3a. 釜山プチ奇食旅行記 後編~アメフラシの刺身 この日本人頭おかしいのかなハセヨ


3a. 釜山プチ奇食旅行記 後編~アメフラシの刺身 この日本人頭おかしいのかなハセヨ

 
珍しい食材や一皿など、いわゆる奇食探しをライフワークとして内外広く飛び回ってきた大橋さん。
今回は釜山の観光名所としても有名な漁港・チャガルチ市場訪問記を2回に渡ってお届けします。
(注:本旅行記は2016年11月時点の記録です、写真はすべて大橋則夫氏によるもの)

Profile
大橋則夫

大橋則夫(おおはし・のりお)

1976年愛知県蒲郡市生まれ。雑誌や書籍のコラム、企業ブログの執筆などいろいろと手がける。
旅とプロレスとお笑いと民芸品とゲテモノ食いと山登り←NEW!!が好きな馬鹿。

前編はこちら


釜山最終日、更なるゲテ食材を求めて再びチャガルチにやってきました。今日は、タコの踊り食いとアメフラシだな。韓国の奇食というか変わった食習慣といえば、犬鍋(ポシンタン)も有名ですが、僕は犬は当面やめとこうと思っています。日本でも昔は食べていたようですし国内の韓国料理屋でも出すとこありますが、機会があっても食べません。

何故なら、父が一時期ブリーダーを目指したほどのかなりの愛犬家だから。帰省の際にどんな顔をして会えばいいのって感じですので。(ちなみに沖縄のある島で風邪薬に猫鍋食べる知り合いがいましたが、猫も無理!)。小説「ひかりごけ」みたいに、食べた人間の背後に光の輪が現れたりするかもしれんしね。ずいぶん脱線しましたが、続きです。


(ボクのことは食べないよね??鮮魚屋さんで見かけた少し不安げな表情の犬)


(食べないよね!?食べないよね!?)


イイダコの踊り食い(サンナクチ)は、テレビで目にすることも多いポピュラー料理で、食堂で比較的簡単に発見できました。注文してまもなく、皿の上で踊るタコの足が登場です。ごま油とタレの刺激に身をよじらせるその姿も、ヌタウナギ以上に触手チック。その手の人にはたまりますまい。
さて実食。よくテレビでリポートされているような、想像してた様な強烈な吸盤の吸い付きはなく、出川哲郎のようなリアクションは取られず。ゴマ油の味付け自体が美味しく、タコも新鮮とあってコリコリとした食感が素晴らしい。美味しいなあ、と思っていたら僕の食道の奥で最後の抵抗をした触手がいたらしく、若干むせて慌ててビールで流し込む。往生せいや!サンナクチは当たりですね、美味しかったです。


さて次はアメフラシ。アメフラシとは、こう見えて貝の仲間でありウミウシの一種。貝殻は退化しておりますが、背中の外套膜の中にこっそり格納されております。名前の由来は、驚いたときや踏んづけられたときに体から出す紫色の液体が、水中で雨を降らしているように見えるため。粘液だの紫の液体だの、今回は体から何か出す奴が多いよな。。

食堂で料理として出している店は全く見当たらなかったので2串ほど露店で購入し、食堂へ持ち込んで片言英語、韓国語と身振り手振りで持ち込み料理してもらうように交渉しました。食堂のお姉さんたちも食べたことが無いらしく、不思議なものを見るような目でしきりに変な生き物と変な日本人を半笑いで見つめていました。


(よく見ると顔はかわいいかも。あくまで主観です。)


そのままスライスしたアメフラシを、コチュジャンタレで、さて実食。
・・・・、うーんコレは、歯ごたえはあるものの貝のうま味に乏しく、皮はゴリゴリで不愉快、生臭く、肝もただただ苦いのみ、身の色も謎の緑色で気持ち悪い!美味しくない!
しかし「生き物にサンキュー!!」ということで、いつもながら気合の完食。羊の目玉ボイルだの羊のティンコボイルだろうと、食べ物を残しては僕の信念に反します。・・不味いッッキャオラッッ!


しかし僕は思った。鮮度のせいもあるのかなと。僕は知っている。昨日チャガルチを歩いた時に、すでにアメフラシを売っている光景は目にしていました。人気のある食材とは思えず、寒風吹きすさぶ露店の隅で悲しく放置されていたアメフラシ。売り子のおばあちゃんたちの扱いもテキトーでしょうし、冷蔵もせず何日もかけて放置されていたとしても不思議じゃない。つまり僕は、刺身というよりは死んで放置された生の貝を食べていたわけですね。そりゃあ不味いかもねハッハ。また今度、新鮮なうちに食べてみたいもんです。嫌なことがあったときとかに。あ、今回も特に体調が悪くなることは無かったですね。鉄の胃の面目躍如です。


(アメフラシのお顔。仲間になりたそうにこっちを見ている。だが断る。)


(この日本人頭がおかしいのかなハセヨ、とか言ってるんだろうか)


(市場で売られている小型のホヤ。今回の旅の一番の収穫かも)

今回ももちろん不味いものばかり?食べていたわけではなく、これは絶品!みたいな料理も食べてきました。こちらで海鮮のコチュジャン炒め系の料理を食べていると、ブツ切り状でじゃりじゃりプリプリした食感と、不思議なクセのある謎の美味しい食材が使用されていることに気づきました。食べたこともあるこの感じ、何だろうと記憶を掘り起こし、ついに気づきました。これは、珍味の王と呼ばれるホヤ!!

実際市場を歩いていると、小指の頭大の小さなホヤがザル一杯に売られている光景をよく目にしました。刺身も三杯酢もホヤはもちろん美味しいけど、この調理法の発想には衝撃を受けました。コチュジャンのコクとホヤの独特の魔味が出会うと、こんな深い味になるのかと。ホヤ好きの方にはぜひ一度試して頂きたいですね。日本の韓国料理屋で食べられる店がないか、現在リサーチ中であります。


もうひとつは、釜山の中心地のレストランで食べたアワビのお粥。これはもう文句なしに旨かった。韓国や中国の食で特にうらやましく思えるのは、お粥料理のバリエーション、調理法の豊富さです。アワビの食感と、肝の苦みとうま味、海をそのまま閉じ込めたような、濃厚ながらも優しい味。☆5つですッッ!!

ちなみにこのレストランには「クマノミの冷製スープ」もメニューにあったのですが、残念ながらこの日はやってませんでした。スープの中を探して、「ニモ見つけたよ!」とかやってみたいですね。また今度釜山に来た時に、アワビのおかゆと共に食してみたいと思います。
(編注:この店は日本でも有名な済州家です。

あと美味しかったのは、ワタリガニのキムチ漬け(キムチケジャン)とワタリガニを生のままで醤油漬けした(カンジャンケジャン)でしょうか。元々蟹で一番美味しいのはワタリガニ系と思ってるので、これを食うのも今回の旅の大きな目標でした。
飯泥棒と言われるのも伊達じゃない、ガチンコの美味しさでした。特にオレンジ色の美しい卵は目に美味しく舌に美味しく、、釜山、チャガルチありがとう!


(新大久保などでも食べられるお店がありますので近々行きます。書いてて辛抱たまらん)


今回も、ゲテ有り旨いもん有りの楽しいゲテ食紀行となりました。市場の雰囲気も活気があってとても良かった。で、ふと思ったんですが、ヌタウナギは日本の東北で食べるし、アメフラシも千葉や島根で食べる地方があるみたいだし、熊本県天草地方じゃヒトデを食らうとも聞きます。海外から見ても、日本人はよっぽど奇食好きだと思いますよ。まあ、だから何だって話ですけど。。

今度釜山に来るときは今回時間の関係で未遂に終わったユムシの生食と、クマノミのスープで来ようかなと。その前に台湾か東南アジアのどっかに行きたいですね。

~今回もご覧いただきありがとうございました!またどこかで!