3a. バルカン半島訪問記3 -ティラナ~コトル-


3a. バルカン半島訪問記3 -ティラナ~コトル-

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評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html

 
シさんによるバルカン半島旅行記の第3弾です。
第1弾第2弾


■アルバニアという国はギリシャの左上にある。面白いのは自国を「アルバニア」とは呼ばず「Shqiperise」と呼んでいる点だ。
読み方が分からないけど郵便局にもそう書いてある。
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まぁ日本だって「Japan」と「Nippon」っていうぜんぜん違う読み方があるし、自国民はむしろ「Nippon」って呼んでるわけだから、そんなものなのだ。
イスラム教信者が多い国だが信仰はいいかげんで、バーに行けばお酒もどんどん出てくる。「地球の歩き方」に載ってる首都ティラナのバー(Sky Club Cafe)はお勧めだ。ソフトドリンク一杯で回転展望台から時間無制限の夜景を楽しめる。フリーwifiつき。周囲がカップルばかりで孤独感が深まる以外は最高だ。
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日本ではなかなか見られない不思議なオブジェを眺めつつ、明日のバス移動に少々アンニュイな感じだった。というのは、ネットの旅行記を見る限り、ティラナからモンテネグロ共和国へ抜ける方法が悲惨らしいのだ。「アルバニア モンテネグロ バス」で検索すると「超面倒」とか書かれていて、シュコダルという湖畔の街で降りて乗り換えたり、国境越え区間はタクシーだとか、ついたら真夜中だとか、泣きそうになりながら行くものだという。うわぁ面倒なフレンズですね。

この手の情報はバックパッカー宿のスタッフに聞くのがよいということで聞いてみると意外にもコトル(Kotor)行きの直通バスがあるらしい。本当なら楽勝だ。スーパーに買い出しに行き、現地人に大人気のピザを食べて鋭気を養う。道を歩いていると見知らぬ人から「へい兄ちゃん、一緒に飲んでいかないかい」みたいに声をかけられる。なかなかのノリだ。

■さて、その翌日。朝一番にノートパソコンでネットを見た瞬間に「Windows Update」にやられた。これをくらうとACにつないでおかないとバッテリ消耗するのだ。旅先でやられると本当に困る。勘弁してくれデビルゲイツ。宿を出るべき時刻になっても終わらず「電源を消さないでください」とか書いてあるので、怖いが残りはバッテリで処理するしかない。とりあえず宿を出てティラナの目抜き通りであるZoguI通りをダッシュで北上。コトル行きの直通バスを扱う旅行社は二軒あるらしいが、今回はOzumi tourを利用した。運賃25ユーロでチケットが買えたから、本当にコトルまで行けるのだろうと信じる。8時半出発で8時20分にマイクロバスが迎えにくるという。40分時間が空いたので両替してチキンバーガーを食ってみる。ちなみにこのチキンは本気だった。分厚いチキンをちゃんとグリルで10分焼いてバーガーにしている。Fast foodとはいえないが、これはこれで素晴らしい。
予定時刻になっても迎えが来ないので旅行会社に文句を言いに行こうとしたら、ビルの中から係員がすっ飛んできて、一緒に待ってくれた。係員は携帯電話であれこれ悪態をついていたが、結局迎えは来ないで、バスそのものがやってきた。荷物は別料金で2ユーロ。運行会社ははOld city tour社という。あとで調べたら堂々とWebに案内が出ている。
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さてこの国境越え超便利バスであるが、宣伝不足で乗客は5人しかない。これじゃ廃止になってしまうぞ? 道中は例の湖畔都市シュコダルとかモンテネグロの首都やブドヴァやティヴァト空港のすぐ下を通ったりして、なかなかスリルがあった。至近距離を飛行機がゴウゴウいいながら飛んでいくので「かっくいー」といってカメラを出すが、バスの車内からじゃブレて写真が撮れない。乗客は常連ばかりらしく、全く動じていないから、写真が撮れないなら、自分もさも動じてないふうにツンとしておく。
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予定より少し早く14時過ぎに無事コトル着。アドリア海の湾の奥にある世界遺産の街だ。バス停は旧市街から徒歩10分未満なのだが、タクシー屋が「タクシータクシー」と連呼していて、宿の客引きもいる。おお、初めての観光地。
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■アドリア海東側には有名な観光都市が二つある。このコトルとドブロブニクという。どちらも世界遺産だが、個人的にはコトルがかなりお勧めなので、細かく書いておこう。
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この街の見所は旧市街とその背後の山にに作られた城壁である。午後も早いので、とりあえず宿に荷物をおいてからすぐに城壁攻略だ。イージーコースとハードコースがあるが当然ハードコースを狙う。上を見上げればげんなりするが、上から下を見れば道が整備されていることが分かる。総じてさほど歩きにくくはない。途中、降りてくる外人女性とたくさんすれ違うのだが、どの個体もまったく汗をかいていないのが不思議だ。何か特殊な技でもあるのだろうか。それとも人外の何かか。山の上から見下ろすコトル旧市街は、入場料3ユーロ(モンテネグロの貨幣はユーロだ)くらいの価値は十分ある。冷たい風が心地よい。
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城壁を堪能してから麓におりて、今度は旧市街を見て回る。教会がいくつかあるのだが、聖トリファン(トリプン)大聖堂は大きいし必見だ。トリファンさんという偉い聖人をまつったカトリック教会である。教会というと結婚式をやるような白く明るいイメージがあるが、本来の教会は薄暗くて怖いイコンが睨んでて、旧世界の壁がむき出しになっていて、歩くとギシギシいうような、ダンジョンじみた建造物である。
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この教会も再建したとはいえ、一階は概ねそんな感じだ。なお二階には謎の銀製の腕とか脚とか彫刻とか金細工や赤い布や色々なものが展示してある。
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外に出れば夜だ。振り返れば山はオレンジにライトアップされてまるで魔の山みたいになってるし、城壁に彫られた動物はキメラとしか言いようがない。
どこまでもファンタジーじみた街である。
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最後にコトルの食事情を書いておこう。旧市街には「RESTORAN」という(中学生の間違った英語みたいな)綴りの飲食店がたくさんあるが、概して観光地価格で高い。どうするかというと実は川を渡って旧市街を北に出る。そこには現地人御用達の大きなスーパーがあるのだ。適当にトマトとか色々買い込めば夕食くらいは安く調達できる。その情報はどうやって得るかというと……Googlemap検索である。身も蓋もない。13