特別企画:旅する人のためのレーシック入門

550px-Man_at_Phoropter
(画像:Wikipedia)

tabinoteワタベです。
私事ですが、2010年に視力回復レーザー手術、いわゆるレーシック手術を受けました。
旅行を頻繁にされる方、特にコンタクトレンズをお使いの方の中には、スペアレンズやケア用品が貴重な荷物スペースをとるのにうんざりしている方も多いのではないでしょうか。
私は4年前の手術以降裸眼で生活しています。土埃の国やビーチリゾート、インドのホーリー祭り(色水をぶっかけ合うコンタクト装着者には超危険な祭り)でも裸眼ですごせ、荷物も格段にコンパクト化。術後確実に生活の質が上がり、快適に過ごしています。
唯一の後悔は、もっと早くやらなかったことかな…。
Holi_celebrations,_Pushkar,_Rajasthan
旅行者も容赦なく被害に遭うホーリー祭(画像:Wikipedia)

今回の記事はレーシック手術を無前提にお勧めするわけではなく、私の体験を通して調べたことを情報共有できれば、という意図となっています。
本記事をご参考に、ご検討、受療はどうぞご自身の判断で。


レーシック体験記

きっかけ

私は子供の頃から目が良く、中2の視力検診までは余裕で左右2.0をたたき出していた。しかし、高校に行き始めた頃から視力が下がりはじめ、高2のあたりで黒板が見づらくなった。この時はまだ左右0.7~0.5程度とそれほど悪くはなかったが、それまでよく見えていたこともあって日常生活がつらくなり、メガネをつくった。
さて、せっかくつくったメガネだが、私は当時から定期的な頭痛があり、メガネをかけると夕方かなりの確率で頭痛がやってくることに気づいた。もともと頭を締め付けたり何か載せたりするとすぐに頭痛がくる性質のようで、帽子も苦手。
頭痛に参った私は、ほどなくコンタクトレンズをつくりに行った。最初ハードレンズを付けたが痛みで全く無理、結局ソフトレンズにした。
黒板も見えるし頭痛もないしこれは快適…、そのまま10年以上に渡るコンタクト生活が始まった。東京に出てきてからは使い捨てのソフトレンズに切り替えた。多少ランニングコストはかかるがとにかくラク。その間にも着実に視力は悪化し、二十歳の頃には0.1くらいになっていた。

そうして数年が経過した30代の半ば、眼科の検診で「角膜の細胞が減っているため、メガネを併用するように」という診断を受けた。
どうも、ソフトレンズは黒目をがっつり覆ってしまうため、角膜が酸素不足になり細胞(角膜内皮細胞)が減ってしまうらしい。一度減った細胞は回復不可能で、将来白内障手術を受ける際にリスクがあるとのこと。
それからしばらくはメガネを併用していたが、やはり夕方は高確率な頭痛。やむなくコンタクトもメガネも付けず、裸眼でPCをにらむこともあった。

そのような折、知人がレーシックを受けて快適に過ごしているという話を聞いた。
ちょうど私も、もうメガネ併用は限界だなと思っていた時期。ひそかに情報収集を始めた…。

医院選び

知人が手術した病院に行くことも考えたが、当時「ゴットハンド」呼ばれ名声をほしいままにしていたA医師のいる病院に行くことにした。
ちなみに、当時のメジャーな術式は以下の通り。
(評価は私によるものです)

レーシック

カンナやレーザーで角膜を削り、薄い膜(フラップ)をつくる。この膜で一種のレンズを形成し、近視を矯正する。当時既に、多くの病院がレーザーによる正確なカットをうりにした術式(イントラレーシック)を採用していた。最新のレーザーを用いたものは価格も高く、カット位置の割り出しやフラップの作成が精密だったりする模様。
・メリット:術後遅くとも数日で視力回復し痛みもほとんど無い。
・デメリット:衝撃でフラップがずれるリスク。一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

エピレーシック/ラセック/PRK

フラップをつくらず、直接角膜表面を削る。
・メリット:フラップが無いのでコンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:視力回復まで最低一週間ほどかかり、その間かなり痛いらしい。手術も痛い模様。一一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

眼内レンズ(フェイキックIOL)

角膜を削らず、眼内にコンタクトレンズを挿入する。
(当時は近視矯正用の眼内レンズは確か当局による承認前であったため選択対象外)
・メリット:角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:価格は高めでイントラレーシックの2~3倍程度。レンズ交換時に後遺症リスクがある模様。

オルソケラトロジー(ナイトレンズ)

角膜の形を矯正するハードコンタクトレンズを装用して寝ると翌朝その跡が残っていて、日中は裸眼で生活できるという代物。当時は承認前(のはずと)。
・メリット:手術自体をしない。角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:毎晩ハードレンズを付けて寝るのが面倒。視力安定までに時間がかかる場合も。

当時はほとんどレーシックかラセックしか選択肢がなかったが、私は結局レーシックにした。
その理由は以下の通り。
・老眼とレーシックの因果関係はないという話に納得したこと(参考:「眼ウォーキング」/福与貴秀など)。仮に再矯正が必要になった場合でも私の場合角膜が厚いので再手術可能と診断されたこと。
・エッジに鋭角な角度を付けることでフラップずれの危険はほとんど無く、実際には機動隊員や柔道家、サッカー選手でも問題無く視力回復していると聞いたこと。ヘディングの衝撃に耐えるなら、日常生活はおろかほとんどのコンタクトスポーツでも大丈夫だろう。
・レーシック界のゴットハンド、某カルト教団の顧問弁護士にそっくりなA医師の上記説明が冷静でわかりやすかったこと。

lasek
(画像:tabinote)

手術と術後

レーザー治療器の下で身を委ねる。
一瞬髪の毛が焦げるような臭いがしただけで、手術はあっという間に終了。
術後は特に痛みも無く、翌々日くらいからもう裸眼で1.5に視力回復した(翌日は保護用の眼鏡をかけているので正直よくわからなかった)。

術前に、矯正具合(矯正後の希望視力)を選ぶことが出来る。過度の矯正で頭痛を引き起こす人もいるため、1.0~1.2くらいを勧められたが、1.5で依頼した。昔裸眼でガンガン見えていたときの感覚からして、よく見えた方がいいに決まっていると思ったからだ。
結果はすばらしく、メガネによる長年の頭痛、コンタクトケアの手間、余計な出費などからすべて解放された。
何より旅行が快適になった。以前はケア用品だけのために洗浄機や変圧プラグ、食塩水をパックに詰め込み(機内預け扱いになるので超手間)、もちろん夜用のメガネも装備。泳ぎに行くようなところでは余分に替えレンズを持ったりしてとにかく煩わしかった。今では酔っ払ってそのまま寝ても無問題。まったく、もっと早く受けておけば良かったぜ。

総括

私の場合は上記のように今のところ成功となりましたが、そもそもこの手術が合わないという方もいますし、あるいは受けても効果が今ひとつ、不幸にして後遺症が残るなどのリスクも無いわけではありません。

私が手術を受けた頃はバンバン広告が出ていた記憶がありますが、その後に悪質な医院が摘発されたり、消費者庁がリスク情報について注意を出したりと、当時より業界も慎重になっている模様です。
現在では上掲のオルソケラトロジーなど手術を用いない方式もあるようですので、悩める皆さんはいろいろ検討されては如何でしょうか。

なお、レーシックの費用は医療費控除の対象となり、確定申告の際に課税所得から差し引くことができます。また、一部の医療保険や損害保険は、かつてレーシック手術を給付対象としていました。2007年4月に各社が条項を改定し、レーシックは適用外となってしまいましたが、それ以前から加入継続している保険があれば対象になる場合があります。内容を確認してみましょう。
私の場合、保険と医療費控除で手術代は結局半額くらいになりました。


旅行者ならいっそ海外で? メディカル・ツーリズム

table
(画像:IMID [ India Medical Tourism and Wellness Destination ])

さて、旅する人の間ではメディカル・ツーリズムというアイデアもとっぴなものではありません。
タイやシンガポール、インドなどが国をあげて力を入れているこの分野。
古くはサナトリウムでの療養やモロッコでの性転換などもこれにあたりますが、近年ではもっぱら専門性の高い医療サービスや、レベルが高いサービスを安く受けるために、住んでいる以外の地域(国内のこともあれば他国もあり)で医療サービスをうける仕組みをさします。

臓器移植などの先進手術が驚くほど安いのは新興国・途上国が中心。
正直大丈夫なの?という不安をお持ちの方もいるようですが、そういった国ほど富裕層向けの医療技術が進んでいるのも確か。医師は往々にして欧米帰りの博士号保持者で、日本の専門医となんら遜色ないどころか、論文数や手術の執刀数などで日本を圧倒するレベルの医師もざらにいたりします。安くて技術が高いだけではなく、最新の設備や5つ星ホテル並みのホスピタリティなど、経験した方の中には日本の病院なんてバカバカしくて行ってらんないという意見も。
医療観光プロモーション推進連絡会
Medical tourism in Asia

以下はレーシック手術に関する各国の状況。
病院やブログなどの情報をもとにしたもので網羅性はありませんが、あくまで事例としてお考え下さい。

アメリカ

2,000ドルくらいから選択肢があるようです。
海外のレーシック事情

香港

術式によりますが、両目で22,000香港ドル程度。1HKD=13円として、29万円くらいでしょうか。
Hong Kong Sanatorium and Hospital

シンガポール

術式によりますが、両目で3,000シンガポールドル程度~。1シンガポールドル=80円として、24万円程度。
Cost of LASIK in Singapore

タイ

両目で2,245ドル。一流病院とはいえ1ドル100円として22万円。意外に高いですね。
2014 Bumrungrad International Hospital

インド

2万5千ルピー。1ルピー=1.7円として4万円。マジすか。
CustomVue Lasik

こう見るとさすがにインドの安さが際立ちますが、他国はあまり日本と変わりありませんね。
旅費・滞在費を入れたらあまり得ではないかも…。

レーシックに限りませんが、もちろん治療は一回こっきりではなく、術後のケアが大切。
言葉に全く支障がなく頻繁に現地に行くという方であればともかく、縁もゆかりも無い国で超高速英語の説明を聞かされ、わけもわからないまま何枚もの同意書や契約書にサインしてしまった後はまな板の鯉。なかなかチャレンジングかもしれません…。

もしも、それでも海外でトライするならば、条件や日本でのケア、保険の適用などをしっかり確認してからにしましょう。

特別企画:旅する人のためのレーシック入門


特別企画:旅する人のためのレーシック入門

550px-Man_at_Phoropter
(画像:Wikipedia)

tabinoteワタベです。
私事ですが、2010年に視力回復レーザー手術、いわゆるレーシック手術を受けました。
旅行を頻繁にされる方、特にコンタクトレンズをお使いの方の中には、スペアレンズやケア用品が貴重な荷物スペースをとるのにうんざりしている方も多いのではないでしょうか。
私は4年前の手術以降裸眼で生活しています。土埃の国やビーチリゾート、インドのホーリー祭り(色水をぶっかけ合うコンタクト装着者には超危険な祭り)でも裸眼ですごせ、荷物も格段にコンパクト化。術後確実に生活の質が上がり、快適に過ごしています。
唯一の後悔は、もっと早くやらなかったことかな…。
Holi_celebrations,_Pushkar,_Rajasthan
旅行者も容赦なく被害に遭うホーリー祭(画像:Wikipedia)

今回の記事はレーシック手術を無前提にお勧めするわけではなく、私の体験を通して調べたことを情報共有できれば、という意図となっています。
本記事をご参考に、ご検討、受療はどうぞご自身の判断で。


レーシック体験記

きっかけ

私は子供の頃から目が良く、中2の視力検診までは余裕で左右2.0をたたき出していた。しかし、高校に行き始めた頃から視力が下がりはじめ、高2のあたりで黒板が見づらくなった。この時はまだ左右0.7~0.5程度とそれほど悪くはなかったが、それまでよく見えていたこともあって日常生活がつらくなり、メガネをつくった。
さて、せっかくつくったメガネだが、私は当時から定期的な頭痛があり、メガネをかけると夕方かなりの確率で頭痛がやってくることに気づいた。もともと頭を締め付けたり何か載せたりするとすぐに頭痛がくる性質のようで、帽子も苦手。
頭痛に参った私は、ほどなくコンタクトレンズをつくりに行った。最初ハードレンズを付けたが痛みで全く無理、結局ソフトレンズにした。
黒板も見えるし頭痛もないしこれは快適…、そのまま10年以上に渡るコンタクト生活が始まった。東京に出てきてからは使い捨てのソフトレンズに切り替えた。多少ランニングコストはかかるがとにかくラク。その間にも着実に視力は悪化し、二十歳の頃には0.1くらいになっていた。

そうして数年が経過した30代の半ば、眼科の検診で「角膜の細胞が減っているため、メガネを併用するように」という診断を受けた。
どうも、ソフトレンズは黒目をがっつり覆ってしまうため、角膜が酸素不足になり細胞(角膜内皮細胞)が減ってしまうらしい。一度減った細胞は回復不可能で、将来白内障手術を受ける際にリスクがあるとのこと。
それからしばらくはメガネを併用していたが、やはり夕方は高確率な頭痛。やむなくコンタクトもメガネも付けず、裸眼でPCをにらむこともあった。

そのような折、知人がレーシックを受けて快適に過ごしているという話を聞いた。
ちょうど私も、もうメガネ併用は限界だなと思っていた時期。ひそかに情報収集を始めた…。

医院選び

知人が手術した病院に行くことも考えたが、当時「ゴットハンド」呼ばれ名声をほしいままにしていたA医師のいる病院に行くことにした。
ちなみに、当時のメジャーな術式は以下の通り。
(評価は私によるものです)

レーシック

カンナやレーザーで角膜を削り、薄い膜(フラップ)をつくる。この膜で一種のレンズを形成し、近視を矯正する。当時既に、多くの病院がレーザーによる正確なカットをうりにした術式(イントラレーシック)を採用していた。最新のレーザーを用いたものは価格も高く、カット位置の割り出しやフラップの作成が精密だったりする模様。
・メリット:術後遅くとも数日で視力回復し痛みもほとんど無い。
・デメリット:衝撃でフラップがずれるリスク。一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

エピレーシック/ラセック/PRK

フラップをつくらず、直接角膜表面を削る。
・メリット:フラップが無いのでコンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:視力回復まで最低一週間ほどかかり、その間かなり痛いらしい。手術も痛い模様。一一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

眼内レンズ(フェイキックIOL)

角膜を削らず、眼内にコンタクトレンズを挿入する。
(当時は近視矯正用の眼内レンズは確か当局による承認前であったため選択対象外)
・メリット:角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:価格は高めでイントラレーシックの2~3倍程度。レンズ交換時に後遺症リスクがある模様。

オルソケラトロジー(ナイトレンズ)

角膜の形を矯正するハードコンタクトレンズを装用して寝ると翌朝その跡が残っていて、日中は裸眼で生活できるという代物。当時は承認前(のはずと)。
・メリット:手術自体をしない。角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:毎晩ハードレンズを付けて寝るのが面倒。視力安定までに時間がかかる場合も。

当時はほとんどレーシックかラセックしか選択肢がなかったが、私は結局レーシックにした。
その理由は以下の通り。
・老眼とレーシックの因果関係はないという話に納得したこと(参考:「眼ウォーキング」/福与貴秀など)。仮に再矯正が必要になった場合でも私の場合角膜が厚いので再手術可能と診断されたこと。
・エッジに鋭角な角度を付けることでフラップずれの危険はほとんど無く、実際には機動隊員や柔道家、サッカー選手でも問題無く視力回復していると聞いたこと。ヘディングの衝撃に耐えるなら、日常生活はおろかほとんどのコンタクトスポーツでも大丈夫だろう。
・レーシック界のゴットハンド、某カルト教団の顧問弁護士にそっくりなA医師の上記説明が冷静でわかりやすかったこと。

lasek
(画像:tabinote)

手術と術後

レーザー治療器の下で身を委ねる。
一瞬髪の毛が焦げるような臭いがしただけで、手術はあっという間に終了。
術後は特に痛みも無く、翌々日くらいからもう裸眼で1.5に視力回復した(翌日は保護用の眼鏡をかけているので正直よくわからなかった)。

術前に、矯正具合(矯正後の希望視力)を選ぶことが出来る。過度の矯正で頭痛を引き起こす人もいるため、1.0~1.2くらいを勧められたが、1.5で依頼した。昔裸眼でガンガン見えていたときの感覚からして、よく見えた方がいいに決まっていると思ったからだ。
結果はすばらしく、メガネによる長年の頭痛、コンタクトケアの手間、余計な出費などからすべて解放された。
何より旅行が快適になった。以前はケア用品だけのために洗浄機や変圧プラグ、食塩水をパックに詰め込み(機内預け扱いになるので超手間)、もちろん夜用のメガネも装備。泳ぎに行くようなところでは余分に替えレンズを持ったりしてとにかく煩わしかった。今では酔っ払ってそのまま寝ても無問題。まったく、もっと早く受けておけば良かったぜ。

総括

私の場合は上記のように今のところ成功となりましたが、そもそもこの手術が合わないという方もいますし、あるいは受けても効果が今ひとつ、不幸にして後遺症が残るなどのリスクも無いわけではありません。

私が手術を受けた頃はバンバン広告が出ていた記憶がありますが、その後に悪質な医院が摘発されたり、消費者庁がリスク情報について注意を出したりと、当時より業界も慎重になっている模様です。
現在では上掲のオルソケラトロジーなど手術を用いない方式もあるようですので、悩める皆さんはいろいろ検討されては如何でしょうか。

なお、レーシックの費用は医療費控除の対象となり、確定申告の際に課税所得から差し引くことができます。また、一部の医療保険や損害保険は、かつてレーシック手術を給付対象としていました。2007年4月に各社が条項を改定し、レーシックは適用外となってしまいましたが、それ以前から加入継続している保険があれば対象になる場合があります。内容を確認してみましょう。
私の場合、保険と医療費控除で手術代は結局半額くらいになりました。


旅行者ならいっそ海外で? メディカル・ツーリズム

table
(画像:IMID [ India Medical Tourism and Wellness Destination ])

さて、旅する人の間ではメディカル・ツーリズムというアイデアもとっぴなものではありません。
タイやシンガポール、インドなどが国をあげて力を入れているこの分野。
古くはサナトリウムでの療養やモロッコでの性転換などもこれにあたりますが、近年ではもっぱら専門性の高い医療サービスや、レベルが高いサービスを安く受けるために、住んでいる以外の地域(国内のこともあれば他国もあり)で医療サービスをうける仕組みをさします。

臓器移植などの先進手術が驚くほど安いのは新興国・途上国が中心。
正直大丈夫なの?という不安をお持ちの方もいるようですが、そういった国ほど富裕層向けの医療技術が進んでいるのも確か。医師は往々にして欧米帰りの博士号保持者で、日本の専門医となんら遜色ないどころか、論文数や手術の執刀数などで日本を圧倒するレベルの医師もざらにいたりします。安くて技術が高いだけではなく、最新の設備や5つ星ホテル並みのホスピタリティなど、経験した方の中には日本の病院なんてバカバカしくて行ってらんないという意見も。
医療観光プロモーション推進連絡会
Medical tourism in Asia

以下はレーシック手術に関する各国の状況。
病院やブログなどの情報をもとにしたもので網羅性はありませんが、あくまで事例としてお考え下さい。

アメリカ

2,000ドルくらいから選択肢があるようです。
海外のレーシック事情

香港

術式によりますが、両目で22,000香港ドル程度。1HKD=13円として、29万円くらいでしょうか。
Hong Kong Sanatorium and Hospital

シンガポール

術式によりますが、両目で3,000シンガポールドル程度~。1シンガポールドル=80円として、24万円程度。
Cost of LASIK in Singapore

タイ

両目で2,245ドル。一流病院とはいえ1ドル100円として22万円。意外に高いですね。
2014 Bumrungrad International Hospital

インド

2万5千ルピー。1ルピー=1.7円として4万円。マジすか。
CustomVue Lasik

こう見るとさすがにインドの安さが際立ちますが、他国はあまり日本と変わりありませんね。
旅費・滞在費を入れたらあまり得ではないかも…。

レーシックに限りませんが、もちろん治療は一回こっきりではなく、術後のケアが大切。
言葉に全く支障がなく頻繁に現地に行くという方であればともかく、縁もゆかりも無い国で超高速英語の説明を聞かされ、わけもわからないまま何枚もの同意書や契約書にサインしてしまった後はまな板の鯉。なかなかチャレンジングかもしれません…。

もしも、それでも海外でトライするならば、条件や日本でのケア、保険の適用などをしっかり確認してからにしましょう。