4. 世界あの街この街: 成都


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第22回 成都


成都 (トリップアドバイザー提供)

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

三国志の蜀の都。郊外のパンダ繁育基地、麻婆豆腐に代表される四川料理の本場。歴史好きから大自然、グルメまで見所に事欠かない。また、美人の産地としても名高く、麻雀好きののんびりした土地柄とあわせて街歩きが楽しい。郊外に観光地も多く、長期滞在もおすすめ。
九寨溝、楽山といった中国中西部の観光地や雲南・チベット旅行の玄関という一面もあり、欧米からの個人旅行者も多い。

成都   Google マップ
(地図:A-武候祠、B-文殊院、C-寛窄巷子、D-杜甫草堂、E-春熙路)

成都は三国以前から長い歴史を持ち、古来から「天府国」と呼ばれ栄えてきた。その歴史は古蜀から数えても2,300年、長江文明時代から数えれば5,000年をほこる世界でも屈指の古都。成都という名称も2,000年もの間変わったことがないという。

歴史&ミステリー好きであれば、いきなり郊外だが三星堆遺跡へ。
紀元前2,000年にもさかのぼるというこの遺跡から発掘された青銅の仮面や彫像は、まったくもって今日の中華文明との関連が感じられないドラッギー&宇宙的なもので、中国古代文明の奥深さを認識させられる。
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(Wikipedia;青銅縦目仮面)

つづいては市内へ。
市内西部にある金沙遺跡は三星堆遺跡につづく時代のものとされ、こちらも黄金マスクやマンモスの牙などスケールの大きな出土品が展示されている。

金沙遺跡博物館 (トリップアドバイザー提供)

さらに時代はぐっと遡り三国時代へ。
成都の武候祠(ぶこうし)には劉備玄徳の墓地があり、吉川英治、横山光輝、コウ・シブサワファンはもちろん、有名人のお墓ゲッターにも欠かせないスポット。もちろん関羽、張飛の義兄弟や、巨大な諸葛亮像も鎮座している。
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諸葛亮像 (写真:tabinote)

祠の周囲は錦里(じんり)というレトロスポットとなっており、ストリートフードを食べながらぶらつくのが楽しい。中国のあちこちでみかけるお土産の定番「張飛牛肉」(ビーフジャーキー)はこちらが本場で、コスプレ張飛がたまに出没する。
錦里周辺はチベット街になっており、黄色の僧衣を来たチベット僧が多い。お土産選びにもおすすめ。
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張飛牛肉 (写真:tabinote)

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錦里 (写真:tabinote)

成都には、錦里同様に、歴史あふれる街並みを散策できるスポットが多い。
武候祠からもほど近い寛窄巷子(くぁんざい・しゃんず)は伝統的な街並みを再生した人気のエリアで、バーやカフェも多く、若者やツーリストの憩いの場となっている。

寛窄巷子 (トリップアドバイザー提供)

市の北部、文殊院は寺院の周辺に古い家屋やホテル、レストラン、お土産屋が集中しており、散策が楽しいエリア。長期滞在にもおすすめな和みスポット。
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文殊院 (写真:tabinote)

成都一の繁華街は春熙路。日本のイトーヨーカ堂や伊勢丹もある巨大ショッピングストリートで、百貨店やブランドショップ、レストランが軒を連ねる。日本食が恋しくなったら伊勢丹のレストラン街に行くもいい。ヨーカ堂の地下はお土産選びに最適。
ちなみに、「春熙路」で中国語検索するとやたらと「美女が多い」だの「美女だらけ」だのという情報がひっかかってくる。
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春熙路 (写真:tabinote)

成都は世界で最もショッピングモールの建設が盛んな都市で、現在建設中のモール面積は320万平方メートル(東京ドーム68個分、イオンレイクタウン13個分)。2013年だけで7つのショッピングモールがオープンし、その総面積は100万平方メートルとか。
その極めつけともいうべき、超弩級の存在が新世紀環球中心。市のおよそ中心部にあり、単一の建築物としては世界最大の規模。中にはショッピングモールの他、ホテルやミュージアムなどがそろっている。

新世紀環球中心 (トリップアドバイザー提供)

再び郊外へ。
成都で最も人気のスポットは北にタクシーで1時間、郊外の成都パンダ繁育研究基地。
ここでジャイアントパンダが群れあいじゃれ合う姿を見るためだけに成都に来る人も多い。
基地は実際の生育環境を模しており、山歩きに近い場所もある。歩きやすい靴で。
子パンダを抱いて写真を撮ることも可能だが、数万円のお布施を要求される。
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成都パンダ繁育研究基地 (写真:tabinote)

成都から西に65km、青城山は道教発祥の地として知られ、2000年に世界遺産に認定された。中国人にも人気は高く、幽玄な雰囲気の景勝地となっている。
付近の都江堰(とこうえん)は古代の巨大堤防権ダムで、こちらも堂々たる世界文化遺産。

青城山 (トリップアドバイザー提供)

世界最大の磨崖仏で有名な楽山大仏は成都から1時間半。803年に民衆の手によって建造されたという由緒正しき大仏で、こちらも世界遺産に認定されている。

楽山大仏 (トリップアドバイザー提供)

そして、成都郊外観光最大の目玉はカルスト地形の名勝、九寨溝と黄龍。
この世の物とは思えない、と称される絶景で、とくに紅葉の時期は圧巻。
実際に行った人の評価も非常に高い。
現地は標高3,000m程度となり、高山病に注意。

九寨溝 (トリップアドバイザー提供)


黄龍風景区 (トリップアドバイザー提供)

長期滞在なら、いっそトレッキングやチベット観光という選択肢も。
市内には多くのツアー会社があり、日本から手配するよりも格段に安い(ただし若干の中国語力or英語力を要する)。

成都から200km、四姑娘山は標高3,000m以上の本格的なトレッキングが楽しめる名所。煙った成都とは異なり抜けるような青空と冠雪の山々、森林と高山植物の織りなす美しい自然が楽しめる。チベット色も非常に濃厚なので、ラサに行く暇はないがチベット文化を堪能したいという方にもおすすめ。

四姑娘山 (トリップアドバイザー提供)



陳麻婆豆腐 (トリップアドバイザー提供)

山海の幸に恵まれ「天府」の異名をほこる成都。
成都の名物は辛くてしびれる四川料理と、小喫と呼ばれるストリートフード。
高温多湿でどんよりした気候が生み出した四川テイストは中国のみならず世界的に有名で、5つ星ホテルの洗練された名店から気軽な食堂まで、こぞってレベルは高い。中国語では「川菜」と表記している場合が多い。
代表的な四川料理は、麻辣と呼ばれる唐辛子と花椒が効いたもの。
麻婆豆腐、担担麺(本場は汁無し)などは日本でもお馴染みだが、回鍋肉、青椒肉絲、バンバンジー、宮保鶏丁(鶏とカシューナッツ炒め)といった辛くないものもある。

是非試してほしいのは火鍋で、真っ赤なスープにキノコ(やはり名物)や肉を入れた滋養あふれるもの。
火鍋のようなスープで肉や魚を煮込んだ料理もあり、水煮魚、夫妻肺片などと呼ばれる。


夫妻肺片 (トリップアドバイザー提供)

胃腸に自信の無い方もご安心を。
上掲通り辛くない料理のバリエーションも豊富で、ツーリストが集まる土地柄から各国の料理がある。また、素食と呼ばれるベジタリアン中華のお店も多い。


日本からの行き方

(空路)
直行便はANAと中国国際航空(ANAコードシェア便)が運行。意外にリーズナブルで、ANAのエコ割なら最安で4万円程度から利用できることも。成田発は1日2便で、朝に出る中国国際航空は同日夕方着、ANA便は夕方発で同日夜着。
他に、中部国際空港からの中国国際航空便、広島空港からの中国東方航空便もある(広島と成都は友好都市となっており、定期便がある)。

経由便ならば仁川、北京、上海などを経る便が一般的。4~5万円程度から。
上海に滞在し成都まで国内線を利用する場合、上海までLCCの春秋航空か中国東方を利用すれば3~4万円程度。上海-成都間が3万円程度で合わせて7万台。

(陸路)
成都は中国南西部の中核都市で、西安や昆明、重慶といった西部大都市との連絡は充実している。
西安から成都まで、鉄道なら13時間程度、バスで12時間程度。
重慶からは鉄道なら4時間程度、バスで5時間程度。重慶とは新幹線が通じており、所要2時間。

(パッケージツアー)
ANA直行便を利用したツアーが多い。シーズンにもよるが3泊4日で9万円程度。または2名から催行などの制約があることも。

(空港)
成都市の南西15kmに位置する成都双流国際空港は2つのターミナルを持ち、中国でも北京、上海浦東、広州白雲に続く4番目の規模を誇る。

空港から市内まではリムジンバスかタクシーを利用。
シャトルバスは市内の主要スポット、成都北駅、ホテルなどを経由する。料金10~12元。朝6時頃から19時まで(以下1号線は22時、2号線は20時最終)。
国際線の第1ターミナル3号出口を出るとバス停があるので迷うことはない。
機場専線1号線が岷山飯店まで、高速道路を使い所要30分程度。2号線は錦江賓館などを通って成都北駅まで、所要90分。3号線は成都東駅まで、やはり高速道で45分程度。4号線は新会展中心まで、40分程度。

宿にダイレクトにつきたければタクシー。市街中心部まで所要30分、50元程度。
バス、タクシー共に渋滞がひどい昼間の時間帯はより時間がかかる。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
辛い四川料理は成都の蒸し暑い気候の中で発展したもの。亜熱帯気候に属し、湿度が高く雲が多めで、カラっと晴れるような日は少ない。7~8月は雨が多い。

ベストシーズンは3~6月、または9月~11月頃。ただし10月1日の国慶節付近はホテルや観光地も混み合う。
1~2月でも東京の冬よりは過ごしやすい。九寨溝観光なら5月~11月頃。7月以降は水量が増えて美しく、秋には紅葉も楽しめる。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。
タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.4円(14年5月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。

物価はピンキリだが、四川省自体がやや貧しいこともあり貧乏旅行も十分可能。食事や宿は北京や上海に比べて相当リーズナブル。ホテルは古い寺院をリノベーションした雰囲気のある宿が5千円程度で利用できる。
タクシーは初乗り8~9元、1kmにつき1.9元。ガソリン代が1回乗車につき1元だったが廃止された模様。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。


(Wikipedia提供)

ビザと治安

中国を代表する大都市かつ観光地であるが、その割に治安は良い方。夜の1人歩きも多い。
ただし、あくまで外国としては安全ということであり、繁華街、観光地、夜間や裏通りなどには注意が必要。
空港の白タクが報告されている。また、サウナやカラオケバーで鼻の下を伸ばした男性がぼったくり被害にあう例も多い模様。

反日デモで有名になったが、特段反日感情が強い地域ではない。イトーヨーカー堂が支持され、市内中心に巨大なキャンパスを構える四川大学は日中国交正常化の1972年にいち早く日本語学科を設置するなど、むしろ親日的な土地柄。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(ひすい色のサンタナが多い)が走っており、料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。

初乗りは2kmで9元。以降1kmごとに1.9元。

(地下鉄/鉄道)
成都地下鉄は2010年9月開通、中国西部地域で初めての地下鉄となった。
現在は市街を南北に貫く1号線と東西に延びる2号線が開通している。2015年までに3号線、4号線、7号線が開通する予定。

始発は6時半、終電が23時半頃。料金は2~6元程度。
切符はICカード形式になっている。利用の仕方は日本と同じ。
乗車前に保安検査がある。

「天府通」というスイカやパスモ同様のリチャージ式カードがあり、市内の地下鉄駅、キオスクなどでカードを作ることできる。デポジットは20元。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。
西安や昆明などの西部地域はもちろん、沿岸まで鉄道が通じている。
成都駅といえば一般的には成都北駅をさす。地下鉄1号線の「火車北駅」と接続している。駅舎は非常に巨大。
他に、成都東駅、成都南駅(1号線の「火車南駅」)がある。

(バス)
バスは縦横無尽に市内を結んでおり、使いこなせれば便利。
エアコンバスが一回2元。
ただし渋滞は非常に激しく、時間は読みにくい。

成都は西部地域の要衝でもあり、長距離バスのターミナルともなっている。九寨溝や楽山行きには直行バスが便利。

ホテル

ホテル代はおおむね安め。外資系の5つ星ホテルでも1.5万円程度。5千円も出せば豪華で広い部屋に泊まれる。
日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)も豊富で、ツインが3千円程度。

一般に国慶節(10月1日)、春節(旧正月)の季節は混み合い価格も上昇する。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
路上の携帯会社のカウンター、家電量販店、売店、コンビニ等でSIMが購入できる。
成都双流国際空港には携帯会社のカウンターはない。
大手の事業者はChina Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)など。

中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりがあり、中国語のメッセージを解釈する必要があるためSIMの利用はややハードルが高い。携帯会社のカウンターで設定してもらうことをおすすめする。ゲストハウスのスタッフに頼むという方法もある。

中国国内からYouTubeやFacebook・TwitterなどのSNSに接続する場合には閲覧規制がかかる。GmailなどGoogleの各種サービスも遅い傾向。日本の携帯を海外パケット放題でそのまま使うか、近隣国(香港など)でSIMを買い国際ローミングすれば接続制限を回避できる。VPN(Virtual Private Network)で回避する方法もあるが、うまくいかないこともある。

(Wifi)
無料のWiFiを開放しているカフェも多い。各国同様、スターバックスでも使える。
欧米ツーリストの多い開放的な土地柄から、「Facebook OK」などの看板を掲げたゲストハウスも多い。