2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
吉田友和(よしだともかず)
1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web
しりとりで旅する 第36回 吉田友和
た 立ち寄り湯
駅の改札を出ると、街路樹がイルミネーションで彩られ、そのすぐ前にある花屋の店頭はポインセチアの赤色で埋め尽くされていた。そのまま近くの喫茶店に入り、いまこれを書いている。今日は12月11日。あっという間に2015年になってしまいそうで焦る。
先週は沖縄へ行ってきた。引き籠もって原稿を書き上げようと意気込んでいたのだが、パソコンのACアダプタを持っていくのを忘れるという大失態を犯し、ならば仕方ないと結局飲んだくれているだけで終わった。来週は台湾で、さらに年末年始はベトナムへの渡航が控えている。いずれも南国ばかり。冬の日本の寒さから逃避するように、つい南へ、南へと足が向く。寒いのは大の苦手だ。