4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第35回 ヤンゴン

800px-The_Shwedagon_Paya_in_Yangon_(Rangoon),_Myanmar_(Burma)
(画像:Wikipedia)

ミャンマー連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

漢字では「仰光」と表記する黄金の都市。
近年経済成長著しく、ビジネス需要の後押しで日本からの来訪者も急増中。金色に輝く仏塔がまぶしいシュエダゴン・パゴダに代表される仏教建築や英国様式の壮麗な建物に近代的なビルが共存する街並みは実に独特で美しい。
東南アジアを巡ってリフレッシュのはずがぼったくられまくって殺伐とした心境になってしまった旅行者にもミャンマーは優しい。押し出しの強い周辺国とは違う素朴な国民性や日本人好みの食べ物など、一度訪れたらリピートしたくなる魅力をそなえている。
ダウンタウン散策や巨仏巡りの他、湖やビーチ、古都を巡るツアーも人気がある。

ヤンゴンはかつてラングーンと呼ばれたミャンマー最大の都市(首都はネーピードー)。
ミャンマーの南端に位置し、西のベンガル湾を越えるとインドという位置関係。

ヤンゴン・セントラル駅 から Happy World Amusement Park   Google マップ
(画像:Google;A-ヤンゴン中央駅、B-聖マリア大聖堂、C:スーレーパゴダ、D:ボータタウン・パゴダ、E:シナゴーグ、F:ボーヂョー・アウンサンマーケット、G:シュエダゴォン・パゴダ、H:チャウッターヂー・パゴダ、I:ハッピーワールド)

街歩きの起点はヤンゴン中央駅。ここから南は格子状に規則正しく整備された通りが拡がり、繁華街となっている。
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(画像:Wikipedia)

駅からまっすぐ南に向かうのがスーレーパゴダ通り。通りは文字通りスーレーパゴダを貫いてヤンゴン川に通じている。ヤンゴン市街はスーレーパゴダを中心に設計されており、人通りや音楽で大変賑わっている。高さ48mの黄金の塔は街歩きの目印になる。仏塔の北にある白亜の建物はヤンゴン市庁舎。
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(画像:Wikipedia)

スーレーパゴダ通りと直行し、市を東西に貫くのがボーヂョー・アウンサン通り。ホテルやレストランが建ち並ぶ。通り沿いの東には壮麗な聖マリア大聖堂があり、西いにはヤンゴン最大の市場、ボーヂョー・アウンサンマーケットがある。土産物探しや休憩に便利で、雑貨やロンジー、有名なインレー織りの布製品などもここで揃う(値段は高め)。
Cathedral_Church,_Yangon
(画像:Wikipedia)

ボーヂョー・アウンサンマーケットの南側あたりがスパイスの香り漂うインド人街。
南北に走るシュエボンター通りはかつてマゴー・ストリート、つまりムガル通りと呼ばれていた。この一帯はムガル帝国由来のイスラム・モスクやヒンドゥー寺院がある。
インド人街のさらに西には中華街が拡がっており、その境目にはシナゴーグがある。
聖マリア聖堂からスーレーパゴダ、モスクにシナゴーグに中華寺院とこの一帯は他民族と多宗教が共存するミャンマー連邦の多様さを象徴している。旅行者にとっては各国の食がそろうグルメ通りでもある。
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(画像:Wikipedia)

ミャンマー川の近くは英国統治時代の重厚な建物が並んでいる風光明媚なエリア。
このエリアにあるボータタウン・パゴダは2,500年もの歴史を誇るが、第二次大戦で破壊され戦後に再建された。
不幸中の幸いにして破壊跡から失われていた宝物が多数発見されたそうで、黄金の仏舎利に展示された仏陀の遺髪もその1つ。

(画像:Yangon-rangoon.com)

チャウッターヂー・パゴダは巨大な寝釈迦像で有名。ミャンマーの仏像は白い肌にくっきりした目鼻立ちでインパクト大。

(画像:Tripadvisor)

そして、ミャンマー観光最大の見どころと言っても過言ではない黄金寺、シュエダゴン・パゴダ。
(シュエダゴン・パゴダのメイン仏塔は2014年11月から修復工事の予定。外観を損なうような工事ではなく、見学も可能)
高さ100mにもおよぶ仏塔や大小様々な建物は黄金と宝石で輝き、そのスケールには圧倒される。
なお、訪問は日没時がおすすめ。寺内は裸足が義務づけられているため日中は石畳が熱せられて足の裏を火傷しかねない。
そして何より、深い紺色の空と黄金との対比が素晴らしい。

(画像:Tripadvisor)


シュエダゴン・パゴダの近くにあるミャンマー最大のB級スポットはハッピーワールド。
ディズニー、テレタビーズ、日本アニメなどをパクリまくった展示が満載の遊園地で、好事家にもつとに有名。
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(画像:team-yellow.com)

市街の北にあるのはインヤー湖。周囲はふんだんな緑で覆われ、遊園地や高級ホテルがありのんびりできる。ダウンタウンの安宿に泊まっていても、一回くらいは湖畔のレストランに行ってみよう。ライトアップされた屋外で民族舞踊を見ながらとる食事も楽しい(そして、食い終わったら安宿に戻る)。

(画像:Tripadvisor)


ヤンゴンの北東およそ70km、バゴーはモン族の王都として栄えた古都。
シュエダゴン・パゴダを上回る高さ110mの仏塔を誇るシュエモード・パゴダやシュエターリャウン寝仏、ミャッターリャウン仏など多様な仏教史跡が有名。巨大仏マニアならヤンゴンよりも楽しめるかも。

(画像:Tripadvisor)

ヤンゴンから北東におよそ200km、チャイティーヨーはシュエダゴン・パゴダと並ぶミャンマー名物。
落ちそうで落ちない不思議な巨石は、ミャンマーの仏教徒にとってだけではなく旅行者にとっても聖地。ヤンゴンからバスや鉄道を乗り継ぎ、麓の町キンプンから山頂に登る。ハイシーズン(11~4月)にはヤンゴンからキンプンへの直行バスがあるので日帰りも不可能ではないが、通常はバゴー泊となる。せっかくなので周囲でトレッキングを楽しみながらのんびり滞在するのもいい。
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(画像:Flicker, Jaap den Dulk)

中部バガンは仏教聖地として知られ、数々の寺院がある。
アーナンダ寺院はその代表格で、黄金のレリーフで名高い。
バガンの北50kmにあるポッパ山の山麓には岩山の上に築かれたタウン・カラッという寺院がある。岩山の上を切り取ったように黄金の寺が鎮座する不思議な光景は一見の価値あり。

(画像:Tripadvisor)

日程に余裕があれば、世界最大級のミャンマー巨仏を拝んでみたい。ミャンマー中央部のマンダレーから西、モンユワには高さ130mのレイチュンセッチャー大仏や100m超えの涅槃物、仏教テーマパークなどインパクト大の展示が集まる。
参考:人類最後の望みは、この巨仏! 超弩級の大仏像を巡る旅

【ミャンマー】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Super 81 (トリップアドバイザー提供)

ミャンマー料理は南北に長い国土や多様な民族構成を反映し地域によって異なるが、おおむね日本人にとっても食べやすい味付けで評判はよい。
ヤンゴンの基本は東南アジア的なフレーバーだが、近隣国に比べて国境を接するインドの影響が強く、カレー(「ヒン」と呼ばれる煮込み副菜)のバラエティが豊富。ナンやビリヤニまである。カレーの辛さは抑え気味だが油脂は多めで、ごはんの進む濃厚な味つけ。
東部シャン族の料理も広く浸透している。豆腐や野菜を多用し、しょうゆの効いたあっさり味で親しみやすい。シャン州では納豆やなれずしの他、ジャポニカ米まで栽培されている。

麺料理も名物で、朝食やおやつで人気。モヒンガーという米でつくった麺が代表的だが、他にもココナツミルクの効いたタイのカオソイそっくりな中華麺使用のオンノゥ・カウスェ、トマトと鶏肉を使うシャン族の麺料理、マンダレー風のマンダレー・モンティーなど様々。


Shan Yoe Yar (トリップアドバイザー提供)

このほか揚げパン、お好み焼き、串揚げ、たこ焼きなど軽食・ストリートフードも充実している。屋台の生ジュース、サトウキビジュースは避けた方がいい。

ミャンマーはビールが有名。英国統治の伝統を汲んだ本格的な味わいの地元ブランドが多数あり、欧州でも評判が高い。東南アジアの地元ビールにありがちな薄くてさっぱりした飲み口ではなく、濃厚でアルコール度数も高め。緑のラベルが印象的なミャンマービールを筆頭に、100年以上の歴史を誇るマンダレービール、濃厚なダゴンビールなどが代表的。また、生ビールが飲めるのも嬉しい限りで、瓶ビールよりも安くコーラ並みの値段で飲める。


日本からの行き方

(空路)
便利なのはANAのヤンゴン直行便。成田-ヤンゴン便が毎日就航しており、往路所要8時間。あっという間に席が埋まるため値段はやや高め。
中華系・アジア系航空会社の経由便であればだいぶ安めで、5万円程度。台北、仁川、香港、ハノイあたりを経てヤンゴンへ向かう。

LCCの場合、エアアジアのクアラルンプール-ヤンゴン便やタイエアアジア・ノックエアのバンコク-ヤンゴン便がある。香港からは香港ドラゴン航空が就航しているが、料金は高止まりしている。

ミャンマー国際航空による関空-ヤンゴンのチャーター便は週3便。関空を13時発、プノンペンを経由して同日中にヤンゴンに到着する。
また、茨城空港からのチャーター便も不定期に運航される。

(陸路)
陸路であっても事前にビザ(後述)を日本で取得しておいた方がスムーズ。ビザ無しの場合は中国やタイの入国地点から出国しなければならない。
タイからはミャワディ、中国は雲南省との境界キュコクあたりがメジャーな国境越えポイント。他国からヤンゴンへの直行バスなどという便利なものは無く、バスやピックアップトラックを改造した相乗りバスを乗り継ぐことになる。

(空港)
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(画像:Wikipedia)

ヤンゴンの空の玄関はヤンゴン国際空港(RGN)。市外から北15kmに位置する。
ミャンマー航空、ミャンマー国際航空のハブ空港。ミャンマー国際航空をはじめエアアジアやベトナム航空、ANAが到着する国際線ターミナルと国内線ターミナルがある。

空港からの移動手段はタクシーのみ。
国際線到着ロビーにエアポートタクシーのカウンターがある。
市街まで早朝なら約30~40分、日中は渋滞状況によって2時間ちかくになることも。料金は市街まで定額7,000K。国内線ターミナルからでも同じ料金。

空港ターミナルビル外の路上で客待ちしているタクシーもあるが、乗合で1人6000~7000Kと安くないので利用価値はない。外で流しを拾えば5000K程度まで下がることもあるが、重い荷物を引いて行く手間を考えると空港タクシーがベスト。




tabinoteメンバーも愛用!空港滞在時間が長くなりがちな節約旅行でこそ、ラウンジのありがたさが身にしみます。海外旅行には必携の「プライオリティ・パス」
世界100カ国300都市、600ヵ所以上の空港にあるVIPラウンジが無料で使えます。年会費10,800円(税込)の楽天プレミアムカードなら年会費399ドルのプライオリティ・パスが付いてきます。

地理と気候

ミャンマーはインドシナ半島の西部に位置し、東にタイとラオス、北に中国、西にインドと接する。日本の1.8倍という広大な国土を誇り、気候も南北でかなり異なる。
ヤンゴンの位置する南端は熱帯性気候で、年間通じて30度以上。
5~9月は雨が多い雨季。11月~4月は乾季で、乾季の後半3~4月は気温も高め。
やはり乾季がベストシーズン。3~4月はヤンゴンでもシュエダゴンバゴダの祭りや水かけ祭りなどイベントが多く、日程を合わせて行くと一層楽しめる。

日本との時差はマイナス2時間半。日本の正午がミャンマーの9時半。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語はミャンマー語だが、イギリス領であった経緯もあり英語の通用度は高く、ほぼ英語で用が足りると思って良い。観光分野では日本語可のガイドなども割に多い。

通貨はミャンマー・チャット(MMK)。K(単数形)、Ks(複数形)と表記される。補助通貨としてピャー(Pya;100ピャー=1チャット)もあるがインフレのため使われていない。
現金決済が主流であるため紙幣の種類は多く、1、5、10、20、50、100、200、500、1000、5000、1万Kと11種ある。硬貨も存在するらしい。
1ミャンマー・チャット=0.11円。だいたい10チャットで1円と覚えておけばよい。

米ドルは必須。
日本円を現地で両替することは困難であり、米ドル→チャットへの両替が基本。
米ドルがそのまま使えてしまうことも多く、ホテルや外国人の施設入場料などは米ドル建ての場合もある。チャットは食事やタクシーなどで使う。
現地でATMからキャッシングして米ドルを入手しても良いが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
札番号がCBではじまる米ドル札は、受け取りを拒否されることがある。
高額のドル札は使いにくいので1ドル札を多く持っておくと便利。

現地での両替は銀行やホテルで行うが、空港で両替するのが手っ取り早い。計数機で枚数を確認してくれるしレートも悪くない。なお、かつては「強制両替」という悪名高い制度があったが現在は廃止されている。
チャットの国外持ち出しは禁止されており、再両替が可能なのは米ドル、ユーロ、シンガポールドルに限られる。

ミャンマーの物価はホテル代を除きおおむね安め。
ローカルレストランで麺などが1,000K(チャット)、カレーや中華などで2,500K、ビールを付けると6,000K程度。ローカルブランドのビールが1缶800チャット、ミネラルウォーターが1リットルで250チャット。
タクシーを1日チャーターすると50ドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。使えても手数料が高め。

チップは基本不要。ベルボーイに1ドル程度。ガイドやドライバーには1~3ドル程度。高級ホテルでは10%の税金と10%のサービス料が加算される。


(画像:banknotes.com)

ビザと治安

ミャンマー入国にはビザが必要。
観光ビザは最長28日間で、滞在期間の延長はできない。

軍政下では1人1人の観光ビザ申請に対する審査を閣僚自らが行っていたという逸話も残るが、現在はオンラインビザ(e-VISA)が利用できるようになるなどかつてのビザがめんどうな国というイメージは払拭されつつある。
オンラインビザはヤンゴン国際空港から観光目的で入国する場合のみ適用。事前にインターネットで申請しておくと空港到着時にビザが発給される仕組み。

また、ミャンマー国際航空を利用し広州・シェムリアップよりヤンゴンに入る場合のみアライバルビザの取得が可能。
制度は頻繁に変わる可能性があるので必ず各国大使館サイトで確認を。

素朴な国民性のためか、軍政の名残(with密告制)か、基本的に治安は良い。
スリや置き引き、ぼったくりなどはあるものの、周辺諸国に比べると犯罪件数、被害の度合い共にかなりおとなしい方。

北部地域など国境に接している州は外国人の立ち入りが制限されている区域があり、自由に旅行はできない。

市内交通

地下鉄やトラムなどのいわゆる公共交通機関はないため、旅行者にとっての主要移動手段はタクシーとなる。
他の東南アジア諸国同様、市内の交通状況は悪い。外貨不足でクルマは非常に高価(中古のカローラが4百万円近くで売られているというエピソードも有名)だが、なぜか市内は渋滞しまくっている。昼夜問わずクラクションがなりまくり、割り込みも多い。ヤンゴンの場合警官以外のバイクは規制されているため、ベトナムのようなバイクラッシュに悩まされることはないのが救い。

(タクシー)
流しのタクシーも多く走っており、つかまえるのに苦労することはない。許可をもらっているタクシーは屋根にTAXIの看板がついており、赤いナンバー。
料金は交渉制。メーターが付いていても使うことはまれ。徒歩5分程度の距離ならだいたい1000~1500Kが相場。
ふっかけてくることも多いが、外国人料金せいぜい1000K上乗せされる程度。
終日チャーターの場合はガソリン代抜きで50,000K程度。

バイタクはないが、自転車タクシー(サイカー)がある。同じく交渉制だが3kmで1500K程度。

(バス)
路線図はなく、ビルマ文字の複雑さもあり利用難易度は高い。
キップはなく、車掌(行き先を連呼し料金徴収をしている男性)に降りたい場所を告げて直接支払う。日本のバスを払い下げた車両やトラックの荷台を改造したピックアップトラック型のバスなど、車体はバラエティに富んでいる。

長距離バスのチケットはヤンゴン中央駅北のバス会社カウンターや、駅南のスーレーパゴダ通り沿いにあるカウンターで購入できる。長距離バスターミナルは2つあるので、どちらに乗るかを確認しておこう。
なお、チケット売場の周辺にはモグリのチケット売りや悪徳両替屋がいることがあるので注意。

(鉄道)
南のヤンゴンから空港を越えて北のミンガラドンまで約46kmを一周する環状線があり、所要3時間・料金は1ドル。窓ガラスもないものからLED照明のものまで車両は様々。
ヤンゴン駅は1954年竣工。ミャンマー伝統建築様式にのっとった壮麗な建物。寝台列車など遠方に向かうチケットは外国人専用カウンターや駅南の予約カウンターで購入する。

(レンタサイクル・バイク)
レンタサイクルの相場は一日借りて2000K程度。
移動には便利だが、道路事情は悪いので注意。未舗装の場所や舗装が崩壊している箇所も多い。

ホテル

観光需要の高まりと共にヒルトン、ペニンシュラといった外資系高級ホテルの進出が続いているが、まだまだ需要に供給がおいついていない状態で、総じて高め。5つ星ホテルなら3万円以上もザラ、3つ星クラスでも5千円~1万円とかなり割高な印象。
ゲストハウスならぐっと値が下がり、個室で2千円~程度。SIMの入手や現地ツアーなど、下手なホテルよりも融通が効く。
クラスにかかわらずヤンゴンの宿はすぐに埋まってしまう。通年で予約が必須。

かつての軍政時代は個人宅に泊まるというのは考えられなかったが現在は解禁されており、Airbnbでもヤンゴンの宿が数件ヒットする。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ミャンマーの携帯サービスはMPT(Myanmar Posts and Telecommunications;ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)、Ooredoo(カタール資本)、Telenor(ノルウェー資本)。電波状態はMPTが最も良いとされるが、14年に参入したばかりのOoredoo、Telenorも急速にネットワークを拡大している模様。

かつては外国人のプリペイドSIM購入には制限があり、現地人でも法外な価格を払わないと入手できなかった模様(一枚3,500ドルとか…)。利権を独占していた役人が追い出され携帯通信も自由化、現在は価格も下がり外国人でもSIMを購入できるようになっている。
SIM購入にはパスポートのコピーが必要。ショッピングセンターの家電店や露店で購入できる。なお、プリペイドSIMは「Top-up card」と呼ばれている。

MPTは日本のKDDIと提携しており、11/14に発の直営店舗をオープンしたばかり(場所はBo Aung Gyaw StreetとStrand Roadの交差点にあるヤンゴン中央郵便局内)。ここで買うのがてっとり早い。
プリペイドSIMの価格は1,500チャット。1万チャットチャージすると120日、3万なら360日有効となる。データ通信は1万チャットのイニシャル・チャージが必要で、課金は時間制となっている。3G通信の場合4チャット/分、1時間で240チャット(速度不明)。

Ooredooの料金体系は一般的な容量ベース。
一日50Mのプラン390チャット、月間500Mのプランが3,900チャット、同1Gのプランで6,900チャット、2Gで12,900チャット、5Gで29,900チャット、10Gで55,900チャット。

Telenorの場合、「Smart Internet monthly pack」が使いやすい。
30日有効の容量1G、速度2Mbpsのプランで費用は6,600チャット。SIMの価格が1,500チャット。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は3日間で3,600円~とやや高め。できれば現地で調達したい。

(WiFi)
外国人が行くようなカフェやレストランではWiFiの表記を出しているところも増えてきた。ホテルでもWiFiを提供している。
周囲の東南アジア諸国に比べ、WiFi利用が可能な施設はまだまだ少なく、回線速度や安定性なども劣る。
ヤンゴン国際空港の2階は無料WiFiが通じている。また、シュエダゴォン・パゴダには無料WiFiがあり、外国人は30分有効のカードをもらえる。

4. 世界あの街この街: ヤンゴン


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第35回 ヤンゴン

800px-The_Shwedagon_Paya_in_Yangon_(Rangoon),_Myanmar_(Burma)
(画像:Wikipedia)

ミャンマー連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

漢字では「仰光」と表記する黄金の都市。
近年経済成長著しく、ビジネス需要の後押しで日本からの来訪者も急増中。金色に輝く仏塔がまぶしいシュエダゴン・パゴダに代表される仏教建築や英国様式の壮麗な建物に近代的なビルが共存する街並みは実に独特で美しい。
東南アジアを巡ってリフレッシュのはずがぼったくられまくって殺伐とした心境になってしまった旅行者にもミャンマーは優しい。押し出しの強い周辺国とは違う素朴な国民性や日本人好みの食べ物など、一度訪れたらリピートしたくなる魅力をそなえている。
ダウンタウン散策や巨仏巡りの他、湖やビーチ、古都を巡るツアーも人気がある。

ヤンゴンはかつてラングーンと呼ばれたミャンマー最大の都市(首都はネーピードー)。
ミャンマーの南端に位置し、西のベンガル湾を越えるとインドという位置関係。

ヤンゴン・セントラル駅 から Happy World Amusement Park   Google マップ
(画像:Google;A-ヤンゴン中央駅、B-聖マリア大聖堂、C:スーレーパゴダ、D:ボータタウン・パゴダ、E:シナゴーグ、F:ボーヂョー・アウンサンマーケット、G:シュエダゴォン・パゴダ、H:チャウッターヂー・パゴダ、I:ハッピーワールド)

街歩きの起点はヤンゴン中央駅。ここから南は格子状に規則正しく整備された通りが拡がり、繁華街となっている。
YANGON_RAILWAY_STATION_MYANMAR_JAN_2013_(8493645870)
(画像:Wikipedia)

駅からまっすぐ南に向かうのがスーレーパゴダ通り。通りは文字通りスーレーパゴダを貫いてヤンゴン川に通じている。ヤンゴン市街はスーレーパゴダを中心に設計されており、人通りや音楽で大変賑わっている。高さ48mの黄金の塔は街歩きの目印になる。仏塔の北にある白亜の建物はヤンゴン市庁舎。
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(画像:Wikipedia)

スーレーパゴダ通りと直行し、市を東西に貫くのがボーヂョー・アウンサン通り。ホテルやレストランが建ち並ぶ。通り沿いの東には壮麗な聖マリア大聖堂があり、西いにはヤンゴン最大の市場、ボーヂョー・アウンサンマーケットがある。土産物探しや休憩に便利で、雑貨やロンジー、有名なインレー織りの布製品などもここで揃う(値段は高め)。
Cathedral_Church,_Yangon
(画像:Wikipedia)

ボーヂョー・アウンサンマーケットの南側あたりがスパイスの香り漂うインド人街。
南北に走るシュエボンター通りはかつてマゴー・ストリート、つまりムガル通りと呼ばれていた。この一帯はムガル帝国由来のイスラム・モスクやヒンドゥー寺院がある。
インド人街のさらに西には中華街が拡がっており、その境目にはシナゴーグがある。
聖マリア聖堂からスーレーパゴダ、モスクにシナゴーグに中華寺院とこの一帯は他民族と多宗教が共存するミャンマー連邦の多様さを象徴している。旅行者にとっては各国の食がそろうグルメ通りでもある。
800px-Hindu_temple_procession_cart,_Yangon
(画像:Wikipedia)

ミャンマー川の近くは英国統治時代の重厚な建物が並んでいる風光明媚なエリア。
このエリアにあるボータタウン・パゴダは2,500年もの歴史を誇るが、第二次大戦で破壊され戦後に再建された。
不幸中の幸いにして破壊跡から失われていた宝物が多数発見されたそうで、黄金の仏舎利に展示された仏陀の遺髪もその1つ。

(画像:Yangon-rangoon.com)

チャウッターヂー・パゴダは巨大な寝釈迦像で有名。ミャンマーの仏像は白い肌にくっきりした目鼻立ちでインパクト大。

(画像:Tripadvisor)

そして、ミャンマー観光最大の見どころと言っても過言ではない黄金寺、シュエダゴン・パゴダ。
(シュエダゴン・パゴダのメイン仏塔は2014年11月から修復工事の予定。外観を損なうような工事ではなく、見学も可能)
高さ100mにもおよぶ仏塔や大小様々な建物は黄金と宝石で輝き、そのスケールには圧倒される。
なお、訪問は日没時がおすすめ。寺内は裸足が義務づけられているため日中は石畳が熱せられて足の裏を火傷しかねない。
そして何より、深い紺色の空と黄金との対比が素晴らしい。

(画像:Tripadvisor)


シュエダゴン・パゴダの近くにあるミャンマー最大のB級スポットはハッピーワールド。
ディズニー、テレタビーズ、日本アニメなどをパクリまくった展示が満載の遊園地で、好事家にもつとに有名。
happy02
(画像:team-yellow.com)

市街の北にあるのはインヤー湖。周囲はふんだんな緑で覆われ、遊園地や高級ホテルがありのんびりできる。ダウンタウンの安宿に泊まっていても、一回くらいは湖畔のレストランに行ってみよう。ライトアップされた屋外で民族舞踊を見ながらとる食事も楽しい(そして、食い終わったら安宿に戻る)。

(画像:Tripadvisor)


ヤンゴンの北東およそ70km、バゴーはモン族の王都として栄えた古都。
シュエダゴン・パゴダを上回る高さ110mの仏塔を誇るシュエモード・パゴダやシュエターリャウン寝仏、ミャッターリャウン仏など多様な仏教史跡が有名。巨大仏マニアならヤンゴンよりも楽しめるかも。

(画像:Tripadvisor)

ヤンゴンから北東におよそ200km、チャイティーヨーはシュエダゴン・パゴダと並ぶミャンマー名物。
落ちそうで落ちない不思議な巨石は、ミャンマーの仏教徒にとってだけではなく旅行者にとっても聖地。ヤンゴンからバスや鉄道を乗り継ぎ、麓の町キンプンから山頂に登る。ハイシーズン(11~4月)にはヤンゴンからキンプンへの直行バスがあるので日帰りも不可能ではないが、通常はバゴー泊となる。せっかくなので周囲でトレッキングを楽しみながらのんびり滞在するのもいい。
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(画像:Flicker, Jaap den Dulk)

中部バガンは仏教聖地として知られ、数々の寺院がある。
アーナンダ寺院はその代表格で、黄金のレリーフで名高い。
バガンの北50kmにあるポッパ山の山麓には岩山の上に築かれたタウン・カラッという寺院がある。岩山の上を切り取ったように黄金の寺が鎮座する不思議な光景は一見の価値あり。

(画像:Tripadvisor)

日程に余裕があれば、世界最大級のミャンマー巨仏を拝んでみたい。ミャンマー中央部のマンダレーから西、モンユワには高さ130mのレイチュンセッチャー大仏や100m超えの涅槃物、仏教テーマパークなどインパクト大の展示が集まる。
参考:人類最後の望みは、この巨仏! 超弩級の大仏像を巡る旅

【ミャンマー】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Super 81 (トリップアドバイザー提供)

ミャンマー料理は南北に長い国土や多様な民族構成を反映し地域によって異なるが、おおむね日本人にとっても食べやすい味付けで評判はよい。
ヤンゴンの基本は東南アジア的なフレーバーだが、近隣国に比べて国境を接するインドの影響が強く、カレー(「ヒン」と呼ばれる煮込み副菜)のバラエティが豊富。ナンやビリヤニまである。カレーの辛さは抑え気味だが油脂は多めで、ごはんの進む濃厚な味つけ。
東部シャン族の料理も広く浸透している。豆腐や野菜を多用し、しょうゆの効いたあっさり味で親しみやすい。シャン州では納豆やなれずしの他、ジャポニカ米まで栽培されている。

麺料理も名物で、朝食やおやつで人気。モヒンガーという米でつくった麺が代表的だが、他にもココナツミルクの効いたタイのカオソイそっくりな中華麺使用のオンノゥ・カウスェ、トマトと鶏肉を使うシャン族の麺料理、マンダレー風のマンダレー・モンティーなど様々。


Shan Yoe Yar (トリップアドバイザー提供)

このほか揚げパン、お好み焼き、串揚げ、たこ焼きなど軽食・ストリートフードも充実している。屋台の生ジュース、サトウキビジュースは避けた方がいい。

ミャンマーはビールが有名。英国統治の伝統を汲んだ本格的な味わいの地元ブランドが多数あり、欧州でも評判が高い。東南アジアの地元ビールにありがちな薄くてさっぱりした飲み口ではなく、濃厚でアルコール度数も高め。緑のラベルが印象的なミャンマービールを筆頭に、100年以上の歴史を誇るマンダレービール、濃厚なダゴンビールなどが代表的。また、生ビールが飲めるのも嬉しい限りで、瓶ビールよりも安くコーラ並みの値段で飲める。


日本からの行き方

(空路)
便利なのはANAのヤンゴン直行便。成田-ヤンゴン便が毎日就航しており、往路所要8時間。あっという間に席が埋まるため値段はやや高め。
中華系・アジア系航空会社の経由便であればだいぶ安めで、5万円程度。台北、仁川、香港、ハノイあたりを経てヤンゴンへ向かう。

LCCの場合、エアアジアのクアラルンプール-ヤンゴン便やタイエアアジア・ノックエアのバンコク-ヤンゴン便がある。香港からは香港ドラゴン航空が就航しているが、料金は高止まりしている。

ミャンマー国際航空による関空-ヤンゴンのチャーター便は週3便。関空を13時発、プノンペンを経由して同日中にヤンゴンに到着する。
また、茨城空港からのチャーター便も不定期に運航される。

(陸路)
陸路であっても事前にビザ(後述)を日本で取得しておいた方がスムーズ。ビザ無しの場合は中国やタイの入国地点から出国しなければならない。
タイからはミャワディ、中国は雲南省との境界キュコクあたりがメジャーな国境越えポイント。他国からヤンゴンへの直行バスなどという便利なものは無く、バスやピックアップトラックを改造した相乗りバスを乗り継ぐことになる。

(空港)
Malaysia_Airlines_Rangoon
(画像:Wikipedia)

ヤンゴンの空の玄関はヤンゴン国際空港(RGN)。市外から北15kmに位置する。
ミャンマー航空、ミャンマー国際航空のハブ空港。ミャンマー国際航空をはじめエアアジアやベトナム航空、ANAが到着する国際線ターミナルと国内線ターミナルがある。

空港からの移動手段はタクシーのみ。
国際線到着ロビーにエアポートタクシーのカウンターがある。
市街まで早朝なら約30~40分、日中は渋滞状況によって2時間ちかくになることも。料金は市街まで定額7,000K。国内線ターミナルからでも同じ料金。

空港ターミナルビル外の路上で客待ちしているタクシーもあるが、乗合で1人6000~7000Kと安くないので利用価値はない。外で流しを拾えば5000K程度まで下がることもあるが、重い荷物を引いて行く手間を考えると空港タクシーがベスト。




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地理と気候

ミャンマーはインドシナ半島の西部に位置し、東にタイとラオス、北に中国、西にインドと接する。日本の1.8倍という広大な国土を誇り、気候も南北でかなり異なる。
ヤンゴンの位置する南端は熱帯性気候で、年間通じて30度以上。
5~9月は雨が多い雨季。11月~4月は乾季で、乾季の後半3~4月は気温も高め。
やはり乾季がベストシーズン。3~4月はヤンゴンでもシュエダゴンバゴダの祭りや水かけ祭りなどイベントが多く、日程を合わせて行くと一層楽しめる。

日本との時差はマイナス2時間半。日本の正午がミャンマーの9時半。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語はミャンマー語だが、イギリス領であった経緯もあり英語の通用度は高く、ほぼ英語で用が足りると思って良い。観光分野では日本語可のガイドなども割に多い。

通貨はミャンマー・チャット(MMK)。K(単数形)、Ks(複数形)と表記される。補助通貨としてピャー(Pya;100ピャー=1チャット)もあるがインフレのため使われていない。
現金決済が主流であるため紙幣の種類は多く、1、5、10、20、50、100、200、500、1000、5000、1万Kと11種ある。硬貨も存在するらしい。
1ミャンマー・チャット=0.11円。だいたい10チャットで1円と覚えておけばよい。

米ドルは必須。
日本円を現地で両替することは困難であり、米ドル→チャットへの両替が基本。
米ドルがそのまま使えてしまうことも多く、ホテルや外国人の施設入場料などは米ドル建ての場合もある。チャットは食事やタクシーなどで使う。
現地でATMからキャッシングして米ドルを入手しても良いが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
札番号がCBではじまる米ドル札は、受け取りを拒否されることがある。
高額のドル札は使いにくいので1ドル札を多く持っておくと便利。

現地での両替は銀行やホテルで行うが、空港で両替するのが手っ取り早い。計数機で枚数を確認してくれるしレートも悪くない。なお、かつては「強制両替」という悪名高い制度があったが現在は廃止されている。
チャットの国外持ち出しは禁止されており、再両替が可能なのは米ドル、ユーロ、シンガポールドルに限られる。

ミャンマーの物価はホテル代を除きおおむね安め。
ローカルレストランで麺などが1,000K(チャット)、カレーや中華などで2,500K、ビールを付けると6,000K程度。ローカルブランドのビールが1缶800チャット、ミネラルウォーターが1リットルで250チャット。
タクシーを1日チャーターすると50ドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。使えても手数料が高め。

チップは基本不要。ベルボーイに1ドル程度。ガイドやドライバーには1~3ドル程度。高級ホテルでは10%の税金と10%のサービス料が加算される。


(画像:banknotes.com)

ビザと治安

ミャンマー入国にはビザが必要。
観光ビザは最長28日間で、滞在期間の延長はできない。

軍政下では1人1人の観光ビザ申請に対する審査を閣僚自らが行っていたという逸話も残るが、現在はオンラインビザ(e-VISA)が利用できるようになるなどかつてのビザがめんどうな国というイメージは払拭されつつある。
オンラインビザはヤンゴン国際空港から観光目的で入国する場合のみ適用。事前にインターネットで申請しておくと空港到着時にビザが発給される仕組み。

また、ミャンマー国際航空を利用し広州・シェムリアップよりヤンゴンに入る場合のみアライバルビザの取得が可能。
制度は頻繁に変わる可能性があるので必ず各国大使館サイトで確認を。

素朴な国民性のためか、軍政の名残(with密告制)か、基本的に治安は良い。
スリや置き引き、ぼったくりなどはあるものの、周辺諸国に比べると犯罪件数、被害の度合い共にかなりおとなしい方。

北部地域など国境に接している州は外国人の立ち入りが制限されている区域があり、自由に旅行はできない。

市内交通

地下鉄やトラムなどのいわゆる公共交通機関はないため、旅行者にとっての主要移動手段はタクシーとなる。
他の東南アジア諸国同様、市内の交通状況は悪い。外貨不足でクルマは非常に高価(中古のカローラが4百万円近くで売られているというエピソードも有名)だが、なぜか市内は渋滞しまくっている。昼夜問わずクラクションがなりまくり、割り込みも多い。ヤンゴンの場合警官以外のバイクは規制されているため、ベトナムのようなバイクラッシュに悩まされることはないのが救い。

(タクシー)
流しのタクシーも多く走っており、つかまえるのに苦労することはない。許可をもらっているタクシーは屋根にTAXIの看板がついており、赤いナンバー。
料金は交渉制。メーターが付いていても使うことはまれ。徒歩5分程度の距離ならだいたい1000~1500Kが相場。
ふっかけてくることも多いが、外国人料金せいぜい1000K上乗せされる程度。
終日チャーターの場合はガソリン代抜きで50,000K程度。

バイタクはないが、自転車タクシー(サイカー)がある。同じく交渉制だが3kmで1500K程度。

(バス)
路線図はなく、ビルマ文字の複雑さもあり利用難易度は高い。
キップはなく、車掌(行き先を連呼し料金徴収をしている男性)に降りたい場所を告げて直接支払う。日本のバスを払い下げた車両やトラックの荷台を改造したピックアップトラック型のバスなど、車体はバラエティに富んでいる。

長距離バスのチケットはヤンゴン中央駅北のバス会社カウンターや、駅南のスーレーパゴダ通り沿いにあるカウンターで購入できる。長距離バスターミナルは2つあるので、どちらに乗るかを確認しておこう。
なお、チケット売場の周辺にはモグリのチケット売りや悪徳両替屋がいることがあるので注意。

(鉄道)
南のヤンゴンから空港を越えて北のミンガラドンまで約46kmを一周する環状線があり、所要3時間・料金は1ドル。窓ガラスもないものからLED照明のものまで車両は様々。
ヤンゴン駅は1954年竣工。ミャンマー伝統建築様式にのっとった壮麗な建物。寝台列車など遠方に向かうチケットは外国人専用カウンターや駅南の予約カウンターで購入する。

(レンタサイクル・バイク)
レンタサイクルの相場は一日借りて2000K程度。
移動には便利だが、道路事情は悪いので注意。未舗装の場所や舗装が崩壊している箇所も多い。

ホテル

観光需要の高まりと共にヒルトン、ペニンシュラといった外資系高級ホテルの進出が続いているが、まだまだ需要に供給がおいついていない状態で、総じて高め。5つ星ホテルなら3万円以上もザラ、3つ星クラスでも5千円~1万円とかなり割高な印象。
ゲストハウスならぐっと値が下がり、個室で2千円~程度。SIMの入手や現地ツアーなど、下手なホテルよりも融通が効く。
クラスにかかわらずヤンゴンの宿はすぐに埋まってしまう。通年で予約が必須。

かつての軍政時代は個人宅に泊まるというのは考えられなかったが現在は解禁されており、Airbnbでもヤンゴンの宿が数件ヒットする。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ミャンマーの携帯サービスはMPT(Myanmar Posts and Telecommunications;ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)、Ooredoo(カタール資本)、Telenor(ノルウェー資本)。電波状態はMPTが最も良いとされるが、14年に参入したばかりのOoredoo、Telenorも急速にネットワークを拡大している模様。

かつては外国人のプリペイドSIM購入には制限があり、現地人でも法外な価格を払わないと入手できなかった模様(一枚3,500ドルとか…)。利権を独占していた役人が追い出され携帯通信も自由化、現在は価格も下がり外国人でもSIMを購入できるようになっている。
SIM購入にはパスポートのコピーが必要。ショッピングセンターの家電店や露店で購入できる。なお、プリペイドSIMは「Top-up card」と呼ばれている。

MPTは日本のKDDIと提携しており、11/14に発の直営店舗をオープンしたばかり(場所はBo Aung Gyaw StreetとStrand Roadの交差点にあるヤンゴン中央郵便局内)。ここで買うのがてっとり早い。
プリペイドSIMの価格は1,500チャット。1万チャットチャージすると120日、3万なら360日有効となる。データ通信は1万チャットのイニシャル・チャージが必要で、課金は時間制となっている。3G通信の場合4チャット/分、1時間で240チャット(速度不明)。

Ooredooの料金体系は一般的な容量ベース。
一日50Mのプラン390チャット、月間500Mのプランが3,900チャット、同1Gのプランで6,900チャット、2Gで12,900チャット、5Gで29,900チャット、10Gで55,900チャット。

Telenorの場合、「Smart Internet monthly pack」が使いやすい。
30日有効の容量1G、速度2Mbpsのプランで費用は6,600チャット。SIMの価格が1,500チャット。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は3日間で3,600円~とやや高め。できれば現地で調達したい。

(WiFi)
外国人が行くようなカフェやレストランではWiFiの表記を出しているところも増えてきた。ホテルでもWiFiを提供している。
周囲の東南アジア諸国に比べ、WiFi利用が可能な施設はまだまだ少なく、回線速度や安定性なども劣る。
ヤンゴン国際空港の2階は無料WiFiが通じている。また、シュエダゴォン・パゴダには無料WiFiがあり、外国人は30分有効のカードをもらえる。