カテゴリー別アーカイブ: 2014/07/29号 Vol.028

tabinoteメールマガジン 2014/07/29号 Vol.028 有料版

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1
3a-2. 特別企画:tabinote緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!
3b. 世界一周ノート 第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2
4. 世界あの街この街:ウブド
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:8/8(木) 吉田友和さん&松岡絵里さん スライド&トークショー
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~(最終回)
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

スカイマーク、A380の購入を断念か

スカイマークは、エアバスに発注していた大型機A380、6機の契約をすべて取り消す方向で準備を薦めていることがわかった。だが、エアバスは契約変更の条件の一部としてスカイマークに大手航空会社の傘下に入るか、もしくは違約金を支払うことを要求しているなど話し合いは難航しているようだ。

プレスリリース

中国東方航空、機内Wi-Fiを開始

米WSJの記事によると、中国東方航空は、中国の航空会社として初めて機内Wi-Fiサービスを開始する予定だ。まずは27機のエアバスA330に搭載され、順次機材を増やしていく予定。料金などの詳細はまだ不明だ。

タイ・エアアジアX、バンコク線のセールを延長

タイ・エアアジアXは、9月1日に就航する、東京/成田・大阪/関西~バンコク/ドンムアン線を片道19,900円で購入できるセールを再延長した。対象となるのは、9月1日〜11月30日搭乗分。日程によってまだ空きはあるので、タイ行きを検討している人はチェックしよう。

ANA、メキシコ直行便を検討

日経新聞の記事によると、ANAがメキシコへの直行便就航を検討していることがわかった。現在メキシコへの直行便は、アエロメヒコがメキシコシティ~東京/成田を週4便運行しているのみ。以前はJALが就航していたが経営破綻に伴い撤退している。

ノックスクート、日本路線就航を前倒し

タイのノックエアとシンガポールのスクートが共同で運営するノックスクートが、予定されている日本就航を9月1日に前倒しするとの報道があった。成田か羽田かは不明だが、就航日をタイ・エアアジアにぶつけてきており、同日にバンコクへの新たなLCC路線が2本就航することとなる。対抗値下げも考えられるためアジアへの旅行者には朗報だ。

今夏、関空に3社のA380が揃う

開港20週年を迎える関西国際空港(KIX)に、今夏、シンガポール航空(SQ)、タイ国際航空(TG)、アシアナ航空(OZ)のエアバスA380機が揃って就航することになった。これを記念し関空では特設ウェブサイトを開設。写真展やクルーとの記念撮影などのイベントも行われる。

特設ページ
kix

続く航空機事故

7月17日にマレーシア航空MH17便(B777)がウクライナ東部の紛争地帯で撃墜されたのを皮切りに、7月23日にトランスアジア航空222便(ATR72)が着陸に失敗し炎上、7月24日にはアルジェリア航空5017便(MD83)がマリ北部の砂漠に墜落した。深刻な航空機事故が続くが、当然ながら各事故に因果関係はまったくなく、航空機輸送の安全性が低下したことを意味するものではない。

参考
激動の1週間に専門家「これらの事故は全く関連性を持っておらず、航空機は安全」 旅行者の大半も懸念せず(Tricy)

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

日帰り沖縄もLCC効果か

 このところ、LCCを使って沖縄に何回か出かけた。ジェットスター、バニラエア、スカイマーク……。そのときの運賃と時間帯で決めていった。安さということにこだわっていくと、早朝便になる。そのスケジュールをみながら、これなら日帰り沖縄組も出てくるような気がした。
 仕事で日帰り? いや、違う。サラリーマンだったら、なんとか1泊の日程をつくる。午前1時台に東京駅を出発するバスに乗り、ほぼ徹夜などというスケジュールは組まないだろう。せっかく那覇に行くわけだから、のんびり泡盛でも飲みたいと思うかもしれない。
 日帰り組は旅行者である。ストレスの溜まる仕事。いくら頑張っても、報われない。しかしいまの会社環境を考えれば、辞めるわけにもいかない。
 でも……。
 日帰り沖縄ができると耳にする。航空券代は、うまく買えば往復で1万円を切る。これなら休日にどこかへ遊びに行くのと大差はないではないか。
 沖縄の海。そして強い太陽……。思いっきり日に焼いてくるか。
 いま現在の日帰りパターンはこんな感じになる。

<成田―那覇>
往路
ジェットスター 6:10-8:55
バニラエア 8:00-10:55

<那覇―成田>
復路
ジェットスター 19:00-21:30
バニラエア 18:45-21:55

<羽田―那覇>
往路
スカイマーク 6:25-9:15

<那覇―羽田>
復路
スカイマーク 22:00-0:25

 那覇滞在が最も長くなるのは、往路はジェットスター、復路はスカイマークという組み合わせになる。

<関空―那覇>
往路
ジェットスター 8:10―10:15
ピーチ・アビエーション 7:00-9:00

復路
ジェットスター 17:45-19:45
ピーチ・アビエーション 20:55-22:50

 那覇滞在が最も長いのは、ビーチ・アビエーション利用になる。
 どちらも那覇滞在は12時間を超えるから、ビーチで存分遊べるわけだ。
 那覇周辺には、日帰りを想定したようなビーチもある。『美らsunビーチ』は、那覇空港から車で15分である。人工ビーチだが、700メートル続く白砂のビーチは、日帰り組にはうれしい存在。船に間に合えば、慶良間諸島まで足を延ばすこともできる。沖縄本島北部の『美ら海水族館』やその周辺ビーチで遊ぶという手もある。
 疲れるかもしれないが、湘南あたりの海へ行ったのとはストレスの抜け具合が違う。沖縄の海に行ってきたという優越感もある。
 これもLCC効果というのだろうか。

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那覇空港を出発するスカイマーク。羽田便は成田便に比べてちょっと高い

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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第27回 吉田友和

い インバウンド

 山開きして間もない富士山へ登ってきた。世界遺産へ登録されて以来ますます盛況だと聞いていたから、あえて週末を外したのだが、それでも多くの登山客でごった返していた。道幅が狭くなるところでは渋滞まで起きていて驚いたが、さらにビックリしたことがある。
 外国人の姿がやけに目立つのだ。下手したら日本人よりも多いぐらいで、異国の山を登っているような不思議な気持になった。
 運の悪いことに、このときは天候が優れなかった。8.5合目の山小屋で一泊するも、猛烈な雨風に襲われ、山頂は霧に覆われた。数メートル先の視界もままならない状況に、あきらめて下山を決める者が後を絶たない。そんな中でも果敢にも先へ進もうとするのは、大抵が外国人登山客だった。
 帰りは麓に広がる河口湖畔で温泉に浸かろうということになった。レトロバスという名の、河口湖駅から発着する路線バスに乗り込むと、ここにも外国人ばかり。小さなバスに巨大なスーツケースを持って乗り込んでくる。運転手さんは言葉こそ分からないものの、慣れているのか動じずに日本語で対応していたのも印象的だった。
 河口湖といえば、学生時代にサークルの合宿でよく訪れたところで、当時の記憶が色濃く残っている。ところが、街は様変わりしていた。英語の看板を掲げる店が明らかに増え、ホステルやゲストハウスなども目につく。立ち寄った日帰り温泉でも、湯船に浸かっていると日本語ではない言葉が耳を素通りして、ハッとさせられたのだった。
 インバウンド――海外から日本へやってくる旅行、ならびに旅行者そのものを指し示すものとして、旅行業界でよく使われる言葉だ。逆に日本から海外へ行くことは「アウトバウンド」と言う。いずれにしろ業界用語であり、一般旅行者にはあまり関係のない言葉ではあるが、実はここ最近、個人的に注目度の高いテーマだったりする。
 海外を旅していると、日本へ対する興味が湧いてくる。自分の国のことをもっと知りたい欲求にかられ、国内も積極的に旅して回るようになった。海外旅行を始める前の国内旅行と比べると、旅の仕方や考え方は変わった実感がある。日本の観光地などで目にする外国人が気になり始めたのも、海外旅行の影響と言えるだろうか。
 近年とくに増えているのが、東南アジアからの旅行者だ。背景には訪日ビザが緩和されたことがある。僕がよく行くタイなどは顕著で、根強い日本ブームの追い風も受けて勢い盛んな印象を受ける。バンコクにいるとそこかしこで日本旅行の広告を目にするし、タイで開催された旅行業界向けの展示会へ行ったら、あからさまに「日本押し」な状況が垣間見られたりもした。
 政情が不安定で、デモやらクーデターやら物騒な報道が続くせいか、タイへの渡航を控える人も増えている。海外旅行の訪問地別のデータを見ると、今夏はタイは前年比約1割減というデータが出ているぐらいだ。その一方で、日本とタイを結ぶ航空便がほとんど運休にならないのは、タイ人の訪日需要があるお陰だという話も聞いた。タイ・エアアジアXがドンムアン~成田/関空を飛ばすなど、新規就航便まで登場している。
 我が実家は北海道なのだが、いまでは新千歳空港からもバンコク行きの定期就航便が存在し、帰省の際にはタイ人を見かける機会が増えた。僕自身もその路線でバンコクへ行ったことがあるが、乗客は日本人よりも圧倒的にタイ人という感じだった。
 彼らが狙って北海道を訪れるのは、冬の時期だろう。お目当ては雪である。さっぽろ雪まつりの会場などは、前述した富士山並みに外国人だらけで目をみはった。多くはアジア系で、タイ語も何度も耳にしたのを思い出す。
 そういった特別なイベント以外にも、真冬の北海道では屋外で記念撮影をしている外国人をごく普通に見かける。観光地ではなく、何の変哲もないただの道端で撮っていたりする。なぜこんなところで……? と最初は訝しんだが、彼らが雪をバックに写真に写っているのだと知り、腑に落ちたものだ。北海道の積雪は住む者にとってはシャレにならないレベルなのだが、常夏の国からやってきた者には物珍しさがあるというわけだ。
 ただまあ、我々もあまり人のことは言えない。以前にマダガスカルへバオバブの木を見に行ったときのことだ。現地の人たちは首を傾げていた。彼らからすれば、遙々遠く海をわたって木を見にやってくる日本人が理解できないのだという。身近なものは憧れの対象にはなりにくい。旅へ駆り立てられる衝動の根底には、ないものねだりのような感情もあるのだろうなあ。

※インバウンド→次回は「ど」がつく旅の話です!

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3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1

計画編

tabinoteワタベです。
ひょんなことから香港エクスプレス航空の激安チケット(往復15,000円也)を入手した私、4年ぶりの香港です。

せっかく行くならtabinoteのネタになるような場所を紹介したいと思いましたが、街歩き、グルメ、電脳雑貨…などはいろんな場所で紹介し尽くされてるしなー、とテーマを決めかねていました。
当時登山熱が高まっていた私。香港で山歩きとかできないかなと思い調べてみると、意外や意外、知らなかったのは私だけでしょうか。香港が亜熱帯の島であることを再認識させられるような、大自然ネタの数々が見つかりました。
特に、この本は大変参考になりました。
香港アルプス ジオパークメジャートレイル全ガイド

なんと香港は全面積の4割が国立公園・自然保護区に認定されており、ユネスコのジオパークもあるという自然豊かな場所。
香港国際空港から市街・香港島に向かう道すがら、結構険しい山々があるのに気づかれた方も多いことでしょう。空港のあるランタオ島は標高934メートルの鳳凰山をはじめとしてゴツゴツした山並みが連なり、ビルや建物からすぐに急峻な山が現れます。
香港島を見下ろすビクトリア・ピークも相当な急勾配の山。標高は500メートル程度ながら、トラムを使わずに自分の足で登るのはなかなか大変です。ピークや香港島のビルから本土側を見ると、ビルの向こうに尖った山並みを見ることができます。
喧噪と高層ビルのイメージが強いですが、実は自然を活かしたアクティビティもかなり楽しめるんですね。

本によると、香港の大自然を整備していったのは主にイギリス人。19世紀後半、租借地となった香港でイギリス人が植林をすすめ、丸裸の岩山を緑に増やしていったとか。
1970年代以降、当時の英国人提督・マクリホースが熱心に郊野公園(カントリーパーク)を整備し、現在も市民に親しまれる4つの長大な自然道(トレイル)が完成。最初に開通した、自身の名を冠した「マクリホース・トレイル」はなんと全長100km!本土側、東の萬宜から名峰・馬鞍山を経て西のはて屯門までつづくトレイルは、香港はもちろんアジアでも有数の規模だそうです。
続いて、空港のある自然の島ランタオ島のランタオ・トレイル、香港島を東西に網羅するホンコン・トレイルと続き、最後に中国返還の前年1996年、本土側から香港島の南端までを南北に結ぶ全長78kmのウィルソン・トレイルが開通し、現在では4大トレイルとして親しまれているようです。

香港4大トレイル
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(画像:www.ofca.gov.hkのMobile Network Coverage Survey をもとにtabinote作成)

そして、2011年には香港ジオパークがユネスコにより世界ジオパークに認定されました。


「香港アルプス」を見つけたとき、「これだ!」と思いました。
目的の無い旅もいいけれど、今回は香港滞在2泊の短期決戦、ここはガッツリと香港の山に行ってみたい!という気がむくむく湧き上がってきたのです。

代表的なルートの見どころを調べてみると…。

マクリホース・トレイル

全長100kmにおよぶ最長のトレイル。名峰馬鞍山やライオンロック、香港最高峰の大帽山(957m)を擁し、比較的険しめ。
特に馬鞍山は雄大で登りごたえがあり「世界で一番高い700m峰」と呼ばれているとのこと。面白そうです。
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(画像:Wikipedia)

ランタオ・トレイル

全長70kmの周回コース。高低差が大きく山も深め。
マクリホース・トレイルの大帽山(957m)は車道が通っているのに対し、ランタオの鳳凰山(934m)は本格的な登山が楽しめ、愛好家にとって実質的な最高峰という声も。実際その姿は標高以上に雄壮でダイナミックです。
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(画像:discoverhongkong.com)

ホンコン・トレイル

ホンコン島のピークを出発し、東に抜ける全長50kmのトレイル。市街からも行きやすく、緑と青、高層ビルのコントラストを見ることができます。ハイライトはタイム誌でアジアのベストハイキングコースにも選ばれたというドランズバック。
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(地図:discoverhongkong.com)

ウィルソン・トレイル

中国国境から香港島南端の赤柱までを結ぶトレイルで、なんと途中のビクトリア湾を地下鉄で横断する全香港満喫コース。香港島のトレイルは完全な山登りだそうで、その部分だけでも達成感ありそう。
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(画像:Wikipedia)


各トレイルはセクションに分かれており、途中のセクションだけを行くこともできます。
短期滞在なら全長100kmとかきついですからね。

また、4大トレイル以外にも以下のように魅力的な場所が…。

ラマ島(南Y島)

中環からフェリーでわずか30分。2~3時間程度のハイキングルートで手軽にリゾート気分。海鮮料理店が多いというのも楽しみです。

(地図:discoverhongkong.com)

ジオパーク

複数ありますが、西貢のハイ・アイランドで見られる六角柱状の岩々や美しい大浪湾のビーチが見どころだそう。特にこの大浪湾の野良牛写真にはぐっと来ました…。
(大浪湾の野良牛)
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(画像:geopark.gov.hk、notesplusultra.com)

どーですか、香港のイメージが変わってきませんか?

どこも魅力的ですが、日程的に巡れるのは一箇所。
マクリホースとラマ島で相当迷いましたが、今回はガッツリ身体を動かしたかったので、市街から近く登山が堪能できるマクリホース・トレイルの馬鞍山を登頂するルートに決めました。

馬鞍山のある第4セクション(Kei Ling Ha → Tai Lo Shan)は12.7km・所要5時間。
結構な山道で、難易度は最高ランクの星3つ(Very Difficult)。しかもこのルートには馬鞍山登頂は含まず、それを加えると所要プラス1時間で計6時間程度は必要。

さて、実は私は海外登山どころか、単独での山行自体これが初めて。
なんとかなるのか?まあ大丈夫でしょう…。

(次号:「実践編」に続く)

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緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!

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はじめに

tabinote田口です。
エアアジアのハブ空港であるクアラルンプール国際空港LCCターミナル(LCCT)は、われわれ貧乏アジアツーリストの母港とも言える空港だ。
僕も成田・羽田以外では一番利用した空港だと思う。

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だが、省コストを徹底したその建物は、倉庫と見まごうばかりのお粗末なもの。

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もちろんボーディングブリッジなどないので、毎回搭乗口までゾロゾロと歩いて行くのが名物だった。
市内とのアクセスも悪く、片道1時間のボロいバス(安いけど)に揺られなければならなかった。(豪雨で荷物がびしょ濡れになったことも)

KLIA2

ところがこのLCCTがリニューアルし、KLIA2(Kuala Lunpur International Airport2)として生まれ変わったという。

Klia2_-_the_purposed_design
Klia2 – the purposed design“. Via Wikipedia.

長い間できるできるといいつつ一向にオープンする気配がなかったので完成予想図を見ても信じられなかったのだが、いよいよ本当にオープンしたようなのでさっそく行ってみた。

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うおお!!できてる!!!ボーディングブリッジがある!!!!とまずそこだけで感動。

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今までの倉庫がウソのような近代的建築に頭がクラクラする。

エクステリア/インテリアもすごいのだが、イミグレ>税関などの動線も驚くほど改善されており、ものの15分ほどで入国できた。

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カートもどこかの空港のように有料などケチなことは言わず無料で貸してくれる。

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ゲートを出てすぐに携帯キャリアショップが並ぶ。プリペイドSIM派にはうれしい。

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ピクトグラムにしたがって進んでいくだけでアクセス鉄道「KLIA EXPRESS」の改札が現れる。これに乗ればクアラルンプール中心のKLセントラルまで30分だ。

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翌日のフライトが早い場合はターミナルから濡れずに歩いていけるエアアジア直営の格安ホテル「Tune Hotel」に泊まるのもいいだろう。

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旅行を楽しんだらいよいよ帰国だ。KLIA EXPRESSを降りたらモニターで帰国便を確認しよう。

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KLIA2 getting around map” by WalkingkamusOwn work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

その前にメインターミナルに隣接した複合商業施設「gateway@klia2」をチェックだ。

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ヘタなショッピングモールよりも店舗は充実している。と言っても「ヴィトン」や「グッチ」のような手の出ない高級ブランドは皆無なので、安心して買い物ができるぞ。

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ちょうど僕が行った日にユニクロがオープンしていた。まだまだ工事中の店も多く、これからさらに充実していく模様。

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スーパーマーケットまである。デリで買った弁当やフルーツをその場で食べることもできるぞ。

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そして中2階には巨大フードコートがある。世界のフードコートには一家言ある僕だが、店舗数、料理のバラエティ、価格、内装、すべて言うことなし。自信を持って現時点で世界一のフードコートと断言しよう。電源、無料無線LANもあるので、ラウンジなんかなくてもここで十分仕事ができる。もちろんいくら長居してもなにも言われない。

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フードコート以外にもおしゃれで個性的なレストランがたくさん。

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食事が終わったらチェックインカウンターへ。カウンターも増え、以前ほど行列に悩まされることもなさそうだ。

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チェックインが終わったらいよいよ出国。出国後のエリアにもレストランやショップがたくさんあるので安心してほしい。

というわけで丸一日いてもまったく退屈を感じなかったKLIA2。予想を遥かに超える素晴らしい空港ターミナルに変身したようだ。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2

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ワーキングホリデーに来ている日本人の傾向として、男性は若く、女性は30歳前後という印象を受けた。だから27歳の僕は少し半端な存在だった気がする。
大学を休学したり、就職をせずにふらふらしている20代前半の未成熟な男性と、日本での社会人生活や結婚生活を経て海外生活を選択した30歳前後の女性たち。そんな不思議な相関図が成り立っていた。
特に若い男性はそんな女性たちをギリホリやヤリホリ(外国人目的のワーホリ)と言って笑っていたりした。
社会人を経験している僕はやっぱり仕事においても女性の方が価値観が合っていて、何となく同じ苦しみを持っていることがわかった。
そんな中にはかぶれてしまい、「日本に戻れない」発言をする若者や、実際に35歳くらいで学生ビザを伸ばし伸ばし留まる人もいた。因みに、前回記した日本食レストラン等ではビザの種類無視で無制限で働けるので生活は成り立つ。

日本人のコミュニティは狭く、何か困ったことがあれば日系の代理店が全てを請け負ってくれる。そんな環境で語学修得が捗ることはなく、海外生活は旅行感覚で過ぎていく。それが現実だった。
それでも、僕はワーキングホリデーに価値があると断言したい。英語が上達しなくても、ずっと日本人と一緒に居ても、その生活は刺激的で、旅行のようだ。だから、ワーキングホリデーに何か成長を期待して裏切られるのではなく、ただ楽しんだという既成事実を後でゆっくり咀爵すればよい思う。本人も、周りも。
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そんな中でも未だに僕が許せないワーホリ人種が一つある。それは知り合った外国人をブラザーと呼び、オーストラリアを第2の故郷と呼び、ヒッピースタイルを気取る若者だ。
そんな彼らの大好きな大麻について記したいと思う。
ずばり簡単に手に入るかというと、答えは運次第だ。日本人は大麻を買うルートがなく、ルームメイトや職場の環境に左右される。相場は小さなパッケージ1つで50$と安くはないけれど、半合法的に流通している点から言えば日本よりも遥かに安全と言える。
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僕は何度かその買い物に出掛けたけれど、プッシャーは毎回場所を変えてその受け渡しが行われた。それはアパートの1室だったり、公園だったり、バックパッカーと呼ばれる安宿だったりした。
ドイツ人やフランス人の間での流通が盛んで、そこに近付ければ簡単に手に入ると思う。
僕のルームメイトだった韓国人は最終的にLSDに手を出して、生活がままならなくなって帰国していたので、やはりその点は自己責任ではあるのだけれど。
けれど、そんな中でも確実に手に入れられる場所が存在する。「ニンビン」だ。ゴールドコーストから近い聖地と呼ばれるその場所は、呼び名の通りメッカだった。
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500m程のメインストリートしかないその小さな町は、ハーブショップやヒッピー雑貨の店で溢れ、一目でジャンキーとわかる人々が怪しく彷徨いている。そこを歩けばどこからともなく声がかかり、裏路地へ案内される。そこで質を確かめて価格交渉をする。本当にそれだけで買えてしまう。
相場もシドニーと比べると安く、10oz(28g)で400$といったところだろうか。年齢不詳の顔がシワシワの老婆の様なジャンキーが1番安かった。
それでも私服警官の巡回があるということと、実際に帰り道で前の車がパトカーに停められていたのを目撃したことから、やはり自己責任と言える。
そこで買った大麻をシドニーでつてのない日本人に売れば、それだけでビジネスが成り立つように感じた。
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大麻に溺れ、価値観を失い、外国に墜ちて行かない限り、ワーキングホリデーは素晴らしく、生きていく糧になると僕は思う。夢と希望と挫折と絶望を抱えた日本人たちが、今日もそうしてシドニーを歩いている。
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次回はレンタカーで巡るオーストラリア半周観光を記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第27回 バリ・ウブド

Balifriend Tour
Balifriend Tour (トリップアドバイザー提供)

インドネシア共和国国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

美しいビーチとエキゾチックな文化風土で有名な世界的観光地バリ。
バリ島は南部がビーチリゾート、北部が高原・山岳地帯となっている。
西部はジャワ島に隣接し、ビーチからトレッキングまで幅広く大自然を堪能できるエリア。
東部は聖地アグン山をはじめとする史跡やビーチの他、離島ツアーの拠点としても人気。
ウブドは広大な島の中心部にあり、バリの伝統芸能と芸術の中心地。
豊かな自然体験や高級リゾート、物価の安さを活かした長期滞在まで楽しみ方は幅広い。
インドネシア バリ島 ギャニャール Ubud  ウブド   Google マップ
(地図-Googleマップ)

ウブドの街歩きは王宮前から。中心部に王宮や史跡、ミュージアムが点在し、郊外には豊かな自然が拡がっている。
Ubud Palace から Petanu River Villa   Google マップ
(地図-Googleマップ;A:Ubud王宮/ウブド市場/Saraswati Temple、B:プリ・ルキサン美術館、C:ブランコ美術館、D:プラダラムブントゥユン寺院、E:モンキーフォレスト、F:テガララン ライステラス、G:Elephant Cave、H:Tegenungan Waterfall)

王宮の前、Jl.Raya Ubud通りを越えるとそこは市場になっている。生鮮からお土産までそろうエネルギッシュなマーケットで、アジアの熱気を実感する。
Pasar Ubud
Pasar Ubud (トリップアドバイザー提供)

王宮の西側にはサラスワティ寺院(ウォーターパレス)。湖面に蓮の葉が浮かび、その向こうには静かに寺院がたたずんでいる。カフェでまったりするのも良い。
Saraswati Temple
Saraswati Temple (トリップアドバイザー提供)

さて、せっかくウブドに来たならバリ美術を巡ってみたい。中心部からほど近くにあるプリ・ルキサン美術館はバリ絵画の名作を集めている。
Museum Puri Lukisan
Museum Puri Lukisan (トリップアドバイザー提供)

画家、アントニオ・ブランコの住居跡に建てられたブランコ美術館も人気のスポット。アトリエの跡がそのまま保存されている。
Don Antonio Blanco Museum
Don Antonio Blanco Museum (トリップアドバイザー提供)

この他にもバリ絵画のコレクター、ステジャ・ネカ氏のコレクションを展示したネカ美術館や、南部にある総合芸術コンプレックスのARMAなど興味深い施設がそろっている。
街中至る所にギャラリーもあり、気に入った絵画があれば買うこともできる(値段交渉は根気が必要…)。


王宮から南に延びるJl. Monkey Forest通りはホテルやショップ、レストランがところ狭しと軒を連ねるウブドでも最も賑やかなエリア。
通りを北に向かうと、プラダラムブントゥユン寺院。この寺院では巨大な竹筒によるガムラン(ジェゴグ)が有名で、腹の底が震えるような重低音のガムランと舞踊を体験できる。
Pura Dalem Bentuyung Temple
Pura Dalem Bentuyung Temple (トリップアドバイザー提供)

Jl. Monkey Forest通りの南端がモンキー・フォレスト。多くの猿が棲息する自然保護区になっており、エサやりも体験できる。それどころかエサを奪い取ってくる勢いの猿も多いので要注意。
Monkey Forest
Monkey Forest (トリップアドバイザー提供)

そして、その近くにあるのがテガララン・ライステラス。
アジアの原風景のような美しい棚田は癒しムード満点。
Tegalalang Rice Terrace
Tegalalang Rice Terrace (トリップアドバイザー提供)

さらに東部、郊外に向かうと通称「像の洞窟」こと「ゴア・ガジャ」。
ヒンドゥー寺院であること以外、いつ何のために建造されたかということまでよくわかっていないというミステリアスな史跡ながら、洞窟入り口の「魔女ランダ」像のインパクトがすばらしく、バリ島のランドマークとなっている。
商売の神、ガネーシャ像もあるので気になる方は是非。
Elephant Cave
Elephant Cave (トリップアドバイザー提供)

「ゴア・ガジャ」を見物したら滝に涼みに行くこともできる。
トゥグヌンガン滝は高さ25m、鬱蒼とした熱帯林の中で水煙が立ち上る様は涼をよぶ。
Tegenungan Waterfall
Tegenungan Waterfall (トリップアドバイザー提供)

観光地を駆け足で紹介したが、ウブドの魅力は観光地の活気や便利さと、アジアのゆるさが絶妙に混じり合っているところ。特に目的地を決めず、市場を歩いたり、田園でなごんだり、カフェで涼んだり、そんな休日をのんびり過ごしてみたい。
Cafe Wayan & Bakery
Cafe Wayan & Bakery (トリップアドバイザー提供)


郊外観光では、王のお墓が祀られているという渓谷の寺院、グヌン・カウィ石窟が外せない。
11世紀に遡るという遺跡は圧倒的なスケールで、数百段の階段を降りていくと岩山が掘り抜かれた巨大な石窟寺院にたどりつく。インドのエローラ石窟の影響をうけたとも言われており、バリの歴史が濃密に詰まっている。
Gunung Sari Dance
Gunung Sari Dance (トリップアドバイザー提供)

ウブドからわずか1時間、デンパサールはバリの州都。
バザールの賑わいやヒンドゥー寺院などの見どころも多い。お土産を買うならウブドよりも選択肢が多いかも。
Denpasar Bird Market
Denpasar Bird Market (トリップアドバイザー提供)

続いて、ウブドから離れてバリの代表的な観光スポットをいくつか。

ウブドとデンパサールの中間あたり、タナロット寺院は海に浮かぶ寺院。満潮時には島となり、干潮時には歩いて渡ることができるという、フランスのモン・サン・ミシェルに匹敵するような寺院。夕暮れに浮かぶ寺院のシルエットはバリのポストカードで絶好のモチーフとなっている。
タナロット寺院
タナロット寺院 (トリップアドバイザー提供)

南部のバドゥン半島、南西端の崖にそびえ建つウルワトゥ寺院も名刹として名高い。
10世紀に遡るバリ島最古の寺院ながら、大自然の雄大さをそのまま祀ったようなワイルドさが魅力。夕陽やケチャ鑑賞のスポットとしてもお馴染み。一帯は世界的なサーフスポットでもある。
ウルワトゥ寺院
ウルワトゥ寺院 (トリップアドバイザー提供)

珍スポットに食指が動く諸兄にはGWKカルチュラルパークがおすすめ。240ヘクタール(東京ドーム50個分以上)というとてつもなく広い敷地に巨大な像やシアターが点在し、フードコートや絶景ポイントもあって一日過ごせる。ともすればがっかりスポットになりがちなコンセプトでも、スケールが大きければ立派な名所となるというお手本。
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park (トリップアドバイザー提供)

もし山に興味があるならばトレッキングの機会も豊富。
西部国立公園は豊富な野生動物と熱帯の鳥を眺めるバードウォッチングが人気で、1,500m級の高地は意外に過ごしやすい。
北部の景勝地キンタマーニは、雄大な裾野を広げるバトゥール山とカルデラ湖の大パノラマが楽しめる。

そして、体力に自信があればバリ島最高峰のアグン山へ。3,031mの高峰ながら日帰り登頂も可能。雲海が拡がる絶景は感動の一言。

アグン山
アグン山
(トリップアドバイザー提供)

VELTRA


d'Alas warung
d’Alas warung (トリップアドバイザー提供)

バリは世界的な観光地であり、インドネシア料理、バリ料理はもちろん世界中の料理が楽しめる。
インドネシア風チャーハンの「ナシ・ゴレン」、様々なおかずのぶっかけ飯「ナシ・チャンプル」、焼きそばの「ミー・ゴレン」、鶏のスープ「ソト・アヤム」などが有名。
西スマトラのパダン料理はローカルでも人気の料理。CNNが「世界一美味しい料理」と認定して話題となったレンダンはその代表格。牛肉をココナツミルクとタマネギで煮込んだコク深い煮込み料理。他にも、豪快に鶏を揚げた「アヤム・ゴレン」や串焼きのサテなどが名物。

バリのローカルテイストが味わいたければ地元の人が利用する屋台や食堂へ。イスラムの戒律を踏襲し牛肉・鶏肉中心のインドネシア料理に対し、ヒンドゥーの多いバリ島では豚肉も常食する。ココナツミルクは控えめでスパイスの効いた強めの味付けが特徴。代表的な料理は、ダイナミックな豚の丸焼き(「バビ・グリン」)、魚介のサテ、バナナの葉で魚介や鶏肉を蒸し焼きにした料理など。


日本からの行き方

(空路)
直行便の場合、フラッグキャリアのガルーダ・インドネシア航空が成田、羽田、関空からデンパサール国際空港までそれぞれ毎日1便運航している。ANAとのコードシェアとなっている。
ガルーダ・インドネシア航空の場合、機内でビザ発給・入国審査が可能なため非常に便利。
直行便なら往路・復路が7時間程度。エアバスA330-300で快適。
オフシーズンで7~8万円台。

経由便の場合、エアアジア、マレーシア航空、キャセイパシフィックなど。最安値で5~6万円程度。
エアアジアはキャンペーンをうまく利用できれば安い。バリ往復4万円から。

(海路)
ジャワのクタパンからバリ島までフェリーで30分程度。

(パッケージツアー)
バリの場合、個人手配よりもパッケージツアーのお得度が高い。
パッケージツアーの場合は3泊4日、ガルーダ・インドネシア航空直行便を使ったツアーが5万円台。
高級リゾートホテルに滞在するプランでも割安で、ホテル代はもちろん航空券代を下回ることもある。

(空港)
バリ島の空港はデンパサール国際空港(ングラ・ライ国際空港)。
2013年9月に近代的な新国際線ターミナルがオープンした。ガルーダ・インドネシア航空の他シンガポール航空、タイ国際航空など多くの国際線が乗り入れている。
ウブドまではおよそ40km、タクシーで1時間程度。定額制のエアポート・タクシーが20万ルピア程度。
空港着が深夜・早朝の場合、朝の9時頃までタクシーカウンターが開かないため交渉制となる(定額の1.5倍程度となる)。

割安な移動手段としては、デンパサールの南に位置するバリ最大の繁華街、クタとウブドを往復するシャトルバス(プラマバス)がある。片道5万ルピア。空港へは乗り入れていないので、クタのジャラン・レギャン通りのプラマ社に向かい(5万ルピア程度)、そこからウブドを目指すことになる。1日2便で効率は悪いが、クタに寄る都合があれば便利。


地理と気候

バリ島は東京都の2.5倍ほどの広さにビーチ、渓谷、標高3,000mのアグン山までダイナミックな自然が存在している。
赤道直下の熱帯性気候。東南アジアでは冬がベストシーズンとなることが多いが、バリの場合11月~3月が雨季。
ベストシーズンは4月~10月の乾季で、天候が安定し過ごしやすい。
ただし、雨期もみずみずしい稲穂の風景や露天に山盛りとなるフルーツなど、魅力的な季節。
バリの新年、ニュピの日は観光客も外出できなくなる。2015年は3月21日、2016年は3月9日がニュピにあたる。

年間通して温暖で、街中にも安宿にもランドリーサービスがあるため軽装でOK。日差しが強いので日焼け止めや帽子、サングラスは必須。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午が午前11時。サマータイムはない。
インドネシア自体には西部、中央部(バリ島含む)、東部と3つの時間帯がある。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はインドネシア語。現地の人が日常的に使っているのはバリ語。
観光客は英語で問題無い。
バリ語はヒンズーのカースト制を反映した敬語表現が特徴で、身分ごとに単語が異なるなど難易度が高い(間違えると非礼にあたる)。インドネシア語で簡単なコミュニケーションがとれれば行動の幅も広がる。

通貨はインドネシアルピア。1インドネシアルピア=0.0087円(14年8月時点)。
概ね100ルピア=1円と覚えておけばよい。

スーパーマーケットや外国人向けのお土産屋は定価制だが、ほとんどは交渉制。
ミネラル・ウォーターが3000ルピア、食堂で一食5万~10万ルピア程度、レストランの夕食が15万ルピア、ビールが4万ルピア程度。市中スパのボディ・マッサージ1時間が30万ルピア、ホテル・スパなら50万ルピア程度。

両替は万国共通で、ATMの国際キャッシングが便利。
現金の場合は日本円を現地の市中で替えるのが鉄則。
ビザ代(後述)のUSドルがあると便利。ホテルなどはドル建ての場合もあるが、そのようなホテル・店はクレジットカードが通用することが多いので、わざわざバリ島で使うために多額の米ドルを持って行く必要は無い。

チップの習慣はないが、ポーターやホテルのハウスキーパーに2万ルピア程度。ガイドやドライバーに2万~5万程度。
レストランはサービス料が載っているので払う必要は無い。


治安とビザ

観光地特有のスリ、ひったくり、スキミング、ぼったくり物売りの他、いかさま賭博や麻薬といったリゾートにありがちな犯罪も報告されている。また、ルピアは桁が多いので、両替時のピンハネは日常茶飯事。
日本語で親しげに話しかけてきた相手とトランプする羽目になった場合は100%詐欺。早くその場を離れたい。
男性は美人局、女性は痴漢やジゴロに注意。
インドネシアでは麻薬は厳罰であり、個人使用・旅行者であっても実刑をくらう。

よく報告されている症状は下痢と日射病。デング熱に罹ると旅行が台無しになる。


インドネシア入国にはビザが必要。
バリ島の場合、30日までの観光ビザ(アライバルビザ)を空港到着時に取得できる。費用はこれまで25US$だったが、7月にUS$35へ値上がりしたばかり。
パスポートの残存期間要6ヶ月以上、査証欄に見開き2ページ以上の空白ページがあること、千US$相当の現金または有効なクレジットカードを所持していることが条件。


市内交通

(タクシー・ベモ)
多くの街で旅行者の最も身近な足はタクシーだが、ウブドの場合メータータクシーは走っておらず、個人営業のタクシー(一応ウブド村公認)や送迎車、ホテル専属のタクシーが存在する。
個人営業のタクシーは交渉制、たいていふっかけてくるが、ふっかけられても安いのでついつい言い値に応じてしまうという日本人観光客も多い。しかし、その行動は彼らを増長させていき、後にバリを訪れる旅行者に不利益を与えることとなる。ここは相場を把握した上で利用したい。

乗り合いの小型ワンボックスがベモ。路線やスケジュールは決まっていない。
市内の近距離ならばせいぜい1,000ルピアだが、外国人はふっかけられることが多い。とりあえず1,000ルピア程度払ってあとはシカトという手も…。ベモの車内ではスリが報告されており、身辺に気を配っておくこと。

(クルマのチャーター・レンタサイクル・バイク)
最もおすすめなのはレンタルバイク。レンタサイクルも安い。Jl. Monkey Forest通りにはレンタバイク業者が軒を連ねている。
自転車の場合1日20,000ルピア程度、バイクが50,000ルピア程度とほぼ数百円で借りることができる。長期割引があることも多い。郊外の農道をバイクで走るのは楽しい。

運転手・エアコン付のクルマを1日8時間程度チャーターした場合、車種や立ち寄り地にも寄るが5千円程度から。日本語ガイドを付けても追加2千円程度。ストレスなく移動でき、郊外の観光地を効率的に移動するなら便利。

なお、レンタカーはインドネシアの免許が必要となり、本来国際免許証で運転することはできない。
しかし借りることはできる模様…。
実際にはレンタルの証明書があれば咎められないという話や、取り締まりがあってもかなりザルという噂もあり、借りる際に業者のお兄さんによく確認しておきたい。公的には無免許運転ということになるので、事故の時は面倒なことになる。
交通マナーは東南アジア特有の悪さで、急発進や逆走、派手な追い越しなどが目白押し。さらに道路事情が悪いため、慢性的に渋滞している。運転には十分注意すること。


ホテル

ONEWORLD retreats Kumara
ONEWORLD retreats Kumara (トリップアドバイザー提供)

高級リゾートホテルからゲストハウスまで、宿は充実している。
年末年始の他、ラマダン明けもインドネシア人で混み合う。
東南アジアでは6~7月に学校が休みになる場合が多く、この時期もハイシーズンとなる。

高級リゾートホテルは一泊2万円以上だが、設備は豪華。中級ホテルやバンガローは3千円程度から。格安パックツアーにもよく使われる。ゲストハウスは千円未満のところもある。
リゾートホテルはサヤンやクデワタンなどの郊外に、ゲストハウスや中級ホテルはJl. Monkey Forest通りやジャラン・ビスマ通りなど中心部にも多い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
インドネシアの携帯業者はテレコムセル(Telkomsel)、Axis、Indosat、XLなど。
バリ島でカバーエリアが広いと評判なのはTelkomselとXL。

TelkomselのプリペイドSIMカードはsimPATIというブランド名で提供されており、1週間~30日で数ギガ程度の様々なプランがある。XLの場合、スマートフォン向けの「XmartPlan Android」が使いやすい。
いずれも、料金は利用時間などの前提条件が複雑なため、カウンターで滞在日数と「Unlimited Internet」というように告げて確認すること。使い放題1ヶ月程度でもたいしてかからない。

(WiFi)
旅行者が行く様なレストラン、カフェはもちろん、スパやローカル食堂など様々な場所で無料のWiFiが提供されている。店員に言ってパスワードをもらおう。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:8/8(木) 吉田友和さん&松岡絵里さん スライド&トークショー

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「旅はタイにはじまり、タイに終わる」&「週末夏旅!」発売記念
◆吉田友和さん&松岡絵里さん  スライド&トークショー◆
「夏旅のススメ! ~ 東南アジアから日本まで」

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cover
新刊『旅はタイにはじまり、タイに終わる』(幻冬舎文庫)&『週末夏旅!』(平凡社)の発売を記念して、旅行作家の吉田友和さんと松岡絵里さんご夫妻をお招きして夏に行きたい旅先や夏旅のノウハウについてスライドを交えながらたっぷりと語っていただきます。7月に2作連続新刊を発売する、今や超売れっ子の旅行作家の吉田さん。
『旅はタイにはじまり、タイに終わる』では、アジアを周遊できるエアパスを活用し香港、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジアを楽しむための、そして、「週末夏旅!」では、キャンプ、花火大会、夏祭り、島旅など、主に国内の旅先を夏に楽しむための実践的な旅の体験が綴られています。そこで、この夏、旅を予定されている方のために、吉田さんがこの2冊の旅を通して実感した、夏の旅を楽しむための旅先選びや旅のノウハウを、本に書けなかったエピソードを交えつつ、ドドーンと一挙に紹介してくれます。話を聞けば、今年の夏の旅行が一気に楽しくなりますよ!吉田さん&松岡さんご夫妻のファンの方はもちろん、夏休みに旅行の予定のある方やこれから旅の予定を立てる方はぜひご参加ください!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。サラリーマン生活の中での海外旅行体験をつづった『仕事が忙しいあなたのための週末海外!』(情報センター出版局)をはじめ、『週末バンコク』(平凡社)など週末旅行に関する著書多数。世界各地で写真撮影も精力的に行う。
著書に『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)など。
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◆旅行作家★吉田友和 Official Web
http://www.tomotrip.net/

松岡絵里(まつおかえり)

1976年京都府生まれ。幼少の頃を台湾、フィリピンで育つ。出版社勤務ののち、結婚を機に夫・吉田友和とともに607日に渡る世界一周新婚旅行に出る。その体験をベースにまとめた著書『してみたい! 世界一周』(情報センター出版局)がベストセラーに。
その後も旅熱は依然高く、現在までに世界約70カ国、日本全都道府県を訪れる。
著作に『ニッポン聖地案内』(同)、『世界の市場』、『世界の聖地』(国書刊行会)など。
0808matsuoka


【開催日時】 8月8日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  900円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:幻冬舎、平凡社

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6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える
~YOU、たび行っちゃいなよ~

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ハマ姉

tabinoteサイトデザイン&制作担当。紅一点のアラフォー。J事務所と旅が好き。ハマ姉へのご意見・ご質問はこちら↓

今日で辛かった仕事も終わり・・

ハマ姉です

突然ですが最終回です

旅はもちろん行きたいのだけど、行ってる暇がないんです!
合法の少年達をただ見ている喜び・・脳内トリップが楽しすぎて毎日がエブリデイ毎日がスペシャル
彼らがJAPANに居る限りここに居たい・・同じTOKYOの空気吸っていたい・・

あと単純に今日まで仕事忙しかった。それに尽きます

最近は旅行記やら特別寄稿やらボリュームが多くなってたからまあいいっすよね
ハマ姉は、震えるほど行きたかった桃源郷へとうとう旅立ったのです ~Fin~
(写真:合法によって召されたハマ姉のダイイングメッセージ)
ダイイングメッセージ

まあ・・何かしらやれとは言われているので、NAVERまとめとメルマガ/サイトの連動企画みたいなのを任されようかな、とは思っています
トラブルとか女子旅とかテーマを決めて記事をまとめるの、結構コンテンツ揃ってきたし出来るかなって
結局、餅は餅屋すね・・素材を整える方が性に合ってるわ・・

とりあえずQ&Aコーナーなので、何かそれっぽい事書いて終わります

Q:次に行きたい場所は?

A:旅行はしばらく国内に限定されるので、その間出来るだけマイレージをためていよいよヨーロッパに足踏み入れたいっす!高いから未開拓地だよ!

よし、以上です!また会う日まで!来世じゃなきゃいいね!涅槃でもいいよ?
ご感想あればよろしくです!

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7. 編集後記

tabinote田口です。タイから帰ってきたら東京はタイより暑くてビビりました。早くタイに戻りたい……。

というわけでtabinoteメルマガVol.28を配信しました。
下川さんの連載はLCCで沖縄日帰り旅行の薦めです。せっかくの沖縄なので長期間楽しみたいと思ってしまいますが「数時間でなにができるか」というチャレンジもゲームっぽくて楽しいかもですね。
吉田さんは「インバウンド」のお話し。確かにタイ人の日本への興味はすごく感じます。チェンマイのショッピングモールでも日本の七夕フェアをやっていたんですが、「日本でアイドルになりたいです」という短冊を見つけて驚きました。
青木さんの「世界一周ノート」はワーホリと大麻のお話し。どちらも実体験をベースにしたリアリティあるものでした。ああ、若いうちにワーホリしたかったなあ……。
「世界あの街この街」はバリのウブドです。タイとはまた違った極楽感ありそうですね。行ってみたいです。
tabinoteワタベによる香港登山の話し。オレが地下鉄乗り回してた間にそんなことしてたのか(笑)。
tabinote田口のKLIA2レポ。いやマジ今現在世界最高エアポートだと思っています。早くまた行きたい。
次号は8/12(火)発行となります。
よろしくお願いいたします。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

166031
一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次号は8/12(火)発行の予定です。

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tabinoteメールマガジン 2014/07/29号 Vol.028 無料版

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1
3a-2. 特別企画:tabinote緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!
3b. 世界一周ノート 第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2
4. 世界あの街この街:ウブド
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:8/8(木) 吉田友和さん&松岡絵里さん スライド&トークショー
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~(最終回)
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

スカイマーク、A380の購入を断念か

スカイマークは、エアバスに発注していた大型機A380、6機の契約をすべて取り消す方向で準備を薦めていることがわかった。だが、エアバスは契約変更の条件の一部としてスカイマークに大手航空会社の傘下に入るか、もしくは違約金を支払うことを要求しているなど話し合いは難航しているようだ。

プレスリリース

中国東方航空、機内Wi-Fiを開始

米WSJの記事によると、中国東方航空は、中国の航空会社として初めて機内Wi-Fiサービスを開始する予定だ。まずは27機のエアバスA330に搭載され、順次機材を増やしていく予定。料金などの詳細はまだ不明だ。

タイ・エアアジアX、バンコク線のセールを延長

タイ・エアアジアXは、9月1日に就航する、東京/成田・大阪/関西~バンコク/ドンムアン線を片道19,900円で購入できるセールを再延長した。対象となるのは、9月1日〜11月30日搭乗分。日程によってまだ空きはあるので、タイ行きを検討している人はチェックしよう。

ANA、メキシコ直行便を検討

日経新聞の記事によると、ANAがメキシコへの直行便就航を検討していることがわかった。現在メキシコへの直行便は、アエロメヒコがメキシコシティ~東京/成田を週4便運行しているのみ。以前はJALが就航していたが経営破綻に伴い撤退している。

ノックスクート、日本路線就航を前倒し

タイのノックエアとシンガポールのスクートが共同で運営するノックスクートが、予定されている日本就航を9月1日に前倒しするとの報道があった。成田か羽田かは不明だが、就航日をタイ・エアアジアにぶつけてきており、同日にバンコクへの新たなLCC路線が2本就航することとなる。対抗値下げも考えられるためアジアへの旅行者には朗報だ。

今夏、関空に3社のA380が揃う

開港20週年を迎える関西国際空港(KIX)に、今夏、シンガポール航空(SQ)、タイ国際航空(TG)、アシアナ航空(OZ)のエアバスA380機が揃って就航することになった。これを記念し関空では特設ウェブサイトを開設。写真展やクルーとの記念撮影などのイベントも行われる。

特設ページ
kix

続く航空機事故

7月17日にマレーシア航空MH17便(B777)がウクライナ東部の紛争地帯で撃墜されたのを皮切りに、7月23日にトランスアジア航空222便(ATR72)が着陸に失敗し炎上、7月24日にはアルジェリア航空5017便(MD83)がマリ北部の砂漠に墜落した。深刻な航空機事故が続くが、当然ながら各事故に因果関係はまったくなく、航空機輸送の安全性が低下したことを意味するものではない。

参考
激動の1週間に専門家「これらの事故は全く関連性を持っておらず、航空機は安全」 旅行者の大半も懸念せず(Tricy)

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

日帰り沖縄もLCC効果か

 このところ、LCCを使って沖縄に何回か出かけた。ジェットスター、バニラエア、スカイマーク……。そのときの運賃と時間帯で決めていった。安さということにこだわっていくと、早朝便になる。そのスケジュールをみながら、これなら日帰り沖縄組も出てくるような気がした。


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第27回 吉田友和

い インバウンド

 山開きして間もない富士山へ登ってきた。世界遺産へ登録されて以来ますます盛況だと聞いていたから、あえて週末を外したのだが、それでも多くの登山客でごった返していた。道幅が狭くなるところでは渋滞まで起きていて驚いたが、さらにビックリしたことがある。
 外国人の姿がやけに目立つのだ。下手したら日本人よりも多いぐらいで、異国の山を登っているような不思議な気持になった。


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3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1

計画編

tabinoteワタベです。
ひょんなことから香港エクスプレス航空の激安チケット(往復15,000円也)を入手した私、4年ぶりの香港です。

せっかく行くならtabinoteのネタになるような場所を紹介したいと思いましたが、街歩き、グルメ、電脳雑貨…などはいろんな場所で紹介し尽くされてるしなー、とテーマを決めかねていました。
当時登山熱が高まっていた私。香港で山歩きとかできないかなと思い調べてみると、意外や意外、知らなかったのは私だけでしょうか。香港が亜熱帯の島であることを再認識させられるような、大自然ネタの数々が見つかりました。
特に、この本は大変参考になりました。
香港アルプス ジオパークメジャートレイル全ガイド

なんと香港は全面積の4割が国立公園・自然保護区に認定されており、ユネスコのジオパークもあるという自然豊かな場所。
香港国際空港から市街・香港島に向かう道すがら、結構険しい山々があるのに気づかれた方も多いことでしょう。空港のあるランタオ島は標高934メートルの鳳凰山をはじめとしてゴツゴツした山並みが連なり、ビルや建物からすぐに急峻な山が現れます。
香港島を見下ろすビクトリア・ピークも相当な急勾配の山。標高は500メートル程度ながら、トラムを使わずに自分の足で登るのはなかなか大変です。ピークや香港島のビルから本土側を見ると、ビルの向こうに尖った山並みを見ることができます。
喧噪と高層ビルのイメージが強いですが、実は自然を活かしたアクティビティもかなり楽しめるんですね。

本によると、香港の大自然を整備していったのは主にイギリス人。19世紀後半、租借地となった香港でイギリス人が植林をすすめ、丸裸の岩山を緑に増やしていったとか。
1970年代以降、当時の英国人提督・マクリホースが熱心に郊野公園(カントリーパーク)を整備し、現在も市民に親しまれる4つの長大な自然道(トレイル)が完成。最初に開通した、自身の名を冠した「マクリホース・トレイル」はなんと全長100km!本土側、東の萬宜から名峰・馬鞍山を経て西のはて屯門までつづくトレイルは、香港はもちろんアジアでも有数の規模だそうです。
続いて、空港のある自然の島ランタオ島のランタオ・トレイル、香港島を東西に網羅するホンコン・トレイルと続き、最後に中国返還の前年1996年、本土側から香港島の南端までを南北に結ぶ全長78kmのウィルソン・トレイルが開通し、現在では4大トレイルとして親しまれているようです。

香港4大トレイル
map_trails
(画像:www.ofca.gov.hkのMobile Network Coverage Survey をもとにtabinote作成)

そして、2011年には香港ジオパークがユネスコにより世界ジオパークに認定されました。


「香港アルプス」を見つけたとき、「これだ!」と思いました。
目的の無い旅もいいけれど、今回は香港滞在2泊の短期決戦、ここはガッツリと香港の山に行ってみたい!という気がむくむく湧き上がってきたのです。

代表的なルートの見どころを調べてみると…。

マクリホース・トレイル

全長100kmにおよぶ最長のトレイル。名峰馬鞍山やライオンロック、香港最高峰の大帽山(957m)を擁し、比較的険しめ。
特に馬鞍山は雄大で登りごたえがあり「世界で一番高い700m峰」と呼ばれているとのこと。面白そうです。
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(画像:Wikipedia)

ランタオ・トレイル

全長70kmの周回コース。高低差が大きく山も深め。
マクリホース・トレイルの大帽山(957m)は車道が通っているのに対し、ランタオの鳳凰山(934m)は本格的な登山が楽しめ、愛好家にとって実質的な最高峰という声も。実際その姿は標高以上に雄壮でダイナミックです。
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(画像:discoverhongkong.com)

ホンコン・トレイル

ホンコン島のピークを出発し、東に抜ける全長50kmのトレイル。市街からも行きやすく、緑と青、高層ビルのコントラストを見ることができます。ハイライトはタイム誌でアジアのベストハイキングコースにも選ばれたというドランズバック。
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(地図:discoverhongkong.com)

ウィルソン・トレイル

中国国境から香港島南端の赤柱までを結ぶトレイルで、なんと途中のビクトリア湾を地下鉄で横断する全香港満喫コース。香港島のトレイルは完全な山登りだそうで、その部分だけでも達成感ありそう。
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(画像:Wikipedia)


各トレイルはセクションに分かれており、途中のセクションだけを行くこともできます。
短期滞在なら全長100kmとかきついですからね。

また、4大トレイル以外にも以下のように魅力的な場所が…。

ラマ島(南Y島)

中環からフェリーでわずか30分。2~3時間程度のハイキングルートで手軽にリゾート気分。海鮮料理店が多いというのも楽しみです。

(地図:discoverhongkong.com)

ジオパーク

複数ありますが、西貢のハイ・アイランドで見られる六角柱状の岩々や美しい大浪湾のビーチが見どころだそう。特にこの大浪湾の野良牛写真にはぐっと来ました…。
(大浪湾の野良牛)
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(画像:geopark.gov.hk、notesplusultra.com)

どーですか、香港のイメージが変わってきませんか?

どこも魅力的ですが、日程的に巡れるのは一箇所。
マクリホースとラマ島で相当迷いましたが、今回はガッツリ身体を動かしたかったので、市街から近く登山が堪能できるマクリホース・トレイルの馬鞍山を登頂するルートに決めました。

馬鞍山のある第4セクション(Kei Ling Ha → Tai Lo Shan)は12.7km・所要5時間。
結構な山道で、難易度は最高ランクの星3つ(Very Difficult)。しかもこのルートには馬鞍山登頂は含まず、それを加えると所要プラス1時間で計6時間程度は必要。

さて、実は私は海外登山どころか、単独での山行自体これが初めて。
なんとかなるのか?まあ大丈夫でしょう…。

(次号:「実践編」に続く)

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緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!

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はじめに

tabinote田口です。
エアアジアのハブ空港であるクアラルンプール国際空港LCCターミナル(LCCT)は、われわれ貧乏アジアツーリストの母港とも言える空港だ。
僕も成田・羽田以外では一番利用した空港だと思う。

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だが、省コストを徹底したその建物は、倉庫と見まごうばかりのお粗末なもの。

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もちろんボーディングブリッジなどないので、毎回搭乗口までゾロゾロと歩いて行くのが名物だった。
市内とのアクセスも悪く、片道1時間のボロいバス(安いけど)に揺られなければならなかった。(豪雨で荷物がびしょ濡れになったことも)

KLIA2

ところがこのLCCTがリニューアルし、KLIA2(Kuala Lunpur International Airport2)として生まれ変わったという。

Klia2_-_the_purposed_design
Klia2 – the purposed design“. Via Wikipedia.

長い間できるできるといいつつ一向にオープンする気配がなかったので完成予想図を見ても信じられなかったのだが、いよいよ本当にオープンしたようなのでさっそく行ってみた。

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うおお!!できてる!!!ボーディングブリッジがある!!!!とまずそこだけで感動。

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今までの倉庫がウソのような近代的建築に頭がクラクラする。

エクステリア/インテリアもすごいのだが、イミグレ>税関などの動線も驚くほど改善されており、ものの15分ほどで入国できた。

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カートもどこかの空港のように有料などケチなことは言わず無料で貸してくれる。

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ゲートを出てすぐに携帯キャリアショップが並ぶ。プリペイドSIM派にはうれしい。

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ピクトグラムにしたがって進んでいくだけでアクセス鉄道「KLIA EXPRESS」の改札が現れる。これに乗ればクアラルンプール中心のKLセントラルまで30分だ。

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翌日のフライトが早い場合はターミナルから濡れずに歩いていけるエアアジア直営の格安ホテル「Tune Hotel」に泊まるのもいいだろう。

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旅行を楽しんだらいよいよ帰国だ。KLIA EXPRESSを降りたらモニターで帰国便を確認しよう。

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KLIA2 getting around map” by WalkingkamusOwn work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

その前にメインターミナルに隣接した複合商業施設「gateway@klia2」をチェックだ。

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ヘタなショッピングモールよりも店舗は充実している。と言っても「ヴィトン」や「グッチ」のような手の出ない高級ブランドは皆無なので、安心して買い物ができるぞ。

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ちょうど僕が行った日にユニクロがオープンしていた。まだまだ工事中の店も多く、これからさらに充実していく模様。

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スーパーマーケットまである。デリで買った弁当やフルーツをその場で食べることもできるぞ。

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そして中2階には巨大フードコートがある。世界のフードコートには一家言ある僕だが、店舗数、料理のバラエティ、価格、内装、すべて言うことなし。自信を持って現時点で世界一のフードコートと断言しよう。電源、無料無線LANもあるので、ラウンジなんかなくてもここで十分仕事ができる。もちろんいくら長居してもなにも言われない。

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フードコート以外にもおしゃれで個性的なレストランがたくさん。

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食事が終わったらチェックインカウンターへ。カウンターも増え、以前ほど行列に悩まされることもなさそうだ。

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チェックインが終わったらいよいよ出国。出国後のエリアにもレストランやショップがたくさんあるので安心してほしい。

というわけで丸一日いてもまったく退屈を感じなかったKLIA2。予想を遥かに超える素晴らしい空港ターミナルに変身したようだ。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
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青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2

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ワーキングホリデーに来ている日本人の傾向として、男性は若く、女性は30歳前後という印象を受けた。だから27歳の僕は少し半端な存在だった気がする。
大学を休学したり、就職をせずにふらふらしている20代前半の未成熟な男性と、日本での社会人生活や結婚生活を経て海外生活を選択した30歳前後の女性たち。そんな不思議な相関図が成り立っていた。
特に若い男性はそんな女性たちをギリホリやヤリホリ(外国人目的のワーホリ)と言って笑っていたりした。
社会人を経験している僕はやっぱり仕事においても女性の方が価値観が合っていて、何となく同じ苦しみを持っていることがわかった。
そんな中にはかぶれてしまい、「日本に戻れない」発言をする若者や、実際に35歳くらいで学生ビザを伸ばし伸ばし留まる人もいた。因みに、前回記した日本食レストラン等ではビザの種類無視で無制限で働けるので生活は成り立つ。

日本人のコミュニティは狭く、何か困ったことがあれば日系の代理店が全てを請け負ってくれる。そんな環境で語学修得が捗ることはなく、海外生活は旅行感覚で過ぎていく。それが現実だった。
それでも、僕はワーキングホリデーに価値があると断言したい。英語が上達しなくても、ずっと日本人と一緒に居ても、その生活は刺激的で、旅行のようだ。だから、ワーキングホリデーに何か成長を期待して裏切られるのではなく、ただ楽しんだという既成事実を後でゆっくり咀爵すればよい思う。本人も、周りも。
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そんな中でも未だに僕が許せないワーホリ人種が一つある。それは知り合った外国人をブラザーと呼び、オーストラリアを第2の故郷と呼び、ヒッピースタイルを気取る若者だ。
そんな彼らの大好きな大麻について記したいと思う。
ずばり簡単に手に入るかというと、答えは運次第だ。日本人は大麻を買うルートがなく、ルームメイトや職場の環境に左右される。相場は小さなパッケージ1つで50$と安くはないけれど、半合法的に流通している点から言えば日本よりも遥かに安全と言える。

僕は何度かその買い物に出掛けたけれど、プッシャーは毎回場所を変えてその受け渡しが行われた。それはアパートの1室だったり、公園だったり、バックパッカーと呼ばれる安宿だったりした。
ドイツ人やフランス人の間での流通が盛んで、そこに近付ければ簡単に手に入ると思う。
僕のルームメイトだった韓国人は最終的にLSDに手を出して、生活がままならなくなって帰国していたので、やはりその点は自己責任ではあるのだけれど。
けれど、そんな中でも確実に手に入れられる場所が存在する。「ニンビン」だ。ゴールドコーストから近い聖地と呼ばれるその場所は、呼び名の通りメッカだった。
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500m程のメインストリートしかないその小さな町は、ハーブショップやヒッピー雑貨の店で溢れ、一目でジャンキーとわかる人々が怪しく彷徨いている。そこを歩けばどこからともなく声がかかり、裏路地へ案内される。そこで質を確かめて価格交渉をする。本当にそれだけで買えてしまう。
相場もシドニーと比べると安く、10oz(28g)で400$といったところだろうか。年齢不詳の顔がシワシワの老婆の様なジャンキーが1番安かった。
それでも私服警官の巡回があるということと、実際に帰り道で前の車がパトカーに停められていたのを目撃したことから、やはり自己責任と言える。
そこで買った大麻をシドニーでつてのない日本人に売れば、それだけでビジネスが成り立つように感じた。
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大麻に溺れ、価値観を失い、外国に墜ちて行かない限り、ワーキングホリデーは素晴らしく、生きていく糧になると僕は思う。夢と希望と挫折と絶望を抱えた日本人たちが、今日もそうしてシドニーを歩いている。

次回はレンタカーで巡るオーストラリア半周観光を記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第27回 バリ・ウブド

Balifriend Tour
Balifriend Tour (トリップアドバイザー提供)

インドネシア共和国国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

美しいビーチとエキゾチックな文化風土で有名な世界的観光地バリ。
バリ島は南部がビーチリゾート、北部が高原・山岳地帯となっている。
西部はジャワ島に隣接し、ビーチからトレッキングまで幅広く大自然を堪能できるエリア。
東部は聖地アグン山をはじめとする史跡やビーチの他、離島ツアーの拠点としても人気。
ウブドは広大な島の中心部にあり、バリの伝統芸能と芸術の中心地。
豊かな自然体験や高級リゾート、物価の安さを活かした長期滞在まで楽しみ方は幅広い。
インドネシア バリ島 ギャニャール Ubud  ウブド   Google マップ
(地図-Googleマップ)

ウブドの街歩きは王宮前から。中心部に王宮や史跡、ミュージアムが点在し、郊外には豊かな自然が拡がっている。
Ubud Palace から Petanu River Villa   Google マップ
(地図-Googleマップ;A:Ubud王宮/ウブド市場/Saraswati Temple、B:プリ・ルキサン美術館、C:ブランコ美術館、D:プラダラムブントゥユン寺院、E:モンキーフォレスト、F:テガララン ライステラス、G:Elephant Cave、H:Tegenungan Waterfall)

王宮の前、Jl.Raya Ubud通りを越えるとそこは市場になっている。生鮮からお土産までそろうエネルギッシュなマーケットで、アジアの熱気を実感する。
Pasar Ubud
Pasar Ubud (トリップアドバイザー提供)

王宮の西側にはサラスワティ寺院(ウォーターパレス)。湖面に蓮の葉が浮かび、その向こうには静かに寺院がたたずんでいる。カフェでまったりするのも良い。
Saraswati Temple
Saraswati Temple (トリップアドバイザー提供)

さて、せっかくウブドに来たならバリ美術を巡ってみたい。中心部からほど近くにあるプリ・ルキサン美術館はバリ絵画の名作を集めている。
Museum Puri Lukisan
Museum Puri Lukisan (トリップアドバイザー提供)

画家、アントニオ・ブランコの住居跡に建てられたブランコ美術館も人気のスポット。アトリエの跡がそのまま保存されている。
Don Antonio Blanco Museum
Don Antonio Blanco Museum (トリップアドバイザー提供)

この他にもバリ絵画のコレクター、ステジャ・ネカ氏のコレクションを展示したネカ美術館や、南部にある総合芸術コンプレックスのARMAなど興味深い施設がそろっている。
街中至る所にギャラリーもあり、気に入った絵画があれば買うこともできる(値段交渉は根気が必要…)。


王宮から南に延びるJl. Monkey Forest通りはホテルやショップ、レストランがところ狭しと軒を連ねるウブドでも最も賑やかなエリア。
通りを北に向かうと、プラダラムブントゥユン寺院。この寺院では巨大な竹筒によるガムラン(ジェゴグ)が有名で、腹の底が震えるような重低音のガムランと舞踊を体験できる。
Pura Dalem Bentuyung Temple
Pura Dalem Bentuyung Temple (トリップアドバイザー提供)

Jl. Monkey Forest通りの南端がモンキー・フォレスト。多くの猿が棲息する自然保護区になっており、エサやりも体験できる。それどころかエサを奪い取ってくる勢いの猿も多いので要注意。
Monkey Forest
Monkey Forest (トリップアドバイザー提供)

そして、その近くにあるのがテガララン・ライステラス。
アジアの原風景のような美しい棚田は癒しムード満点。
Tegalalang Rice Terrace
Tegalalang Rice Terrace (トリップアドバイザー提供)

さらに東部、郊外に向かうと通称「像の洞窟」こと「ゴア・ガジャ」。
ヒンドゥー寺院であること以外、いつ何のために建造されたかということまでよくわかっていないというミステリアスな史跡ながら、洞窟入り口の「魔女ランダ」像のインパクトがすばらしく、バリ島のランドマークとなっている。
商売の神、ガネーシャ像もあるので気になる方は是非。
Elephant Cave
Elephant Cave (トリップアドバイザー提供)

「ゴア・ガジャ」を見物したら滝に涼みに行くこともできる。
トゥグヌンガン滝は高さ25m、鬱蒼とした熱帯林の中で水煙が立ち上る様は涼をよぶ。
Tegenungan Waterfall
Tegenungan Waterfall (トリップアドバイザー提供)

観光地を駆け足で紹介したが、ウブドの魅力は観光地の活気や便利さと、アジアのゆるさが絶妙に混じり合っているところ。特に目的地を決めず、市場を歩いたり、田園でなごんだり、カフェで涼んだり、そんな休日をのんびり過ごしてみたい。
Cafe Wayan & Bakery
Cafe Wayan & Bakery (トリップアドバイザー提供)


郊外観光では、王のお墓が祀られているという渓谷の寺院、グヌン・カウィ石窟が外せない。
11世紀に遡るという遺跡は圧倒的なスケールで、数百段の階段を降りていくと岩山が掘り抜かれた巨大な石窟寺院にたどりつく。インドのエローラ石窟の影響をうけたとも言われており、バリの歴史が濃密に詰まっている。
Gunung Sari Dance
Gunung Sari Dance (トリップアドバイザー提供)

ウブドからわずか1時間、デンパサールはバリの州都。
バザールの賑わいやヒンドゥー寺院などの見どころも多い。お土産を買うならウブドよりも選択肢が多いかも。
Denpasar Bird Market
Denpasar Bird Market (トリップアドバイザー提供)

続いて、ウブドから離れてバリの代表的な観光スポットをいくつか。

ウブドとデンパサールの中間あたり、タナロット寺院は海に浮かぶ寺院。満潮時には島となり、干潮時には歩いて渡ることができるという、フランスのモン・サン・ミシェルに匹敵するような寺院。夕暮れに浮かぶ寺院のシルエットはバリのポストカードで絶好のモチーフとなっている。
タナロット寺院
タナロット寺院 (トリップアドバイザー提供)

南部のバドゥン半島、南西端の崖にそびえ建つウルワトゥ寺院も名刹として名高い。
10世紀に遡るバリ島最古の寺院ながら、大自然の雄大さをそのまま祀ったようなワイルドさが魅力。夕陽やケチャ鑑賞のスポットとしてもお馴染み。一帯は世界的なサーフスポットでもある。
ウルワトゥ寺院
ウルワトゥ寺院 (トリップアドバイザー提供)

珍スポットに食指が動く諸兄にはGWKカルチュラルパークがおすすめ。240ヘクタール(東京ドーム50個分以上)というとてつもなく広い敷地に巨大な像やシアターが点在し、フードコートや絶景ポイントもあって一日過ごせる。ともすればがっかりスポットになりがちなコンセプトでも、スケールが大きければ立派な名所となるというお手本。
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park (トリップアドバイザー提供)

もし山に興味があるならばトレッキングの機会も豊富。
西部国立公園は豊富な野生動物と熱帯の鳥を眺めるバードウォッチングが人気で、1,500m級の高地は意外に過ごしやすい。
北部の景勝地キンタマーニは、雄大な裾野を広げるバトゥール山とカルデラ湖の大パノラマが楽しめる。

そして、体力に自信があればバリ島最高峰のアグン山へ。3,031mの高峰ながら日帰り登頂も可能。雲海が拡がる絶景は感動の一言。

アグン山
アグン山
(トリップアドバイザー提供)

VELTRA


d'Alas warung
d’Alas warung (トリップアドバイザー提供)

バリは世界的な観光地であり、インドネシア料理、バリ料理はもちろん世界中の料理が楽しめる。
インドネシア風チャーハンの「ナシ・ゴレン」、様々なおかずのぶっかけ飯「ナシ・チャンプル」、焼きそばの「ミー・ゴレン」、鶏のスープ「ソト・アヤム」などが有名。
西スマトラのパダン料理はローカルでも人気の料理。CNNが「世界一美味しい料理」と認定して話題となったレンダンはその代表格。牛肉をココナツミルクとタマネギで煮込んだコク深い煮込み料理。他にも、豪快に鶏を揚げた「アヤム・ゴレン」や串焼きのサテなどが名物。

バリのローカルテイストが味わいたければ地元の人が利用する屋台や食堂へ。イスラムの戒律を踏襲し牛肉・鶏肉中心のインドネシア料理に対し、ヒンドゥーの多いバリ島では豚肉も常食する。ココナツミルクは控えめでスパイスの効いた強めの味付けが特徴。代表的な料理は、ダイナミックな豚の丸焼き(「バビ・グリン」)、魚介のサテ、バナナの葉で魚介や鶏肉を蒸し焼きにした料理など。


日本からの行き方

(空路)
直行便の場合、フラッグキャリアのガルーダ・インドネシア航空が成田、羽田、関空からデンパサール国際空港までそれぞれ毎日1便運航している。ANAとのコードシェアとなっている。
ガルーダ・インドネシア航空の場合、機内でビザ発給・入国審査が可能なため非常に便利。
直行便なら往路・復路が7時間程度。エアバスA330-300で快適。
オフシーズンで7~8万円台。

経由便の場合、エアアジア、マレーシア航空、キャセイパシフィックなど。最安値で5~6万円程度。
エアアジアはキャンペーンをうまく利用できれば安い。バリ往復4万円から。

(海路)
ジャワのクタパンからバリ島までフェリーで30分程度。

(パッケージツアー)
バリの場合、個人手配よりもパッケージツアーのお得度が高い。
パッケージツアーの場合は3泊4日、ガルーダ・インドネシア航空直行便を使ったツアーが5万円台。
高級リゾートホテルに滞在するプランでも割安で、ホテル代はもちろん航空券代を下回ることもある。

(空港)
バリ島の空港はデンパサール国際空港(ングラ・ライ国際空港)。
2013年9月に近代的な新国際線ターミナルがオープンした。ガルーダ・インドネシア航空の他シンガポール航空、タイ国際航空など多くの国際線が乗り入れている。
ウブドまではおよそ40km、タクシーで1時間程度。定額制のエアポート・タクシーが20万ルピア程度。
空港着が深夜・早朝の場合、朝の9時頃までタクシーカウンターが開かないため交渉制となる(定額の1.5倍程度となる)。

割安な移動手段としては、デンパサールの南に位置するバリ最大の繁華街、クタとウブドを往復するシャトルバス(プラマバス)がある。片道5万ルピア。空港へは乗り入れていないので、クタのジャラン・レギャン通りのプラマ社に向かい(5万ルピア程度)、そこからウブドを目指すことになる。1日2便で効率は悪いが、クタに寄る都合があれば便利。


地理と気候

バリ島は東京都の2.5倍ほどの広さにビーチ、渓谷、標高3,000mのアグン山までダイナミックな自然が存在している。
赤道直下の熱帯性気候。東南アジアでは冬がベストシーズンとなることが多いが、バリの場合11月~3月が雨季。
ベストシーズンは4月~10月の乾季で、天候が安定し過ごしやすい。
ただし、雨期もみずみずしい稲穂の風景や露天に山盛りとなるフルーツなど、魅力的な季節。
バリの新年、ニュピの日は観光客も外出できなくなる。2015年は3月21日、2016年は3月9日がニュピにあたる。

年間通して温暖で、街中にも安宿にもランドリーサービスがあるため軽装でOK。日差しが強いので日焼け止めや帽子、サングラスは必須。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午が午前11時。サマータイムはない。
インドネシア自体には西部、中央部(バリ島含む)、東部と3つの時間帯がある。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はインドネシア語。現地の人が日常的に使っているのはバリ語。
観光客は英語で問題無い。
バリ語はヒンズーのカースト制を反映した敬語表現が特徴で、身分ごとに単語が異なるなど難易度が高い(間違えると非礼にあたる)。インドネシア語で簡単なコミュニケーションがとれれば行動の幅も広がる。

通貨はインドネシアルピア。1インドネシアルピア=0.0087円(14年8月時点)。
概ね100ルピア=1円と覚えておけばよい。

スーパーマーケットや外国人向けのお土産屋は定価制だが、ほとんどは交渉制。
ミネラル・ウォーターが3000ルピア、食堂で一食5万~10万ルピア程度、レストランの夕食が15万ルピア、ビールが4万ルピア程度。市中スパのボディ・マッサージ1時間が30万ルピア、ホテル・スパなら50万ルピア程度。

両替は万国共通で、ATMの国際キャッシングが便利。
現金の場合は日本円を現地の市中で替えるのが鉄則。
ビザ代(後述)のUSドルがあると便利。ホテルなどはドル建ての場合もあるが、そのようなホテル・店はクレジットカードが通用することが多いので、わざわざバリ島で使うために多額の米ドルを持って行く必要は無い。

チップの習慣はないが、ポーターやホテルのハウスキーパーに2万ルピア程度。ガイドやドライバーに2万~5万程度。
レストランはサービス料が載っているので払う必要は無い。


治安とビザ

観光地特有のスリ、ひったくり、スキミング、ぼったくり物売りの他、いかさま賭博や麻薬といったリゾートにありがちな犯罪も報告されている。また、ルピアは桁が多いので、両替時のピンハネは日常茶飯事。
日本語で親しげに話しかけてきた相手とトランプする羽目になった場合は100%詐欺。早くその場を離れたい。
男性は美人局、女性は痴漢やジゴロに注意。
インドネシアでは麻薬は厳罰であり、個人使用・旅行者であっても実刑をくらう。

よく報告されている症状は下痢と日射病。デング熱に罹ると旅行が台無しになる。


インドネシア入国にはビザが必要。
バリ島の場合、30日までの観光ビザ(アライバルビザ)を空港到着時に取得できる。費用はこれまで25US$だったが、7月にUS$35へ値上がりしたばかり。
パスポートの残存期間要6ヶ月以上、査証欄に見開き2ページ以上の空白ページがあること、千US$相当の現金または有効なクレジットカードを所持していることが条件。


市内交通

(タクシー・ベモ)
多くの街で旅行者の最も身近な足はタクシーだが、ウブドの場合メータータクシーは走っておらず、個人営業のタクシー(一応ウブド村公認)や送迎車、ホテル専属のタクシーが存在する。
個人営業のタクシーは交渉制、たいていふっかけてくるが、ふっかけられても安いのでついつい言い値に応じてしまうという日本人観光客も多い。しかし、その行動は彼らを増長させていき、後にバリを訪れる旅行者に不利益を与えることとなる。ここは相場を把握した上で利用したい。

乗り合いの小型ワンボックスがベモ。路線やスケジュールは決まっていない。
市内の近距離ならばせいぜい1,000ルピアだが、外国人はふっかけられることが多い。とりあえず1,000ルピア程度払ってあとはシカトという手も…。ベモの車内ではスリが報告されており、身辺に気を配っておくこと。

(クルマのチャーター・レンタサイクル・バイク)
最もおすすめなのはレンタルバイク。レンタサイクルも安い。Jl. Monkey Forest通りにはレンタバイク業者が軒を連ねている。
自転車の場合1日20,000ルピア程度、バイクが50,000ルピア程度とほぼ数百円で借りることができる。長期割引があることも多い。郊外の農道をバイクで走るのは楽しい。

運転手・エアコン付のクルマを1日8時間程度チャーターした場合、車種や立ち寄り地にも寄るが5千円程度から。日本語ガイドを付けても追加2千円程度。ストレスなく移動でき、郊外の観光地を効率的に移動するなら便利。

なお、レンタカーはインドネシアの免許が必要となり、本来国際免許証で運転することはできない。
しかし借りることはできる模様…。
実際にはレンタルの証明書があれば咎められないという話や、取り締まりがあってもかなりザルという噂もあり、借りる際に業者のお兄さんによく確認しておきたい。公的には無免許運転ということになるので、事故の時は面倒なことになる。
交通マナーは東南アジア特有の悪さで、急発進や逆走、派手な追い越しなどが目白押し。さらに道路事情が悪いため、慢性的に渋滞している。運転には十分注意すること。


ホテル

ONEWORLD retreats Kumara
ONEWORLD retreats Kumara (トリップアドバイザー提供)

高級リゾートホテルからゲストハウスまで、宿は充実している。
年末年始の他、ラマダン明けもインドネシア人で混み合う。
東南アジアでは6~7月に学校が休みになる場合が多く、この時期もハイシーズンとなる。

高級リゾートホテルは一泊2万円以上だが、設備は豪華。中級ホテルやバンガローは3千円程度から。格安パックツアーにもよく使われる。ゲストハウスは千円未満のところもある。
リゾートホテルはサヤンやクデワタンなどの郊外に、ゲストハウスや中級ホテルはJl. Monkey Forest通りやジャラン・ビスマ通りなど中心部にも多い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
インドネシアの携帯業者はテレコムセル(Telkomsel)、Axis、Indosat、XLなど。
バリ島でカバーエリアが広いと評判なのはTelkomselとXL。

TelkomselのプリペイドSIMカードはsimPATIというブランド名で提供されており、1週間~30日で数ギガ程度の様々なプランがある。XLの場合、スマートフォン向けの「XmartPlan Android」が使いやすい。
いずれも、料金は利用時間などの前提条件が複雑なため、カウンターで滞在日数と「Unlimited Internet」というように告げて確認すること。使い放題1ヶ月程度でもたいしてかからない。

(WiFi)
旅行者が行く様なレストラン、カフェはもちろん、スパやローカル食堂など様々な場所で無料のWiFiが提供されている。店員に言ってパスワードをもらおう。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:8/8(木) 吉田友和さん&松岡絵里さん スライド&トークショー

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「旅はタイにはじまり、タイに終わる」&「週末夏旅!」発売記念
◆吉田友和さん&松岡絵里さん  スライド&トークショー◆
「夏旅のススメ! ~ 東南アジアから日本まで」

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cover
新刊『旅はタイにはじまり、タイに終わる』(幻冬舎文庫)&『週末夏旅!』(平凡社)の発売を記念して、旅行作家の吉田友和さんと松岡絵里さんご夫妻をお招きして夏に行きたい旅先や夏旅のノウハウについてスライドを交えながらたっぷりと語っていただきます。7月に2作連続新刊を発売する、今や超売れっ子の旅行作家の吉田さん。
『旅はタイにはじまり、タイに終わる』では、アジアを周遊できるエアパスを活用し香港、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジアを楽しむための、そして、「週末夏旅!」では、キャンプ、花火大会、夏祭り、島旅など、主に国内の旅先を夏に楽しむための実践的な旅の体験が綴られています。そこで、この夏、旅を予定されている方のために、吉田さんがこの2冊の旅を通して実感した、夏の旅を楽しむための旅先選びや旅のノウハウを、本に書けなかったエピソードを交えつつ、ドドーンと一挙に紹介してくれます。話を聞けば、今年の夏の旅行が一気に楽しくなりますよ!吉田さん&松岡さんご夫妻のファンの方はもちろん、夏休みに旅行の予定のある方やこれから旅の予定を立てる方はぜひご参加ください!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。サラリーマン生活の中での海外旅行体験をつづった『仕事が忙しいあなたのための週末海外!』(情報センター出版局)をはじめ、『週末バンコク』(平凡社)など週末旅行に関する著書多数。世界各地で写真撮影も精力的に行う。
著書に『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)など。
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◆旅行作家★吉田友和 Official Web
http://www.tomotrip.net/

松岡絵里(まつおかえり)

1976年京都府生まれ。幼少の頃を台湾、フィリピンで育つ。出版社勤務ののち、結婚を機に夫・吉田友和とともに607日に渡る世界一周新婚旅行に出る。その体験をベースにまとめた著書『してみたい! 世界一周』(情報センター出版局)がベストセラーに。
その後も旅熱は依然高く、現在までに世界約70カ国、日本全都道府県を訪れる。
著作に『ニッポン聖地案内』(同)、『世界の市場』、『世界の聖地』(国書刊行会)など。
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【開催日時】 8月8日(金)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】  900円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:幻冬舎、平凡社

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6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える
~YOU、たび行っちゃいなよ~

Profile
プロフィール

ハマ姉

tabinoteサイトデザイン&制作担当。紅一点のアラフォー。J事務所と旅が好き。ハマ姉へのご意見・ご質問はこちら↓

今日で辛かった仕事も終わり・・

ハマ姉です

突然ですが最終回です

旅はもちろん行きたいのだけど、行ってる暇がないんです!
合法の少年達をただ見ている喜び・・脳内トリップが楽しすぎて毎日がエブリデイ毎日がスペシャル
彼らがJAPANに居る限りここに居たい・・同じTOKYOの空気吸っていたい・・

あと単純に今日まで仕事忙しかった。それに尽きます

最近は旅行記やら特別寄稿やらボリュームが多くなってたからまあいいっすよね
ハマ姉は、震えるほど行きたかった桃源郷へとうとう旅立ったのです ~Fin~
(写真:合法によって召されたハマ姉のダイイングメッセージ)
ダイイングメッセージ

まあ・・何かしらやれとは言われているので、NAVERまとめとメルマガ/サイトの連動企画みたいなのを任されようかな、とは思っています
トラブルとか女子旅とかテーマを決めて記事をまとめるの、結構コンテンツ揃ってきたし出来るかなって
結局、餅は餅屋すね・・素材を整える方が性に合ってるわ・・

とりあえずQ&Aコーナーなので、何かそれっぽい事書いて終わります

Q:次に行きたい場所は?

A:旅行はしばらく国内に限定されるので、その間出来るだけマイレージをためていよいよヨーロッパに足踏み入れたいっす!高いから未開拓地だよ!

よし、以上です!また会う日まで!来世じゃなきゃいいね!涅槃でもいいよ?
ご感想あればよろしくです!

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7. 編集後記

tabinote田口です。タイから帰ってきたら東京はタイより暑くてビビりました。早くタイに戻りたい……。

というわけでtabinoteメルマガVol.28を配信しました。
下川さんの連載はLCCで沖縄日帰り旅行の薦めです。せっかくの沖縄なので長期間楽しみたいと思ってしまいますが「数時間でなにができるか」というチャレンジもゲームっぽくて楽しいかもですね。
吉田さんは「インバウンド」のお話し。確かにタイ人の日本への興味はすごく感じます。チェンマイのショッピングモールでも日本の七夕フェアをやっていたんですが、「日本でアイドルになりたいです」という短冊を見つけて驚きました。
青木さんの「世界一周ノート」はワーホリと大麻のお話し。どちらも実体験をベースにしたリアリティあるものでした。ああ、若いうちにワーホリしたかったなあ……。
「世界あの街この街」はバリのウブドです。タイとはまた違った極楽感ありそうですね。行ってみたいです。
tabinoteワタベによる香港登山の話し。オレが地下鉄乗り回してた間にそんなことしてたのか(笑)。
tabinote田口のKLIA2レポ。いやマジ今現在世界最高エアポートだと思っています。早くまた行きたい。
次号は8/12(火)発行となります。
よろしくお願いいたします。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

166031
一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次号は8/12(火)発行の予定です。

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Contents 2014/07/29号 Vol.028

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1
3a-2. 特別企画:tabinote緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!
3b. 世界一周ノート 第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2
4. 世界あの街この街:ウブド
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:8/8(木) 吉田友和さん&松岡絵里さん スライド&トークショー
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~(最終回)
7. 編集後記

1. 旅行業界最新ニュース  2014/07/29号 Vol.028


1. 旅行業界最新ニュース

スカイマーク、A380の購入を断念か

スカイマークは、エアバスに発注していた大型機A380、6機の契約をすべて取り消す方向で準備を薦めていることがわかった。だが、エアバスは契約変更の条件の一部としてスカイマークに大手航空会社の傘下に入るか、もしくは違約金を支払うことを要求しているなど話し合いは難航しているようだ。

プレスリリース

中国東方航空、機内Wi-Fiを開始

米WSJの記事によると、中国東方航空は、中国の航空会社として初めて機内Wi-Fiサービスを開始する予定だ。まずは27機のエアバスA330に搭載され、順次機材を増やしていく予定。料金などの詳細はまだ不明だ。

タイ・エアアジアX、バンコク線のセールを延長

タイ・エアアジアXは、9月1日に就航する、東京/成田・大阪/関西~バンコク/ドンムアン線を片道19,900円で購入できるセールを再延長した。対象となるのは、9月1日〜11月30日搭乗分。日程によってまだ空きはあるので、タイ行きを検討している人はチェックしよう。

ANA、メキシコ直行便を検討

日経新聞の記事によると、ANAがメキシコへの直行便就航を検討していることがわかった。現在メキシコへの直行便は、アエロメヒコがメキシコシティ~東京/成田を週4便運行しているのみ。以前はJALが就航していたが経営破綻に伴い撤退している。

ノックスクート、日本路線就航を前倒し

タイのノックエアとシンガポールのスクートが共同で運営するノックスクートが、予定されている日本就航を9月1日に前倒しするとの報道があった。成田か羽田かは不明だが、就航日をタイ・エアアジアにぶつけてきており、同日にバンコクへの新たなLCC路線が2本就航することとなる。対抗値下げも考えられるためアジアへの旅行者には朗報だ。

今夏、関空に3社のA380が揃う

開港20週年を迎える関西国際空港(KIX)に、今夏、シンガポール航空(SQ)、タイ国際航空(TG)、アシアナ航空(OZ)のエアバスA380機が揃って就航することになった。これを記念し関空では特設ウェブサイトを開設。写真展やクルーとの記念撮影などのイベントも行われる。

特設ページ
kix

続く航空機事故

7月17日にマレーシア航空MH17便(B777)がウクライナ東部の紛争地帯で撃墜されたのを皮切りに、7月23日にトランスアジア航空222便(ATR72)が着陸に失敗し炎上、7月24日にはアルジェリア航空5017便(MD83)がマリ北部の砂漠に墜落した。深刻な航空機事故が続くが、当然ながら各事故に因果関係はまったくなく、航空機輸送の安全性が低下したことを意味するものではない。

参考
激動の1週間に専門家「これらの事故は全く関連性を持っておらず、航空機は安全」 旅行者の大半も懸念せず(Tricy)

2a. 連載:「タビノート」 下川裕治  2014/7/29号 Vol.028 無料版


2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

日帰り沖縄もLCC効果か

 このところ、LCCを使って沖縄に何回か出かけた。ジェットスター、バニラエア、スカイマーク……。そのときの運賃と時間帯で決めていった。安さということにこだわっていくと、早朝便になる。そのスケジュールをみながら、これなら日帰り沖縄組も出てくるような気がした。


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2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和  2014/7/29号 Vol.028 無料版


2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第27回 吉田友和

い インバウンド

 山開きして間もない富士山へ登ってきた。世界遺産へ登録されて以来ますます盛況だと聞いていたから、あえて週末を外したのだが、それでも多くの登山客でごった返していた。道幅が狭くなるところでは渋滞まで起きていて驚いたが、さらにビックリしたことがある。
 外国人の姿がやけに目立つのだ。下手したら日本人よりも多いぐらいで、異国の山を登っているような不思議な気持になった。


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3a-2. 特別企画:tabinote緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!


緊急レポート クアラルンプールLCCTターミナルが新しくなった!!

03

はじめに

tabinote田口です。
エアアジアのハブ空港であるクアラルンプール国際空港LCCターミナル(LCCT)は、われわれ貧乏アジアツーリストの母港とも言える空港だ。
僕も成田・羽田以外では一番利用した空港だと思う。

01
だが、省コストを徹底したその建物は、倉庫と見まごうばかりのお粗末なもの。

02
もちろんボーディングブリッジなどないので、毎回搭乗口までゾロゾロと歩いて行くのが名物だった。
市内とのアクセスも悪く、片道1時間のボロいバス(安いけど)に揺られなければならなかった。(豪雨で荷物がびしょ濡れになったことも)

KLIA2

ところがこのLCCTがリニューアルし、KLIA2(Kuala Lunpur International Airport2)として生まれ変わったという。

Klia2_-_the_purposed_design
Klia2 – the purposed design“. Via Wikipedia.

長い間できるできるといいつつ一向にオープンする気配がなかったので完成予想図を見ても信じられなかったのだが、いよいよ本当にオープンしたようなのでさっそく行ってみた。

04
うおお!!できてる!!!ボーディングブリッジがある!!!!とまずそこだけで感動。

05
今までの倉庫がウソのような近代的建築に頭がクラクラする。

エクステリア/インテリアもすごいのだが、イミグレ>税関などの動線も驚くほど改善されており、ものの15分ほどで入国できた。

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カートもどこかの空港のように有料などケチなことは言わず無料で貸してくれる。

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ゲートを出てすぐに携帯キャリアショップが並ぶ。プリペイドSIM派にはうれしい。

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ピクトグラムにしたがって進んでいくだけでアクセス鉄道「KLIA EXPRESS」の改札が現れる。これに乗ればクアラルンプール中心のKLセントラルまで30分だ。

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翌日のフライトが早い場合はターミナルから濡れずに歩いていけるエアアジア直営の格安ホテル「Tune Hotel」に泊まるのもいいだろう。

12
旅行を楽しんだらいよいよ帰国だ。KLIA EXPRESSを降りたらモニターで帰国便を確認しよう。

KLIA2_getting_around_map
KLIA2 getting around map” by WalkingkamusOwn work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

その前にメインターミナルに隣接した複合商業施設「gateway@klia2」をチェックだ。

13
ヘタなショッピングモールよりも店舗は充実している。と言っても「ヴィトン」や「グッチ」のような手の出ない高級ブランドは皆無なので、安心して買い物ができるぞ。

15
ちょうど僕が行った日にユニクロがオープンしていた。まだまだ工事中の店も多く、これからさらに充実していく模様。

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スーパーマーケットまである。デリで買った弁当やフルーツをその場で食べることもできるぞ。

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そして中2階には巨大フードコートがある。世界のフードコートには一家言ある僕だが、店舗数、料理のバラエティ、価格、内装、すべて言うことなし。自信を持って現時点で世界一のフードコートと断言しよう。電源、無料無線LANもあるので、ラウンジなんかなくてもここで十分仕事ができる。もちろんいくら長居してもなにも言われない。

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フードコート以外にもおしゃれで個性的なレストランがたくさん。

19
食事が終わったらチェックインカウンターへ。カウンターも増え、以前ほど行列に悩まされることもなさそうだ。

20
チェックインが終わったらいよいよ出国。出国後のエリアにもレストランやショップがたくさんあるので安心してほしい。

というわけで丸一日いてもまったく退屈を感じなかったKLIA2。予想を遥かに超える素晴らしい空港ターミナルに変身したようだ。

3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1


3a-1. tabinote旅行記 香港エクスプレス航空で行く! 香港・トレイル探索 1

計画編

tabinoteワタベです。
ひょんなことから香港エクスプレス航空の激安チケット(往復15,000円也)を入手した私、4年ぶりの香港です。

せっかく行くならtabinoteのネタになるような場所を紹介したいと思いましたが、街歩き、グルメ、電脳雑貨…などはいろんな場所で紹介し尽くされてるしなー、とテーマを決めかねていました。
当時登山熱が高まっていた私。香港で山歩きとかできないかなと思い調べてみると、意外や意外、知らなかったのは私だけでしょうか。香港が亜熱帯の島であることを再認識させられるような、大自然ネタの数々が見つかりました。
特に、この本は大変参考になりました。
香港アルプス ジオパークメジャートレイル全ガイド

なんと香港は全面積の4割が国立公園・自然保護区に認定されており、ユネスコのジオパークもあるという自然豊かな場所。
香港国際空港から市街・香港島に向かう道すがら、結構険しい山々があるのに気づかれた方も多いことでしょう。空港のあるランタオ島は標高934メートルの鳳凰山をはじめとしてゴツゴツした山並みが連なり、ビルや建物からすぐに急峻な山が現れます。
香港島を見下ろすビクトリア・ピークも相当な急勾配の山。標高は500メートル程度ながら、トラムを使わずに自分の足で登るのはなかなか大変です。ピークや香港島のビルから本土側を見ると、ビルの向こうに尖った山並みを見ることができます。
喧噪と高層ビルのイメージが強いですが、実は自然を活かしたアクティビティもかなり楽しめるんですね。

本によると、香港の大自然を整備していったのは主にイギリス人。19世紀後半、租借地となった香港でイギリス人が植林をすすめ、丸裸の岩山を緑に増やしていったとか。
1970年代以降、当時の英国人提督・マクリホースが熱心に郊野公園(カントリーパーク)を整備し、現在も市民に親しまれる4つの長大な自然道(トレイル)が完成。最初に開通した、自身の名を冠した「マクリホース・トレイル」はなんと全長100km!本土側、東の萬宜から名峰・馬鞍山を経て西のはて屯門までつづくトレイルは、香港はもちろんアジアでも有数の規模だそうです。
続いて、空港のある自然の島ランタオ島のランタオ・トレイル、香港島を東西に網羅するホンコン・トレイルと続き、最後に中国返還の前年1996年、本土側から香港島の南端までを南北に結ぶ全長78kmのウィルソン・トレイルが開通し、現在では4大トレイルとして親しまれているようです。

香港4大トレイル
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(画像:www.ofca.gov.hkのMobile Network Coverage Survey をもとにtabinote作成)

そして、2011年には香港ジオパークがユネスコにより世界ジオパークに認定されました。


「香港アルプス」を見つけたとき、「これだ!」と思いました。
目的の無い旅もいいけれど、今回は香港滞在2泊の短期決戦、ここはガッツリと香港の山に行ってみたい!という気がむくむく湧き上がってきたのです。

代表的なルートの見どころを調べてみると…。

マクリホース・トレイル

全長100kmにおよぶ最長のトレイル。名峰馬鞍山やライオンロック、香港最高峰の大帽山(957m)を擁し、比較的険しめ。
特に馬鞍山は雄大で登りごたえがあり「世界で一番高い700m峰」と呼ばれているとのこと。面白そうです。
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(画像:Wikipedia)

ランタオ・トレイル

全長70kmの周回コース。高低差が大きく山も深め。
マクリホース・トレイルの大帽山(957m)は車道が通っているのに対し、ランタオの鳳凰山(934m)は本格的な登山が楽しめ、愛好家にとって実質的な最高峰という声も。実際その姿は標高以上に雄壮でダイナミックです。
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(画像:discoverhongkong.com)

ホンコン・トレイル

ホンコン島のピークを出発し、東に抜ける全長50kmのトレイル。市街からも行きやすく、緑と青、高層ビルのコントラストを見ることができます。ハイライトはタイム誌でアジアのベストハイキングコースにも選ばれたというドランズバック。
1.5.3.2-Dragons-Back-Hiking-Tour_03
(地図:discoverhongkong.com)

ウィルソン・トレイル

中国国境から香港島南端の赤柱までを結ぶトレイルで、なんと途中のビクトリア湾を地下鉄で横断する全香港満喫コース。香港島のトレイルは完全な山登りだそうで、その部分だけでも達成感ありそう。
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(画像:Wikipedia)


各トレイルはセクションに分かれており、途中のセクションだけを行くこともできます。
短期滞在なら全長100kmとかきついですからね。

また、4大トレイル以外にも以下のように魅力的な場所が…。

ラマ島(南Y島)

中環からフェリーでわずか30分。2~3時間程度のハイキングルートで手軽にリゾート気分。海鮮料理店が多いというのも楽しみです。

(地図:discoverhongkong.com)

ジオパーク

複数ありますが、西貢のハイ・アイランドで見られる六角柱状の岩々や美しい大浪湾のビーチが見どころだそう。特にこの大浪湾の野良牛写真にはぐっと来ました…。
(大浪湾の野良牛)
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(画像:geopark.gov.hk、notesplusultra.com)

どーですか、香港のイメージが変わってきませんか?

どこも魅力的ですが、日程的に巡れるのは一箇所。
マクリホースとラマ島で相当迷いましたが、今回はガッツリ身体を動かしたかったので、市街から近く登山が堪能できるマクリホース・トレイルの馬鞍山を登頂するルートに決めました。

馬鞍山のある第4セクション(Kei Ling Ha → Tai Lo Shan)は12.7km・所要5時間。
結構な山道で、難易度は最高ランクの星3つ(Very Difficult)。しかもこのルートには馬鞍山登頂は含まず、それを加えると所要プラス1時間で計6時間程度は必要。

さて、実は私は海外登山どころか、単独での山行自体これが初めて。
なんとかなるのか?まあ大丈夫でしょう…。

(次号:「実践編」に続く)

3b. 世界一周ノート 第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第18回:オーストラリア・ワーキングホリデー -2

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ワーキングホリデーに来ている日本人の傾向として、男性は若く、女性は30歳前後という印象を受けた。だから27歳の僕は少し半端な存在だった気がする。
大学を休学したり、就職をせずにふらふらしている20代前半の未成熟な男性と、日本での社会人生活や結婚生活を経て海外生活を選択した30歳前後の女性たち。そんな不思議な相関図が成り立っていた。
特に若い男性はそんな女性たちをギリホリやヤリホリ(外国人目的のワーホリ)と言って笑っていたりした。
社会人を経験している僕はやっぱり仕事においても女性の方が価値観が合っていて、何となく同じ苦しみを持っていることがわかった。
そんな中にはかぶれてしまい、「日本に戻れない」発言をする若者や、実際に35歳くらいで学生ビザを伸ばし伸ばし留まる人もいた。因みに、前回記した日本食レストラン等ではビザの種類無視で無制限で働けるので生活は成り立つ。

日本人のコミュニティは狭く、何か困ったことがあれば日系の代理店が全てを請け負ってくれる。そんな環境で語学修得が捗ることはなく、海外生活は旅行感覚で過ぎていく。それが現実だった。
それでも、僕はワーキングホリデーに価値があると断言したい。英語が上達しなくても、ずっと日本人と一緒に居ても、その生活は刺激的で、旅行のようだ。だから、ワーキングホリデーに何か成長を期待して裏切られるのではなく、ただ楽しんだという既成事実を後でゆっくり咀爵すればよい思う。本人も、周りも。
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そんな中でも未だに僕が許せないワーホリ人種が一つある。それは知り合った外国人をブラザーと呼び、オーストラリアを第2の故郷と呼び、ヒッピースタイルを気取る若者だ。
そんな彼らの大好きな大麻について記したいと思う。
ずばり簡単に手に入るかというと、答えは運次第だ。日本人は大麻を買うルートがなく、ルームメイトや職場の環境に左右される。相場は小さなパッケージ1つで50$と安くはないけれど、半合法的に流通している点から言えば日本よりも遥かに安全と言える。

僕は何度かその買い物に出掛けたけれど、プッシャーは毎回場所を変えてその受け渡しが行われた。それはアパートの1室だったり、公園だったり、バックパッカーと呼ばれる安宿だったりした。
ドイツ人やフランス人の間での流通が盛んで、そこに近付ければ簡単に手に入ると思う。
僕のルームメイトだった韓国人は最終的にLSDに手を出して、生活がままならなくなって帰国していたので、やはりその点は自己責任ではあるのだけれど。
けれど、そんな中でも確実に手に入れられる場所が存在する。「ニンビン」だ。ゴールドコーストから近い聖地と呼ばれるその場所は、呼び名の通りメッカだった。
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500m程のメインストリートしかないその小さな町は、ハーブショップやヒッピー雑貨の店で溢れ、一目でジャンキーとわかる人々が怪しく彷徨いている。そこを歩けばどこからともなく声がかかり、裏路地へ案内される。そこで質を確かめて価格交渉をする。本当にそれだけで買えてしまう。
相場もシドニーと比べると安く、10oz(28g)で400$といったところだろうか。年齢不詳の顔がシワシワの老婆の様なジャンキーが1番安かった。
それでも私服警官の巡回があるということと、実際に帰り道で前の車がパトカーに停められていたのを目撃したことから、やはり自己責任と言える。
そこで買った大麻をシドニーでつてのない日本人に売れば、それだけでビジネスが成り立つように感じた。
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大麻に溺れ、価値観を失い、外国に墜ちて行かない限り、ワーキングホリデーは素晴らしく、生きていく糧になると僕は思う。夢と希望と挫折と絶望を抱えた日本人たちが、今日もそうしてシドニーを歩いている。

次回はレンタカーで巡るオーストラリア半周観光を記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

4. 世界あの街この街: ウブド


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第27回 バリ・ウブド

Balifriend Tour
Balifriend Tour (トリップアドバイザー提供)

インドネシア共和国国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

美しいビーチとエキゾチックな文化風土で有名な世界的観光地バリ。
バリ島は南部がビーチリゾート、北部が高原・山岳地帯となっている。
西部はジャワ島に隣接し、ビーチからトレッキングまで幅広く大自然を堪能できるエリア。
東部は聖地アグン山をはじめとする史跡やビーチの他、離島ツアーの拠点としても人気。
ウブドは広大な島の中心部にあり、バリの伝統芸能と芸術の中心地。
豊かな自然体験や高級リゾート、物価の安さを活かした長期滞在まで楽しみ方は幅広い。
インドネシア バリ島 ギャニャール Ubud  ウブド   Google マップ
(地図-Googleマップ)

ウブドの街歩きは王宮前から。中心部に王宮や史跡、ミュージアムが点在し、郊外には豊かな自然が拡がっている。
Ubud Palace から Petanu River Villa   Google マップ
(地図-Googleマップ;A:Ubud王宮/ウブド市場/Saraswati Temple、B:プリ・ルキサン美術館、C:ブランコ美術館、D:プラダラムブントゥユン寺院、E:モンキーフォレスト、F:テガララン ライステラス、G:Elephant Cave、H:Tegenungan Waterfall)

王宮の前、Jl.Raya Ubud通りを越えるとそこは市場になっている。生鮮からお土産までそろうエネルギッシュなマーケットで、アジアの熱気を実感する。
Pasar Ubud
Pasar Ubud (トリップアドバイザー提供)

王宮の西側にはサラスワティ寺院(ウォーターパレス)。湖面に蓮の葉が浮かび、その向こうには静かに寺院がたたずんでいる。カフェでまったりするのも良い。
Saraswati Temple
Saraswati Temple (トリップアドバイザー提供)

さて、せっかくウブドに来たならバリ美術を巡ってみたい。中心部からほど近くにあるプリ・ルキサン美術館はバリ絵画の名作を集めている。
Museum Puri Lukisan
Museum Puri Lukisan (トリップアドバイザー提供)

画家、アントニオ・ブランコの住居跡に建てられたブランコ美術館も人気のスポット。アトリエの跡がそのまま保存されている。
Don Antonio Blanco Museum
Don Antonio Blanco Museum (トリップアドバイザー提供)

この他にもバリ絵画のコレクター、ステジャ・ネカ氏のコレクションを展示したネカ美術館や、南部にある総合芸術コンプレックスのARMAなど興味深い施設がそろっている。
街中至る所にギャラリーもあり、気に入った絵画があれば買うこともできる(値段交渉は根気が必要…)。


王宮から南に延びるJl. Monkey Forest通りはホテルやショップ、レストランがところ狭しと軒を連ねるウブドでも最も賑やかなエリア。
通りを北に向かうと、プラダラムブントゥユン寺院。この寺院では巨大な竹筒によるガムラン(ジェゴグ)が有名で、腹の底が震えるような重低音のガムランと舞踊を体験できる。
Pura Dalem Bentuyung Temple
Pura Dalem Bentuyung Temple (トリップアドバイザー提供)

Jl. Monkey Forest通りの南端がモンキー・フォレスト。多くの猿が棲息する自然保護区になっており、エサやりも体験できる。それどころかエサを奪い取ってくる勢いの猿も多いので要注意。
Monkey Forest
Monkey Forest (トリップアドバイザー提供)

そして、その近くにあるのがテガララン・ライステラス。
アジアの原風景のような美しい棚田は癒しムード満点。
Tegalalang Rice Terrace
Tegalalang Rice Terrace (トリップアドバイザー提供)

さらに東部、郊外に向かうと通称「像の洞窟」こと「ゴア・ガジャ」。
ヒンドゥー寺院であること以外、いつ何のために建造されたかということまでよくわかっていないというミステリアスな史跡ながら、洞窟入り口の「魔女ランダ」像のインパクトがすばらしく、バリ島のランドマークとなっている。
商売の神、ガネーシャ像もあるので気になる方は是非。
Elephant Cave
Elephant Cave (トリップアドバイザー提供)

「ゴア・ガジャ」を見物したら滝に涼みに行くこともできる。
トゥグヌンガン滝は高さ25m、鬱蒼とした熱帯林の中で水煙が立ち上る様は涼をよぶ。
Tegenungan Waterfall
Tegenungan Waterfall (トリップアドバイザー提供)

観光地を駆け足で紹介したが、ウブドの魅力は観光地の活気や便利さと、アジアのゆるさが絶妙に混じり合っているところ。特に目的地を決めず、市場を歩いたり、田園でなごんだり、カフェで涼んだり、そんな休日をのんびり過ごしてみたい。
Cafe Wayan & Bakery
Cafe Wayan & Bakery (トリップアドバイザー提供)


郊外観光では、王のお墓が祀られているという渓谷の寺院、グヌン・カウィ石窟が外せない。
11世紀に遡るという遺跡は圧倒的なスケールで、数百段の階段を降りていくと岩山が掘り抜かれた巨大な石窟寺院にたどりつく。インドのエローラ石窟の影響をうけたとも言われており、バリの歴史が濃密に詰まっている。
Gunung Sari Dance
Gunung Sari Dance (トリップアドバイザー提供)

ウブドからわずか1時間、デンパサールはバリの州都。
バザールの賑わいやヒンドゥー寺院などの見どころも多い。お土産を買うならウブドよりも選択肢が多いかも。
Denpasar Bird Market
Denpasar Bird Market (トリップアドバイザー提供)

続いて、ウブドから離れてバリの代表的な観光スポットをいくつか。

ウブドとデンパサールの中間あたり、タナロット寺院は海に浮かぶ寺院。満潮時には島となり、干潮時には歩いて渡ることができるという、フランスのモン・サン・ミシェルに匹敵するような寺院。夕暮れに浮かぶ寺院のシルエットはバリのポストカードで絶好のモチーフとなっている。
タナロット寺院
タナロット寺院 (トリップアドバイザー提供)

南部のバドゥン半島、南西端の崖にそびえ建つウルワトゥ寺院も名刹として名高い。
10世紀に遡るバリ島最古の寺院ながら、大自然の雄大さをそのまま祀ったようなワイルドさが魅力。夕陽やケチャ鑑賞のスポットとしてもお馴染み。一帯は世界的なサーフスポットでもある。
ウルワトゥ寺院
ウルワトゥ寺院 (トリップアドバイザー提供)

珍スポットに食指が動く諸兄にはGWKカルチュラルパークがおすすめ。240ヘクタール(東京ドーム50個分以上)というとてつもなく広い敷地に巨大な像やシアターが点在し、フードコートや絶景ポイントもあって一日過ごせる。ともすればがっかりスポットになりがちなコンセプトでも、スケールが大きければ立派な名所となるというお手本。
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park
Garuda Wisnu Kencana Cultural Park (トリップアドバイザー提供)

もし山に興味があるならばトレッキングの機会も豊富。
西部国立公園は豊富な野生動物と熱帯の鳥を眺めるバードウォッチングが人気で、1,500m級の高地は意外に過ごしやすい。
北部の景勝地キンタマーニは、雄大な裾野を広げるバトゥール山とカルデラ湖の大パノラマが楽しめる。

そして、体力に自信があればバリ島最高峰のアグン山へ。3,031mの高峰ながら日帰り登頂も可能。雲海が拡がる絶景は感動の一言。

アグン山
アグン山
(トリップアドバイザー提供)

VELTRA


d'Alas warung
d’Alas warung (トリップアドバイザー提供)

バリは世界的な観光地であり、インドネシア料理、バリ料理はもちろん世界中の料理が楽しめる。
インドネシア風チャーハンの「ナシ・ゴレン」、様々なおかずのぶっかけ飯「ナシ・チャンプル」、焼きそばの「ミー・ゴレン」、鶏のスープ「ソト・アヤム」などが有名。
西スマトラのパダン料理はローカルでも人気の料理。CNNが「世界一美味しい料理」と認定して話題となったレンダンはその代表格。牛肉をココナツミルクとタマネギで煮込んだコク深い煮込み料理。他にも、豪快に鶏を揚げた「アヤム・ゴレン」や串焼きのサテなどが名物。

バリのローカルテイストが味わいたければ地元の人が利用する屋台や食堂へ。イスラムの戒律を踏襲し牛肉・鶏肉中心のインドネシア料理に対し、ヒンドゥーの多いバリ島では豚肉も常食する。ココナツミルクは控えめでスパイスの効いた強めの味付けが特徴。代表的な料理は、ダイナミックな豚の丸焼き(「バビ・グリン」)、魚介のサテ、バナナの葉で魚介や鶏肉を蒸し焼きにした料理など。


日本からの行き方

(空路)
直行便の場合、フラッグキャリアのガルーダ・インドネシア航空が成田、羽田、関空からデンパサール国際空港までそれぞれ毎日1便運航している。ANAとのコードシェアとなっている。
ガルーダ・インドネシア航空の場合、機内でビザ発給・入国審査が可能なため非常に便利。
直行便なら往路・復路が7時間程度。エアバスA330-300で快適。
オフシーズンで7~8万円台。

経由便の場合、エアアジア、マレーシア航空、キャセイパシフィックなど。最安値で5~6万円程度。
エアアジアはキャンペーンをうまく利用できれば安い。バリ往復4万円から。

(海路)
ジャワのクタパンからバリ島までフェリーで30分程度。

(パッケージツアー)
バリの場合、個人手配よりもパッケージツアーのお得度が高い。
パッケージツアーの場合は3泊4日、ガルーダ・インドネシア航空直行便を使ったツアーが5万円台。
高級リゾートホテルに滞在するプランでも割安で、ホテル代はもちろん航空券代を下回ることもある。

(空港)
バリ島の空港はデンパサール国際空港(ングラ・ライ国際空港)。
2013年9月に近代的な新国際線ターミナルがオープンした。ガルーダ・インドネシア航空の他シンガポール航空、タイ国際航空など多くの国際線が乗り入れている。
ウブドまではおよそ40km、タクシーで1時間程度。定額制のエアポート・タクシーが20万ルピア程度。
空港着が深夜・早朝の場合、朝の9時頃までタクシーカウンターが開かないため交渉制となる(定額の1.5倍程度となる)。

割安な移動手段としては、デンパサールの南に位置するバリ最大の繁華街、クタとウブドを往復するシャトルバス(プラマバス)がある。片道5万ルピア。空港へは乗り入れていないので、クタのジャラン・レギャン通りのプラマ社に向かい(5万ルピア程度)、そこからウブドを目指すことになる。1日2便で効率は悪いが、クタに寄る都合があれば便利。


地理と気候

バリ島は東京都の2.5倍ほどの広さにビーチ、渓谷、標高3,000mのアグン山までダイナミックな自然が存在している。
赤道直下の熱帯性気候。東南アジアでは冬がベストシーズンとなることが多いが、バリの場合11月~3月が雨季。
ベストシーズンは4月~10月の乾季で、天候が安定し過ごしやすい。
ただし、雨期もみずみずしい稲穂の風景や露天に山盛りとなるフルーツなど、魅力的な季節。
バリの新年、ニュピの日は観光客も外出できなくなる。2015年は3月21日、2016年は3月9日がニュピにあたる。

年間通して温暖で、街中にも安宿にもランドリーサービスがあるため軽装でOK。日差しが強いので日焼け止めや帽子、サングラスは必須。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午が午前11時。サマータイムはない。
インドネシア自体には西部、中央部(バリ島含む)、東部と3つの時間帯がある。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はインドネシア語。現地の人が日常的に使っているのはバリ語。
観光客は英語で問題無い。
バリ語はヒンズーのカースト制を反映した敬語表現が特徴で、身分ごとに単語が異なるなど難易度が高い(間違えると非礼にあたる)。インドネシア語で簡単なコミュニケーションがとれれば行動の幅も広がる。

通貨はインドネシアルピア。1インドネシアルピア=0.0087円(14年8月時点)。
概ね100ルピア=1円と覚えておけばよい。

スーパーマーケットや外国人向けのお土産屋は定価制だが、ほとんどは交渉制。
ミネラル・ウォーターが3000ルピア、食堂で一食5万~10万ルピア程度、レストランの夕食が15万ルピア、ビールが4万ルピア程度。市中スパのボディ・マッサージ1時間が30万ルピア、ホテル・スパなら50万ルピア程度。

両替は万国共通で、ATMの国際キャッシングが便利。
現金の場合は日本円を現地の市中で替えるのが鉄則。
ビザ代(後述)のUSドルがあると便利。ホテルなどはドル建ての場合もあるが、そのようなホテル・店はクレジットカードが通用することが多いので、わざわざバリ島で使うために多額の米ドルを持って行く必要は無い。

チップの習慣はないが、ポーターやホテルのハウスキーパーに2万ルピア程度。ガイドやドライバーに2万~5万程度。
レストランはサービス料が載っているので払う必要は無い。


治安とビザ

観光地特有のスリ、ひったくり、スキミング、ぼったくり物売りの他、いかさま賭博や麻薬といったリゾートにありがちな犯罪も報告されている。また、ルピアは桁が多いので、両替時のピンハネは日常茶飯事。
日本語で親しげに話しかけてきた相手とトランプする羽目になった場合は100%詐欺。早くその場を離れたい。
男性は美人局、女性は痴漢やジゴロに注意。
インドネシアでは麻薬は厳罰であり、個人使用・旅行者であっても実刑をくらう。

よく報告されている症状は下痢と日射病。デング熱に罹ると旅行が台無しになる。


インドネシア入国にはビザが必要。
バリ島の場合、30日までの観光ビザ(アライバルビザ)を空港到着時に取得できる。費用はこれまで25US$だったが、7月にUS$35へ値上がりしたばかり。
パスポートの残存期間要6ヶ月以上、査証欄に見開き2ページ以上の空白ページがあること、千US$相当の現金または有効なクレジットカードを所持していることが条件。


市内交通

(タクシー・ベモ)
多くの街で旅行者の最も身近な足はタクシーだが、ウブドの場合メータータクシーは走っておらず、個人営業のタクシー(一応ウブド村公認)や送迎車、ホテル専属のタクシーが存在する。
個人営業のタクシーは交渉制、たいていふっかけてくるが、ふっかけられても安いのでついつい言い値に応じてしまうという日本人観光客も多い。しかし、その行動は彼らを増長させていき、後にバリを訪れる旅行者に不利益を与えることとなる。ここは相場を把握した上で利用したい。

乗り合いの小型ワンボックスがベモ。路線やスケジュールは決まっていない。
市内の近距離ならばせいぜい1,000ルピアだが、外国人はふっかけられることが多い。とりあえず1,000ルピア程度払ってあとはシカトという手も…。ベモの車内ではスリが報告されており、身辺に気を配っておくこと。

(クルマのチャーター・レンタサイクル・バイク)
最もおすすめなのはレンタルバイク。レンタサイクルも安い。Jl. Monkey Forest通りにはレンタバイク業者が軒を連ねている。
自転車の場合1日20,000ルピア程度、バイクが50,000ルピア程度とほぼ数百円で借りることができる。長期割引があることも多い。郊外の農道をバイクで走るのは楽しい。

運転手・エアコン付のクルマを1日8時間程度チャーターした場合、車種や立ち寄り地にも寄るが5千円程度から。日本語ガイドを付けても追加2千円程度。ストレスなく移動でき、郊外の観光地を効率的に移動するなら便利。

なお、レンタカーはインドネシアの免許が必要となり、本来国際免許証で運転することはできない。
しかし借りることはできる模様…。
実際にはレンタルの証明書があれば咎められないという話や、取り締まりがあってもかなりザルという噂もあり、借りる際に業者のお兄さんによく確認しておきたい。公的には無免許運転ということになるので、事故の時は面倒なことになる。
交通マナーは東南アジア特有の悪さで、急発進や逆走、派手な追い越しなどが目白押し。さらに道路事情が悪いため、慢性的に渋滞している。運転には十分注意すること。


ホテル

ONEWORLD retreats Kumara
ONEWORLD retreats Kumara (トリップアドバイザー提供)

高級リゾートホテルからゲストハウスまで、宿は充実している。
年末年始の他、ラマダン明けもインドネシア人で混み合う。
東南アジアでは6~7月に学校が休みになる場合が多く、この時期もハイシーズンとなる。

高級リゾートホテルは一泊2万円以上だが、設備は豪華。中級ホテルやバンガローは3千円程度から。格安パックツアーにもよく使われる。ゲストハウスは千円未満のところもある。
リゾートホテルはサヤンやクデワタンなどの郊外に、ゲストハウスや中級ホテルはJl. Monkey Forest通りやジャラン・ビスマ通りなど中心部にも多い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
インドネシアの携帯業者はテレコムセル(Telkomsel)、Axis、Indosat、XLなど。
バリ島でカバーエリアが広いと評判なのはTelkomselとXL。

TelkomselのプリペイドSIMカードはsimPATIというブランド名で提供されており、1週間~30日で数ギガ程度の様々なプランがある。XLの場合、スマートフォン向けの「XmartPlan Android」が使いやすい。
いずれも、料金は利用時間などの前提条件が複雑なため、カウンターで滞在日数と「Unlimited Internet」というように告げて確認すること。使い放題1ヶ月程度でもたいしてかからない。

(WiFi)
旅行者が行く様なレストラン、カフェはもちろん、スパやローカル食堂など様々な場所で無料のWiFiが提供されている。店員に言ってパスワードをもらおう。