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4. 世界あの街この街: 高雄


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第58回 高雄


高雄(トリップアドバイザー提供)

中華民国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

台湾第二の大都市。龍虎塔は高雄のみならず台湾全体のシンボルともなっている。台北からも日帰り観光できる他、直行便も充実。台北よりものどかで、港町の開放的な雰囲気や自然の近さも人気の秘密。物価の安さもありリピーターが多い。
台灣美麗島 高客  から 台灣壽山國家自然公園   Google マップ
(地図:Google)

高雄駅から南、美麗島駅~新堀江のあたりが高雄最大の繁華街。
美麗島駅はメトロの2線、南北に延びる紅線と東西に延びる橘線が交差するまさに高雄の中心。空港からメトロに乗り美麗島駅で降りると、壮麗なステンドグラスに目を奪われる。この芸術的な意匠はかつてここで起きた民主化デモとその弾圧事件「美麗島事件」を記念したものだが、今では高雄有数の観光スポットとなっている。

美麗島駅(トリップアドバイザー提供)

美麗島駅のほど近くに高雄最大のナイトマーケット、六合二路夜市がある。
夕方から屋台が出はじめ、深夜にかけて多くの人でにぎわう。港町ならではの海鮮屋台を見て歩こう。観光夜市というだけあり(比較的)親切で清潔。歩行者天国なので歩きやすい。値段は少し高めだが安心して散策できる。



六合觀光夜市(トリップアドバイザー提供)

高雄で最も高いビルが高雄85ビル(東帝士85國際廣場)。高さ378mと日本で最も高いあべのハルカスを上回る超高層ビルで、2004年に台北101ビル(509m)ができてからは台湾で2位の高さとなってしまったものの、その独特な存在感は変わらない。
74階が展望台になっており、特に夕暮れや夜の時間帯は港に夜景が映える絶景を楽しめる。37階~85階には5つ星ホテル(高雄金典酒店)が入っている。台北のホテルに比べれば値段も意外に手ごろなので余裕があれば一泊して下界を見下ろしてみたい。



85 Sky Tower Hotel(トリップアドバイザー提供)

85ビルの前に建つ市立図書館も人気スポット。なぜ図書館が観光地になっているのか、行ってみれば一目瞭然。
光をぞんぶんに生かした建物は美しく、博物館やカフェのよう。人々は静かな館内でくつろいだり、屋上から夜景を眺めたりするなど思い思いに過ごしている。


高雄市立圖書館總館(トリップアドバイザー提供)

六合二路夜市や龍虎塔と並ぶ高雄名物が佛光山。
日本の渋い寺院を見慣れた目には想像もつかないような超巨大スケールと極彩色で展開される仏教世界には圧倒させられる。
境内も遠近感が狂うほど広く、歩いても歩いても終わらない!
敷地内には菜食レストランがあり、本物の肉や魚介に似せた完成度の高い料理も楽しめる。



仏光山仏陀紀念館(トリップアドバイザー提供)

旗津島は市街の西部に細長く伸びる砂州。もともとは陸続きだったが今ではフェリーで渡る必要がある(乗船時間は5分ほど)。島は意外に賑やかで、シーフードの屋台やお土産屋が並ぶ。
一方海岸に向かうと広い空と砂浜が広がり、風情にあふれる。
ここではレンタサイクルが名物で、専用の周回コースが5つもある。ぜひ自転車を借りて海風を感じてみよう。



旗津島(トリップアドバイザー提供)

観光客がメインの六合二路夜市に対し、よりローカル色が強いのが瑞豊夜市。混雑ぐあいもディープさも六合二路夜市をしのぎ、屋台もワイルドで手ごろなものが多い。圧巻の陳列を誇る輪投げコーナーや占い、マッサージ屋台などユニークな出し物もある。



瑞豐夜市(トリップアドバイザー提供)

アジアの市場が好きな向きは自由黄昏市場へ。地元民も御用達の夕市で、珍しい海鮮類や南国フルーツなどが山積みとなっている。海鮮や臭豆腐、果物の甘い香りが入りまじってライブ感もたっぷり。食品だけでなく屋台や雑貨、マッサージコーナーまである。


自由黄昏市場(トリップアドバイザー提供)

さて、蓮池潭は高雄観光のハイライト。市街地から北10kmほどに位置する人造湖と一帯の寺院群。台北から鉄道で来たなら、左営駅から直接向かっても近い。
湖畔に建つ龍虎塔はあまりにも有名で、派手な色彩とザ・台湾とでもいうべき意匠にテンションが上がる。建造は1976年とそれほど古くないのでパワースポットとしての効果は未知数だが、やはり高雄に来たなら眺めておきたいところ。



蓮池潭(トリップアドバイザー提供)

寿山国家自然公園は市街の西にそびえる標高356メートルの山で、気軽なハイキングに最適。台湾ザルをはじめ、鳥やカタツムリなど珍しい南国の自然が味わえる。
かつて金比羅神社であった忠烈祠や動物園などの見どころがあり、のどかで落ち着いた雰囲気。展望台からは台湾海峡や市街を一望できる。


壽山國家自然公園(トリップアドバイザー提供)

一日の街歩きが終わったら愛河沿いに夜景を見に行こう。河畔は公園となっておりまったりできる。
フェリーに乗って水上から市街のネオンを眺めてもいい。


愛河(トリップアドバイザー提供)


高雄から南に120km、バスに乗って2時間あまりで台湾島の最南端である墾丁国家公園へたどりつく。緯度はハワイやニューカレドニアとほぼ同じで、青い珊瑚礁の海や熱帯の植生などまさに南国の趣。一帯は国立公園として希少な生態系や石灰岩の浸食された奇岩など豊かな自然がそのまま保たれている。
博物館や新鮮なシーフード、夜市などリゾート地としての人気も高い。


墾丁国家公園(トリップアドバイザー提供)

高雄から台南まではわずか50km程度、鉄道で30分。
紅毛城に代表される史跡や寺院、レトロな街並みが人気。台南を代表するグルメ・担仔麵や泥湯で有名な關子嶺温泉などこちらもゆっくり滞在したくなる魅力にあふれている。


台南・神農街(トリップアドバイザー提供)

田寮月世界は泥炭が侵食されて形成された悪地地形。高雄から北に40km、台南からは南に30km程度。
急峻な山肌がつづく荒涼とした光景はまさにSFの世界のよう。


田寮月世界(トリップアドバイザー提供)





旗津島(トリップアドバイザー提供)

台湾旅行の楽しみといえば食事。海の幸・山の幸に恵まれ、中国各地や日本と相互に影響しあって発達してきた台湾料理は我々にも親しみやすい。レストランでも屋台でも様々な味覚を楽しむことができる。
代表的なものは甘辛いそぼろや角煮をのせたルーロー飯、濃く煮込んだ牛肉やホルモンをのせた麺、小籠包やちまき、カキのオムレツ、羊や鶏の串焼きなど。せっかくなので日本では珍しい薬膳やベジタリアン食の菜食料理(素食と表記)、鴨や臭豆腐などのめずらしい味覚にもチャレンジしたい。

高雄は港町であり、海鮮が名物。また、台湾南部は屋台メシ(小吃)が発達しており、担仔麺(ターアーミー)やエビの春巻き、魚介の麺など多様な食をリーズナブルに楽しめる。

度小月担仔麺(トリップアドバイザー提供)

南国だけあってアイスや豆花といった冷たいデザートも豊富。東南アジアでは心配な衛生面も台湾なら安心なので、いろいろ試してみよう。特にかき氷はお茶やコーヒーなどのフレーバーをふくんだ氷で仕上げたものや南国のフルーツをど迫力でトッピングしたものなど独自の進化をとげている。タピオカティーやパパイアと牛乳を混ぜた高雄発祥の木瓜牛奶などドリンク類も豊富。

高雄婆婆冰(トリップアドバイザー提供)

注意したいのがお酒。意外に台湾は酒が飲みにくい国で、食事をする場所にもおいてないことがある。コンビニでは酒を購入できる時間が決まっている。ビールが手放せない方は忘れずに買いだめして宿の冷蔵庫に入れておこう。


日本からの行き方

(空路)
現在、高雄までの直行便は成田を発つJAL、チャイナエアライン、エバーに加えてLCCのバニラエア、タイガーエアがある。いずれも成田を昼か夕方に出て現地に夕方か夜着く便で、LCCでも比較的無理のないスケジュール。
復路は現地を午前に出るのがエバー、バニラ、JAL、チャイナエアライン。午後に出るのがJALかタイガーエア。
週末海外なら往路はバニラの金曜夜便、復路は日曜午後のタイガーか日曜夜のバニラが魅力的だ。タイガーは現地15時発成田20時着、バニラは17時発21時半着となっている。

料金は台北便と同じかやや高く、LCCで2万円~といったところ。それでも台北から陸路移動するよりは直行便の方が安く済む。

関空の場合はチャイナエアライン、エバーに加えてピーチ、タイガー、スクートという3つのLCCが選べる。17時発のスクートは週末海外向きだが火木土運航で金曜便がない。往路、復路ともに現地滞在が長いスケジュールを組めそうなのはピーチかチャイナエアライン。

他にも福岡便や関空からの台南空港便がある。
もちろん無数に選択肢のある台北便で飛び、陸路で南部に向かってもかまわない。

(パッケージツアー)
タイガーエアを使う成田発のパッケージツアーが3日間で2万円、チャイナエアラインのツアーでも3万円程度とかなりリーズナブルで、ホテル代を考えると検討価値は高い。

(陸路)
台北から鉄道、バスで高雄もしくは台南に行くことができる。
なんといっても早いのは台湾新幹線。台北から高雄の新左営駅まで2時間かからない。台北から高雄まで載った場合1490台湾ドル(16年1月レートで約5300円)。台北に戻るなら3日間パスがお得だ。
在来線の特急(自強号・莒光)の場合、所要5~7時間。費用は650台湾ドル(同約2300円)。こちらも乗り放題パスなど様々なチケットがある。

長距離バスも評判がいい。「国光客運」「統聯客運」「和欣客運」「阿羅哈客運」の4社が価格とサービス競争でしのぎをけずっており、シートは巨大で乗り心地は快適。鉄道と所要時間もさほど変わらず、安いものでは1000円を切るなどコスパは非常に高い。

(空港)
高雄の空港は高雄国際空港(KHH)。市街から約10kmと近い。
免税店や両替、コンビニ、カフェ、携帯ショップのカウンターなどがある。変わったところでは国立歴史博物館のミュージアムショップがあり、ここでお土産さがしもできる。More Premium Loungeではプライオリティ・パスが使用可能。
日本発着便以外の国際線としては、中国各地の他、マカオ、香港、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシアなどへの便がある。

市街までは地下鉄が乗り入れており、高雄国際機場駅(ターミナルをいったん出て駅へ)から市街の美麗島駅まで約10~15分、30台湾ドル。
バスの場合高雄駅まで約30分、12台湾ドル~。
タクシーの場合市街まで約20分、メーター制。国際線到着口の客待ちタクシーには待機料が50台湾ドル、トランクサービスには10台湾ドルが加算され、市街までは300台湾ドル程度になる。




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地理と気候

高雄は全島が熱帯・亜熱帯に属する台湾のさらに南部。
年間を通じて暖かく、冬でも20度以上。夏は30度を大きく超え、日射しも強く雨も多い。おまけに台風シーズンとも重なるため万一の欠航や滞在延長のリスクも頭にいれておきたい。
台北よりも全般に暑いものの、湿気は少なくすごしやすいという声も多い。

やはり気温もおだやかで雨の少ない秋~春先がおすすめで、ベストシーズンは10月~1月。
台湾と日本の時差は1時間。


(画像:Google)


言語と通貨

公用語は中国語(普通話・北京語)。表記は中国で使われている簡体字ではなく繁体字が用いられている。
高雄は台北に比べると台湾語がとびかう頻度が高い。ホテル、レストランや観光地では日本語が通じることもある。

通貨は台湾ドル(台湾元)、単位は元(Yuan)だが口語では塊(Kuai)と呼ぶことも。1台湾ドル=3.5円(16年1月時点)。
物価は日本より安めで、食費や交通機関は日本の半分~1/3程度で済むことも。物価の高い台北に比べてもリーズナブルといえる。

両替は台湾銀行がベスト。ATMでのキャッシングも手軽だが、海外カードが使えない機械も多いので注意しよう。

クレジットカードの通用度合いも高い。
チップ文化は無い。




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ビザと治安

全般に治安は良好で、日本とほぼ同程度と考えてよいが、海外にいるという一定の配慮は必要。置き引き、盗難、詐欺などは日本の国内旅行と同様に注意が必要。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。90日を超えた滞在、外国籍もしくは就業などの場合はビザが必要となる。


市内交通

(地下鉄)
台湾の地下鉄はMRTもしくは捷運と表記する。
地下鉄は2線あり、南北に延びる紅線と東西に延びる橘線。さらに環状のライトレール(軽軌道)が建設中で、一部区間のみ開業している。

運賃は20~60台湾ドル。キップは台北や中国でもおなじみのトークン式。
台北の悠悠卡(Easy Card)同様の一通卡(iPass)というICカードがある。悠悠卡(Easy Card)は高雄のMRTでは使えないが、バス・フェリーで利用できる。

台湾の地下鉄で注意すべきは一切の飲食が禁止ということだろう。
なんとアメやガム、ペットボトルの水なども対象で、見つかれば罰金とされているので注意したい。

余談ではあるが、高雄高速交通では日本も顔負けの“萌えキャラ”をマスコットとして採用しており、ポスターやプリペイドカードなどに活用されている。そのクオリティは驚くほど高く二次創作も盛んだ。詳しくはFacebookページが用意されているのでチェックしてほしい。

(タクシー)
黄色い車体で「出租汽車」「計程車」などと表示がある。
街中を流しており、メーター制で安心。
初乗り1.5kmで85台湾ドル、250mごとに5台湾ドル追加と安い。
英語、日本語が苦手なドライバーも居るため、地図や行き先のメモがあると良い。

台北では普及しているUberも、高雄では現時点で登録がない。

レンタサイクル
台湾はアジアのほこる自転車大国。全土に専用道が整備されており自転車の存在感は強い。
海沿いの絶景ライドや街中の散策など自転車があれば機動力があがる。
高雄には公共のレンタル自転車システムがある他、ホテルやゲストハウスなどが貸しだしている場合もある。


ホテルとシーズン


Knock Knock Hostel (トリップアドバイザー提供)

中級ホテルが1000~1500台湾ドル、高級ホテルでも3000台湾ドルといったところで、台北よりもだいぶ泊まりやすい価格。
ゲストハウスも多く、古い建物をリノベーションしたデザインホテル顔負けのスタイリッシュなものも増えている。個室が500台湾ドル程度。

一般的にベストシーズンは秋~春先。オフシーズンの6月頃からホテルレートや航空運賃が安くなるが、雨や台風のリスクも。
2月の旧正月は大陸からの観光客や国内旅行者が多く、ホテルのレートも高騰、休業する施設もある。一方で各地でのランタン祭りや春節の賑わいなどが味わえる時期でもある。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
台湾の主な携帯事業者はTaiwan Mobile(台湾大哥大)、Chungha Telecom(中華電信;ブランド名emome)、FarEas Tone(遠傳電信)など。
プリペイドは「預付」と表記する。
空港のカウンターや空港内のコンビニでSIMを売っている他、市中の携帯会社カウンターやセブンイレブンでもSIMカードを買うことができる。空港なら日本人対応も手慣れたもの。

Taiwan Mobileの場合、1.2ギガ・60日有効なデータSIMプランが180台湾ドル。
emomeの場合、1.2ギガで300台湾ドル、FarEas Toneの場合1ギガで180台湾ドルなど。

日本からWiFiルーターを借りていくか、海外の数カ国で使えるSIMを買っておくという手もある。



(WiFi)
ホテル、ショッピングセンター、レストラン、カフェなど多くの場所でWiFiを提供している。台湾のセブンイレブンでは一回30分制限(一日3回まで)の無線LAN接続サービスを提供している。
また、台湾観光局が外国人旅行者向けにやはり公衆無線LAN(愛台湾:iTaiwan)を提供している。空港のカウンターでパスポートを提示すれば利用できる。
台南市では公衆無線LANを提供している。オンラインで申請でき、即座に利用可能。

4. 世界あの街この街: 釜山


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第58回 釜山


釜山 (画像:トリップアドバイザー)

大韓民国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

日本から最も近い外国の都市(の1つ)であり、時差もなく言葉の通じる度合いも高いことから日本と同じような感覚でくつろげる。
古くから栄えてきた港町であるが、近年では観光都市としての輝きを増している。
繁華街でのショッピングやホテルステイ、カジノや夜景といった都市の魅力に加え、史跡、ビーチなど自然と歴史を感じられる見どころも多い。中でも海産市場は旅行者の大きな楽しみとなっている。最近では日本のフェリークルーズの寄港地ともなっている。

釜山2
(画像:Google)


釜山の中心は釜山駅から南に向かった南浦洞(ナムポドン)一帯。
百貨店やショッピングモール、巨大な市場などが集まり、港町釜山のイメージを凝縮したようなエリア。
地下鉄一号線に沿った目抜き通り・光復路沿いに各種の見どころがならんでいる。

光復路通り(Gwangbokro Culture and Fashion street) (画像:トリップアドバイザー)

ロッテ百貨店を抜けて歩くと山側に釜山タワー、海側にチャガルチ市場が見える。

龍頭山公園 / 釜山タワー(Yongdusan Park) (画像:トリップアドバイザー)

チャガルチ市場は釜山の築地、2006年にビルが一新され観光客も一層入りやすくなった。港町ならではの新鮮な海産品と市場の喧噪にテンションがあがる。おいしそうな魚を見てもどうせ旅行者、鮮魚をホテルでさばくわけにもいかないし・・・、という心配はご無用。市場で買った魚はビル2階で調理してもらうことができる。また、お土産に適した各種乾物もそろっている。


チャガルチ市場(Jagalchi Market) (画像:トリップアドバイザー)

チャガルチ市場からすぐ北にはBIFF広場と国際市場。
BIFF広場は数々の映画館が集まるエリアで、有名スターのハンドプリントが埋め込まれた通りは雰囲気たっぷり。
この一帯は屋台街としても知られており、湯気や煙が若者や旅行者をさそう。

BIFF広場(BIFF Square) (画像:トリップアドバイザー)

国際市場は釜山のアメ横ともいうべき巨大総合市場。日本敗戦時のヤミ市や朝鮮戦争後の放出品市が起源とされ、今では釜山を代表する観光地となっている。細い路地にあふれかえらんばかりに商品がならび、衣類や雑貨、家電、さらに生鮮品や食堂までなんでもそろう。ビビンバ碗や柄の長い韓国スプーンなどアジアンチックなキッチン用品はお土産にもおすすめ。

国際市場(Gukje Market) (画像:トリップアドバイザー)

変わりダネは南浦洞からバスで20分程の甘川洞(カムチョンドン)文化村。もともとこの一帯は細い路地と小さな家屋がひしめきあう朝鮮戦争の難民村だった。後に住み着いた画家や写真家などによりギャラリーがつくられ家屋があざやかにペイントされた結果、今では「釜山のマチュピチュ」と異名をとるアートスポットとなった。今なお暮らしている住人もいるとか。

甘川文化村(Gamcheon Culture Village) (画像:トリップアドバイザー)

西面(ソミョン)は釜山の一大繁華街。ロッテ百貨店を中心とした一帯に外資系ショップやホテル、屋台や地下街、ネオン通りがひしめきあっている。銀座・上野的な南浦洞に比べるとこちらは新宿・渋谷といったところ。ショッピングは市場からブランドショップまでそろい、食べ物も屋台から高級レストランまで幅広い。特に夜の飲み歩きが好きな人なら離れられないエリア。

ソミョン 地下商街(Semyun Underground Shopping Center) (画像:トリップアドバイザー)


ソミョン モクジャゴルモク 食べ横丁(Semyun Meokjagolmok Food Alley) (画像:トリップアドバイザー)


海雲台(ヘウンデ)は韓国でも屈指のビーチリゾート。美しいビーチに高級ホテル、温泉に盛り場とリゾートの要素がてんこもり。

海雲台ビーチ(Haeundae Beach) (画像:トリップアドバイザー)

海雲台よりも市街に近い広安里ビーチは地元民に人気のビーチ。カフェや夜景、秋の花火大会など若者ウケする要素満載。刺身の店が集まっていることでも知られている。


広安里海水浴場(Gwangalli Beach) (画像:トリップアドバイザー)

新羅の時代から秀吉の朝鮮出兵、江戸の朝鮮通信使まで、日本人にもなじみ深い韓国史を紹介しているのは釜山博物館。朝鮮戦争関連のプロパガンダポスターなどその手の文化が好きな人にはたまらない展示もある。


釜山博物館(Busan Museum) (画像:トリップアドバイザー)

海のイメージが強い釜山で、北の高台にあるのが東莱(トンネ)地区。金剛公園を起点としたハイキングや温泉街として人気がある。

金剛公園(Geumgang Park) (画像:トリップアドバイザー)

梵魚寺は色あざやかながら格式を感じる名刹で、創建は新羅時代にさかのぼるという(当時の寺院は文禄・慶長の役で失われた、現在の建物は18世紀に再建されたもの)。藤の群落が咲き乱れる5月や紅葉の秋には見事な景観が味わえる。


梵魚寺(Beomeosa Temple) (画像:トリップアドバイザー)


釜山からの手ごろな郊外観光といえば慶州。
新羅の中心として栄えた古都で、「石窟庵と仏国寺」「慶州歴史地域」「良洞村」と3点の世界遺産を有する韓国屈指の観光スポット。特に慶州歴史地域は石塔や磨崖仏などアジアの古文明を感じさせる史跡が迫力たっぷり。

慶州 (画像:トリップアドバイザー)


特別編:釜山カジノガイド

釜山には2箇所のカジノがあり、いずれもカジュアルで入りやすい。

7ラックカジノ
7ラックカジノは西面のロッテホテル2階に位置する。韓国のカジノは外国人専用のため入り口でパスポートチェックがある。メンバーズカードを作るだけで10000ウォンのクーポンがもらえるので、運試しに一度だけやってみるのもいいだろう。テーブルゲームは一通り揃っているが規模が小さいので、休日などは座れるテーブルを探すのに苦労することも多い。スロットマシンなどで短時間遊ぶ程度にしておいたほうがいいかもしれない。
また、客層は日本海を渡ってやってきたであろう同胞が7割以上、少々ガラの悪い方も目立つ。


セブンラックカジノ 釜山ロッテ店(Seven Luck Casino Busan Lotte Branch) (画像:トリップアドバイザー)

パラダイスカジノ
パラダイスカジノは海雲台ビーチのパラダイスホテル内にある。市内中心部からはバスか電車で向かうことになる。有名なソウルのウォーカーヒルカジノと同系列だが、規模は恐ろしく小さい。以前は日本人が多かったが最近は中国人も増えているようだ。はっきり言ってショボいのでカジノ目的での訪問はオススメしないが、7ラックカジノよりは空いているので、落ち着いてゲームを楽しみたい場合はこちらを選ぶのもいいだろう。


パラダイスカジノ釜山(Paradise Casino Busan) (画像:トリップアドバイザー)

デグカジノ
正直言って釜山はカジノを楽しむのに適した街とは言えない。だがあきらめないでほしい。釜山から少し足を伸ばすだけで、意外な穴場が存在する。
それがデグカジノだ。
デグカジノは釜山から電車で1時間ほどで行ける大邱(デグ)市にある高級ホテル「ホテルインターブルゴ」内に用意された外国人専用カジノだ。さすがにソウルほどではないがそこそこ広く、なにより(tabinoteスタッフが訪れた際は)死ぬほどすいている。ただし市街地からは少し離れており移動にはタクシーが必要、腰を据えて本気でバクチを打ちたい人にはおすすめだ。




Paradise Hotel Busan(トリップアドバイザー提供)

焼肉、クッパ、チヂミなど日本でもおなじみの味覚からディープな屋台まで、釜山旅行の楽しみの1つは食事。洗練された一皿から素朴な食堂までそろっている。

韓国料理といえばやはり焼肉。釜山も例外ではない。釜山近郊には良質な肉牛の産地があり、鉄板の上でステーキのようにブ厚い肉を焼く独特のプルゴギが有名。

港町でありシーフードも自慢。アンコウ、牡蠣、タチウオ、イカ、タコ、ワタリガニなど季節毎に新鮮な魚介が手に入る。滋養抜群のヌタウナギやエイなど、日本ではあまりお目にかかれない素材も市場に並んでいる。海鮮のダシがとけこんだ海鮮鍋やワタリガニの漬け物ケジャン、あわびのお粥などいずれも箸が止まらないおいしさ。また、フグ料理店も多く値段も日本よりはるかに安い。

また、釜山には北朝鮮から逃れてきた人々が持ち込んだ食文化が伝わっており、豚骨を煮込んだ濃厚なスープ、デジクッパッはその代表格。また、小麦粉でつくる冷麺も北由来の釜山名物となっている。


コルモクケジャン(トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
釜山便は非常に豊富。成田、関空、名古屋、福岡など日本各地から便が出ており、ほとんど国内線並みに多い。

成田の場合はJALと大韓航空が毎日2便、エアー釜山(アシアナとのコードシェア)が毎日1便運行している。所要2時間半。また、チャーター便でエアー釜山が羽田から飛ぶこともある。
関空からは更に多く、エアプサン(アシアナコードシェア)が1日3便、チェジュ航空と大韓航空(JALコードシェア)、ジンエアー(日曜は1便)が1日2便、さらにピーチとイースタージェットが1日1便。名古屋からは大韓航空が1日1便。福岡からは大韓航空、エアプサン、チェジュなどあわせて7便が運行している。
この他、札幌からの大韓航空、エアプサン便や沖縄からのチェジュ、アシアナ、ジンエアー便もある。

また、関空からはティーウェイ航空の大邱便もあり、大邱から釜山までは高速鉄道KTXならわずか所要45分と近い。

価格はLCCのプロモーションなどによって大きく変わるものの、大韓航空の東京便で往復3万円台が相場。東京からならおおむねエアー釜山が最安となる。
関空の場合はやはりLCCが安く、エアー釜山、ジンエアー、イースター、ピーチが2万円台。
後述する通りパッケージツアーがかなり安いので、2名以上ならまよわずツアーから探した方がいいだろう。

もちろんソウルや大邱から向かってもOK。

(パッケージツアー)
釜山行きのパッケージツアーは安さを遡及しやすいため各社の目玉商材になることが多く、成田発で燃油込み3日間のツアーが2万円を切ることも珍しくない。予算的にはほとんど国内旅行の感覚。
福岡発のツアーなら1万円を切るものもあるなど、日帰りバス旅行並みのリーズナブルさ。

(海路)
日本からフェリーで旅行できる唯一の海外都市と言っても過言ではない釜山(実際には中国航路などもあるものの、日に数便が行き交う釜山便の存在感にはかなわない)。
現在釜山までの便が発着する日本の都市は大阪、福岡、下関、対馬。
福岡からは高速ジェット船が運航しており、所要わずか3時間。料金は通常往復1.3万円だが、宿泊を組み込んだツアーキャンペーンをひんぱんに実施しており、驚くような値段で行けることもある。

クルーズ船で行くツアーもある。クルーズといえば豪華で高額なイメージが強いが、実は海外では一泊換算で一万円程度とホテルより安いような格安ツアーも存在している。世界最大のクルーズグループ、プリンセス社が世界標準価格をひっさげ日本に参入したことでぐっと身近になった。プリンセス社の場合、日本各地に寄港するツアーであっても外国船の日本クルーズを禁止するカボタージュ規制を回避するために釜山やサハリンを寄港先に組み込んでいる(ただし寄港先ではほぼ日帰り)。外国船なので日本領海外ならカジノが合法というのもうれしい。

(陸路)
ソウルから陸路で入る場合、高速鉄道KTXや長距離バスがある。
鉄道の場合便数も多く所要時間も短いKTXが一般的だが、在来線を走るマウル号やムグンファ号も利用できる。

長距離バスは仁川国際空港やソウル市内の他、大邱や慶州など主要都市を結んでいる。

(空港)
釜山の空港は金海国際空港(PUS)。
市街からも近く、ターミナルは機能的で乗り継ぎもスムーズとの評判。プライオリティ・パスが使用可能なラウンジが国際線ターミナルに2箇所ある(国内線の方にも2箇所)。
日本発着便以外の国際線としては、中国、フィリピン、タイ、マレーシアなどへの便がある。

市街までの移動手段も豊富で、リムジンバス、軽軌道(ライトレール)、タクシーなど。
リムジンバスは市街まで35~40分程度。西面/釜山駅方面と海雲台行きがある。また、リムジンバスとは別に東大邱や慶州行きの市外バスもあるので乗り場や行き先をよく確認しよう。日本語のアナウンスもあり安心。
また、亀浦駅などに向かう市バスも運行している。アナウンスや表示は韓国語のみ。

無人運行の軽軌道が空港に直結しており、沙上(ササン)駅で釜山地下鉄につながっている。空港から西面駅まで向かった場合は沙上駅での乗り換え含め所要30分程度。

タクシーは原則メーターだがいい加減なドライバーも報告されている。客待ちは避けて空港のカウンターで手配するか、模範タクシー(後述)を使うとよい。西面まで一般タクシーで13000ウォン程度。




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地理と気候

朝鮮半島の南端に位置し、福岡や下関までわずか200kmと日本から最も近い海外の都市(の1つ)。北緯35度で、京都や愛知とほぼ同じ緯度。

日本との時差はなく、四季があり気候も日本と似ている。
首都ソウルは冬の厳しい寒さで知られるが、釜山は一年を通じて比較的おだやか。
特に避けた方がよい季節というのはないが、一般的には春・秋が天候もおちついている。夏はビーチリゾートがにぎわうが雨も多め。

Busan   Google Maps
(画像:Google)


言語と通貨

公用語は韓国語だが、日本人観光客が多い店、レストラン、ホテルなど観光客が行く先は日本語がわかる人がいることが多い。飲食店もたいてい日本語メニューがある。
タクシーは韓国語だが、コールタクシー(後述)では通訳システムをそなえてあることもある。また、模範タクシー(後述)はほぼ日本語OK。

通貨はウォン。1ウォン=0.104円(15年12月時点)。概ね1ウォン=1/10円と見ておけば良い。
おおむね物価は日本より安め。タクシー、地下鉄など交通機関は日本よりも数割安い。食事は現地食なら安いが、ファーストフードなどは日本と変わらないところもあり割高感があるかも。

両替は日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市中の両替所で必要な分を都度両替するのがお勧め。ネットで評判がよいのは「ヨンジン両替」。
クレジットカードでのATMキャッシングが手軽だが、海外カードが使えない機械も多いので注意。

クレジットカードの使える度合いは日本よりも高く、ホテルやデパートはもちろんタクシーでも利用可能。
チップ文化は無い。


(画像:Wikipedia)




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ビザと治安

治安は良好だが、時にスリや置き引き被害が報告されている。また、繁華街でのぼったくり、客引きトラブルも発生している。
夜タクシーに乗る際にはコールタクシーを呼ぶかホテルなどで模範タクシーをつかまえた方がよい。

年に数回、反日感情が高まる時期がある。三一節(3月1日;1919年の独立運動記念日)や光復節(8月15日;韓国の独立記念日)などの時期は注意。

90日以内の観光・商用・親族訪問などの滞在はビザ免除。


    市内交通

    (地下鉄)

    釜山地下鉄(トリップアドバイザー提供)

    地下鉄は1~4号線まであり、空港からの足ともなっている金海方面の軽軌道もある。
    料金は2区分で、1区間(10km以内)が1300ウォン、2区間(10km以上)が1500ウォン。
    プリペイド式の交通カードの場合100ウォン割引となる。
    また、一日券は4500ウォン、7日券が20000ウォン。1日券は乗り放題だが7日券は20回までの制限がある。

    バス
    市バスは表記もアナウンスも韓国語なのでハードルが高いが、市内を網羅しており使いこなせれば便利。こちらも交通カード(ハナロカード)が利用できる。

    (タクシー)
    運転手のスキルによって一般タクシー、コールタクシー(ブランドタクシー)、模範タクシーと分かれている。

    一般タクシーはいわゆる普通のタクシー。初乗り3000ウォン。深夜2割増し。
    運転はおおむね荒く、相乗りや乗車拒否は当たり前。ときにぼったくりなども報告されており、それほど評判はよくない。

    コールタクシーはオレンジ入りの帯が入った灯台コール、青い帯の釜山コールがある。事故歴やサービス内容などをチェックされたドライバーが運転しているので、できれば一般タクシーよりもこちらの利用がおすすめ。電話で呼び出す方式だが、一般タクシーと同じように利用できる。料金も一般タクシーと同じ。

    模範タクシーは黒塗りで、事故歴やサービス内容などのチェックに加え通訳ができる場合もある。空港や高級ホテルで見かけ流しは少ない。値段もやや高く、初乗り5000ウォン。ただし深夜料金はない。

    なお、Uberは白タクの違法営業扱いとなり普及していない。
    また、Limo Taxi、カカオトークを使うカカオタクシーなどスマートフォンから配車できるアプリも登場しているが、韓国語能力が必要。

    レンタサイクル
    海沿いを自転車で走るのも楽しい。
    観光都市を標榜する釜山には無料の貸し自転車システムがある。
    また、ゲストハウスなどが用意している場合もある。


    ホテルとシーズン


    Paradise Hotel Busan (トリップアドバイザー提供)

    15年末時点でのホテル相場はウォン安の影響もありリーズナブル。
    5つ星の高級ホテル、リゾートホテルは2万円以上するが、中心部にある外資系ブランド4つ星ホテルなら1万円未満のものも。日本にもある「ビジネスホテル」という業態が多いのも1人旅派にはうれしい。例えば東横インなど日本と同じような価格で利用できる。

    ホステル、ゲストハウスが多いのも特徴で、競争がはげしいためかデザインホテルのように新しい物件が個室で2000円台とお得感は高い。

    ビーチ沿いのホテルは夏がハイシーズンで部屋もすぐに埋まってしまう。また、9月後半の秋夕連休や日本の連休前後も予約がとりにくいことがある。


    ネット・通信環境

    (携帯・モバイル)
    かつては外国人のプリペイドSIM購入にハードルがあったものの、現在では状況が一変。市中のコンビニなどでも手軽に購入できる。

    日本語での情報が多いのはEG SIM。金海国際空港の到着ゲートやコンビニ「GS25」などで扱っている。オンラインで事前購入もでき現地ですぐ受け取れるので便利。
    1ギガデータプランのナノSIMがオンライン価格で29900ウォン。実際には20000ウォンがチャージされており、1ギガの場合は16500ウォンがデータ通信分として差し引かれる(つまり残高3500ウォン)。500Mの場合は11000ウォンが差し引かれる(同9000ウォン)。

    韓国最大のネットワークをほこるKtのSIMもセブンイレブンなどで購入できる。音声通話も可能なプリペイドLTEの「M LTE BASIC」プランの場合20.48ウォン/MB。500M使った場合およそ1万ウォン。

    また、amazonでEG SIMやチャイナユニコムのデータ通信カードなども見つかるので、事前に用意していくのもいい。チャイナユニコムの場合データ5ギガ(ただし3G)・有効期間7日間で3500円程度。

    日本からWiFiルーターを借りていくか、海外の数カ国で使えるSIMを買っておくという手もある。



    (WiFi)
    韓国はWiFi大国。釜山ではビーチや観光地、公共機関などで公衆無線LANが提供されている。また、多くのショッピングセンター、レストラン、カフェなどでWiFiが利用できる。

4. 世界あの街この街: プーケット


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第56回 プーケット


プーケット (画像:トリップアドバイザー、©4Corners)

タイ国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

「アンダマン海の真珠」と賞賛される、日本からもほど近いアジアを代表するビーチリゾート。各種のマリンスポーツはもちろん、カジノやホテルステイ、ゴルフやラフティングなどさまざまなアクティビティを楽しめる。さまざまな文化が入り交じってかたちづくられた街並みの散策も楽しい。

プーケット島は南北に約100km、東西約45kmと広く、西側のアンダマン海沿いや南部を中心とした島の周囲はビーチとして開発されている。島で一番の繁華街プーケットシティ、プーケットを代表するビーチのパートーン、カロンなどはいずれも南部にある。北部や東部にはプライベートビーチをそなえた高級リゾートホテルが点在している。中心部は標高300~500m程度の高原地帯となっており、ジャングルが拡がっている。

Phuket Town
(画像:Google)


まずは空港からプーケットタウンへむかう。
16世紀にポルトガル人が入植し、19世紀には中国人が移住したことで西洋と東洋の入り交じった風情ある街並みが形作られた。マカオやマラッカなどのコロニアルな街並みが好きな人なら街歩きがはかどるはず。現在でもプーケット県の県庁舎があり多数のホテルが集まる島の中心。
古い建物が集まる区域は旧市街とよばれ、一部はカフェやギャラリーなどにリノベーションされている。昼のカフェ巡りから夜遊びまで楽しめる。


Old Phuket Town (画像:トリップアドバイザー)

市場好きならナイトマーケットへも寄ってみよう。洋品や雑貨から生鮮品、屋台メシまで幅広くそろっており、喧噪とアジアの匂いがたちこめる。

Phuket Town Weekend Night Market (画像:トリップアドバイザー)


Lard Ploy Khong Market (Indy Market) (画像:トリップアドバイザー)

ショッピング・モールマニアならタイ各地でおなじみのセントラル・フェスティバルへ。
バンコクやチェンマイの規模には劣るがプーケットではそこそこのスケールをほこる。キレイに包装された雑貨類などのお土産探しや、エアコンが効いた安心なフードコートなどなんだかんだと旅行者にもありがたい施設。

Central Festival Phuket (画像:トリップアドバイザー)

カオ・ラン(Khao Rang、プーケットシティ・ビューポイント)はプーケットタウン北東の丘にある展望台。島の緑と街並み、湾を一望できる地元の人気スポット。昼は日射しがきびしいこともあるので、赤く染まる空と夜景の楽しめる夕方以降の来訪がおすすめ。


Khao Rang Hill View Point (画像:トリップアドバイザー)


パートーンビーチはプーケットで最も古くから開発されてきたビーチ。リゾートホテルやゲストハウス、屋台に市場までが集まるにぎやかなエリアで、観光客や客引き、長期滞在らしきあやしげな連中まで様々な人種が行き交う。


Patong Beac (画像:トリップアドバイザー)

パートーンビーチには夜の店が集まり、むしろそちらの顔の方が有名かもしれない。夜はフーターズやハードロックカフェなどのチェーンから地元のバー、巨大ディスコまで人だかり。夜遊びの場所には不足しない。

Bangla Road (画像:トリップアドバイザー)
※画像は穏当なものを選びました。

パートーンビーチの市街ど真ん中に位置する巨大モールがジャンクセイロン。4つのゾーンに分かれたモールは総面積公称20万m2と日本最大のイオンレイクタウン並みのスケール。ショッピングにレストラン、アミューズメントと何でもそろう、特にお土産探しにはテナントのBig Cがはかどるとのウワサ。

Jungceylon (画像:トリップアドバイザー)

パートーンビーチから岬を越えた北にはカマラビーチ、スリンビーチというのどかな海が拡がっている。海はパートーンよりもずっと美しく、街の規模も適度におちついている。景色を純粋に楽しんだりビーチでのんびりしたいならこのあたりがおすすめ。

Kamala (画像:トリップアドバイザー)

カマラビーチにあるプーケット・ファンタシーはプーケットのほこる巨大テーマパーク。総面積およそ57万m2と東京ディズニーランドを上回るスケールの園内は「カマラ王国」という架空の神話に沿った演出がなされている。凝ったセットや幻想的なショー、ショップやレストランなど丸一日滞在でき、特に子連れの観光客からは評価が高い。


Phuket FantaSea (画像:トリップアドバイザー)


島の南西に位置するカロンビーチはパートーンと並ぶプーケットの代表的なビーチだが、よりも落ち着いた雰囲気が魅力。

Karon Beach (画像:トリップアドバイザー)


Karon Temple Market (画像:トリップアドバイザー)

カロンビーチから岬を超えた南側にはカタヤイビーチ、カタノイビーチという2つのビーチが拡がっており、鳴き砂の白い砂浜と透明な海の美しさに定評がある。季節によっては波が高めで、サーファーが多く集まる。

Kata Noi Beach (画像:トリップアドバイザー)

ビックブッダ(Phra Buddha Ming Mongkhol Sattha)は山の上に建造されている白い巨大な仏像。高さ45mにもなる像をつくのに必要な大理石は135トンにものぼったという。
山頂にあるため眺望は抜群で、珍スポとしてもビューポイントとしても知られている。


Phuket Big Buddha (画像:トリップアドバイザー)


プロムテープ岬はプーケットの最南端。特に夕陽の絶景スポットとして知られ日が暮れるころには地元民、観光客など多くの人が集まる。もちろん昼間も青いアンダマン海と点在する島々の大パノラマが美しい。

Laem Phrom Thep (画像:トリップアドバイザー)

せっかくならボートに乗って離島にも訪れてみたい。プーケットタウンやパートーンビーチなどの旅行代理店には現地ツアーが豊富にそろっている。映画「ザ・ビーチ」の舞台ピピ島や奇岩の絶景パンガー湾など、石灰岩のおりなす自然のすばらしさを満喫できる。


Two Sea Tour (画像:トリップアドバイザー)


Ko Phi Phi Don Tourism (画像:トリップアドバイザー、©4Corners)

プーケットはビーチだけではない。ジャングルでのラフティングやサファリツアー、エレファントライドなど、山好きでも十分満足できるアクティビティがそろっている。

Khao Lak Nature Tour (画像:トリップアドバイザー)

好奇心旺盛でグロ画像が平気なあなたなら秋のベジタリアンフェスティバル(斎食祭り)にスケジュールを合わせるのもいいかも。
福建系の中国移民によって始まったというこのお祭り、参加者はトランス状態を求めて身体に金串や刃物を刺し、血まみれ状態で練り歩く。アジア各地に似たようなイベントはあるもののプーケットタウンのものは規模が大きく、世界中から観客がおとずれる。

Old Phuket Town (画像:トリップアドバイザー)
※画像は穏当なものを選びました。




MaMa Jin Restaurant(トリップアドバイザー提供)

プーケットは世界から観光客が集まり、長期滞在者が多いこともあって食のバラエティは豊か。タイ料理はもちろんインド料理、イタリアン、フレンチ、日本食まで何でもそろう。上はロブスターや牡蠣など新鮮なシーフードを出す高級店から、下は現地人の集まる屋台メシまで、サイフにあわせて楽しめる。

プーケットの位置するタイ南部の食はマレーシアやイスラム系食文化の影響が濃く、ココナッツミルクの多用や鶏肉・牛肉・シーフードの使用が特徴。ラクサやイスラム風のカレーもレベルが高い。さらにプーケットの場合は中国・福建移民の存在感が強いことから、麺料理や飲茶などの中華系テイストも多い。ホッケンミー(福建麺)はシンガポールやマレーシアなどの本場にもおとらない味わい。


Mee Ton Poe(トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
かつてはタイ国際航空の直行便があったものの、現在は経由便のみとなっている。
プーケット行きのルートは非常に多く、どれが得かは時期によってかなり異なる。また、後述の通りツアーの方が航空券より安いことも多い。
値段でいえば香港エクスプレスの香港経由便、エアアジアのクアラルンプール経由などLCC勢が3万円台からとやはり安い。エアアジアの場合ASEANパスのルートにも入っている。
エアアジアで行く!ASEANパスで東南アジア周遊

一方で既存の航空会社もマレーシア航空、タイ国際航空などが時にLCC並みの価格を出すことがあり油断できない。

(パッケージツアー)
シンガポール航空やキャセイパシフィックなどの非LCCで、オンシーズンや週末を外せば5日間で5万円というツアーもある(2人参加料金)。プーケットの場合は航空券よりもツアーを先に調べた方がよい。

(陸路)
バンコク発の長距離バスがある。直行便の場合所要12時間で1000バーツ程度。
スラタニーで乗り換えるバスもあるが所要18時間とつらい。

(空港)
プーケット国際空港(HKT)は島の北部に位置し、プーケットタウンから35km程度。
バンコクのスワンナプーム国際空港につぐ搭乗者数をほこる。2014年には新ターミナル「ターミナルX」が開業した。

空港公式サイトによると、空港からプーケットタウンまでメータータクシーで500バーツ程度(料金400バーツ程度+空港手数料100バーツ)、所要30分程度。カロンビーチまで700バーツ(料金600バーツ程度+空港手数料100バーツ)、所要1時間となっている。現在の実勢ではもう200バーツほど高めとなる模様。空港で単に「タクシー」と告げるとリムジンタクシーの乗り場に連れて行かれることがあるので「メータータクシー」とはっきり伝えよう。
リムジンタクシーは空港とホテルを結んでいる。メータータクシーよりもやや高め。
乗り合いのミニバスもあり、プーケットタウンまで150バーツ程度。

リムジンタクシーのドライバーが指示したホテルに向かわず、自分がコミッションをもらえるホテルに誘導するような事例も報告されている。




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地理と気候

タイと日本の時差は2時間。日本の正午が午前10時。

プーケットは南北に長いタイの南に位置するタイ最大の島。とはいっても本土とはわずか500mほどの橋でつながっており、陸路での行き来が可能。
年間を通じて平均気温は25度程度、最高気温も32~34度と暑い。
11月~3月は乾季となり、マリンスポーツのハイシーズンとなる。
4月から雨が多くなりはじめ、5月~10月までは雨季でホテルは安め。スコールや季節風の影響はあるものの、この時期は緑が濃く乾季とは違った楽しみがある。

2月の初めは福建移民が多いことを反映し旧正月の飾り付けがあざやか。4月の初めころは水かけ祭り(ソンクラーン)、9月から10月にかけては流血パレードでおなじみベジタリアン祭りなどが催されている。


(画像:Google)


言語と通貨

公用語はタイ語。看板を読んだりぼったくりを防止するためにも、数字くらいは覚えていけると便利。
タイ数字 (Thailingual)
観光客が行くような店ではほぼ英語が通じると考えてよい。

通貨はバーツ。1タイバーツ=3.4円(15年12月時点)。だいたい3~4円とみておけばOK。
タイの魅力は物価の安さだが、残念ながらプーケットは例外。おおむねリゾート価格となっており、食事やマッサージなどバンコクよりも高め。
外食はタイ料理屋が100バーツ程度、250~300バーツあればかなり豪華な食事ができる。
ホテル代はピンキリだが高級リゾートは数万円のレベル。
悩みはトゥクトゥクで、タイ価格になれているとちょっとした移動で数百バーツふっかけてくるドライバーに辟易するかも。

商品代金には7%の物品税(Value-Added Tax)が上乗せされているが、同日に同一のお店で2000バーツ以上購入した場合には払い戻しの制度がある。手続きは出国時に空港で。


(画像:Wikipedia)

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。
市内には両替商が多くあり、銀行よりもレートは良い(とはいえ旅行者が一度に両替する程度の金額であれば、気にするほどの差はでない)。
日本国内ではレートが悪いので、必ずタイ到着後に空港のATMでまとめておろすか、市内までの移動費のみ調達し市内の両替商で両替すること。
チェーン店や高級な土産店ではクレジットカードが使えることが多い。

チップを要求される機会は多く、なにかにつけてせびってくる。
実際チップによってサービスレベルはかなり変わってくる。




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ビザと治安

観光地であり、旅行者をねらったスリ・置き引き・引ったくりが横行している。
犯罪とは言えないものの、相手の足元を見ながら何かにつけて強気で交渉してくる相手が多い。特にパートーンビーチなどナイトスポットでの客引き、ぼったくり、薬物事案などに注意。

2015年8月のバンコクにおける爆破テロは記憶に新しい。ISIL(イラクとレバントのイスラム国)メンバーがタイに入国し、バンコクやパタヤ、プーケットなどの観光地でテロを計画しているという報道も流れている。旅行者にできることは少ないが、友人家族に連絡先を伝えておくことや、保険に入っておくなどの自衛手段は欠かせない。

公共交通機関や密閉した建物での喫煙は禁じられており、違反すると2000バーツの罰金。

観光目的の場合、30日以内の滞在はビザ免除(空路の出国航空券が必要)、陸路は15日以内。


市内交通

プーケットの悩みは移動手段。
遠回りするバイタクやぼったくりギリギリで交渉してくるトゥクトゥクなど、なにかにつけてストレスがたまる。できれば徒歩で用が足せるような便利な立地のホテルを選びたい。

(トゥクトゥク・バイタク)
トゥクトゥクは軽トラやワンボックスに座席を付けた乗り合い車。台数も多くプーケット巡りの主役だが、価格は交渉制でレートもプーケットタウン内で100バーツ~、パートーンビーチで200バーツ~とかなり高め。タイ語の話せない外国人が1人で乗ろうとすると強気にふっかけてくることも。

バイタクは大きな荷物がなければ便利。お客もヘルメット着用が必要。交渉制だが初乗り40バーツ程度が目安。

(タクシー)
黄色い車体のメータータクシーが存在するものの、空港送迎がメインで流しを見ることはまれ。メーターは一応初乗り50バーツ/2km、以降12バーツ/kmとなっているが、ほとんどの場合交渉となる。

ソンテウ(バス)
プーケットタウンを起点にビーチまで定期運行している。ビーチ同士をつなぐ路線はない。
バス停があるものの手を上げれば途中でも乗車できる。
ビーチまで25バーツ~と格安。

レンタルバイク
プーケットタウンやビーチ沿いに多くのレンタルバイク屋がある。
スクータータイプの相場が一日200バーツ~400程度。パスポートを預けて借りることになる。ヘルメット着用が義務づけられており、検問で捕まると高額な罰金を課せられる(レンタル時には必要ないものの、検問時には国際免許証もチェックされるので要携帯)。検問は結構ひんぱんに行われている。
ぼったくりトゥクトゥクとの交渉で疲れはてるよりはバイクを借りた方がはるかに幸せになれる可能性が高いものの、交通事情は悪く保険もいい加減なので事故には十分注意すること。


ホテルとシーズン


The Westin Siray Bay Resort & Spa Phuket (トリップアドバイザー提供)

超高級リゾートホテルからゲストハウスまで幅広い。
高級リゾートは静けさを求めて街中から離れたロケーションに位置している場合もあるので、街歩きを楽しみたいならプーケットタウンに近い南部の方が便利。

価格はシーズンによって幅があるが、安ホテル・ゲストハウス個室が乾季で400バーツ~、中級ホテルが1,000バーツ~といったところ。高級ホテルはピンキリで、1,500バーツ程度のデザインホテルから1万バーツ超えの超高級リゾートまで。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
代表的なモバイル通信事業者はアドバンスト・インフォ・サービス(AIS)、DTAC、True Moveなど。
観光地だけあってプーケットの電波状況は良好、LTEも使える。

各社共に旅行者向けのパッケージがあり、たとえばDTACの Happy Tourist SIMは299バーツで7日間の無制限インターネット接続。AISは容量0.5G、1.5G、3Gと3種類のツーリストSIMを扱っている。

各社空港、コンビニ、携帯会社のカウンターなどで入手できる。
設定は面倒なので店員にしてもらうのが無難。

日本からWiFiルーターを借りていくか、海外の数カ国で使えるSIMを買っておけば現地でSIM調達にうろつかなくてすむ。



(WiFi)
WiFiなしのカフェやレストランを探すのが難しいほど。
ほとんどが無料で、パスワードが必要な場合は店員に聞けば教えてもらえる。

4. 世界あの街この街: サンフランシスコ


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第56回 サンフランシスコ


San Francisco, California ((c)San Francisco Tourism, Tripadvisor)

アメリカ合衆国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

陽光と海の開放的なイメージが世界の観光客を惹きつける。アメリカには珍しい公共交通が充実したコンパクトな市街は街歩きにも最適。ゴールデンゲートブリッジ、アルカトラズ島、ツインピークスなど見所も多く、フィッシャーマンズワーフのシーフードも有名。ヨセミテ国立公園など西部大自然観光の入り口でもある。

サンフランシスコ市域は広大だが、主な見どころは半島北東部のフィッシャーマンズワーフとダウンタウンに集まっている。

Fisherman s Wharf to Twin Peaks   Google Maps
(画像:Google)


街歩きの起点にするならフィッシャーマンズワーフがいい。ホテルも多く集まっているのでここから1日を始める旅人も多いだろう。いつも人通りがたえず、朝も夕暮れ時もポストカードのように美しい(地面の鶏糞を見なければ)。シーフードの屋台がつらなり軽食をとるにも便利。名物の濃厚なクラムチャウダーやシーフードサンドも楽しみ。



Fisherman’s Wharf

港沿いでも最もにぎわっているエリアがピア39。桟橋上にお土産屋やレストラン、水族館などが連なる一大観光地で、いつも大勢の人でにぎわっている。夜景スポットとしても定評がある。


Pier 39

脱出不可能の監獄島として知られるアルカトラズ島はサンフランシスコ最大の観光名所。脱走兵、禁酒法時代のギャング、他の刑務所から追い出された札付きなど並々ならぬ面々を受け入れてきた難攻不落の牢獄としてあまりにも有名。現在では国立公園の一部となり、ツアーのみで訪れることができる。
わずか50年前まで現役で使われていた施設内部は迫力たっぷり。島から眺める半島も趣がある。



Alcatraz

エクスプロラトリアムはサンフランシスコでも最も人気がある子供向けのサイエンスミュージアム。実際に展示を触ったり乗ったりする「ハンズオン」という体感施設の先駆けで、どの展示もビジュアル面含め洗練されている。アミューズメントとして大人も1日楽しめる。

The Exploratorium

エクスプロラトリアムから更に南。フェリービルディング・マーケットプレイスは最新レストランの集まる人気スポット。倉庫跡をリノベーションし魅力的なモールによみがえらせる事例の先駆けともいえ、センスも物価もハイクラス。火木土にはファーマーズマーケットが開かれさらに多くの人でにぎわう。

Ferry Building Marketplace

港湾沿いを散歩したらケーブルカーに乗ってみよう。
パウエルーハイド線でノブヒル方面に向かうと、途中には名物のクネクネ坂道、ロンバードストリートが見える。

Cable Cars


Lombard Street

ノブヒルは瀟洒な街並みのつづく高級住宅街。壮大な大聖堂のふもとにあり、クラシックで落ち着いた雰囲気。丘の上からみなと方面を見下ろせば美しい市街を見渡せる。

Nob Hill

ノブヒルの東にひろがるのは全米最大のチャイナタウン。漢字の看板とランタンがつらなり、屋台からはもうもうの煙。肉を焼くにおいと市場の喧噪とでアメリカにいることを忘れてしまう。

Chinatown

チャイナタウンから北に向かうとノースビーチ。リトルイタリーがあるエリアとして知られ、中華街よりも落ち着いている。もちろんエスプレッソやピザのレベルも高い。夜はネオンが輝く妖しい面もある。
この地域にはビートニクスの聖地ことシティライツ・ブックストアがある。文系のお友達にはロゴ入りグッズがお土産としてよろこばれるだろう。

City Lights Booksellers

チャイナタウンから西南方面は市庁舎などが建ち並ぶ官庁街だが、豪邸つらなる高級ショッピング街のパシフィックハイツやミュージアムもあり観光客にも魅力的なエリア。そしてなんといってもジャパンタウンがある。ハンバーガーに飽きたらここでまったりしよう。

Japantown

アジア美術館は日本を含むアジア全般の美術品を収蔵している。古代オリエント美術から仏像、浮世絵まで某大なコレクションをほこり、常設のほか常にさまざまな特別展を催している。建物は格調高く、ミュージアムショップやカフェの評判も高い。


Asian Art Museum

ダウンタウンは24時間眠らないサンフランシスコの中心。目抜き通りのマーケットストリートを中心にショップやレストランが集まる。街歩きに疲れたら長年市民に愛される憩いスポット、ユニオンスクエアで休もう。

Union Square

マーケットストリートから南に向かうとSoMa。South of Market Streetの略称で、かつては荒れ果てた場所だったが、現在では再開発やリノベーションが進み、アーティスト、エンジニア、起業家、LGBTなどが集まるエネルギッシュなエリアとなっている。

bar agricole


ゴールデンゲートブリッジは世界一美しい橋とも言われ、サンフランシスコの風光明媚なイメージを決定づける象徴的存在。バスやクルマで行ってもいが、自転車を借りての横断がおすすめ。もちろん徒歩でも渡ることができる。

Golden Gate Bridge

プレシディオ地区は高台に豪邸つらなる高級住宅街。高級住宅街とゴールデンゲートブリッジとの間には広大な森林公園がある。
ランニングが趣味な人ならゴールデンゲートブリッジと市街をのぞむこの森林は最高のコースの1つとなるだろう。ノドが乾いたらカフェかトレーダージョーにかけこもう。

周辺にはウォルト・ディズニーの博物館や古い砦の跡、フォートポイント国立歴史地区がある。


Presidio of San Francisco


Walt Disney Family Museum


Fort Point National Historic Site

ランズエンドはサンフランシスコ半島の北西端に位置する自然公園。都市の喧噪がウソのように深い森林とサンフランシスコ湾、ゴールデンゲートブリッジのコントラストは世界の名だたる絶景スポットにもひけをとらない。トレッキングやランニング、ゴルフなど市民が思い思いに自然を楽しんでいる。


Lands End


サンフランシスコ半島の西端に拡がるゴールデンゲートパークは東西5km、南北800mにもおよぶ広大な公園。日本庭園やゴルフ場、ミュージアムなど多目的に楽しめる。敷地面積は4.1km2と皇居の3倍以上もあり、健脚なら徒歩でもOKだが自転車を借りるのがいいだろう。園内シャトルもある。

Golden Gate Park

カルフォルニア科学アカデミーはゴールデンゲートパーク内にある水族館と科学博物館の複合ミュージアム。大人も子供も巨大な水槽に度肝をぬかれ、熱帯雨林を再現した植物園におどろかされ、プラネタリウムと宇宙センターに夢中になるだろう。地震被害を幾度となく受けたサンフランシスコだけあり、地震に関する体感展示もユニーク。

California Academy of Sciences

ゴールデンゲートパークの東はヘイトアシュベリー地区。
ヒッピーの聖地として長い歴史をほこり、街はDIY風味でサイケデリック。古着屋、アンティーク、レコード屋、オーガニックカフェなど個性的なショップが集まる。

Haight-Ashbury

ヘイトアシュベリーの南、ツインピークスはサンフランシスコのほぼ中央から市街を見下ろす人気スポット。標高277mまではそれなりにきついが、登り終えれば最高の景色がまっている。湾岸やゴールデンゲートブリッジ、ダウンタウンのネオンが無数に煌めく夜の光景はさらに美しい。


Twin Peaks


サンフランシスコの郊外ツアーで人気なのは、カリフォルニアワインの産地を居めぐるワイナリーツアー。
ナパバレーには数十のワイナリーがつらなり、年間500万人もの人がおとづれる。車窓から美しい田園をながめる優雅なワイントレインも人気が高い。

Napa Valley Wine Country Tours

ヨセミテ国立公園はサンフランシスコから250kmほど、クルマで5時間もあれば到着する。広大な原生林と氷河が削りとった渓谷のダイナミックな景観に息をのむ。キャンプやトレッキングといったライトなアクティビティからクライミング、ラフティングやスキーなどのハード系まで様々に楽しめる。


Yosemite National Park



Hog Island Oyster Company

全米でも屈指のグルメシティで、カリフォルニア・キュイジーヌと呼ばれる食の潮流をつくりだした。新鮮なシーフードや郊外で採れる野菜、肉、チーズ、ワインといった素材にめぐまれており、移民がもたらした食文化がアレンジの幅を拡げた。市民の健康意識の高さもあり、シンプルで洗練された、挑戦的なメニューが数々と生み出されている。

サンフランシスコでうれしいのはハイクラスのレストランはもちろん屋台やストリートフードの選択肢も多いことで、リトルイタリーのパニーニ、フィッシャーマンズワーフのシーフードサンド、チャイナタウンの飲茶、ヘイトアシュベリーのタコスなど手ごろな食も多い。


Pacific Catch


日本からの行き方

(空路)
日本からのサンフランシスコ便は豊富で、値段的にも時間的にも直行便がダンゼン有利。
成田からはANAおよびユナイテッド便が毎日運行している。いずれも夕方出発で日付変更線をこえ同日の午前に現地着。
羽田からはJAL便とやはりユナイテッド便が毎日運行している。こちらは深夜発で夕方出発で日付変更線をこえ前日の夕方に現地着。
運賃はANA、ユナイテッド共に10万円弱。ユナイテッドの方がやや安いことが多い。

意外な穴場はANA(ユナイテッドコードシェア)のサンノゼ便。サンノゼからサンフランシスコはおよそ80km程度で、都内から成田空港ほどの距離しかない。鉄道(Caltrain)に乗ればサンフランシスコ市街まで2時間程度で着いてしまう。繁忙期でサンフランシスコ便がうまっている場合には一考の価値あり。料金はサンフランシスコ便とほぼ同じ。

乗り継ぎ便はデルタのロサンゼルス経由や北京国際航空の北京経由など。時間と手間がかかる割に直行便よりも1~2万円程度安い程度で、魅力度はあまり高くない。

(パッケージツアー)
便が豊富なこともありパッケージツアーの選択肢も多い。
安いものでは5日間のロサンゼルス乗り継ぎ便で7万円台もある(2名1室)。ユナイテッドの直行便確約ツアーで9万円程度(同)。JAL便など日系利用で12万円~(同)となっている。
サンフランシスコは後述のようにホテル代が高い。他の都市もいろいろと巡るなら別だが、サンフランシスコのみの滞在であればツアーの方がはるかにお得となるだろう。

(陸路)
鉄道のアムトラック駅はサンフランシスコ市街にはなく、ベイエリアのオークランドにある。
オークランドからは高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコへ。
長距離バスはグレイハウンドがダウンタウンに乗り入れている。

バスでおすすめはボルトバス。全米を縦横にむすぶグレイハウンド社が保有するブランドで、ロサンゼルスとサンフランシスコを結んでいる。所要8時間程度。
安全な乗り場、広いシート、WiFi付の快適なバスで、運賃も安い。

(空港)
サンフランシスコ国際空港(SFO)の他、サンノゼ国際空港(SJC)、オークランド国際空港(OAK)が利用できる。

サンフランシスコ国際空港はロサンゼルス国際空港に次ぐ西海岸の巨大空港。ターミナル1、2、3と国際線ターミナルがあり、日本からの直行便はすべて国際線ターミナルに到着する。
高速鉄道BART(後述)が乗り入れており、市街まで直行できる。市街のPowell駅まで所要30分程度、8.65ドル。
バスも運航しており、急行のKXバスで所要30分。
タクシーの場合はユニオンスクエア近辺まで所要30分、75ドル程度(運賃65ドル+空港利用料2ドル+チップ)。Uberの場合はUberX料金で35ドル程度。

サンノゼ国際空港はサンフランシスコ市街の南東80km程度。ターミナルはAとBの2つあり、日本からのANA便はターミナルAに到着する。サンフランシスコ市街までは無料バス「Free Airport Flyer」で鉄道(Caltrain)に乗り継げる。

オークランド国際空港はベイエリア側、サンフランシスコ市街からおよそ50km程度。アラスカ航空のシアトル便、サウスウエストのロサンゼルス便などが乗り入れている。高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコ市街まで1時間程度。
なお、ニュージーランドの同名空港と混同しないように注意。




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地理と気候

アメリカ西海岸、北に突き出たサンフランシスコ半島のさらに北端にあり、三方を海で囲まれている。高低差が多く景観がよい。
南欧と同様の地中海性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。季節による気温の変化は少ない。夏は平均気温20度台と涼しく、日によって10度台前半の時もあるなど秋用の上着が欠かせない。冬でも10度~15度程度と暖かい。

冬は雨が多いので、4月~10月頃が観光に適している。中でもベストシーズンは晴天が続く秋の9~10月頃。ただしこの時期は展示会シーズンでホテルのレートは高めとなる。
2月の旧正月はチャイナタウンがお祭り状態となり、6月にはLGBTのパレードがある。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。

googleマップ サンフランシスコ   Google マップ
(画像:Google)


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が半数、アジア系が3割、ヒスパニックが15%程度、アフリカ系他が残り15%程度。アジア系の中でも特に中国系が多い。通貨は米国ドル。1ドル=124円程度(15年11月時点)。

物価はアメリカの中でもやや高めといえる。特にホテルは高い。外食についてはピンキリだが、シーフードやオーガニックなどこだわった店が多い。

クレジットカードは必須で、ホテルからスーパーまでカードがないと生活が成り立たない。現金の両替は最小限でOK。ドルの調達は日本でしておくのが鉄則。

チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。

クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


(画像:Wikipedia提供)




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ビザと治安

神経質になりすぎる必要はないものの、そもそも日本とは犯罪件数が段違いのアメリカ。常時警戒レベルをあげておく必要がある。
中でも特に気をつけた方がよいスポットがいくつかある。ジャパンタウン東側のテンダーロイン地区、ジャパンタウン南側のウエスタン・アディション地区、サウスオブマーケットの5th通り西、ゴールデンゲートパーク東のパンハンドル、ミッション地区など。いずれも路上生活者が多く荒れた雰囲気があり、特にテンダーロインは昼でも避けた方がよい。
サウスオブマーケットやミッション地区は再開発が進みおしゃれな店も増えており、極端に警戒する必要はないが要注意。

半島南東のハンターズポイント(Hanter’s Point)は旅行者が訪れることはないと思われるが、各種ガイドブックで避けるべきエリアの筆頭に挙げられている。銃を使った殺人や強盗が頻出する危険なエリアで、クルマでも立ち入ってはならない。

また、一般に観光名所となっているフィッシャーマンズワーフやツインピークスでもスリや車上狙いなどの被害が報告されている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

サンフランシスコの代名詞ことケーブルカーをはじめとして、市内交通は充実している。

(ミュニメトロ、ミュニバス、ケーブルカー)
市内交通の主役はミュニ(Muni)メトロとミュニバス。

マーケットストリートに沿ってEmbarcadero、Montgomary、Powell、Civic Center、Vannessと5つの駅があり、すべてのラインがこの5駅に乗り入れる。Embarcadero~Civic Centerは高速鉄道バート(BART;後述)と連結している。
メトロはJ、K、L、M、N、Tの6系統あるが、実際にはKとTは一体運用されほぼ道ルートを走る。このほかに路面電車のFラインがある。

ミュニバスは55路線あり、市内を縦横に網羅している。時間はあまりあてにならないのでNextBusの位置情報サービスを参照しておくとよい。

ケーブルカーは3系統あり、フィッシャーマンズワーフなど観光名所を走るので旅行者の利用機会も多い。

料金はミュニメトロ、ミュニバスは共通で1回2.25ドル。メトロ地下駅の場合は改札近くの券売機でチケットを購入する。バスおよびメトロ地上の場合は乗車時に運転手からチケットをもらう。チケットはトランスファーといい、90分以内のメトロ⇔バス相互乗り換えが可能。
ケーブルカーの料金は1回7ドル。料金はメトロ・バスとは別体系なのでトランスファーは利用できない。チケットは駅近くの券売機で購入するか、乗車時に支払う。

ミュニパスポートというメトロ、バスおよびケーブルカーへの乗り放題パスがある。デイパスが17ドル、3日パスが26ドル、一週間パスが35ドル。一週間パスはPowell駅前でのみで販売している。
日本のSUICAにあたるプリペイド型のクリッパーカードというパスもある。メトロ、バス、ケーブルカーの他BARTでも利用可能。メトロの駅やBARTの券売機、ドラッグストアなどで購入できる。


高速鉄道バート
高速鉄道バート(BART;Bay Area Rapid Transit)が5系統あり、市街と対岸のイーストベイや半島南部を結んでいる。うち2003年開業のピッツバーグ・サンフランシスコ国際空港線は空港利用者にもおなじみ。
運賃は乗車区間によって異なり、最低1.85ドル~。BARTのチケットは磁気カード式になっており、チャージ額を使い切るまで利用できる。
空港移動くらいでしか乗らないのであれば余分なチャージ残金が発生する可能性があるため、自販機でぴったりの金額を買うか、クリッパーカードを買った方がよい。クリッパーカードは空港のBART乗り場前のインフォメーションデスクで購入できる。

(レンタサイクル)

Dylan’s Tours (トリップアドバイザー提供)

サンフランシスコは自転車乗りにも魅力的な街。シャーマンズワーフ周辺やダウンタウンにはたくさんのレンタルサイクル屋がある。晴天の下、海風を顔に受けてのライディングで気分もあがる。ゴールデンゲートブリッジを自転車で横断しフェリーで戻るルートは定番となっている。
市街はアップダウンが多くややつらいが、ダウンヒルの疾走感は最高。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。サンフランシスコの登録者は非常に多く、貸し自転車屋よりも低い予算で高機能なロードバイクやハイブリッドを借りることができる。
(Spinlisterについてはこちらの記事をご参考)

(タクシー)
よほどの思想的な理由がない限りUberがおすすめ。一般のタクシーよりも安く、カード払い・チップなしの明朗会計。台数も多いのですぐに手配可能。

一般のタクシーを使う場合は、ホテル前やショッピングモールなどの観光スポットで停車している客待ちタクシーをひろうか、電話・ネットで予約する必要がある。流しをつかまえることは難しい。ホテルからの移動ならスタッフに頼むのが簡単(要チップ)。
料金は初乗り3.5ドル(1/2マイル)。以降1/5マイルにつき0.55ドル加算。支払いは基本現金。チップは料金の15%程度。

タクシー会社は配車用のアプリを用意しているが、登録にはショートメッセージ受信が必要。アメリカの電話番号を付与してくれるスマホアプリ・HeyWireが便利。

(レンタカー)
バークレーなど郊外での移動はレンタカーに頼るしかない場合がある。
ダウンタウンや主要道は一方通行が多いので注意。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。


ホテルとシーズン

アメリカの大都市はホテル代が高いが、人気都市のサンフランシスコは特に高い。全米でもニューヨークに次ぐ高さ。さらに7~8月はハイシーズンのため、9~10月は展示会シーズンのため、それぞれ室料も高止まりしがち。
3つ星のホテルで1.5~2万円、4つ星ランクで2万円~3万円といったところが相場。ホテルは半島の北東、すなわちフィッシャーマンズワーフ~ユニオンスクエア~サウスオブマーケットおよびシビックセンターあたりに集まっている。

サンフランシスコはAirbnb発祥の地。ホテルの半額程度の予算で便利な場所に沢山の快適そうな物件を探すことができる。もちろん不安になるような激安物件も…。人気物件はすぐ埋まるので、レビュー内容とキャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良いが販売場所は限られる(Portland周辺では売っていない)。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPhoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないこともあり、いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

面倒なことが嫌いな方はWiFiルーターを借りていったり海外の数カ国で使えるSIMを買っていくのも手。



(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
個人経営のカフェも多いが、至る所にあるスターバックスでWiFiが提供されている。

4. 世界あの街この街: ドゥブロヴニク


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第55回 ドゥブロヴニク


Cheap Dubrovnik Tours (トリップアドバイザー提供)

クロアチア共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

クロアチアは近年そのすばらしい景観が知られるようになりヨーロッパ観光の一大デスティネーションになりつつある。その中でも最大の観光都市が「アドリア海の真珠」と呼ばれるドゥブロヴニク。碧い海岸と中世の街並みがつくりだすコントラストは絵に描いたような絶景。

Pile Gate to Fort Lovrijenac   Google Maps
(画像:Google)


空港からシャトルバスでおよそ30分、旧市街の西にあるピレ門(Pile)に到着する。門の周辺はカフェやレストランでにぎやかな雰囲気。
旧市街は全長2kmほどの城壁に囲まれたコンパクトなエリアだが城壁は威圧的なほど高く、見どころも一日では見きれないほど多い。
ゲートをくぐると中世がそのまま現れたような旧市街の街並みが拡がっている。

Pile Gate (トリップアドバイザー提供)

ピレ門から東にのびるのはプラツァ通り。旧市街きっての目抜き通りで、両側にはカフェやレストラン、お土産屋が並んでおり、旅行者が夜遅くまで行き交う。夜はライトアップされ、石畳や壁面が幻想的な光景をつくりだす。




Placa Thoroughfare (Stradun) (トリップアドバイザー提供)

プラツァ通り沿い、ピレ門を抜けたすぐ左手にある建物はフランシスコ会修道院。院内にはヨーロッパで3番目に古いという薬局(創業1391年!)があり、現在でもスキンケア製品などを販売している(ちなみにヨーロッパ最古の薬局はイタリアのフィレンツェ)。

Franciscan Monastery (トリップアドバイザー提供)

旧市街でも絶好のフォトスポットは城壁の北西にあるミンチェタ要塞。城壁の最高地点となっており、赤い屋根が連なる旧市街全景を見渡せる。市街と海をカメラにおさめようと、一眼片手の観光客が列をなす。



Minceta Fortress (トリップアドバイザー提供)

通りをまっすぐ西に行くと城壁のつきあたり、ルジャ広場へ出る。総督邸や宮殿、ドミニコ会修道院といった古の建物群が並んでいる。総督邸は現在歴史博物館として公開されている。

Rector’s Palace (トリップアドバイザー提供)

城壁の東には旧港があり、碧い海に白い建物やフェリーが映える。ここから市街の丘陵をふりかえると青と緑のコントラストが美しい。このエリアにはレストランも多く、夕方には夕陽やシーフード目当ての客が集まる。


Rector’s Palace (トリップアドバイザー提供)

ドゥブロヴニクの美しい街並みは市民の努力のたまもの。わずか20年ほど前までは内戦が続いており、街は燃えてガレキとなった。旧市街にあるミュージアム、「ウォー・フォト・リミテッド」は往時の様子を写真で生々しくつたえている。

War Photo Limited (トリップアドバイザー提供)


旧市街の北にそびえるのはドゥブロヴニク観光のハイライトである標高412mのスルジ山。城壁の北側にロープウェイ乗り場があるが、時間に余裕があり健脚なら徒歩で登ってみてもいい。
山頂からはアドリア海と空、赤い旧市街を見下ろす絶景を堪能できる。

Mount Srdj Ropeway (トリップアドバイザー提供)

山頂には砦が築かれ、ドゥブロヴニク防御の要として街を見下ろしていたが先の内戦で破壊された。現在その砦跡は独立戦争博物館として公開されている。

Museum of Croatian War of Independence (トリップアドバイザー提供)

旧市街の城壁外、ピレ門近くの海に向かって砦がせりだしている。このロヴリイェナツ要塞は市街や丘陵を違った確度から眺めることのできる穴場スポット。

Lovrijenac (トリップアドバイザー提供)

ロクルム島は旧市街からほど近く、沖合700mに浮かぶ緑の島。日に何便もフェリーが運行している。
砦や修道院などの歴史的な建物からビーチ、植物園まで見どころが多く、ドゥブロヴニクからの気軽な旅先として人気が高い。

Island of Lokrum (トリップアドバイザー提供)

ドゥブロヴニク周辺には伝統的な生活を守る素朴な村々が拡がる。手工芸の店や青空市などもありお土産さがしにもぴったり。現地ツアーもいろいろと用意されているので、せっかくだからのんびりと巡ってみたい。

Cavtat Old Town (トリップアドバイザー提供)

一日歩いてホテルに戻ると窓の外には日暮れの絶景が拡がる。これからまた旧市街のプラツァ通りに戻ってもいい。

Dubrovnik Top Tours (トリップアドバイザー提供)



Lokanda Peskarija (トリップアドバイザー提供)

日本人にあまりなじみのないクロアチア料理。クロアチア産のワインやチーズ、オリーブオイルなどは欧州でも高く評価されており、実は隠れた美食の国である。
複雑な歴史を反映して食文化は地域によりかなり異なる。首都ザグレブなど内陸部はオーストリアやハンガリーの影響を受けており、カツレツやパプリカ煮込みなど肉料理が中心。
一方でドゥブロヴニクの属する沿岸はアドリア海の対岸イタリアの影響が強く新鮮なシーフードが名物で、オリーブオイルやチーズを多用する。パスタやリゾットなどのイタリア料理の他、シーフードのグリルやフライなどもレベルが高い。

ストリートフードとしてはピザや濃厚なチーズのサンドイッチ、ジェラートなどがおいしい。


Konoba Dubrava (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
現在日本とクロアチアを結ぶ直行便はない。
オフシーズンの場合はザグレブを経由して訪れるのが基本で、日本→経由地→ザグレブ→ドゥブロヴニクと最低2度の乗り継ぎを必要とする。
オンシーズン(3月~8月)の場合は周辺国から直接ドゥブロヴニク空港に向かう便があり、日本からはフィンエアーのヘルシンキ便、ルフトハンザのフランクフルト便、ブリティッシュ・エアウェイズのロンドン便、オーストリア航空のウィーン便などが利用しやすい。この時期はLCCの運航もあり、イージージェットやノルウェイジアンも乗り入れている。ただしドゥブロヴニクはリゾート。着替えやお土産など荷物が多めになりそうならレガシィキャリアを選んだ方が安くつくかもしれない。
価格はフィンエアー利用オンシーズンの場合で日本から往復12万円~。

(陸路・海路)
ザグレブからドゥブロヴニクまでの長距離バスが一日8便程度、所要は約10時間~12時間で、料金は200~250クーナ程度と安い。
なお、ザグレブまでの国際鉄道はシリア難民問題の影響を受けて運行予定が変わったりスケジュールが乱れたりする可能性がある。
オンシーズンまではアドリア海対岸のイタリア・バーリ(Bari)からドゥブロヴニク行きのフェリーが運行している。所要5時間半、料金は40~120ユーロ程度。

(パッケージツアー)
トルコ航空や中東系のエアラインを使った6日間のツアーでオフシーズン12万円~。オンシーズンはホテルレート高騰のため20万円~と高め。

(空港)
ドゥブロヴニク国際空港(DBV)は市街の南東方面23kmほどの場所にある。国際線の多くはオンシーズンの運行となり、オフシーズンは国内線(ザグレブ便)がほとんど。
空港からはシャトルバスが利用できる。空港-旧市街の西門(Pile)-グルージュ港(Gruz Harbour)間を結んでおり、旧市街まで約30分、40クーナ。
タクシーの場合は旧市街まで250クーナ程度。ホテルの多い西部の半島部分、ラパッド(Lapad)やバビン・クック(Babin Kuk)まで300クーナ程度。


地理と気候

クロアチアはイタリアから見てアドリア海を挟んだ東側。スロベニア、ハンガリー、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロと国境を接する。
クロアチアの国土はアドリア海沿いと内陸に分かれた逆U字型になっており、ドゥブロヴニクは海岸沿い最南部。ボスニア・ヘルツェゴビナの都市ネウムによってクロアチア本土と分断されている。
クロアチアの内陸部は寒暖差の大きい大陸性気候だが、ドゥブロヴニクは対岸のイタリアと同じく地中海性気候に属する。7~8月の最高気温は30度程度、最低気温は20度程度となる。日射しは強いが湿度も低く快適。11~3月頃までは最高気温は15度程度、最低気温は7度程度と東京よりもおだやかだが、雨がちの日が多い。5~6月、9~10月頃は暑すぎず寒すぎず過ごしやすい。

旅行のベストシーズンは5~10月頃。特に7~8月はホテルの予約もすぐにうまってしまう。
11月~2月頃まではオフシーズンとなり、大波や強風でフェリーやロープウェイが欠航することも。さらにリゾートホテルやレストランは閉館するところもあるので注意。
2016年のイースターは3月26~28日で、この時期は周辺の村々ふくめ祝祭ムード。

Hotel Kazbek (トリップアドバイザー提供)

クロアチアと日本の時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。サマータイムは3月最終日曜~10月最終日曜で、この間の時差はマイナス7時間。

Google マップ
(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はクロアチア語であるが、英語の通用度は高い。観光客が行くような場所ではほとんど英語で意思疎通ができる。
通貨はクーナ(HRK)。1ユーロ=17.5円(15年11月時点)。およそ20円弱と覚えておけばよい。

中欧・東欧は物価が安いのではと期待するかもしれないが、ドゥブロヴニクは観光地価格が横行している。特にハイシーズンはホテルが高い。
目安として、3つ星ランクのホテルがオフシーズンで6~7千円、オンシーズンではおよそ倍。タクシーは初乗り500円程度、市街からホテルに戻る10分程度の乗車で1000円程度。
外食は欧州の中ではやや安い方で、日本並みといえる。一品にワインをつけて1500円~3000円程度。カフェでコーヒーとピザをつまんで700円程度。チップはサービス料に含まれており不要なことが多い。

商品代金に対して北欧並みに高い25%の消費税がかかっている。一度に740クーナ以上の買い物で一部が還付される。購入店で免税書類をもらっておき、クロアチアまたはEU圏出国時に税関で手続きをする。

なお、隣接するネウムはボスニア・ヘルツェゴビナ領であり消費税が安い。長期滞在なら買い出しにネウムのスーパーを利用できる。

支払いはクレジットカードを基本とし、いくらかのユーロ現金を手元にもっていけば十分。ホテルやレストランではユーロがそのまま使える場合が多い。
ユーロは日本で両替していくのが鉄則。クロアチア・クーナは日本で両替することができないため、現地で両替屋に行くかクレジットカードのキャッシングを利用する。バスやタクシー、ローカルのお店はクーナ払い。

チップはルームサービスやポーターに1ユーロ程度、タクシーではおつり切り上げ程度で十分。

※クーナ紙幣

(画像:Wikipedia)


治安とビザ

クロアチアの治安は欧州の中でも良好とされるものの、ドゥブロヴニクの場合は観光地であることもあってスリや置き引き被害が多い。ただし他国に比べてひったくりや強盗などの荒っぽい事案は比較的少ない模様。
レストランやカフェはもちろん、バーでも屋内での喫煙は禁止されている。

なお、ドゥブロヴニクを含むクロアチア沿岸南部は旧紛争地域にあたり、地雷撤去活動が続いている。観光客が訪れるようなエリアでは心配ないが、郊外の未舗装地域や山野には立ち入らない方が無難。
また、シリア難民への対応に伴い、ハンガリーやセルビアなどとの国境付近では交通が制限される可能性がある。在クロアチア日本大使館のサイトなどで最新情報を入手しておいた方がよい。

3ヵ月以内の観光滞在はビザ不要。


市内交通

旧市街を散策するだけなら徒歩でOK。
地下鉄やトラムなどはないので、旅行者が使う足としてはバスかタクシーとなる。

(バス)
バスチケットはキオスクか乗車時に運転手から購入。バス料金は市内共通でキオスクの場合12クーナ、運転手から買う場合は15クーナ。バス停ごとのアナウンスはないので、乗車時に運転手に降車希望バス停をつたえるか、Googleマップなどを使って現在地を確認しておこう。

ドゥブロヴニク・カードはさまざまな特典がついたお得なカード。1日券、3日券、1週間券の3種類あり、1日券は公共交通期間無制限乗り放題、3日券は10回乗り放題、1週間券は20枚乗り放題。さらに城壁やギャラリーなど8つの施設がフリーパスとなり、レストランやカフェのディスカウントも付く。1日券が150クーナ、3日券が、1週間券が200クーナ、1週間券が250クーナ。

(タクシー)
メーター制。流しのタクシーは一般的ではなく、タクシースタンドから乗るか(旧市街西門前、グルージュ港、ラパッドのホテル地区などにある)、電話などで配車する。
初乗りが25クーナ、以降1kmごとに8クーナ。荷物1つにつき2クーナ。チップは基本不要で、おつりの切り上げ程度でOK。
グルージュ港から旧市街の西門まで乗った場合70クーナ。


ホテル


The Pucic Palace (トリップアドバイザー提供)

ホテルの多くはラパッド地区やバビン・クック地区に位置している。旧市街城壁内にあるホテルは数件しかなく、すぐに予約も埋まる。
ホテルの価格はシーズンによって値段の変動が激しい。たとえば3つ星ランクのホテルが3月なら7千円程度だが8月にはおよそ倍の1万6千円程度になる。中には3倍近くになるという宿もあるが、それでも予約がすぐに埋まってしまうことも。実際、11月~2月頃まではオフシーズンとなり、閉館しているホテルも多い。ホテル代を考えるならピークを外した4~6月、9~10月あたりがねらいめとなる。

ホステル、ゲストハウスならだいぶ手ごろになり、個室が4~7千円台、ドミトリーなら千円台もある。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbならホテルの半額以下で個室が探せる。レビューや立地をよく見てからにしよう。
なお、クロアチアに48時間以上滞在する場合は警察への滞在届が必要。警察署にある所定の用紙(「フォーム8a」)に記入し提出する。ホテルやホステルの場合は施設側が代行してくれるが、Airbnbの場合は手続きをホストが行ってくれるかどうか確認しておいた方がよい。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
クロアチアの大手通信事業者はT-mobile(Hrvatski Telekom)、VIP、Tele2、MVNOのbonbonなど。

VIPのSIMはネット上の情報も豊富で、もっとも旅行者にとって手軽なオプションかもしれない。10日間有効のツーリストSIM(SIM card for your tablet)があり、使い放題で11ユーロ。通話可能なSIM(SIM card for your phone)の場合は通話が0.06ユーロ/分、データが0.01ユーロ/MB。データを1ギガ使えば10ユーロ。

bonbonもツーリストSIMを出している。T-Mobileの電波を使用しておりカバレッジもよい。2015年11月現在で5ギガ6ユーロという格安プランがある。

T-mobileの場合、契約義務のない(Bez ugovorne obveze)プランの「NAJBOLJA MOBILE NET」が2Gで月間89ク-ナ(最大21Mbit/s)。7ギガで159クーナ(最大75Mbit/s)。

Tele2の場合、1ギガのSmartプランが35クーナ、1.5ギガのTotalnaが49クーナ。手数料無料の「Revolucija」の場合は従量制で0.6クーナ/MB。

クロアチアは直行便がないこともあり、欧州の他の国とあわせて巡るという場合も多いだろう。クロアチアで長期滞在するのでなければ、欧州で広く使えるSIMを買うか、欧州周遊対応のWiFiルーターを借りていくのも手。

(WiFi)
ドゥブロヴニクは観光都市であるためほとんどのカフェやレストランがWiFiをそなえている。パスワードがいる場合も多いので、店員にネットワークとパスワード情報を尋ねてみよう。

4. 世界あの街この街: ヘルシンキ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第54回 ヘルシンキ


Hakaniemi Market (トリップアドバイザー提供)

フィンランド共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

北欧デザインやモダン建築などの人気が高まるにしたがい、アクセスが容易なこともあって日本からの観光客は急増中。美しい街並みの散策、雑貨のショッピング、カフェ巡りなどが人気。隣国のエストニア・タリンへの小旅行やオーロラ鑑賞など、ヘルシンキを拠点にしたアクティビティも数多い。

ヘルシンキは各種の暮らしやすい街ランキングや旅行ランキングで上位常連となっている。市内移動もしやすく、街並みはどこを切り取っても絵になる。ヘルシンキ中央駅が街の中心で、周囲にはミュージアムやホテルが集まっている。駅から西側は教会やミュージアム、南側は大聖堂やマーケットなどの名所がひろがる。南西の港をはさんだ向こう側にはヘルシンキのシンボル、ウスペンスキー大聖堂が鎮座している。
Helsingin päärautatieasema to Hakaniemi  Helsinki  Finland   Google Maps
(画像:Google)

ヘルシンキ中央駅は長距離列車・市内交通が交差する街の要。緑の屋根と時計塔が名物。空港からのバスもこちらに停まる。開業1860年と歴史ある駅だが、内部は近代的で案内もわかりやすい。

The Railway Station (Rautatieasema) (トリップアドバイザー提供)

駅を出るとトラムの走る広い通り。赤レンガの古い建物やガラス張りのモダンな建物、ユニークな建物が通りを囲んでいる。

Kamppi Chapel of Silence (トリップアドバイザー提供)

駅から西へむかうとヘルシンキ現代美術館、通称キアズマ(Kiasma)がある。ほっこりイベントから過激な展示まで様々な企画が催されている。ミュージアムショップやカフェも評判が高い。


Museum of Contemporary Art Kiasma (Nykytaiteen Museo) (トリップアドバイザー提供)

さらに通り沿い、北西にむかうと国立博物館。石造りで格式のある建物で、高い尖塔が目印。
石器時代からスウェーデン統治、ロシア統治を経て現在までの歴史が展示されている。キリスト教伝来前のフィンランド神話を描いたフレスコ画が名物。

National Museum of Finland (Suomen Kansallismuseo) (トリップアドバイザー提供)

テンペリアウキオ教会は通称「石の教会」。第二次大戦以前に建造がはじまり、戦後1969年になってようやく完成した。岩を掘りぬき自然光をとりいれる設計がユニークで、景観と反響効果のすばらしさからコンサートの舞台としても使われる。

Rock Church (Temppeliaukio Kirkko) (トリップアドバイザー提供)

駅から東側にむかうとヘルシンキ最大の目抜き通りであるエスプラナード通りへ。石畳に緑が映え、瀟洒なショップが建ちならぶ。マリメッコやイッタラ、ムーミンモチーフの雑貨などがショーウインドウをかざる。

The Esplanadi Park (トリップアドバイザー提供)

エスプラナード通り沿いのヘルシンキ大聖堂および元老院広場はヘルシンキのヘソとも呼べる地点。広大な石畳の広場を見下ろす純白の大聖堂、広場を囲むクラシカルな建物はなんとも趣のある雰囲気。

Helsinki Cathedral (トリップアドバイザー提供)

Senate Square (Senaatintori) (トリップアドバイザー提供)

港沿いに向かうと海や船を背景にカラフルなテントがならぶマーケット広場。真っ赤なベリーやキノコなどの農産物から雑貨屋まで、様々なお店が集まり旅行者のテンションも上がる。屋台も多く出ており、朝食や小腹を満たすのにもいい。食べ歩いてもいいし座る場所も豊富にあるが、食べ物をねらうカモメに注意しよう。大聖堂の階段に座って元老院広場を見下ろしながら食べるのもおすすめ。

Kauppatori (Helsinki Market Square) (トリップアドバイザー提供)

マーケット広場の近くには老舗の食品店、オールドマーケットホールがある。高級百貨店のような趣ある建物の中には生鮮品からデリ、カフェまで様々な店舗が集まっており、ランチにもお土産選びにもよい。

Old Market Hall (トリップアドバイザー提供)

港の向こう側に見える赤レンガと緑屋根の建物がヘルシンキ名物のウスペンスキー大聖堂。
19世紀に完成したロシア正教の教会で、内部の壮麗な装飾がすばらしい。


Uspenskin Cathedral (Uspenskin Katedraali) (トリップアドバイザー提供)

街の南、トラムKolmikulma駅付近はデザイン・ディストリクトと呼ばれている。ミュージアムに加えてインテリアショップ、テキスタイルショップ、雑貨店やギャラリーが集まっておりフィンランドのデザインを概観できる。

Design District (トリップアドバイザー提供)


駅の北東、ハカニエミ(Hakaniemi)は創業100年にもなるヘルシンキの台所。農産品や魚介など旬の幸や生花、テイクアウトのデリをもとめて大勢の人でにぎわう。オープンエアのテーブルで名物のピロシキやスープを味わいたい。

ハカニエミからほど近く、カッリオ地区(Kallio)はエネルギーあふれるリベラルなエリア。もともとは労働者中心のすさんだエリアだったが、再開発によって学生やアーティスト、LBGTなどが集まる流行のエリアに変身をとげた。雑多で少し怪しげな雰囲気が魅力的。

Hakaniemi Market (トリップアドバイザー提供)

市街の北西、シベリウス公園は市民の憩いの場。
深い緑と海のコントラストが美しく、パイプオルガンをイメージしたというモニュメントとあわせてヘルシンキ屈指の写真撮影スポットとなっている。

Sibelius Park & Monument (トリップアドバイザー提供)

スオメンリンナ要塞はヘルシンキ郊外でもっとも人気のある観光スポット。
五稜郭をほうふつとさせる星型の要塞で、ロシアに対するヘルシンキの最終防衛拠点として建造されたが、後にはロシアに接収され逆にフィンランド攻略拠点となるなど数奇な運命をたどった。
現在ではカフェやミュージアムが点在するなごみスポットであるが、往時の大砲や塹壕も残されている。現在でもフィンランド海軍の基地がおかれている。


Fortress of Suomenlinna (トリップアドバイザー提供)


ヘルシンキはマリメッコのお膝元であり、街中にマリメッコショップがある。ただし品揃えの限られた小さなショップも多い。
圧巻のストックをほこるのはエスプラナード通りのフラッグストア、そして郊外のヘルットニエミ(Herttoniemi)にあるファクトリー・アウトレット。アウトレットはマリメッコ本社に隣接していることもあり、なんと一般に開放されている社員食堂がある。もちろん食堂のクロスも什器もマリメッコ仕様。


Marimekko (トリップアドバイザー提供)

フィンランドを代表する陶器アラビア。こちらのファクトリーショップも人気の観光地となっている。巨大な煙突が目印の工場は現役稼働中で、工場見学も催されている。併設ミュージアムでは歴代の代表作やヴィンテージ物を展示している。ショップで買いすぎてもその場で国際発送ができるので安心。

Arabia Factory Shop (トリップアドバイザー提供)


フィンランドで人気のアクティビティといえば、秋~冬に夜空を染めるオーロラ鑑賞。北部のロヴァニエミやサーリセルカはオーロラの名所として知られ、ヘルシンキからのアクセスも比較的容易。


Rovaniemi (トリップアドバイザー提供)


特別編:エストニア・タリン
エストニア共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

ヘルシンキから最も近い外国はエストニア。
首都のタリンはフィンランド湾をはさんでヘルシンキから約85km、フェリーに乗って2時間ほどで着いてしまう。

エストニアはIT先進国として知られ、タリンも近代的なビルが建ち並ぶエリアがある一方、旧市街は中世の街並みが美しく保存されている。ヘルシンキから日帰りも可能だが、物価も安く食のレベルも高いタリンは魅力的な街。ぜひ宿を取って滞在したい。


Tallinn (トリップアドバイザー提供)



Tapahtuma Elamykset (トリップアドバイザー提供)

フィンランドは豊かな自然に恵まれているが、寒冷な気候の影響もありもともと食材のバリエーションはあまり多くなかった。伝統的な食材としてはトナカイやベリー類、ニシン、キノコ、夏に旬を迎えるザリガニなど。ロシアやドイツの影響がつよく、黒パンやライ麦パン、じゃがいも、ミートボールや乳製品の多用が特徴的。ロシアもドイツも美食のイメージはあまりなく、さらに食材が限定的なフィンランド料理の評価はこれまであまり高くなかったといえる。

風向きが変わったのは近年デンマークやスウェーデンを中心にニューノルディック料理のムーブメントが登場してから。
伝統的な素材をアレンジした斬新な料理はフィンランドにも影響をあたえ、洗練されたレストランが次々に登場。EU加盟以降はさまざまな食材が店頭にならぶようになり、食のレベルは急速に高まっている。

気軽な軽食としてはエビやサーモンのサンドイッチ、ピロシキ、タパスやピザなどが人気。市場に行けば様々なストリートフードを味わえる。

フィンランドはアイスクリームの一人当たり消費量が世界トップクラス。濃厚な乳に名産のベリーをあわせたアイスクリームはぜひ味わってみたい。

アルコールはやはりビールが主役。甘くコクのある銘柄が多い。ウォッカやロンケロ(Lonkero)というジンをグレープフルーツで割った缶チューハイ的な飲み物も人気がある。


Restaurant Sarkanlinna (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
成田からフィンエアーおよびJALの直行便がある。いずれも毎日就航で、往路は成田を昼に出て同日の午後着、復路は現地を夕方に出て翌午前着。所要10時間と短く、料金も10万を切るなど手ごろ。多くの場合は直行便がおすすめとなる。
フィンエアーは関空便、セントレア便もある。2016年には福岡便も就航の予定。

乗り継ぎ便ではアエロフロートのモスクワ経由便、中国国際航空の北京経由便、トルコ航空のイスタンブール経由便などが安い。
一部の格安チケットサイトでは、成田からセントレアに行き、フィンエアーのセントレア便に乗り継ぐという裏技的なプランがかなりの安値で出ることがある。

(陸路・海路)
ヘルシンキの場合、陸路はロシア経由になるため一般的ではない。
エストニア、スウェーデン、ドイツとのフェリー路線がある。
メジャーなのはやはりエストニアのタリンやスウェーデンのストックホルム航路。

(パッケージツアー)
ヘルシンキの高いホテル代を考えるとパッケージツアーは検討価値あり。

所要時間の短さからフィンエアーのプランが多く、5日間で9万円程度から(2名参加の1名価格)。
乗り継ぎのより安価なツアーとしてはトルコ航空などで6日間7万円台~というツアーもある。ただし現地滞在は実質3日程度。
フィンエアーと同じく直行便をもつJAL便のツアーはやや高めで、15万円程度から。
ロヴァニエミを周遊するツアーも人気が高く、6日間で12万円~。

(空港)
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HEL)は市街から北に15kmほど。
Skytrax社の2015年度エアポートランキングでは18位となっている。
ターミナルは2つあり、ターミナル1はジャーマンウイングスのベルリン便やスカンジナビア航空のコペンハーゲン便などの中短距離線が多く、ターミナル2はフィンエアーやJAL便などの長距離便が中心となっている。

空港からの足としては、ヘルシンキ中央駅までを結ぶ鉄道(Ring Rail Line)が2015年7月に開通したばかり。現在はバスで駅まで移動する必要があるが、年末にはターミナルへの直接乗り入れ工事が完成する見込み。シングルチケットの場合片道5ユーロ。
バスの場合、フィンエアーシティバス(片道6.2ユーロ)か615番のバス(同5ユーロ)を利用。
いずれの手段でも中央駅まで30分程度。
タクシーの場合、定額タクシーが60ユーロ以上。Uberなら40ユーロ程度。


地理と気候

スカンジナビア半島のふもと、ヨーロッパ大陸の北端に属する(一般にフィンランドはスカンジナビア半島に含まれない)。東はロシア、北にノルウェー、西にスウェーデンと接する。
ヘルシンキはフィンランドの南端に位置し、西のボスニア湾を越えるとストックホルム、南のフィンランド湾を超えるとエストニアのタリンがある。

全土が北緯60度以北に位置するが、暖流の影響で緯度からイメージするほど寒くはない。
ベストシーズンはやはり夏で、5月~8月の間。昼でも20度前後で大変過ごしやすく、5月~7月は白夜で活動時間も長い。高緯度で日射しが強いので対策を。
一方で冬は氷点下やマイナス10度もあたりまえの世界。寒さだけでなく日照も短い(昼の長さはわずか7~8時間)ため、かなり薄暗いイメージ。一方でクリスマスやオーロラ鑑賞など冬ならではの楽しみも多いので、あえてオフシーズンをねらうという手もある。
降水量は年間を通して少ない。

フィンランドと日本の時差はマイナス7時間。日本の正午が午前5時。サマータイムは3月最終日曜~10月最終日曜で、この間の時差はマイナス6時間。

Google Maps
(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はフィンランド語と、スウェーデン語。多くのフィンランド人は英語が話せるものの、街の看板やサインはフィンランド語表記も多い。
通貨はユーロ。1ユーロ=134.1円(15年10月時点)。およそ130~140円と覚えておけばよい。

物価の高さは悩みどころ。何をするにもおおむね東京以上というサイフに厳しい街。
値札は24%の消費税がのった税込み表示となっているので更に割高に感じるかも。

一泊1万円以下でホテルを探すのは難しく、2万円台もザラ。タクシーは初乗りで千円程度。
外食も値がはる。ランチの目安だが、カフェで1500円くらい、レストランなら3千円程度。ディナーでは手ごろな店でも5千円程度。テイクアウトのピザやファーストフードならなんとか千円以内でおさまる。ただし、チップの習慣はないため総額は他の西欧の国と同程度ですむかもしれない。

欧州は物価が高い国でも酒だけは安いことが多いが、フィンランドは例外。ビールも酒税が乗っているため日本以上に高い。スーパーで買えるのはアルコール4.7度までの酒(レベル3以下)のみで、より度数の高いものはAlkoという専門店で購入することになる。
また、公衆トイレは有料が多い(1ユーロ~)。

物価についてはネガティブな話ばかりであるが、救いは水。
ヘルシンキは日本と同じく水道水をそのまま飲める街で、軟水なので日本人のお腹にも優しい。店頭で水を買う場合は1ユーロ程度。

高い消費税は手厚い福祉を実現するために必要とされているが旅行者には関係のない話。一応、1店舗につき1日40ユーロ以上の買い物をした場合には10%~16%分の税が還付される制度がある。ただしホテルや食事は対象外となってしまう。

ユーロはできるだけ日本国内で両替していくのが鉄則。
ただしクレジットカードの通用度が高いので、フィンランドだけを観光するならば現金はそれほど必要ない。現地でユーロを使い切ってしまったら現地でクレジットカードからキャッシングするのがよい。

チップの習慣はほとんどなく、何か特別な用事を頼んだときのみで十分。


治安とビザ

フィンランドは安全なイメージがつよいが、スリや置き引きなどの軽犯罪はそれなりに多い。混雑した場所ではスリグループに注意。特に夏の観光シーズンは被害事例も多くなる。
被害が多く報告されているのはショッピングセンターやホテル、市場、観光名所。
なお、ヘルシンキ市内にいわゆる歓楽街はない(バーやクラブは豊富)。

夜中のヘルシンキ中央駅近辺やカッリオ地区の一部など、人通りの少ない場所や風体のあやしい若者がたむろっている場合もある。市内一部地域ではロシア系のマフィアグループが活動しているとされ、麻薬も蔓延している。ただし旅行者がまきこまれる心配はほとんどない模様。

3ヵ月以内の観光滞在はビザ不要。


市内交通

(メトロ・バス・鉄道・フェリー)
ヘルシンキの公共交通機関は大変充実しており、市街がコンパクトであることもあいまって、クルマやタクシーを使わなくてもなんとかなってしまう。公共交通機関にはトラム、バス、メトロ、近郊電車、そしてフェリーがある。

料金は交通機関にかかわらず共通で、ヘルシンキ市内の場合シングルチケット2.5ユーロ(車内で買うと3ユーロ)、携帯のSMSに配信するチケットが2.4ユーロなど。他にも2時間有効のチケット、夜間チケット、トラム専用チケット、12時間有効のSuomenlinnaフェリーチケットなどがある。60分以内で何度でも乗り降りできる(トラム→バスという移動も可)。
ヘルシンキをまたいでヴァンターなどに向かう場合はRegional2ゾーン、3ゾーンなどまたぐ市の数に応じたチケットを購入しなければならない。ヘルシンキ広域首都圏(ヘルシンキ市とヴァンター、エスポー、カウニアイネン)内のどこでも使える共通シングルチケットは5ユーロ。

旅行者にとって便利なのはデイチケット。1~7日の間で自由に有効期間を設定できる。1日有効で8ユーロ、3日間16ユーロ、1週間32ユーロなど。1日4回以上乗るなら迷わず1日チケットを選ぼう。

なお、乗車時はチケットリーダーでの検札を忘れずに。無賃乗車は80ユーロの罰金。

ヘルシンキカードはさまざまな特典がついたお得なカード。公共交通乗り放題にくわえ、主要なミュージアム(国立博物館、デザインミュージアムなど)や観光スポット(スオメンリンナ要塞など)の入場券、観光案内、レストランやツアー割引などの権利がついている。
24時間有効なヘルシンキ広域首都圏乗り放題カードが44ユーロ~、48時間で54ユーロ、72時間で64ユーロ。ヘルシンキ市内のみ有効なものは24時間で41ユーロと若干安くなっている。

(タクシー)
メーター制で安心して利用できる。流しのタクシーは一般的ではなく、ホテル前や観光スポットなどにあるタクシースタンドから乗るか、電話などで配車する。
初乗りが平日昼間で5.9ユーロ。以降1kmごとに1.55ユーロ(乗客2人までの場合、3人以上なら1.87ユーロ/km)。他にも夜間料金や空港チャージがある。

料金は高いが、チップ不要なのが救い。
スマホで配車、明朗会計で安心なUberもおすすめ。

(レンタサイクル)

This photo of Helsinki is courtesy of TripAdvisor

夏は昼も長く路面も良好なため、自転車を借りるのも楽しい。
ヘルシンキの自転車道は1200キロにもおよび、うち730キロが舗装されているという、自転車乗りにはうらやましい環境。
冬は滑りやすい路面に注意。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。


ホテル


Scandic Paasi (トリップアドバイザー提供)

北欧の例に漏れず、ホテルのレートは高め。
3つ星クラスでも1万円以上、4つ星ランクなら1.5万円、5つ星で2万円オーバーといったところ。冬場の場合、北欧の夜は短く必然的にホテル滞在の時間も長くなる。少しくらい高くても立地といごこち重視で選びたい。
ホステル、ゲストハウスならだいぶ手ごろになるが、それでも個室が5~6千円台、ドミトリーでも3千円を下回るものはほとんどない。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbならホテルの半額以下で個室が探せるが、レビューや立地をよく見てからにしよう。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
フィンランドの大手通信事業者はSonera、Cubio、Elisa、GoMobileなど。
プリペイドはSaunalahti(Elisa回線)、Sonera、DNA、TeleFinland(Sonera回線)の3ブランドがメジャー。

Saunalahtiの場合、プリペイドMAXプラン(Saunalahti Prepaid, maks)の場合は0.99ユーロ/24時間。つまり1週間利用なら0.99×7日=6.93ユーロとなる(筈です…)。3G回線のデータ無制限プラン(Rajoitukseton 3G)が24.90ユーロ。LTEの場合(Rajoitukseton 4G)は29.9ユーロ。他にも回線速度で様々なプランがある。

Soneraの場合、「Easy Prepaid」という音声重視プランが9.9ユーロ、うち7ユーロ分がチャージされている。12ヶ月間有効だがネットは従量制(1.91ユーロ/24時間)。
ネットをガンガン使うのであれば「Prepaid nettikayttoon」(英訳では「Prepaid Internet use」)というデータ無制限プランがある。LTE回線にも対応し、24.9ユーロで一ヶ月有効。

DNAの場合、「DNA Smart Prepaid」が7.9ユーロ。いくつかのプラン(サブスクリプションレベル)があり、通常のPerustaso(Basic Level)の場合は0.69ユーロ/24時間、月間3ギガ。つまり1週間利用なら0.69×7日=4.83ユーロとなる(筈です…)。LTE回線も使える。ネットをガンガン使うのであればHuipputasoプランを選べば無制限となる(0.99ユーロ/24時間)。
「DNA Dataprepaid Tablet 4G」というプランもあり、10ギガで24.9ユーロ。

TeleFinlandの場合、5ユーロで1ギガ、10ユーロで5ギガなど。

(WiFi)
マックなどのファーストフードチェーンはもちろん、個店のカフェやレストランでもWiFiが提供されている。公的機関や公共交通機関でもWiFiマークが掲げてあり、接続に困ることはない

4. 世界あの街この街: コペンハーゲン


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第53回 コペンハーゲン


コペンハーゲンオペラハウス (トリップアドバイザー提供)

デンマーク・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

石畳と歴史ある建物、水と緑がおりなす街並みが美しく、にぎやかながらも落ち着いた雰囲気で北欧屈指の人気都市となっている。色鮮やかなニューハウン地区やチボリ公園のようなクリーンな見どころもあれば、クリスチャニアのようなダークスポットもあり、女子旅にも野郎旅にも対応可能な奥深い都市。

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(画像:Google)

コペンハーゲンの市街はコンパクトで、徒歩でも十分巡れてしまう。ほとんどの見どころは市街を東西にむすぶ大通りストロイエ(Stroeget)沿い。
街歩きはホテルが多く集まる中央駅から。

Central Station (トリップアドバイザー提供)

駅を超えるとコペンハーゲンの中心でありランドマークの市庁舎。高さ105mの塔が堂々と広場を見下ろす。
市庁舎からすぐ、チボリ公園(Tivoli)はコペンハーゲン最大の観光名所の1つ。1843年にオープンした世界でも最初の市民向けアミューズメントパークで、あのアンデルセンも足繁く訪れ、ウォルト・ディズニーもここでディズニーランドの着想を得たという。建物は歴史を感じさせる気品があり、緑や水が効果的に配された園内は美しい。とはいえ懐かし系のほのぼの施設ではなく、絶叫系など最新のアミューズメントマシンも備えており、夜は華やかにライトアップされる。大人から子供まで楽しめるスポット。


Tivoli Gardens (トリップアドバイザー提供)

チボリ公園の隣にあるのはニイ・カールスベア美術館(Ny Carlsberg Glyptotek)。19世紀にカールスバーグの創業家が開いたもので、ギリシャやローマなどの古代美術とロダンやセザンヌなどの近代美術、2つの時代それぞれで世界的なコレクションを誇る。特に彫刻や彫像が豊富で、ロダンは35点を収蔵する。庭園も美しくゆったりなごめる。

Ny Carlsberg Glyptotek (トリップアドバイザー提供)

デンマークの歴史は古く、初代デンマーク王は6世紀までさかのぼる。
国立博物館は先史時代からヴァイキング時代、栄光の中世から現代までを包括するデンマーク最大のミュージアム。
かつては王宮の一部であった建物自体も芸術的。


The National Museum of Denmark (トリップアドバイザー提供)

クリスチャンスボー城(Christiansborg Slot)はかつての王宮跡。12世紀に建造され、以降数度の改築を繰り返してきた。デンマーク最高の格式をほこる建物として、現在は国会議事堂、内閣府、最高裁判所の三権施設がおかれているほか、迎賓館としても使われている。
地下は建造当時の痕跡が廃墟化し、良好な状態で保存されている(建て替え時に偶然発見された)。

Paleis Christiansborg (Christiansborg Slot) (トリップアドバイザー提供)

そして市庁舎から1kmほど続くにぎやかな通りが北欧最大規模のショッピングスポット、ストロイエ(Stroeget)だ。クリスチャンスボー城のすぐ北を通っている。
石畳を歴史ある建物が取り囲む欧州らしい光景で、チェーン店からハイブランドまでが集まるお土産選びにも散策にも便利なエリア。オープンエアのカフェで人通りや大道芸を眺めるのも楽しい。

Stroeget (トリップアドバイザー提供)

高さ35mの円塔(Rundetaarn)はもともと天体観測所として建てられたもの。現在ではれんが造りの外観や市街を見下ろす展望塔として人気のフォトスポットとなっている。

Rundetaarn (トリップアドバイザー提供)

ストロイエを抜けて北東方面、アメリエンボー宮殿(Amalienborg)はかつての貴族の邸宅跡で、4つの棟から構成されている。後に接収され王宮となり、現在でもデンマーク女王・マルグレーテ2世が暮らしている。こちらで有名なのは衛兵の交代式、女王在宮時の毎日正午に実施される。

Amalienborg (トリップアドバイザー提供)

ストロイエの北、広大な庭園の向こうに位置するのはローゼンボー離宮(Rosenborg Castle)。デンマーク王室のコレクションを公開するミュージアムとなっており、王冠や勲章などの宝物が公開されている。邸内も豪華の一言。

Rosenborg Castle (トリップアドバイザー提供)

アメリエンボー宮殿の北に位置するのはデザインミュージアム。手工芸から工業製品まで、地域や時代を超えた広範な展示があり、アジアの美術品も「デザイン」という文脈でコレクションされている。人気の北欧デザインも豊富。建物はかつての市民病院跡で、クラシカルな雰囲気が美しい。併設のカフェやショップも楽しい。

Designmuseum Danmark (トリップアドバイザー提供)


ニューハウン(Nyhavn)は港沿いにカラフルな住宅がならぶ人気スポット。実に写真映えするため、コペンハーゲンの代名詞的光景となっている。その歴史は17世紀にさかのぼり、当時は船乗り、酒場、娼婦などが行き来するあわただしい商業港であった。現在では観光スポットとして住宅がリノベーションされ、レストランやバーが建ち並ぶ。特に陽の長い夏は海と住宅とのコントラストが美しく、ビール片手に散策する住民や旅行者でにぎわう。

Nyhavn (トリップアドバイザー提供)

カステレット要塞はかつてコペンハーゲンを守っていた砦の跡。現在では広大な緑地に彫像が拝された美しい庭園として整備され、市民のなごみスポットとなっている。

Kastellet (トリップアドバイザー提供)

カステレット要塞の先につつましく位置するのが人魚像。かつてはコペンハーゲンのシンボルとして有名であったが、現在ではむしろ世界3大がっかり名所の1つとして知られるようになってしまった(あとの2つはシンガポールのマーライオンとブリュッセルの小便小僧)。像は幾度か破壊されているが、その度に修復・復活している。そういった目で見るとわびさび感もあって意外に悪くない。

The Little Mermaid (Den Lille Havfrue) (トリップアドバイザー提供)


市街の南東側、運河の向こうにひろがるのはクリスチャンハウン地区。歴史的な建物と運河のコントラストが美しい。
この地区を見下ろしているのが救世主教会(Church of Our Saviour)。高さ90mもの尖塔が開放されており、長い階段をのぼると絶景のごほうびが待っている。

Church of Our Saviour (トリップアドバイザー提供)

コペンハーゲンのオペラハウスは4万m2もの広大な面積をほこり、砂岩や大理石で建てられたモダンな建物。外観だけでなく内部も凝りまくっており、メイン観客席の天井は10万5千枚(1.5kg相当)もの黄金レリーフで飾られている。

The Copenhagen Opera House (トリップアドバイザー提供)


特別編・自由都市クリスチャニア
クリスチャニアの旗

(画像:Wikipedia)



Christiania (トリップアドバイザー提供)

クリスチャニアは地下鉄クリスチャンハウン駅から徒歩5分。欧州でも最大規模のヒッピータウンで、海外のガイドブックではコペンハーゲンの観光スポットとしてほぼ筆頭に挙げられている。一方日本のガイドブックでは治安の問題が懸念されあまりおおっぴらに紹介されていない。

1971年にヒッピーが軍の空きバラックを占拠して暮らし始めたのがはじまりで、クルマの入場禁止、非暴力など独自のスローガンを掲げ、自由都市として存続してきた。市当局との対立や和解の歴史を経て、現在ではクリスチャニア基金が一帯および権利を保有している。基金の財源はクリスチャニア・シェアというある種の寄付。シェアを購入しても特になんの権利ももらえないが、パーティーに招待されたりするという特典はある。


(画像:christianiafolkeaktie.dk)

内部はカラフルなペインティングで彩られた家が並び、屋台、ギャラリー、お土産屋などがある。
ドラッグはコペンハーゲンの法令上禁止となっている。だが、ここはコペンハーゲンではなく自由都市クリスチャニア。どちらの論理が通じるかは行ってみなければわからない。なお、クリスチャニアの論理でもハードドラッグは禁止である。

Christiania (トリップアドバイザー提供)

写真撮影が禁止されているエリアもあり、昼でも売人が集う通りもある(その名もプッシャー・ストリート)。入り口に掲げられた注意事項をよく読んで、内部の論理を尊重して行動したい。

Christiania (トリップアドバイザー提供)


デンマークは1940年から45年までナチスドイツの占領下にあった。
当時の様子を示すミュージアムや史跡が残されている。

ユダヤミュージアムといえばユダヤ人迫害の歴史を伝えるものが多いが、コペンハーゲンではひと味違う。
1939年、当時の国王クリスチャン10世は国土や都市の荒廃を避けるために国境線を越えたドイツ軍に降伏。ただし国王は一筋縄ではいかない人物で、国民と一体となってナチスに対する静かな抵抗を続けた。1943年、デンマーク国民はナチスのユダヤ人収容命令に抵抗、多くのユダヤ系市民を隣国の中立国スウェーデンに脱出させた。この出来事は正義を尊ぶデンマーク人の誇りとなっており、ミュージアムでも展示の主役となっている。国立博物館のそば。

Danish Jewish Museum (Dansk Jodisk Museum)


中央駅からわずか2駅、Enghave駅近くにそびえるのはカールスバーグの工場。世界で最初に建てられたカールスバーグの醸造所で、もちろん現役で稼働中。「Visit Carlsberg」というミュージアムが併設されており、ビールの歴史を学んだり、生産プロセスを学んだり、試飲したり、試飲したり、試飲したりして楽しめる。

Visit Carlsberg / Carlsberg Visitor Centre

フレデリクスボー城(Frederiksborg Palace)は市街の北西40kmほどの場所にある。幾度かの改築を経ており、現在の建物は19世紀にビール王カールスバーグ家の援助で再建されたもの。重厚な建物だけでなく、バロック様式の優美な庭園で知られている。
現在では歴史ミュージアムとなっており、絵画や彫刻など王室のコレクションも公開されている。


Frederiksborg Slot

クロンボー城(Kronborg Castle)はデンマークで最も有名な城。ハムレットに登場する城のモデルとして知られ、夏にはハムレットの野外劇が上演される。王の居城でもあり、海峡を監視する砦でもあった。建物は優雅さを保ちつつも、張り巡らされた堀や大砲など軍事史跡としての威容を誇っている。コペンハーゲンの北およそ30km、鉄道でも1本、バスで1時間程度。

Kronborg Castle

ARKEN近代美術館(ARKEN Museum of Modern Art)は市街の西20kmほどにある。
ダミアン・ハーストやグレーソン・ペリーのコレクションで知られ、展示物から建物そのものまでとにかくスタイリッシュ。某観光情報サイトでも名だたるミュージアムをおしのけてコペンハーゲンのトップにランクされるなど、観覧者の評価はきわめて高い。

Arken Museum of Modern Art (トリップアドバイザー提供)

コペンハーゲンから西に40kmほど、デンマーク発祥の地ともされる古都ロスキレは壮麗な大聖堂で有名。

Roskilde Cathedral (トリップアドバイザー提供)

しかし、この地で大聖堂以上に評価が高いのはヴァイキング船博物館。
発掘されたヴァイキング船の実物展示や上映、体験コーナーなど、大人も子供も楽しめる施設として人気がある。併設のカフェで名物のフィッシュケーキを味わおう。

Viking Ship Museum (トリップアドバイザー提供)



Voulez Vous (トリップアドバイザー提供)

デンマーク産のチーズや豚肉は日本でもおなじみ。デンマークは酪農王国で、乳製品と豚肉が名高い。海の幸にも恵まれており、地元のニシンやサーモン、ウナギなども食卓にのぼる。
隣接するドイツ料理の影響が大きく、ソーセージやライ麦パン、ジャガイモを多用する。伝統的なデンマーク料理は煮込みやグリルなどシンプルな調理法が多い。

名物料理は豪華なオープン・サンドのスモーブロー。具材はハムやソーセージ、レバーペースト、チーズや魚のマリネなど多種多様。さらに白パンやライ麦パンなど多くの組み合わせがある。美しく盛りつけられたサンドイッチに軽食のイメージはなく、芸術的なよそおい。

北欧はプロテスタントの影響力が強く美食には遠いイメージもあったが、近年は地産食材に着目した新たなムーブメントが生まれている。その代表格が世界一の称号を得たコペンハーゲンのレストラン「ノーマ」。地元の食材をコンセプチュアルに調理するというアイデアが評価され、予約待ちのリストは数万人分ともいわれる。

飲み物はビールが主役で、日本にも輸入されている軽い飲み口のカールスバーグの他、どっしりとした地ビールも多い。
じゃがいもからつくった蒸留酒のアクアビットも味わってみたい。


Noma (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
成田からスカンジナビア航空の直行便がある。往路は水曜日以外毎日、復路は火曜日以外毎日就航。成田を昼に出て同日の夕方に着くので便利。所要11時間、13万円~。

乗り継ぎ便ではカタール、エミレーツなどの中東系が安く7万円を切ることもあるが、乗り継ぎの所要時間はかなり長い。
価格と所要時間のバランスがいいのはアエロフロートのモスクワ経由便、KLMオランダのアムステルダム経由便、フィンエアーのヘルシンキ便など。いずれも所要14時間程度で10万円を切る。

(陸路)
鉄道でもバスでもドイツ経由が主流。
価格はドイツからのLCCの方が安いこともしばしば。
鉄道の場合はハンブルグからの直行便(高速鉄道ICE)が所要5時間程度
Euroline社の国際バスの場合、ベルリンから所要8時間程度。

(パッケージツアー)
中東系のエアラインを使ったツアーが安く、カタールやエミレーツ利用で5日間の場合6万円台という激安ツアーもある(2名参加の1名価格)。ただしドーハやドバイでの乗り継ぎがあるため現地は実質1~2日と過酷なスケジュール。まともに観光時間がとれるスカンジナビア航空便ツアーなら14万円程度(同)が相場となる。

北欧の人気都市、ヘルシンキやストックホルムを周遊するツアーもある。こちらは日程的にフィンエアー利用が多い。6日間で10万円~。

いずれもコペンハーゲンの高いホテル代を考えると検討価値は高い。

(空港)
コペンハーゲン国際空港(CPH)は市街中心部の南東7kmほどと近い。地名をとって通称カストラップ(Kastrup)空港とも呼ばれる。
1925年開港の歴史ある空港だが、建物はモダンで機能的。スカイトラック社のエアポートランキングでも上位に位置する。
ターミナルは1~3まであり、1は国内線、2と3が国際線。ターミナル3が最も新しい。KLMオランダのアムステルダム便、フィンエアーのヘルシンキ便はターミナル2。スカンジナビア航空の成田直行便は3を利用する。

空港のターミナル3と鉄道が直結しており、コペンハーゲン中央駅まで15分程度。料金はシングルチケットで36デンマーククローネ(660円程度)。
メトロもターミナル3と直結。市街まで15分程度。料金は同じく36デンマーククローネ。
タクシーの場合は300デンマーククローネ程度。


地理と気候

欧州のドイツに接するユラン半島とスカンジナビア半島の間、バルト海には多くの島々がある。デンマークはユラン半島と島々から成っており、コペンハーゲンが位置するのはスカンジナビア半島にほど近い(橋も架かっている)シェラン島の東。

北緯55度とアラスカや樺太の北端にあたる高緯度だが、暖流の影響で緯度からイメージするほど寒くはない。とはいえ冬は昼でも氷点下のこともあるなどそれなりの対策は必要。

ベストシーズンはやはり夏、6月~8月の間。昼間は過ごしやすく白夜で活動時間も長い(昼の長さは17時間ほど)。高緯度で日射しが強いので対策を。
降水量は年間を通して少ないものの、天気は変わりやすい。冬は寒さだけでなく、日照も短い(昼の長さはわずか7~8時間)ためかなり薄暗いイメージ。

デンマークと日本の時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。サマータイムは3月最終日曜~10月最終日曜で、この間の時差はマイナス7時間。

Google マップ
(画像:Google)


言語と通貨

公用語はデンマーク語。多くのデンマーク人は英語が話せるものの、街の看板やサインはデンマーク語表記が多い。

通貨はユーロではなくデンマーククローネ(DKK)。1デンマーククローネ=18.1円(15年10月時点)。およそ20円と覚えておけばよい。


(画像:Wikipedia)

物価の高さは悩みどころで、何をするにもおおむね東京以上。安いのはビールぐらいというサイフに厳しい街。
ホテルは3つ星で1.5万円~、中級ホテルで2万円代もザラ。タクシーは初乗りで800円程度。特に高いのは外食で、レストランなら25%の税金と15%のサービス料がのるため自動的に4割増しとなる。ランチの目安はレストランなら3千円程度、ディナーでは手ごろな店でも5千円は下らない(それでいて内容は結構しょぼかったり…)。テイクアウトのサンドイッチやファーストフードならなんとか千円以内でおさまる。

高い消費税は手厚い福祉を実現するために必要とされているが旅行者には関係ない話。一応、1店舗につき1日300デンマーククローネ以上の買い物をした場合には19%の税が還付される制度がある。ただしホテルや食事は対象外となってしまう。

日本国内でデンマーククローネが両替出来る場所は限られ、レートも不利。
クレジットカードの通用度が高いのでなるべくカードを使い、現金は現地でクレジットカードからキャッシングするのがよい。再両替レートは悪いので、なるべく使い切ってしまおう。

物価の高さは料金にサービス料が含まれているためでもある。そのためチップの必要はほとんどなく、何か特別な用事を頼んだときのみで十分。


治安とビザ

欧州の中では安全とされているが、やはり外国。犯罪の発生率自体は日本を大きく上回る。
旅行者がよく巻き込まれる犯罪としては、スリや置き引きなど。空港やコペンハーゲン中央駅、安ホテルのロビーやレストランでは身辺に注意すること。
ナイトスポットやクラブ近辺では薬物中毒者やギャングなども出歩いている。

特に夜~早朝の中央駅西側ホテル集中地区、線路沿いの西南、長距離バス発着場やハルム広場の南側などが要注意。陽が落ちれば人通りも少なくなり、スリの被害が多くなる。
クリスチャニアではエリアのルールを守り、なるべくツアーでの行動をおすすめしたい。エリア内では大麻をはじめとしたドラッグが公然と流通しているが、くれぐれも好奇心で手を出さないように。日本の大麻取締法には国外犯処罰規定があり、旅先での一服ももちろん違法。

90日以内の観光・出張滞在はビザ不要。


市内交通

コペンハーゲンの観光名所はかなり集中しているため、徒歩か自転車でなんとかなってしまうかもしれない。公共交通としてはメトロ、バス(水上バス)、鉄道がある。

ミュージアム巡りが目的で子連れなら、72のミュージアムやアトラクションが無料となり、バス、鉄道、メトロに乗り放題となるコペンハーゲン・カードを検討してもいいかも。24時間有効のカードが48ユーロ、48時間で67ユーロ、72時間で79ユーロ。大人1人につき10歳未満の子供2人までがタダとなる。

(タクシー)
メーター制で、安心して利用できる。英語で問題ない。
初乗りは38クローネ(電話で配車した場合)。1kmごとに昼間およそ15クローネ、夜間19クローネ追加。メーター料金は消費税とチップ込み。

(メトロ・バス・鉄道)
すべて料金は共通体系、欧州に多いゾーン制で、市内がかなり細かく区切られている。
市の中心部はゾーン1、周辺はゾーン2か3が割り当てられている。空港はゾーン4に属する。
チケットはシングルチケット、回数券、1日/3日有効のシティパスなどオプションが多く、何が得なのかわかりにくい。自転車を借りるならシングルチケットか回数券、自転車を借りないならばシティパスが便利かもしれない。
シングルチケットと回数券は時間内でのバス・メトロ・近郊鉄道(エスト-)間の相互乗り換えが可能で、1~3ゾーンなら1時間以内、4~6ゾーン以内なら1時間半以内。

改札はなく、チケットは乗車時に黄色いマシンで時刻を記録しなければならない。忘れると無賃乗車扱いで高額の罰金を課せられる。

(鉄道)
鉄道路線は中央駅を中心に拡がっている。
近郊鉄道はエスト-(S-tog)と呼ばれ、赤字に白抜き文字でSのマークが目印。郊外に向かうだけでなく市内にも駅が多く、メトロとチケットも共通。

(レンタサイクル)
Pendlercyklen
(画像:Bycyklen)

欧州の諸都市と同じく自転車にやさしい街コペンハーゲン。街のサイズも自転車移動にぴったり。
路面には自転車専用レーンがもうけられており、市内交通の主役といった趣。
旅行者でも使いやすいレンタルサービスが「Bycyklen」。ネットで登録することで街中のレンタルステーションにある自転車を利用できる。GPSナビ付の白い電動サイクルはスタイリッシュ。料金は1時間25デンマーククローネ。月極の場合登録料70クローネで1時間あたり6クローネになる。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。コペンハーゲンにはかなり多くの登録者がいる。


ホテル


Scandic Palace Hotel (トリップアドバイザー提供)

北欧の例に漏れず、物価も高いがホテルも高め。ホテル供給は決して少なくないが、人気都市であるためレートは高止まりしている。
3つ星クラスでも1万円以内で探すのはかなり難しく、2万円レベルもザラ。ホステル、ゲストハウスならだいぶ手ごろになるが、それでも個室が5~6千円台、ドミトリーでも3千円を下回るものはほとんどない。
ホテルは中央駅の西~北側に集中している。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbならホテルの半額以下で個室が探せるが、レビューや立地をよく見てからにしよう。



ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
デンマークの大手通信事業者はBiBoB、Call me、Fullrate、Telenorなど。プリペイドは3 DK(香港でおなじみ)、OiSTER Mobile、One Mobile、Labaraなどが多い。

3 DKの場合、月間10ギガで99デンマーククローネなど。
OiSTER Mobileの場合、月間1ギガ49クローネ、5ギガ69クローネなど。
One Mobileの場合、月間1ギガ50クローネ、4ギガ100クローネ、20ギガ200クローネなど。
Labaraの場合、2ギガで月間49クローネ、4ギガ79クローネなど。

(WiFi)
レストラン、カフェ、公共交通機関などWiFiの場所は豊富にあり、接続に困ることはない

4. 世界あの街この街: ミュンヘン


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第52回 ミュンヘン

ミュンヘンの旅行ガイド
ミュンヘン (トリップアドバイザー、4Corners提供)

ドイツ連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

石畳と中世の建築、モダンな近代建築が立ち並ぶ街並みは美しい。大都市ながらのんびりとした雰囲気で、「世界住みやすい街ランキング」では上位の常連。世界レベルのミュージアムなど派手な見所にも事欠かないが、実はのんびり街歩きが似合う。オクトーバーフェスの時期には世界から観光客が集まり大量のビールが消費される。
アルペン街道観光の拠点としても重要で、トレッキングやウインタースポーツの楽しみも。

München Central Station to Theresienhöhe 16  80339 München  Germany   Google Maps
(画像:Google)


空港から近郊鉄道Sバーンでミュンヘン中央駅に降り立つと、ホテル街がひろがる。駅前のカールス門(Karlstor)とマリエン広場(Marienpl)を結ぶノイハウザー通り(Neuhauser)がミュンヘン一の繁華街。デパートやカフェ、レストランが軒を連ねている。

Karls Gate (Karlstor) (トリップアドバイザー)

9 Karlspl.   Google Maps
(画像:Google)

数々のショップやレストランに囲まれ、音楽とパフォーマンスで賑やかなマリエン広場を見下ろすのが市庁舎。
どこからどう見ても歴史的建造物にしか見えないが、現役の市庁舎として利用されている。建物自体が観光名所化しており、からくり時計が稼働する朝や夕方にかけて特ににぎわう(夕方は3~10月のみ)。エレベーターで塔に昇ることができる。
夜は建物がライトアップされ荘厳な雰囲気に。

Marienplatz (トリップアドバイザー)


New Town Hall (Neus Rathaus) (トリップアドバイザー)

マリエン広場から南側、ミュンヘンで最も知られた市場がヴィクトアーリエンマルクト(Viktualienmarkt)。新鮮な野菜や果物からハムやチーズなどのデリカ、さらにはお土産まで豊富にそろっており、屋台やビアガーデンもある。焼きソーセージを片手に昼からビールをたのしみたい。


Viktualienmarkt (トリップアドバイザー)

ホフブロイハウスは世界で最も有名なビアホール。ここ数年では日本でも各所でオクトーバーフェストが催されているが、ホフブロイハウスのジョッキを提供していなければモグリ。そのくらいにミュンヘン=オクトーバーフェストを代表するビールとなっている。もともとは王立の醸造所で、開業はなんと16世紀。1920年にはヒトラーがナチス党の旗揚げ演説をしたというエピソードもある。現在でも公営で運営されており、重厚な建物は雰囲気たっぷり(建物は空襲後再建されたもの)。
内部は三階建ての広大な空間、昼夜をとわず人々が杯を傾けている。

Hofbrauhaus Munchen (トリップアドバイザー)

センドリンガー通り(Sendlinger)沿いにたたずむ小さいながらも異様な迫力のある建物はアザム教会。18世紀にアザム兄弟が自宅敷地に建てたもので、あまりのゴージャスさに一般開放を余儀なくされたという気の毒な経緯のある建物。内部はあらゆるすき間をうめつくすような偏執的バロック装飾にみちており、ミュンヘンで最も印象に残るスポットという評もあるほど。

Asam’s Church (トリップアドバイザー)

ドイツの科学は世界一イイイ!
当然科学関連のミュージアムも気合いが入りまくっている。ミュンヘンにある科学博物館はその名も「ドイツ博物館」。
イーザル川の中州にそびえ立つ巨大ミュージアムで、5.5万平方メートル(上野国立科学博物館の約4倍)もの広大な敷地に10万点もの展示をおさめるという(同約7倍)。ドイツのみならず世界の科学博物館の頂点に位置する権威をもち、ライト兄弟の発明した世界初の飛行機やUボートなど人類史に残るような貴重な展示ばかり。科学への興味関心を啓蒙することを重視しており、多くの展示は実際に触れたり映像や模型で説明がされたりとユニーク。理系人間なら通いっぱなしになるだろう。

Deutsches Museum (トリップアドバイザー)

Munich_-_Deutsches_Museum_-_07-9908
(画像:Wikipedia)

かつてミュンヘン(バイエルン王国)を治めたヴィッテルスバッハ家の王宮。現在ではレジデンツと呼ばれ一般開放されており、かつての豪華なくらしぶりを伝えている。こちらも広大な建物で、外観はシンプルだが内部はゴージャスの一言。えんえんと続く丸天井の通路や祖先画の展示が有名。

Munich Residence (Residenz Munchen) (トリップアドバイザー)

ミュンヘンの代表的な美術館としては、15世紀以降の絵画を集めたアルテ・ピナコテーク(Alte Pinakothek)、19世紀~20世紀初頭の作品を集めたノイエ・ピナコテーク(New Pinakothek)、そして現代芸術のモダン・ピナテコーク(Pinakothek der Moderne)があり、いずれも隣接している。アルテ・ピナコテークは世界でも最古の公共美術館の1つとされ、デューラー、レンブラント、ルーベンスといった画家の名品を収蔵している。時代的なこともあり宗教画が多い。ノイエ・ピナコテークはゴッホ、モネ、セザンヌといった近代絵画を対象としており、「ひまわり」もこちらの収蔵。モダン・ピナテコークはデザインから映像まで幅広い分野を展示している。

New Pinakothek (トリップアドバイザー)


Pinakothek der Moderne (トリップアドバイザー)


市街地から北西、ヴィッテルスバッハ家の離宮として建てられた建物がニンフェンブルク宮殿(Nymphenburg Palace)。トラムの駅を降りると離れとは思えぬ巨大な宮殿が目に入ってくる。広い芝生の庭園には色とりどりの花が植えられ、白鳥がおよぐ湖の向こうには均整のとれた優美な建物。
内部はさらに現実ばなれしており、豪華な居室やギャラリーなど圧巻の内容。


Nymphenburg Palace (トリップアドバイザー)

市街の北、オリンピック公園の近くにあるのがBMWの博物館「BMWワールド」。BMWファンやオーナーはもちろん、そうでない人も欲しくなってしまう展示とさすがのホスピタリティ。カフェやギフトショップも充実している。

BMW Welt (トリップアドバイザー)


さて、本コーナーではおなじみの軍事史跡・ミュージアム紹介。
実はミュンヘンはナチスこと国家社会主義ドイツ労働者党のお膝元。前述通り結党宣言はミュンヘンであり、党本部もこの地にあった。

マリエン広場の南、シナゴーグに隣接するのはユダヤ博物館。
2007年にオープンしたばかりのモダンな建物で、中世から第二次大戦後までの迫害の歴史が紹介されている。

Jewish Museum Munich (トリップアドバイザー)

アルテ、ノイエ、モダン・ピナテコークの3ミュージアムのほど近くにあるのはNSドキュメントセンター。NSは国家社会主義(National Socialism)の略で、連合軍によるミュンヘン開放から70年目、今年の5月に開館したばかり。
展示は第1次大戦から戦後の再建までを対象としており、膨大な資料によってナチス時代を総括している。
なお、建物はナチス党本部跡に建てられており、隣にあるミュンヘン音楽大学はかつてのヒトラー総統官邸であった。

NS-Dokumentationszentrum Munchen (トリップアドバイザー)

ミュンヘン市街から北西に15km、ダッハウ強制収容所(Dachau)はドイツで最初に建てられたユダヤ人収容施設。1933年に稼働開始、開放される1945年までにユダヤ人や政治犯をおよそ20万人収容。最終的にこの地で亡くなった人は4万人以上とも言われる。

Dachau Concentration Camp (トリップアドバイザー提供)


オクトーバーフェストはミュンヘン最大のお祭りで、かつ世界でも最大規模のイベントとなっている。毎年9月後半から10月初め(10月の第1日曜日を最終日とする16日間)に催され、期間中の来場者数は650万人にもおよぶ。
会場のテレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)は中央駅から南西方向にある巨大な公園で、面積は東京ドームおよそ9個分。この広大な空間がサーカス並みの巨大テントや人々で埋まり、明治神宮の初詣も真っ青の大混雑となる様は圧巻。夕方以降、いい感じに酔っ払った客と音楽、踊りが渾然となり祭りは最高潮をむかえる。

Theresienwiese (トリップアドバイザー提供)


アルペン街道はドイツ南部のリゾートを巡る観光街道で、ロマンチック街道との交差点となるフュッセンやヒトラーの別荘ベルヒテスガーデン、狂王ルートヴィヒ2世によるヘレンキームゼー城やリンダーホーフ城など多くの見どころがある。
いずれもクルマを借りるか現地ツアーの活用がおすすめ。

Berchtesgaden National Park (トリップアドバイザー提供)


Schloss Herrenchiemsee (トリップアドバイザー提供)



Zum Durnbrau (トリップアドバイザー提供)

ミュンヘンといえばソーセージとビール。
中でも有名なのは白いソーセージのヴァイスヴルストや四角いパテ状のレバーケーゼ。他にも焼きソーセージ、豪華なローストポークのシュヴァインスブラーテン、豚すねを豪快にローストしたシュバイネハクセなど肉のうまみをシンプルに味わう料理がおすすめ。他にも肉団子のスープや巨大なラビオリなどがバイエルン名物。
さっぱり系では、マリネ類や秋の味覚白アスパラガス、キノコ類などが名物。
オバツタはカマンベールでつくったチーズディップで、プレッツェルに塗って食べればビールを持つ手がとまらない。

ビールはミュンヘン観光最大の楽しみ。フルーティーな小麦のビールから濃色ビールまでバラエティは幅広い。ビールのビアガーデンでは1リットルとかとんでもない量のジョッキしかないこともある。生ビールならシュニット(Schnitt)と注文すると、少し(250ml程度)だけ注いでくれることもある。

ミュンヘンでは肉や酒をワシワシ食べまくるイメージがあるが、ベジタリアンも多い。たっぷりのサラダや滋味深い豆のスープなど、疲れた胃を休めるにはいいかも。


Wirtshaus Ayingers (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からドイツ行きの直行便は複数あり、ミュンヘン便は羽田からルフトハンザおよびANAが毎日就航している。日本を昼に出て現地着は同日夕方と利便性もよい。復路はルフトハンザが夕方発で翌午前着、ANAは夜発で翌夕方着となっている。値段は繁忙期でなければ11~12万程度とお得感も高い。

羽田からは他にフランクフルト直行便があり、成田からもフランクフルト直行便、デュッセルドルフ直行便がある。関空および名古屋セントレアからはそれぞれルフトハンザのフランクフルト便がある。
なお、名古屋国際空港セントレアとミュンヘン国際空港は姉妹空港提携を結んでいるが、互いを直接結ぶ路線はない。

乗り継ぎ便はモスクワ経由のアエロフロート、アブダビ経由のエディハド、北京経由の中国国際などが安く、6万円台もある。

(パッケージツアー)
カタール航空やエミレーツなど中東系をつかったツアーは安く、時期によっては6日間で6万円というプランも見つかる。ANAやルフトハンザ直行便利用の場合は10万円程度。
いずれも航空チケット代より安いものもあり、検討価値は高い。

(空港)
ミュンヘン国際空港(MUC)はミュンヘン中心部から北東30kmほどに位置している。フランクフルト空港とならぶドイツの玄関口であり、ヨーロッパを代表するハブ空港となっている。開港は1992年、2003年にはターミナル2が開港し、さらに2006年にはターミナル1とターミナル2をつなぐ複合施設ミュンヘンエアポートセンターがオープンした。空港の評価は非常に高く、SKYTRAXによるエアポートランキングでは欧州でトップ、全世界でも上位の常連となっている。

ターミナル1はエアベルリンやジャーマンウィングス、フィンエアーやエールフランス、カタールなどスターアライアンス以外の航空会社が乗り入れている。
ターミナル2はルフトハンザおよびスターアライアンス勢で、日本からの直行便はこちらに到着する。機能的かつ快適な設備から利用者の評判が高く、トランジットの最短所要時間は30分であるという。
広大なミュンヘンエアポートセンターには免税店やレストランはもちろん、クリスマスマーケットをはじめとした各種のイベントが開かれており、飛行機に乗る予定がなくても楽しめる。世界で唯一、空港内で醸造されたビール「エアブロイ(Airbrau)」はぜひ味わっておきたい。

空港からは近郊鉄道SバーンのS1線およびS8線が市街に通じている。ミュンヘン中央駅まで45分程度、108ユーロ。タクシーの場合は所要40分、70ユーロ程度。


地理と気候

ミュンヘンはドイツの南、バイエルン州の州都。北緯48度で樺太や千島列島と同じ緯度に属する。
寒暖の差が大きい大陸性気候。12月~1月は昼でも氷点下となる日もあり、雪も降りやすい。夏はおおむね20度台の気温で過ごしやすい。
冬の寒さが厳しいため、4月頃から10月頃までがおすすめ。ベストシーズンは夏の6月から9月頃まで。オクトーバーフェスなら9月後半から10月初め。
冬のイベントとしてはドイツ名物のクリスマスマーケットがあり、この時期を目当てに訪れる観光客も多い。

時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。3月の最終日曜から10月最終日曜までサマータイムで、時差はマイナス7時間となる。日本の正午が午前5時。


(画像:Google)


言語と通貨

ドイツではおおむね英語が通じる…とされているが、ミュンヘンではやや通じる率が低い模様。それでも、旅行者が行くような店や施設にはほぼ必ず英語がわかる人がいるので問題はない。

通貨はユーロ(EUR)。1ユーロ=134.7円(15年10月時点)。
概ね1ユーロ=150円と覚えておけば使いすぎることはない。

物価はドイツの中でも高い方、おおむね日本並みと考えていればよい。
ホテルは3つ星クラスで1万円程度。
外食は、ランチが安食堂やサンドイッチで4~5ユーロ、レストランなら日本より高めで8ユーロ~。カフェが4ユーロ程度。タクシー初乗り3.5ユーロ。水500mlで1ユーロ程度。
商品価格には7~19%の消費税が含まれている。

ユーロへの両替は日本で行っておくのが鉄則。
ドイツは意外に現金主義。クレジットカードはホテルやレストラン、デパートでは問題無く使えるが、ローカルのお店では使えないことも多い(他のお客が使っているように見えてもデビットカードだったりする)。

チップの習慣がある。レストラン・カフェ、タクシー共に10%程度(端数の切り上げでもOK)。ポーターやルームサービスで1ユーロ。


治安とビザ

ドイツの治安は欧州でも良好な方で、のどかなバイエルン州はその中でもさらに安全とされている。ただし犯罪の発生率自体は日本よりもずっと高いので身辺には注意したい。
ミュンヘンの場合は中央駅や空港、ホテルのロビーやビアガーデンなどで旅行者をねらった置き引き、スリの被害が報告されている。

ロンリープラネットでもヤバいと警告されているのはオクトーバーフェスの期間。単純に酔っ払いによるトラブルが増える他、欧州全土からスリ集団が集まり治安が一気に悪化する。特に中央駅や会場付近で被害が多発している。今年の期間中は警察官出動件数が1,092件となっており、うち強盗が5件、傷害が202件、性犯罪が6件も報告されるなど、荒っぽい事案も多い。特に旅行者はパスポートをねらわれやすい模様。

90日以内の観光・出張滞在はビザ不要。


市内交通

(タクシー)
ぼったくりなどは無く、メーター制で安心して利用できる。タクシー乗り場もあるが、流しのタクシーを普通に拾ってよい。
初乗り3.5ユーロ、1km毎に1.8ユーロ(5kmまで)、5kmを超えると1km毎に1.6ユーロ。他にサーチャージ1.2ユーロがかかる。チップは料金の15~20%程度。大きな荷物がある場合や日曜日・夜間の割増あり。
スマホで配車、明朗会計で安心なUberもおすすめ。

(近郊鉄道・地下鉄・トラム・市バス)
Berlin Hauptbahnhof
MVT Munich Tram System (トリップアドバイザー提供)

市内公共交通機関は近郊鉄道のSバーン、地下鉄のUバーン、トラムおよびバスがある。ベルリンなどと同じくゾーン制の共通運賃。ゾーンはさらにリングという区分に区切られている。にほとんどの観光スポットは第1ゾーン内(大人料金)
Sバーン、Uバーンに環状線はなく、中央駅を中心に東西南北に延びる構成。Uバーンは8路線。Sバーンは1~7の7路線に空港線、さらにS20線を合わせて10路線がある。

チケットは、シングルチケットとデイパス、旅行者向けのカードがある。

シングルチケットがいわゆる普通のきっぷ。近距離の場合(S・Uバーン2駅まで、市バス・トラムは4停留所まで)は1.4ユーロ。10枚綴りの回数券(Stripe Ticket)は13ユーロ、1枚当たり1.3ユーロ。1ゾーン内のシングルチケットは2.7ユーロ。乗車前/乗車時に刻印しないと不正乗車となるので要注意。

デイパスは中心部のInner District(white zone)内有効なものが6.2ユーロ、3日間の場合15.5ユーロ。
乗車券の有効区間、有効時間内であれば公共交通機関同士の乗り換え可。

旅行者向けのカードはシティツアーカード。公共交通機関乗り放題に加え、市内70箇所のミュージアムやショップで割引などの特典が受けられる。
Inner District(white zone)内有効な1デイカードが10.9ユーロ。3日間の場合20.9ユーロ。

この他にIsarCardという定期券もあり、こちらは有効なリング区間(要は発駅と着駅)を決めて購入する。決まった地区内を移動するなら最も割安となる。

(鉄道)

Munich Central Station (トリップアドバイザー提供)

ミュンヘン中央駅はドイツの鉄道大国ぶりを実感できる巨大なターミナル駅。Sバーン、Uバーンといった市内交通に加え、国内の主要都市やアルペン街道の諸都市間の鉄道、さらにはオーストリアやチェコ行きの国際鉄道などが集中する交通の要。

(レンタカー)
「郊外に出たい」「アウトバーンを走りたい」、そんな時はレンタカーも選択肢。
フォルクスワーゲンゴルフを24位時間借りた場合の相場は6000円程度、7人乗りのフォルクスワーゲン・トゥーランで1万5千円程度。オートマ車は少ないので希望なら早めに手配を。

なお、アウトバーンが最高速度無制限なのは規制・標識がない区間だけで、推奨速度は130km/h程度となっている。

(レンタサイクル)

Discover Munich with Lenny’s Bike Tour (トリップアドバイザー提供)

ドイツの自転車平均購入単価は自転車大国として有名なオランダをも上回るという。ミュンヘンはその中でも「自転車都市」を高らかに宣言しており、標識や自転車専用路も充実している。市内は石畳の道が多いので、ロードよりもハイブリッドやサス付が便利。
レンタルの相場は1日15ユーロ程度。また、ドイツ中の主要都市にはドイツ鉄道(DB)運営のレンタサイクルがある。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。ミュンヘンにも多くの登録者がいる。


ホテル

Hotel Adlon Kempinski
Hotel Adlon Kempinski (トリップアドバイザー提供)

ホテルは中央駅近辺に多く、ゴージャスなホテルからエコノミークラスからまでそろっている。ホテル代は3つ星クラスで1万円程度、4つ星でも1.5万と欧州の都市の中では比較的割安な部類。ゲストハウスならドミトリーが2千円~、個室が4千円~といったところ。

オクトーバーフェスのシーズンは予約でいっぱいになり、レートもかなり高め。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ドイツの大手通信事業者はMobile、Vodafone、O2など。加えてFONIC、Congstar、O.TEL.O、blauworld、LabaraなどMVNO(回線利用業者)が無数にある。

ドイツを拠点とする最大手T-Mobileの場合、月間500メガバイトで7ユーロなど。
Vodafoneの場合、プリペイドの「Mobiles Internet ohne Vertrag」が30日間1ギガで14.99ユーロ、5ギガで34.99ユーロ。
O2の場合、「O2 Go Prepaid」が1ギガ15ユーロ、5ギガで25ユーロ。

MVNOでは以下の通り。
FONICの場合、月間500メガに通話定額で19.95ユーロなど。
Congstarの場合、300分の通話に300メガのデータ付き30日有効プランが9.99ユーロなど。
O.TEL.O、blauworld、Labaraは1ギガ30日有効プランがいずれも9.99ユーロ。

(WiFi)
ミュンヘン市は主要地域で公衆無線LANを提供している。登録さえ不要で簡単に利用でき大変便利。
また、レストラン、カフェなど様々な場所でも無料のWiFiが提供されている。

4. 世界あの街この街: アムステルダム


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第51回 アムステルダム

オランダ・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

運河と風車、橋が織りなす街並みは欧州でも有数の美しさ。移民を多く受け入れてきた歴史と自由な雰囲気も魅力的。欧州でも有数のミュージアム群をほこり、国立ミュージアムやゴッホ美術館など古典の名作から生々しい近代史を紹介するものまで見どころだらけ。
高尚な芸術なんて興味ねーよ!という向きにも安心の裏観光スポットも多く、楽しみ方は奥深い。

アムステルダムはオランダ最大の都市。首都はデン・ハーグとなっており行政施設が集中する。街の構造はわかりやすく、中心となるダム広場を5本の環状水路が取り囲んでいる。
一番内側の運河は「シンゲル(Singel)」、外側5番目の運河は「シンゲル運河(Singelgracht)」とよばれるので区別に注意。
Dam Square to Bloemgracht  Amsterdam  Netherlands   Google Maps


王宮に隣接するダム広場とアムステルダム中央駅を結ぶダムラック通り(Damrak)が街の中心。両替所や安宿なども多く、旅行者にとってのホームでもある。東京駅のモデルといわれる中央駅は見事な建築。歴史を感じさせるダム広場までの通りは実に絵になる。広場には若いカップルや旅行者、大道芸人からちょっと怪しげな連中まで多様な人々が集まる。

Dam Square (トリップアドバイザー提供)

広場から東にむかうとレンブラント・ミュージアムがある。実際の居室を再現しており、有名な作品からデッサンの小品まで数多くのコレクションを展示している。特別展やワークショップ、映像上映などイベントも多い。
近隣にはウォータールー広場(Waterlooplein)があり、青空市場が催される。

Museum Het Rembrandthuis (Rembrandt House) (トリップアドバイザー提供)


Waterlooplein Market (トリップアドバイザー提供)

南西の方角に向かうとミュージアムの集まる広場へ。
途中には世界一美しい映画館と称されるトゥシンスキー劇場がある。は、世界で最も美しい映画館のひとつと言われています。アールデコ調の豪華なつくりは名門オペラハウスのよう。もちろん現役で映画も上映している。

Tuschinski Theater (トリップアドバイザー提供)

シンゲル運河をこえると2つの塔がそびえる国立ミュージアムへとたどり着く。レンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、教科書レベルの名画がずらりとコレクションされているアムステルダム最大の観光名所。

Amsterdam Musee (トリップアドバイザー提供)

Rijksmuseum (トリップアドバイザー提供)

ゴッホ美術館は国立ミュージアムのすぐ南。クラシックな国立ミュージアムと対をなすモダンな建築で、別館は黒川紀章による設計。ゴッホの作品を年代順に収蔵している他、影響を受けたとされる浮世絵やゴーギャン、ロートレックといった同世代の作家の展示もある。油絵200点、デッサン500点、浮世絵500点など充実の品揃え。ミュージアムショップも楽しい。

Van Gogh Museum (トリップアドバイザー提供)

シンゲル運河を東に進むとハイネケン・エクペリエンス。いわゆる大人の社会見学というやつ。ハイネケンの製造工程からアトラクションまでサービス精神もばっちり。もちろん見学の最後にはキンキンに冷えたビールが楽しめる。ビール好きならぜひとも訪れたいところ。

Heineken Experience (トリップアドバイザー提供)

さて、ここから再び中心部へむかって移動。
レジスタンスミュージアムはナチスドイツ時代のオランダと抵抗する市民活動の様子を紹介する施設。戦時下の緊迫した様子を伝える遺物から子供向けの展示までがそろい、旅行者の評価は高い。
ダムラック通りの西側にあるアンネフランク・ハウスと合わせて訪れたい。こちらはアンネ一家が実際に潜伏していた自宅をミュージアムとして公開しているもので、年間来場者数が100万人を超えるというアムステルダムでも屈指のディスティネーション。行列のすごさでも有名なので、事前予約を推奨。

The Resistance Museum (トリップアドバイザー提供)


Anne Frank House (トリップアドバイザー提供)

アムステルクリング博物館、通称「屋根裏教会」はプロテスタントが牛耳っていた時代のアムステルダムに設立された歴史あるカトリック教会。隠れキリシタン寺のオランダ版といったところだが、日本のような弾圧はなかった模様。

Our Lord in the Attic (トリップアドバイザー提供)


ダムラック通りの東側はデ・ワーレン、アムステルダム最大の裏観光名所である飾り窓地区となっている。このエリアは売春合法地帯で、週末は国内外から客が訪れる。外国人には非常に人気があるエリアで、現地ツアーも多い。日本語の案内もちらほらと見かける。
ダムラック通り沿いに鎮座するのはアムスの秘宝館ことセックスミュージアムと売春博物館。どちらも思わず笑える展示からえげつないものまで、濃密な時間が待っている。

Red Light Secrets – Museum of Prostitution (トリップアドバイザー提供)

隠れた人気を誇るのは拷問博物館。こぢんまりとしているが展示内容や照明などおどろおどろしく、場末感もたっぷり。

Red Light Secrets – Museum of Prostitution (トリップアドバイザー提供)

もはや日本での展示は不可能と思われる「人体の不思議展」もこちらでは健在。ダムラック通り沿いにあり、結構にぎわっているのがアムステルダムらしい。


ふたたびほっこりモードへ。
内側の運河・シンゲル沿いはフラワーマーケットとして名高く、通り沿いや船の上が売り物の花で彩られる。街歩きの2日目は運河ツアーに参加するのもおすすめ。アムステルダム中央駅やハイネケン・エクスペリエンス付近に発着場がある。日が落ちると運河に夜景がうつりなまめかしい。

Flower Market (トリップアドバイザー提供)

Exposure Photo Tours, Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

アムステルダムは店じまいがはやめ。たいてい18時に閉まってしまう。ショッピングは早めにでかけよう。


アムステルダムはモダンな建築でも名高い。アイ湾(Het IJ)沿いのウォーターフロント地区、ボルネオ島やジャワ島近辺には個性的な現代建築がそろっており、マニアにはたまらない。

Amsterdam Photo Safari (トリップアドバイザー提供)


Python Bridge (トリップアドバイザー提供)

Ookmeerweg---Google-Maps
(画像:Google-Oklahoma)


せっかくオランダにいったのなら、郊外の名所にも訪れたい。
キューケンホフ公園は市街中心部からおよそ30km。3月半ばから5月半ばの8週間のみ開園する庭園で、地面を埋め尽くすような圧巻のチューリップ畑が有名な人気スポット。

Keukenhof (トリップアドバイザー提供)

アムステルダム市内でも風車を見ることができるが、やはり訪れたいのはキンデルダイク。18世紀に遡る歴史ある風車群で、巨大な19基もの風車を背景に沈む夕陽は絶景。帰りはアムステルダムに戻ってもいいし、ロッテルダムに宿をとるのもいい。



The Mill Network at Kinderdijk-Elshout (トリップアドバイザー提供)



Jacketz Oud-West (トリップアドバイザー提供)


MAX Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

イギリス、ドイツと同じくプロテスタントのお国柄であり、食についてはあまり期待できない…、という評価は過去のもの。
オーガニック食材やファーマーズマーケットなど食への意識は高まっており、伝統的な煮込み料理からアジアンフードまでバラエティも豊か。

オランダ料理に欠かせないのは熟成度の高いソーセージ(サラミ)やチーズ、そしてニシンの漬けもの。野菜の煮込みを添えたりサンドイッチにしたりと素材をいかしてシンプルに味わうことが多い。また、ジャガイモは主食といっていいほど多用される。ムール貝や牛肉のビール煮、濃厚なシチューやザワークラウトなど周辺国ベルギー、ドイツ、フランスの味わいもポピュラー。
移民が持ち込んだエスニックフードも豊富で、特にインドネシア料理のレベルは高い。

隣国ベルギーと同じくビール大国で、ハイネケンのお膝元でもある。ライトなものから度数の高いもの、濃厚な味わいのものまで数多くそろっている。

コーヒーも名物で、そもそもインドネシアにコーヒーを持ち込み一大産地としたのはオランダ人。市中には歴史あるカフェも多い。
なお、アムステルダムのカフェはコフィーハウス(Koffiehuis)、コーヒーショップ(Coffeeshop)は大麻ショップを指すのでご注意(ということくらい、アムステルダムに行こうとしている方なら常識ですよね…)。

(画像:柳下毅一郎)


日本からの行き方

(空路)
なんといっても便利なのはKLMオランダ航空による直行便。
成田・関空から毎日運航している(成田の火木土日は1日2便)ほか、福岡からも運航している。いずれも日本を午前に出発し同日午後3時頃到着(成田の2便目は午後発19時着)。
料金も安く、燃油込みで10万を切ることも珍しくない。

一方乗り継ぎであれば中東系が安く、エディハドやカタール航空で7万円程度のものも。所要時間は長いものの、日程に余裕があれば検討したい。

(パッケージツアー)
中東系エアラインやトルコ航空を使った比較的安めのツアーが多い。5日間で9万円程度。2人旅なら航空券代とさほど変わらないこともあり、検討価値は高い。

(陸路)
鉄道や高速バスで近隣国から向かうことができる。
ブリュッセルからは高速鉄道でおよそ3時間、フランクフルトからは4時間、ベルリンからは6時間、パリからは3時間と、かなり近い。チェックイン時間や空港移動などを考えると飛行機よりも早いことも。
スキポール空港駅にはアントワープ、ブリュッセル、パリ、ベルリンなどから直接高速鉄道が乗り入れており、都市間の移動も容易。

(空港)
市街の南西、およそ15kmに位置するのがスキポール空港(Schiphol Airport;AMS)。1916年開港と世界でも屈指の歴史をほこり、現在でも利便性と最新設備が評価されている、欧州を代表する名空港である。もちろんKLMオランダのハブ空港となっている。
単一ターミナルで移動がしやすく、欧州各地への乗り継ぎも容易。

空港から市街への移動手段も充実しており、鉄道でアムステルダム中央駅までわずか15分(4ユーロ程度)。
タクシーならおよそ20分程度。料金は大手TCA社の場合中心部まで定額40ユーロとなっている。メーターで行った場合には45ユーロ程度かかるので料金を確認しておこう。
空港からのバス(Amsterdam Airport Express)も安く、料金は5ユーロ程度。主要ホテルを巡るConnexxion社のシャトルバスは17ユーロ。

アムステルダムへの短期滞在なら「アムステルダムトラベルチケット」がお得。空港からの移動と市内交通がセットになっており、1日券が15ユーロ、2日券が20ユーロ、3日券が25ユーロとなっている。空港到着ロビーのチケット&サービスカウンターや観光案内所で購入できる他、市内のホテルや交通局カウンターでも入手できる。
また、「オランダパス」「アムステルダムシティカード」「ミュージアムカールト」という各種のパスもあり、それぞれ適用範囲が異なる。場合によってはパスの内容を使い切れず割高になることもあるので、事前に比較しておこう。




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地理と気候

オランダは西ヨーロッパの北部、ドイツとベルギーに隣接しており、北海に面している。国土の多くが干拓地であり、スキポール空港も海面下にある。
アムステルダムは北緯52度と樺太やバイカル湖にあたる高緯度だが、暖流と都市化のためそれほど寒くならない。冬は昼間5度程度、夏でも20度台で、30度を超えることはあまりない。夏場は夜9時頃まで明るい。

ベストシーズンは5月~8月だが、キューケンホフ公園の開園する3月半ばやチューリップが開花する4月の人気も高い。。
オランダはクリスマスを2回祝う。11月中旬が1回目で、聖ニコラスを記念したパレード。12月になると5日の聖ニコラス祭を経てクリスマスマーケットが建ち並ぶ。

日本との時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。3月最終日曜日から10月最終日曜までサマータイムで、時差はマイナス7時間。


(画像:Google)


言語と通貨

公用語はオランダ語だが、オランダ人はふつうに英語を話す。英語で全く問題ない。

オランダ人(ゲルマン系)がマジョリティであるが、アムステルダムは積極的な移民政策のかいもあって様々な人種が共存している。アフリカ、中東のほか、かつての植民地であるアジアからの移民も多い。
通貨はユーロ。1ドル=136円程度(15年9月時点)。

物価は高め。特に、旅行者3大支出のホテル、外食、タクシー代はいずれも日本より高く感じる。ホテルは3つ星で100ユーロを超える。外食は安くても12ユーロ、タクシーは初乗り7.5ユーロ。
比較的安いのは食料品。長期滞在の場合はキッチン付の宿で自炊するか、テイクアウトの利用でしのごう。

クレジットカードの通用度はそれなりに高く、多額の現金を持ち歩かないという意味からも積極的な利用を推奨。ユーロの両替は日本で行うのが鉄則。
6~21%の付加価値税がかかるが、レシート1枚あたり50ユーロ以上の買い物で還付制度がある。

チップはタクシーに1割程度、レストランも代金の1割程度、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ユーロ程度。サービス料が含まれていれば不要。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

フリーダムな雰囲気から予想できる通り、身辺にはそれなりに注意が必要。
旅行者をねらったひったくり、スリ、置き引き、盗難などの被害は多く、特に大金を持ち歩きがちな日本人はねらわれやすいとされている。
主要な観光地や交通機関、特にダム広場やゴッホ美術館、スキポール空港、アムステルダム駅、駅とダム広場を結ぶダムラック通りなどでスリの被害が多く報告されている、
ダム広場周辺や飾り窓付近はホームレスやキマった連中も多く夜はかなり不穏な雰囲気。写真撮影も控えた方がよい。

なお、マリファナの個人所有(2グラム以内)が黙認されているのはオランダ人に対してであることに注意しよう。日本の大麻取締法は国外での所持をも対象としている。日本人が現地のカフェでブハっとやったらもちろん違法となる。
指定場所以外での屋外喫煙やハード・ドラッグの使用は現地でも違法となり、厳しく取り締まられている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。オランダ出国時にはパスポート有効期間が3ヵ月以上必要。


市内交通

市街はそれほど広くないため、徒歩でもそれほど不自由はない。

(トラム・バス・鉄道・メトロ)

This photo of Park Plaza Vondelpark, Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

公共交通機関が網の目のように張り巡らされており、特にトラムは旅行者にとっても移動にかかせない足。
メトロ・バス・トラムはすべてアムステルダム市営交通会社(GVB)による運営で、チケットも共通。1時間券が2.8ユーロ、1日券が7.5ユーロ。中央駅の正面にGVBのビルがあるので、各種チケット購入はそこで可能。

OVチップカードというプリペイドカードが便利。旅行者は無記名式のものを利用する。カード代は7.5ユーロで、無料利用分は含まれない。5年間有効。電車を利用する場合には20ユーロ以上のカード残高が必要となる。

短期滞在なら上掲の「アムステルダムトラベルチケット」をはじめとした各種パスの検討も。

(タクシー)
ホテルや観光地などのタクシー乗り場に停車している。流しのタクシーは拾えないので注意。「T☆K」というステッカーの貼ってあるタクシーは認定制度をクリアしたドライバーの証であり、安心して利用できる。

初乗りが2kmで7.5ユーロ、以降1kmごとに2.2ユーロ。タクシーを待たせる場合の上限は1時間あたり33ユーロ。おつりの小銭をチップで渡せばOK。

鉄道駅では割り安な相乗りタクシー(トレインタクシー)を利用することもできる。

(レンタサイクル)

Wheely Dutch Bike Tours – Day Tours (トリップアドバイザー提供)

オランダ人の自転車好きは有名で、人口より自転車台数の方が多いともいわれる。国外でもその自転車狂っぷりは変わらず、自転車各国の空港でロードバイクを組み立てている旅行者をみたら高確率でオランダ人とみてもいいほど。
当然市街や交通ルールも自転車にやさしいつくりで、現地で乗らないのはソン。レンタルサービスを活用してライドを楽しもう。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。アムステルダムにはかなり多くの登録者がいる。


ホテルとシーズン


Lloyd Hotel & Cultural Embassy (トリップアドバイザー提供)

ホテルのレートはヨーロッパの標準的な水準で、すなわちやや高め。
3つ星ホテルが1.5万円程度、4つ星なら2万円台となる。
ただし、安宿もそれなりに充実している。ダム広場やミュージアム広場周辺はリーズナブルな宿がそろっている。ホステルなら安いドミトリーで2千円~、個室なら4千円~。

7~8月はハイシーズンで、レートも高めになる。

宿代はオランダ滞在のネックなので、個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
オランダの大手携帯会社は、T-Mobile、KPN、Vodafone、MVNOのLebaraなど。
プリペイドSIMの購入は簡単で、空港や市中の通信キャリアカウンターで購入できる。アクティベートも即時。

T-mobileの場合、10ユーロで200メガ。1メガにつき0.05ユーロ。
旧国営KPNの場合はバリエーションも多く、1ギガで20ユーロ、5ギガで25ユーロなど。
Vodafoneの場合は700メガで15ユーロ、1ギガで18ユーロなど。
NOSの場合、4週間1ギガで12.5ユーロ、8週間2ギガで25ユーロなど。

LebaraはKPNの回線でカバレッジも広く、日本語の情報も多い。500メガで5ユーロ、1ギガ10ユーロなど。

レンタルルーターの場合、一日800円程度。

(WiFi)
多くの欧州の大都市同様に、多くのカフェや公共機関でWiFiが利用できる。

4. 世界あの街この街: リスボン


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第50回 リスボン


Sunset Destination Hostel, Lisbon (トリップアドバイザー提供)

ポルトガル共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

入り江を背景に広がる歴史的建築とモダンな建物がおりなす街並みは美しい。世界遺産級の教会や修道院が建ち並ぶ旧市街を散策してもいいし、ミュージアムに飾られた日本の南蛮屏風から歴史に思いを馳せるのもいい。一日の終わりには地中海に沈む夕日を眺めながらポルトガルワインを。

ポルトガルは輝かしい歴史にいろどられた史跡群や食事の魅力、物価の安さ、なによりも独特のリラックスした雰囲気などが知られるようになり、近年日本からの観光客も急増中。欧州でもミラノやブリュッセルとならぶ屈指の観光都市となっている。
リスボンはポルトガルの首都。どこか懐かしいイメージがあるかもしれないが、300万人もの人口が集中し、中心部の人口密度は東京都やロンドンをもしのぐという大都市である。
Baixa---Chiado--ポルトガル-


リスボンの街歩きは、上り坂できついが入り江沿いからスタートしたい。
地下鉄のテレイロ・ド・パソ駅(Terreiro do Paco)かカイル・ド・ソドレ駅(Cais do Sodre)から北、ロッソ駅(Rosso)方面に向かうとバイシャ(Baixa)通りへ。
通りの周辺はクラシックな街並みとショーウインドウが連なるリスボン一の繁華街。カフェやレストラン、ギフトショップなど地元民や旅人でにぎわう。


Cidade Baixa (トリップアドバイザー提供)

人の多さと坂道、日射しなど歩いているうちに疲労がたまってくることも。
サンタ・ジュスタ(Santa Justa)のリフトという展望エレベーターがあるので、そこから街を一望したらカフェで休もう。

Santa Justa Elevator (トリップアドバイザー提供)

バイシャ通りから北に向かうとリベルダーテ(Liberdade)通りを抜けて巨大なロータリーをもつポンバル侯爵広場へ出る。あたりはホテルやオフィスの集まるビジネス街になっている。ロータリーの更に北はエドゥアルド(Eduardo)VII世公園というよく整備された庭園がある。

バイシャ通りのすぐ西側はバイロ・アルト(Bairro Alto)。
こちらも賑やかなエリアだがどことなく落ち着いた雰囲気で、クラシックな街並みが楽しい。夜はこのエリアの老舗カフェやバーを目当てに人が集まってくる。

Bairro Alto (トリップアドバイザー提供)

史跡も多く残されており、サン・ロケ(Sao Roque)教会は天正遣欧少年使節が滞在した場所。
このエリアで散策した後は、ケーブルカーでサン・ペードロ・デ・アルカンタラ()展望台に上ってみよう。Tripadvisorでも高評価をほこる名所で、クラシックな街並みと海や緑が生み出す絶景をたんのうできる。

Igreja de Sao Roque (トリップアドバイザー提供)


Miradouro Sao Pedro de Alcantara (トリップアドバイザー提供)

一方、バイシャ通りから東に向かうと古びた街並みの続くアルファマ(Alfama)エリアに出る。
細い通りと入り組んだ坂道や石段、赤茶けた屋根の続く通りは絵はがきのよう。勾配がきついのでのんびりめぐりたい。丘の上にそびえ立つ、絵本から飛び出てきたようなサン・ジョルジェ城(Castle of S. Jorge)はリスボン名所の1つ。
城から東に向かうと火曜日と土曜日には有名な泥棒市が催される。アンティークや雑貨などがそろう蚤の市で、見て歩くだけでも楽しい。

Alfama (トリップアドバイザー提供)


Castelo de Sao Jorge (トリップアドバイザー提供)

アルファマから坂を下りて入り江沿いへ。
城壁のような概観とバラ窓が有名なカテドラル、6月には祝祭が開かれる聖アントニオ教会、通称「くちばしの家」と呼ばれる尖った石の邸宅など名物建築が続く。

Se de Lisboa (トリップアドバイザー提供)

入り江沿いを西へ歩くとリベイラ(Ribeira)市場がある。古くからの生鮮市場を改装した施設で、ローカルフードがそろう。鮮魚売場や巨大なフードコートにテンションが上がる。

Mercado da Ribeira (トリップアドバイザー提供)

更に西、国立古美術館(MNAA)はポルトガルで最も格の高いミュージアム。かつての海洋大国時代を彷彿とさせるような数々の美術品が収蔵されている。ボッシュやデューラーなどの著名作品に並んで目玉となっているのが日本美術で、壮麗な狩野派の南蛮屏風や蒔絵の漆器などが所蔵されている。

Museu Nacional de Arte Antiga (トリップアドバイザー提供)

再び東側、中心部に向かって戻ると夕陽の時間。
街を見渡せるバーにでも入って赤く染まる空を見ながらのんびり過ごしたい。

Lisbon Tram and Funicular Network (トリップアドバイザー提供)


中心部からテージョ川沿い、西に6kmほど離れた場所にあるのは世界遺産ともなっている歴史地区ベレン(Belem)。
ポルトガルの大航海時代の史跡が数多く残るスポットで、リスボン観光のハイライトともいえる。
建造に1世紀以上を要したというジェロニモス(Jeronimos)修道院や大西洋をにらみつけるベレンの塔など見どころは多い。カフェやレストランも多いので、まったりと時間をとって歩きたい。

Mosteiro dos Jeronimos (トリップアドバイザー提供)


La torre di Belem, Lisbon (トリップアドバイザー提供)




da Prata 52 (トリップアドバイザー提供)

ポルトガル料理は山海の恵みを生かした素朴な味わいで、西洋料理の伝統を受け継ぎつつハーブを多用するところにユニークさがある。
よく使われる食材としては、オリーブオイル、トマト、パプリカ、タマネギ、ニンニク、ジャガイモ、山羊のチーズなど。サフランやコリアンダー、イタリアンパセリなどもひんぱんに食卓にのぼる。また米の多食も特徴的で、リゾットや炊き込みごはんなど日本人にもなじみやすい。
名物料理は、干し鱈を使った炒め物やコロッケ、シーフードのリゾット、ブイヤベースのようなスープや煮物、ウサギや子羊のロースト、各種のシチューなど。どれも深く優しい味わい。

ポルトガルはワインの名産地。重厚な赤ワインが多めの印象があるが、実際にはシーフードにあうフレッシュなものや発泡性までバラエティに富んでいる。夕陽を見ながらキンキンに冷えた白ワインでシーフードにかぶりつけば最高の気分。有名なマデイラワインもぜひ本場で味わってみたい。

ポルトガルのスイーツはマカオでもおなじみのエッグタルト。他にも各種のタルト類やプリンなど濃厚なカスタードを使ったものが多い。


Wine Bar do Castelo (トリップアドバイザー提供)


Casa Pasteis de Belem (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
15年9月現在ポルトガル行きの直行便はない。
中東系のエミレーツ、エディハドといったあたりが最安で、時期によっては8万円台となる。一方で所要時間は30時間に達することも。
所要時間短めのルートとしては、エールフランスのパリ乗り継ぎ、トルコ航空のイスタンブール乗り継ぎ、ANAのフランクフルト便など。その場合でも10万円台でおさまることが多い。

マイレージや値崩れしやすいロンドン/パリなどへの格安チケットでいったんヨーロッパにさえ入ってしまえば、イージージェットやブエリングといったLCCで安く行ける。
周辺国もめぐるならスペインやイタリアなどを発着地にするオープンジョーの活用もおすすめ。

(パッケージツアー)
中東系エアラインやトルコ航空を使った比較的安めのツアーが多い。5日間で9万円程度。2人旅なら航空券代とさほど変わらないこともあり、検討価値は高い。

(陸路)
高速バスや鉄道で近隣国から向かうことができる。
鉄道の場合はスペインから。イルン駅もしくはマドリッドから夜行列車でむかう。
バスはやはり隣国スペインとの路線が多いが、フランスやドイツとの直通ラインもある。

(空港)
リスボンの空港はポルテラ空港(LIS:Aeroporto da Portela)。ポルトガリア航空のハブ空港となっている。
市街海岸沿いから10km程度とアクセスもよく、設備も充実していることから評価は高い。

ポルトガル航空やエールフランス、ブエリングの乗り入れるターミナル1と主にイージージェットが利用するターミナル2に分かれる。

空港からはメトロ、空港バス、タクシーなどの手段がある。空港が近いのでどの手段でも費用は高くない(メトロならわずか1.4ユーロ)。所要も20分程度。




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世界100カ国300都市、600ヵ所以上の空港にあるVIPラウンジが無料で使えます。年会費10,800円(税込)の楽天プレミアムカードなら年会費399ドルのプライオリティ・パスが付いてきます。


地理と気候

欧州の西端に位置するポルトガルの中でも更に最西端、大西洋に面している。
街は大西洋から入り江となるテージョ(Tejo)川の河口付近を起点に北へと拡がっている。
地中海性気候で、年間を通じて温暖。冬には雨が多く、夏は日射しが強い。

ベストシーズンは5月~9月。空は晴れわたり絶好の観光日和がつづく。
毎年6月13日は聖アントニオ祭が催され、街は屋台やパレードで活気づく。
7~8月はハイシーズンでホテルが高めとなるので、オフシーズン(11~3月頃)をねらう手も。

日本との時差は9時間。日本の正午が午前3時。
サマータイム(3月最終日曜~10月最終日曜)期間は時差8時間。


(画像:Google)


言語と通貨

ポルトガル語が基本。周辺国に比べて移民の存在感は高くない。
通貨はユーロ。1ドル=136円程度(15年9月時点)。

西ヨーロッパの中では最も物価水準が低い国の1つで、ランチが5~6ユーロ、ディナーでも10ユーロ、スーパーで水やビールが1ユーロ未満、ワインが2ユーロとどれもうれしくなるような安さ。ホテル代はピンキリだが3つ星ホテルで50ユーロ~、タクシー初乗りが3ユーロと、アジアの大都市に滞在するよりも安く済むかもしれない。

クレジットカードの通用度はそれなりに高く、多額の現金を持ち歩かないという意味からも積極的な利用を推奨。ユーロの両替は日本で行うのが鉄則。
6~23%の付加価値税がかかるが、免税店であれば1日1店あたり61.35ユーロ以上の買い物で旅行者への払戻制度がある(14%まで)。

チップの習慣があるものの、小銭程度で十分。タクシーは1割程度かおつりの切り上げ、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ユーロ程度、レストランは代金の5%~1割程度。サービス料が含まれていれば不要。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

欧州の中でも比較的安全な方とされるが、観光国であり旅行者をねらった置き引き、スリなどの犯罪は多い。
路面電車でのスリ、アルファマやべレン地区などの観光地では単独またはグループ犯でのスリ被害が報告されている。また、エドゥアルドVII世公園、カイス・ド・ソドレ駅周辺は娼婦や麻薬の売人、チンピラが集まるエリアであり、夜間の一人歩きは勧められない。

ポルトガルは、許可制ではあるものの一般人の銃器所持が認められている国でもある。不用意に相手を挑発することは厳禁。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。


市内交通

市街は広いが、様々な公共交通機関が発達しており旅行者も安心して利用できる。

Lisbon Tram and Funicular Network (トリップアドバイザー提供)

(メトロ・バス・トラム)
メトロ(地下鉄)はリスボン市交通局、バスとトラム、ケーブルカーは公営のCarris(Companhia Carris de Ferro de Lisboa)による運営。

メトロは初乗り1.4ユーロ(Carris運営のバス、トラムも乗車可能)。バスの場合乗車して購入すると1.8ユーロ。双方に乗れる1日パスが6ユーロ。

プリペイド式のカードが便利。メトロの発行する「viva viagem」とCarris発行の「7 Colinas」はいずれも同じ機能のカード。カード代は0.5ユーロで、メトロ駅の自販機やCarris窓口などで買うことができる。6ユーロチャージすればメトロ・バス・トラム乗り放題の一日乗車券として使える。また、任意の金額をチャージしてプリペイドカードとして使うこともできる。一日乗車券としての使途とプリペイド利用は併用できないので注意(プリペイド残金があるうちに一日乗車券として使うことはできない)。

リスボアカードはメトロやバスに乗り放題で、ミュージアムの入場券も附帯するお得なパス。24時間有効で18.5ユーロとviva viagemよりも高めだが、短期滞在ではこちらがお得かもしれない。

(タクシー)
まれにメーターを使わなかったりわざと遠回りするようなタクシーも報告されているものの、おおむね安心して利用できる。クリーム色と、黒/緑の初音ミク風カラーがある。
流しのタクシーもそれなりに走っているがタクシーパーキングや観光地、ホテル前なら確実。
市内初乗り3.25ユーロ。以降1km毎に0.47ユーロ。深夜は割増しレート。
市内の移動ならだいたい10ユーロ程度でおさまる。
また、配車アプリのUberも利用できる。

(レンタサイクル・バイク)
美しい海岸線を眺めながらのサイクリングは最高。ただし坂がきついので、体力に自信のある人向き。市街には一部自転車専用レーンもある。
個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもある。リスボンにはかなり多くの登録者がいる。
坂の多いリスボン、楽して移動したいならレンタルバイクもおすすめ。交通マナーはあまりよくないので乗るなら慎重に。


ホテルとシーズン


Palacete Chafariz D’El Rei (トリップアドバイザー提供)

ホテルの供給は十分で、レートも西欧の都市ではかなり安め。
3つ星ホテルが1万円程度、4つ星レベルでも1.5万円程度で宿泊できる。
ホステルならドミトリーで安いものなら千円台。個室でも2~3千円。
ポルトガルならではの宿としては、個人の邸宅を改装した物件や古城を改装したポサーダと呼ばれる豪華なホテルもある。

7~8月は欧州各地から観光客が訪れるハイシーズンで、レートも高めになる。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ポルトガルの大手携帯会社は、Vodafone、TMN、NOS(旧Optimus)など。LTEも普及しているが、対応端末は限られる。
プリペイドSIMの購入は簡単で、空港や市中の通信キャリアカウンターで購入できる。

最大手TMNの場合、月間2ギガが12.99ユーロ、6ギガが20.49ユーロ。
Vodafoneの場合、月間1ギガが10.49ユーロ、2ギガが14.99ユーロ、5ギガが20.49ユーロとなっている。
NOSの場合、4週間1ギガで12.5ユーロ、8週間2ギガで25ユーロなど。

(WiFi)
WiFiの普及度合いは他のヨーロッパの都市に比べてやや遅れている。
スターバックスでは無料WiFiが提供されており、WiFiマークの貼ったカフェも増えつつあるものの、ネット接続には少し苦労するかもしれない。SIMフリーのスマホを持っていくかレンタルルーターの利用も検討したい。