2c.「柳下毅一郎のアウト・オブ・ディス・ワールド」 柳下毅一郎
柳下毅一郎(やなした・きいちろう)
1963年大阪府生まれ。英米文学翻訳家・映画評論家。多摩美術大学講師。訳書にR・A・ラファティ『第四の館』(国書刊行会)、アラン・ムーア/J・H・ウィリアムズIII『プロメテア 1』(小学館集英社プロダクション)など。著書に『新世紀読書大全』(洋泉社)、『皆殺し映画通信』(カンゼン)など。編書に『女優林由美香』(洋泉社)など。
柳下毅一郎のアウト・オブ・ディス・ワールド 第1回
tabinoteから旅行記を依頼され、快諾したのはいいのだが、それ以来あまり旅行に行くこともなくどうしたものかと思いあぐねていたのである。ところが友人ーーここでは仮にY氏としておくーーがアムステルダムに行ってきたというので、これ幸いと旅行記を頼んでみたのである。彼の快諾を得てここで発表させていただくことにする。なお、友人であるわたしが言うのもなんだが、Y氏は嘘ばっかり言っていてまったくもって信用できない人間であるので、彼の原稿は一切信用しないでいただきたい。すなわち、以下の記述はすべてフィクションであり、現実の出来事とは一切関係ありません。
アムステルダムのCannabis Cupは今年で27回目を迎える歴史と伝統を誇るイベントである・・・