4. 世界あの街この街: ウブド


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第27回 バリ・ウブド

Balifriend Tour
Balifriend Tour (トリップアドバイザー提供)

インドネシア共和国国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

美しいビーチとエキゾチックな文化風土で有名な世界的観光地バリ。
バリ島は南部がビーチリゾート、北部が高原・山岳地帯となっている。
西部はジャワ島に隣接し、ビーチからトレッキングまで幅広く大自然を堪能できるエリア。
東部は聖地アグン山をはじめとする史跡やビーチの他、離島ツアーの拠点としても人気。
ウブドは広大な島の中心部にあり、バリの伝統芸能と芸術の中心地。
豊かな自然体験や高級リゾート、物価の安さを活かした長期滞在まで楽しみ方は幅広い。
インドネシア バリ島 ギャニャール Ubud  ウブド   Google マップ
(地図-Googleマップ)

ウブドの街歩きは王宮前から。中心部に王宮や史跡、ミュージアムが点在し、郊外には豊かな自然が拡がっている。
Ubud Palace から Petanu River Villa   Google マップ
(地図-Googleマップ;A:Ubud王宮/ウブド市場/Saraswati Temple、B:プリ・ルキサン美術館、C:ブランコ美術館、D:プラダラムブントゥユン寺院、E:モンキーフォレスト、F:テガララン ライステラス、G:Elephant Cave、H:Tegenungan Waterfall)

王宮の前、Jl.Raya Ubud通りを越えるとそこは市場になっている。生鮮からお土産までそろうエネルギッシュなマーケットで、アジアの熱気を実感する。
Pasar Ubud
Pasar Ubud (トリップアドバイザー提供)

王宮の西側にはサラスワティ寺院(ウォーターパレス)。湖面に蓮の葉が浮かび、その向こうには静かに寺院がたたずんでいる。カフェでまったりするのも良い。
Saraswati Temple
Saraswati Temple (トリップアドバイザー提供)

さて、せっかくウブドに来たならバリ美術を巡ってみたい。中心部からほど近くにあるプリ・ルキサン美術館はバリ絵画の名作を集めている。
Museum Puri Lukisan
Museum Puri Lukisan (トリップアドバイザー提供)

画家、アントニオ・ブランコの住居跡に建てられたブランコ美術館も人気のスポット。アトリエの跡がそのまま保存されている。
Don Antonio Blanco Museum
Don Antonio Blanco Museum (トリップアドバイザー提供)

この他にもバリ絵画のコレクター、ステジャ・ネカ氏のコレクションを展示したネカ美術館や、南部にある総合芸術コンプレックスのARMAなど興味深い施設がそろっている。
街中至る所にギャラリーもあり、気に入った絵画があれば買うこともできる(値段交渉は根気が必要…)。


王宮から南に延びるJl. Monkey Forest通りはホテルやショップ、レストランがところ狭しと軒を連ねるウブドでも最も賑やかなエリア。
通りを北に向かうと、プラダラムブントゥユン寺院。この寺院では巨大な竹筒によるガムラン(ジェゴグ)が有名で、腹の底が震えるような重低音のガムランと舞踊を体験できる。
Pura Dalem Bentuyung Temple
Pura Dalem Bentuyung Temple (トリップアドバイザー提供)

Jl. Monkey Forest通りの南端がモンキー・フォレスト。多くの猿が棲息する自然保護区になっており、エサやりも体験できる。それどころかエサを奪い取ってくる勢いの猿も多いので要注意。
Monkey Forest
Monkey Forest (トリップアドバイザー提供)

そして、その近くにあるのがテガララン・ライステラス。
アジアの原風景のような美しい棚田は癒しムード満点。
Tegalalang Rice Terrace
Tegalalang Rice Terrace (トリップアドバイザー提供)

さらに東部、郊外に向かうと通称「像の洞窟」こと「ゴア・ガジャ」。
ヒンドゥー寺院であること以外、いつ何のために建造されたかということまでよくわかっていないというミステリアスな史跡ながら、洞窟入り口の「魔女ランダ」像のインパクトがすばらしく、バリ島のランドマークとなっている。
商売の神、ガネーシャ像もあるので気になる方は是非。
Elephant Cave
Elephant Cave (トリップアドバイザー提供)

「ゴア・ガジャ」を見物したら滝に涼みに行くこともできる。
トゥグヌンガン滝は高さ25m、鬱蒼とした熱帯林の中で水煙が立ち上る様は涼をよぶ。
Tegenungan Waterfall
Tegenungan Waterfall (トリップアドバイザー提供)

観光地を駆け足で紹介したが、ウブドの魅力は観光地の活気や便利さと、アジアのゆるさが絶妙に混じり合っているところ。特に目的地を決めず、市場を歩いたり、田園でなごんだり、カフェで涼んだり、そんな休日をのんびり過ごしてみたい。
Cafe Wayan & Bakery
Cafe Wayan & Bakery (トリップアドバイザー提供)


郊外観光では、王のお墓が祀られているという渓谷の寺院、グヌン・カウィ石窟が外せない。
11世紀に遡るという遺跡は圧倒的なスケールで、数百段の階段を降りていくと岩山が掘り抜かれた巨大な石窟寺院にたどりつく。インドのエローラ石窟の影響をうけたとも言われており、バリの歴史が濃密に詰まっている。
Gunung Sari Dance
Gunung Sari Dance (トリップアドバイザー提供)

ウブドからわずか1時間、デンパサールはバリの州都。
バザールの賑わいやヒンドゥー寺院などの見どころも多い。お土産を買うならウブドよりも選択肢が多いかも。
Denpasar Bird Market
Denpasar Bird Market (トリップアドバイザー提供)

続いて、ウブドから離れてバリの代表的な観光スポットをいくつか。

ウブドとデンパサールの中間あたり、タナロット寺院は海に浮かぶ寺院。満潮時には島となり、干潮時には歩いて渡ることができるという、フランスのモン・サン・ミシェルに匹敵するような寺院。夕暮れに浮かぶ寺院のシルエットはバリのポストカードで絶好のモチーフとなっている。
タナロット寺院
タナロット寺院 (トリップアドバイザー提供)

南部のバドゥン半島、南西端の崖にそびえ建つウルワトゥ寺院も名刹として名高い。
10世紀に遡るバリ島最古の寺院ながら、大自然の雄大さをそのまま祀ったようなワイルドさが魅力。夕陽やケチャ鑑賞のスポットとしてもお馴染み。一帯は世界的なサーフスポットでもある。
ウルワトゥ寺院
ウルワトゥ寺院 (トリップアドバイザー提供)

珍スポットに食指が動く諸兄にはGWKカルチュラルパークがおすすめ。240ヘクタール(東京ドーム50個分以上)というとてつもなく広い敷地に巨大な像やシアターが点在し、フードコートや絶景ポイントもあって一日過ごせる。ともすればがっかりスポットになりがちなコンセプトでも、スケールが大きければ立派な名所となるというお手本。
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park (トリップアドバイザー提供)

もし山に興味があるならばトレッキングの機会も豊富。
西部国立公園は豊富な野生動物と熱帯の鳥を眺めるバードウォッチングが人気で、1,500m級の高地は意外に過ごしやすい。
北部の景勝地キンタマーニは、雄大な裾野を広げるバトゥール山とカルデラ湖の大パノラマが楽しめる。

そして、体力に自信があればバリ島最高峰のアグン山へ。3,031mの高峰ながら日帰り登頂も可能。雲海が拡がる絶景は感動の一言。

アグン山
アグン山
(トリップアドバイザー提供)

VELTRA


d'Alas warung
d’Alas warung (トリップアドバイザー提供)

バリは世界的な観光地であり、インドネシア料理、バリ料理はもちろん世界中の料理が楽しめる。
インドネシア風チャーハンの「ナシ・ゴレン」、様々なおかずのぶっかけ飯「ナシ・チャンプル」、焼きそばの「ミー・ゴレン」、鶏のスープ「ソト・アヤム」などが有名。
西スマトラのパダン料理はローカルでも人気の料理。CNNが「世界一美味しい料理」と認定して話題となったレンダンはその代表格。牛肉をココナツミルクとタマネギで煮込んだコク深い煮込み料理。他にも、豪快に鶏を揚げた「アヤム・ゴレン」や串焼きのサテなどが名物。

バリのローカルテイストが味わいたければ地元の人が利用する屋台や食堂へ。イスラムの戒律を踏襲し牛肉・鶏肉中心のインドネシア料理に対し、ヒンドゥーの多いバリ島では豚肉も常食する。ココナツミルクは控えめでスパイスの効いた強めの味付けが特徴。代表的な料理は、ダイナミックな豚の丸焼き(「バビ・グリン」)、魚介のサテ、バナナの葉で魚介や鶏肉を蒸し焼きにした料理など。


日本からの行き方

(空路)
直行便の場合、フラッグキャリアのガルーダ・インドネシア航空が成田、羽田、関空からデンパサール国際空港までそれぞれ毎日1便運航している。ANAとのコードシェアとなっている。
ガルーダ・インドネシア航空の場合、機内でビザ発給・入国審査が可能なため非常に便利。
直行便なら往路・復路が7時間程度。エアバスA330-300で快適。
オフシーズンで7~8万円台。

経由便の場合、エアアジア、マレーシア航空、キャセイパシフィックなど。最安値で5~6万円程度。
エアアジアはキャンペーンをうまく利用できれば安い。バリ往復4万円から。

(海路)
ジャワのクタパンからバリ島までフェリーで30分程度。

(パッケージツアー)
バリの場合、個人手配よりもパッケージツアーのお得度が高い。
パッケージツアーの場合は3泊4日、ガルーダ・インドネシア航空直行便を使ったツアーが5万円台。
高級リゾートホテルに滞在するプランでも割安で、ホテル代はもちろん航空券代を下回ることもある。

(空港)
バリ島の空港はデンパサール国際空港(ングラ・ライ国際空港)。
2013年9月に近代的な新国際線ターミナルがオープンした。ガルーダ・インドネシア航空の他シンガポール航空、タイ国際航空など多くの国際線が乗り入れている。
ウブドまではおよそ40km、タクシーで1時間程度。定額制のエアポート・タクシーが20万ルピア程度。
空港着が深夜・早朝の場合、朝の9時頃までタクシーカウンターが開かないため交渉制となる(定額の1.5倍程度となる)。

割安な移動手段としては、デンパサールの南に位置するバリ最大の繁華街、クタとウブドを往復するシャトルバス(プラマバス)がある。片道5万ルピア。空港へは乗り入れていないので、クタのジャラン・レギャン通りのプラマ社に向かい(5万ルピア程度)、そこからウブドを目指すことになる。1日2便で効率は悪いが、クタに寄る都合があれば便利。


地理と気候

バリ島は東京都の2.5倍ほどの広さにビーチ、渓谷、標高3,000mのアグン山までダイナミックな自然が存在している。
赤道直下の熱帯性気候。東南アジアでは冬がベストシーズンとなることが多いが、バリの場合11月~3月が雨季。
ベストシーズンは4月~10月の乾季で、天候が安定し過ごしやすい。
ただし、雨期もみずみずしい稲穂の風景や露天に山盛りとなるフルーツなど、魅力的な季節。
バリの新年、ニュピの日は観光客も外出できなくなる。2015年は3月21日、2016年は3月9日がニュピにあたる。

年間通して温暖で、街中にも安宿にもランドリーサービスがあるため軽装でOK。日差しが強いので日焼け止めや帽子、サングラスは必須。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午が午前11時。サマータイムはない。
インドネシア自体には西部、中央部(バリ島含む)、東部と3つの時間帯がある。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はインドネシア語。現地の人が日常的に使っているのはバリ語。
観光客は英語で問題無い。
バリ語はヒンズーのカースト制を反映した敬語表現が特徴で、身分ごとに単語が異なるなど難易度が高い(間違えると非礼にあたる)。インドネシア語で簡単なコミュニケーションがとれれば行動の幅も広がる。

通貨はインドネシアルピア。1インドネシアルピア=0.0087円(14年8月時点)。
概ね100ルピア=1円と覚えておけばよい。

スーパーマーケットや外国人向けのお土産屋は定価制だが、ほとんどは交渉制。
ミネラル・ウォーターが3000ルピア、食堂で一食5万~10万ルピア程度、レストランの夕食が15万ルピア、ビールが4万ルピア程度。市中スパのボディ・マッサージ1時間が30万ルピア、ホテル・スパなら50万ルピア程度。

両替は万国共通で、ATMの国際キャッシングが便利。
現金の場合は日本円を現地の市中で替えるのが鉄則。
ビザ代(後述)のUSドルがあると便利。ホテルなどはドル建ての場合もあるが、そのようなホテル・店はクレジットカードが通用することが多いので、わざわざバリ島で使うために多額の米ドルを持って行く必要は無い。

チップの習慣はないが、ポーターやホテルのハウスキーパーに2万ルピア程度。ガイドやドライバーに2万~5万程度。
レストランはサービス料が載っているので払う必要は無い。


治安とビザ

観光地特有のスリ、ひったくり、スキミング、ぼったくり物売りの他、いかさま賭博や麻薬といったリゾートにありがちな犯罪も報告されている。また、ルピアは桁が多いので、両替時のピンハネは日常茶飯事。
日本語で親しげに話しかけてきた相手とトランプする羽目になった場合は100%詐欺。早くその場を離れたい。
男性は美人局、女性は痴漢やジゴロに注意。
インドネシアでは麻薬は厳罰であり、個人使用・旅行者であっても実刑をくらう。

よく報告されている症状は下痢と日射病。デング熱に罹ると旅行が台無しになる。


インドネシア入国にはビザが必要。
バリ島の場合、30日までの観光ビザ(アライバルビザ)を空港到着時に取得できる。費用はこれまで25US$だったが、7月にUS$35へ値上がりしたばかり。
パスポートの残存期間要6ヶ月以上、査証欄に見開き2ページ以上の空白ページがあること、千US$相当の現金または有効なクレジットカードを所持していることが条件。


市内交通

(タクシー・ベモ)
多くの街で旅行者の最も身近な足はタクシーだが、ウブドの場合メータータクシーは走っておらず、個人営業のタクシー(一応ウブド村公認)や送迎車、ホテル専属のタクシーが存在する。
個人営業のタクシーは交渉制、たいていふっかけてくるが、ふっかけられても安いのでついつい言い値に応じてしまうという日本人観光客も多い。しかし、その行動は彼らを増長させていき、後にバリを訪れる旅行者に不利益を与えることとなる。ここは相場を把握した上で利用したい。

乗り合いの小型ワンボックスがベモ。路線やスケジュールは決まっていない。
市内の近距離ならばせいぜい1,000ルピアだが、外国人はふっかけられることが多い。とりあえず1,000ルピア程度払ってあとはシカトという手も…。ベモの車内ではスリが報告されており、身辺に気を配っておくこと。

(クルマのチャーター・レンタサイクル・バイク)
最もおすすめなのはレンタルバイク。レンタサイクルも安い。Jl. Monkey Forest通りにはレンタバイク業者が軒を連ねている。
自転車の場合1日20,000ルピア程度、バイクが50,000ルピア程度とほぼ数百円で借りることができる。長期割引があることも多い。郊外の農道をバイクで走るのは楽しい。

運転手・エアコン付のクルマを1日8時間程度チャーターした場合、車種や立ち寄り地にも寄るが5千円程度から。日本語ガイドを付けても追加2千円程度。ストレスなく移動でき、郊外の観光地を効率的に移動するなら便利。

なお、レンタカーはインドネシアの免許が必要となり、本来国際免許証で運転することはできない。
しかし借りることはできる模様…。
実際にはレンタルの証明書があれば咎められないという話や、取り締まりがあってもかなりザルという噂もあり、借りる際に業者のお兄さんによく確認しておきたい。公的には無免許運転ということになるので、事故の時は面倒なことになる。
交通マナーは東南アジア特有の悪さで、急発進や逆走、派手な追い越しなどが目白押し。さらに道路事情が悪いため、慢性的に渋滞している。運転には十分注意すること。


ホテル

ONEWORLD retreats Kumara
ONEWORLD retreats Kumara (トリップアドバイザー提供)

高級リゾートホテルからゲストハウスまで、宿は充実している。
年末年始の他、ラマダン明けもインドネシア人で混み合う。
東南アジアでは6~7月に学校が休みになる場合が多く、この時期もハイシーズンとなる。

高級リゾートホテルは一泊2万円以上だが、設備は豪華。中級ホテルやバンガローは3千円程度から。格安パックツアーにもよく使われる。ゲストハウスは千円未満のところもある。
リゾートホテルはサヤンやクデワタンなどの郊外に、ゲストハウスや中級ホテルはJl. Monkey Forest通りやジャラン・ビスマ通りなど中心部にも多い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
インドネシアの携帯業者はテレコムセル(Telkomsel)、Axis、Indosat、XLなど。
バリ島でカバーエリアが広いと評判なのはTelkomselとXL。

TelkomselのプリペイドSIMカードはsimPATIというブランド名で提供されており、1週間~30日で数ギガ程度の様々なプランがある。XLの場合、スマートフォン向けの「XmartPlan Android」が使いやすい。
いずれも、料金は利用時間などの前提条件が複雑なため、カウンターで滞在日数と「Unlimited Internet」というように告げて確認すること。使い放題1ヶ月程度でもたいしてかからない。

(WiFi)
旅行者が行く様なレストラン、カフェはもちろん、スパやローカル食堂など様々な場所で無料のWiFiが提供されている。店員に言ってパスワードをもらおう。