4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第21回 チェンマイ:Chiang Mai


チェンマイ (トリップアドバイザー提供)

タイ国旗

【画像:Wikipedia提供】


見どころと特徴

タイ北部に位置する古都で、バンコクに次ぐ規模を誇る。史跡巡りや街歩きの他、サファリやトレッキング、少数民族巡りなど郊外観光の拠点でもある。
バンコクに比べのんびりしており、料理教室などのカルチャーやグルメも人気。
夜空に無数の灯籠を飛ばすロイ・クラートン祭りや春の水かけ祭りソンクラーンなど、イベントも盛ん。


チェンマイはタイ第2の都市※、とはいうものの人口27万人、面積は150km2とコンパクト。
広域都市圏人口が1,500万人に迫るバンコクとは比較にならないが、その分自然が豊かでのんびりしている。気候も南部よりは過ごしやすく、長期滞在にも人気が高い。

※人口は東北部の玄関都市ナコーンラーチャシーマーが40万人とチェンマイを上回るが、歴史的な経緯からバンコクに次ぐとされている。ちなみに、微妙な比較だが人口・面積共に日本の都市で規模が近いのは兵庫県加古川市(人口27万人、面積140m2)。

チェンマイの中心は、1.5km四方の堀と塀に囲まれた旧市街。さらにその外側を7km四方の環状路・スーパーハイウェイが囲んでいる。

街歩きの中心となるのは旧市街。
旧市街を歩いていると仏教史跡はイヤでも目に入ってくる。まずはマーケットを散策したい。
マーケットが並び特に賑やかなエリアは東側の「ターペー門」(Thapae)と南の「チェンマイ門」。
ターペー門から旧市街の塀の外、東に向かうターペー通り沿いはホテルやゲストハウスが密集している。
ターペー通りと直交するチャン・クラン通り(Chang Klang)沿いはナイトマーケット。このナイトマーケットがチェンマイ観光のハイライトと言っても過言では無い。3階建てのナイトバザールビル、ショッピングセンターのカレー・ナイトバザール(Kalare Night Bazaar)、通りの南側アヌサーン市場(Talat Anusarn)などのあたりを中心に夜店が建ち並び賑わう。
通りの北側、ワローロット市場(Kat Luang)のあたりは食料品が並び、昼から地元民で賑わっている。

ナイト バザール (トリップアドバイザー提供)

Kalare Night Bazaar (トリップアドバイザー提供)

(地図)


ターペー門から塀の中西側、市街の中心に向かって伸びるラチャダムヌーン通り(Ratchadamnoen)はサンデーマーケットで有名。露店が建ち並び、屋台メシや雑貨、マッサージ、果てはライブ演奏や大道芸など夏祭りの様相。一方チェンマイ門から城壁の外に伸びるウアラーイ通りはサタデーマーケットの舞台となる。銀製品の店が多く、ワット・シースパン(Wat Sri Suphan)という銀の寺もある。

Wat Sri Suphan (トリップアドバイザー提供)

史跡やミュージアムを見るなら、再びラチャダムヌーン通り沿いから市街の中心部へ向かう。
細かい石畳状の通り沿いには商店が建ち並び、ところどころに古い寺院が点在している。市街の中心あたり、通り沿いにはチェンマイを統治したランナー朝の建築を紹介するランナー建築センター、ワット・パンタオ(Wat Phantao)、巨大なワット・チェディー・ルアン(Wat Chedi Luang)などがある。一方北側には芸術文化センターや、チェンマイ最古の寺院ワット・チェン・マン(Wat Chiang Man)など。

芸術文化センター・三王像広場 (トリップアドバイザー提供)

ワット・チェディルアン (トリップアドバイザー提供)

ラチャダムヌーン通りの西端終点、黄金の三角屋根は市内最大の寺院ワット・プラ・シン(Wat Phra Sing)の礼拝堂。

ワット プラ シン (トリップアドバイザー提供)

城壁の外側にも寺院やマーケットが点在している。
ワット・プラ・シンをつっきってスアン・ドーク門(Suan Dok)を出ると旧市街の東側。ラチャダムヌーン通りはステープ通り(Suthep)と名を変え、広い並木道となる。
通りをしばらく行った南側には広大なワット・スアン・ドーク(Wat Suan Dok)寺院の境内。寺院の正面北側はチェンマイ大学の施設(Meeting Room)。

ワット・スアン・ドーク (トリップアドバイザー提供)

大学施設の向こう側、キャンパスにそって北に延びるのはニマーンヘミン通り(Nimmanhaemin)。キャンパスの緑を超えると個性的なショップやカフェが集まるショッピングエリアとなっている。

Sahara Thai (トリップアドバイザー提供)

ニマーンヘミン通りに直交するフアイケーオ通り(Huay Keao)から再び旧市街に向かうと、巨大なショッピングセンター、カードスワンケーオ(Kad Suan Kaew)がある。

Kad Suan Kaew Shopping Centre (トリップアドバイザー提供)

更に外側、スーパーハイウェイ沿いは巨大なショッピングセンターなど郊外型の店舗が点在する。バイクでハイウェイ沿いや、さらに郊外へとあてもなくのんびり向かうのも楽しい。


郊外の見どころでは、まず市街の西側にある巨大な寺院ワット・プラタート・ドイ・ステープ(Wat Phra That Doi Suthep)。
そしてメーサ・エレファントキャンプも人気が高い。

ワット・プラタートドーイステープ (トリップアドバイザー提供)


メーサー エレファント キャンプ (トリップアドバイザー提供)

タイ北部のアクティビティといえばトレッキング。日帰りのカジュアルなツアーでも十分アウトドア気分が味わえ、少数民族の村に訪れることもできる。
あいにくというか幸いにというか、タイ最高峰のドーイ・インタノン(Doi Inthanon;2,556m)は頂上まで車道が通じている。純粋な山登りを味わうならタイ第2峰のドーイ・パーホムポック(Doi Pha Hom Pok)やチェンマイ北部のドーイ・チェンダオ(Doi Chiang Dao)。いずれもチェンマイから豊富に現地発着ツアーが出ている。山登りに疲れたらサンカムペーン温泉(San Kamphaeng)で疲れを癒やそう。

Doi Ang Khang (トリップアドバイザー提供)

さらにタイの北へ向かうツアーもあり、女性が首を長く伸ばす風習でおなじみカレン族の村や、白亜の名物寺ワット・ローン・クン(Wat Rong Khun)、アヘン栽培で名をはせたゴールデントライアングルなど、その手のスポットが好きな方々も楽しめることうけあい。

ワット・ロンクン (トリップアドバイザー提供)


アヘン博物館 (トリップアドバイザー提供)

4月であればタイの旧正月、バンコクでもおなじみの水かけ祭り(ソンクラーンフェスティバル;Songkran)で賑わう。
そして11月はローイ・クラトン(Loy Krathong)。チェンマイのローイ・クラトンは川に流す形式では無く、夜空に無数の天灯(コムローイ;Komloy)を飛ばす幻想的な光景が有名で、世界中から観光客が集う。

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(写真:tabinote)

Khom-Loi-in-Mae-Cho
(写真:青木大地)

VELTRA



Lemongrass Thai Restaurant (トリップアドバイザー提供)

辛くて酸っぱいトムヤンクンでおなじみタイ料理。
チェンマイのあるタイ北部の料理は、ココナツミルク控えめながらコクのあるしっかりした味付けと、もち米の常食が特徴。
本来タイ北部の料理はマイルドな味付けだが、激辛でおなじみ東北部イサーン料理の名店も多い。イサーン料理はタイ人が皆大好きな味で、評判のいい店はいつも賑わっている。
チェンマイ/イサーン名物といえば、カレー風味の麺「カオソーイ」、激辛ソーセージ、肉と野菜をあえた「ラープ」、タレに漬けて香ばしく焼いたタイ式焼き鳥の「ガイヤーン」、青パパイヤのサラダ「ソムタム」など。
宮廷都市の趣を味わうなら名物料理「カントーク」がある。間仕切りのある丸いお膳に様々なおかずがならぶ人気料理。
激辛が苦手でも心配なく。世界の旅行者が集うことから各国料理の店も豊富で、日本料理店も増えている。

Thai Orchid Cookery School (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
チェンマイへの直行便はなく、バンコク経由で入る場合と、近隣国から入るルートがある。

バンコクまでは直行便で最安6万円程度。総額で7万円程度。バンコクからはタイ国際航空、エアアジア、ノックエアなど国内線が豊富に出ており、バンコクから1万円ほど。所要1時間。
バンコク便は日系、タイ系、米系、中華系、アジア系など多くの選択肢があり、日本の地方空港からもタイ国際もしくはJAL便がある。直行便であればデルタかタイ国際がおおむね安い。HISのジェットアジアチャーター便があればそちらが最安となることも。
羽田発なら深夜発でバンコクに早朝到着するなど週末トリップにも最適。

近隣国からなら、台北や北京、香港、クアラルンプールなどを経由する便が一般的。
ほとんどの場合、エアアジアのクアラルンプール経由が最安値となり、乗り換え時間も短い(羽田を深夜出て翌夕方チェンマイ着)。シーズンにもよるがエアアジアなら総額4万円程度でおさまる。
バンコクに寄る用事がなければ、費用的にはエアアジアのクアラルンプール経由一択となる。

(パッケージツアー)
パッケージツアーはバンコクに比べそれほど安くなく、4泊5日で燃油込みで7万円程度から。祭りの時期はより高め。

(陸路から)
やはりバンコクからバス、鉄道で行くことができる。
長距離夜行バスの場合所要10時間程度、寝ている間にチェンマイに到着する。費用は2等450バーツ程度、豪華VIPバスで900バーツ程度。

バンコクとチェンマイを結ぶ鉄道はタイ国鉄北線。クルンテープ駅からチェンマイ駅まで所要12時間程度。2等席700バーツ程度、個室寝台で2000バーツ程度。

タイ国鉄には20日間有効の外国人向け乗り放題パス(Visit Thailand Rail Pass)がある。フワランポーン駅で購入できる。急行・寝台料金込みのレッドパスが3000バーツ、含まないブルーパスが1500バーツ。

ラオスからの国際バスもある。
ラオス、ミャンマーなど隣国から陸路で入国する場合はビザ免除日数が15日となる。

(空港)
空港はチェンマイの中心部より4km程度と近い。エアポートタクシーで旧市街まで定額120バーツ、15分程度。

地理と気候

日本との時差は2時間。日本の正午が午前10時。

タイは熱帯に属し、年間を通じて暑い。
一方、チェンマイは南西にはタイ最高峰ドーイ・インタノンを擁し、北にも2,000m級が連なる山がちのエリアにある。チェンマイの標高自体は海抜300m程度。
バンコクに比べて北に位置することもあり、乾季の12月~1月は朝晩の気温が10度程度まで下がることも。一方で昼は30度近くまで上がる。

快適なのは10月半ば~2月半ばの乾期で、湿度が低くさわやか。
2月後半~5月半ばまでは暑期となり、湿度・気温共に上昇。昼の気温が40度を超える日も珍しくない。5月半ばを過ぎると雨期に突入し、熱帯特有の激しい雨がふる。道が泥流になることもあるので、履き物に注意。


【画像:Google提供】

言語と通貨

公用語はタイ語。看板を読んだりぼったくりを防止するためにも、数字くらいは覚えていけると便利。
タイ数字 (Thailingual)

ホテル、中級以上のレストラン、観光地の施設やガイドとのやりとりでは英語が通じる。

通貨はバーツ。1タイバーツ=3.2円(14年4月時点)。
物価はバンコクやプーケットといった大都市・リゾートに比べれば安め。
外食はタイ料理屋なら50バーツ程度と、日本円で150円程度から。日本食レストランは少し高く100バーツを超える。とは言え300バーツあればちょっとしたぜいたくが味わえる。
他、ミネラルウォーターは500mlで7~8バーツ、ビールは350ml缶で30バーツ。
ホテル代もバンコクの2/3程度、3つ星ホテルで4,000円程度。2,000円程度の手ごろなホテルでも清潔で快適。
マッサージも安い。1時間で100バーツ程度と日本の1/10以下。

商品代金には7%の物品税(Value-Added Tax)が上乗せされているが、同日に同一のお店で2,000バーツ以上購入した場合には払い戻しの制度がある。手続きは出国時にチェンマイ国際空港、もしくはバンコクの空港で。


【画像:Wikipedia提供】

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。
市内には両替商が多くあり、銀行よりもレートは良い(とはいえ旅行者が一度に両替する程度の金額であれば、気にするほどの差はでない)。

日本国内ではレートが悪いので、必ずタイ到着後に空港のATMでまとめておろすか、市内までの移動費のみ調達し市内の両替商で両替すること。

チェーン店や高級な土産店ではクレジットカードが使えることが多い。
チップはほとんど必要無いが、ポーターには10バーツ程度。ガイドやサービスチャージの無い高級なレストランでは1割程度。

ビザと治安

治安は全般に安全とされているが、スリ、詐欺などが横行している。
チェンマイの場合ナイトバザール、ワローロット市場などでは周囲に注意すること。

2008年には反タクシン派の「市民民主化同盟」(PAD、「黄シャツ」)による空港占拠、2009年にはタクシン元首相支持派の「反独裁民主戦線」(UDD、「赤シャツ」)によるデモが発生している。
2013年末から続く反政府デモ(赤シャツ)は2014年4月時点でも継続中。
チェンマイはタクシン元首相の出身地でありデモが拡大する可能性は低いものの、バンコク経由で入出国する際には情報収集しておくこと。

公共交通機関や密閉した建てものでの喫煙は禁じられており、違反すると2,000バーツの罰金。

観光目的の場合、30日以内の滞在はビザ免除(空路の出国航空券が必要)、陸路は15日以内。

市内交通

(タクシー・トゥクトゥク)
車体が青と黄に塗られたメータータクシーは初乗り2kmで40バーツ…、となっているが、実際にメーターで行ってくれることは少ない。
流しのタクシーを拾うことは難しく、空港やショッピングセンター、ホテルなどで待機している。半日貸し切って800バーツ程度が目安。

三輪タクシーのトゥクトゥクは交渉制。タクシーよりは安い。最低50バーツ程度。
運転は荒いが安くて手軽、個人旅行者がお世話になることが多い。

ソンテウ
トラックの荷台を客席に改造した乗り合いタクシ-。
赤いソンテウはタクシー的に行き先を指定できる。旧市街の移動ならおおむね20バーツ程度。赤以外のソンテウはルートの数字が付いており決まった路線を運行するバス的な乗り物。15バーツ程度。

レンタルバイク
公共交通機関があまり発達していないため、レンタルバイクがあればぐっと行動範囲が拡がる。チェンマイはコンパクトで、朝の旧市街を除けばそれほど渋滞もひどくないし、郊外観光も容易となる。
レンタル屋はターペー門やナイトバザールなど至る所にあり、ホテルにデリバリーしてくれるところもある。パスポートを預けて借りる場合が多い。
ヘルメット装着と常時のヘッドライト点灯が義務づけられている。メットは店で借りられるが、汚なさが気になるなら新品を買ってもたいしてかからない(もしくは帽子の上からかぶる!)。

100ccのスクーターで1日100バーツ程度、ベスパやビックスクーターなら200~300バーツ程度。借りる際にはガソリン残量を確認し、返却時のルールと最寄りのガソリンスタンドを教えてもらおう。

ホテルとシーズン

安ホテルなら500バーツ~、中級ホテルが1,000バーツ~、高級ホテルが2,000バーツ以上といったところ。ゲストハウス個室は300バーツを切るものも。
全般にホテルは安めで、祭りの時期を除けば空いている。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
代表的なモバイル通信事業者はアドバンスト・インフォ・サービス(AIS)、DTAC、True Moveなど。

各社共に旅行者向けのパッケージがあり、たとえばDTACの Happy Tourist SIMは299バーツで7日間の無制限インターネット接続。850/1800/2100MHz対応。AISは1Gのハイスピード(とはいえLTEではなく3G)+7日間無制限(ただし64kbps)。
True Move Hはなんとチェンマイ国際空港で同様のSIMを無料配布している。

コンビニの他、ナイトバザール南端のパンティッププラザなどに旅行者向けのSIMがそろっている。
設定は店員にしてもらうのが無難。

(Wifi)
カフェやレストラン、公共施設などでWiFiが整備されており、ほとんどが無料。
パスワードが必要な場合は店員に聞けば教えてもらえる。

AISがタイ情報技術通信省(ICT)と組んで無料のWiFiホットスポットを設置している。1ヶ月で最大5時間利用できる。また、SIMを持っていれば携帯会社のWiFiを利用できる。

4. 世界あの街この街: チェンマイ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第21回 チェンマイ:Chiang Mai


チェンマイ (トリップアドバイザー提供)

タイ国旗

【画像:Wikipedia提供】


見どころと特徴

タイ北部に位置する古都で、バンコクに次ぐ規模を誇る。史跡巡りや街歩きの他、サファリやトレッキング、少数民族巡りなど郊外観光の拠点でもある。
バンコクに比べのんびりしており、料理教室などのカルチャーやグルメも人気。
夜空に無数の灯籠を飛ばすロイ・クラートン祭りや春の水かけ祭りソンクラーンなど、イベントも盛ん。


チェンマイはタイ第2の都市※、とはいうものの人口27万人、面積は150km2とコンパクト。
広域都市圏人口が1,500万人に迫るバンコクとは比較にならないが、その分自然が豊かでのんびりしている。気候も南部よりは過ごしやすく、長期滞在にも人気が高い。

※人口は東北部の玄関都市ナコーンラーチャシーマーが40万人とチェンマイを上回るが、歴史的な経緯からバンコクに次ぐとされている。ちなみに、微妙な比較だが人口・面積共に日本の都市で規模が近いのは兵庫県加古川市(人口27万人、面積140m2)。

チェンマイの中心は、1.5km四方の堀と塀に囲まれた旧市街。さらにその外側を7km四方の環状路・スーパーハイウェイが囲んでいる。

街歩きの中心となるのは旧市街。
旧市街を歩いていると仏教史跡はイヤでも目に入ってくる。まずはマーケットを散策したい。
マーケットが並び特に賑やかなエリアは東側の「ターペー門」(Thapae)と南の「チェンマイ門」。
ターペー門から旧市街の塀の外、東に向かうターペー通り沿いはホテルやゲストハウスが密集している。
ターペー通りと直交するチャン・クラン通り(Chang Klang)沿いはナイトマーケット。このナイトマーケットがチェンマイ観光のハイライトと言っても過言では無い。3階建てのナイトバザールビル、ショッピングセンターのカレー・ナイトバザール(Kalare Night Bazaar)、通りの南側アヌサーン市場(Talat Anusarn)などのあたりを中心に夜店が建ち並び賑わう。
通りの北側、ワローロット市場(Kat Luang)のあたりは食料品が並び、昼から地元民で賑わっている。

ナイト バザール (トリップアドバイザー提供)

Kalare Night Bazaar (トリップアドバイザー提供)

(地図)


ターペー門から塀の中西側、市街の中心に向かって伸びるラチャダムヌーン通り(Ratchadamnoen)はサンデーマーケットで有名。露店が建ち並び、屋台メシや雑貨、マッサージ、果てはライブ演奏や大道芸など夏祭りの様相。一方チェンマイ門から城壁の外に伸びるウアラーイ通りはサタデーマーケットの舞台となる。銀製品の店が多く、ワット・シースパン(Wat Sri Suphan)という銀の寺もある。

Wat Sri Suphan (トリップアドバイザー提供)

史跡やミュージアムを見るなら、再びラチャダムヌーン通り沿いから市街の中心部へ向かう。
細かい石畳状の通り沿いには商店が建ち並び、ところどころに古い寺院が点在している。市街の中心あたり、通り沿いにはチェンマイを統治したランナー朝の建築を紹介するランナー建築センター、ワット・パンタオ(Wat Phantao)、巨大なワット・チェディー・ルアン(Wat Chedi Luang)などがある。一方北側には芸術文化センターや、チェンマイ最古の寺院ワット・チェン・マン(Wat Chiang Man)など。

芸術文化センター・三王像広場 (トリップアドバイザー提供)

ワット・チェディルアン (トリップアドバイザー提供)

ラチャダムヌーン通りの西端終点、黄金の三角屋根は市内最大の寺院ワット・プラ・シン(Wat Phra Sing)の礼拝堂。

ワット プラ シン (トリップアドバイザー提供)

城壁の外側にも寺院やマーケットが点在している。
ワット・プラ・シンをつっきってスアン・ドーク門(Suan Dok)を出ると旧市街の東側。ラチャダムヌーン通りはステープ通り(Suthep)と名を変え、広い並木道となる。
通りをしばらく行った南側には広大なワット・スアン・ドーク(Wat Suan Dok)寺院の境内。寺院の正面北側はチェンマイ大学の施設(Meeting Room)。

ワット・スアン・ドーク (トリップアドバイザー提供)

大学施設の向こう側、キャンパスにそって北に延びるのはニマーンヘミン通り(Nimmanhaemin)。キャンパスの緑を超えると個性的なショップやカフェが集まるショッピングエリアとなっている。

Sahara Thai (トリップアドバイザー提供)

ニマーンヘミン通りに直交するフアイケーオ通り(Huay Keao)から再び旧市街に向かうと、巨大なショッピングセンター、カードスワンケーオ(Kad Suan Kaew)がある。

Kad Suan Kaew Shopping Centre (トリップアドバイザー提供)

更に外側、スーパーハイウェイ沿いは巨大なショッピングセンターなど郊外型の店舗が点在する。バイクでハイウェイ沿いや、さらに郊外へとあてもなくのんびり向かうのも楽しい。


郊外の見どころでは、まず市街の西側にある巨大な寺院ワット・プラタート・ドイ・ステープ(Wat Phra That Doi Suthep)。
そしてメーサ・エレファントキャンプも人気が高い。

ワット・プラタートドーイステープ (トリップアドバイザー提供)


メーサー エレファント キャンプ (トリップアドバイザー提供)

タイ北部のアクティビティといえばトレッキング。日帰りのカジュアルなツアーでも十分アウトドア気分が味わえ、少数民族の村に訪れることもできる。
あいにくというか幸いにというか、タイ最高峰のドーイ・インタノン(Doi Inthanon;2,556m)は頂上まで車道が通じている。純粋な山登りを味わうならタイ第2峰のドーイ・パーホムポック(Doi Pha Hom Pok)やチェンマイ北部のドーイ・チェンダオ(Doi Chiang Dao)。いずれもチェンマイから豊富に現地発着ツアーが出ている。山登りに疲れたらサンカムペーン温泉(San Kamphaeng)で疲れを癒やそう。

Doi Ang Khang (トリップアドバイザー提供)

さらにタイの北へ向かうツアーもあり、女性が首を長く伸ばす風習でおなじみカレン族の村や、白亜の名物寺ワット・ローン・クン(Wat Rong Khun)、アヘン栽培で名をはせたゴールデントライアングルなど、その手のスポットが好きな方々も楽しめることうけあい。

ワット・ロンクン (トリップアドバイザー提供)


アヘン博物館 (トリップアドバイザー提供)

4月であればタイの旧正月、バンコクでもおなじみの水かけ祭り(ソンクラーンフェスティバル;Songkran)で賑わう。
そして11月はローイ・クラトン(Loy Krathong)。チェンマイのローイ・クラトンは川に流す形式では無く、夜空に無数の天灯(コムローイ;Komloy)を飛ばす幻想的な光景が有名で、世界中から観光客が集う。

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(写真:tabinote)

Khom-Loi-in-Mae-Cho
(写真:青木大地)

VELTRA



Lemongrass Thai Restaurant (トリップアドバイザー提供)

辛くて酸っぱいトムヤンクンでおなじみタイ料理。
チェンマイのあるタイ北部の料理は、ココナツミルク控えめながらコクのあるしっかりした味付けと、もち米の常食が特徴。
本来タイ北部の料理はマイルドな味付けだが、激辛でおなじみ東北部イサーン料理の名店も多い。イサーン料理はタイ人が皆大好きな味で、評判のいい店はいつも賑わっている。
チェンマイ/イサーン名物といえば、カレー風味の麺「カオソーイ」、激辛ソーセージ、肉と野菜をあえた「ラープ」、タレに漬けて香ばしく焼いたタイ式焼き鳥の「ガイヤーン」、青パパイヤのサラダ「ソムタム」など。
宮廷都市の趣を味わうなら名物料理「カントーク」がある。間仕切りのある丸いお膳に様々なおかずがならぶ人気料理。
激辛が苦手でも心配なく。世界の旅行者が集うことから各国料理の店も豊富で、日本料理店も増えている。

Thai Orchid Cookery School (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
チェンマイへの直行便はなく、バンコク経由で入る場合と、近隣国から入るルートがある。

バンコクまでは直行便で最安6万円程度。総額で7万円程度。バンコクからはタイ国際航空、エアアジア、ノックエアなど国内線が豊富に出ており、バンコクから1万円ほど。所要1時間。
バンコク便は日系、タイ系、米系、中華系、アジア系など多くの選択肢があり、日本の地方空港からもタイ国際もしくはJAL便がある。直行便であればデルタかタイ国際がおおむね安い。HISのジェットアジアチャーター便があればそちらが最安となることも。
羽田発なら深夜発でバンコクに早朝到着するなど週末トリップにも最適。

近隣国からなら、台北や北京、香港、クアラルンプールなどを経由する便が一般的。
ほとんどの場合、エアアジアのクアラルンプール経由が最安値となり、乗り換え時間も短い(羽田を深夜出て翌夕方チェンマイ着)。シーズンにもよるがエアアジアなら総額4万円程度でおさまる。
バンコクに寄る用事がなければ、費用的にはエアアジアのクアラルンプール経由一択となる。

(パッケージツアー)
パッケージツアーはバンコクに比べそれほど安くなく、4泊5日で燃油込みで7万円程度から。祭りの時期はより高め。

(陸路から)
やはりバンコクからバス、鉄道で行くことができる。
長距離夜行バスの場合所要10時間程度、寝ている間にチェンマイに到着する。費用は2等450バーツ程度、豪華VIPバスで900バーツ程度。

バンコクとチェンマイを結ぶ鉄道はタイ国鉄北線。クルンテープ駅からチェンマイ駅まで所要12時間程度。2等席700バーツ程度、個室寝台で2000バーツ程度。

タイ国鉄には20日間有効の外国人向け乗り放題パス(Visit Thailand Rail Pass)がある。フワランポーン駅で購入できる。急行・寝台料金込みのレッドパスが3000バーツ、含まないブルーパスが1500バーツ。

ラオスからの国際バスもある。
ラオス、ミャンマーなど隣国から陸路で入国する場合はビザ免除日数が15日となる。

(空港)
空港はチェンマイの中心部より4km程度と近い。エアポートタクシーで旧市街まで定額120バーツ、15分程度。

地理と気候

日本との時差は2時間。日本の正午が午前10時。

タイは熱帯に属し、年間を通じて暑い。
一方、チェンマイは南西にはタイ最高峰ドーイ・インタノンを擁し、北にも2,000m級が連なる山がちのエリアにある。チェンマイの標高自体は海抜300m程度。
バンコクに比べて北に位置することもあり、乾季の12月~1月は朝晩の気温が10度程度まで下がることも。一方で昼は30度近くまで上がる。

快適なのは10月半ば~2月半ばの乾期で、湿度が低くさわやか。
2月後半~5月半ばまでは暑期となり、湿度・気温共に上昇。昼の気温が40度を超える日も珍しくない。5月半ばを過ぎると雨期に突入し、熱帯特有の激しい雨がふる。道が泥流になることもあるので、履き物に注意。


【画像:Google提供】

言語と通貨

公用語はタイ語。看板を読んだりぼったくりを防止するためにも、数字くらいは覚えていけると便利。
タイ数字 (Thailingual)

ホテル、中級以上のレストラン、観光地の施設やガイドとのやりとりでは英語が通じる。

通貨はバーツ。1タイバーツ=3.2円(14年4月時点)。
物価はバンコクやプーケットといった大都市・リゾートに比べれば安め。
外食はタイ料理屋なら50バーツ程度と、日本円で150円程度から。日本食レストランは少し高く100バーツを超える。とは言え300バーツあればちょっとしたぜいたくが味わえる。
他、ミネラルウォーターは500mlで7~8バーツ、ビールは350ml缶で30バーツ。
ホテル代もバンコクの2/3程度、3つ星ホテルで4,000円程度。2,000円程度の手ごろなホテルでも清潔で快適。
マッサージも安い。1時間で100バーツ程度と日本の1/10以下。

商品代金には7%の物品税(Value-Added Tax)が上乗せされているが、同日に同一のお店で2,000バーツ以上購入した場合には払い戻しの制度がある。手続きは出国時にチェンマイ国際空港、もしくはバンコクの空港で。


【画像:Wikipedia提供】

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。
市内には両替商が多くあり、銀行よりもレートは良い(とはいえ旅行者が一度に両替する程度の金額であれば、気にするほどの差はでない)。

日本国内ではレートが悪いので、必ずタイ到着後に空港のATMでまとめておろすか、市内までの移動費のみ調達し市内の両替商で両替すること。

チェーン店や高級な土産店ではクレジットカードが使えることが多い。
チップはほとんど必要無いが、ポーターには10バーツ程度。ガイドやサービスチャージの無い高級なレストランでは1割程度。

ビザと治安

治安は全般に安全とされているが、スリ、詐欺などが横行している。
チェンマイの場合ナイトバザール、ワローロット市場などでは周囲に注意すること。

2008年には反タクシン派の「市民民主化同盟」(PAD、「黄シャツ」)による空港占拠、2009年にはタクシン元首相支持派の「反独裁民主戦線」(UDD、「赤シャツ」)によるデモが発生している。
2013年末から続く反政府デモ(赤シャツ)は2014年4月時点でも継続中。
チェンマイはタクシン元首相の出身地でありデモが拡大する可能性は低いものの、バンコク経由で入出国する際には情報収集しておくこと。

公共交通機関や密閉した建てものでの喫煙は禁じられており、違反すると2,000バーツの罰金。

観光目的の場合、30日以内の滞在はビザ免除(空路の出国航空券が必要)、陸路は15日以内。

市内交通

(タクシー・トゥクトゥク)
車体が青と黄に塗られたメータータクシーは初乗り2kmで40バーツ…、となっているが、実際にメーターで行ってくれることは少ない。
流しのタクシーを拾うことは難しく、空港やショッピングセンター、ホテルなどで待機している。半日貸し切って800バーツ程度が目安。

三輪タクシーのトゥクトゥクは交渉制。タクシーよりは安い。最低50バーツ程度。
運転は荒いが安くて手軽、個人旅行者がお世話になることが多い。

ソンテウ
トラックの荷台を客席に改造した乗り合いタクシ-。
赤いソンテウはタクシー的に行き先を指定できる。旧市街の移動ならおおむね20バーツ程度。赤以外のソンテウはルートの数字が付いており決まった路線を運行するバス的な乗り物。15バーツ程度。

レンタルバイク
公共交通機関があまり発達していないため、レンタルバイクがあればぐっと行動範囲が拡がる。チェンマイはコンパクトで、朝の旧市街を除けばそれほど渋滞もひどくないし、郊外観光も容易となる。
レンタル屋はターペー門やナイトバザールなど至る所にあり、ホテルにデリバリーしてくれるところもある。パスポートを預けて借りる場合が多い。
ヘルメット装着と常時のヘッドライト点灯が義務づけられている。メットは店で借りられるが、汚なさが気になるなら新品を買ってもたいしてかからない(もしくは帽子の上からかぶる!)。

100ccのスクーターで1日100バーツ程度、ベスパやビックスクーターなら200~300バーツ程度。借りる際にはガソリン残量を確認し、返却時のルールと最寄りのガソリンスタンドを教えてもらおう。

ホテルとシーズン

安ホテルなら500バーツ~、中級ホテルが1,000バーツ~、高級ホテルが2,000バーツ以上といったところ。ゲストハウス個室は300バーツを切るものも。
全般にホテルは安めで、祭りの時期を除けば空いている。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
代表的なモバイル通信事業者はアドバンスト・インフォ・サービス(AIS)、DTAC、True Moveなど。

各社共に旅行者向けのパッケージがあり、たとえばDTACの Happy Tourist SIMは299バーツで7日間の無制限インターネット接続。850/1800/2100MHz対応。AISは1Gのハイスピード(とはいえLTEではなく3G)+7日間無制限(ただし64kbps)。
True Move Hはなんとチェンマイ国際空港で同様のSIMを無料配布している。

コンビニの他、ナイトバザール南端のパンティッププラザなどに旅行者向けのSIMがそろっている。
設定は店員にしてもらうのが無難。

(Wifi)
カフェやレストラン、公共施設などでWiFiが整備されており、ほとんどが無料。
パスワードが必要な場合は店員に聞けば教えてもらえる。

AISがタイ情報技術通信省(ICT)と組んで無料のWiFiホットスポットを設置している。1ヶ月で最大5時間利用できる。また、SIMを持っていれば携帯会社のWiFiを利用できる。