう。


Venetian Resort Hotel Casino (トリップアドバイザー提供)


Wynn Las Vegas (トリップアドバイザー提供)

ここまで歩くと喧噪とネオンでお腹いっぱい。
しかし、モノレールの北端駅SLSホテルを超えてストラトスフィアまでたどり着けばもうストリップの街歩きも終わりだ。
2209 S Las Vegas Blvd   Google マップ
(画像:Google)

ここまでブルーバード大通り沿いを歩いてきただけだが、各々のホテルにはカジノがあり、その他にもダンスショー、アクロバットなショー、お色気ショー、コンサート、ミュージアム、スポーツ興業、遊園地、アミューズメントレストラン、フリーフォールやバンジーといったエクストリーム・アトラクションまでありとあらゆる娯楽が揃っている。もちろん、ホテルの外にも路面店やビル内、ショッピングセンターなどにそれらの施設が無数にあり、1つ1つ挙げていったらきりがないほど。


ダウンタウンはもともとラスベガスの中心だったが、ストリップの繁栄に遅れをとっていた。近年ではホテルの改装や新開業がすすみ、華やかさを取り戻している。

Fremont Street Experience (トリップアドバイザー提供)


さて、ネオンやカジノにそれほど興味がないという向きにもおすすめの施設を2つほど紹介。
1つはストリップ地区、フラミンゴ通りを東に向かった先にある「核実験博物館」。ラスベガスの北西およそ100kmにあるネバダ砂漠は1951年の冷戦まっただ中に核実験場となり、これまで1000回以上の実験が行われた。いかにアメリカの核がファシズムを終わらせ、必要な抑止力となってきたかを満面の笑みで紹介するようなドギツイ展示で、いろいろと考えさせられることは確実。しかもこの施設は国営。

The National Atomic Testing Museum (トリップアドバイザー提供)

もう1つはダウンタウンのMob博物館。かつて連邦裁判所だった由緒正しい建物を改装したマフィアの博物館。キラ星のようなギャングスターの生涯が豊富な資料で紹介されており、ベガスにあるだけあってエンタメ要素もなかなか。どこの好事家が建てたのかと思いきや、こちらもなんと国営。訪問前にゴッドファーザーを観て予習しておこう。

The National Atomic Testing Museum (トリップアドバイザー提供)


ラスベガスはアメリカ中西部の大自然観光の拠点でもある。ネオンとカジノにひたりきった心身をリセットする意味でも、ぜひ郊外をおとづれてみたい。

近郊でもっとも手軽に行けるスポットはフーバーダム、およびダム湖となるレイク・ミード。とにかく圧倒させる規模の巨大ダムで、ダム好きなら必見だろう。

Hoover Dam Bypass (トリップアドバイザー提供)

レッドロック・キャニオンも人気がある。ラスベガスからわずか1時間のドライブで、ネオンとは別世界の絶景が拡がる。

Red Rock Canyon National Conservation Area (トリップアドバイザー提供)

夏の気温50度、アスファルトで靴の裏が溶けるというアメリカで最も暑いデスバレーも日帰り圏(デスバレー国立公園は隣のカリフォルニア州となる)。
この地を200kmも走るバッドウォータ-・ウルトラマラソンは世界一過酷なマラソンレースとして知られ、毎年日本人が多数参戦する。

Badwater (トリップアドバイザー提供)

ラスベガスから一泊すればグランドキャニオン、セドナといったメジャーなスポット(いずれもアリゾナ州)も視野に入る。

グランドキャニオンの景観はあまりにも壮大。素通りするには惜しすぎるので、ラスベガスに行った際にはぜひとも旅程に組み込みたい。写真や画面で見るのと肉眼で体感するのは大違い。

Grand Canyon (トリップアドバイザー提供)

近年、いわゆる絶景本などで非常に有名になったのはアンテロープキャニオン。岩がつくりだすカーテンのような幻想的な光景が知られるようになり、多くの観光客がカメラを片手におとづれる。

Antelope Canyon (トリップアドバイザー提供)

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特別企画:カジノ入門

せっかくラスベガスに来たのならやはりカジノにチャレンジしてみたい。
ここでは初心者向けのカジノの楽しみ方について、海外カジノ歴10年以上のtabnoteスタッフ田口が解説する。

・基本
ラスベガスのカジノはすべて合法、公的機関による厳しい審査を通過しライセンスを受けている。よって以前は否定できなかった裏社会との関係も完全に切れており、当然イカサマも一切ないので安心してプレイできる。
また、マカオなどではまだ色濃く残る鉄火場のイメージも皆無、治安もアメリカ全土のどこよりも良好、善良な市民が楽しくプレイしている。
さて、カジノで楽しめるゲームだが、大きく分けてマシンゲームとテーブルゲームに二分される。

・マシンゲーム
スロットマシーンに代表される、機械にコインや紙幣を入れて当たりを狙うゲームのこと。現在は大半がコンピューター制御によるビデオゲーム形式になっている。
基本的な遊び方は以下。

1.マシンを選ぶ
マシンによってプレイする値段が違う。「1¢(セント)」、「5¢」、「25¢」、「$1」、「$5」、「$25」などがある。
ただし後述のように、現在のスロットマシンはほぼすべてマルチライン対応になっているので、1プレイには表記されている金額の2倍~200倍くらい必要になる。

2.お金を入れる
マシンに紙幣を挿入すると金額に応じてクレジットが表示される。
例えば「1¢」マシンに「1ドル札」を挿入すると「100クレジット」、「25¢」マシンに「1ドル札」を挿入すると「4クレジット」となる。

3.LINE数とBET数を決めてゲームスタート
いよいよプレイ開始だ。レバーを引くか「BET」、「SPIN」などのボタンを押せばドラムまたは画像が回転し、図柄が揃えばクレジットが増える。
ここで注意しなければならないのは「LINE」数だ。
マシンに表記してある値段でプレイできるのはあくまで「1LINE」、つまり中央の横1列しか有効にならない。
例えば「1LINE」でプレイした場合、図のように上段で図柄が揃っても

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ハズレとなる。

ここで3倍のクレジット(25¢マシンなら75¢)を使って「3LINE」でプレイした場合、

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上段、中段、下段が有効になるので当たりとなる。

機種によって違うが、LINE数はどこかで選択できるようになっているはずだ。

LINE数とともに重要なのが「BET数」だ。
BETとは1LINEに対して、何クレジット賭けるかを意味する。
例えば1LINE-1BETでプレイした場合は1ゲームにつき「1×1」で「1クレジット」消費される。
また、20LINE-20BETでプレイした場合は1ゲームにつき「20×20」で「400クレジット」消費されることになる。

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典型的なビデオスロットの画面(google提供)

また、「MAX BET」というボタンを押すと、その機種で選択できる最大のLINE数でプレイできる。通常は「MAX BET」でプレイしたほうがいいだろう。
もちろん「1LINE-1BET」の最低レートでプレイしても構わないが、なかなか当たらないので結局ストレスがたまることとなる。

以上、文章に起こすと多少複雑だが、「1¢」もしくは「5¢」台なら「MAX BET」を押しても1ゲーム1ドル程度でプレイできる。
100ドル札1枚あればそこそこ長時間遊べるので、パチンコ感覚で気軽に楽しめる。

4.勝ったら換金
当たった場合も昔のように、コインがジャラジャラと出てくるのではなく、クレジット数が増えるだけだ。
最初に投入したクレジット数を覚えておき、上回ったらさっさと換金しよう。
「COLLECT」ボタンを押すと、獲得した金額が書かれたバウチャー(紙)が出てくるので、それをもって「CASHER(換金所、CAGEと表記されている場合もあり)」に行けばいいだけだ。自動換金機が用意されているカジノも多い。

・テーブルゲーム
テーブルゲームとは、文字通りテーブルの上でトランプやルーレット、ダイスなどを使って人間相手に楽しむゲームの事だ。カジノフロアの8割くらいはマシンゲームで占められているが、カジノで遊んだという雰囲気を味わえるのはやはりテーブルゲームだ。臆せずチャレンジしてみよう。

・チップ
テーブルゲームでは直接現金をやりとりするのではなくチップ(CHIP)を利用する。チップを購入するには適当なテーブルに座りテーブルに紙幣を出せばいい。すぐにディーラーがチップを用意してくれる。
チップはカジノ内ならどのテーブルでも利用でき、いつでも「CASHER」で換金できる。ただしルーレットだけは専用のチップとなりルーレットでしか使用できない。

カジノチップ(提供Wikipedia)

・賭け金
テーブルゲームには、1ゲームで賭けなければならない最低額(Minimam Bet)と最高額(Maximum Bet)が決められており、各テーブルに表示されている。

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表示の例(google提供)

では代表的なテーブルゲームを紹介しよう。

・ルーレット
一般的にカジノといってイメージするゲームはこれが一番だろう。
回転盤にボールを投げ込み止まった数字を予想する簡単なゲームだ。
特定の数字だけではなく、数字の色(赤か黒)、偶数・奇数などを予想することもできる。
詳しい遊び方はこちらを参考に
ラスベガス大全

・ブラックジャック
トランプのカードを引き合い、数字の合計が「21」を超えない範囲で「21」に近い方が勝ちとなるゲーム。
ルールは単純だが、引くか引かないかの判断は確率に基づき必ず「正解」がある。それを知っているか知らないかでは勝率が大きく異なってくる。
詳しい遊び方はこちらを参考に
ラスベガス大全

・クラップス
2個のダイスを振ってその合計値を当てるゲーム。ディーラーと黙々と勝負するブラックジャックなどと異なり、大勢のプレイヤーが騒ぎながらプレイしていることが多い。日本では親しみの薄いゲームだが、いちばんラスベガスらしいとも言える。
詳しい遊び方はこちらを参考に
ラスベガス大全

クラップステーブル(提供Wikipedia)

・バカラ
「PLAYER」と「BANKER」のどちらかに賭け、引いたカードの合計が「9」に近い方が勝ち。
ただし、ブラックジャックのように「引く」、「引かない」の選択権はなく、ルールにしたがってディーラーが機械的に勝敗を決めていく。どちらが勝つかの割合もほとんど同じ、つまり「丁半バクチ」とやっていることはほとんど同じである。
その単純さから中国人富裕層に好まれており、マカオやシンガポールなどではテーブルゲームの9割がバカラという状態だ。
詳しい遊び方はこちらを参考に
ラスベガス大全

・ポーカー
日本で一般的な5枚の手札を使って役を作る「5カードポーカー」ではなく、2枚の手札と5枚の場札を組み合わせて役を作る「テキサス・ホールデム・ポーカー」が主流。
世界大会がテレビで中継されるなど、アメリカではもっとも人気のゲームとなっている。
ただし、カジノVSプレイヤーで勝負する他のゲームと違い、麻雀などと同じくプレイヤーVSプレイヤーで勝負するゲーム、つまり実力差が如実に出るということは肝に銘じておく必要がある。
詳しい遊び方はこちらを参考に
ウィキペディア

その他にも「カジノウォー」、「レットイットライド」、「カリビアンスタッドポーカー」、「スリーカードポーカー」、「パイガオポーカー」など多数のテーブルゲームが用意されている。

・なにをやればいいの?
さて、初心者におすすめのテーブルゲームはなんだろうか?
ずばり「ルーレット」と、「バカラ」だ。
理由は簡単、ルーレットはどこにどのように賭けても配当は同じ、バカラはそもそも賭けるパターンが2つしかない。つまり知識があろうとなかろうと勝率が下がることはないからだ。
逆に「ブラックジャック」や「ポーカー」は知識がないと確実に負ける。ただしどちらも戦略を覚えれば少ない金額で長時間楽しめるので、時間があれば予習をして挑むのもオススメだ。

とは言え強調しておきたいのは、「カジノに必勝法」はない、そして「長時間プレイすれば確実に負ける」だ。
逆に言えば「短時間」なら大勝ちする可能性もある。あらかじめ「負けてもいい額」そして「プレイ時間」を決めてプレイすれば安心して楽しめる。

まあ、魅力に取り憑かれると筆者のように朝から晩まで観光もせずカジノに入り浸りになるのだが……



The Buffet at Wynn(トリップアドバイザー提供)


Wicked Spoon Buffet(トリップアドバイザー提供)

ラスベガスの食といえばビュッフェ(”バフェイ”と発音)。いわゆる食べ放題のバイキングだ。
あまりいいイメージを持たない人もいるかもしれないが、ラスベガスとバフェィは切っても切り離せない。ホテルにとっては集客の重要なツールであり、客にとっても安くて豪華、食事の時間を調整しやすいバフェイはありがたい存在。かくしてラスベガスは世界でも最先端のバフェイ都市となっており、その内容やコストパフォーマンスは驚くべき水準に達している。

いかにもアメリカ!といったシーフードやローストビーフ、テーブルを埋め尽くすデザートなどが定番だが、日本食や中華、メキシカンなども当たり前の存在。寿司をその場で握るようなバフェイもある。
おおむね、ランチが20ドル程度、ディナーが30ドル程度が相場だが、価格を考えると非常にお得。バフェイはセルフ方式だがチップが求められる(ただし1~2ドル程度でOK)。

なお、バフェイはソフトドリンクが含まれるが、アルコールは別会計。ネバダ州の飲酒可能年齢は21歳以上となっているので注意したい(ただし喫煙は18歳以上)。


日本からの行き方

(空路)
ラスベガスへの直行便はないため、西海岸の都市を経由して向かうこととなる。
当然、便利なのはロサンゼルスかサンフランシスコ。北米への航路は北を経由するため、シアトルやバンクーバー便も所要時間が短くおすすめ。やはり、価格と所要時間のバランスからして米系が有利。おおむねユナイテッドかデルタの2択となるが、ANAや大韓航空がお得なこともある。特に大韓航空はソウルからラスベガスまでの直行便をもっている。

(パッケージツアー)
アメリカツアーの中でもかなり安めで、5泊程度のツアーなら最安6万円台もある。グランドキャニオンを巡る場合は10万円程度。

(陸路)
ロサンゼルスからラスベガスまでは450km、車で5時間程度。ロサンゼルスから国内線に乗り換えるくらいなら、そのままレンタカーで行ってしまうという手もある。

グレイハウンドでロサンゼルスから向かうこともできる。一日10往復程度と便数は多いものの、ロサンゼルス側の停留所は人気のない倉庫街で治安がよくないとされている。リトルトーキョーからタクシーを使った方がよい。

(空港)
ラスベガスの空の玄関はマッカラン国際空港(LAS)。ストリップまで3kmと非常に便利な場所にある。
年間乗客数4千万人以上、発着回数は50万回を超えるという巨大空港。

2つのターミナルがあるが、スロットマシンがずらりと並ぶ壮観な光景が見られるのは国内線中心のターミナル1。ターミナル3は2012年に開業した新しい施設で、国際線と一部の国内線を扱う。こちらにも300台のスロットマシンがある。ターミナル2は3タミの開業にともなって閉鎖された。

空港からの足はタクシーや乗り合いシャトルバス、市バス、レンタカー。ホテルへの送迎を頼む人も多い。

タクシーの場合ストリップまで空港利用料(2ドル)とチップ込みで20ドル~、ダウンタウンまで30ドル~といったところ。

乗り合いシャトルバスは主要なホテルを巡回する。ストリップまで1人あたり8ドル、ダウンタウンまで9.5ドル。1人ならタクシーよりも安い。

市バスは後述するRTCバスがターミナル1から出ている。ストリップへの路線はないが、ダウンタウンまで2ドルと格安。

レンタカーは後述するとおり空港に巨大カウンターがある。

豪華にリムジンで向かうという手もある。空港のタクシー乗り場に普通に停車しているほか、ホテルに送迎を依頼する際に車種を指定することもできる。




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地理と気候

アメリカは広く、エリアによってだいぶ気候が異なる。ラスベガスのあるネバダ州は砂漠気候であり、雨が少なく低湿で、昼夜の温度差はやや大きい。
したがっていつ行っても楽しめるが、中でもベストシーズンは気温的に過ごしやすい春と秋(3~5月と10~11月)。
夏(6~9月頃)は昼間30度を超え暑いが、カラっとしているため温度から想像するよりも快適に過ごせる。冬(12~2月)は夜間だいぶ冷え込む。
グランドキャニオンに行く場合は4~5月、9~10月あたりがおすすめ。
(後述「ホテル」も参照のこと)

日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。


【画像:Google提供】


言語と通貨

英語が基本。
ヒスパニックが2割、アフリカ系が1割、アジア系が5%で、大多数はヨーロッパ系。
通貨は米国ドル。1ドル=123円程度(15年6月時点)。

物価はアメリカでも屈指の安さと考えてよい。特にホテルと食事は豪華さを考えると格安。ストリップ地区やカジノホテルからそれほど出ないのであればほとんどお金を使わずに過ごせる。

クレジットカードは必須。むしろホテルやレンタカーなどカードがないと成り立たない。
むしろ、気をつけたいのは外貨(ドル)への両替。現地での円→ドルレートは悪いので、日本で調達していくようにしたい。

ホテルやカジノではチップの機会が多い。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ベルボーイやベッドメイクには1~2ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の2割程度が目安。サービス料が含まれていれば不要。カジノで勝った場合はディーラーに多少渡すこともある。
クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


【画像:Wikipedia提供】


ビザと治安

夜でも人気の絶えないラスベガス。ストリップ地区は比較的安全といえるが、人気のないエリアや寂しい通りは注意。ダウンタウンの周辺までいくとあまり治安が良いとはいえない。
スリ、カジノでの置き引きには注意。バフェイで料理を取りに行くときなども要注意だ。ぼったくりバーなどの被害も報告されている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

ラスベガス市は東西南北20km以上にわたるが、ストリップは端から端まで7km程度。徒歩でも巡ることができる。
ただし暑さの中外を歩くのはきつく、屋内も冷房ギンギンで内部構造がわかりにくい巨大施設ばかり。歩く街歩きが好きな人でも無理しない方がよい。

(タクシー)
タクシーはホテルや空港で乗車する。通りを流しているタクシーに乗ることはできない。料金は初乗り3.2ドルで、以降1マイルごとに2.6ドル加算。
一見安いと思いきや、チップが意外にばかにならない。目安は料金の2割程度。ホテルでドアを明けてくれるスタッフに1ドル程度。結局日本のタクシー並みかそれ以上と考えた方がよい。クレカ払いの場合は手数料が追加される(3ドル)。

(バス)
市バスはRegional Transportation Commission of Southern Nevada(RTC)が運営している。
市街を縦横に網羅しており、24時間365日運行で大変便利。2時間6ドル、24時間8ドル、3日20ドルのパスがある。デュース(Deuce)と呼ばれる2階建てのバスと、SDXという2両連結のバスがある。

(モノレール・トラム)
モノレールは公営。ストリップ地区の東側を南北に結んでいる。南東のMGMホテルから東北方面のSLSホテルまでおよそ7km、7駅。MGMホテルからさらに空港に南進し乗り入れる計画があるが実現していない。
1回5ドル、1日パスが12ドル。

トラムはホテルが運行しているもので、モノレールを補完するようにストリップの西側を南北に結んでいる。マンダレイベイ-エクスカリバーなど3つのトラム路線があり、すべて無料。

(レンタカー)
広いアメリカ、特に郊外に出るならレンタカーの利用がおすすめ。
街中やホテルのカウンター、空港などで借りることができる。
空港には各社のレンタカー・カウンターを集約した”McCarran Rent A Car Center”がある。こちらで借りれば空港から直でホテルに向かえるので便利だ。

地図を見ればわかるように、ラスベガスの道は碁盤状で走りやすい。ストリップは全面的に駐車禁止で、時間帯によってはかなり混雑する。駐車場の数は豊富。


ホテルとシーズン

ラスベガスのホテル代はおどろくほど安い。数千円で広々とした部屋に泊まることができる。さらに、中にはカジノのクーポンやバフェイチケットがついてくるものもあるなど、価格以上のお得感がある。
ラスベガス・ストリップには東京の1/2にあたる6万以上の客室があり、供給力も万全。
ラスベガスのホテルの多くは、値段を下げることで多くの顧客を呼び込み、カジノ収入と高稼働によって儲ける戦略をとっている。そのため一部の高級ホテルを除いてはおおむね一泊100ドル未満、四つ星クラスが50ドル未満ということも珍しくない。少し中心部を離れると30ドル20ドルという水準になる。しかも予約サイトなどでひんぱんにディスカウントが発生する。
ただし、最近ではカジノに依存しないホテルも増え始め、レートは高くなる傾向にある。

週末、大きなイベントと重なる時期はホテルのレートも上がる。特に2月のスーパーボウルや中国系の訪れる旧正月、3月のナスカーあたりの時期は要注意。ボクシングのビッグマッチや展示会などもホテルが埋まりやすい。


Bellagio Las Vegas(トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
アメリカはかつてあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかったが、近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでいる。
おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。以下のリンク「No Contract and Prepaid Phone Plan Guide」を参照のこと。「Bring Your Own Phone?」が「Yes」のカードは自分のSIMフリー携帯を持ち込んで契約できる。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良い。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPnoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないことも。いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはなく、レストラン、カフェやファーストフードなどで無料のWiFiが提供されている。マッカラン空港ではどこでもWiFiが通じる。
一方でホテルは有料の場合が多い。

4. 世界あの街この街: 麗江


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第47回 麗江


麗江 (トリップアドバイザー提供)

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

圧巻の密度をほこる瓦屋根のつらなり、入り組んだ石畳の路地と水路。昼は遠くに冠雪の山脈をのぞみ、夜は紅い提灯が怪しく灯る。
麗江は、まさに「絵に描いたように」美しい中国西部の古鎮。
旧市街(麗江古城)は少数民族ナシ族の生活をとどめるように保存されており、内外から多くの観光客が訪れる。街歩きからアウトドアまで楽しみ方は広い。近年人気の雲南料理も本場の味わい。

バスで麗江に向かった場合、南北に走る香格里拉(シャングリラ)大通り沿いの高速バスターミナルで降りることとなる。天気がよければ北の方に標高5596mの玉龍雪山が見える。あたりはビルも多い新市街で、古都の雰囲気はない。
ターミナルから南東、民主路を超えるといよいよ旧市街にたどりつく。
高快客運站--中国-から-束河
(画像:Google提供)

麗江古城は少数民族ナシ族のかつての都。中国の古い都跡にありがちな城壁がない。
石畳と木造の伝統家屋が保存されており、1997年には世界文化遺産に登録された。
かつては文字通りの古鎮であったが、観光客の増加と共にお土産屋やレストランだらけとなり、路上も混み合っている。少数民族の衣装を着ているのは漢民族という噂もちらほら…。
昔はよかった、かつての風情がなくなったとなげく観光客も少なくないが、テーマパークと割り切ればこれほど楽しい街もない。昼も夜も美しい光景、(少し高いが)おいしい料理、WiFiのあるカフェ、英語が通じるなど安心してうろつける。

Lijiang Old Town (トリップアドバイザー提供)

昼間、高い建物から街を眺めると、灰色の屋根瓦が拡がる麗江独特の光景をながめることができる。

Lijiang Old Town (トリップアドバイザー提供)

街の中心は四方街広場。狭い路地が多いので、迷ったらこの広場に戻ろう。
レストランやカフェ、お土産屋や演劇などいつもにぎやか。

Sifang Streets Square (トリップアドバイザー提供)

木府は麗江の街を統治した木氏の邸宅跡。四方街広場の南にある。
高い建物があまりない旧市街で、街を一望できる貴重なスポット。

Mufu Palace (トリップアドバイザー提供)

また、獅子山公園の五層建て「万古楼」も街を一望するのによい。

日が暮れはじめるとあちこちで赤い提灯がともり、夜市のような光景がひろがっていく。
川沿いのカフェやバーの灯りが水路に映え、夜の街歩きが楽しい。
四方街広場の周辺はバー・エリアとなっており、飲み屋やクラブの喧噪で大変にぎやか。


Lijiang Old Town (トリップアドバイザー提供)

束河古鎮はナシ族の古い村。麗江から北に4kmほどで、タクシーならすぐ。がんばれば徒歩でも行ける。古いガイドブックには”テーマパーク化した麗江古城と異なり昔日の風情を残している”などと書いてあったりするが、今やこちらもテーマパーク化が進んでいる(だがそれがいい!)。
実際には、麗江よりも静かで旅行者に便利な施設(安宿、カフェなど)も多く、過ごしやすい場所である。こちらに泊まるのもおすすめ。




Shuhe Ancient Town (トリップアドバイザー提供)

白沙村は麗江から北に12km。バスが便利(料金は片道たったの一元)。がんばればレンタサイクルでも行ける。
こちらは長年麗江を統治し、木府の主でもあった木氏の本拠地。入り口付近こそお土産屋やカフェが並ぶものの、麗江や束河には残っていない昔ながらのナシ族の暮らしがいきづいている。落ち着いた街の雰囲気、間近にせまる玉龍雪山などおとずれる価値は高い。


Lijiang Mural in Baisha Village (トリップアドバイザー提供)


玉龍雪山は麗江から北に40kmあまり、最高峰の扇子陡は標高5596m。
北半球で最も南に存在する氷河を擁する。
麗江古城からわずか15kmほどで玉龍雪山を含む広大な国立公園にたどりつく。
麗江のどこからでも見える玉龍雪山はナシ族の聖地であり、扇子陡はかつて一度しか登頂を許していない。雲南観光のハイライトでもある。

扇子陡の真下4506m地点までロープウェイでたどりつくことができるので、体力に自信がない人でも氷の岩山や雲海を間近に堪能できる(急に高度が上がるので高所対策はしておきたい)。ツアー代金もそれなりにするが、晴れた日の絶景はたとえようがない。
公園内にもいくつかの絶景ポイントがあり、白水河は雪解け水と大理石の白砂がつくりだす景観で知られる。CGですか?と思いたくなるようなひたすら青い水を湛える。


Yulong (Jade Dragon) Mountain (トリップアドバイザー提供)


White Water River (トリップアドバイザー提供)

トレッキングなら麗江から北に60kmほど、「虎跳峡」という美しい名前の渓谷がある。
谷底から頂上までの高低差が3790mという富士山がすっぽり入るほどの大渓谷だが、最もせまい部分は30mほどしかなく、両岸はまさにそびえ立つ崖。最寄りの街である橋頭もしくは大具を起点とする1泊2日のトレッキングがポピュラーだが、コースを選べば麗江から日帰りも可能。
800px-Yunnan_Terraces
(画像:Wikipedia)

麗江まで行ったならば、ぜひ足をのばしたいのが香格里拉。
麗江から香格里拉までのバスも豊富で、所要4時間ほど。途中で玉龍雪山や虎跳峡の絶景を眺められる人気ルートとなっている。
香格里拉はチベット族の影響が強いエリアで、理想郷の名にふさわしい雄大な自然が魅力となっている。

Meili Snow Mountain (トリップアドバイザー提供)


Napa Hai Nature Reserve (トリップアドバイザー提供)

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Shuhe Food Street (トリップアドバイザー提供)

東巴谷野山菌 (トリップアドバイザー提供)

麗江の地元の味覚は日本でも徐々に知られつつある雲南料理。
四川料理とならんで辛い味付けで知られる。四川が山椒のしびれる風味を重視するのに対し、雲南は唐辛子メインで、辛さと酸味の効いたくせになる味つけが多い。
雲南で有名な料理は細いビーフンをつかった鍋料理の過橋米線(グオチャオミーシェン)や汽鍋という鶏の骨がボロボロになるまで煮込んだスープがあるが、それらは漢民族の料理。ナシ族の料理は米をまぜた腸詰や豚の干物などヘビーなものからさっぱりした緑豆の麺まで幅広い。

ぜひ体験したいのは特産のキノコをたっぷりと使った火鍋。ポルチーニやマツタケなどの高級キノコや日本では見られない珍しいキノコがたっぷり入った鍋は健康によいとのことで中国人にも人気がある

ストリートフードであり主食でもあるのはババと呼ばれる揚げパンのようなもの。小麦生地を油で揚げ、釜の内壁で焼く。中に肉やネギを挟んだものはボリュームたっぷり。

実は麗江で目立つのは西洋風のカフェやバー。
特産の大理チーズ(乳餅)やハム、キノコを使ったピザは評価が高く、ワイン、雲南コーヒー、雲南省産のビールなどピザに合う飲みものもそろっている。
西欧人観光客にまじってピザをつまみながら山並みを見ているとどこの国かわからなくなるほど。

Bad Monkey (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
雲南省までの行き方は多様。ルートがありすぎて迷ってしまう。

LCCの香港エクスプレスを利用して香港から昆明に入り、そこから麗江を目指すのが最安となる可能性が高い。キャンペーン併用ならおどろくほど安く行ける。
また、エアアジアも昆明便がある。バンコクまたはクアラルンプール便で、バンコクの場合は所要1時間半と近い。
LCCの価格状況によっては中国東方、中国国際、中国南方といった中華系の方が安いことも。広州、重慶、昆明などを経由して麗江に向かう。
余裕があれば成都までANAの直行便で向かい、そこから麗江を目指すという手もある。

関西空港の場合、かなり中国中西部行きの便が充実している。中国東方の昆明便の他、春秋航空の重慶便や蘭州便、中国南方の貴陽便など。春秋が安くとれればかなりお得に旅ができる。

何とかして昆明や重慶までたどり着けば麗江まではあと少し。昆明から麗江までは空路で所要わずか45分、往復で3万円程度。

(陸路)
昆明から麗江まで鉄道やバスで向かうのもポピュラー。特に、昆明から大理に寄って麗江に向かうルートは鉄板。

鉄道の場合昆明から所要10時間程度。夜行便は寝ている間に麗江まで着くので便利。料金は片道軟臥(寝台)が200元程度。鉄道が到着するのは麗江東駅。市街まではおよそ5km。タクシーなら20元程度。

昆明から麗江に向かう便はバスの方が多く、一日8~10便程度ある。所要は8~10時間で、鉄道とは異なり昼間に昆明を出る便が多い。料金は150元~300元程度。

大理からのバスは所要4時間程度、一日20便以上ある。料金は50~80元程度。

麗江のバスセンターから古城まではタクシーで5~10分程度。

(パッケージツアー)
麗江はバックパッカーも多いものの、少数民族や世界遺産といったどちらかというと年輩の方々へのアピールが強い。そのためパッケージツアーは高めの設定となっている。7泊8日程度の比較的余裕がある日程が主流で、費用は麗江と大理をめぐる場合13~15万円、北の香格里拉や南のタイ族自治州・シーサンパンナといったあたりを周遊する豪華ツアーなら30万近くになる。

(空港)
麗江の空港は麗江三義空港(LJG)。市街の南方およそ30kmに位置する。
標高2400mの高地にあり、滑走路も3000mが一本のみの小規模空港。欠航が多いとされる。
空港の周囲は山脈が連なり、いやがおうにも旅気分をかきたてられる。
国内線メインであるが、台北、シンガポールからの国際線も就航している。

市街地までの足はリムジンバスが便利。
所要時間は40~45分程度。運賃は20元。
朝6時半から22時まで30分に一度、市内のホテル藍天賓館と空港を結んでいる。

タクシーの場合はおおよそ120元が相場。バスで市街についてもそこから結局タクシーを使うことになるので、人数や荷物によってはこちらの方が得かもしれない。




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地理と気候

雲南省は中国の最西南部、ベトナムやラオスといった東南アジアと国境を接しており、それらの国の民族も広く暮らしている。

麗江は雲南省の北西部、山ぶかい雲南省の谷あいに位置し、平均標高およそ2400m。
モンスーン気候に属し5月終わり頃~9月いっぱいは雨季、10月後半~5月はじめが乾期となる。中国中西部というと四川や重慶のねっとりした暑さが思い出されるが、麗江は年間通じて気温の変化は少なく全般に過ごしやすい。夏でも25度未満、冬も氷点下になることはほとんどない。とはいえ高所のため秋~冬は朝晩冷え込む。

ベストシーズンはやはり乾季。雲が少なく遠くに玉龍雪山をのぞむ絶景が味わえる。
春は高山植物、秋は紅葉でにぎわう。
トレッキングに行く場合は高山病の予備知識をもっておきたい。特に乾季は酸素が薄くなる。季節にかかわらず紫外線も強いのでサングラスや日焼け止め、羽織るものを用意するのがベター。

10月1日の国慶節や2月の春節にあたる時期は避けた方が無難。
ホテルや観光地も非常に混み合う。

麗江広域
(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
西欧からのツーリストが多い。レストラン、カフェ、安宿やホテルなど旅行者が行くような場所には英語がわかる人がいることが多い。

タクシーは中国語オンリーと考えてよい。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=20.4円(15年6月時点)。概ね1人民元=20円と見ておけば良い。14年夏前まではおおむね1人民元=15円であったが、かなり値上がりしている。

観光地であり、外食や郊外ツアー(トレッキングなど)は高め。カフェでのちょっとした食事で50元を超えてしまうこともある。ローカルレストランならやや出費を抑えられるかも。一方でホテルや市内タクシーはそれほど高くない。
麗江古城地区は世界遺産の維持費などという名目で80元の入場料(7日間有効)が必要。なお、それとは別に束河古鎮で50元(同)、玉龍雪山で105元(当日有効)220元(2日有効)、虎跳峡でも別途入場料を払うことになる。各所で古城維持費80元の領収書を提示しなければならない。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
現地のATMは故障やカードを受け付けないなどのトラブルも多いので、日本円・人民元問わず多少の現金を携行していった方がよい。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

中国を代表する観光地であるが、治安は良い方でありあまりトラブル情報は報告されていない。
ただし、あくまで外国としては安全ということであり、身の回りには十分注意しよう。
現地ツアーや郊外へのタクシーはそれなりに値段も高く、ぼったくりなのか適正料金なのかなやむことがある。ゲストハウスなどに泊まっていれば相場を聞いておこう。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。


市内交通

地下鉄、軽軌道といった交通機関はなく、もっぱらタクシーかバスが主役。

(タクシー)
タクシー料金は、上海北京などの大都市よりは安いが中級都市よりは高いといったところ。初乗りは3kmで7元。以降1kmごとに1.8元。プラス乗車ごとに燃油代1元・さらに夜間加算、停車中加算。郊外に行く場合には戻り空車補償がある。
実際には10元、15元といったキリのよい数字で交渉してくるドライバーが多い。おおむね5km以内で20元、10kmで30元程度。

香格里拉大通りには束河古鎮や白沙村行きの乗り合いタクシーもある。

(バス)
バスは郊外に行くにも便利で、束河古鎮や白沙村に向かう路線もある。運賃は1元と安い。

(レンタサイクル・バイク)
ゲストハウスなどで貸し出している。
いわゆるママチャリが24時間で30元程度、マウンテンバイクは高い。借りる際に300元程度の預かり金が必要。
古城内は自転車乗り入れ禁止なので、実際には束河古鎮や白沙村などの近郊に行くとき用。


ホテル


Zen Garden Hotel (Wuyi Yard) (トリップアドバイザー提供)

観光都市であり宿の選択肢は多い。ホテル代はおおむね安め。グランドハイアットのような外資系5つ星ホテルでも1.5万円程度。3つ星ホテルなら4千円程度。
古城内はタクシーの乗り入れができない。古城に宿をとる場合はなるべく大通りに近い場所が便利。

麗江でのおすすめは古い伝統家屋をリノベーションした宿。「○○客桟」というような名前が多い。リノベーションされたばかりの宿は雰囲気がよく、内部の設備もWiFiやホットシャワーなど最新(ただし料金もそれなりに高い)。リノベーションが不十分でドアなし共用トイレのただ古いだけという物件もあるので、中をのぞいてから決めよう。

ゲストハウスも多く、現役バックパッカーにも優しい価格。ドミトリーは数百円、個室でも千円前後。

一般に国慶節(10月1日)、春節(旧正月)の季節は混み合い価格も上昇する。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
路上の携帯会社のカウンター、家電量販店、売店、コンビニ等でSIMが購入できる。
中国の場合は特にプリペイドという概念がなく(全てがプリペイド)、SIMにチャージされた金額が月々引き落とされていく仕組み。残金が足りなければ使えなくなるだけというシンプルさ。
なお、LTEはTD-LTEという独自方式なのでSIMをそのまま挿しても使えないことが多い。現地でWiFiルーターを借りればLTEの恩恵を受け取れる。

大手の事業者はChina Unicom(中国聯通)、China Telecom(中国電信)、China Mobile(中国移動)。
China Unicomの3GはW-CDMA(ドコモやソフトバンク方式)、China TelecomはCDMA2000(au方式)。China Mobileの3GはTD-SCDMAという中国独自方式となっている。持ち込むスマートフォンの対応規格を確認しておくこと。
中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりがあり、中国語のメッセージを解釈する必要があるためSIMの利用はややハードルが高い。携帯会社のカウンターで設定してもらうことをおすすめする。ホテルやゲストハウスのスタッフに頼むという方法もある(要チップ)。

China Unicomの場合、通話可能なデータ通信500MのSIM(初期費用)が25.99ドル、月額62元。1ギガの場合SIMが27.99ドル、月額94元。180日有効の3ギガプリペイドSIMが47.99ドル(英語版ショッピングサイトは米建て価格表示)。

China Telecomの場合は、通話やショートメール、データ通信の組み合わせで価格が決まるプランなど様々。ifreeというブランドで展開しているLTEのSIMは月額5元で30M、プラス9.9元で500M追加可能。

China Mobileの場合は、容量500MのLTEプランが30元、1Gで50元など。キャンペーンも多いが、上述の通り中国独自形式なので注意。

以上は例示。中国の場合ひんぱんに価格が変わったり新プランが登場する。

中国国内からYouTubeやFacebook・TwitterなどのSNSに接続する場合には閲覧規制がかかる。GmailなどGoogleの各種サービスも制限されている。日本の携帯を海外パケット放題でそのまま使うか、近隣国(香港など)でSIMを買い国際ローミングすれば接続制限を回避できる。VPN(Virtual Private Network)で回避する方法もあるが、うまくいかないこともある。

また、雲南に長居するのでなければあまり大容量の高価なSIMを買うのも考えもの。省を超えるとローミング扱いになり、データ速度が遅くなったりするので要注意。使い切れる分を賢く選ぼう。

などなど…中国でのSIM入手や使いこなしは上記の通り結構面倒なので、携帯会社の海外定額を利用するか、日本からWiFiルーターを借りて行くのも手。日本でWiFiルーターを借りた場合は1日あたり600円と比較的安め。

(Wifi)
ツーリスト天国であり、もともと多くのカフェやレストランで無料WiFiが開放されていた。朝からラップトップやタブレットを抱えてダラつく白人ツーリストを多く見かける。
2014年からは公衆無線LANサービスが始まりさらに便利になった。

4. 世界あの街この街: ヴィエンチャン


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第46回 ヴィエンチャン


Vientiane Night Market (トリップアドバイザー提供)

ラオス人民民主共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

エネルギッシュかつどこかゆるい空気、仏教史跡とフランス植民地時代の建築物が混在する街並みが魅力となり年々観光客が増加している。素朴な民芸品の並ぶバザールや屋台巡りも人気。石壺史跡が有名なジャール平原への入り口でもある。

ヴィエンチャンはラオスの首都かつ最大の都市。かつては「世界一何もない首都」と称されたほどだが、近年は経済発展に伴い朝夕のラッシュやクラクション、工事の音が鳴り響くなど急速な発展を遂げている。
しかし、周辺国の都市がギラギラと活気に満ちて住みにくくなっている中、まだまだゆるい雰囲気も保っている。ガイドを片手に観光スポットをあくせく巡るような旅ではなく、ゆったりと余裕をもって訪れたい。
Talat Sao Shopping Mall から ラオ・ブルーワリー・カンパニー・リミティッド   Google マップ
(画像:Google)


そんなヴィエンチャンの観光といえばまずは街歩き。とくに、タラートと呼ばれる市場巡りがおすすめ。暑さに疲れたらカフェに避難するか、ショッピングセンターでク-ラーを浴びよう。

タラート・サーオ(Morning Market)は市内最大規模のショッピングセンター。雑貨やハンディクラフトなどのお土産品から、宝石や家電まで生鮮以外は何でもそろう。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

タラート・クアディンはタラート・サーオから通りを挟んだ向かい側。竹細工や布などのハンディクラフトに加え、生鮮も並んでいる。
タラート・サーオの少し北にあるタラート・トンカンカムは巨大な生鮮市場。生体が生々しく並ぶぶった切りの肉塊や山積みの野菜、メコン川の恵みをうけた川魚やエビなど市場好きにはたまらない雰囲気。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

ヴィエンチャン最大のショッピングモールは15年3月に開業したばかりで、その名もヴィエンチャン・センター。超巨大モールの目立つアジアの中では小ぶりだが、それでも総面積12万平米と現在ラオス一のスケールを誇る。グッチやオメガといった外資系高級ブランドからZARA、ラーメン店まで幅広いテナントが揃っており、将来的にはホテル等が入る複合施設となることを目指している。
ヴィエンチャンセンター1
(画像:Wikipedia)


ヴィエンチャンの観光スポットには寺院が多い。
中でもランドマーク的存在の1つがタート・ルアン。ラオス仏教における最高権威で、ヴィエンチャン住民はもちろんラオス各地の敬虔な仏教徒も多く訪れる。昼は黄金の仏塔が青空によく映え、夜はライトアップされ美しい。


Pha That Luang (トリップアドバイザー提供)

ワット・シーサケットは16世紀に遡るというヴィエンチャン最古の寺で、現在の建物は19世紀に再建されたもの。回廊には無数の仏像が納められており、その数およそ7,000体と三十三間堂以上の規模。

Wat Si Saket (トリップアドバイザー提供)

タート・ルアンと並ぶヴィエンチャンの顔はパリの凱旋門を模したパトゥーサイ。本家パリの凱旋門が高さ50mなのに対し、こちらも高さ45mとひけをとらない威容を誇る。
展望台があり、高い建物に乏しいヴィエンチャンで市内を一望できる数少ないスポット。展望台に向かう途中の階にはお土産屋があるなど何かとほほえましいが、本来は慰霊のためのモニュメントである。
昼も多くの観光客でにぎわうが、夜はライトアップされさらに華やかに。

Patuxait (トリップアドバイザー提供)

夕方になったらメコン川沿いのナイトマーケットへ。
バーで(いくらでもある)ビールを片手に、対岸のタイや沈む夕陽を眺めながらまったり時を過ごそう。

Bor Pen Yang (トリップアドバイザー提供)


ヴィエンチャン観光でひそかに人気なのはラオスの国民的ビール、ビア・ラーオ工場の見学。市街から南、14番線のバスに乗って友好橋方面。運転手にビア・ラ-オ工場と伝えるだけ。
本来は予約制だが、いきなり行っても結構OKだったという声もちらほら。

Beer Lao Brewery near Vientiane (トリップアドバイザー提供)

そして、郊外観光の目玉と言えばワット・シェンクアン、別名ブッダパーク。友好橋を越えてビア・ラーオ工場の先にある。もちろん工場見学とセットで行くのがおすすめ。
ブッダパークはタイの珍寺などと並ぶ東南アジア屈指の珍スポット。それほど威厳のないコンクリ製の仏像(的なもの)が無数に並ぶシュールな様はいろいろな意味で期待を裏切らない。
ブッダパーク
(画像:tabinote・青木大地)

ナムグム湖はヴィエンチャンから北に90km。
水力発電ダムに付随する人工湖で、福岡市とほぼ同じ面積という巨大なもの。ちなみに内陸国、ラオスは電力を100%水力で生み出している。
開発には日本人・日本企業が多く関わり、犠牲者も現地に眠っている。
現在ではボートや島巡り、水上レストランなどもあり観光地化している。

Nam Ngum (Blue Lagoon Resort Laos) (トリップアドバイザー提供)

バンヴィエンはヴィエンチャンの北160kmにあるリゾート。石灰岩の山々や鍾乳洞、ブルーラグーンという碧い湖など豊かな自然に恵まれ、欧米人のツーリストも多い。
ブルーラグーン
(画像:tabinote・青木大地)

ジャール平原はバンヴィエンから北東に陸路200kmほど。
古代につくられたと推定されている謎の石壺が無数に埋まっており、不思議としか言いようのない光景が広がる。旧陸軍参謀の辻政信がこの平原で失踪したというエピソードもあるなど、何かと妄想をかき立てられるスポット。


Plain of Jars (トリップアドバイザー提供)

【ラオス】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Makphet Restaurant (トリップアドバイザー提供)

ラオスの食はベトナム、タイ東北部、中華料理をほどよくミックスしたテイストで、アジアの中では辛さ控えめ。パンやサンドイッチにはベトナム同様フランスの影響が見られる。

食材はもち米とハーブの多用が特徴。内陸国であるが川魚もよくメニューに登場する。

代表的なメニューは粗く刻んだ肉をハーブとライムジュースで味付けしたラープ。タイ料理でもお馴染みのメニューだが、ラオスが本場。鶏肉や豚、レアの牛肉、魚やアヒルのラープまで多彩なバリエーションがある。
他には麺類も豊富で、タイ風、ベトナム風のフォー、中華風の焼きそばや和え麺など毎日でも飽きない。
タイやベトナムでお馴染みのメニューに加え、肉や魚をシンプルに炭火で焼いたり揚げたりしたメニューも多い。

欧米のツーリストも多く訪れるため小洒落たカフェが多いのも特徴。本格的なバケットを使ったサンドイッチやラオス産の蜂蜜を使ったパンケーキなども人気がある。

ラオスのビールといえばビア・ラーオ。
フランス資本で建設されカールスバーグの出資を受けたという本場欧州仕込みの濃厚な風味は氷で割ってよしそのままでよしの万能選手。
国内シェア90%以上とも言われる国民飲料で、東南アジアでもっとも美味しいとの呼び声も高い。


River Spiritr (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からラオスまでの直行便はなく、周辺の東南アジア諸国から入る。
なんといっても空路が豊富なのはタイ経由。日本からバンコクを経由するのが手軽。
ベトナム、カンボジアからのルートも多い。特にベトナム航空は日本からの往復で5万円を切るなどLCCよりも安いことがある。
エアアジアも安い。クアラルンプールからヴィエンチャンまで直行便がある。
意外なところでは、韓国のジンエアーがソウルから就航しており、価格も手ごろ。

ラオスの国内線移動は時間変更や遅延、欠航が日常茶飯事。ヴィエンチャンからの移動も一筋縄ではいかないことがあり、余裕をもってスケジューリングしておきたい。

(陸路)
周辺国の主な都市とをつなぐ国際バスがある。タイやベトナムとの間に路線がある。鉄道もあるがバスがお手軽。
陸路で入国する場合でも、国境ポイントでビザを取得できる。

(空港)
ワッタイ国際空港(Wattay International Airport;VTE)は市街から西に約6kmと近い。国際線と国内線の2ターミナル。国際線ターミナルは日本の援助で1999年に建てられた。軍民共有で、ラオス空軍の基地を兼ねている。

国際線はラオス国営航空の他、タイ国際や中国東方、エアアジア、ジンエアーなどが就航している。

市街地まではプリペイドの定額タクシーで、6USドルまたは54,000キップ。




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地理と気候

ラオスはインドシナ半島の内陸深くにある内陸国で、南北に細長い。東にタイ、北に中国、西にタイとミャンマー、南にカンボジアと接している。
ヴィエンチャンはラオスの中央部、タイ国境沿いにある。

5~10月は雨季で、11~4月が乾季。3~4月にかけて猛烈に暑くなる。

基本的には乾季が観光に適しているが、滝やメコン川の雄大な眺め、山盛りの果実が積まれたマーケットを見るならあえて雨季を選ぶのもいい。ホテルも雨季は安め。毎年4月中旬がお祭りとなり、ピースフルな雰囲気が漂う。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午がラオスの10時。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はラオス語(ラオ語)。タイ語もそれなりに通じる模様。
フランス領ではあったがフランス語が通じることはほとんどない。観光分野では英語の通用度が高い。

通貨はキップ、あるいはキープ(LAK)。
補助通貨としてアット(Att;1キップ=100アット)がある。
1キップ=0.15円(15年5月時点)。おおむね10,000キップで150円くらいと覚えておけばよい。

米ドル、タイバーツも通じるが、日本円を現地でキップに両替するのが有利。現地での再両替レートは良くないので都度両替すること。
現地には豊富にATMがあるが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
ホテルは米ドル建ての場合もある。

物価はホテルを除きかなり安め。
ミネラルウォーターが2,000K(キップ)、ローカルレストランで麺などが1万キップ、レストランが5万キップキップ。ホテルはゲストハウスで10USドル、3つ星ホテルなら30~50USドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。

チップは基本不要。ベルボーイやガイドに1ドル程度。高級ホテルでは10%の税金が加算される。


(画像:banknotenews.com)

ビザと治安

15日以内の観光滞在はビザ不要。16日以上であればビザ申請を。
アライバルビザもあるのでそれほど神経質になる必要はない。
外国人は、常にパスポートの携帯が義務付けられている。警官の検問時にパスポートがないと延々と尋問されたり拘束されることもあるので注意。

油断は禁物だが、ぼったくりやしつこい客引きは少ない。
ラオス自体、一党独裁の体制が続いており基本的に治安はよい。
ただし、旅行者をねらったひったくりやホテル・ゲストハウスでの盗難、いかさま賭博などの被害が報告されている。近年では銃器を用いるような凶悪犯罪も増加している。
麻薬の誘惑に触れる機会も多い。もちろん違法であり、麻薬所持の最高刑は死刑。

毎年2月から4月頃までの間は山焼き・野焼きの影響で煙害が発生する。マスク携行を推奨。

ヴィエンチャンとルアンパバーンの間の山岳地帯は反政府武装勢力の拠点であり、基本的に外国人は入境できない。外務省は「渡航の是非を検討」扱いとしている。


市内交通

地下鉄、軽軌道といった公共交通はなく、バスも郊外との接続が中心。
レンタサイクルやトゥクトゥクが便利。
タクシーは快適だが空港タクシーやツアー用のチャーター車が主流で、街中を流していることはない。

(タクシー)
ホテルで呼んでもらうなどしてチャーターする。
交渉制だが、1時間借りてだいたい10USドル位。
まれにメーター制のものもある。初乗り1km15,000キップ程度。

(トゥクトゥク)
三輪バイクタイプ。料金は交渉制で、市内ならおおむね一回(1km程度)で1~2万キップ程度。ワット・シーサケット付近など観光地では強気にふっかけてくるドライバーも多い。

(レンタサイクル)
突然の雨や車道の土埃、炎天下のペダル漕ぎなどヴィエンチャンでの自転車行はなかなかハード。
1日借りて1~4万キップ程度。ギア付のMTBなら5万キップ以上。
安い店や自転車の品質はそれなり。

(バス)
あまり市内観光に便利な路線ばかりではないが、目的地とルートがうまく重なっていれば便利。友好橋、ビア・ラーオ工場などに向かう14番線は比較的利用頻度が高いかも。
路線によっては日本から払い下げられた低床バスが走っている。
バス停以外でも乗り降りでき、乗車は手を上げて停め、降車は降車ボタンで知らせる方式。運賃は徴収に近づいてくる乗務員に払うか、降車時運転手に支払う。


ホテル


Salana Boutique Hotel (トリップアドバイザー提供)

全般に相場は安く、長期滞在者にもうれしい。
ホテルの数は多く建設ラッシュも続いているが、それ以上に増加する旅行者・ビジネス客も多い。オンシーズンは混雑しがち。
適度にきれいで広めの3つ星クラスで4,000~6,000円程度。その値段でプール付の豪華4つ星が見つかることもある。
更に安いクラスなら3,000円程度からあるが、十分に広くて快適。
ゲストハウスならばドミトリーで数百円、個室でも1,000円台。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ラオスの携帯事業者は最大手のLao Telecom(Laotel)、ETL、Unitel、ロシア系Beelineの4社。
外国人でも自由にプリペイドSIMを購入できる。

Laotelのプリペイドプランは1日1ギガで5,000キップ。1ヶ月5ギガで5万キップ、同使い放題で25万キップ。4Gのプランもある模様だがルアンパバーンでの電波状況は未知。

ETLの場合1日300Mで5,000キップ、1週間400Mで1万キップ、1ヶ月2ギガで5万キップなど。

Unitelの場合、1日125Mのパッケージが5,000キップ、1週間250Mで1万キップ、1ヶ月1ギガで4万キップ、同5ギガで10万キップなど。

Beelineは最大21Mbpsの4GUSBモデムとSIMのセットを用意しており、35万キップ。その他3日で500メガのホットプランが1万キップ、1週間500メガで2万5千キップ、1ヶ月1.5ギガで10万キップ、1.2ギガのデータ専用で5万キップなど様々なプランがある。

短期滞在ならBeelineの3日プラン、1週間ならETL、1ヶ月ならLaotelの5ギガプランがお得といったところか。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は5日間で7,500円程度と高め。できれば現地でSIMを調達したい。

(WiFi)
多くのカフェやゲストハウスにはWiFiステッカーが貼ってある。もちろん店員からパスワードさえもらえば無料でつなげ、回線品質もそこそこ。

4. 世界あの街この街: シアトル


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第45回 シアトル

シアトル(トリップアドバイザー提供)

アメリカ合衆国・国旗

【画像:Wikipedia提供】

見どころと特徴

水と緑の織りなす街並みは「エメラルドシティー」の愛称で名高い。どこを切り取っても絵になる街。
ボーイング、マイクロソフトといった世界的企業の発祥の地であり、数々のアーティストやスペシャリティ・コーヒーを広めるなど文化の薫り高い街。日本からアクセスしやすく、都市の洗練と雄大な大自然を手軽に体験できる。

シアトルの街区は広く、アミューズメント施設やミュージアム、街歩きスポットなどが点在している。
観光名所はツアーに参加するのもおすすめ。街歩きなら、特に予定を決めずのんびり歩くだけで楽しい。
Google マップ
(画像:Google)

シアトル最大の観光スポットはパイク・プレイス・マーケット。
100年以上の歴史を持つ公設市場で、新鮮な魚介や近郊野菜、自家製パンや地ビールなど地元の産品がならぶ。
常設フードフェスティバル状態で、いつも地元民や観光客があふれている。
スターバックス1号店も1号店・本店マニアのあなたには見逃せない。
Pike Place Market

Original Starbucks

パイク・プレイス・マーケット周辺はダウンタウンとなっており、最も賑わうエリア。見どころも集中している。
現代美術からネイティブアメリカンのアートまでがそろう巨大なミュージアムがシアトル美術館。歴史と地域を超越した数々の展示、レストランやミュージアムショップ、別館の展示も盛りだくさんで一日すごせる。
Seattle Art Museum

ガラス張りの斬新な建物はシアトルの公共図書館。旅行者も自由に出入りが可能で、日本語の本もある。無料のWiFiが通じているので、コーヒー片手にのんびりするのもよい。
Seattle Public Library

エリオット湾沿いはウォーターフロント地区。海岸沿いの遊歩道は陽光の下でも夜景見物でも人気で、アイスクリームやビール片手の人々でにぎわう。夜は巨大な観覧車で街を一望できる。水族館でのんびりするのもおすすめ。
Seattle Waterfront

Seattle Great Wheel

パイオニア・スクエアはシアトル発祥の地。
古い建物やトーテムポール像、スミスタワーなどがあるが、このエリアで最大の見どころはずばりアンダーグラウンドツアー。
各種資料によると、

シアトルはかつて多くの先住民が暮らしていたが(Seattleの地名は先住民の酋長、Chief Seattleに由来)、19世紀半ばに白人が入植し、製材業とゴールドラッシュでにぎわった。同時にならず者が増え売春が主要産業となるなど治安も悪化。海沿いの低地であるため満潮になると下水道が逆流するという問題があり、衛生状態も最悪。大雨の後は道路の穴や溝で子供がおぼれ死ぬ事故が多発した。この悪徳都市は1889年の大火事でリセットされ、街はかつての市街を上書きするように海面上の高さに再建されたが、今なお地下には当時の遺構が残っているという…

どーですか。まるでスティーブン・キングの小説に出てきそうなエピソード。
このオールド・シアトルの地下世界を見学する所要75分のツアーが催されている。足下暗い中をかなり歩くので、スニーカーで行くのがおすすめ。
Bill Speidel’s Underground Tour

パイオニア・スクエアから東南側に歩くと中華街やベトナム人街が広がっている。
さらにその南、海沿いにそびえるのがMLBマリナーズの本拠地、セイフコフィールド。
メジャーリーグのファンはもちろん、野球に興味の無い人でも感動するという本場の雰囲気と盛り上がりは必見。豪快なポテトやナチョス、冷え冷えのビールを買い込み観戦しよう。
Safeco Field


パイク・プレイス・マーケットから北に歩くとスペース・ニードル、チフーリ・ガーデンといった名所がある。
スペース・ニードルは高さ184mの展望台で、シアトルの絵はがきにも必ずといっていいほど入っているランドマーク。展望台からは市街はもちろん冠雪のマウント・レーニアまで一望できる。
Space Needle

チフーリ・ガーデンはガラスアートの美術館。吹きガラスの芸術家、デール・チフリー氏の展示を集めたもので、海洋生物のようにうねりまくる極彩色のガラス細工が美しい。2012年のオープン以来たちまちシアトルを代表する観光名所となった。
Chihuly Garden and Glass


EMPミュージアムは「Experience Music Project | Science Fiction Museum」の頭文字をとって名付けられた、ロックミュージックを中心とするポップカルチャーの博物館。2015年に戦艦「武蔵」をレイテ島沖で探索・発見したマイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏により設立された。1.3万m2の斬新な建物にはご当地ミュージシャンのジミ・エンドリックスやニルヴァーナをはじめ、楽器の体験やフリーライブ、映画関連など様々な展示が詰め込まれている。
EMP Museum


キャピトル・ヒルはダウンタウンの北東にあるショッピングエリア。
きつい坂道を越えるとカフェやショップの集まる賑やかな通りとなる。シアトルきってのおしゃれエリアとして知られ、スペシャルティ・コーヒーのこだわりカフェや質実剛健なバーガーショップな、セレクトショップなどが軒を連ねる。日曜に開かれるファーマーズ・マーケットと超巨大書店のエリオット・ベイ・ブックカンパニーは必見だ。
Elliott Bay Book Company

ケリー・パークはシアトル市民憩いの場。マウント・レーニアから市街、エリオット湾など美しい市街や遠景を無料で楽しめる。午後もさわやかだが、夕日とレーニア山のコントラストや夜景が特に人気。
Kerry Park


シアトル観光のハイライトの1つ、航空博物館。ライト兄弟の複葉機(復元)から日本の隼、コンコルドまで航空機の歴史を集めた航空機の殿堂。実物の航空機は迫力満点。リアルなフライト・シュミレーションも人気が高い。
大統領専用機のエアフォース・ワンは実際に搭乗できる。ハリソン・フォードの気分で乗り込んでみよう。
Museum of Flight

ボーイングの工場見学も人気。
東京ドーム90個分というギネス認定の超巨大工場では最新鋭の787を初めとした実機組み立ての様子が見学できる。日本では手に入らないボーインググッズをゲットして帰ろう。シアトル市街からは40kmとやや距離があるので、現地ツアーで行くのがおすすめ。
Boeing Aircraft Factory Tour Center

オリンピック国立公園はシアトルから海峡を挟んだ西側。
多雨の天候が産んだ熱帯雨林と氷河を抱く2,000m級の連山が隣接しており、奇岩そびえるビーチ、緑の湖、コケむすジャングル、高山植物が咲き乱れる高山など多様な自然が体験できる。ハイキングのトレイル道は全長1,000km近いスケール。初夏のラベンダーや紅葉のシーズンは絶景が味わえる。
Olympic National Park


マウント・レーニアはタコマ富士とも称される円錐型の眉目秀麗な山。標高は4,392m。ネイティブアメリカンの聖地でもある。
氷河を抱く高緯度の火山であり、標高2,000m以上は雪と氷、深いクレバスの刻まれた冬山の世界。登頂難易度はヨーロッパアルプス以上とも言われている。麓でのトレッキングはぐっと身近で、高山植物やマーモットなどの野生動物に遭遇できる。
Skyline Trail


ワシントン州に隣接するオレゴン州の州都ポートランドはシアトルから300km程度と、東京から浜松に行く程度の感覚。こちらも豊かな自然とリベラルな雰囲気で人気の高い都市。美しい街並みと美味しい食を体験しに、レンタカーを借りるかアムトラックに乗って行ってみよう。街歩きやアウトドアの他、全米でも屈指のレストラン、高品質な珈琲やワイン、地ビールなど食の評判も高い。
アウトドアグッズや自転車グッズなども本場の専門店がそろう。青空市場や巨大書店のパウエルズ・シティ書店(Powell’s City of Books)は必見だ。
Portland


Ivar’s Salmon House

Beecher’s Handmade Cheese

シアトルの食のレベルは全米屈指。大西洋・エリオット湾から採れる新鮮な海の幸とオーガニックの畜肉や野菜、数々のスターシェフや舌の肥えた人々など美食の条件がそろっている。
やはり一番のウリはエビやサーモン、オイスターなどのシーフードで、シンプルに炭火焼きで食べさせる店が多い。
高級店ばかりではなく、カフェやストリートフードでも素材にこだわった名店が多い。濃厚なクラムチャウダーや分厚いサーモンサンド、チーズたっぷりのペンネボウルなど一食でボリュームたっぷり。

また、シアトルといえば名高いのがコーヒーとビール。
全米にエスプレッソを広めたスターバックスをはじめ、大手チェーンから個人営業のカフェまで、人口1,000人あたりのコーヒー店が2.5軒というコーヒー大国。
ワシントン州は全米で最もホップ生産量の多い土地。80年代から地ビールがブームとなり、店内にタンクを備えた個性的な醸造所やビアパブが多く存在している。
シアトル近郊はワイン産地としても有名で、大小数百ものワイナリーが競っている。シアトル発着のワインツアーも多い。
なお、シアトル(ワシントン州、オレゴン州も)の飲酒可能年齢は21歳からなので注意したい。
Espresso Vivace Alley 24

Puget Sound Brewery Tours


日本からの行き方

(空路)
デルタ航空一択。

・・・としてしまうと身も蓋もないが、他アライアンスのマイルを貯めているという理由でもなければ、デルタ以外の選択肢はあまりない。所要時間・料金ともにデルタが概ねもっとも有利。

東京からは、デルタとANA便(ユナイテッドコードシェア)が夕方初現地朝着で毎日運行。羽田からはやはりデルタ便が深夜発現地前日夕方着でやはり毎日運行している。
費用は、最安のデルタが8~9万以下。時にキャンペーンで驚くほど安くなることもある。ANA・ユナイテッドなら10万といったところ。早割ならANAもなかなか安い。

他にはアジア系の航空会社でロサンゼルスやサンフランシスコなどを経由する方法もあるが、シアトル直行便より高いことがほとんどで、国内線でのシアトル移動も高くつく。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、4泊5日(機内泊)の往復直行便利用ツアーがサーチャージ込み最安で9万程度。
後述の通りシアトルはホテル代が高いので一考の価値あり。

(空港)
シアトルの空港はシアトル・タコマ国際空港(SEA)。市街中心から南に40km程度。
シアトル市とタコマ市の中間ということでシー・タック空港と呼ばれる。
メインターミナルから4つのコンコース(A~D)が伸びており、さらに南北2つのサテライトターミナルがある。
ちなみに東京便はシー・タック空港の国際線乗降客数ランキングのトップとなっている。2位がバンクーバー便。

空港からはダウンタウンまで直行のリンク・ライト・レールが便利。料金も2.75ドルと格安。
タクシーの場合は定額40ドル、チップ込みで46ドル程度になる。

空港からいきなりレンタカーを借りるなら、24時間運行のシャトルバスで敷地外のレンタカーカウンターに向かう。乗り場はメインターミナルの南端および北端、手荷物受取の外。




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地理と気候

西ヨーロッパやチリと同様の西岸海洋性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。夏も適度に涼しく冬も寒すぎない。北緯47度と日本では樺太にあたる高緯度だが、暖流の影響で冬でも滅多に氷点下になることはない。
ベストシーズンは雨が少ない春から夏。夏でも昼間30度程度までしか気温は上がらず、過ごしやすい。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。


【画像:Google提供】


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が7割強、アフリカ系とアジア系が1割、その他1割程度。
通貨は米国ドル。1ドル=120円程度(15年5月時点)。

物価は米国の大都市(ニューヨークやロサンゼルス)よりは安いが、中西部よりは高いといったところ。全般に東京並みかやや高めと考えておけばよい。
交通費はメトロバスが1ゾーン2.5ドル。タクシーが初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.7ドル。チップを加えると日本よりも高い。外食はランチでも10~15ドルとこちらも日本より高め。ただし、例えば10ドルのサンドイッチは日本で考えられないほどのボリュームだったりするので単純比較はできない。スーパーで買える食品、日用品などは日本と同じか安め。
ホテル代は高め。便利なロケーションにある4つ星ホテルなら一泊200ドルはする。

クレジットカードは必須。むしろホテルやレンタカーなどカードがないと成り立たないので、現金の両替は最小限でOK。
チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。
クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


【画像:Wikipedia提供】


ビザと治安

シアトルは、アメリカの中ではかなり治安がいい方。
とはいえ殺人は東京の3倍、強盗は50倍と日本の常識とは異なるお国柄。旅行者の被害事例もひったくりや置き引きから、薬物、銃器を用いた強盗まで幅広い。
身辺に気を配ると共に、危険な地域には立ち寄らない方が無難。具体的には、夜~早朝のパイク・プレイス・マーケット前パイク・ストリート沿い、昼でもホームレスが多いパイオニア・スクエア(特に駅付近の高架下)近辺、チャイナタウン駅北西側など。

近年、警察官によってアフリカ系米国人が死亡する事件が複数発生しており、それを受けた抗議活動が全米に広がっている。デモの現場には近づかないこと。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

(タクシー)
オレンジ色のオレンジ・キャブや黄色い車体のイエローキャブが代表的。ぼったくりなどは基本ないと思ってOK。流しのタクシーは少ないので、空港やショッピングセンターでたむろっているタクシーに乗るか、ホテルから電話で呼んでもらうのがよい(呼んでもらったら要チップ)。
初乗り2.5ドル+以降1マイルごとに2.7ドル。チップは料金の1割が目安で、最低1ドル。人数や荷物の多さに応じて多めに支払う。ドライバーがチップ込みと思っておつりをくれない場合は、支払いの際に「3ドルおつりくれ」などと言い添えると誤解がない。
空港からは上述通り40ドルの定額。チップ込みで46ドル程度になる。

(メトロバス・ストリートカー)
キングカウンティ・メトロトランジット社が運行するバス(メトロ)と軽軌道のストリート・カーが代表的。サウンドトランジット社という別の会社もバスやリンク・ライト・レールという軽軌道を運行している。

バスは多くの街ではローカル住民しか利用しない危険な乗り物というイメージだが、シアトルでは全くそんなことはなく旅行者も安心して利用できる。

各社共通で使えるSUICAやPASMOのようなプリペイドカード、ORCAを使うのが便利。

(レンタカー)
広いアメリカ、特に郊外に出るならレンタカーの利用がおすすめ。
ダウンタウンでは一方通行が多いので注意すること。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。

(レンタサイクル)
緑色の公共レンタサイクルがある。市内各所にサイクルステーションがあり、24時間365日、どこから借りてどこで返してもよい。24時間で8ドル、3日間で16ドル。


ホテルとシーズン

ホテルの供給は十分だが、レートは必ずしも安くない。
高級ホテルなら一泊300ドル400ドルの世界、中級でも120ドル程度は覚悟がいる。
ホステルなど、バス・トイレを共用する施設ならぐっと手ごろになるが、それでも100ドル以下で個室を探すのは難しい。ドミトリーで3千円~。
ベッド&ブレックファースト形式のいわゆる民宿や個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。なんといってもアメリカはAirbnbの本場。便利な場所に沢山のおしゃれな物件がある。Airbnbの人気物件はすぐ埋まるので、キャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。
Tulalip Resort Casino


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMの入手が容易とはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。以下のリンク「No Contract and Prepaid Phone Plan Guide」を参照のこと。「Bring Your Own Phone?」が「Yes」のカードは自分のSIMフリー携帯を持ち込んで契約できる。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良い。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPnoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないことも。いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
駅、空港、ショッピングセンター、レストラン、カフェ、いたるところで無料のWiFiが提供されている。
高級ホテルでは有料の場合もある。

4. 世界あの街この街: ホイアン


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第44回 ホイアン


Hoi An Ancient Town (トリップアドバイザー提供)

ベトナム社会主義共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

美しく保存された伝統的な街並みが欧米のツーリストに人気。歴史的に日本とのつながりも深い。街歩きの他、郊外のミーソン遺跡やフエなど中部の観光地にも近い。リゾートとしても充実しており、ビーチやスパ、洗練された食の評価も高い。

ホイアンはベトナム中部の古い港町。かつてはオランダや中国などとの交易拠点として栄え、ピーク時の17世紀頃には1,000人以上の日本人が暮らしていた。交易拠点が他の都市に移るに従って街は衰退したが、近代化やベトナム戦争の影響を受けずに往時の街並みが保存されることとなった。
1999年には古都フエと共にユネスコ世界文化遺産に登録されたが、フエの人気をしのぎつつある。

ベトナムの交通と言えばクラクションの鳴り止むことがないカオス…というイメージはホイアンには当てはまらない。
旧市街地区は車およびバイクの乗り入れが禁止されており、街歩きをゆったりと楽しめる。

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(画像:Google、A-日本橋(来遠橋)、B-貿易陶磁博物館、C-福建会館、D-潮州会館、E-ホイアン市場、F-ハンディクラフトワークショップ)

ホイアンの旧市街は東西に長い。
南の川沿い、東西に延びるのがバクダン通り(Bach Dang)、その北に並行するのがグエンタイホック通り(Nguyen Thai Hoc)、さらにその北が目抜き通りとなるチャンフー通り(Tran phu)。
南北をつなぐのが来遠橋(日本橋)あたりから北に延びるハイバーチュン通り(Hai Ba Trung)、その東がレロイ通り(Le Loi)、更に東に向かいマーケットあたりから伸びるのがホアンジェウ通り(Hoang Dieu)。これらの通りに囲まれたエリアがいわゆる旧市街となる。

ホイアンの街歩きはどこからでもOK。通りの名前もすぐ覚えてしまうだろう。
どの通りもお土産屋やカフェが連なり活気がある。
まずは、通り沿いに沢山あるチケット売場で観光チケットを買っておこう。橋や古民家、博物館など各所に入場する際に必要となる。

日本橋(来遠橋)は旧市街の西側の起点。1593年、秀吉の時代にこの地で活躍した日本人が建てたとされる橋で、「有朋自遠方来、不亦楽乎」の論語から「来遠橋」と名づけられた。
ベトナム滞在中最もよく使う紙幣といっても過言ではない20,000ドン紙幣に描かれているのもこの橋。夜にはライトアップされ幻想的な光景が見られる。

Japanese Covered Bridge (トリップアドバイザー提供)

日本橋の西には築200年以上になる古民家、馮興家がある。ホイアンに多く残る古民家の中でも最も人気のある建物。黒い建物と赤い提灯の対比が美しい。現在でも子孫が暮らしており、内部にはお土産屋も。

The Old House of Phun Hung (トリップアドバイザー提供)

日本橋から東に続くのがチャンフー通り。ショップや寺院、華人会館(中国の同郷出身者による集会所)などの見どころがならんでおり、夜でも観光客が尽きない。
通り沿いにあるのが貿易陶磁博物館。沈没船から引き上げた品物や発掘された陶磁器などを展示しているが、往年の日本人街や朱印船の様子など日本に関する展示も多い。

ホイアンには五大華人会館(広肇・福建・中華・瓊府・潮州)と呼ばれる古い中華様式の建築があるが、福建会館はその中の1つ。銅鑼の音が聞こえてきそうな「ザ・中華」というべき建物で、内部には天井からいくつもの巨大渦巻き線香がつるされており、異国情緒たっぷり。

Fukian Assembly Hall (Phuc Kien) (トリップアドバイザー提供)

さらに進むと潮州会館が現れる。
透かし彫りの彫刻が見事で、当時流行(?)したのか、日本髪を結った中国人女性をモチーフとしたものも。

Chaozhou Hall (Trieu Chau) (トリップアドバイザー提供)

ここからホアンジェウ通りを南に向かうと、川沿いでバクダン通りにぶつかる。
交差点付近にあるのはホイアン市場。現地の住民も使用しているホイアン最大の市場で、鮮魚や野菜などの生鮮食品から雑貨まで多くの品物がそろう。観光客向けにオーダーメイドで服を仕立てる店も多い。
早朝は魚市場となっているが、10時頃には撤収されてしまう。魚市場の賑わいが見たければ早起きを。


Central Market (トリップアドバイザー提供)

川沿いのバクダン通りもやはり観光客で賑やか。レストランやカフェが並ぶ通りをビール片手にゆったり散策するもよし、小舟に乗ってみるのもいい。夜には屋台の明かりとランタンで幻想的な光景となる。

Hoi An Ancient Town (トリップアドバイザー提供)

バクダン通り沿いにあるハンディクラフトワークショップは伝統工芸品の制作風景を公開している実演販売施設で、お土産探しに最適。伝統舞踊のショーも行っている。
リーチング・アウトは障害者による手工業品店。こちらもセンスのいいお土産が探せると評判。

Hoi An Handicraft Workshop (トリップアドバイザー提供)

Reaching Out Arts and Crafts (トリップアドバイザー提供)

チャンフー通りとバクダン通りに挟まれたグエンタイホック通り、北に向かうレロイ通り沿いにも多くのもショップやカフェが並んでいる。ベトナム雑貨というといわゆるチープでかわいいものが連想されるが、このエリアにはかなり洗練されたアイテムがそろっている。

Tohe Hoi An (トリップアドバイザー提供)

日本橋に戻ったらアンホイ橋を渡って南のアンホイ島に渡ってみよう。
こちらでは毎夜ナイトマーケットが行われており、所せましと屋台が並んでいる。ビールやカクテルを片手に夜市の賑わいを楽しみたい。

Hoi An Ancient Town (トリップアドバイザー提供)


郊外の方に行ってみよう。
旧市街の北にあるのは1647年にここで没した日本人、谷弥次郎兵衛の墓。彼は幕府の外国貿易禁止令によって帰国したもののこの地の恋人に会うために戻ったとされる。時代を感じさせる朽ちた亀甲墓。線香をもったチップをねだるおっさんが高確率で出現するので注意。
場所がわかりにくいのでバイタクがよいかもしれない。

市街から東へ4km、クアダイ・ビーチにはリゾートホテルが集まる。
白い砂浜には欧米人が多く、どこの国かと思うほど。カフェやシーフードの店も多い。

Cua Dai Beach (トリップアドバイザー提供)

クアダイ・ビーチの沖合に浮かぶチャム島まではスピードボートで20分程度。
大部分が軍の管理下におかれているため、美しい海や原生林など手つかずの自然が残されている。
ヤシガニなどのシーフードも名物。海産物の島外持ち出しが禁止されているため、ここでしか味わえないという。

Cham Island (Cu Lao Cham) (トリップアドバイザー提供)

ミーソン遺跡は市街から南西およそ40km。四方を山に囲まれた盆地にあるヒンドゥー寺院跡。
ベトナム中部のヒンドゥー文化は、漢(後漢)の時代におきた林邑国がヒンドゥー教を受け入れたことからはじまっている。遺跡は長い歴史や米軍による対ベトコン砲撃を受けて崩壊が進んでいるが、逆に神秘的な雰囲気を漂わせている。
カンボジアのアンコール・ワットと同じくフランス人により発見され、ユネスコ世界文化遺産に登録された。

My Son Sanctuary (トリップアドバイザー提供)

VELTRA


ホイアンの食といえば、ガイドブックでも必ず触れられている三大名物料理がある。
それは「カオラウ(Cao lau)」、「ホワイトローズ」、「揚げワンタン」。
「カオラウ」は伊勢うどんがルーツとも言われる太めの和え麺で、軟らかく茹でがちなベトナムの他の麺料理とは異なるもちもちした食感が特徴。炒めカオラウというものもある。
「ホワイトローズ」はエビのすり身入りワンタン(米粉の皮)で。同名の料理店が市内の飲食店で饗されるすべてのすり身ワンタンをつくっている。
他にも、幅広面を使った和え麺の「ミークアン」や、チキンライスの「コム・ガー」なども名物。

カオラウ

Duck Cafe (トリップアドバイザー提供)

ホワイトローズ

White Rose (トリップアドバイザー提供)

ホイアンは欧米のツーリストが多く、伝統的なベトナム料理を洗練させたフュージョン系のレストランやシーフードの店、西洋料理のカフェも多い。


日本からの行き方

(空路)
ホイアンに空港はなく、ダナン国際空港(DAD)が最寄りとなる。
日本からの直行便はベトナム航空の成田-ダナン便のみ。月曜以外の毎日運航している。

ハノイもしくはホー・チ・ミンを経由する場合、ベトナム航空、JAL便、ANA(羽田便)などの直行便が便利。経由便と比べても十分に安い。
ホー・チ・ミンまたはハノイからダナンまでの便は豊富にあり、所要1時間程度。LCCのベトジェットなら数千円。

第三国を経由するのも面白い。LCCの香港エクスプレスが香港-ダナン線を就航している他、エアアジアのクアラルンプール/広州-ダナン線というのもある。

(陸路)
ホー・チ・ミンまたはハノイから長距離バスが運航している。エアコン付きで快適。ホー・チ・ミンからは20時間以上、ハノイからはフエを経由してホイアンまで16時間程度。

(パッケージツアー)
ソウルやバンコクと並んで格安ツアーの目玉になりやすいベトナム。ホイアンの場合はハノイやホー・チ・ミンのような激安ツアーはやや少なく、5日間で5万円程度。ダナンやホー・チ・ミン滞在を組み合わせたものが多い。

(空港)
ダナン国際空港(DAD)は市街から3kmと近い。
規模は小さいがガラスを多用したモダンな造り。
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(画像:Wikipedia)

バスなどの公共交通機関はなく、ダナン市街地まではタクシーを利用することになる。

ダナンからホイアンまでの移動は、タクシー、路線バスの2種類。
ダナン市街に用事が無ければそのままダナン空港からタクシーに乗ってホイアンに向かってもいい。ダナン-ホイアン間は30km程度、ほぼ一本道で所要時間も1時間かからない。メーターでおよそ35万ドン~程度。

ダナン市街からホイアン行きの巡回路線バスや旅行代理店の企画するツアーバスが出ている。費用は2~3USドルと格安。
路線バスの場合旧市街から北西にやや離れたバスターミナル、ツアーバスはやはり旧市街外側北東側の発着場に停まる。旧市街の車両乗り入れ禁止区域に泊まる場合は歩いて行くしかない。

ホイアンからダナン空港へはエアポートバスがある。メルセデスの16人乗りミニバンで、クアダイ・ビーチからホイアン市街を経由してダナン国際空港に向かう。事前予約でホテルへのピックアップもしてくれ便利。費用は11万ドン。




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地理と気候

ベトナムは東南アジア、インドシナ半島の東側海側を占め、国土は南北1,700km、東西600kmにおよぶ。
ホイアン観光では季節が非常に重要。
というのも、ホイアンの属する中部はベトナムでも最大の多雨地域で、9~10月の降水量は月間500ミリにも達する。この時期には洪水に見舞われ旧市街が水浸しとなることも。移動がボートになることもあり、旅行はおすすめできない(馮興家などの古民家は、みな1階の荷物や家財をすばやく2階に上げられるような構造となっている)。
予約は乾季のベストシーズン、1月から8月に入れるようにしたい。そして、できれば提灯祭りが開かれる毎月の旧暦14日(以下リンク参照)に予定を入れたい。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午が午前10時。サマータイムはない。


(画像:Google)


言語と通貨

ホイアンは欧米人のツーリストが多く、ホテルや旅行代理店の人間は流ちょうな英語を話す。カフェやレストラン、街の店舗でもかなり英語で用が足りる。おそらくベトナムでも最も言葉に困らないエリア。

もちろんローカルの住民が話すのは公用語であるベトナム語。
漢字文化圏であったが公的な使用は廃止され、現在は声調(声の上がり下がりで語を示すルール)を表記できるクオック・グーというアルファベットが用いられる。ベトナム語の声調は6種類あり、語順によって意味が変わる文法の独特さもあって日本人が習得するハードルは高い。さらに中部のベトナム語は学校で習う正調ベトナム語とは発音が異なる。

物価は安い。タクシーを使う機会は少なく(後述)、移動は徒歩かレンタサイクル。食事も麺が一食100円~、ストリートフードやビールは数十円と小躍りしたくなる安さ。
もっとも何事もピンキリで、1泊2万以上のリゾートホテルに泊まれば食費もそれなりにかかる。

通貨はベトナム・ドン(VND)。1ベトナム・ドン=0.0055円(15年4月時点)。
2万ドン≒110円≒1USドルと覚えておくと便利。
物品には10%の消費税(VAT:Value Added tax)がかかる。
ちなみに1人あたりGDPの比較では、ベトナムは日本のおよそ1/20未満。日本の100円はベトナムの2,000円程度の価値がある、と考えておくと使いすぎないかもしれない。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。ATM故障も多いので必ず現金も携帯しておきたい。

日本国内でも成田、羽田、関空でベトナム・ドンに両替することができる。ただしレートは悪いので、現地に飛んでから両替するか現地のATMで調達するようにしたい。
ベトナムは両替商のレート差縮小に動いており、空港の両替所も市中と遜色ない。ダナン空港ならHSBC、Eximbankといった銀行がある。
ホイアン市内でも日本円から両替が可能。レロイ通りとチャンフンダオ通りの角地にあるATMが国際キャッシュカードに対応している。

ベトナム・ドンは再両替のレートが悪いため、あまり一度に多く両替しない方がよい。
以前はベトナム・ドンに両替せず、USドルとクレカでなんとかしてしまうという手もあったが、政府通達により高級ホテルを除いてベトナム・ドン払いが増えている。
一般にドンの方がレートは良く、両替もUSドルからより日本円からの方がレートが良い。

クレジットカードは中級以上のホテル、少し高めのレストランやお土産屋では通じる。

チップの習慣は無いが、たかってくる事例は多い。頼んでもいないサービスを押し売りされUSドルのチップを請求されたら、1USドルのチップはおよそ2万ドンの価値であることを思い起こしたい。彼/彼女のそのサービスに2万ドンの価値があるか…?
市中で2万ドンあったら何が買えるか把握しておくとよいかも。


(画像:Vietnam Navi)


治安とビザ

ベトナムにおいてホイアンはかなり治安のよい方。
旧市街は遅くまで人通りがあり、女性が夜歩いても不安を覚えることはないだろう(旧市街から離れた場所に泊まっている場合は帰路に注意)。

ボッタクリはベトナムだけに多い。何かにつけてローカル客と値段が違うのは当たり前。勘定の二重計上や改造メーターを使った高額タクシーなども報告されている。
とはいえ、ハノイやホー・チ・ミンを経由してきた旅行者ならたやすくあしらえるだろう。


市内交通

「見どころ」で触れた通り、ホイアンの旧市街地区では車およびバイクの乗り入れ規制があり、8:00~11:00、14:00~16:30、18:30~21:00は歩行者天国となる。
また、市街もコンパクトなため、徒歩かレンタサイクルで用が足りてしまう。

(タクシー/バイタク)
旧市街の外側には、遠い場所に泊まっている客をねらったタクシーも多い。タクシーはメーターをそなえており、評判もまずます。15分程度の距離でおよそ6万ドンが相場。

自転車リヤカーのシクロは完全に観光客向け。
1時間で5USドル~。

(レンタサイクル)
ホテルやレンタバイク屋で貸し出している。
1日1ドル程度で借りることができ、どこに行くにも便利。

(レンタバイク)
オートバイのレンタルも多い。郊外のミーソン遺跡やビーチに行くにも便利。
店によっては電動バイクを備えている場合もある。ガソリン代があまり安くないので(3万ドン程度/リットルと)、検討の余地あり。


ホテル

高級リゾートホテルからゲストハウスまで宿の選択肢は広いものの、部屋の供給数はあまり多くない。
リゾートホテルはクアダイ・ビーチ付近、ハイバーチュン通りには安宿が固まっている。
旧市街にもコロニアル様式や中国の伝統様式で建てられた趣あるホテルがある。

宿代はおおむね安めで、4つ星リゾートでも1万円を切る。5千円出せば3つ星の広大なツインルームに泊まれる。
安宿の場合はエアコン、ホットシャワー、WiFi完備で12USドル~程度。安宿は人気ですぐに埋まってしまうので、早めに予約したい。

支払いは政府よりベトナム・ドンで支払うよう通達が出ているが、USドル表記のところもまだ多い模様。
一般に15%の税金がかかるが、含まれている場合も。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ベトナムはプリペイドが主流で、旅行者も問題無くSIMを購入できる。
ベトナムの携帯会社は最大手のMobiFone、VinaPhone、Viettel Mobile、ロシアとの合弁Gmobile (Beeline)など。
後述の通りホイアンではフリーWiFiが通じているので、他都市滞在予定との兼ね合いで選ぶとよい。

SIMは市中の携帯ショップや個人経営の店まで多くの場所で取り扱っている。通話がいらないのであればデータ通信のみのプランを選択。

通信料は全般に安い。
MobiFoneの場合、「Happy Tourist」SIMがお得。「Happy Tourist Data」プランの場合、20万ドンで容量3G、30日有効。
MobifoneのSIMが挿さっていれば、携帯から「9393」で24時間の日本語サポートを受けることが出来る。

VinaPhoneの場合、
・M50パッケージ:500M:5万ドン/月
・M120パッケージ:1.5G:12万ドン/月
・MAX200パッケージ:無制限:20万ドン/月(ただし3G以上は32kb/s制限)
など。

Viettel Mobileの場合、
・MiMaxパッケージ:600M:7万ドン/月
・Dmaxパッケージ:1.5G:12万ドン/月
・Dmax200パッケージ:3G:20万ドン/月
など。

中国の金盾システムと同様、インターネット接続は政府によって監視されており、FacebookやLineなど、SNSの接続に制限がでる場合がある。

レンタルルーターは1日あたり590円。SIMを買うよりは高いが携帯会社の海外パケット使い放題よりもはるかに安い。

(WiFi)
ホイアン市街にはフリーWiFiが通じており、登録無しで使うことができる。
速度も十分。
街なかのカフェ、レストランでもWiFi探しに苦労することはない。

4. 世界あの街この街: コタキナバル


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第43回 コタキナバル

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(画像-tabinote)

マレーシア・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

冒険好きにおすすめ。美しいビーチ、東南アジアの高峰キナバル山のトレッキングやボルネオ島のジャングルツアーなど大自然の恵みを活かしたアクティビティが楽しめる。リゾートホテルも充実しており、昼間の疲れをスパでのんびり癒やすのも。
大都市にありがちなせわしさや喧噪の無いのんびりした雰囲気は長期滞在にも最適。

マレーシアはタイ~シンガポールへと続くマレー半島と、海を隔てたボルネオ島北部から成る。コタキナバルはボルネオ側の中核都市で、人口は50万人程度。市場や商店が集中する市街地は海沿いに北東から南西にかけて拡がる1~2kmほどのエリアで、徒歩でも巡ることができる。

Sunday Market  Gaya Street  から Suria Sabah Pusat Bandar Kota Kinabalu Kota Kinabalu Sabah Malaysia   Google マップ
(地図:Google;A-ガヤ・ストリート、B-センターポイント・サバ/ワリサンスクエア、C-セドコ・コンプレックス、D-ナイトフードマーケット/ウォーターフロント/フィリピノマーケット、E-ジェッセルトン・ポイント、F-スリア・サバ)

カフェやコンビニ、安宿が多く集まり旅行者に便利なエリアがガヤ・ストリート。情報満載で親切なサバ州観光局(Sabah Tourism Board)もこの通りにあり、市内どこに泊まっていても訪れる機会の多いエリア。
北東のサバ州観光局やクラシックなジェッセルトン・ホテル周辺から南西に向けて通りが延びており、日曜日にはサンデーマーケットが催され、多くの人が訪れる。
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(画像-tabinote)

ガヤ・ストリートをつっきって北に向きを変えると、白亜の市庁舎や裁判所など公共機関が建ち並ぶエリアに出る。公園やバスセンターがあり昼は比較的閑静だが、夜にはナイトマーケットがひろがりやはり賑やかなエリアとなる。
なお、コタキナバルは太平洋戦争当時日本の占領下にあり、1945年の連合国軍空爆で市街は破壊された。白亜の建物もほとんど歴史はなく戦後に建てられたもの。
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(画像-tabinote)

南西に向かうとコタキナバルの中心部へ。
センターポイント・サバはコタキナバルの誇るショッピングセンター。ただし、アジアの諸都市のようにピカピカで超巨大なセンターというわけではなく、どこか懐かしいたたずまい。地下にはぶっかけメシや麺などローカルフードのそろう食堂街がある。観光客が多くどこかよそ行きのコタキナバルにおいてリアルな地元民ウォッチができる。

Centre Point Sabah (トリップアドバイザー提供)

南に歩くとすぐにシーフードレストランの集まるセドコ・コンプレックス(Sedco Complex;Suri Serela)がある。ガイドブックでも必ず取り上げられている有名な一角で、海鮮目当ての旅行者でにぎわう。コタキナバルで最も日本人遭遇率の高いエリア。

Twin-Sky Seafood Restaurant (トリップアドバイザー提供)

海沿いに出てみると、漁船の並ぶ港湾と市場、レストランが並んでいる。
屋根付きの市場には丸鶏やぶった切られた肉、野菜や日用品が積み上がり迫力満点。
革製品や民芸品の並ぶ一角はフィリピノマーケット(ハンディクラフトマーケット)と呼ばれており、お土産選びにもいい。
こちらも夜から屋台が並び初め、鮮魚や串焼き屋が軒をつらねる。屋台の煙と照明、行き交う人でこれまた大変賑やか。

Night Market, Kota Kinabalu (トリップアドバイザー提供)

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(画像-tabinote)

このあたりが街の南西となり、ここから海沿いに北上していけば再びガヤ・ストリート方面へと戻る。
ウッドデッキが敷き詰められた通りを上っていくと離島行きのフェリー発着場、ジェッセルトン・ポイントへ。単なる船着き場だが小ぎれいなカフェやバーなどが建ち並び、そこかしこに旅情がただようコタキナバルにおいてもひときわ旅ムードが強い場所。
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(画像-tabinote)

ジェッセルトン・ポイントを抜けて更に海沿いを北に向かうと、モダンな造りの高級ショッピングモール、スリア・サバが現れる。
ガンガンにエアコンの効いた店内にはスタバやWiFi完備のカフェ、両替所、外資系ブランドやオーシャンビューのフードコートなどがそろっており、旅行者にとっても便利なオアシス。
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(画像-tabinote)

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(フードコート画像-tabinote)

ここから更に海沿いを北上すると、天気のいい日には遙か遠くに標高4,000mのキナバル山を臨むことが出来る。
その手前には青いモスクのドームが見える。時間があれば、タクシーを捕まえてモスクに向かってみよう。
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(画像-tabinote)


Kota Kinabalu City Mosque (トリップアドバイザー提供)

帰路に巨大モール、ワンボルネオに寄ってみてもいい。モールが気に入ったら隣接するエアアジア経営のTune Hotelに泊まることもできる。

One Borneo Hypermall (トリップアドバイザー提供)


モールや屋台巡りに飽きたら、無数にある旅行代理店をのぞいてみるか、宿で相談してみよう。
目玉のキナバル公園トレックや離島でのビーチツアー、ラフレシアやオランウータンの暮らすジャングルツアーなど、日帰りから短期ツアーまで様々にそろっている。

Mount Kinabalu (トリップアドバイザー提供)

・参考:エアアジアXで行く!キナバル山日帰り登頂・・・tabinoteメンバーによるキナバル山日帰り登山体験記


Sapi Island (トリップアドバイザー提供)


Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre (トリップアドバイザー提供)


コタキナバルから更に北に向かうと、からゆきさんや死の行進で知られるサンダカンがある。現在ではビーチリゾートやテングザルが暮らすジャングルツアーなどが目玉となっているが、歴史をたずねて訪れる日本人も多い。

Japanese Cemetery (トリップアドバイザー提供)

コタキナバルの南には世界自然遺産のグヌン・ムル国立公園がある。
カルスト地形の険峻な山地と、世界最古とも呼ばれる熱帯の原生林、そして空を埋め尽くすコウモリの群れなど、大自然の驚異を体感できる。
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(画像:Wikipedia)

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Welcome Seafood Restaurant (トリップアドバイザー提供)

マレーシア料理の特徴といえば、中華料理と東南アジアのスパイスが組み合わさったニョニャ料理(Nyonya、娘惹 – 海峡中国人)またはプラナカン料理(Peranakan – 中国系の混血、マレー人起源)とされるもの。ボルネオでも様々なマレー料理が楽しめる。肉骨茶や福建麺、ココナツミルク・カレー風味のラクサ、マレー風チャーハンのナシ・ゴレン、濃い中国醤油で炒めた焼きそばミーゴレン、焼き鳥サティなどがおなじみ。

ただし、旅行者の多いコタキナバルの市街でよく目につくのはイタリアンや欧風のカフェ、インド料理や中華といった異国の味。少ないが日本食レストランもある。
そしてコタキナバル最大の名物はシーフード。欧風から中華系まで様々な海鮮料理店があり、いけすの中で泳いでいるエビや魚をその場で調理してもらえる。予算は高めだがせっかくなので体験しておきたい。
特産の木の芽炒め(サバ・ベジタブル)も滋味深い。

マレーシアはイスラム教を国教としており、お酒はおおっぴらには飲めない雰囲気があるが、外国人や華僑が多いコタキナバルに関していえば全く酒の心配は無い。コンビニで冷えたビールをいつでも買うことができるし、街中無数にあるレストランや中華料理屋でも普通にアルコールにありつくことができる。

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(画像-tabinote)


日本からの行き方

(空路)
マレーシア航空のコタキナバル直行便がある(JALのコードシェア便)。成田発の往路・復路共に月木土の週3便。所要6時間。料金的にも6万円台でリーズナブル。
同便は休止や復活を繰り返してきた経緯があり、今後も流動的と考えられる。

次いで優先度が高いのはエアアジア。キャンペーンを利用すれば4万円を切ることもある他、クアラルンプールでの乗り継ぎも便利で、羽田を深夜に出るため機内泊で時間を有効活用できるのもポイントが高い。

アシアナやシンガポール空港もエアアジアと同じ程度か、より安くなることがある。

(パッケージツアー)
マレーシア航空利用の現地フリーのツアーが4泊で6万円程度。航空券代よりも安くなる場合もある。クアラルンプール滞在を組み合わせた7日程度のツアーなら8万円程度。

(空港)
コタキナバル国際空港(BKI)はコタキナバル市街から南西に約7kmと近い。
マレーシア航空やアシアナ便が到着するのがターミナル1、エアアジアはターミナル2に到着する。ターミナル間は離れているので送迎の際には要注意。
いずれもこじんまりした規模だが、ターミナル1は2008年に改装したばかりでファーストフードや携帯ショップもあり、機能的。ターミナル2も免税店やレストランなど一通り揃っているが、両替所では日本円を扱っていないという情報がある。ターミナル2到着の場合はATMを利用するか乗り継ぎ地(クアラルンプールなど)でリンギット通貨を入手しておこう。
なお、コタキナバルの属するボルネオ島のサバ州は独自の入国審査を行っており、クアラルンプールで入国審査をしてもコタキナバルで再度イミグレーションを通過しなければならない。
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(第2ターミナル;画像-tabinote)

空港からの足はタクシーかエアポートバス。タクシーは市街まで定額30リンギット、バスは5リンギット。渋滞がなければ30分程度で市街に出られる。


地理と気候

マレーシアはマレー半島側とボルネオ島側に大きく分かれ、コタキナバルはボルネオ側最大の都市。島の北部に位置し、さらに北にはキナバル山やサンダカン、南にはブルネイがある。
熱帯モンスーン気候に属しており、雨季と乾季が明確に分かれる(乾季でも雨は降る)。ベストシーズンは乾季の1月から4月。トレッキングやビーチリゾートもこの時期が向いている。
気温は年間通して30度以上だが、湿度はやや低めで、気温の高さの割に過ごしやすい。
日本との時差はマイナス1時間。日本の正午が午前11時。サマータイムはない。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はマレーシア語だが、イギリス統治の名残から英語の通用度は非常に高い。また、中国系の人々には中国語(普通語)が通じる。
マレーシアは世界でも有数の多民族国家で、マレー系をマジョリティとし、中国系やインド系、それぞれの混血など多様な人種が行き交う。
イスラム教を国教としているが、イギリス統治時代の名残でキリスト教徒も一定数おり、特にボルネオ側は相当数存在しているとされる。中国系は仏教、インド系はヒンドゥー教を信仰するなど宗教的にも多様な共存をはたしている。

通貨はマレーシア・リンギット(RM)。1マレーシア・リンギット=32.6円(15年4月時点)。
おおむね30円と覚えておけばよかったが、円安で上がり気味。
物価も上がってきているが、リゾート地の割にはまだまだ安めな水準を保っている。
タクシーは市内15RM~程度とアジアの中ではやや高めだが、ぼったくりもなく快適。ホテルはシーズンにもよるがだいぶ手ごろで、中級ホテルは5千円未満、5つ星クラスでも1万円程度。食事は街中の中華やカレーなら10~15RM程度。海鮮はかなり値が張る。

2015年4月から消費税(GST:Goods and Service Tax)導入の予定。税率は6%。外国人には払い戻し制度がある。マレーシア税関のサイトによると、正規のショップ(TRS;Tourist Refund Schemeロゴが貼ってある)で買い物をした場合に適用されるとなっており、出国時に国際空港で払い戻される模様。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。
壊れているATMもそれなりにあるので、必ず現金も携帯していきたい。

日本国内でマレーシア・リンギットに両替できる場所は成田の両替所などに限られ、レートも悪い。
マレーシア到着後、空港内で少しおろし、市内の両替商で換金するのがよい。
再両替のレートが悪いため、あまり一度に多く両替しない方がよい。

クレジットカードが通じる場面は多い。VISAかマスター推奨。

イギリス統治を経ている割にはチップの習慣が薄い。ポーターには2RM程度、ガイドやサービスチャージののっていないレストランでは1割程度が期待される。タクシーや中華レストランでは必要ない。


(画像:Wikipedia)


治安とビザ

マレーシアは東南アジアの中でも治安の良い方とされ、ボルネオ側は首都クアラルンプールのあるマレー半島側よりもさらに穏やかな雰囲気。市街では夜も人通りがあり商店も賑やかで、治安の心配はかなり少ないといってよい。
とはいえそこは外国。スリ、置き引き、ひったくりなど観光地に特有のトラブルには注意すること。モールや繁華街、高級リゾートホテル内などでも邦人の被害例が報告されている。

交通マナーは東南アジアの中では相当によい方で、無理な割り込みもなく、クラクションを聞くこともあまりない。
タクシーにはメーターがないが、運転は穏やかでぼったくり事例も少ない。

なお、麻薬への取り締まりは非常に厳しく、最高刑は死刑。

ボルネオ島の東側、フィリピン国境に近いラハ・ダトゥ、クナ、透明なビーチが有名なセンポルナ付近は渡航延期推奨地域となっている。フィリピンを拠点とするイスラム過激派のアブ・サヤフ(ASG)やスールー王国軍を名乗る武装集団がはびこり、外国人の誘拐事件も多発している。


市内交通

旅行者の足はバスかタクシーとなるが、そもそも市街地は狭いので徒歩でも十分巡れる。
交通マナーはよく、タクシーも安心して利用できる。また、自転車やバイクを借りるのもおすすめ。

(タクシー)
バス以外の公共交通機関がないコタキナバルでは、旅行者にとってもっとも使う頻度が高い乗り物。メーターはないが、行き先によっておおむね料金が決まっている。
タクシーの相場は、市街の移動であればおおむね15~20RM程度。中心部から「1Borneo」までで30~40RM程度、空港までなら50RM程度。
一応宿で相場を確認しておくとよい。

市街であればそこらへんの交差点やホテル前でタクシーをつかまえるのに苦労はないが、郊外で流しのタクシーを見つけるのは困難。迎えに来てもらうか配車の電話番号を控えておこう。

(バス)
バスは市内移動で1RM程度と安い。
広い道路沿いに歩いていると屋根のついたバス停留所に出くわすことがある。ルート表記も英語でわかりやすい。

(レンタサイクル・バイク)
渋滞も少なく交通マナーのよいコタキナバルではレンタルバイクやレンタサイクルも便利。
巨大モール、スリヤの南側にある旅行会社ビルの一角、「gogosabah」ではマウンテンバイクからスクーターまでいろいろな車種を貸し出している(日曜は定休なので注意)。
また、宿で貸してくれることもあるので確認しておこう。


ホテル

5つ星ホテルからゲストハウスまで宿の選択肢は豊富。
リゾート地にもかかわらずホテル代は安めで、ハイアットリージェンシー、ステラといった5つ星クラスでも1万円程度になることもある。
3つ星クラスでも5千円程度で泊まれ、十分に快適。市中の便利な場所にゲストハウスがあり、個室で1500円程度、ドミトリーなら数百円とこれまた安め。

中国の旧正月と(春節)とイスラムの断食明け(ラマダン明け)は混み合う。他に、マレーシアではスクールホリデーというまとまった日数の学校休暇があり、この時期は繁忙期となる。

エアコンなど必要な設備を後から買い足していくLCC方式のTuneホテルもモールの「1Borneo」内にあり、快適で安い。ただし市街地からはやや離れている。


Sinurambi Bed and Breakfast (トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
旅行者も問題無くプリペイドSIMを購入できる。
大手携帯会社はDigi、Maxis、Timecel、TM Touch。ネット上で情報が多いのはDiGiとMaxis。街なかの携帯ショップの店員も英語を話せるので、設定で苦労することはないだろう。

Digiの場合、スマートフォン向けの「DG Prepaid SmartPlan」が有効期限30日、容量1ギガで30RM。同50日、2ギガで50RM。キナバル山の頂上でも電波が通じるなどカバレッジは良好。
MaxisはHotlinkというブランド名で展開している。「Tablet Plan」の場合LTE対応の60日有効1ギガプランが30RM。

(WiFi)
WiFi環境は充実している。カフェやファーストフード、レストランやフードコートにはおおむねWiFiのステッカーが貼られている。

4. 世界あの街この街: ジャカルタ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第42回 ジャカルタ

Balifriend Tour
Java Tourism (トリップアドバイザー提供)

インドネシア共和国国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

ジャカルタはインドネシアの首都。インドネシア最大の都市であるのはもちろん、都市圏人口は3,000万人に迫る世界トップクラスの都市。
近年経済発展がめざましく、近代的なショッピングモールが次々と建ちならび、高級車が駐車場を埋め尽くす。オランダ統治時代の雰囲気を残す港湾エリアのコタ地区、熱帯の緑広がる公園、渋滞のクラクションや人がひしめく露店など様々な要素が共存するエネルギッシュな街。

Jakarta History Museum から FIK PROPERTY JAKARTA   Google マップ
(画像:Googleマップ;A-Kota (Old Batavia), B-MONAS, C-Masjid Istiqlal, D-Blok M, Melawai, E-Taman Min Indonesia Indah, F-Taman Anggrek Mall, G-Grand Indonesia, Plaza Senayan/Senayan City)

街歩きのはじまりは北西部ジャカルタ湾沿いのコタ地区(旧バタビア)から。
オランダ植民地時代のコロニアルな建物が連なり、大航海時代の貿易船や東インド会社の商館、当時の跳ね橋などがそのまま残っている。建物はいい感じに朽ちて独特の雰囲気を出している。

Jakarta Old Town (トリップアドバイザー提供)

あたりは史跡に加えてミュージアムも多く、歴史博物館、ワヤン(影絵)博物館は特に人気が高い。歴史博物館は旧バタビア市庁舎を改装した瀟洒な建物で、当時の家具や武器などが数多く展示されている。

Jakarta History Museum (トリップアドバイザー提供)

歴史地区のど真ん中にあるのがファタヒラ広場。多くの屋台や観光客で昼夜を問わず賑わう。

Fatahillah Square (トリップアドバイザー提供)

コタ駅の南はチャイナタウンとなっている。屋台や漢方薬局、中国風の寺院などが建ち並びこちらも活気のあるエリア。ジャカルタ在住の華人が実際に住むエリアで、観光地化されていないのでリアルな街の雰囲気が味わえる。

Chinatown (Glodok) (トリップアドバイザー提供)

南に向かい市街の中心部へ。
高さ137メートルの白と黄金に輝くモナス(独立記念塔)はジャカルタのシンボル。内部には展望台があり、市街を一望するのにいい。台座の建物にはインドネシアの歴史を再現したミュージアムがあり、遠くから眺めるだけではもったいない。


National Monument (MONAS) (トリップアドバイザー提供)

モナスの麓、ムルデカ広場の西にある国立博物館はインドネシア最大のミュージアム。日本語のガイドブックもあり、ヒンドゥー教時代の石像やジャワ原人の頭骨などインドネシアならではの展示が詰まっている。

インドネシアは世界最大のイスラム国家。その底力を見せつけるような巨大モスクがイスティクラル。
収容人員12万人を誇る白亜のモスクは大統領宮殿や国会議事堂といった国の中枢機関に隣接し、威厳に満ちている。信者以外でも見学可。


Istiqlal Mosque
(トリップアドバイザー提供)

tabinote田口体験談
イスティラクルの入り口で日本語を話す50代の男に声をかけられました。彼曰く「異教徒は案内人がいないとガードマンに止められます。わたしは顔がきくので案内してあげましょう。もちろんお金はいりません」と言う。どうせ後から手のひら返してガイド代請求してくるんだろうなあと思いつつ頼んでみた。案の定見学終了後かなりの額(たしか日本円で5000円以上)ふっかけられた。多少値切りはしたがなかなかに手強い相手で結局根負けして結構払ってしまった。やはり日本語で親切にしてくるやつは信用できない。とは言えガイドはものすごくていねいで勉強になりました。

イスティクラルの真正面にあるのがなんとカトリック教会。イスティクラルに先立つ1901年に建設され、イスティクラルの尖塔66mに対してこちらも高さ60mと堂々たる規模。インドネシアのイスラム教は世俗主義であり、モスクとカトリック教会が並び立つ様は宗教的寛容性を示している(らしい)。

Jakarta Cathedral (トリップアドバイザー提供)


コタ駅から北東のジャカルタ湾沿いには、ジャカルタ最大のアミューズメントパークがある。
アンチョール・ドリームランドは500ヘクタール以上の広大な敷地に遊園地や水族館を併設した巨大パーク。ジャカルタ湾に沈む夕日を見ながらシーフードをつまめば最高の気分。ビーチもあるが陽光の下ではかなり汚いので夕日を眺めるくらいにしておくのが吉。

Ancol Dreamland (トリップアドバイザー提供)

タマン・ミニ・インドネシア・インダーはインドネシアの多様な文化を紹介するテーマパークで、ひそかにジャカルタ観光の最重要スポットとも言われる。インドネシアの島々を浮かべた湖や各州のパビリオンなど、さながら常設インドネシア万博のよう。ジオラマや民俗芸能、プラネタリムといった文化的な展示だけでも見きれないほど多いが、植物園や鳥類など各地の自然を紹介する施設もある。民芸品もそろっているのでお土産探しにも便利。

Beautiful Indonesia in Miniature Park (トリップアドバイザー提供)


経済発展著しいジャカルタは巨大ショッピングモールが集まることでも知られている。
モールマニア、フードコートマニアならよだれが出てくるような巨大施設がゴロゴロあり、昨今では市が新設を規制しているほど。

モール・タマン・アングレックは1996年にオープンしたインドネシア最大のショッピングモール。売り場面積は36万m2と、日本最大のイオン越谷レイクタウン1.5個分という巨大さ。空港から市街までの途中にそびえている。
日本でもお馴染みの丸亀製麺、ペッパーランチ、無印といったブランドも入っており、スケートや映画館など一日過ごせる。

Taman Anggrek Mall(Orchid Garden Mall) (トリップアドバイザー提供)

グランド・インドネシア・モールは2008年にオープンした最新の高級モール。売り場面積は25万m2とタマン・アングレックには及ばないもののやはり広大。シャネルやロエベなどの高級ブランドもそろい、高めのお土産選びにも最適。フードコートのリッチさと巨大さでも知られている。
向かい側にあるプラザ・インドネシアもグランドハイアットを擁する超高級施設で、やはりフードコートが賑わっている。

Grand Indonesia Mall (トリップアドバイザー提供)

スナヤン地区にはスナヤンプラザ、スナヤンシティという2大高級モールがある。日本のSOGOがキーテナントとして入っている他、日本食レストランも多い。
ちなみにアイドルグループJKT48の常設劇場「JKT48 Theater」はスナヤンプラザの隣にあるモール「fX Sudirman」の4階にある。

Senayan City (トリップアドバイザー提供)

スナヤンから少し南下するとBloK Mという日本人街。日本人向けのレストランや夜の飲み屋があり、日本人向けのゲストハウスもそろうなど何かと便利な地区。トランスジャカルタ(後述)が停車するので移動にも便利。こちらにもローカル向けのブロックMスクエア、高級路線のプラザブロックM、巨大デパートパサラヤなどがあり、ジャカルタ市民の旺盛な購買力を実感できる。

Senayan City (トリップアドバイザー提供)

高級モールには興味ねえよ、という向きにはチャイナタウン隣接の巨大電脳モール、マンガ・ドゥアがおすすめ。PCの品揃えは東南アジア最大級とされ、PCパーツやスマホ、コピーDVDに各種修理屋までそろいジャカルタの秋葉原とも呼ばれる。庶民的なモールやフードコートも併設されている。
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(画像:tabinote)


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Jegeg Restaurant (トリップアドバイザー提供)

インドネシア料理の代表格は「ナシ・ゴレン」、様々なおかずのぶっかけ飯「ナシ・チャンプル」、焼きそばの「ミー・ゴレン」、鶏のスープ「ソト・アヤム」など。タイほどにスパイシーではなく、肉や魚をシンプルに炭火で焼いたり濃厚なココナツミルクで煮たり、豆腐や醤油を多用するなど日本人にもなじみやすい味わいが特徴。
実際にはそれらの料理は様々な地域毎の味覚が集まったもの。濃いめの味付けが特徴のバリ料理、あっさりして野菜多めのスンダ料理、テンペや中華の影響が強いジャワ料理など様々な味わいがインドネシア料理としての調和を産んでいる。
中でも一番人気なのが西スマトラのパダン料理。CNNが「世界一美味しい料理」と認定して話題となったレンダンはその代表格。牛肉をココナツミルクとタマネギで煮込んだコク深い煮込み料理。他にも、豪快に鶏を揚げた「アヤム・ゴレン」や串焼きのサテなどが名物。

ジャカルタなら高級シーフードから屋台の麺まで何でもそろう。最近ではおしゃれなカフェも増えており、南国のフルーツやタピオカを使った現地ならではの洗練されたデザートもある。

イスラム圏ではあるが、旅行者がレストランの中で飲酒する分には問題無い。国産のビールもある。シェアトップはBintangビールで、オランダ仕込みの本格的な味わい。


Eka Ria Restaurant (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
ジャカルタまでの直行便は豊富で、成田からはJALが毎日2便、ANAとガルーダ・インドネシア航空が毎日1便を飛ばしている。
羽田からもANAとガルーダが毎日1便、関空からはガルーダが水・金・日の週3便。
直行便の所要時間は7~8時間程度。
ガルーダ・インドネシア航空の場合、機内でビザ発給・入国審査が可能なため非常に便利。

経由便は無数に選択肢があり、エアアジアのクアラルンプール経由やチャイナエアライン、ベトナム航空や大韓航空などが安い。

費用はオフシーズンの場合直行便が7~8万円から、経由便なら5万円程度。

(海路)
バリ島からフェリーでジャワ島に上陸し、その先のバスまでをセットにした現地ツアーがある。
また、シンガポールからビンタン島までの高速船があるが、その先の船は便数が少ないなどかなり時間の余裕が必要。

(パッケージツアー)
インドネシアのパッケージツアーと言えば圧倒的にバリ島行きが主流で、3泊4日のガルーダ航空直行便ツアーが5万円台となることもある。比べてジャカルタ行きのツアーは少なく、リゾートホテルやJAL便利用等ビジネス需要をあてこんだ高いものが多い。ダンゼン個別手配がお得。

日程に余裕があれば、バリ島行きの現地フリー格安ツアーを予約し、バリ滞在を数日楽しんでから別途ジャカルタに飛ぶというウラワザもある。バリからジャカルタまでのフライトは多く、値段も1万円程度と気軽。

(空港)
ジャカルタの空港はスカルノ・ハッタ国際空港(CGK)。市街の北西約20kmに位置する。

国際線が到着するのは第2ターミナルで、JAL、ANA、ガルーダも第2に到着する。
第3ターミナルまであるが需要増に追いつけず、現在第4ターミナルの建設が進行中。
エアアジアが利用する第3ターミナルは素晴らしく近代的で新しい。

市街まではタクシーで1~2時間。
空港内のカウンターで申し込むプリペイドタクシーは20万ルピア程度。メータータクシーは18万程度。
エアポートバスの場合、ブロックMやジャラン・ジャクサなどの主要エリアを周回している。料金は3万ルピア~。




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地理と気候

ジャワ島はインドネシアの中西部を占める。ジャカルタの位置はスマトラ島に近い北西海岸部。
熱帯モンスーン気候に属し、平均気温は通年で30度以上。最低気温も25度を下回ることはない。湿度は70~90%で、要するに蒸し暑くて不快。ただし、6月~10月は乾季となり、月間降雨日数も5日程度、湿度も比較的低めで過ごしやすい。やはりこの乾季がベストシーズン。
11月~5月は雨期となり、特に1~2月は雨が多い。西ジャワでの豪雨が続くとジャカルタ都心部でも洪水が起こることがある。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午が午前10時。サマータイムはない。
インドネシアは西部(ジャワ、スマトラ島など)、中央部(バリ島など)、東部(パプア)で3つの時間帯に分かれる。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はインドネシア語。多民族国家であるため、ジャワ語、バリ語なども入り乱れている。
アジアの大都市の中では、やや英語は通じにくい方。旅行者がおとずれるようなホテル、カフェなどは英語で問題無いが、一般のショップの店員やタクシーはかなり怪しい。
ちなみにインドネシア語はアルファベット表記、時制がないなど文法も簡単で発音も容易とされ、一説には世界一習得が簡単な言語ともされている。がんばって旅行会話くらい身につけていけばいろいろ便利かもしれない。

通貨はインドネシア・ルピア。1インドネシア・ルピア=0.0092円(15年3月時点)。
概ね100ルピア=1円と覚えておけばよい。

物価はピンキリで、ローカルのお店で買う品物や食堂、タクシー、SIMは安い。一方、高級モールで売っている品物や輸入品、お酒、こぎれいなレストランの料金はほとんど日本と変わらないことも。インフレも激しい。
ミネラル・ウォーターが2~3000ルピア、食堂で一食2万~6万ルピア程度、レストランの夕食が20万ルピア、ビールが2~3万ルピア程度。

両替は万国共通で、ATMの国際キャッシングが便利。
ATM故障も多いので必ず現金も携帯しておきたい。
ビザ代(後述)のUSドルがあると便利。ホテルなどはドル建ての場合もあるが、そのようなホテル・店はクレジットカードが通用することが多いので、わざわざ多額の米ドルを持って行く必要は無い。
クレジットカードは高級ホテルやレストラン、モール内のショップなどで通じる。

チップの習慣はないが、ポーターやホテルのハウスキーパーなど2万ルピア程度。タクシーはおつりを渡す程度で十分。ガイドやドライバーの場合は2万~5万程度。


治安とビザ

残念ながらあまりよいとは言えない。特に旅行者を専門に狙うスリとタクシー強盗の被害が多く報告されている。

スリが多く報告されているのは市バスおよび長距離バスのターミナルや車内、観光名所や繁華街といった混み合う場所。空港やホテルでも油断は禁物。路上でもスリ被害が起きている他、バイクでひったくるなど荒っぽい手口も。カバン、サイフ、スマホなどは肌身離さず抱えるか見せびらかさないように。

タクシー強盗は運転手が人気のない場所に連れて行ってナイフで脅すのがパターン。流しのタクシーは利用せず、シルバーバードやブルーバードといった信頼できる業者にホテルから電話して配車してもらうのがよい。

ルピアは桁が多いので、両替時のピンハネは日常茶飯事。
また、親しげに日本語で話しかけてくる相手はほぼ100%詐欺関連。早くその場を離れたい。
インドネシアでは麻薬は厳罰であり、個人使用・旅行者であっても実刑をくらう。

よく報告されている症状は下痢や日射病など。飲食店で出される水には口をつけないように。また、デング熱に罹ると旅行が台無しになる。


インドネシア入国にはビザが必要。
ジャカルタの場合、30日までの観光ビザ(アライバルビザ)を空港到着時に取得できる。費用はこれまで25US$だったが、7月にUS$35へ値上がりしたばかり。
パスポートの残存期間要6ヶ月以上、査証欄に見開き2ページ以上の空白ページがあることが条件。


市内交通

いわゆるメトロや軽軌道などはないが、エアコンバスのトランスジャカルタがメトロ代わりとなる。交通事情は悪い。慢性的に渋滞がひどく、渋滞回避の規制でさらに混み合うという悪循環。運転マナーも最悪レベルで、割り込みをしないとまともに進めないほど。必然的にクラクションが挨拶がわり。

どこに行くにも定時を見込むのが難しく、それは旅行者もローカル住民も一緒。商店の営業時間も目安程度。インドネシアでは他のアジア諸国にもまして余裕をもったスケジューリングが重要。

(タクシー・バジャイ)
街中を流しており簡単につかまえることができるが、メーターを細工したりする運転手もいる他、タクシー強盗も報告されている。評判がよいSILVER BIRDタクシーやBLUE BIRDタクシーをホテルに配車してもらい利用するのがもっとも安全。初乗り料金の目安は最初の1kmまで7,000ルピア、以降1kmにつき3~4,000ルピア。3時間程度のチャーターで15万ルピア程度(交渉次第)。おつりは端数をそのまま渡す。

バジャイはオート三輪。料金は完全交渉制なので、ホテルで相場を聞いて利用した方がよい(やめとけと言われる可能性も大…)。目安としてはほぼタクシーと同じと考えてよい。

バジャイ
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(画像:tabinote)

(バス)
トランスジャカルタ(Transjakarta、通称Busway)は市内を周回するバス。道路中央の専用レーンを走るため渋滞知らずで正確(とされているが、渋滞時には入ってくるバイクも多数…)。エアコン付きで快適な移動ができ、メトロのように利用することができる。
市内要所に停留所があり、料金は全区間3,500ルピア定額。現金の他ICカードを使って乗ることもできる。運行時間は5時から22時の間、おおむね5~6分おき。

市内バスはエアコンバスが5,000ルピア、ミニバスが2,500ルピアで市内を縦横に結んでいる。
バスは治安が悪くスリが頻発していることから避けた方が無難。

(鉄道)
ジャカルタの市内・近郊鉄道は日本のODAによって建設された。車体は日本のメトロやJRが多く払い下げられており、そのような車体では車内の注意書きや行き先案内板も日本のものがそのままついている。
あまり旅行者が利用する機会はないかもしれないが話のタネに乗ってみるのも面白い。

営団6000系(千代田線)車両
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(画像:tabinote)


ホテル

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The Dharmawangsa (トリップアドバイザー提供)

ホテルの選択肢は多く、高級ホテルから安宿までそろっている。
高級ホテルのレートはインドネシアの中では最高値クラスとなるものの、他国のアジア諸都市と比べれば比較的安め。特にシーズンオフはかなり値引きがされており、ノボテルやヒルトン・ダウブルツリーといった外資系の4つ星クラスが6千円程度になることもある。比較的高級ホテルが多いのはモナスの南側に伸びるジャラン・タムリン(Jalan Thamrin)付近。

中級~安宿レベルでも、こぎれいでエアコンWiFi付のホテルの個室が2~3千円。ドミトリーなら千円程度ということも珍しくない。比較的安宿が多いのはやはりモナスのすぐ南側、ジャラン・タムリンの東に位置するジャクサ通り(Jalan Jaksa)付近。この界隈はバックパッカーが集まるので情報交換にも便利。

ハイシーズンは年末年始の他、ラマダン明けもインドネシア人で混み合う。
東南アジアでは6~7月に学校が休みになる場合が多く、この時期もハイシーズンとなる。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
インドネシアの携帯業者はテレコムセル(Telkomsel)、Axis、Indosat、XLなど。
アジアでは珍しく都市部にLTEが通っており、昔からBlackberryの流通量が多いこともありデータSIMのバリエーションは充実している。
スカルノ・ハッタ国際空港のイミグレーションを通過するとすぐにSIMの売場がある。市内よりは高い模様だが、英語が確実に通じるのでここで入手することをおすすめする。

インドネシアで規模・エリア共に最大、かつLTEも展開している大手キャリアがTelkomsel。迷ったらTelkomselで間違いない。TelkomselのプリペイドSIMカードはsimPATIというブランド名で提供されており、データSIMにはFlashというブランドが用意されている(とサイトから理解、実際はわかりにくい)。1週間~30日で数ギガ程度の様々なプランがある。「Paket Kartuhalo Flash」の場合、7日間600Mで2万ルピア、30日1.5ギガで5.5万ルピア、30日4ギガで22.5万ルピアなど。

XLの場合、月間14.9万ルピアで無制限の「Internet Super Unlimited」というプランがある。

新興キャリアのBolt!がジャカルタ都市圏でLTEを展開している。8GでルーターとプリペイドSIMのセットが29.9万ピア。

日本からWiFiルーターを借りていくのも手。1日あたり600円程度とキャリアの海外使い放題よりも格段に安い。

(WiFi)
旅行者が行く様なレストラン、カフェ、ショッピングモールなどでWiFiが提供されている。ホテルはほとんどがWiFiもしくは有線LANを備えているが、高級ホテルの場合は有料のこともある。欧米人利用の多いゲストハウスはおおむね無料WiFiが提供されている。

4. 世界あの街この街: ダッカ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第41回 ダッカ

ダッカの旅行ガイド
ダッカ (トリップアドバイザー提供)

バングラデシュ人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

むせかえるような人の波、クラクションと土埃。昼も夜も賑やかなダッカ。昔ながらのアジアのバザールやモスク、モダンなビルやショッピングモールなどが渾然一体となり、エネルギーを生み出している。
外国人は注目の的で、歩くと背後に人だかり、レストランでは記念撮影を求められることもめずらしくない。カメラを向けると最高の笑顔を見せてくれるし、簡単なベンガル語でも披露すれば人気の的となるだろう。

ダッカの街は水路と道が入り組んでいる。
史跡やミュージアムもあるものの、やはり街歩きが一番の楽しみ。

Dhaka マップ
(地図:Google、A-ボナニ、B-グルシャン、C-モティジール、D-オールド・ダッカ、E-ショドルガット、F-ラールバーグフォート、G-ニューマーケット、H-国会議事堂、I-ボシュンドラ・シティ)

まずは入門としてダッカ随一の高級ショッピングエリア、ボナニ(Bonani)へ。おしゃれなレストランやショップが建ち並び、他のアジアの都市と近い雰囲気。グラミン銀行とユニクロの合弁店舗もボナニ駅の前にある。
グルシャン地区(Gulshan)はビジネスエリア。外資系の企業や大使館などが集中しており、カフェやレストランも垢抜けている。この界隈ならWiFiスポットも見つかる。
外国人向けのホテルはこの両エリアに多いので、ここを拠点に街になれていくのがよい。
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(画像提供:Takamasa Doi)

ダッカ中央駅(Kamalapur)のあるあたりはモティジール(Motijheel)地区。
大統領官邸や国立競技場など巨大な建物が並び、バングラデシュの政治・経済の中心。駅から近いのに加え空港行きのバスが出るグリスタン・バスターミナルもあり、ホテルやレストランもそろっていて便利なエリア。戦争博物館や国立博物館といったミュージアムもあり、街歩きに疲れたら避難してみよう。
ダッカの旅行ガイド
Liberation War Museum (トリップアドバイザー提供)

オールド・ダッカはダッカの街歩きのメイン。
古い建物に細い道、行き交うリキシャ-、そしてあなたに興味津々の人々。ダッカの混沌とエネルギーを存分に味わえるエリア。
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(画像提供:Takamasa Doi)

ショドルガット(Sadarghat)はオールド・ダッカから南に行った突き当たりのブリゴンガ川(Buriganga)に面した船着き場。外輪船から小舟まで数百の船が行き交い、沢山の人がひしめく。
ダッカの旅行ガイド
ダッカの旅行ガイド
Sadarghat (トリップアドバイザー提供)

ラールバーグフォート(Lalbagh Fort)はムガル帝国時代の城跡で、イスラムの伝統的なチャハルバーグ形式(正方形の庭を水路で四分割)の庭園が美しい。
城内の芝生や木立もよく手入れされており、地元民にとっても憩いのエリアとなっている。
ダッカの旅行ガイド
Lalbagh Fort (トリップアドバイザー提供)

ニューマーケットはお土産選びもはかどるショッピングエリア。オールドダッカの店とは比べものにならないほどキレイな店舗が連なり、NGOグッズや洋服などの雑貨、紅茶に至るまで様々なものが売られている。
ダッカの旅行ガイド
New Market (トリップアドバイザー提供)

ダッカ名物で建築マニアにも有名なのが国会議事堂(National Parliament House)。
現代アメリカ建築の最高傑作とも称されるキンベル美術館や、今や世界のトップ校であるインド経営大学の校舎を手がけた巨匠ルイス・カーンによるモダンな建物で、夜はライトアップされ幻想的な姿となる。
ダッカの旅行ガイド
ダッカの旅行ガイド
National Parliament House (トリップアドバイザー提供)

アジアのショッピング・モールマニアならボシュンドラ・シティ(Bashundhara City)へ。ボシュンドラ・シティは店舗面積18万m2と日本2位のイオンモール幕張新都心をしのぐ巨大ショッピングモール。買い物から食事、エンタメまで幅広く揃っており、総店舗数は2000以上。蒸し暑いダッカではエアコンの効いたモールがありがたい。
空港に向かう市街の北にはさらに巨大なジョムナ・フューチャーパーク(Jamuna Future Park)がある。こちらは38万m2とボシュンドラをしのぎ南アジアでも最大規模のモールだが、市街から遠いこともあり空きテナントが多く荒廃感がある模様。
ダッカの旅行ガイド
Bashundhara City (トリップアドバイザー提供)

ダッカの旅行ガイド
Jamuna Future Park (トリップアドバイザー提供)


ダッカから東南方面におよそ30km、ショナルガオ(Sonargaon)はダッカ以前に東ベンガルの中心都市であった古都。かつて裕福なヒンドゥー教徒が暮らしていた邸宅は東パキスタンがイスラム国家として独立すると共に放棄され、現在ではゴーストタウンとなっているが、観光スポットとしても人気になってしまった。
ダッカの旅行ガイド
Panam Nogor (トリップアドバイザー提供)

ダッカから国内線で1時間、鉄道なら7時間程度。
チッタゴン(Chittagong)にはコックス・バザール(Cox’s Bazar)という世界最長のビーチがある。その長さはなんと120km。バングラデシュ随一の観光地で、魚市場やお土産屋、外国人向けのカフェなどもありダッカの喧噪から逃れてくつろぐには最適。
ダッカの旅行ガイド
Cox’s Bazar (トリップアドバイザー提供)

この地区で有名なのは通称「船の墓場」(Ship Breaking Yards)。
大型タンカーや貨物船が一生を終える世界最大の解体現場だが、20万人もの労働者が劣悪な条件で働いておりたびたび海外メディアやNGOのヤリ玉に上がっている。現地の見学は可能だが、決して歓迎されているわけではなく写真撮影はNG。
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(画像:Wikipedia)



Nando’s (トリップアドバイザー提供)

インド東海岸のコルカタ一帯からバングラデシュにかけて特徴的な料理は、ベンガル湾の魚介類や豊富に取れる川魚を用いたベンガル料理。
バングラデシュは「米と魚の国」とも呼ばれ、とにかくごはんが進むような魅力的な味付けのおかずが多い。イスラム圏でありケバブなど串焼きやダンドール焼きの種類も多く、ビーフが食卓にのぼる。

バングラデシュのカレーはトルカリといい(ネパールではタルカリ)、魚を使ったものが特徴的。他には豆スープのダル、鶏肉やエビのケバブ、ビリヤニ、ネパール料理屋でもお馴染みのチョウメンなどがある。

ストリートフードでぜひ試したいのはチュリ。茹でたカレー風味の芋や豆にサクサクの揚げニンニクや揚げタマネギを合わせ、さらにスパイスを振って混ぜ合わせたキング・オブ・炭水化物。思わず飲みたくなってもご安心を。イスラム圏だがちゃんと国産ビールがある(ただし外で飲むのはNG)。



Royal Tandoori (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
現在、バングラデシュまでの直行便は無い。
空路でメジャーなのはインドのコルカタ、香港、昆明、バンコク、クアラルンプール経由など。コルカタからは陸路の選択肢もある。
イスラム圏であり、意外に中東系の便も多い。

安いのは中国東方航空。北京や昆明を経由する便で、時間はえらくかかるが5万円台が出ることも。
コルカタからは豊富に便があり。1.5万円から。
エアアジアでバンコクに行った場合、バンコクエアウェイズが2万円程度と安い。クアラルンプールはやや高めで、安航空会社界のレジェンドであるビーマン・バングラデシュ航空でも3~4万円となる。

いろいろな選択肢があるが、とにかく安く行きたいという場合には中国東方かバンコク経由の優先度が高い。

(陸路)
コルカタから鉄道もしくはバスで向かうのが一般的。ミャンマー国境は旅行者に解放されていない。鉄道はコルカタのChitpur駅から週2便(水曜と土曜の朝発)、所要12時間、エアコン席が12ドル。
陸路ではアライバルビザは取得できない(正式には空路でも認められていない)ので、事前にビザ取得を。

(パッケージツアー)
バングラデシュの場合、いわゆる現地フリーの格安ツアーというのはほとんど見当たらない。ガイドのついた3泊5日程度のツアーで15万円程度。

(空港)
ダッカの空の玄関はシャージャラル国際空港(DAC;旧「ジア国際空港」から2010年に改称)。市街オールド・ダッカから北に20km程度。
ビーマン・バングラデシュ航空や、アメリカのユナイテッド航空とは全く無関係なユナイテッド・エアウェイズ(コールサインはUnited Bangladesh)の本拠地。ビーマン・バングラデシュ航空はバンコク、香港、コルカタ、クアラルンプールなどアジア諸都市に乗り入れている他、欧州便もある。

空港からの移動はタクシーが一般的。プリペイドでボナニまでならおよそ800タカ、オールド・ダッカなら1800程度。空港の外でタクシーをつかまえた場合、ボナニで450タカ、オールド・ダッカまで900タカといったところ。
慢性的な渋滞のため所要時間はまちまちで、オールドダッカまで出るなら2時間以上もザラ。
空港前のエアポート駅からボナニやモティジール(ダッカ中央駅)まで鉄道で出ることもできる。ホテルがこの地域であれば便利。料金20タカ。
市内からはモティジール地区のグリスタン・バスターミナルからNo.3のバスで空港に行ける。

あまり一般的ではないがチッタゴンにも空港があり(シャーアマーナト国際空港;CGP)、中東イスラム圏との航路がある。




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地理と気候

バングラデシュはインド亜大陸の東側、ベンガル湾沿いのデルタ地帯。南東の一部はミャンマー、それ以外の国境をインドと接している。
Googleマップで見るとわかるように多くの河川が網目のように入り組み、ガンジス川やブラマプトラ川といった大河もベンガル湾に注いでいる。そのため河沼の多い湿地帯・低地帯であり、しばしば大雨により洪水が起きる。ジャングルや川の流域はベンガルトラやインドサイなど貴重な野生動物の生息地として知られる。
デルタ地帯は巨大な穀倉となる一方で人が住める土地が限られており、人口密度は世界一にふくれあがった。
ダッカはバングラデシュ中央部、ガンジス川(バドマ川)、ブラマプトラ川、メグナ川という大河が交差する巨大な中州状の土地の一角を占める。

日本との時差はマイナス3時間。
熱帯性の蒸し暑い気候で、冬季も温暖。雨季と乾季にはっきりとわかれ、ダッカを訪れるなら乾季の10月~3月がベストシーズン。5月頃から10月までが雨季で相当の雨が降る。この時期はサイクロンや竜巻なども発生し、雨季には毎年決まって洪水により大きな被害が出る。交通にも影響が出るため、旅行には適さない。また衛星状況も悪くなる。ただし、雨季である夏場はフルーツが旬を向かえ、特にマンゴーは絶品。

日本との時差はマイナス3時間。
熱帯性気候で蒸し暑く、季節は乾期と雨期で明確に分かれる。乾季は11月~4月頃、雨期は5月から10月頃。もちろん乾季の旅行がおすすめ。バングラデシュの雨季は不快なだけでなく洪水や竜巻などの発生もありうる。一方、雨季はオフシーズンで宿は安く色とりどりの果物が屋台に並ぶというメリットも。


(画像:Google提供)


言語と通貨

バングラデシュの公用語はベンガル語。インド同様イギリス領を経ており、旅行者が行くような場所では英語も通じる。また、若者も通じる度合いが高い。ただし訛りはかなり強く聞き取り難易度は高い。

通貨はバングラデシュ・タカ(BDT)。1ルピー=1.5円(15年3月時点)。
物価はかなり安いといえる。食堂で一食150タカ、ミネラルウォーター15タカ、豪華に食べても500タカ。タクシーを借り切れば交渉次第だが半日で500タカ程度。

両替は国際キャッシングが有利だが、ATMの故障率は高め。必ず現金も持っていきたい。現金の場合は日本円もしくはドルを現地で両替することになるが、空港のレートは悪い。空港で少額を両替し、レートの良い市内の両替商で必要な分を都度両替するのがお勧め(ダッカ市内で日本円をタカに両替するのは容易)。
バングラデシュ・タカは日本で両替できない。再両替レートも悪いのでこまめに両替した方がよい。両替時のレシートは再両替に必要なので取っておくこと。

外国人が行くようなホテルやショップではクレジットカードが使えることもあるが、全般に普及度は低い。

チップの習慣はない。気持ち程度で十分。目安はポーターやルームサービスに20~30タカ程度。
外国人が行くようなほとんどのホテルやレストランではサービス料10%が含まれている。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

銃器を使った強盗事件などもそれなりに発生しており、旅行者も巻き込まれている。特に多い被害はスリやひったくり、CNGやリキシャ乗車中の強盗やひったくりなど。人混みの中で地元民にひったくられた場合ほとんど追跡は不可能。
外国人が多いニューマーケット、グルシャン、ボナニ、バリダラ、グリスタン(国立競技場)、オールドダッカなどでは特に気をつけること。

バングラデシュではハルタル(Hartal;ホッタールとも)というストライキがある。ストといっても日本のようなおとなしいものではなく、時に投石や放火、発砲などをともなう暴動と言ってもいいような激しいもので、この時期は商店も交通機関もまともに動かない。旅行者がハルタルにぶちあたった場合はほとんど予定通りの旅が不可能となるので、大使館のサイトなどで動静をチェックしておきたい。

なお、2015年に入りバングラデシュ民族主義者党(BNP)がハルタルを活発化させており、この2015年3月時点でも野党20連合による全国規模のハルタルが実施されるなどの動きがある。情勢をよく見て渡航のこと。


全てのバングラデシュ入国者はビザが必要。日本人の観光ビザは無料。
アライバルビザについては情報が錯綜しており、現地ですんなり取れたという声もあれば(本来は無料)、50ドル払って取れたという声もある。ただし大使館のサイトでは緊急の事情がない限り発給されないとの旨明記されているので、追い返されても自己責任。かならず事前に取っておきたい。

ビザはオンラインで申請書を印刷し、直接バングラデシュ大使館(目黒区目黒4-15-15)に持ち込む。郵送サービスはなく、受付は平日(バングラデシュ祝日も休み)の午前9時~11時半。受領は4日後の午後15時~16時。
オンラインなのに印刷して直接持ち込む必要があるなど、観光客を受け入れる気があるのか?と疑いたくなるほどめんどうなので、代行業者に依頼するのも手。


市内交通

交通状態は世界屈指のカオスっぷりとされ、渋滞と運転マナーの悪さは最悪レベル。歩行者のマナーすら悪い。通りは自動車やバイク、リヤカーや徒歩の人であふれ慢性的に渋滞が激しく、道路の整備状況もよくない。何をするにも移動には余裕をもってプランニングすることが大事。

(タクシー・リキシャー)
流しのタクシーは少なく、高級ホテルの前などにいる。
料金は一応メーター制だが交渉となることが多い。メーターの場合は初乗り2km100タカ、以降1km毎に34タカ。
一般的なタクシーは黄一色の普通車か水色または黒の軽自動車。

この他、インドでもよく見る屋根付き三輪自動車(CNG)や、バイクに派手な大八車をつけたタイプ(リキシャ)もある。価格はタクシーの2/3程度が目安。外国人には結構ふっかけてくるし、面倒なので適当なところで交渉を切り上げてしまいたくなるが、後々バングラデシュに来る旅行者が適正料金で利用できるためにもがんばって値切りたい。

(鉄道)
空港からの足でも紹介した通り、道路事情が悪いので鉄道は便利、なはずだが、市内観光ではそれほど使う機会がない。また、チケット購入から乗車まで混雑はすさまじく、駅の案内もベンガル語で、係員も英語が話せないというなかなかの冒険を強いられる…。
なお、バングラデシュは東西で線路の軌道幅が異なり、東西直通の列車はない。

(バス)
チケットを乗車した後に買うタイプはオンボロで大混雑、運転も総じて荒い。バス停近くの小さな机でチケットを先に買ってから乗車するタイプは比較的車体もきれい。旅行者にはダンゼン後者がおすすめ。
料金は15~40タカ程度。乗り方を覚えたら安くて交渉もないので大変便利。

この他に国内全土やコルカタまでを結ぶ長距離バスがあり、エアコン付きの豪華バスは快適。


ホテルとシーズン

上は外資系の高級ブランドから安宿まで選択肢は多い。
高級ホテルは供給不足のためそれほど安くない。外国人向けの5つ星高級ホテルなら200ドル以上。中級ホテルで50ドル~100ドル。
もう少し安めな、清潔でエアコン付きの個室で1000~2500タカ。このクラスならネットで予約したり口コミを参照したりすることもできる。
安宿のドミトリーなら数百円レベルから。
中級以上のホテルはグルシャン、ボナニ、モティジールのあたりに多い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
大手の携帯会社はGrameenphone、Banglalink、マレーシア系のRobi、インド系のAirtelなど。
現地でもプリペイドSIMが主流であり、外国人でも容易に購入できる。SIMの購入は隣国インドと比べると100倍くらいラク。

エリアカバー率が高く空港にもSIMカウンターがあるGrameenphoneの場合、下り1Mbps・28日有効・容量3Gの「Standard Pack」が700タカ、同容量無制限なら1250タカ。

濃いオレンジがコーポレートカラーのBanglalinkもメジャーで、空港にカウンターがある。30日有効・容量1Gの「1GB smart pack」(速度不明)が189タカ、同容量2Gの「smart surfer」(速度不明)が350タカ、容量3Gで750タカ。

Robiの場合、30日有効・容量1G・下り最大1Mbpsのパッケージが275タカ、同容量2Gで347タカ。

Airtelは料金のバリエーションが豊富。30日有効・容量1G(速度不明)のパッケージが199タカ、同容量2Gで350タカ。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は1日あたり1500円と高め。SIMを入手するしかない。

(WiFi)
WiFi事情はあまり良くなかったが、ダッカではかなりWiFiマークのカフェが増えている。
外国人が利用するようなホテル、カフェ、レストランなどでは使えることが多い。空港内のカフェもOK。しかしWiFi施設の絶対数はタイやベトナムなどに比べてまだまだ少なく、速度も遅い。
ダッカ以外の都市ではWiFiマーク自体をあまり見かけることがない。

4. 世界あの街この街: ムンバイ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第40回 ムンバイ

ムンバイの旅行ガイド
ムンバイ (トリップアドバイザー提供)

インド共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

人でむせかえるような通りや雑踏、バザール、スラム、イギリス様式の洋館、最先端のレストランや高層ビル等が混在する人口2,000万人のメトロポリス。インド門や世界遺産のCTS駅舎、アラビア海の海岸線、エレファンタ島の洞窟寺院など街歩きから遺跡まで見所は盛りだくさん。西インド旅行の拠点としても重要。

Gateway Of India Mumbai Google マップ
(A:インド門、B:チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(CST駅)、C:クロフォードマーケット、D:ジャイナ寺院、E:チョール・バザール、F:ドービーガート、G:スィッディヴィナーヤク、H:マウントメリー教会、I:バンドラ・ウォーリ海上ブリッジ、J:ISKCON寺)


空港からタクシーに乗り湾岸沿いを走る。
天気がよい夜なら、バンドラ・ウォーリ海上ブリッジからムンバイ中心部の夜景を眺めることができる。
ムンバイの旅行ガイド
Bandra-Worli Sea Link (トリップアドバイザー提供)

ムンバイ市街には史跡や博物館もあるものの、一番の見どころは街そのもの。
まずは名所旧跡をあくせく巡るよりも、だらだらと街をぶらつきたい。
街歩きの起点にはムンバイの南端、インド門がわかりやすい。
タージマハル・ホテルのタワーの瀟洒な本館と天をつくタワーも至近。疲れたらここに逃げ込めば大丈夫。
ムンバイの旅行ガイド
Gateway of India (トリップアドバイザー提供)
ムンバイの旅行ガイド
The Taj Mahal Palace (トリップアドバイザー提供)

北に歩いて行くと、すぐにムンバイの誇る世界遺産チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(CST駅)にたどりつく。豪華で壮麗な駅舎はどこかムンバイの開放的なイメージづくりに一役買っている。
ヴィクトリア女王にちなんでヴィクトリア駅(Victoria Terminus)として開業したが、後にヒンドゥー王朝マラーター王国の開祖シヴァージーにちなんで改称された。夜は美しくライトアップされる。
ムンバイの旅行ガイド
Chhatrapati Shivaji Terminus (トリップアドバイザー提供)

CST駅からしばらく歩くとムンバイの台所、クロフォードマーケットがある。
建物は瀟洒な感じだが中は人、人、人の群れ。スパイスやフルーツ、ぶった切られた鶏肉など生鮮品の強烈な匂いと売り手買い手の声がひびきわたるディープな雰囲気は市場好きにはたまらない。
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(画像:tabinote)

チョール・バザール、別名「どろぼうマーケット」はムンバイのイスラム居住区にあるマーケット。
別に盗品が売られているわけではなく、ムンバイを訪問したヴィクトリア女王の船荷の中から消えたバイオリンがこのマーケットで見つかったというのが由来。ここは女性の1人歩きは勧められないのでガイド帯同を推奨、とされている。
ムンバイの旅行ガイド
Chor Bazaar (トリップアドバイザー提供)


街歩きに飽きたら、今度は名所旧跡を巡ってみてもいい。
ムンバイは人種のるつぼで、世界の宗教施設が集まっている。

市街南部に近い有名施設はジャイナ寺院。
アヒンサー(不殺生)の教えで知られるジャイナ教の中心寺院で、大理石や美しい彫刻が人気。
ムンバイの旅行ガイド
Jain Temple – Mumbai (トリップアドバイザー提供)

ムンバイといえばなんと言ってもガネーシャ。
9月のガネーシャ祭りはムンバイ最大規模のイベントで、ガネーシャ像を海に流す行列で賑わう。
そのガネーシャを祀っているのがスィッディヴィナーヤク寺院(Shree Siddhivinayak)。夜遅くまで大勢の参拝者や観光客でにぎわう。撮影禁止でカメラ預かりがないので、1人で行く場合には要注意。
ムンバイの旅行ガイド
Shree Siddhivinayak (トリップアドバイザー提供)

ムンバイはキリスト教の伝統も古い。
マウントメリー教会は1570年創設と伝えられるムンバイ最古のカトリック教会で(現在の教会は100年前に再建)、まったくインドらしくない壮麗で厳かな建物。周辺はキリスト教地区でミッションスクールなども多く、クリスマスには多くの人が訪れる。
ムンバイの旅行ガイド
Mount Mary Church (トリップアドバイザー提供)

海上に浮かぶのはイスラム寺院のハッジ・アリー。
海に沈む夕日を背景に白いモスクが染まっていく姿はムンバイのベスト・フォトジェニックスポットとも言われる。夜はライトアップされ、高層ビルとの対比も美しい。
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(画像:Wikipedia)

ヒンドゥー寺院で最大規模のものはイクスコン寺院(ISKCON)。
イクスコンはヒンドゥーをもとにした新興派閥で、1978年に建立された白大理石の寺院は清潔感にあふれている。礼拝だけではなくベジタリアン料理のレストランや巡礼宿などが併設されており、旅行者ものんびりくつろげる。
ムンバイの旅行ガイド
ISKCON Temple- Mumbai (トリップアドバイザー提供)

なお、ムンバイは仏教徒の一大居住地でもある。
カースト差別にめげず不可触民改革をすすめインド憲法を起草したアンベードカル博士の廟(Chaitya Bhoomi)はマヒム湾を臨む海沿い、スィッディヴィナーヤク寺院の北辺りにある。


ドービーガートはエレファンタ石窟と並ぶムンバイの最大の見どころの1つ。
ここは洗濯人カーストの集まる一大ランドリー地区で、ホテルで出した洗濯物もすべてこのガートで手洗いされている。景色は壮観だが今やすっかり観光地化しており、チップをねだる無関係なガイドや物売りが続出するウザいエリアでもある。中に入らずマハラークシュミー駅などの陸橋から眺めるのがいい。
ムンバイの旅行ガイド
Dhobi Ghat (トリップアドバイザー提供)


ホテルや市街の旅行会社では様々なオプショナルツアーを用意している。
郊外で比較的行きやすいのは市街から北に45km程度のカンヘーリー石窟。
広大な国立公園の内部にあり、お世辞にも空気がいいとは言えないムンバイ市街では味わえない新鮮な空気と自然、古代遺跡を満喫できる。後述するエレファンタ島よりも保存状態が良くゆっくり見学できるという評判。
ムンバイの旅行ガイド
Kanheri Caves (トリップアドバイザー提供)

史跡や「いかにもインド」な喧噪に慣れたら、ボリウッドツアーやアミューズメントパークもおすすめ。
ボリウッドツアーはインド映画と同様に来場者へのサービス精神にあふれており、広大なセットやステージ・パフォーマンスなどかなりエンタメ方面で盛り上げてくれると評判。テーマパークもアドラブズ・イマジカ、エッセルワールドといった巨大パークがある。
ムンバイの旅行ガイド
Bollywood Tours (トリップアドバイザー提供)
ムンバイの旅行ガイド
Adlabs Imagica (トリップアドバイザー提供)

エレファンタ石窟はムンバイ観光のハイライト。
インド門からフェリーで1時間、長い階段を登って石窟へ。6世紀に遡るヒンドゥー遺跡で、長年の風雨やポルトガル人の射撃ゲームなど数々の試練に耐えて今なお残る巨大な石窟や巨大な神像群は圧巻。
ムンバイの旅行ガイド
Elephanta Caves (トリップアドバイザー提供)

ムンバイから北東に350km、国内線でアウランガバードまで国内線で1時間。そこからバスに1時間も乗ればインド最大級の石窟、エローラ窟へ。石窟は数世紀にわたって造られたと推定されており、仏教・ヒンドゥー・ジャイナ寺院が共存する世界に類を見ないスケールの石窟。サイズも幅数キロ、塔の最高部が数十メートルにもおよぶ。

信じられないのはその工法で、伽藍も柱もカベの精密な彫刻も、その全てが巨大な一つの岩山を上から下へとノミで掘り抜くという丸彫り彫刻のような手法で建造されたとされている。インドはおろか世界でも類を見ない壮大な建築で、もう史跡や世界遺産はおなかいっぱい、というスレた旅行者でも度肝を抜かれるレベル。ムンバイまで立ち寄る機会があればぜひ訪れたい。
ムンバイの旅行ガイド
Ellora Caves (トリップアドバイザー提供)

【インド】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Soma (Indian Cuisine) at Grand Hyatt Mumbai (トリップアドバイザー提供)

インド全土の食も世界の食もなんでもそろう(寿司もある)ムンバイ。
北インドの濃厚なカレーやドーサをはじめとする南インド料理、菜食の伝統が長いお隣グジャラート料理も豊富。
ムンバイ名物といえばなんと行ってもシーフード。大きなエビのカレーやビリヤニ、魚を揚げたボンベイ・ダックなどは本場ならではの味。
海岸沿いのジュフビーチやマリーンドライブ沿いのホテルなどで、夕日を見ながら食べるシーフードは最高の気分。

また、パールシー(在インドの拝火教徒;フレディ・マーキュリーもパールシー)のレストランはムンバイ以外ではなかなか見かけない。羊の煮込みや中東のドライフルーツのピラフなど中東系の味覚は辛い物が苦手な人にもおすすめ。

ストリートフードも豊富で、チャパティやチャイなどの定番から、スパイシーな具とチーズのクリーミーさがたまらないサンドイッチ、卵のカレー炒めなどが人気。


Taj Exotica Goa (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からインドへの空路は、主に直行便とアジア各都市を乗り継いでいくルートがある。

デリーまでの直行便はJAL、エアインディア、ANAがあり、JALとANAは毎日就航している。エアインディアは成田発水土日の週3便。
ムンバイまでの直行便はANAのみ。こちらも毎日就航。直行の場合は往路11時間程度。

乗り継ぎの場合は無数に選択肢があり、やはり中華系が安い。エアインディアもなかなか安めで、関西空港からのエアインディアムンバイ便は所要時間・費用共にお得なことが多い。
アジアの適当な都市(バンコクなど)で降りてチケットを買ってもいい。ムンバイは大都市なので、マレーシア航空やタイ国際など豊富に選択肢がある。香港からはジェットエアウェイズが就航している。
いったんデリーまで付いてしまえばLCC大国なので国内線は豊富。1.5万円程度でムンバイまで飛べる。

LCCを使う場合はエアアジアでクアラルンプールを経由しハイデラバードなどへ。その後国内線でムンバイに移動というルートが効率的だが、所要時間・費用共にそれほどお得ではない。

(陸路)
デリーから鉄道で向かう場合、特急電車で17~30時間程度。
1等エアコン付ファーストクラスが片道7,000円程度、エアコンなしスリーパーなら1200円程度。

(パッケージツアー)
所要4~5日間のツアーなら安く、特にジェットエアウェイズを使ったツアーなら激安。
だが、現地に丸々滞在できるのは実質1~2日。やはり9日程度はほしい。9日程度となるとエローラやデリーなどの周遊が含まれる豪華パックが多く20万程度になる。

(空港)
チャットラパティー・シヴァージー国際空港はムンバイ市街から北に34kmに位置する。
かつては古く野暮ったい空港だったが、大改装によりモダンで近代的なターミナルに生まれ変わった。
ANA、エアインディア、タイ国際などほとんどの国際線はターミナル2に到着。

空港からの移動はタクシーが一般的。プリペイドで600~700ルピー。
所要は60~120分。朝夕は渋滞で激しく混み合う。

インドが初めての場合や夜の到着ならホテルに送迎を頼むのがおすすめ。




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地理と気候

ムンバイはインド亜大陸の西部、マハーラーシュトラ州の州都。
アラビア海に面しており、ボンベイ島、およびその北に位置するサーシュティー島から成る。
日本との時差はマイナス3.5時間。
季節は乾期と雨期で明確に分かれ、雨期は6月から10月頃、乾季は11月~5月頃。
雨季は一日中湿った空気が重くまとわりつき、時には大雨で川が氾濫したり街の一部が水没したりするなど旅行には不向き。できるだけ乾季に旅行したい。


(画像:Google提供)


言語と通貨

インドの公用語はヒンディー語、および各地方の21にもおよぶ言語(ムンバイの属するマハーラーシュートラ州ではマラーティー語)。
英語は準公用語となっており、旅行者が訪れるようなところでは概ね通じる。
ただし、インド英語は発音や単語に特徴があり、早口な人が多いこともあって通じにくいとされている。

通貨はインディア・ルピー(INR)。1ルピー=1.9円(15年2時点)。
物価は、現地の人が利用するような交通機関、食は安い。
外国人向けのレストランやホテル、特にお酒が出るようなところはかなり高めで、日本と変わらないかより高いことも。特にホテルはインド全土でも最も高いレート。
タクシーは初乗り20~30ルピー。ドーサやカレーが一食30~100ルピー。外国人向けのバーやシーフードが出るようなところでは一品が数百ルピーということも。

両替はATMによる国際キャッシングが有利。
インドルピーは日本で両替できない。現金の場合は日本円もしくはドルを現地で両替することになるが、空港のレートは悪い。空港で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。両替時のレシートは出国時再両替に必要なので取っておくこと。
また、アジア共通であるがインドは他の国にも増して汚れた札・汚損した紙幣が多く、受け取ってもらえないこともある。きれいな札かどうか、両替や支払い、おつりをもらう際に金額と共に常にチェックすること。
外国人が行くようなカフェやホテルならクレジットカードも通じる。こちらも伝票を良く確認する。
チップの慣習は根強い。ホテルのポーターに50ルピー程度、英語のガイドに300ルピー程度。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

ムンバイの治安はインドの中では比較的マシな方とされる。
夜でも人通りが多く、街頭や商店の明かりで賑やかさがある。
また、観光スポットや市街ではテロ対策としてか警官や警備員もやたらに多く、見た目にはだいぶ安心感がある。
しかしながら、もちろん人通りの少ない地域やスラムへの立ち入り、夜中の一人歩きなどは厳禁。特に、マフィアの本拠地とされているムンバイセントラル駅周辺のNagpada~Byculla近辺、マヒム湾近くのMatungaやスラムの拡がるDharaviあたりは観光地からも近い。
インドで全般的にいえるのは、ぼったくりタクシーやツアー。無料で道案内やガイドをすると称して最後に寄付を要求する(病気の妹、兄が交通事故など言い訳はいろいろ)など。ひったくりや窃盗にも注意が必要。街中やたらと多い犬にも気をつけたい。一日に数百人が噛まれるという。

観光客が気をつけようがないところもあるが、ムンバイは人種のるつぼであり宗教対立が起きやすいことからテロや暴動が度々発生している。
1992年~93年にかけヒンドゥーとイスラムの対立に端を発した暴動が発生し805名が死亡。それを受けて93年には連続爆破テロ(死者257名)。2002年から翌年にかけては爆破テロ。2006年には列車爆破(死者209名)。2008年にはタージホテルなど観光客の集まる地域を狙った同時多発テロ(死者172名で、うち1名は日本人)。2011年にも連続爆弾テロが発生した。


トランジットも含め全てのインド入国者はビザが必要。
ビザはオンライン申請(Online Visa Application)とETA(Electronic Travel Authorization)がある。
オンライン申請は単に申請書をWEBで作成できるというだけで、pdf化された申請書をンドビザ申請センターに持ち込むか郵送することになる。センターに申請・受取に行くとかなり時間をロスするので郵送サービスの利用が便利。
観光の場合は6ヶ月間有効・複数入国可能なマルチビザとなる。料金は2,156円。
センター直接受取でも郵送でも、ビザが降りるまでは意外に時間がかかる。日程に余裕を持って申請したい。

ETA(Electronic Travel Authorization)の場合はオンライン申請と異なりWEBでビザ発行までが完結する。申請フォームを埋めてクレカで支払うと72時間以内にビザが添付されたメールが来るので、それを印刷すればOKというお手軽さ。
ただし、ETAは従来のアライバルビザ制度に替わるものという位置づけで、有効期間は30日と短く料金も60ドルと高め。印度出国のエアチケットが必要。
なお、従来のアライバルビザ制度は2014年12月26日で停止となっており、ETAでの手続きが必要。

いずれにせよインドのビザ事情や条件は頻繁に変わるので、直近の情報をビザセンターや大使館サイト、インドに強い旅行代理店のサイトなどで確認しておきたい。


市内交通

交通状態はカオス。慢性的に渋滞が激しく、特に郊外に行く際には時間を多めに見ておく必要がある。

(タクシー・リキシャー)
流しのタクシーは少なく、各所にあるタクシー乗り場や観光地などの前でつかまえる。
かつてはぼったくりが横行していたが、大手のメータータクシーMeruCabの登場やスマートフォンによる配車システムの登場でだいぶラクになった。

タクシーはやはりMeruCabが安心。
MeruCabのサイトで配車予約も可能だが、現地の携帯番号が必要。
スマートフォンによる配車アプリはUberやTaxiForSureなど。現地でスマホが使えればだいぶ快適。

一般的なタクシーは黄一色または黄と黒のツートンに塗られたインドが誇る国産車のアンバサダー。エアコン無しでメーターも旧式。

メーターがあっても使わない、またはメーター通りではない場合も未だ多い(インフレでメーターの料金に実際の料金が追いつかないという事情もある)。その場合でもFare Chartという料金表を持っている筈なので、必ずその表と対照して料金を確認する。アンバサダーのメーターは旧式なので、やはりFare Chartで請求される。リキシャーも同様。

初乗り料金は最初の1kmが20ルピー、以後1km毎に13ルピー。深夜・早朝の割増料金あり(23時~5時;25%)。1割程度のチップが必要。Merucab、Uberなどではもう少し高く、初乗り25~27ルピー、以降20ルピー/km程度。

(地下鉄/鉄道)
ムンバイ・メトロはデリー、バンガロールに次いで2014年に開通した。
9号線まで計画されており、現在利用できるのは高架の1号線。郊外海沿い北西のVersovaと南東のGhatkoparを結んでいる。2号線以降が地下鉄となる予定。
現状では観光客にとってそれほど利用機会がないかもしれない。ボンベイ島南端のColaba駅に乗り入れる3号線の開通は15年以降の予定。
車内も駅も清潔で快適、時間も正確といいことずくめだが、チケット購入の長蛇の列やラッシュ時の混雑は恐ろしいものがあるという。改札前には空港並みのセキュリティーチェックがある。

料金は10ルピーからで、トークンを購入して利用する。
他にもプリペイド式のスマートカードがあり、チケット購入の列に並ばず自動改札を通れるというメリットもある。

(路線図)


ムンバイ近郊鉄道は鉄道大国インドの中でも最も由緒ある歴史を誇り、開通は1853年(ペリーが浦賀に来航した年)。
現在ではムンバイ近郊鉄道の乗客は1日平均650万人にもおよぶが、輸送力の増強が街の発展においついていないためいつも混み合っており、一説には世界一混雑する鉄道とも呼ばれる。
ラッシュ時の乗車率は250%(定員の2.5倍)、年間死者数が4000人というすさまじさ。
旅行者が利用する機会はあまりないかもしれないが、CSTからマスジットまでの1区間だけでも体験してみると面白い。

プネ-やデリーなど遠方に向かう場合はネットで指定席も購入できる。
無事予約が入手できた場合、当日駅に行くと座席チャートが壁に張り出されているので、それを見ながら自分の号車・席を確認する。わからなければ係員に聞く。

(バス)
市内を走るのは赤いBESTバス。
旅行者にとってはややハードルが高い。料金は安く、エアコン無しが7ルピー~、エアコン付きで25ルピー~。

長距離バスはエアコン付きで清潔、オンラインで予約も可能。
ムンバイ・プネ-間なら3~4時間、300ルピー程度。


ホテルとシーズン

常に供給不足で、ホテル代は高止まりしている。
いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルかそれ以上と考えて良い。
タージ、オベロイといった超高級ホテルは最低200ドル、4つ星程度で100~150ドル。
ボンベイ島南が便利だが、割と安めなリゾートホテルはジュフビーチ近辺にも多い。
ムンバイの旅行ガイド
Juhu Beach (トリップアドバイザー提供)

ルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。
インドの場合はどうしても疲れることもあり、到着日と最終日くらいはいいホテルを取った方がいいかもしれない。

ハイアットをはじめとした新しい外資系ホテルも増えているが、まだまだ古いホテルが多い。
以前はインドの高級ホテルと言えば、大理石をふんだんに使った重厚・豪華な建物がすばらしい一方で、建物が老朽化し、設備や清掃、従業員のサービスなどはまだまだという例が多かった模様だが、最近はだいぶ改善されているらしい。

ゲストハウスやホステルならエアコン付の個室が2千円程度。ドミトリーならさらに安い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
Vodafone、Airtel、Reliance、TATA DOCOMOなどの業者がある。
(TATA DOCOMOについてはNTTドコモのインド撤退によりブランドが変わる可能性があるが、現時点ではそのまま営業中)

2012年に法改正があり、外国人がアクティベート済みのSIMを即時入手して使うことはできなくなった。
厳密には、カウンターでSIMフリーの携帯、パスポートのコピー、顔写真、証明書(Certification Form)を提出し申請する。証明書はインドの滞在先を証明するもので、予約証明でOK。もうチェックイン後ならホテルやゲストハウスで発行してもらえる。
SIMを購入後指定の時間(24時間後)、もしくはショートメッセージを受信後に指定の番号( Vodafoneなら117など)に電話をかけるとアクティベートされる。

申請書に一箇所でも誤りがあると容赦なく申請は拒絶され、アクティベート時の電話では超高速インド英語の係員に申請書に記入した内容を質問されるので、間違えなく答えなければならない。
宿の近くの携帯ショップで買い翌日再訪して手続きしてもらうのがラクかもしれない・・・。

いったん入手してしまえば便利この上なく、通話もデータも世界屈指の安さ。
Vodafoneの場合は28日間有効の1Gパックが251ルピー、1.5Gで348ルピー、3Gパックが654ルピーなど。
Airtelの場合は30日有効の1Gパックが249ルピー、2.5Gで449ルピー、4Gで749ルピーなど。Relianceは30日有効の1Gパックが177ルピーと安め。他には15日有効の1Gプランが92ルピー、10日間で73ルピーなど短期滞在に手軽なプランが多い。
TATA DOCOMOも安い。7日間有効の300Mパックが39ルピー、14日間有効の600Mパックが95ルピー、28日有効の1Gパックが149ルピー、同2Gで174ルピーなど。

なお、インドは州を超えるとローミング扱いになる。長旅の場合は滞在先でその都度SIMを買った方が安い場合がある。

以上のようにインドでのSIM入手はとても面倒なので、日本からWiFiルーターを借りていくのも手。1日あたり600円と比較的安く利用できる。
インド到着後すぐに利用したい場合には、現地の人間(タクシーや露店など)に聞いてみると開通済みのSIMを購入できることがある模様だが、かなりインド上級者向けの方法といえる。

(Wifi)
ホテル、カフェ、レストランなどでWifiを提供しているが、東南アジア(例えばタイやベトナム)に比べてそれほど数は多くない。街中でよく見るBarista CoffeeやCoffee Dayなどのチェーンなら確実につながる。
空港でもWiFiを提供しているが、インドの携帯電話番号を求められる。有料ラウンジなら快適。
未確認だがムンバイメトロでもWiFiを提供している模様。また。MTNL(Mahanagar Telephone Nigam Limited)が公衆無線LANの提供を発表している。