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tabinoteメールマガジン 2017/06/20号 Vol.088

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2. タビノート/下川裕治
3a. バルカン半島訪問記3 -ティラナ~コトル-
3b. 世界の街を走ってみる~その3 パリ
4. 旅の本屋 のまど イベント情報
5. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

スクートとタイガーエアーが合併

シンガポール航空傘下のLCC、スクートとタイガーエアは7月25日より合併することが発表された。合併後も両者の運行スケジュールに変更はないがブランド・、ウェブサイトと共にすべてスクートに統合される。また、タイガーエアの機材は来年中頃を目処にスクート塗装に切り替えられるという。

アシアナ航空、関空にA350就航

アシアナ航空は6月15日より、関空~ソウル(仁川)線の運行機材を従来のA330-300型機から最新鋭機のA350-900に変更した。これにより提供座席が従来の290席から331席(ビジネス28席、プレミアムエコノミー36席、エコノミー247席)に増えた。関空にA350型機を就航させた航空会社はベトナム航空、チャイナエアライン、キャセイパシフィック航空に続いてアシアナ航空が4社目となる。

キャセイドラゴン航空、羽田~香港便が運休

キャセイパシフィック航空は2017年冬ダイヤを発表。傘下のキャセイドラゴン航空(旧香港ドラゴン航空)の羽田~香港便を運休し、羽田~香港便はキャセイパシフィック航空運航便の1日2往復のみとなる。また、成田~香港便に関しては台北(桃園)経由便を1往復増便し1日6往復となる。

燃油サーチャージ、軒並み値下げ

燃油原価の下落を受け、JAL、ANAを始めとする航空会社の多くが8月、9月発券分の燃油サーチャージを値下げすると発表した。例を挙げるとJAL、ANA共に北米・欧州・中東・オセアニアが7000円(以下片道)から3500円に、タイ、シンガポール、マレーシアが3000円から1500円に、中国・台湾・香港が1000円から500円に、韓国線が300円から200円となる。

ピーチ、4期連続増収増益

ANA傘下のLCC、ピーチアヴィエーションは2017年3月期決算を発表、純利益が前期比80.1%増の49億4400万円で、2013年度より4期連続で黒字を達成した。また、有償ベースの平均搭乗率は85.4%、有償旅客数は約513万人。機材数は18機で就航率は99.2%となっている。今後もインバウンドの好調を受け国際線を強化していく考えだ。

ジェットスター・パシフィックが関空~ハノイ・ダナン線就航

ベトナムのジェットスター・パシフィック航空は、9月初旬より関空~ハノイ、関空~ダナンの両路線に就航すると発表した。機材はエアバスA320型機、同社が日本に乗り入れるのはこれがはじめて、同時に関空とベトナムを結ぶ初のLCCとなる。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

キャセイパシフィック航空の安定感

月に1回のペースでバンコクを往復している。利用する航空会社はさまざまだ。LCCグループ、直行便グループ、経由便グループに大別できるだろうか。その都度、安い航空会社を選ぶことが基本だ。
 6月はキャセイパシフィック航空を使った。安かったからだ。
 経由便にも何社かがあるが、キャセイパシフィックに使うとわかると、やはりほッとする。飛行機に乗るというストレスがぐっと減る気がする。
 経由便には、キャセイパシフィック航空のほかに、台湾のチャイナエアライン、ベトナム航空、中国東方航空、香港の香港航空などがある。そのなかでは、キャセイパシフィック航空に圧倒的な安定感がある。それは直行便のタイ国際航空や日系2社をもしのぐ気がする。
 便数が多いという面が大きいのだろうが、なにかのトラブルが起きても、どこか慌てない気風があるように思う。それが経験なのかもしれないが
 チャイナエアラインは、ヨーロッパからの便にバンコクから乗ることがある。遅れが起きると、スタッフは動揺する。足どりが落ち着かない。キャセイパシフィック航空はインドからの便を利用することもある。やはり遅れなどのトラブルはあるのだが、スタッフはどんと構えている。慌てないのだ。
 バンコクの空港で体験することだから、スタッフの多くはタイ人である。香港のスタッフではない。それなのに彼らは動揺しない。
 今回もチェックインをすませ、搭乗待合室にいた乗客が体調を壊し、搭乗をとりやめることになった。この処理はなかなか大変だと思う。手続きの問題もあるが、預けた荷物をとり出さなくてはならない。出発直前だったから当然、遅れにつながる。
 しかしスタッフたちは慌てない。案内放送も落ち着いている。30分ほど遅れて離陸したが、その遅れは、香港の空港の乗り継ぎで簡単に吸収してしまった。
 最近のアジアの大空港はどこも混み合っている。バンコク、香港、台北、ソウル、羽田、成田、上海、北京……。出発時に遅れることが多い。「空港混雑のため」という機内放送を聞くことは多い。とくに上海と北京は恒常的に遅れる。
 各社とも苦労しているのだろうが、そういう環境のなかで、キャセイパシフィックの落ち着きは心強い。特別なことをしている風でもないのだが、なにかがうまく機能しているのだろう。そのあたりは、ひとりの乗客にも伝わってくる。

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キャセイパシフィック航空に派手さはない。香港の気風だろうか

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3a. バルカン半島訪問記3 -ティラナ~コトル-

Profile
darklogosmall

評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html

 
シさんによるバルカン半島旅行記の第3弾です。
第1弾第2弾


■アルバニアという国はギリシャの左上にある。面白いのは自国を「アルバニア」とは呼ばず「Shqiperise」と呼んでいる点だ。
読み方が分からないけど郵便局にもそう書いてある。
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まぁ日本だって「Japan」と「Nippon」っていうぜんぜん違う読み方があるし、自国民はむしろ「Nippon」って呼んでるわけだから、そんなものなのだ。
イスラム教信者が多い国だが信仰はいいかげんで、バーに行けばお酒もどんどん出てくる。「地球の歩き方」に載ってる首都ティラナのバー(Sky Club Cafe)はお勧めだ。ソフトドリンク一杯で回転展望台から時間無制限の夜景を楽しめる。フリーwifiつき。周囲がカップルばかりで孤独感が深まる以外は最高だ。
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日本ではなかなか見られない不思議なオブジェを眺めつつ、明日のバス移動に少々アンニュイな感じだった。というのは、ネットの旅行記を見る限り、ティラナからモンテネグロ共和国へ抜ける方法が悲惨らしいのだ。「アルバニア モンテネグロ バス」で検索すると「超面倒」とか書かれていて、シュコダルという湖畔の街で降りて乗り換えたり、国境越え区間はタクシーだとか、ついたら真夜中だとか、泣きそうになりながら行くものだという。うわぁ面倒なフレンズですね。

この手の情報はバックパッカー宿のスタッフに聞くのがよいということで聞いてみると意外にもコトル(Kotor)行きの直通バスがあるらしい。本当なら楽勝だ。スーパーに買い出しに行き、現地人に大人気のピザを食べて鋭気を養う。道を歩いていると見知らぬ人から「へい兄ちゃん、一緒に飲んでいかないかい」みたいに声をかけられる。なかなかのノリだ。

■さて、その翌日。朝一番にノートパソコンでネットを見た瞬間に「Windows Update」にやられた。これをくらうとACにつないでおかないとバッテリ消耗するのだ。旅先でやられると本当に困る。勘弁してくれデビルゲイツ。宿を出るべき時刻になっても終わらず「電源を消さないでください」とか書いてあるので、怖いが残りはバッテリで処理するしかない。とりあえず宿を出てティラナの目抜き通りであるZoguI通りをダッシュで北上。コトル行きの直通バスを扱う旅行社は二軒あるらしいが、今回はOzumi tourを利用した。運賃25ユーロでチケットが買えたから、本当にコトルまで行けるのだろうと信じる。8時半出発で8時20分にマイクロバスが迎えにくるという。40分時間が空いたので両替してチキンバーガーを食ってみる。ちなみにこのチキンは本気だった。分厚いチキンをちゃんとグリルで10分焼いてバーガーにしている。Fast foodとはいえないが、これはこれで素晴らしい。
予定時刻になっても迎えが来ないので旅行会社に文句を言いに行こうとしたら、ビルの中から係員がすっ飛んできて、一緒に待ってくれた。係員は携帯電話であれこれ悪態をついていたが、結局迎えは来ないで、バスそのものがやってきた。荷物は別料金で2ユーロ。運行会社ははOld city tour社という。あとで調べたら堂々とWebに案内が出ている。
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さてこの国境越え超便利バスであるが、宣伝不足で乗客は5人しかない。これじゃ廃止になってしまうぞ? 道中は例の湖畔都市シュコダルとかモンテネグロの首都やブドヴァやティヴァト空港のすぐ下を通ったりして、なかなかスリルがあった。至近距離を飛行機がゴウゴウいいながら飛んでいくので「かっくいー」といってカメラを出すが、バスの車内からじゃブレて写真が撮れない。乗客は常連ばかりらしく、全く動じていないから、写真が撮れないなら、自分もさも動じてないふうにツンとしておく。
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予定より少し早く14時過ぎに無事コトル着。アドリア海の湾の奥にある世界遺産の街だ。バス停は旧市街から徒歩10分未満なのだが、タクシー屋が「タクシータクシー」と連呼していて、宿の客引きもいる。おお、初めての観光地。
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■アドリア海東側には有名な観光都市が二つある。このコトルとドブロブニクという。どちらも世界遺産だが、個人的にはコトルがかなりお勧めなので、細かく書いておこう。
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この街の見所は旧市街とその背後の山にに作られた城壁である。午後も早いので、とりあえず宿に荷物をおいてからすぐに城壁攻略だ。イージーコースとハードコースがあるが当然ハードコースを狙う。上を見上げればげんなりするが、上から下を見れば道が整備されていることが分かる。総じてさほど歩きにくくはない。途中、降りてくる外人女性とたくさんすれ違うのだが、どの個体もまったく汗をかいていないのが不思議だ。何か特殊な技でもあるのだろうか。それとも人外の何かか。山の上から見下ろすコトル旧市街は、入場料3ユーロ(モンテネグロの貨幣はユーロだ)くらいの価値は十分ある。冷たい風が心地よい。
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城壁を堪能してから麓におりて、今度は旧市街を見て回る。教会がいくつかあるのだが、聖トリファン(トリプン)大聖堂は大きいし必見だ。トリファンさんという偉い聖人をまつったカトリック教会である。教会というと結婚式をやるような白く明るいイメージがあるが、本来の教会は薄暗くて怖いイコンが睨んでて、旧世界の壁がむき出しになっていて、歩くとギシギシいうような、ダンジョンじみた建造物である。
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この教会も再建したとはいえ、一階は概ねそんな感じだ。なお二階には謎の銀製の腕とか脚とか彫刻とか金細工や赤い布や色々なものが展示してある。
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外に出れば夜だ。振り返れば山はオレンジにライトアップされてまるで魔の山みたいになってるし、城壁に彫られた動物はキメラとしか言いようがない。
どこまでもファンタジーじみた街である。
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最後にコトルの食事情を書いておこう。旧市街には「RESTORAN」という(中学生の間違った英語みたいな)綴りの飲食店がたくさんあるが、概して観光地価格で高い。どうするかというと実は川を渡って旧市街を北に出る。そこには現地人御用達の大きなスーパーがあるのだ。適当にトマトとか色々買い込めば夕食くらいは安く調達できる。その情報はどうやって得るかというと……Googlemap検索である。身も蓋もない。13

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3b. 世界の街を走ってみる~その3 パリ

tabinoteワタベです。
不定期連載として、世界のいろんな観光都市でのランニング体験を紹介します。
第3回はロンドンポートランドに引き続きフランスのパリです。


カタール航空でパリに降り立ったのは2016年の10月の半ば。
この渡航は全般的に日程もつまっており、バタバタしていました。怒濤の勢いで用事を済ませ、走りながら街を巡ってみようと思い至れたのは帰国前日。曇りや雨の多かったこの滞在の中で、天気もまずまず保ってくれそうな予報でした。
ちなみにこの滞在中、ちらっと市場に寄って撮った写真は先般刊行された「世界の美しい市場」にも使われています。

さて、正直フランスにもパリにもあまりランニングのイメージはありませんでした。山岳レースや自転車は盛んな印象でしたが、ロードランニングでフランス系の名選手ってのはにわかに思い浮かびません。あまり走る人なんていないのでは、と思っていました。
ところが、パリはそんな印象を覆すガチ・ランニング都市だったのです。


やはりランニングコースといえば川沿いが王道。
私が宿を取っていたのはパリ右岸と呼ばれる東側11区。ここからセーヌ川沿いをエッフェル塔あたりまで行って戻るコースをざっと計画しました。

毎度毎度悩むお金問題。クレカ一枚とユーロ札を何枚かビニール袋でくるみ、ポケットにつっこみます。
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セーヌ川を目指す前に行ってみたいところがありました。
宿からも程近いバタクラン劇場、パリ同時多発テロの現場です。
2015年11月13日、ロックバンドのイーグルス・オブ・デス・メタルの公演中にテロリストが乱入し自動小銃を乱射。89名が亡くなり、一連のテロでも最大の被害現場となりました。
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私が訪れたのはまた一周忌前で、閉鎖されていました。その後、16年に11月にスティングのライブで復活したそうです。

この周辺は、カフェやカンボジア料理店、ベトナム料理屋などの移民レストランが並ぶこなれた雰囲気のエリアでした。


さて、セーヌ川へ向かうため、バスティーユ方面に向かいます。
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平日の昼でしたが、ちらほら走っている人も見かけるように。
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セーヌ川へ出ました。
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川沿いにはいかにも歴史ある、石畳の歩行者路が整備されています。
この石畳が、とにかく粗くてデコボコ。お世辞にも走りやすいとはいえません。そんなコースでも結構走っている人がいます。
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シテ島に到達。腕時計のタイマーを止めて少し見物します。
そびえ立つノートルダム大聖堂。
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ふもとには小鳥市が出ていましたが、少し散漫な印象。
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こちらはパリで一番のステンドグラスと呼ばれるサントシャペル教会。長蛇の列ができていました(写真は別の機会に行った時のもの)。
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さすがにこのあたりはパリでもきっての観光スポット。どこもかしこも旅行者だらけです。


黙々と川沿いを進むと石畳の道も拓けてきて、沢山ランナーを見かけるようになりました。
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自分を棚に上げて、平日の昼間からこの人たち何してるんだろう、という疑問がわき上がってきます。
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走る人やけに多くないすか…。
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そして、どのランナーも速い!
健康のためとかフィットネスとか、そういうゆるい感じはありません。女性でも足場の悪い石畳の道を5分/kmくらいのペースで走っています。マジかよ!と思いました。
別に競争ではないのでいいのですが、どんどん抜かれる私。

急にペースアップしたので、いつの間にかエッフェル塔のあたりまで来ました。
塔のふもとは謎のお土産屋だらけ。やりすごしてエッフェル塔の展望スポット、シャイヨ宮に向かいます。
シャイヨ宮は結構ガラガラ。ウェディングドレス姿の中国系カップルが1組、バシャバシャ写真を撮っていました。
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エッフェル塔の麓に伸びるシャンドゥマルス公園に入り、きびすを返して宿の方向に向かいます。ここからも結構長い。

既に秋の気配漂うパリ。木漏れ日に落ち葉が映える落ち着いた雰囲気の公園ですが、ランナーがザクザク葉っぱを踏んで駆けていきます。
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190センチくらいのレスラーみたいなおっさんが猛スピードで私を抜いていきます。
なんだこのガチ度の高さ?
私のこれまでの旅先ランニング経験の中でも、もっとも平均スピードの速い都市です。

こちらはアンヴァリッド廃兵院。見物時間ゼロ。
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商店街を抜けます。
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このあたりにマルシェが出ていました。買い物しても持って帰れないので…、写真だけで。
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カルチェ・ラタンのコンビニで一息つきます。東京の御茶ノ水は日本のカルチェ・ラタンと呼ばれているそうですが、確かに御茶ノ水同様、坂が多い。
ここまで来ると午後の仕事が始まったのか、ランナーも見かけなくなりました。

ソルボンヌ大学。
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ガラス張りのモダンな建物と聞いていたアラブ世界研究所。結構薄汚れていました。
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ここからリヨンを経てベルシーへ。
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ベルシー・ヴィラージュという複合商業施設ができたそうで、どうせならそこまで行ってみようかなと。
途中のスタジアム付近、酔っ払いの嬌声がひびき微妙な治安感でしたが、生身で走っていれば問題ありません。
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ベルシー・ヴィラージュは路面型の高級ショッピングモールでした。ワイン倉の跡をリノベーションした施設らしく、皆昼からガッツリとワインを楽しんでいます。
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私はジュースを飲んで、だらだら宿に戻ります。


今回の道のりはこんな感じでした。
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思いがけず熱いランナーの多い都市だったパリ。
今回は行きませんでしたが、北の方とかちょっと猥雑なエリアもランニングならいろいろ探検できそうです。次回訪れる機会があれば試してみたいと思います。

パリには旅行者も利用できるVelibというコミュニティサイクルがあるので、それを使って移動してみるのもオススメです。

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4. 旅の本屋 のまど イベント情報:
 6月23日 広瀬洋一さん×今野栄治さん×川田正和さん 対談トークイベント
 7月13日 旅行作家 吉田友和さん スライド&トークショー
 7月21日 松鳥むうさん×鈴木さや香さん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「東京 わざわざ行きたい街の本屋さん」発売記念
◆広瀬洋一さん×今野栄治さん×川田正和さん  対談トークイベント◆
「本屋に聴きたい!~西荻窪に小さな本屋さんが多い理由」

 
『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』の発売を記念してイベントを行います。
本イベントのテーマは「本屋と街」です。
西荻窪にも多くの本屋があり本書でも多くのページを割いていますが、この街には本屋以外にもカフェやアンティーク、雑貨などたくさんの魅力的な小さいお店があります。
なぜ西荻窪にはそういったお店がたくさんあり続けていられるのか。
気になったことはありませんか?

今回のイベントでは西荻窪という街の歴史、今ある本屋とかつてあった本屋、どんなお店が多いのかなどを西荻窪で長く本屋を営んでいる方々に聴くことで、西荻窪という街の魅力の一端を明らかにしていきます。

お呼びするのは3店の本屋さんです。

1店目は会場でもある旅の本屋のまどの店主・川田正和さんです。
以前は吉祥寺で働いていたという川田さんには、なぜ西荻窪という街を選んだのか? 西荻窪には旅好きが多いのか?など、旅の本屋という立ち位置から西荻窪について語っていただきます。

2店目は44年もの間、西荻窪の街を新刊書店として見守り続ける今野書店の代表取締役・今野英治さんです。
西荻窪にはいまでこそ今野書店さんしか新刊書店がありませんが、ほんの2年ほど前には他にも沢山の新刊書店がありました。それらがどんなお店だったのか? など西荻窪の新刊書店の歴史をお聴きできればと思っています。

3店目は古書音羽館の店主・広瀬洋一さんです。広瀬さんによると西荻窪に小さな店が生まれ続けるのは街の文化が多層的だからなのだそうです。現在といままでにどんな文化が西荻窪にはある(あった)のでしょうか?そんなお話を伺います。

それぞれの立場から語る西荻窪という街と本屋の話。
司会進行は『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』の著者でもあるBOOKSHOP LOVERの和氣正幸が担当いたします。
聴く事で西荻窪本屋めぐりをより深く楽しむことが出来るようになるでしょう。

西荻窪の魅力の秘密を知りにきませんか?
当日ご参加いただける方には、『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』(税込み1,728円)をお渡しいたします。

西荻窪散歩のお供にご利用ください。
どうぞよろしくお願いいたします!!

● 川田正和(かわたまさかず) 旅の本屋のまど店主
● 今野栄治(こんのえいじ) 今野書店代表取締役
● 広瀬洋一(ひろせよういち) 古書音羽館店主
● 聞き手:BOOKSHOP LOVER 和氣正幸


【開催日時】 6月23日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  2000円(新刊『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』付き)
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】
 下記のサイトから予約をお願いします。
 http://bookshop-lover-02.peatix.com/view
 もしくは、当店でも受付可能です。
 TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 BOOKSHOP LOVER
 http://bookshop-lover-02.peatix.com/view

 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp

主催:G.B.
 協力:BOOKSHOP LOVER


新刊「沖縄プチ移住のススメ」発売記念
◆旅行作家 吉田友和さん  スライド&トークショー◆
「ちょこっと沖縄に移住してみよう!」

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新刊『沖縄プチ移住のススメ』(知恵の森文庫)の発売を記念して、旅行作家の吉田友和さんをお招きして沖縄にプチ移住するためのノウハウについてスライドを交えながらたっぷりと語っていただきます。前作「ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン」では、北はハノイから南のホーチミン、さらにはサパなど北部の山岳地帯を陸路でぐるっと縦断していた吉田さんが今作で注目したのは「プチ移住」。妻の育児休暇中、一家で沖縄に旅の延長線上としての「プチ移住」を体験し、ゆるくて温かいウチナーンチュとのふれあい、沖縄特有のB級グルメと時節の風習、適度に便利で快適な生活を通して感じた「ちょこっと暮らし」の面白さについて綴った1冊になっています。
今回のイベントでは、実際に沖縄に短期間住んでみて感じた様々なエピソードやプチ移住するために必要なノウハウについて、吉田さんならではの貴重な体験談が聞けるはずです。吉田さんのファンの方はもちろん、プチ移住に興味のある方や沖縄が大好きな方は、ぜひご参加くださいませ!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

吉田友和(よしだともかず)

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1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周を敢行。2005年に旅行作家としてデビュー後、国内外を旅しながら執筆活動を行う。『3日もあれば海外旅行』『10日もあれば世界一周』(ともに光文社新書)、『週末5万円からの東南アジア』(大和書房)、『ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン』(幻冬舎文庫)など著書多数。

◆旅行作家★吉田友和 Official Web
http://www.tomotrip.net/


【開催日時】 7月13日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  1000円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:光文社


新刊「日本てくてくゲストハウスめぐり」&「あちこち島ごはん」発売記念
◆松鳥むうさん×鈴木さや香さん  対談トークイベント◆
「日本のゲストハウスを巡ってみよう! ~おいしい島ごはんもね~ 」

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新刊『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)&『あちこち島ごはん』(芳文社)の2冊同時発売を記念して、イラストエッセイストの松鳥むうさんとライターの鈴木さや香さんのお二人をお招きして、日本全国の魅力的なゲストハウスと島ごはんの楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。これまでに『ちょこ旅 小笠原&伊豆諸島』『島旅ひとりっぷ』など日本の島旅のイラストエッセイ本を数多く出版して、日本全国のゲストハウスを泊まり歩いている松鳥さんの4年ぶりとなる新刊はなんと2冊同時に発売。『日本てくてくゲストハウスめぐり』では、国内のゲストハウスを100軒以上訪れた中から最も印象に残った宿6軒のエピソードと、おすすめ宿をイラストルポで50軒を紹介。また『あちこち島ごはん』では、北海道・礼文島から、沖縄県・波照間島まで、日本全国の島々にしかない美味しいごはんや独自の文化を紹介しています。そこで、今回のイベントでは、雑誌「散歩の達人」に「ゲストハウスに泊まろう!」を連載し、全国各地のゲストハウスを取材して現地のカルチャーや移住模様に詳しい鈴木さんを聞き手役にお迎えし、本に書けなかったゲストハウスの裏話や美味しい島ごはんのエピソードについてむうさんからいろいろ聞き出していただきます。ゲストハウスや島旅事情に詳しいお二人だけに、レアで貴重なお話が聞けるはずです。松鳥むうさんや鈴木さんのファンの方はもちろん、島好きの方やゲストハウスに興味のある方はぜひご参加くださいませ!!
(当日、会場にて新刊を2冊とも購入された方には、素敵なプレゼントあり!)

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

松鳥むう(まつとりむう)

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イラストエッセイスト。今までに訪れた島は、国内83島。泊まった国内のゲストハウスは100軒以上。その地域の人の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらえる旅が好き。毎日、どんなものを食べて、どんな日常で、どんな気もちですごしておられるのかというコトがとても気になる。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅 京都』『ちょこ旅 沖縄+離島』『ちょこ旅 小笠原&伊豆諸島』『ちょこ旅 瀬戸内』(以上、アスペクト)、2017年7月に『日本てくてく ゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)発売。

◆松鳥むうHP
http://www.muu-m.com

鈴木さや香(すずきさやか)

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ライター・編集者。1983年生まれ、東京都北区赤羽育ち。旅行雑誌・書籍の編集を経てフリーに。月刊『散歩の達人』(交通新聞社)で「ゲストハウスに泊まろう!」を連載し、ゲストハウスを通じて現地のカルチャーや移住模様について取材。他にも旅・街歩き記事を中心に執筆。最近のテーマはバックパッカー人間観察と旅先における日本人のモテインフレ。また、最近行った島は沖縄の久高島。


【開催日時】 7月21日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:ダイヤモンド・ビッグ社、芳文社

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5. 編集後記

tabinote田口です。
5月よりチェンマイで暮らしていますが、こちらは一足先にいちばん暑い時期を抜けて雨季に入っております。
雨季といっても日本の梅雨のように一日中雨というわけではなく、一日に数回盛大なスコールに見舞われるといった感じで、それ以外は比較的涼しくすごしやすい気候です。

さて、今月のtabinoteメルマガはいかがでしたでしょうか?

航空業界ニュースはLCCの話題が目立ちましたね。関空~ダナンなど魅力的な路線の就航がうれしい限りです。
下川さんの連載はキャセイパシフィックの話題。確かにキャセイは安定感があり僕も好きなキャリアのひとつです。香港国際空港のトランジットは長時間でもまったく苦にならないですしね。
tabinote名物ちょっとおかしい旅行記は今月も2本ご用意。
しさんのバルカン半島紀行はモンテネグロへの入国、そしてコトルという街の紹介です。世界遺産に指定されてはいてもいまだ観光ズレしていない昔ながらのヨーロッパな感じが写真と文章から伝わってきます。今回はあまりひどい目にあっていないのが少し不満ですが、、(笑)。
tabinoteワタベのランナー紀行はなんとパリ。わざわざパリまで行って苦しい思いをして走るだけとか自分にはまったく理解できないのですが、写真を見るだけなら汗もかかないので楽しいですね。がんばっていただきたい。

旅の本屋のまどは今回も魅力的なイベントが3本。お時間ある方は覗いてみては?

さて、tabinote執筆・エクスナレッジ刊の「世界の美しい市場」、いよいよ発売となりました!
欧米のスタイリッシュな市場、匂い立ちそうなアジアの熱気あふれる市場、南米の色彩豊かな市場などなど、一度は訪れてみたい世界の市場を美麗な写真と共にご紹介しています。もちろんtabinoteだけにガイド情報もバッチリ。妄想旅行に、旅先選びの参考に、ぜひご活用下さい。


tabinoteサイトでは過去の有料メルマガ連載をアップしており、無料でご覧いただけます
連載:下川裕治さん
連載:柳下毅一郎さん
連載:水谷さるころさん

次回第89号は2017年7月25日(火)の発行予定です。


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従っていただきますようお願いいたします。

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3b. 世界の街を走ってみる~その3 パリ


3b. 世界の街を走ってみる~その3 パリ

 
tabinoteワタベです。
不定期連載として、世界のいろんな観光都市でのランニング体験を紹介します。
第3回はロンドンポートランドに引き続きフランスのパリです。


カタール航空でパリに降り立ったのは2016年の10月の半ば。
この渡航は全般的に日程もつまっており、バタバタしていました。怒濤の勢いで用事を済ませ、走りながら街を巡ってみようと思い至れたのは帰国前日。曇りや雨の多かったこの滞在の中で、天気もまずまず保ってくれそうな予報でした。
ちなみにこの滞在中、ちらっと市場に寄って撮った写真は先般刊行された「世界の美しい市場」にも使われています。

さて、正直フランスにもパリにもあまりランニングのイメージはありませんでした。山岳レースや自転車は盛んな印象でしたが、ロードランニングでフランス系の名選手ってのはにわかに思い浮かびません。あまり走る人なんていないのでは、と思っていました。
ところが、パリはそんな印象を覆すガチ・ランニング都市だったのです。


やはりランニングコースといえば川沿いが王道。
私が宿を取っていたのはパリ右岸と呼ばれる東側11区。ここからセーヌ川沿いをエッフェル塔あたりまで行って戻るコースをざっと計画しました。

毎度毎度悩むお金問題。クレカ一枚とユーロ札を何枚かビニール袋でくるみ、ポケットにつっこみます。
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セーヌ川を目指す前に行ってみたいところがありました。
宿からも程近いバタクラン劇場、パリ同時多発テロの現場です。
2015年11月13日、ロックバンドのイーグルス・オブ・デス・メタルの公演中にテロリストが乱入し自動小銃を乱射。89名が亡くなり、一連のテロでも最大の被害現場となりました。
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私が訪れたのはまた一周忌前で、閉鎖されていました。その後、16年に11月にスティングのライブで復活したそうです。

この周辺は、カフェやカンボジア料理店、ベトナム料理屋などの移民レストランが並ぶこなれた雰囲気のエリアでした。


さて、セーヌ川へ向かうため、バスティーユ方面に向かいます。
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平日の昼でしたが、ちらほら走っている人も見かけるように。
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セーヌ川へ出ました。
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川沿いにはいかにも歴史ある、石畳の歩行者路が整備されています。
この石畳が、とにかく粗くてデコボコ。お世辞にも走りやすいとはいえません。そんなコースでも結構走っている人がいます。
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シテ島に到達。腕時計のタイマーを止めて少し見物します。
そびえ立つノートルダム大聖堂。
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ふもとには小鳥市が出ていましたが、少し散漫な印象。
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こちらはパリで一番のステンドグラスと呼ばれるサントシャペル教会。長蛇の列ができていました(写真は別の機会に行った時のもの)。
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さすがにこのあたりはパリでもきっての観光スポット。どこもかしこも旅行者だらけです。


黙々と川沿いを進むと石畳の道も拓けてきて、沢山ランナーを見かけるようになりました。
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自分を棚に上げて、平日の昼間からこの人たち何してるんだろう、という疑問がわき上がってきます。
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走る人やけに多くないすか…。
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そして、どのランナーも速い!
健康のためとかフィットネスとか、そういうゆるい感じはありません。女性でも足場の悪い石畳の道を5分/kmくらいのペースで走っています。マジかよ!と思いました。
別に競争ではないのでいいのですが、どんどん抜かれる私。

急にペースアップしたので、いつの間にかエッフェル塔のあたりまで来ました。
塔のふもとは謎のお土産屋だらけ。やりすごしてエッフェル塔の展望スポット、シャイヨ宮に向かいます。
シャイヨ宮は結構ガラガラ。ウェディングドレス姿の中国系カップルが1組、バシャバシャ写真を撮っていました。
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エッフェル塔の麓に伸びるシャンドゥマルス公園に入り、きびすを返して宿の方向に向かいます。ここからも結構長い。

既に秋の気配漂うパリ。木漏れ日に落ち葉が映える落ち着いた雰囲気の公園ですが、ランナーがザクザク葉っぱを踏んで駆けていきます。
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190センチくらいのレスラーみたいなおっさんが猛スピードで私を抜いていきます。
なんだこのガチ度の高さ?
私のこれまでの旅先ランニング経験の中でも、もっとも平均スピードの速い都市です。

こちらはアンヴァリッド廃兵院。見物時間ゼロ。
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商店街を抜けます。
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このあたりにマルシェが出ていました。買い物しても持って帰れないので…、写真だけで。
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カルチェ・ラタンのコンビニで一息つきます。東京の御茶ノ水は日本のカルチェ・ラタンと呼ばれているそうですが、確かに御茶ノ水同様、坂が多い。
ここまで来ると午後の仕事が始まったのか、ランナーも見かけなくなりました。

ソルボンヌ大学。
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ガラス張りのモダンな建物と聞いていたアラブ世界研究所。結構薄汚れていました。
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ここからリヨンを経てベルシーへ。
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ベルシー・ヴィラージュという複合商業施設ができたそうで、どうせならそこまで行ってみようかなと。
途中のスタジアム付近、酔っ払いの嬌声がひびき微妙な治安感でしたが、生身で走っていれば問題ありません。
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ベルシー・ヴィラージュは路面型の高級ショッピングモールでした。ワイン倉の跡をリノベーションした施設らしく、皆昼からガッツリとワインを楽しんでいます。
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私はジュースを飲んで、だらだら宿に戻ります。


今回の道のりはこんな感じでした。
Garmin Connect_R

思いがけず熱いランナーの多い都市だったパリ。
今回は行きませんでしたが、北の方とかちょっと猥雑なエリアもランニングならいろいろ探検できそうです。次回訪れる機会があれば試してみたいと思います。

パリには旅行者も利用できるVelibというコミュニティサイクルがあるので、それを使って移動してみるのもオススメです。

4. 旅の本屋 のまど:イベント情報


4. 旅の本屋 のまど イベント情報:
 6月23日 広瀬洋一さん×今野栄治さん×川田正和さん 対談トークイベント
 7月13日 旅行作家 吉田友和さん スライド&トークショー
 7月21日 松鳥むうさん×鈴木さや香さん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「東京 わざわざ行きたい街の本屋さん」発売記念
◆広瀬洋一さん×今野栄治さん×川田正和さん  対談トークイベント◆
「本屋に聴きたい!~西荻窪に小さな本屋さんが多い理由」

 
『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』の発売を記念してイベントを行います。
本イベントのテーマは「本屋と街」です。
西荻窪にも多くの本屋があり本書でも多くのページを割いていますが、この街には本屋以外にもカフェやアンティーク、雑貨などたくさんの魅力的な小さいお店があります。
なぜ西荻窪にはそういったお店がたくさんあり続けていられるのか。
気になったことはありませんか?

今回のイベントでは西荻窪という街の歴史、今ある本屋とかつてあった本屋、どんなお店が多いのかなどを西荻窪で長く本屋を営んでいる方々に聴くことで、西荻窪という街の魅力の一端を明らかにしていきます。

お呼びするのは3店の本屋さんです。

1店目は会場でもある旅の本屋のまどの店主・川田正和さんです。
以前は吉祥寺で働いていたという川田さんには、なぜ西荻窪という街を選んだのか? 西荻窪には旅好きが多いのか?など、旅の本屋という立ち位置から西荻窪について語っていただきます。

2店目は44年もの間、西荻窪の街を新刊書店として見守り続ける今野書店の代表取締役・今野英治さんです。
西荻窪にはいまでこそ今野書店さんしか新刊書店がありませんが、ほんの2年ほど前には他にも沢山の新刊書店がありました。それらがどんなお店だったのか? など西荻窪の新刊書店の歴史をお聴きできればと思っています。

3店目は古書音羽館の店主・広瀬洋一さんです。広瀬さんによると西荻窪に小さな店が生まれ続けるのは街の文化が多層的だからなのだそうです。現在といままでにどんな文化が西荻窪にはある(あった)のでしょうか?そんなお話を伺います。

それぞれの立場から語る西荻窪という街と本屋の話。
司会進行は『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』の著者でもあるBOOKSHOP LOVERの和氣正幸が担当いたします。
聴く事で西荻窪本屋めぐりをより深く楽しむことが出来るようになるでしょう。

西荻窪の魅力の秘密を知りにきませんか?
当日ご参加いただける方には、『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』(税込み1,728円)をお渡しいたします。

西荻窪散歩のお供にご利用ください。
どうぞよろしくお願いいたします!!

● 川田正和(かわたまさかず) 旅の本屋のまど店主
● 今野栄治(こんのえいじ) 今野書店代表取締役
● 広瀬洋一(ひろせよういち) 古書音羽館店主
● 聞き手:BOOKSHOP LOVER 和氣正幸


【開催日時】 6月23日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  2000円(新刊『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』付き)
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】
 下記のサイトから予約をお願いします。
 http://bookshop-lover-02.peatix.com/view
 もしくは、当店でも受付可能です。
 TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 BOOKSHOP LOVER
 http://bookshop-lover-02.peatix.com/view

 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp

主催:G.B.
 協力:BOOKSHOP LOVER


新刊「沖縄プチ移住のススメ」発売記念
◆旅行作家 吉田友和さん  スライド&トークショー◆
「ちょこっと沖縄に移住してみよう!」

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新刊『沖縄プチ移住のススメ』(知恵の森文庫)の発売を記念して、旅行作家の吉田友和さんをお招きして沖縄にプチ移住するためのノウハウについてスライドを交えながらたっぷりと語っていただきます。前作「ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン」では、北はハノイから南のホーチミン、さらにはサパなど北部の山岳地帯を陸路でぐるっと縦断していた吉田さんが今作で注目したのは「プチ移住」。妻の育児休暇中、一家で沖縄に旅の延長線上としての「プチ移住」を体験し、ゆるくて温かいウチナーンチュとのふれあい、沖縄特有のB級グルメと時節の風習、適度に便利で快適な生活を通して感じた「ちょこっと暮らし」の面白さについて綴った1冊になっています。
今回のイベントでは、実際に沖縄に短期間住んでみて感じた様々なエピソードやプチ移住するために必要なノウハウについて、吉田さんならではの貴重な体験談が聞けるはずです。吉田さんのファンの方はもちろん、プチ移住に興味のある方や沖縄が大好きな方は、ぜひご参加くださいませ!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

吉田友和(よしだともかず)

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1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周を敢行。2005年に旅行作家としてデビュー後、国内外を旅しながら執筆活動を行う。『3日もあれば海外旅行』『10日もあれば世界一周』(ともに光文社新書)、『週末5万円からの東南アジア』(大和書房)、『ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン』(幻冬舎文庫)など著書多数。

◆旅行作家★吉田友和 Official Web
http://www.tomotrip.net/


【開催日時】 7月13日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  1000円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:光文社


新刊「日本てくてくゲストハウスめぐり」&「あちこち島ごはん」発売記念
◆松鳥むうさん×鈴木さや香さん  対談トークイベント◆
「日本のゲストハウスを巡ってみよう! ~おいしい島ごはんもね~ 」

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新刊『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)&『あちこち島ごはん』(芳文社)の2冊同時発売を記念して、イラストエッセイストの松鳥むうさんとライターの鈴木さや香さんのお二人をお招きして、日本全国の魅力的なゲストハウスと島ごはんの楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。これまでに『ちょこ旅 小笠原&伊豆諸島』『島旅ひとりっぷ』など日本の島旅のイラストエッセイ本を数多く出版して、日本全国のゲストハウスを泊まり歩いている松鳥さんの4年ぶりとなる新刊はなんと2冊同時に発売。『日本てくてくゲストハウスめぐり』では、国内のゲストハウスを100軒以上訪れた中から最も印象に残った宿6軒のエピソードと、おすすめ宿をイラストルポで50軒を紹介。また『あちこち島ごはん』では、北海道・礼文島から、沖縄県・波照間島まで、日本全国の島々にしかない美味しいごはんや独自の文化を紹介しています。そこで、今回のイベントでは、雑誌「散歩の達人」に「ゲストハウスに泊まろう!」を連載し、全国各地のゲストハウスを取材して現地のカルチャーや移住模様に詳しい鈴木さんを聞き手役にお迎えし、本に書けなかったゲストハウスの裏話や美味しい島ごはんのエピソードについてむうさんからいろいろ聞き出していただきます。ゲストハウスや島旅事情に詳しいお二人だけに、レアで貴重なお話が聞けるはずです。松鳥むうさんや鈴木さんのファンの方はもちろん、島好きの方やゲストハウスに興味のある方はぜひご参加くださいませ!!
(当日、会場にて新刊を2冊とも購入された方には、素敵なプレゼントあり!)

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

松鳥むう(まつとりむう)

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イラストエッセイスト。今までに訪れた島は、国内83島。泊まった国内のゲストハウスは100軒以上。その地域の人の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらえる旅が好き。毎日、どんなものを食べて、どんな日常で、どんな気もちですごしておられるのかというコトがとても気になる。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅 京都』『ちょこ旅 沖縄+離島』『ちょこ旅 小笠原&伊豆諸島』『ちょこ旅 瀬戸内』(以上、アスペクト)、2017年7月に『日本てくてく ゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)発売。

◆松鳥むうHP
http://www.muu-m.com

鈴木さや香(すずきさやか)

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ライター・編集者。1983年生まれ、東京都北区赤羽育ち。旅行雑誌・書籍の編集を経てフリーに。月刊『散歩の達人』(交通新聞社)で「ゲストハウスに泊まろう!」を連載し、ゲストハウスを通じて現地のカルチャーや移住模様について取材。他にも旅・街歩き記事を中心に執筆。最近のテーマはバックパッカー人間観察と旅先における日本人のモテインフレ。また、最近行った島は沖縄の久高島。


【開催日時】 7月21日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:ダイヤモンド・ビッグ社、芳文社

編集後記 2017/06/20号 Vol.088


5. 編集後記

tabinote田口です。
5月よりチェンマイで暮らしていますが、こちらは一足先にいちばん暑い時期を抜けて雨季に入っております。
雨季といっても日本の梅雨のように一日中雨というわけではなく、一日に数回盛大なスコールに見舞われるといった感じで、それ以外は比較的涼しくすごしやすい気候です。

さて、今月のtabinoteメルマガはいかがでしたでしょうか?

航空業界ニュースはLCCの話題が目立ちましたね。関空~ダナンなど魅力的な路線の就航がうれしい限りです。
下川さんの連載はキャセイパシフィックの話題。確かにキャセイは安定感があり僕も好きなキャリアのひとつです。香港国際空港のトランジットは長時間でもまったく苦にならないですしね。
tabinote名物ちょっとおかしい旅行記は今月も2本ご用意。
しさんのバルカン半島紀行はモンテネグロへの入国、そしてコトルという街の紹介です。世界遺産に指定されてはいてもいまだ観光ズレしていない昔ながらのヨーロッパな感じが写真と文章から伝わってきます。今回はあまりひどい目にあっていないのが少し不満ですが、、(笑)。
tabinoteワタベのランナー紀行はなんとパリ。わざわざパリまで行って苦しい思いをして走るだけとか自分にはまったく理解できないのですが、写真を見るだけなら汗もかかないので楽しいですね。がんばっていただきたい。

旅の本屋のまどは今回も魅力的なイベントが3本。お時間ある方は覗いてみては?

さて、tabinote執筆・エクスナレッジ刊の「世界の美しい市場」、いよいよ発売となりました!
欧米のスタイリッシュな市場、匂い立ちそうなアジアの熱気あふれる市場、南米の色彩豊かな市場などなど、一度は訪れてみたい世界の市場を美麗な写真と共にご紹介しています。もちろんtabinoteだけにガイド情報もバッチリ。妄想旅行に、旅先選びの参考に、ぜひご活用下さい。


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tabinoteメールマガジン 2017/5/23号 Vol.087

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2. タビノート/下川裕治
3a. ミャンマー音楽紀行2017 その2
3b. バルカン半島訪問記2 -コソボ- —
4. 旅の本屋 のまど イベント情報
5. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

ピーチ、ビットコインでの決済サービスを導入へ

ピーチ・アヴィエーションとビットポイントジャパンは、インターネット上の仮想通貨であるビットコインを利用した決済サービスを年内に導入すると発表。手数料は従来のクレジットカード決済などより割安になる見込み。ビットコインによる決済は日本の航空会社ではじめてとなる。

ユナイテッド航空、日本路線のB747が終了

ユナイテッド航空は、ジャンボジェットの愛称で親しまれたボーイングB747型機の日本路線への投入を6月で、米国含む全路線でも10月で終了、退役とすることを発表した。B747は世界的にも退役が進んでおり、日本では2014年を最後に旅客路線では全機が退役、最近もKLMオランダ航空、キャセイパシフィック航空などが日本路線への投入を終了しており、もはや見かけるのがレアな機体となっている。

デルタ航空、LAXで大規模なターミナル変更作業を終了

デルタ航空は、ロサンゼルス国際空港(LAX)での発着ターミナルを第5、第6ターミナルから第2、第3ターミナルに変更する作業を終了させた。「LAX ON THE MOVE」と名付けられたこの作業は、デルタ航空の他にもエアカナダ、ジェットブルーなど21の航空会社が移動する大規模なものとなった。
LAX ON THE MOVE

ピーチ、札幌発着3路線を9月からスタート

ピーチ・アヴィエーションは、9月24日より、札幌(新千歳)~仙台、福岡、台北(桃園)の3路線を開設すると発表した。ピーチがすでに発表した2018年度の新千歳空港の拠点化や、北海道路線の拡充に先立ち、ネットワークを強化するもの。これにより、新千歳空港発着路線は、大阪/関西線をあわせた4路線に拡大する。

ボーイングB737MAXが日本初飛来

ボーイングの小型旅客機B737シリーズの最新機種となるB737MAXがはじめて日本に飛来した。この機体はボーイングが初めて航空会社へ引き渡すことになったマレーシアのLCCマリンド・エアのもので、クアラルンプールへ向かう途中の寄港となった。
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tabinote執筆の市場ガイドが刊行!

このほど、tabinoteが執筆した「世界の美しい市場」(エクスナレッジ)が刊行された。なじみ深いアジアや欧米の市場から南米やアフリカのエキゾチックな市場まで、世界各地のフォトジェニックな市場を紹介している。ベッドサイドで気軽に眺める写真本を意図しているが、市場の地図や営業情報など旅の計画づくりに役立つ実用情報も充実している。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

タイ・ライオンエアが出てこない日本の空

 最近のタイを中心にした旅を思い浮かべてみる。どのLCCに乗ったのだろうか。ウドンターニー、チャンラーイ、ウボンラーチャターニー、ヤンゴン……。すべてタイ・ライオンエアだった。
 LCCはやはり安さで選んでしまう。ウドンターニー空港へは、航空券を買わずに着いた。3つあるブースを全部まわった。タイ・エアアジア、ノックエア、タイ・ライオンエア。それぞれの料金を比べて、タイ・ライオンエアになった。バンコクへの片道が2500円ぐらいだった。これなどは露骨な料金比較である。いまのタイを中心にした中短距離路線を比較していくと、タイ・ライオンエア、タイ・エアアジア、ノックエアの順に高くなっていくことが多い。
 しかしLCCは運賃だけが選択要素ではない。就航時間がその次の要素になるだろうか。この時点で、かつてはタイ・ライオンエアが候補から落ちていくことが多かった。
 安いが運航する時間帯がよくなく、便数も少なかった。
「やっぱりタイ・エアアジアか」
 と思うことは多かった。
 しかし最近はタイ・ライオンエアが残ってくるのだ。着実に便数が増えているのだろう。
 ミャンマーを歩きながら、ある夜、タイのバンコクに向かう航空券を買おうと思った。午後まで用事があったので、夕方以降の便を探した。そこでもタイ・ライオンエアが顔をのぞかせていた。
 予約もスムーズに進んだ。
 1年ほど前のウボンラーチャターニーの夜を思い起こしていた。翌日、バンコクに戻るタイ・ライオンエアの便を予約しようと思ったのだが、支払いの画面で何回か止まってしまった。しばらく間を置き、再度、予約を入れて、やっと買うことができた記憶がある。しかし、ミャンマーではそんなこともなかった。
 着実にスムーズになっていた。そして便数も予想より早いペースで増えている。
 タイ・ライオンエアは、インドネシアの資本とタイ資本でつくられた航空会社だ。客室乗務員の服装もインドネシア風だ。
アジアの空のダイナミズムが伝わってくる。
 しかし日本のLCCに動きはない。日本航空の子会社のジェットスター、全日空の子会社のピーチとバニラ。この3社を追うLCCがなかなか登場してこない。競争の論理が生まれにくい。これから日本のLCCは高くなっていくのかもしれない。
 LCCを育てる根本的な土壌。アジアの自由さの反面、日本の硬直性が気になる。
 なぜ日本は、いつもこうなってしまうのだろうか。

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ライオンエアの機内。ごく普通のLCC。その雰囲気が伝わってくる

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3a. ミャンマー音楽紀行2017 その2

昨年に引き続き2号にわたってミュージシャン村上巨樹さんのミャンマー旅行記を連載します。
(注:本事例は2017年2月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。)

Profile
村上巨樹

村上巨樹

岩手県在住。ギター奏者/作曲家/イベントオーガナイザー。自身のリーダーバンドte_riは今年活動10周年を迎える。日本の放浪芸とミャンマー音楽を研究中。

7日目(2月28日)


 朝7時に起床。外からかすかに音楽が聞こえるので飛び起きる。ホテルの外に出ると、遠くの方から歌謡曲が聞こえる。ホテルの人に聞くと「祭りだよ。もう始まってて9時か10時には終わるよ」。

59

 慌てて朝食食べて、バイクタクシーに乗って音の聞こえる方へ。
 着いた村では生演奏ではなく音源だけが流れていた。聞くと祭りは明日だと言う。これは行ってみよう。
ホテルに戻ろうとすると、バイクタクシーの兄ちゃんが「俺の村で今日結婚式あるよ。見にくる?近いよ」と。是非是非!

60
 着くとちょうど練り歩きをやってた。

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 なんだこの山車は!スピーカー紐でくくってる。

62
 後ろには打楽器。

63
 山車の1つ後ろには発電機。これで音響設備やマイクに電気を供給。

64
 荷台に座ってる赤い帽子のおじさんがキーボードを弾く。歌手は曲ごとに入れ替わる。

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 おっちゃん!

66
 花嫁さん。華やかな水牛と共に。

67
 打楽器奏者も練り歩く。

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 結婚式会場。

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 音響機材に書かれてるミャンマー文字のデザインが秀逸。

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 風船売り。

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 別の山車。

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ラジオ?

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踊りもある。
 会場のおじさんに聞いたら「式は2時から」。かなり時間あるので、一旦バガンを散策することに。

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宿でeバイクをレンタル。1日8000チャット(約800円)。最大時速40キロでほぼスクーター。

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バガンの地図。

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このエリアは右上のニャウンウー、左上のオールドバガン、左下のニューバガンの3つに分けられる。俺のホテルはニューバガン。

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 ニューバガン〜オールドバガンはeバイクで15分ほど。

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 広大なエリアに、雨後のたけのこのように仏塔遺跡が点在する。eバイク使わないと無理。観光客向けの馬車があるけど、風情楽しみたい人向けかな。

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 まだ時間あるのでニャウンウーまで足を延ばす。静かな観光客向けのオールドバガンとは違い、賑わっている。

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 適当なレストランで食事。付け合わせがめっちゃ辛かった。
 昼食を食べ終え14時に村を再訪。すると楽器を片付け始めていた。え、どういうこと!?おっちゃんに聞くと「もう終わったよ」えー!マジで?うなだれたまま宿に戻る。

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 夜はニャウンウーにある観光客向けのレストランへ。目的は人形劇。
 食事はカレー、紅茶、コーヒーで計8500チャット(約850円)。

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 マンダレーと同じく、サインワインの劇伴あり。終演後、プレイヤーの方々少し話すことができた。伝統楽器の作り方や日本の楽器との共通項など。日本から来たと言うと、なんとスキヤキを演奏してくれた。

8日目(3月1日)

 朝7時起床。若干腹の調子が悪い。なんか悪いもの食べたかな。屋上で朝食を取っていると、どこからか音楽が聞こえる。昨日教えられた村祭りだろうか?宿の人に行くと「いえ、あれは近所の寺が寄付を募ってるんです」。音楽の使われ方も色々なんだな。受付でeバイクを手配してもらい、早速昨日の村に出発。

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村へはバイクで5分ほど。隠れている白い建物は寺。

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スピーカーを積んだ山車。まだ準備中。祭りは9時から。

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 昨日と同じく、後部に打楽器。

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 遊ぶちびっこ。
 寺の裏側からも音楽が聞こえて来た。

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 行ってみると会場が設営されていた。どうやら寺の表が行列のスタート地点で、裏のここがゴールらしい。

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 受付で寄付を納めると、朝食を振る舞ってくれた。

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祭りスタート。行列についていく。

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 行列は村内の路地を練り歩く。

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 近所の人たちも一目見ようと集まって来た。

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 山車はみんなで押す。
 やがてゴールの会場に到着。参加者やその家族が記念写真を撮っていた。山車から楽器が取り外されたので、祭りはこれで終わりのよう。eバイクに乗ってホテルに帰る。
 やばい、腹の調子がおかしい。胃もたれっぽいから油にやられたかな。正露丸飲んで1時間ほど仮眠する。当初はタクシーをチャーターして少し離れた村に行こうと思ったけど、大事をとって取りやめることに。正午にチェックアウト。

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 バガンで昼食。油ものはできるだけ食べたくないけど仕方ない。ハンバーガー3000チャット(約300円)、レモンティー2000チャット(約200円)。生野菜だけ食べたい。
 eバイクに乗ってニャウンウーを散策。すると遠くの方から音楽が聞こえてきた。なんだろう。気になって音の鳴る方へ。

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 音が鳴っていたのはここ。お寺…なのか?しかし大音量。

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 サインワインが生演奏やってる!一気にテンション上がる。どうやら今夜村祭りで、今はリハーサル中。

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 若いプレイヤー。ドラムセットも演奏するそう。

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 鈴とカスタネットでテンポを司る役目。楽団のリーダー。

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 ミャンマーの伝統楽器、フネー。日本でいうところのチャルメラ。

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 円環状に並ぶ金属打楽器、チーワイン。
 写真を撮ってると、会場にいたおばあちゃんに声かけられた。「あんたどこから来たんだ」「日本から。ミャンマーの音楽が好きで調べてるんです」「ヨクキタ!」えっ、おばあちゃん日本語しゃべれるの!?

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 日本語喋るおばあちゃん・モモさんとお孫さん。お孫さんが化粧してるのは、今夜の祭りに出るから。モモさんとても親切で、カタコトの日本語でサインワインを解説してくれた。18時に本番だそうで、一旦離れる。

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 ニャウンウーの端にある川。これはマンダレーと繋がっているそうで、船旅が盛んなよう。

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 ビーチバレーのコート発見。
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 気付くと日没間際。絶景。

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 18時、祭りの会場を再訪。が、まだ準備中。

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 照明の準備中。
 モモさんに聞いたら「19時からぼちぼち始まるよ」とのこと。今夜バスに乗らなきゃ行けないのでその時間だと見れないな。残念だけど本番見ずに宿へ戻る。
 eバイクを返却し、フロントに預けていた荷物を受け取る。そうこうしてるうちにピックアップのバスが来た。今夜は深夜バスに乗りヤンゴンへ移動。

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 今回利用したのは高級バス会社JJエクスプレス。バガン〜ヤンゴン間が19ドル(約2100円)。予約はJJエクスプレスのフェイスブックページで可能。

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 ミネラルウォーターと軽食のサービスあり。

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 車内は3列シート。冷房地獄なので上着必須。

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 途中寄ったサービスエリアのような場所。相変わらず腹痛なので何も食べず。

9日目(3月2日)


 朝6時ヤンゴン中央駅到着。適当なタクシーを捕まえて宿へ。チェックインは14時からだったけど体力が限界だったのでどうにかアーリーチェックイン可能か聞いてみた。結果NG。でも「屋上にデッキがあるので、そこなら休んでていいですよ」。ありがたい。

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 宿に別料金支払い、朝食を食べる。最高の眺めなんだけど、スイカとオレンジジュースしか喉を通らない。あとこの景色を見ると、いかにヤンゴンが都会かがわかる。

113
 フロントで見つけたヒップホップイベントのチラシ。船上イベント。受付の兄ちゃんに聞いたら「ヤンゴンのクラブシーンは、クラブでやるか船でやるかの2択」だそう。面白いな。

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 「地球の歩き方」に乗っていたマッサージ店・ゲンキーに行ってみる。睡眠不足と旅疲れを回復。90分13000チャット(約1300円)。日本人が関係しているそう。ロビーに日本経済新聞あった。

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 大型書店へ。あれ?閉まってる。

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 ボージョーアウンサンマーケットも閉まってる。聞いたら今日は祝日だそう。失敗した。ミャンマー最終日だから買い物しようと思ったのに。

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 昼食は寿司。その名も「オイシイスシ」。

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 見えにくいけど、寿司職人のゆるキャラが「はい、おいしいよ!」と言ってる。

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 久々の日本食。味噌汁が体にしみる。酢飯ではないのでおにぎりっぽさはある。

120
 午後イチでカセットを再訪。頼んでいたCDやカセットを購入。おばあちゃんに「明日日本に帰ります。また来年来ます」と言ったら「じゃあせっかくだから、今夜夕食一緒にどう?ご馳走するよ」。せっかくのご好意なのでいただくことにする。
 一旦宿に戻ってチェックイン。

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ダウンタウンの中心にあるスーレーパヤーへ。

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せっかくなのでお参り。

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18時、カセット屋のご家族と寿司屋へ。

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寿司以外のメニューもある。

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記念写真。ごちそうさまでした!
20時過ぎに宿に戻り、帰国に備え荷物を整理。さっさと寝る。

10日目(3月3日)

 5時半起床。昨日頼んであったタクシーに乗り、6時に宿を発つ。空港まで8000チャット(約800円)。

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 復路はエアアジア。チェックイン、出国審査、手荷物検査をさっさと済ませる。ここでジャケットを受託手荷物に入れたのが大失敗。

127
 両替所で余ったチャットをドルに替える。早朝7時だけど空いてる窓口あり。

128
 ゲートに向かうエスカレーター。ヤンゴン国際空港、本当に綺麗になったな。
 8時半、定刻離陸。

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 12時45分、クアラルンプール国際空港に到着。ここでトランジット。
 先日事件があっただけに空港内はものものしい。手荷物検査、X線検査を計4回受けた。相変わらず腹痛がひどいので、昼食はマクドナルドのアイスクリームのみ。

130
 14時40分、離陸。ここでエアアジアの冷房地獄にやられる。ジャケットを預けてしまったので、腹痛のまま冷房に耐える。機内食でどうにか暖をとり、ひたすら到着を待つ。
 22時半、羽田空港到着。さっさと入国審査と税関を抜け、無事帰国。
 今回はなかなか長丁場だったけど、そのおかげで地方都市にも行けたしじっくり聞き込み調査も行えた。新たに知り合えた人もいるし、また来年行きたい。とりあえず、買ってきた音源が未開封なのでそこから始めよう。

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3b. バルカン半島訪問記2 -コソボ-

Profile
darklogosmall

評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html

 
シさんによるバルカン半島旅行記の第2弾です。第1弾はこちらをご覧下さい。なお、この旅では撮影済みのデータを破損してしまったとのことで、編集部によりイメージ写真を適宜加えております。


コソボという国の認知は微妙である。聞いたことないか、または空爆や戦争しか思いつかない。その昔セルビアから独立宣言をして、今や多くの国が独立を認めているのだが、当のセルビアが独立を認めていないので、外国からコソボに入るとコソボからセルビアへ抜けられない。セルビア側としては「セルビアの入国印が押してないじゃないか、不正入国者だ」という扱いになるからだ。なおセルビアからコソボに入るぶんには問題ない。ただ今回は経路設計の都合、ベオグラードからいったんマケドニアへ抜けてから(セルビア的に言えば)再入国することにした。ビザいらないからってやりたい放題。11時発13時着予定の国際マイクロバスでスコピエ(マケドニア首都)からプリスティナ(コソボ首都)へ向かう。お値段320ディナール(700円)で国境検問は陸路のくせに簡単にスルーだった。

※戦時下のコソボ
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(Author : marietta amarcord from italy, 紛争により破壊された建物. 廃墟と化したコソボ。1999年.)

プリスティナは意外にも綺麗な街だ。空爆ぽさはない。バス停も新しく、人の数の割にガランとしている。「世界遺産の教会に行きたいんですけど」と窓口で聞いたら、窓口嬢が、さも「観光物件なんてそれくらいしかないもんね」と言いたげに「4番レーンだよ。ハウリアップ(急げ)!」と言われた。でも急いでいったら運ちゃんが「満員だ、ここで次のバス待て」といって乗せてくれない。そしてバスは悠々と行ってしまった。ただ待っているのもしゃくだから、昼飯として2ユーロ(コソボの通貨はユーロである。ATMからユーロが出てくるのは感動だ)でやたら大きな肉+パンの昼飯を食った。なんか見た目1kgほどもあり、これ一個で1日OKみたいな大きさである。確実にぱんちょの大盛りスパゲッティより多い。ちなみに次のバスは僕が食べ終わるのを待っていてくれて、肉塊をなんとか口に押し込んだら即発車した。市内バスは頻発しているものらしい。

※プリシュティナ市街
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(Author: Arbenllapashtica, Prishtina perspektivë nga Radio Kosova 5)

とりあえず世界遺産の教会へ行くのである。観光物件はそれくらいしかないから。だいたいこの辺だよね、と直観でバスを降り、5分ほど歩くと確かにその教会は見つかった。が、なんというかしょぼかった。単なる教会ですね、という感じで、入場料もないし、修復中だし、観光客も誰もいないし、なんでこれで世界遺産なのかは分からない。教会なので内部の写真撮影は不可。まぁ、世界遺産といってもピンキリだから、どこか旅行にいくときに、すべての世界遺産がペトラとかピラミッドとかエルサレムみたいだと思ってたら不幸になるだけだ。

※世界遺産(ついでに危機遺産)のデチャニ修道院。コソボは世界遺産条約を締約しておらず、セルビアの世界遺産に分類されている。
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(The Decani Monastery; UNESCO)

仕方ないから外側の写真だけ撮って帰るかと思ったところ、帰りのバスが見つからない。降りたところまでえっちらおっちら戻っても、そこはバス停ではないらしく、タクシー屋がニヤニヤしながら「バス停は1キロ先だよ、ミスター」とか言ってくる。少しはタクシーに乗ろうかと思っていたのに、そうまで言われたら是が非でもバスで帰るしかないので、人に聞きまくって無理やりバス停の位置を絞り出し、本当に1キロ歩き倒した。現地のマダム2人がバスを待っていたところ、ほどなく見るからに路線バスな車両が到来。しかし乗ると10分もたたずに途中で降ろされ「終点だ。このチケットを見せれば次のバスに乗れるから」といって去っていってしまった。現地人も心外らしく、あれやこれや抗議をするが聞き入れてもらえない。「おたく観光客?ひどいねぇ」と(かなり)怪しげな英語で云われ、そうだそうだと同調する。友情というのはともに困難を克服することで生まれるんだって、少年ジャンプで習っただろ。

※コソボのバス
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(Author : Andy Mabbett, A bus in Pristina, Kosovo.)

仕方ないから、その次のバスに乗ると、郊外の謎の山の頂上に連れて行かれ、現地人2人組とまたも抗議をすると、結局市内までそのまま乗せてくれることになった。抗議内容は現地語なので意味はわからない。そもそもここ、ほとんど英語が通じない。周辺諸国に比べてキリル文字がなくて読みやすいのだけど、英語はベオグラードのほうがよほど通じた。なんかロシア語とも違う感じの謎の言語で困惑したから、あとで宿の人に聞いたらアルバニア語の一種らしい。でもイエス・ノーはダーとニェなので、そこはロシア語ぽい。大丈夫、言葉が通じないくらい、冒険者にとって何の問題でもない。ドラクエの勇者だって通訳なしで全世界を旅してるじゃないか。

結局バスはバスターミナルではなく、予約していた宿から50mのところまで、0.5ユーロで連れて行ってくれた。結果オーライで良しとする。本来はバスターミナルから市の中心まではタクシー2ユーロがかかるのだ。

宿はビルの4F。エレベータもないので、でかい荷物を荷物満載の働きアリみたいに運ぶ。宿のスタッフは、僕を日本人だと認識すると、途端に目を輝かせ「この曲を知っているか」とBluetoothでアニソンを流し始めた。「ルパン三世ですね。日本人なら誰でも知ってます(キリッ)」という。話せばかなりの日本アニメ好きで、ワンピースやナルト的なものから手塚治虫まで幅広く押さえているギークなのであった。「Parasyte…なんだっけ」といわれたので「イブ?」と聞けば、「No, right hand!」とかいうので、「寄生獣?」「That’s!」となる。そんな会話が延々1時間続いた。寄生獣の英語版タイトルなんて知りませんがな。そもそも、コソボは(英語がろくに通じないくせに)ネットは速くて、日本にあるWindowsのリモートデスクトップがサクサク動いたりする。国内向けのwifiより速いのではないか。

15時くらいには宿についたので、郵便局からいくらかの知人宛てに手紙を出して、街をだらだらした。コソボなんて凄くヤバそうな感じのところから手紙を出したらインパクトあるじゃん。でも実際には極めて平和な街である。不謹慎にも爆撃の跡などを期待するのだが、ベオグラードと違って、そういうものは見当たらず、活気もあるし、なんだか新しい植民惑星の街みたいだった。通貨がユーロでネットが速くきれいな街。文句ない。

あけて翌日は雨だった。
AccuWeatherの天気予報では曇りとかいっていたが、実際は土砂降りスコールだ。使えない天気予報だな。朝食は8時からだと昨晩スタッフは言っていたが、朝8時にキッチンにいても明かりすらついておらず、誰もいなく、何もなかった。眠そうなスタッフに「朝ごはんって此処?」と聞くと、「今からマーケットに行って何か買ってくるから5分待って」といって買い出しにでかけていった。ドン引きだよ。30分くらいしてまたキッチンに行ったら、テーブルの上にパンが置いてあって外人たちがバターを塗って食べていた、パン、牛乳、ストロベリーティーだけの簡素な朝飯をご一緒させてもらう。会話なし。

プリスティナの街をよく見てから旅立とうと思ったが、雨がひどくて無理である。特に凄い必見物件があるわけではないし、見るだけなら昨日見たからいいやと、いきなりタクシーを呼んでもらってバス停へ。ちょうどプリズレン行きのバスが発車するところだったので飛び乗った。途中で晴れてくる。道が悪いのか事実上の一車線のためか、バスはゆっくりだ。

コソボには首都プリスティナの他にいくつか世界遺産を擁する街があって、その一つがプリズレンである。ティラナ(アルバニア首都)行きの経路上にあるので観光経路として無駄がない。ネット掲載の旅行記ではティラナ行きのバスは朝7時台しかないことになっているが、宿のオタクによるとプリスティナ発ティラナ行きのバスはそれ以外にもたくさんあるらしい。14時、14時半、15時発あたりが良いとのこと。

そしてそのプリズレン。長距離バス停は街のすぐ外れにあり、中心までは歩いていける距離である。ちなみにそのバス停のトイレはアラブ式であり、プリズレンにはたくさんのモスクがある。オスマントルコの時代のものだそうだ。ティラナ行き国際バスの時刻を聞くと15時発と17時半発を示された。それしかないらしい。しかし15時の便は高速道路上のバス停に停まるのでそこまではタクシーで行けとか、いやバス会社が15時にバス停から高速道路まで運んでくれるので、そこのカフェテリア前で待てとか説明が二転三転する。もともと言語に不自由するところだし、15時に高速道路なのに15時にカフェテリアで待ってたら論理的に間に合うわけがないので、最初に確かめるべく、そのカフェテリア前に行くと、「ティラナ!ティラナ!」とタクシー屋が吠えていた。これはあかん。諸外国のタクシー屋って、どこでも凄くクズ感を出している。

まぁ何とかなるだろうと冒険者然としたおおらかさでとりあえず観光に出る。なんせティラナ行きのバスまで3時間以上あるのだ。プリズレンは小さな町なので観光は全て徒歩でなんとかなる。しかし、どれもしょぼい。城壁は遠目に素晴らしいが、荷物が重いので登れない。というか、見るからに登る気を削ぐ高さである。その山の中腹に教会が立っていたりして、アフガニスタンあたりの山岳民族かよといいたくなる。

※プリズベン城壁からの夜景
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(Author : Arben Llapashtica, Kalaja e Prizrenit)

とりあえず話を聞くべくして入ったツーリストインフォメーションでは逆にやたら気合の入ったアンケートを食らった。観光物件が延々と列挙され、見たかどうかに始まり、今後観光客を増やすにはどうしたらいいかまで、まるでミステリーショッパーですかというくらいに詳細なコメント欄が並んでいる。ついていけないので全部にExcellentをつけていく自分はアンケートの誤差要因かもしれない。

世界遺産の生神女教会はしまっていたが、あとできくと9時から14時だけ空いているらしい。「地球の歩き方」にはジョージ教会で鍵を預かってるとか書いてあるが、そのジョージ教会に行ったら「知らん」と門前払いされた。歩き方の偽情報にいちいち腹を立ててはいけないよ、そういう本なんだから達観したまえ。文句があるなら素直にロンプラを読むことだ。なおツーリストインフォメーション様によれば、しまってる場合は向かいの警官詰め所に頼んで鍵開け人を召喚するのが正しいらしい。結局よくわからないが、たまたま鍵があいていたので猫のように滑り込んだら、一応中を見ることはできた。たしかに古くてカッコいい教会なのだけど、内装はボロボロで保存状態は良くない。これを見て感動しろというのは少し無理かも。14時に定時で教会を追い出され、そのままバス停に向かう。果たして15時過ぎにバス会社の乗用車が高速道路の脇にある雑貨屋のようなところまで運んでくれた。バスはその雑貨屋にだいたい20分遅れで来た。大陸時間バンザイ。

※世界遺産の正神女教会
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(Author: Graciela Gonzalez Brigas, The church of the Holy Virgin of Ljevisa)

コソボは出国手続きが存在しなく、アルバニアの入国手続だけが存在した。しかもスタンプすら押してくれない(入国も出国も!)。さすがは国民全部がねずみ講に引っかかった国というか。なおアルバニア語のトイレはVC GRA(女性用)とVC BURRA(男性用)と表記されている。間違えると怖いアルバニア人のオバサンに怒られる。しっかり覚えよう。

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4. 旅の本屋 のまど イベント情報:
 5月25日 上原善広さん スライド&トークイベント
 6月16日 武藤北斗さん スライド&トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「カナダ 歴史街道をゆく」発売記念
◆ノンフィクション作家 上原善広さん  スライド&トークイベント◆
「知られざるカナダの魅力を巡る旅」

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新刊『カナダ 歴史街道をゆく』(文藝春秋)の発売を記念して、著者でノンフィクション作家の上原善広さんをゲストにお迎えして、知られざるカナダの魅力とその歴史についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。「日本の路地を旅する」、「被差別の食卓」などこれまでに国内・海外の路地や被差別部落に関する著作が多数ある上原さんが今回注目したのは、カナダ。2017年、建国150周年を迎えるカナダは、建国以来、世界中からの移民を受け入れ、多民族主義を宣言し、異なるルーツの人びとが幸福に共存する道を選んできました。本書では、その広大な国土を、上原さんが、一年目はプリンス・エドワード島からウィニペグまで、二年目は東端の地ニューファンドランドを起点に、鉄道でトロントからバンクーバー、さらに北上して北極圏のタクトヤクタックまで踏破した記録が綴られています。カナダ全土に張り巡らされた「トランス・カナダ・トレイル」(TCT)という古い街道や廃線になった線路跡などのトレイルを自転車でめぐったり、先住民と共にユーコンで狩りをしたりするなど、長年、世界を駆け巡って現地を取材してきた上原さんならではの、カナダの歴史を通して体感したカナダの「今」のお話が聞けるはずです。普段あまりトークイベントをしない上原さんの話を生で聞けるチャンスですよ。上原さんのファンの方はもちろん、カナダの歴史や文化に興味のある方やカナダ旅行の予定がある方はぜひご参加ください!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


上原善広(うえはらよしひろ)

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1973(昭和48)年、大阪府生まれ。東京都在住。大阪体育大学卒業後、ノンフィクション作家となる。2010年、『日本の路地を旅する』(文春文庫)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年第18回雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。2017年『一投に賭けるー溝口和洋 最後の無頼派アスリート』(角川書店)で第27回ミズノ・スポーツライター賞優秀賞受賞。著作は『被差別の食卓』(新潮新書)、『被差別のグルメ』(新潮新書)、『異邦人』(文春文庫)、『発掘狂騒史ー岩宿から神の手まで』(新潮文庫)など多数。

◆上原善広ブログ「全身ノンフィクション作家」
http://u-yosihiro.at.webry.info/


【開催日時】  5月25日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:文藝春秋


新刊「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」発売記念
◆武藤北斗さん  スライド&トークイベント◆
「小さなエビ工場の世界を変える働き方」

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好きな時間に出勤・退勤できて、事前に連絡も必要なし、嫌いな作業もしなくていい!?
これまでの「仕事」や「働き方」の常識をひっくり返すような新しい取り組み「フリースケジュール制」を導入し、大きな注目を集めているパプアニューギニア海産。同社の新しい働き方とその背景にある考え方をまとめた書籍『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』(イースト・プレス刊)発売を記念して、本書の著者で、パプアニューギニア海産の経営者・工場長である武藤北斗さんのトーク・イベントを開催します。
パプアニューギニア産のおいしくて安全な天然エビを、現地の人々の生活を守りながら30年以上も輸入してきた同社は、いわばフェアトレードの先駆けと言える会社です。しかし、2011年3月の東日本大震災による大津波で宮城県石巻市の工場は流され、その後起こった原発事故も大きなきっかけとなり大阪への移転を余儀なくされました。それまで持っていた多くのものをなくして、家族とともに大阪に移り、いちから会社を建て直す中で、武藤さんは自らの生き方と、社会のありかたを見つめ直しました。それまで「あたりまえ」の働き方と言われてきたことは、本当に「あたりまえ」だったのだろうか? 小さなエビ工場から始まった、小さな「働きかた改革」は、試行錯誤を繰り返しながら実にユニークな変化を見せていきます……。

今回のトークショーでは、武藤さんが本の中では語りつくせなかった細かな心の変化、現在進行形の様々な改革などを、参加者の方との質疑応答を交えながらお話しいただきます。また今回は、パプアニューギニアの天然エビと途上国との密接な関係や、資本主義経済の中でないがしろにされていく食の安全性についてのこだわりなど、「働き方」だけにとどまらないテーマにも触れていただきます。ひとりひとりが変わることで、社会は変わる。この小さなエビ工場から始まった「働き方改革」には、世界を変えるための大きなヒントが隠されています。多くのみなさまのご来場をお待ちしています!なお、当日は、パプアニューギニア海産の天然エビフライの試食会も行います。(数量に限りがあるため、なくなり次第終了)

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


武藤北斗(むとうほくと)

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1975年福岡県生まれ。パプアニューギニア海産工場長。3児の父。小さな頃から引越しを繰り返し小学校は3校に通う。小学校4年から高校卒業までは東京暮らし。芝浦工業大学金属工学科を卒業後、築地市場の荷受けに就職しセリ人を目指す。夜中2時に出勤し12時間働く生活を2年半過ごす。その後㈱パプアニューギニア海産に就職し、天然えびの世界にとびこむ。2011年の東日本大震災で石巻にあった会社が津波により流され、福島第一原発事故の影響もあり1週間の自宅避難生活を経て大阪への移住を決意。震災による二重債務を抱えての再出発。現在は大阪府茨木市の中央卸売市場内で会社の再建中。東日本大震災で「生きる」「死ぬ」「働く」「育てる」などを真剣に見つめ考えるようになり、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など、固定概念に囚われず人が持ち得る可能性を引き出すことに挑戦している。

◆武藤北斗さんツイッター
https://twitter.com/hokut0


【開催日時】  6月16日(金)   19:30 ~ (開場19:00)  
【参加費】   1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:イーストプレス

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5. 編集後記

tabinoteワタベです。
長らくジワジワ告知してきましたtabinote執筆・エクスナレッジ刊の「世界の美しい市場」、いよいよ発売となりました!
欧米のスタイリッシュな市場、匂い立ちそうなアジアの熱気あふれる市場、南米の色彩豊かな市場などなど、一度は訪れてみたい世界の市場を美麗な写真と共にご紹介しています。もちろんtabinoteだけにガイド情報もバッチリ。妄想旅行に、旅先選びの参考に、ぜひご活用下さい。

さて、今号のニュースはピーチづいてますね。ビットコインの手数料も気になります。札幌線が拡充してきて、関空-札幌-アジアというルートも現実的になってきました。

現在ミャンマー全鉄道制覇という孤独なチャレンジを続けてらっしゃる下川さんのエッセイはタイ・ライオンエアについて。次々新しいエアラインが登場してくる海外の状況が羨ましくもありますね。日系LCCよりも春秋、スクート、香港エクスプレスあたりの方が勢いを感じます。

旅行記は前回に引き続き村上巨樹さんによるミャンマー音楽旅行。結婚式から現地人の招待による食事まで、取材・調査目的とはいえこの行動力は圧巻です。こういう、自分の興味関心を深掘りするような旅行は面白いですよね。
続いては半常連となりつつあるシさんのバルカン半島旅行記。あまり訪れた人もいないであろうコソボの様子を伝えて下さいました。確かにプリシュティナは西側の援助資金がバンバン入ってとても立派な街になっているようです。建築マニアには国立図書館も有名。興味のある方は検索してみて下さい。

旅の本屋 のまどでは、5/25にノンフィクション作家・上原善広さんによるカナダの魅力をめぐトークイベント、6/16にパプアニューギニア海産の武藤北斗さんによるトークイベントが開催されます。今後の生き方・働き方のヒントとなるかも!


tabinoteサイトでは過去の有料メルマガ連載をアップしており、無料でご覧いただけます
連載:下川裕治さん
連載:柳下毅一郎さん
連載:水谷さるころさん

次回第88号は2017年6月20日(火)の発行予定です。


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従っていただきますようお願いいたします。

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1. 旅行業界最新ニュース  2017/5/23号 Vol.087


1. 旅行業界最新ニュース

ピーチ、ビットコインでの決済サービスを導入へ

ピーチ・アヴィエーションとビットポイントジャパンは、インターネット上の仮想通貨であるビットコインを利用した決済サービスを年内に導入すると発表。手数料は従来のクレジットカード決済などより割安になる見込み。ビットコインによる決済は日本の航空会社ではじめてとなる。

ユナイテッド航空、日本路線のB747が終了

ユナイテッド航空は、ジャンボジェットの愛称で親しまれたボーイングB747型機の日本路線への投入を6月で、米国含む全路線でも10月で終了、退役とすることを発表した。B747は世界的にも退役が進んでおり、日本では2014年を最後に旅客路線では全機が退役、最近もKLMオランダ航空、キャセイパシフィック航空などが日本路線への投入を終了しており、もはや見かけるのがレアな機体となっている。

デルタ航空、LAXで大規模なターミナル変更作業を終了

デルタ航空は、ロサンゼルス国際空港(LAX)での発着ターミナルを第5、第6ターミナルから第2、第3ターミナルに変更する作業を終了させた。「LAX ON THE MOVE」と名付けられたこの作業は、デルタ航空の他にもエアカナダ、ジェットブルーなど21の航空会社が移動する大規模なものとなった。
LAX ON THE MOVE

ピーチ、札幌発着3路線を9月からスタート

ピーチ・アヴィエーションは、9月24日より、札幌(新千歳)~仙台、福岡、台北(桃園)の3路線を開設すると発表した。ピーチがすでに発表した2018年度の新千歳空港の拠点化や、北海道路線の拡充に先立ち、ネットワークを強化するもの。これにより、新千歳空港発着路線は、大阪/関西線をあわせた4路線に拡大する。

ボーイングB737MAXが日本初飛来

ボーイングの小型旅客機B737シリーズの最新機種となるB737MAXがはじめて日本に飛来した。この機体はボーイングが初めて航空会社へ引き渡すことになったマレーシアのLCCマリンド・エアのもので、クアラルンプールへ向かう途中の寄港となった。
20170523

tabinote執筆の市場ガイドが刊行!

このほど、tabinoteが執筆した「世界の美しい市場」(エクスナレッジ)が刊行された。なじみ深いアジアや欧米の市場から南米やアフリカのエキゾチックな市場まで、世界各地のフォトジェニックな市場を紹介している。ベッドサイドで気軽に眺める写真本を意図しているが、市場の地図や営業情報など旅の計画づくりに役立つ実用情報も充実している。

3b. バルカン半島訪問記2 -コソボ-


3b. バルカン半島訪問記2 -コソボ-

Profile
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評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html

 
シさんによるバルカン半島旅行記の第2弾です。第1弾はこちらをご覧下さい。なお、この旅では撮影済みのデータを破損してしまったとのことで、編集部によりイメージ写真を適宜加えております。


コソボという国の認知は微妙である。聞いたことないか、または空爆や戦争しか思いつかない。その昔セルビアから独立宣言をして、今や多くの国が独立を認めているのだが、当のセルビアが独立を認めていないので、外国からコソボに入るとコソボからセルビアへ抜けられない。セルビア側としては「セルビアの入国印が押してないじゃないか、不正入国者だ」という扱いになるからだ。なおセルビアからコソボに入るぶんには問題ない。ただ今回は経路設計の都合、ベオグラードからいったんマケドニアへ抜けてから(セルビア的に言えば)再入国することにした。ビザいらないからってやりたい放題。11時発13時着予定の国際マイクロバスでスコピエ(マケドニア首都)からプリスティナ(コソボ首都)へ向かう。お値段320ディナール(700円)で国境検問は陸路のくせに簡単にスルーだった。

※戦時下のコソボ
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(Author : marietta amarcord from italy, 紛争により破壊された建物. 廃墟と化したコソボ。1999年.)

プリスティナは意外にも綺麗な街だ。空爆ぽさはない。バス停も新しく、人の数の割にガランとしている。「世界遺産の教会に行きたいんですけど」と窓口で聞いたら、窓口嬢が、さも「観光物件なんてそれくらいしかないもんね」と言いたげに「4番レーンだよ。ハウリアップ(急げ)!」と言われた。でも急いでいったら運ちゃんが「満員だ、ここで次のバス待て」といって乗せてくれない。そしてバスは悠々と行ってしまった。ただ待っているのもしゃくだから、昼飯として2ユーロ(コソボの通貨はユーロである。ATMからユーロが出てくるのは感動だ)でやたら大きな肉+パンの昼飯を食った。なんか見た目1kgほどもあり、これ一個で1日OKみたいな大きさである。確実にぱんちょの大盛りスパゲッティより多い。ちなみに次のバスは僕が食べ終わるのを待っていてくれて、肉塊をなんとか口に押し込んだら即発車した。市内バスは頻発しているものらしい。

※プリシュティナ市街
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(Author: Arbenllapashtica, Prishtina perspektivë nga Radio Kosova 5)

とりあえず世界遺産の教会へ行くのである。観光物件はそれくらいしかないから。だいたいこの辺だよね、と直観でバスを降り、5分ほど歩くと確かにその教会は見つかった。が、なんというかしょぼかった。単なる教会ですね、という感じで、入場料もないし、修復中だし、観光客も誰もいないし、なんでこれで世界遺産なのかは分からない。教会なので内部の写真撮影は不可。まぁ、世界遺産といってもピンキリだから、どこか旅行にいくときに、すべての世界遺産がペトラとかピラミッドとかエルサレムみたいだと思ってたら不幸になるだけだ。

※世界遺産(ついでに危機遺産)のデチャニ修道院。コソボは世界遺産条約を締約しておらず、セルビアの世界遺産に分類されている。
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(The Decani Monastery; UNESCO)

仕方ないから外側の写真だけ撮って帰るかと思ったところ、帰りのバスが見つからない。降りたところまでえっちらおっちら戻っても、そこはバス停ではないらしく、タクシー屋がニヤニヤしながら「バス停は1キロ先だよ、ミスター」とか言ってくる。少しはタクシーに乗ろうかと思っていたのに、そうまで言われたら是が非でもバスで帰るしかないので、人に聞きまくって無理やりバス停の位置を絞り出し、本当に1キロ歩き倒した。現地のマダム2人がバスを待っていたところ、ほどなく見るからに路線バスな車両が到来。しかし乗ると10分もたたずに途中で降ろされ「終点だ。このチケットを見せれば次のバスに乗れるから」といって去っていってしまった。現地人も心外らしく、あれやこれや抗議をするが聞き入れてもらえない。「おたく観光客?ひどいねぇ」と(かなり)怪しげな英語で云われ、そうだそうだと同調する。友情というのはともに困難を克服することで生まれるんだって、少年ジャンプで習っただろ。

※コソボのバス
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(Author : Andy Mabbett, A bus in Pristina, Kosovo.)

仕方ないから、その次のバスに乗ると、郊外の謎の山の頂上に連れて行かれ、現地人2人組とまたも抗議をすると、結局市内までそのまま乗せてくれることになった。抗議内容は現地語なので意味はわからない。そもそもここ、ほとんど英語が通じない。周辺諸国に比べてキリル文字がなくて読みやすいのだけど、英語はベオグラードのほうがよほど通じた。なんかロシア語とも違う感じの謎の言語で困惑したから、あとで宿の人に聞いたらアルバニア語の一種らしい。でもイエス・ノーはダーとニェなので、そこはロシア語ぽい。大丈夫、言葉が通じないくらい、冒険者にとって何の問題でもない。ドラクエの勇者だって通訳なしで全世界を旅してるじゃないか。

結局バスはバスターミナルではなく、予約していた宿から50mのところまで、0.5ユーロで連れて行ってくれた。結果オーライで良しとする。本来はバスターミナルから市の中心まではタクシー2ユーロがかかるのだ。

宿はビルの4F。エレベータもないので、でかい荷物を荷物満載の働きアリみたいに運ぶ。宿のスタッフは、僕を日本人だと認識すると、途端に目を輝かせ「この曲を知っているか」とBluetoothでアニソンを流し始めた。「ルパン三世ですね。日本人なら誰でも知ってます(キリッ)」という。話せばかなりの日本アニメ好きで、ワンピースやナルト的なものから手塚治虫まで幅広く押さえているギークなのであった。「Parasyte…なんだっけ」といわれたので「イブ?」と聞けば、「No, right hand!」とかいうので、「寄生獣?」「That’s!」となる。そんな会話が延々1時間続いた。寄生獣の英語版タイトルなんて知りませんがな。そもそも、コソボは(英語がろくに通じないくせに)ネットは速くて、日本にあるWindowsのリモートデスクトップがサクサク動いたりする。国内向けのwifiより速いのではないか。

15時くらいには宿についたので、郵便局からいくらかの知人宛てに手紙を出して、街をだらだらした。コソボなんて凄くヤバそうな感じのところから手紙を出したらインパクトあるじゃん。でも実際には極めて平和な街である。不謹慎にも爆撃の跡などを期待するのだが、ベオグラードと違って、そういうものは見当たらず、活気もあるし、なんだか新しい植民惑星の街みたいだった。通貨がユーロでネットが速くきれいな街。文句ない。

あけて翌日は雨だった。
AccuWeatherの天気予報では曇りとかいっていたが、実際は土砂降りスコールだ。使えない天気予報だな。朝食は8時からだと昨晩スタッフは言っていたが、朝8時にキッチンにいても明かりすらついておらず、誰もいなく、何もなかった。眠そうなスタッフに「朝ごはんって此処?」と聞くと、「今からマーケットに行って何か買ってくるから5分待って」といって買い出しにでかけていった。ドン引きだよ。30分くらいしてまたキッチンに行ったら、テーブルの上にパンが置いてあって外人たちがバターを塗って食べていた、パン、牛乳、ストロベリーティーだけの簡素な朝飯をご一緒させてもらう。会話なし。

プリスティナの街をよく見てから旅立とうと思ったが、雨がひどくて無理である。特に凄い必見物件があるわけではないし、見るだけなら昨日見たからいいやと、いきなりタクシーを呼んでもらってバス停へ。ちょうどプリズレン行きのバスが発車するところだったので飛び乗った。途中で晴れてくる。道が悪いのか事実上の一車線のためか、バスはゆっくりだ。

コソボには首都プリスティナの他にいくつか世界遺産を擁する街があって、その一つがプリズレンである。ティラナ(アルバニア首都)行きの経路上にあるので観光経路として無駄がない。ネット掲載の旅行記ではティラナ行きのバスは朝7時台しかないことになっているが、宿のオタクによるとプリスティナ発ティラナ行きのバスはそれ以外にもたくさんあるらしい。14時、14時半、15時発あたりが良いとのこと。

そしてそのプリズレン。長距離バス停は街のすぐ外れにあり、中心までは歩いていける距離である。ちなみにそのバス停のトイレはアラブ式であり、プリズレンにはたくさんのモスクがある。オスマントルコの時代のものだそうだ。ティラナ行き国際バスの時刻を聞くと15時発と17時半発を示された。それしかないらしい。しかし15時の便は高速道路上のバス停に停まるのでそこまではタクシーで行けとか、いやバス会社が15時にバス停から高速道路まで運んでくれるので、そこのカフェテリア前で待てとか説明が二転三転する。もともと言語に不自由するところだし、15時に高速道路なのに15時にカフェテリアで待ってたら論理的に間に合うわけがないので、最初に確かめるべく、そのカフェテリア前に行くと、「ティラナ!ティラナ!」とタクシー屋が吠えていた。これはあかん。諸外国のタクシー屋って、どこでも凄くクズ感を出している。

まぁ何とかなるだろうと冒険者然としたおおらかさでとりあえず観光に出る。なんせティラナ行きのバスまで3時間以上あるのだ。プリズレンは小さな町なので観光は全て徒歩でなんとかなる。しかし、どれもしょぼい。城壁は遠目に素晴らしいが、荷物が重いので登れない。というか、見るからに登る気を削ぐ高さである。その山の中腹に教会が立っていたりして、アフガニスタンあたりの山岳民族かよといいたくなる。

※プリズベン城壁からの夜景
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(Author : Arben Llapashtica, Kalaja e Prizrenit)

とりあえず話を聞くべくして入ったツーリストインフォメーションでは逆にやたら気合の入ったアンケートを食らった。観光物件が延々と列挙され、見たかどうかに始まり、今後観光客を増やすにはどうしたらいいかまで、まるでミステリーショッパーですかというくらいに詳細なコメント欄が並んでいる。ついていけないので全部にExcellentをつけていく自分はアンケートの誤差要因かもしれない。

世界遺産の生神女教会はしまっていたが、あとできくと9時から14時だけ空いているらしい。「地球の歩き方」にはジョージ教会で鍵を預かってるとか書いてあるが、そのジョージ教会に行ったら「知らん」と門前払いされた。歩き方の偽情報にいちいち腹を立ててはいけないよ、そういう本なんだから達観したまえ。文句があるなら素直にロンプラを読むことだ。なおツーリストインフォメーション様によれば、しまってる場合は向かいの警官詰め所に頼んで鍵開け人を召喚するのが正しいらしい。結局よくわからないが、たまたま鍵があいていたので猫のように滑り込んだら、一応中を見ることはできた。たしかに古くてカッコいい教会なのだけど、内装はボロボロで保存状態は良くない。これを見て感動しろというのは少し無理かも。14時に定時で教会を追い出され、そのままバス停に向かう。果たして15時過ぎにバス会社の乗用車が高速道路の脇にある雑貨屋のようなところまで運んでくれた。バスはその雑貨屋にだいたい20分遅れで来た。大陸時間バンザイ。

※世界遺産の正神女教会
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(Author: Graciela Gonzalez Brigas, The church of the Holy Virgin of Ljevisa)

コソボは出国手続きが存在しなく、アルバニアの入国手続だけが存在した。しかもスタンプすら押してくれない(入国も出国も!)。さすがは国民全部がねずみ講に引っかかった国というか。なおアルバニア語のトイレはVC GRA(女性用)とVC BURRA(男性用)と表記されている。間違えると怖いアルバニア人のオバサンに怒られる。しっかり覚えよう。

4. 旅の本屋 のまど:イベント情報


4. 旅の本屋 のまど イベント情報:
 5月25日 上原善広さん スライド&トークイベント
 6月16日 武藤北斗さん スライド&トークイベント

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プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「カナダ 歴史街道をゆく」発売記念
◆ノンフィクション作家 上原善広さん  スライド&トークイベント◆
「知られざるカナダの魅力を巡る旅」

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新刊『カナダ 歴史街道をゆく』(文藝春秋)の発売を記念して、著者でノンフィクション作家の上原善広さんをゲストにお迎えして、知られざるカナダの魅力とその歴史についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。「日本の路地を旅する」、「被差別の食卓」などこれまでに国内・海外の路地や被差別部落に関する著作が多数ある上原さんが今回注目したのは、カナダ。2017年、建国150周年を迎えるカナダは、建国以来、世界中からの移民を受け入れ、多民族主義を宣言し、異なるルーツの人びとが幸福に共存する道を選んできました。本書では、その広大な国土を、上原さんが、一年目はプリンス・エドワード島からウィニペグまで、二年目は東端の地ニューファンドランドを起点に、鉄道でトロントからバンクーバー、さらに北上して北極圏のタクトヤクタックまで踏破した記録が綴られています。カナダ全土に張り巡らされた「トランス・カナダ・トレイル」(TCT)という古い街道や廃線になった線路跡などのトレイルを自転車でめぐったり、先住民と共にユーコンで狩りをしたりするなど、長年、世界を駆け巡って現地を取材してきた上原さんならではの、カナダの歴史を通して体感したカナダの「今」のお話が聞けるはずです。普段あまりトークイベントをしない上原さんの話を生で聞けるチャンスですよ。上原さんのファンの方はもちろん、カナダの歴史や文化に興味のある方やカナダ旅行の予定がある方はぜひご参加ください!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


上原善広(うえはらよしひろ)

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1973(昭和48)年、大阪府生まれ。東京都在住。大阪体育大学卒業後、ノンフィクション作家となる。2010年、『日本の路地を旅する』(文春文庫)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年第18回雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。2017年『一投に賭けるー溝口和洋 最後の無頼派アスリート』(角川書店)で第27回ミズノ・スポーツライター賞優秀賞受賞。著作は『被差別の食卓』(新潮新書)、『被差別のグルメ』(新潮新書)、『異邦人』(文春文庫)、『発掘狂騒史ー岩宿から神の手まで』(新潮文庫)など多数。

◆上原善広ブログ「全身ノンフィクション作家」
http://u-yosihiro.at.webry.info/


【開催日時】  5月25日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:文藝春秋


新刊「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」発売記念
◆武藤北斗さん  スライド&トークイベント◆
「小さなエビ工場の世界を変える働き方」

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好きな時間に出勤・退勤できて、事前に連絡も必要なし、嫌いな作業もしなくていい!?
これまでの「仕事」や「働き方」の常識をひっくり返すような新しい取り組み「フリースケジュール制」を導入し、大きな注目を集めているパプアニューギニア海産。同社の新しい働き方とその背景にある考え方をまとめた書籍『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』(イースト・プレス刊)発売を記念して、本書の著者で、パプアニューギニア海産の経営者・工場長である武藤北斗さんのトーク・イベントを開催します。
パプアニューギニア産のおいしくて安全な天然エビを、現地の人々の生活を守りながら30年以上も輸入してきた同社は、いわばフェアトレードの先駆けと言える会社です。しかし、2011年3月の東日本大震災による大津波で宮城県石巻市の工場は流され、その後起こった原発事故も大きなきっかけとなり大阪への移転を余儀なくされました。それまで持っていた多くのものをなくして、家族とともに大阪に移り、いちから会社を建て直す中で、武藤さんは自らの生き方と、社会のありかたを見つめ直しました。それまで「あたりまえ」の働き方と言われてきたことは、本当に「あたりまえ」だったのだろうか? 小さなエビ工場から始まった、小さな「働きかた改革」は、試行錯誤を繰り返しながら実にユニークな変化を見せていきます……。

今回のトークショーでは、武藤さんが本の中では語りつくせなかった細かな心の変化、現在進行形の様々な改革などを、参加者の方との質疑応答を交えながらお話しいただきます。また今回は、パプアニューギニアの天然エビと途上国との密接な関係や、資本主義経済の中でないがしろにされていく食の安全性についてのこだわりなど、「働き方」だけにとどまらないテーマにも触れていただきます。ひとりひとりが変わることで、社会は変わる。この小さなエビ工場から始まった「働き方改革」には、世界を変えるための大きなヒントが隠されています。多くのみなさまのご来場をお待ちしています!なお、当日は、パプアニューギニア海産の天然エビフライの試食会も行います。(数量に限りがあるため、なくなり次第終了)

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


武藤北斗(むとうほくと)

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1975年福岡県生まれ。パプアニューギニア海産工場長。3児の父。小さな頃から引越しを繰り返し小学校は3校に通う。小学校4年から高校卒業までは東京暮らし。芝浦工業大学金属工学科を卒業後、築地市場の荷受けに就職しセリ人を目指す。夜中2時に出勤し12時間働く生活を2年半過ごす。その後㈱パプアニューギニア海産に就職し、天然えびの世界にとびこむ。2011年の東日本大震災で石巻にあった会社が津波により流され、福島第一原発事故の影響もあり1週間の自宅避難生活を経て大阪への移住を決意。震災による二重債務を抱えての再出発。現在は大阪府茨木市の中央卸売市場内で会社の再建中。東日本大震災で「生きる」「死ぬ」「働く」「育てる」などを真剣に見つめ考えるようになり、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など、固定概念に囚われず人が持ち得る可能性を引き出すことに挑戦している。

◆武藤北斗さんツイッター
https://twitter.com/hokut0


【開催日時】  6月16日(金)   19:30 ~ (開場19:00)  
【参加費】   1000円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:イーストプレス