Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 バリ島とジャカルタで音楽三昧 その2
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:ホーチミン
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:4/24(木)下川裕治さん スライド&トークショー
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

バニラエアが成田~奄美線に就航

バニラエアは成田~奄美大島線を7月1日に新設すると発表。1日1往復で機材はエアバスA320となる。バニラエアの国内線は成田~那覇、成田~札幌に続いて3路線目。就航には国と県が負担する総額約27億円の奄美群島振興交付金を活用する。

デルタ、日本語公式Facebookページを開設

デルタ航空は、同社が日本から就航している北米や中南米、アジアやビーチリゾートへの旅行情報やトピックスなどを掲載する日本語の公式Facebookページを開設した。
https://www.facebook.com/delta.jp
delta

GW予測は国内旅行3.6%減、海外旅行11.4%減

JTBの調査によると、今年のゴールデンウィークは、日並びの悪さや続く円安、消費税引き上げによる節約志向などから、過去最高だった2013年からは減少が見込まれ、国内旅行で前年比3.6%減の2196万2000人、海外旅行で同11.4%減の47万4000人と予想されている。また、旅行に使う平均費用は、国内旅行が3万4400円と前年比4.2%増、海外旅行が24万9500円と同8.1%増と推計されている。

WILLER TRAVELが仙台線をバーゲン

格安高速バス会社WILLER TRAVELは、2014年4月7日~7月17日出発分の平日を対象に、東京~福島・仙台線の昼行便を2,800円均一で発売する。また、オンライン限定で5月~7月出発の19路線で超限定の500円均一チケットも発売しており、国内バス路線もLCCに負けず競争が加熱している。キャンペーン情報はチェックしておこう

春秋航空、福岡・札幌~上海線に就航

春秋航空は、2014年5月より、福岡~上海/浦東線をデイリー運航、札幌/千歳~上海/浦東線を週4便就航すると、中国当局に届け出たことが明らかになった。機材は、エアバスA320の見込み。

MH370便の交信を公開

マレーシア航空は消息不明になっているMH370便の地上との通信を書きおこした全文をウェブサイトで公開。管制との最後の交信は「Good Night Malaysian Three Seven Zero」だった。

リンク

「Traicy」メルマガ、7月1日創刊

トラベルメディアの「Traicy(とらいしー)」は、2014年7月1日(予定)より、日刊「Traicyメールマガジン」を創刊することを発表。通勤・通学中に最新旅行情報を入手できる。現在登録受付中。
リンク
traicy

アリタリア、成田~ヴェネツィア線に就航

アリタリア-イタリア航空は2014年4月2日、成田/ヴェネツィア線に就航。成田発が水、金、ヴェネツィア発が木、土の週2便運行。機材は777-200ERを使用。既に運行中のローマ、ミラノとあわせイタリア3都市に週14便体制で運航となる。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

LCC第2世代は荷物が無料?

 東南アジアではエアアジアに乗ることが多い。路線や運賃、スケジュールを見ると、エアアジアはいちばん使い勝手のいいLCCに映る。しかし予約から搭乗という流れのなかで、ほかのLCCに比べるとストレスを多く感じる。なぜだろうか。以前から気になっていることだった。
 3月の中旬、エアアジアでバンコクとカンボジアのプノンペンの間を往復した。


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第20回 吉田友和

と 東京

 仕事場近くのカフェでこれを書いている。どこにでもある某有名コーヒー・チェーンだが、下手に小洒落たところよりもこういう地味な店の方が原稿仕事が捗る。割と頻繁に、というか東京にいるときはほとんど毎日のように訪れるせいか、店員さんともすっかり顔馴染みになってしまった。
 いつものようにアイスコーヒーを注文し、いつものように200円を支払おうとしたら、店員さんの表情が曇った。
「……220円になります」


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3a. tabinote旅行記 バリ島とジャカルタで音楽三昧

どうも、大久保潤です。インドネシア旅行記の続きです

心身ともにゆるくなったままジャカルタへ移動。ジャカルタは渋滞で悪名高いわけですが、やはりぼくらも途中でつかまりました。空港から市街までスムーズに行けばタクシーで30分くらいなんだけど、2時間はかかった感じ。前日までとのギャップがすごくて、なんだか一気に現実に引き戻された気分です。

ジャカルタにはスラバヤ通りという骨董通りみたいなストリートがあります。とにかくひたすら古道具屋が並んでるの。民芸品みたいなのが多いのかなと思ってたのですが、むしろ全体に西洋風アンティークみたいなのが中心。蓄音機なんかも売ってたりしてちょっと欲しくなった。

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なんでこの通りに来たかというと、ジャカルタで唯一アナログレコードを売っている店があるのがここだと聞いていたからです。たしかにこんな感じで数軒アナログレコードの専門店が。

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とはいえここ何年かのいわゆる辺境音楽発掘ブームのため、レコードの値段も高騰中。いろいろ面白そうなレコードはあったんだけど、結局買ったのは1枚だけ。だって新品の新譜CDが300円くらいなのに、中古レコードは1500円とか言われるんですよ(まあそこも交渉でもっと安くできたのかもしれないが……)。

まあそれよりもジャカルタに来た最大の目的は別にありまして。ジャカルタを代表するパンクバンドで「マージナル」というのがいるんです。彼等のことを知ったのは昨年のこと。彼らのドキュメンタリー映画を作っている中西あゆみさんという方が一時帰国して、制作中の映画の上映会を行ったのを観に行きました。これが実に心に突き刺さる作品だったんです(都築響一さんのメルマガ「Roadsiders Weekly」でも紹介されましたね)。

インドネシアは現在高度成長期といっていい状況で経済的にものすごく発展している一方で、そこから取り残された人たちとの格差がものすごいことになってるのですが、マージナルは「タリンバビ」(「豚の牙」の意)という住居兼コミューンで親のない子供たちの面倒を見ています。学校にも行けないような子供にウクレレを与えて自分たちの曲を教え、バスや路上で演奏して自分たちでお金を稼げるようにしたりしている姿をとらえた映像と、メンバーたちの魅力あふれる姿、熱い演奏シーン、もうパンクの神髄を見た思いがしました。
ヴォーカルのマイクもその際には来日してQ&Aとミニライブをやったので、終了後に挨拶して再会を誓いまして、実際に訪れることにしたわけです。
なのですが、数日前からメールしたり電話したりしても全然反応なし。住所はわかってたのでともかく行ってみることにしました。ちょっと郊外にあるのだけど、タクシーの運ちゃんに住所を見せたところ、「そのへんは洪水の被害にあってるから行けないんじゃないかな」とか言うんですよ。たしかにバリで見かけた新聞に、ジャカルタで洪水があって死者まで出ているなんて見出しが出てはいたんだけど、やはり深刻な事態なのかしら……。
でもここで帰ったら何しにジャカルタまで来たのかわからないので、運ちゃんに「We can swim!」と力強く宣言してとにかく行けるところまで行ってもらうことに。
近所の人に道を聞いたりしながらかなり近くまで来たところで、運ちゃんが「その路地の先だよ」と言っています。見ると、細い横道があって、そこに一歩入るといきなり膝まで水に浸かってるの。

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うわー、こういうことか、と思いつつ、意を決してザブザブと入っていきます。道端で座ってるおっちゃんに前方を指さしながら「タリンバビ?」と聞くと、「イエス、ワンサウザンドメーター」とのお答え。い、1キロ? さすがにこのまま水の中を1キロ歩くのはキツいぞ。ていうかそもそもこの道1キロも延びてるの?とパニックになりかけてたら、前のほうを歩いている女の子二人連れが「タリンバビに行くの? わたしたちも行くところだから一緒に行こう」と言ってくれました。地獄に仏みたいな気持でついていったら30メートルくらいで到着。あのワンサウザンドメーターは何だったんだろう……。

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結局メールも届いてなかったみたいで完全に不意の訪問になってしまったのですが幸いマイクは在宅中で、とてもあたたかく迎えてくれました。室内も浸水してるので洪水の被害は大丈夫かと聞くと、「このへんは雨季になると必ずこんな感じだから慣れっこだよ。洪水が来ると近所で声をかけあって荷物を二階に上げるんだ」てな感じで元気そのもの。貧しい地区を完全に見捨てて治水工事を施そうとする気配も見せない行政への憤りは見せつつも、地域と密接に結びついて逞しく生きているようでした。

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1時間以上、いろんな話を聞かせてもらいましたが、それはまた別なところでじっくり書く予定。とにかく自分のパンク魂を強く揺さぶられる旅になりました。今後の自分の生き方にもかかわる経験になったと言ってもいいと思います。CRASSのアナーコパンク精神がここに生きているのを目の当たりにした思いです。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
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青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第12回:トバ湖~ブキティンギ

(編集部注:第8回バンコク第9回シドニーの間をつなぐ、シドニー移動前のエピソードです)
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とにかく最初は何が起きているのかわからなかった。だから、それがマジックマッシュルームの作用だと気付くのに少し時間がかかった。
僕は様々な形に変容する雲を見つめながら、そのサイケデリックと呼ばれる鮮やかな世界の住人と化していた。
目を閉じると、これ以上ないくらい眩しい光に包まれた。

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効果は長く、躁鬱を繰り返し、最終的に大きな鬱状態を経てその旅は終わる。
6時間以上、僕はまともではなかった。その時の日記を読み返してもやっぱり少し怖くなるほどに。
トバ湖に住むバタック族の男たちはこのマッシュルームを祝い事や、時に理由がなくても摂取することで人生を謳歌している。
要するに環境なのだと僕は思った。例え依存しても環境さえ整っていれば、その善悪を法に委ねることが果たして必要かどうか。とはいえその刺激が忘れられずバリ島でもマッシュルームを摂取した弱い僕にそんなことを言える訳がないのではあるけれど。

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トバ湖を後にして、ジャワ島を経てバリまでの縦断をするため、僕は再びバスへと乗り込んだ。世界何大、劣悪交通機関に数えられるスマトラ島のバスはその名の通りの代物で、出発が6時間の遅れ、故障、運転手の忘れ物をとりに関係の無い場所まで3時間と、本当に最低だった。
スマトラ中部の町、ブキティンギからジャワ島ジャカルタへのバスは「30~50時間」という衝撃のアバウトスケジュールで運行していた。

それでも赤道直下をエアコン無し、喫煙可の2,000円エコノミーバスを選んだ僕は今でも後悔はしていない。
太陽が、砂埃が、悪路が、ランブータンという果実を何度もくれる前の座席の男の子が、今も笑いかけてくれている。
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トバ湖の次に寄ったブキティンギという町も、印象深かった。
時計台を中心にした小さな町の人々は温かく、屋台やマーケットの物価も安く、スマトラ島に生きる人たちを少しだけ身近に感じられる場所だった。
日本軍が掘ったトンネルやインドネシアのグランドキャニオンと呼ばれる景勝地も退屈凌ぎには丁度よく、近郊のムラピ山でのトレッキングで大量の山ビルに襲われたのも、特別な経験のように思える。
地元の高校生とバスケットボールをして、散髪屋で1時間近く長話を聞かされて、やっと僕自身がインドネシアに受け入れられた気がした場所がブキティンギだった。
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48時間バスがジャワ島へと渡るフェリー乗り場にさしかかった時、名前も知らない場所で日が暮れた。赤く海に沈む太陽は、車内に渦巻く煙草の煙越しでも美しかった。
マラッカで見過ごした夕日が、こんな所で味わえるなんて、やっぱり旅はどこまでも不条理だ。

次回はジャワ島内の移動を記します。

※文中のマジックマッシュルームに関する見解はtabinoteのものではなく、個人のものです。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→メダン→トバ湖→ブキティンギ・・・シンガポール→シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第20回 ホーチミン

ドンコイ通りの写真
ドンコイ通り (トリップアドバイザー提供)

ベトナム社会主義共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

フランス植民地時代の美しい街並み、ヘルシーなベトナム料理、キッチュな雑貨などが楽しめる人気の観光スポット。街歩きやショッピング、グルメの他、メコン川日帰りツアーで郊外の素朴な村や自然を体感することができる。

ホーチミンは旧称サイゴン、1976年の南北統一とともに初代大統領にちなんで改称した。市街は面積およそ2,100km2と東京23区程度の広さだが、旅行者がおとずれる中心地区は1km程度の範囲に集中している。
とはいえ、とくだん目立つ史跡や観光名所があるわけではなく、もっぱら街歩きを楽しみたい街。猥雑な市場やバイク群、活気あふれる近代的なモール、植民地時代の瀟洒な建物など街マニアには満足度が高い。もちろん物価の安さもうれしい。

ホーチミンの中心街は格子状に街路が直交しており、慣れれば容易だが最初は意外に迷いやすい。ドンコイ通りとサイゴン川、ドンコイ通りに直交するレロイ通りとベンタイン市場のロータリ-、9月23日公園と隣接するファングラー通りあたりの位置関係を覚えておけば迷うことは無い。ドンコイ通りは高さ265メートルのビテクスコ・フィナンシャルタワーのふもとと覚えておこう。

ホーチミンGoogle マップ(地図-A:ドンコイ通り、B:ベンタイン市場、C:ファングーラオ通り、D:ビテクスコ・フィナンシャルタワー)

ドンコイ通り(Dong Khoi)はホーチミンのシャンゼリゼ通りとも称される最大の目抜き通り。フランス統治時代の洋館や近代的なショッピングセンター、ブランドショップなどが軒をつらねる。通りはサイゴン川に面した名物ホテル、マジェスティックから始まり、オペラ座(市民劇場)を経てサイゴン大教会、中央郵便局まで続く。
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(写真tabinote:ドンコイ通り/サイゴン オペラ ハウス)

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(写真tabinote:サイゴン中央郵便局)

ドンコイ通りの北側に並行するハイバーチュン通り(Hai Ba Trung)沿いは外国人向けのレストランやバーが並ぶ憩いの通り。よそ行きのドンコイ散策に疲れたらここに避難。

オペラ座からドンコイ通りに直交して南西に延びるのはもう一つの目抜き通りであるレロイ通り(Le Loi)。人民委員会裏の通りはパスター通り(Pasteur)と呼ばれ、雑貨店やアパレルが密集するショッピングストリート。
レロイ通りから国営百貨店をすぎてまっすぐ進むとホーチミンの台所、ベンタイン市場(Cho Ben Thanh Market)へ。観光向けの部分もあり値段はふっかけてくることが多い。

ベンタイン市場の写真
ベンタイン市場 (トリップアドバイザー提供)

市場の向こう側に拡がる賑やかな細長い公園が9月23日公園。公園沿いはファングラー通り(Pham Ngu Lao)で、南に並行するブイビエン通り(Bui Vien)、直交するデタム通り(De Tham)一帯と共に安宿街を形成している。万国の安宿街に共通するゆるい雰囲気のただよう居心地のよいエリア。カフェでくつろいだり安い現地ツアーを探したりはこの辺りで。
ファングーラオ通りの写真
ファングーラオ通り (トリップアドバイザー提供)

ここで、歴史・ミリタリー好きにおすすめしたいのは戦争証跡博物館(Bao Tang Chung Tich Chien Tranh)とヤンシン市場(Dan Sinh Market)。
前者はサイゴン大教会の西側、文化公園に隣接するベトナム戦争の資料館。朽ちた砲弾や焼け野原となった大地の映像、鹵獲された戦車やヘリなど、生々しい展示は必見。
戦争証跡博物館の写真
戦争証跡博物館 (トリップアドバイザー提供)

ヤンシン市場はデタム通りの近く、昔の秋葉原を彷彿とさせる、電機部品や工具の市場。ミリタリーグッズも多く、ジッポーや軍装品が手に入る。

ベンタイン市場での値段交渉にうんざりしたら、タクシーで南西の5区、チョロン地区(Cho Lon)に行ってみよう。この一帯は華僑の住むチャイナタウン。地区の東西にはそれぞれアンドン市場(Cho An Dong)、ビンタイ市場(Cho Binh Tay)という巨大な市場があり、ベンタイン市場よりはるかに安く買い物ができる。
中華街 (チョロン) - 5 区の写真
中華街 (チョロン) – 5 区 (トリップアドバイザー提供)


郊外観光で代表的なのはビーチリゾートのニャチャン(Nha Trang)やブンタウ)(Vung Tau)、高原リゾートのダラット(Dalat)など。メコンデルタの街ミトー(My Tho)はメコン川クルーズの起点として訪れる観光客も多い。

Ann Tours - Private Day Toursの写真
Ann Tours – Private Day Tours (トリップアドバイザー提供)

そして、前出の戦争証跡博物館と並んで是非訪れて欲しいのがホーチミン市街から70km、クチにある巨大な地下トンネル。全長250kmにもおよぶ手彫りのトンネルで、ゲリラ戦の過酷さを一時だけだが体験することが出来る。ホーチミンからの日帰りツアーも多い。
クチトンネル(ベンユォック)の写真
クチトンネル(ベンユォック) (トリップアドバイザー提供)

VELTRA


ベンタイン市場の写真
ベンタイン市場 (トリップアドバイザー提供)

生野菜やハーブをたっぷりと使うのが特徴で、健康によく見た目に美しいベトナム料理は日本でもすでにおなじみ。伝統的に中華料理の影響を受けながらも、脂っこさや辛さは控えめ。かつ米食文化で、うまみや発酵食品を上手に利用するなど、日本人にもなじみやすい要素が揃っている。フランス統治の影響から、バケットやコーヒーなどの質も高い。

ホーチミンのある南部はいわゆる東南アジアのテイストに近く、生春巻きやパパイヤサラダが代表格。ココナッツミルクの効いた比較的マイルドなカレーも南部風。
北部の料理は米飯としょっぱいおかずという日本に似たテイスト。
ただし、フエ料理といえば魚介や薬膳など高級食材を美しく盛りつけた宮廷料理。

ホーチミン市内にはおしゃれなレストラン、フードコート、レベルの高いフランス料理や中華料理店などが豊富。
屋台もおいしく、申し訳ないほど安い。フォーの専門店や、好きなおかずを盛りつけてもらう総菜屋(クアンコム)など名前もわからないメニューの数々に目移りしてしまう。ベトナム風サンド、バインミーは1個でお腹いっぱいになる。
食の好奇心が旺盛な方もご安心を。野生動物やヘビなど、日本では難しい食材の専門店も探せば見つかる。

Saigon Street Eatsの写真
Saigon Street Eats (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
ホーチミンへのアクセスは良好で、JAL、ANA、ベトナム航空が毎日成田からタンソンニャット国際空港まで、直行便を運行している。
ベトナム航空は朝発、現地午後着と夜発。翌深夜着の1日2便。JALとANAは夕方発・現地夜着。往路所要7時間程度。
関空からもベトナム航空の直行便が毎日就航しており、午前発・午後着。他、中部国際空港、福岡空港からも便がある。

乗り継ぎの場合、東南アジアの都市や中国・台湾などが経由地になる。直行便も安いのでよほどの掘り出しものでなければ直行便に軍配が上がる。
ハノイから国内線で向かう方法もある。ハノイへの便も豊富で毎日JAL、ベトナム航空の直行便が就航している。
ハノイからホーチミンまではLCCが安い。

(陸路)
上級者向けの陸路ルート。所要時間もかかり体力も必要。

ハノイから入った場合、ホーチミンまでの1,700kmに渡って鉄道が通じている。通称南北統一鉄道。ハノイから乗った場合、ホーチミンまで所要30時間以上。
近隣国の中国、カンボジア、ラオスから国際バスや鉄道で入国できる。
中国の場合は南寧からハノイへの国際鉄道がある。
ラオスは最も長くベトナムと国境を接している。ビエンチャンからハノイ、フエ、ダナンなどに国際バスが運行している。
カンボジアの南側はホーチミンに近く、プノンペンとホーチミンの距離はわずか300km程度。直行バスで所要6時間程度。

(パッケージツアー)
ソウルやバンコクと並んで格安ツアーの目玉になりやすいベトナム。3~4日間程度のツアー(実質現地1日半~2日程度)が燃油込みで4万円程度からあり、航空券代を下回るものも。
ホテルを別に予約したとしても、パッケージツアーを調べておくと思わぬ掘り出しものに出会えるかも。

(空港)
ホーチミンの玄関口はタンソンニャット国際空港。かつては南ベトナム軍の管理下にあり、サイゴン国際空港と呼ばれた。
2007年に国際線の新ターミナル(ターミナル2)が開設され近代的な設備に生まれ変わっている。
ホーチミン市の北西、市街から8キロという好立地で、交通機関がそれほど整備されていないにもかかわらず空港アクセスは良い。タクシー、バス、ホテルの送迎などを使って市内にアクセスする。2015年には地下鉄が開業する予定。

タクシーは後述の「市内交通」を参照のこと。
空港タクシーは旅行者からぼったくろうと手ぐすね引いている。
プリペイドタクシーは比較的安全とされる。料金はメーターの場合市中心までおおよそ6USドル(約12万ドン)、プリペイドの場合8~10USドル(約16万~20万ドン)程度。
ただし、6ドルでスムーズに行ってくれるドライバーは少ない。出口で空港道路通行料5千ドンを払う必要がある(プリペイドの場合上乗せされているケースがあるらしいが、旅行者の証言によりかなり異なる)。所要20~30分程度。

安く市街に行きたい場合は市バス。安いだけでは無く安全でもある。
乗り場は国際線ターミナル到着フロア、ビルの右斜め前。
朝6時から午後6時40分まで、20分おきに運行しており、料金は5,000ドン(25円程度)と格安。荷物のサイズによって追加料金がとられる場合がある。終点はベンタイン市場近くのベンタイン・バスターミナル(=サイゴン・バス・ステーション)。所要30分程度。


地理と気候

ベトナムは東南アジア、インドシナ半島の東側海側を占め、国土は南北1,700km、東西600kmにおよぶ。ホーチミンはほぼ最南端で、北緯10度の赤道付近。典型的な熱帯性気候で、年間通して平均30度以上。
乾季の12月~4月がベストシーズン。5月から11月は雨季で雨が多い。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午が午前10時。サマータイムはない。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はベトナム語。
フランス領であったがフランス語の通じる可能性は高くない。
英語は観光客向けの商店、カフェでは通じる。若者に通じる場合もある。
漢字文化圏であったが公的な使用は廃止され、現在は声調(声の上がり下がりで語を示すルール)を表記できるクオック・グーというアルファベットが用いられる。ベトナム語の声調は6種類あり、語順によって意味が変わる文法の独特さもあって日本人が習得するハードルは高い。

物価は諸外国の中でも屈指の安さであったが、インフレと円安でうまみはうすれてきた。
それでも、交通機関、ホテル、食事という旅行者の3大支出はおおむね低い水準をキープしている。
Tripadvisorの「旅行者物価指数」によると、ハノイの場合(ホーチミンは記載が無い)ディナー代は各都市の中で最低レベル。タクシーも初乗り50円、ホテルはドミトリーなら数百円から、3つ星でも5,000円未満。食費の安さはありがたく、麺類やローカル食堂なら1食100円程度ということも。

もっとも何事もピンキリで、高級ホテルになれば1泊1万以上、食事もレストランなら日本と変わらない値段になることも。

通貨はベトナム・ドン(VND)。1ベトナム・ドン=0.0049円(14年4月時点)。
1万ドン=50円、2万ドン=100円=1USドルと覚えておくと便利。
物品には10%の消費税(VAT:Value Added tax)がかかる。
ちなみに1人あたりGDPの比較では、ベトナムは日本のおよそ1/20未満。日本の100円はベトナムの2,000円程度の価値がある、と考えておくと使いすぎないかもしれない。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。両替手数料が数パーセントかかる。

日本国内でベトナム・ドンに両替することは出来ない。ホーチミン市内で日本円も問題無く両替できる。
市中に両替所は多く、レートは
 両替所>銀行>ホテル
となる。ツーリストが集まるドンコイ通りには多くの両替商がある。

クレジットカードが通じる場面は多い。VISAかマスター推奨。

ベトナム・ドンは再両替のレートが悪いため、あまり一度に多く両替しない方がよい。
いっそベトナム・ドンに両替せず、USドルとクレカでなんとかしてしまうという手もある。USドルが通じる店は多く、そもそも高級ホテルなどはドル建て表示の場合もある(ただし、通達により将来的にはベトナム・ドン払いに統合されていく模様)。
一般にドンの方がレートは良く、両替もUSドルからより日本円からの方がレートが良い。

チップの習慣は無いが、たかってくる事例は多数。旅行者に頼んでもいないサービスを押し売りしUSドルのチップを請求されたら、1USドルのチップはおよそ2万ドンの価値であることを思い起こしたい。彼/彼女のそのサービスに2万ドンの価値があるか…?
市中で2万ドンあったら何が買えるか把握しておくとよいかも。


(画像:Vietnam Navi)


治安とビザ

全般に治安状況は良いが、ぼったくりタクシーや置き引きなど観光地に特有のトラブルは多い。窃盗、詐欺、いかさま賭博、ひったくりの他、性風俗・売春にまつわる被害も多い。
パスター通り、ドンコイ通り、ベンタィン市場などの繁華街や駅、ショッピングセンターではスリ、ひったくりに注意。夜間の1人歩きは避ける。

ほとんどのタクシーはメーター制だが、正規の業者をまねた偽装白タクなどトラブルは多い。白タク、バイタク、シクロにはトラブルが付きものと考えて、利用する時は自己責任で。たとえ交渉がスムーズに進んでも無事支払って降りるまで油断しない方が良い。
なお、交通事情は非常に悪く、慢性的に渋滞している。

軍事施設(鉄道、駅、港湾、橋梁なども含まれる)、軍人、警官などにカメラを向けない方が良い。

宗教上・慣習上の注意として人の頭に触れないこと(特にこどもの頭をなでたりしないこと)。寺院で肌を露出する服装は避ける。政治的な話題も避けた方が良い。


市内交通

2012-09-15 10.13.00
(写真tabinote)

(タクシー)
ホーチミンは地下鉄がなく(2020年開業予定)、現状旅行者にとってタクシーが移動の主役。
正規のタクシーは車体に社名と電話番号の表記があり、天井にTAXIの表記がある。もちろんメーター制。

白タク、偽業者の中にはメーターを倒さず、旅行者からふったくろうとするドライバーがいる。正規の業者でも、ドライバーによってそういったぼったくりタクシーの事案が報告されている。以下の信頼できるタクシー意外乗らない方が無難。

安全とされるのは、Vinasunタクシー、Mai Linhタクシー。

Vinasunタクシー

(画像:Vinasun Taxi)
車体は白、緑と赤のライン・
http://www.vinasuntaxi.com/contact-us

Mai Linhタクシー

(画像:hantaxi.com)
写真は白地に緑のサインだが、オールグリーンのクルマもある。
http://www.mailinh.vn/

他にSaigon Tourist、黄色い車体のVinaタクシーなども比較的評判がよいとされるが、媒体・体験者により評価にだいぶバラツキがある。

Saigon Tourist

(画像:Saigon Tourist)
http://saigontourist-stt.net/taxi/

Vinaタクシー

(画像:vietnamtravel.org)

料金は安い。会社によって異なるものの初乗り2キロがおおむね1万2000ドン~1万5000ドン。

ベトナムタクシーの注意
・上述通り、知らない業者、怪しいタクシーは避ける。そっくりな会社ロゴを貼っている偽タクシーもいる。ロゴがチープ、車体がボロボロか古いなどのタクシーも避けること。知らない会社のタクシーであれば、電話番号が覚えやすい表記かどうかも判断材料(8111 111 や 27 27 27 27など)。長年同じ番号で営業している目安となる。
・メーターはゼロが2つもしくは3つ省略されている(「20」と表記されている隣に「x1000VND」とあれば、20×1000=2万ドンということ、「X100VND」ということもある)ことがある。勝手に「20だから20万ドンだ」「20米ドルだ」などと偽る悪徳タクシーがいるので注意。
・メーターの回転が異常な速さの場合は速攻降りる。通常1km7,000ドン程度。
・空港と観光地はデンジャラスゾーン。旅行者からぼったくろうとタクシーが待ち構えている。空港はプリペイドカウンターがあるので、そこで手配すると安全。また、到着階ではなく出国階に移動しお客を乗せてきたタクシーをひろうという手も。観光地も少し歩いて、離れた場所で信頼できる流しのタクシーをつかまえるか、ホテルなどでタクシーに乗る。
・地図が読めない、おつりの計算が苦手なドライバーが多いとされている。ぼったくりではなく単なる間違いの可能性もあるのでそのあたりは大目に見る寛容さも必要。地図よりも住所を書いたカードの方がよい。

(バイクタクシー)
値段は交渉制でいろいろとモメる可能性があり、ガイドブックなどでも利用しないよう促す記述が多い。
しかし、慢性的な渋滞のホーチミンでつかいこなせればこれほど便利なものはないのも確か。料金交渉やトラブルをうけながせるような状況であれば利用するのも悪くない。

おおむね、料金は同距離をタクシーで行く場合の2/3程度を交渉の目安に。
ファングーラオからドンコイ通りまでおおむねタクシー1メーターの距離2km、1万~1万2千ドン程度。

料金交渉が面倒であれば1USドル札を沢山もっておくと良い。市内であれば大抵の場所は1ドルで行ってくれる。

観光案内や、男性の場合はマッサージ(風俗)を持ちかけてくるケースが多い。多くの場合はトラブルにつながるので自己責任で。

自転車リヤカーのシクロは完全に観光客向け。
料金交渉は根気が要ることも。

(バス)
市内バスはどこまで行っても均一で5,000ドン。使いこなせれば大変便利。
ドライバーは英語が通じない。自分の乗る路線のバス停で手を上げてバスを止め乗車。乗る際に、行き先バス停名のメモ(ベトナム語)を見せておくと降りるバス停で教えてくれる。

空港からの152番はエアコンバス。
普通の市バスにはエアコン無しのものもあり、混雑の中悪路を数時間過ごすのはなかなかハード。

バス料金に外国人枠の料金は無い。


ホテル

代表的なホテル街は目抜き通りのドンコイ通り。創業1925年の名物ホテル、マジェスティックやシェラトンをはじめ高級ホテルが多い。
安宿が集まるのはブイビエン通り・デタム通り。世界の安宿街に共通して安いメシ屋やツアー会社、ネットカフェなどが多く、長期滞在して情報収集するには便利。

高級ホテルは1泊100ドル以上。
中級で50ドル以上。このグレードでも1人なら十分な広さの快適な部屋に泊まれる。1泊30ドル程度のホテルはミニホテル、エコノミーホテルなどと呼ばれるが、清潔でビジネスセンターなどをそなえたものもある。
いわゆるドミトリー、ゲストハウスはそれほど多くないが、1泊10ドル程度。

客室はツインルームが多い。ルームチャージ制ではなく1人か2人かで値段が異なる。また、一般に15%の税金がかかる。

ホテル マジェスティック サイゴンの写真
ホテル マジェスティック サイゴン (トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ベトナムはプリペイドが主流で、旅行者も問題無くSIMを購入できる。
ベトナムの携帯会社は最大手のMobiFone、VinaPhone、Viettel Mobile、ロシアとの合弁Gmobile (Beeline)など。

後述の通り、無線LAN網が充実しているため、インターネット接続のみであればそちらを選択するという手も。市中の3G回線は実用的な速さだが、上限容量の速度制限にひっかかると何も出来なくなるほど遅い。

SIMは市中の携帯ショップや個人経営の店まで多くの場所で取り扱っているが、英語が通じる可能性を考え空港で購入し設定までまかせてしまった方が良い。通話がいらないのであればデータ通信のみのプランを選択。

料金はきわめて安い。

MobiFoneの場合、
・D1パッケージ:150M/日:8000ドン/日
・MIUパッケージ:600M/月:7万ドン/月
・BMIUパッケージ:3G/月:20万ドン月
など。
MobifoneのSIMが挿さっていれば、携帯から「9393」で24時間の日本語サポートを受けることが出来る。

VinaPhoneの場合、
・M50パッケージ:500M/月:5万ドン/月
・M120パッケージ:1.5G/月:12万ドン/月
・MAX200パッケージ:無制限/月:20万ドン/月(ただし3G以上は32kb/s制限)
など。

Viettel Mobileの場合、
・MI50パッケージ:450M/月(以降50kbごとに75ドン):5万ドン/月
・MIMaxパッケージ:無制限/月:7万ドン/月(ただし600M以上は速度制限)
・Dmax200パッケージ:無制限/月:20万ドン/月(ただし3G以上は速度制限)
など。

(WiFi)
WiFiの充実度はすばらしく、ほとんどのカフェ、レストランでWiFiが利用できる。
ケンタッキー、ロッテリア、スターバックス、ピザハットなどの外資チェーンはもちろん、現地系であってもチェーン店ならばほぼ確実にWiFiが通じている(※)。パスワードはテーブルに置いてある場合もあれば、店員に告げて受け取る場合もある。

ホテルは高級ホテルでも安宿でもおおむね無料でWiFiを提供している。

※ちなみにマクドナルドは14年2月にベトナム第1号店が開業したばかり。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:4/24(木)下川裕治さん スライド&トークショー

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「週末ベトナムでちょっと一服」発売記念
◆下川裕治さん  スライド&トークショー◆
「週末ベトナムの旅の楽しみ方」

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新刊『週末ベトナムでちょっと一服』(朝日文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ふらっと行く週末ベトナムの旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『週末台湾でちょっと一息』では、夜市のライスカレー、サイクリング、カジュマル、哀愁の北回帰線駅、自分で取り出すビールなど、ゆるくて深い週末の台湾旅行の楽しみ方を紹介していた下川さん。本作では、バイクの波を眺めながらの路上の屋台コーヒー、バゲットやムール貝、ビーフシチューから漂うフランスの香りといったおいしいベトナムをはじめ、ホーチミンとハノイという南北の微妙な関係や都市と地方の格差など、深くてゆるい週末のベトナム旅行の楽しみ方をオススメしています。ベトナム戦争の面影を追いかけながら経済発展するベトナムの今を描いた、下川さん独自のベトナムの旅の味わい方が聞けるはずです。
下川ファンの方はもちろん、ベトナムやホーチミン、ハノイが大好きな方や週末海外旅行に興味のある方はぜひご参加ください!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


下川裕治(しもかわゆうじ)

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1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。

◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/


【開催日時】  4月24日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:朝日新聞出版

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6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える
~YOU、たび行っちゃいなよ~

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ハマ姉

tabinoteサイトデザイン&制作担当。紅一点のアラフォー。J事務所と旅が好き。ハマ姉へのご意見・ご質問はこちら↓

知恵袋って・・飽きるよね

まあ分かってたんですよ。
世の中のほとんどの事は、Google様にお尋ねすれば大体の事が解決するって。
知恵袋で回答を得るのはピンポイントのテーマに限って有効だけど、不必要にストレスも溜まるって事も・・。
回答を必要としない生き方したっていいじゃないか!
(皆さんが回答を得たい旅程はtabinote旅程検索でお調べするよ!)

そんなタイミングで今回の「世界あの街この街」が「ホーチミン」なので、LCCでベトナム(ハノイ~ホーチミン)国内旅行(ホーチミン編)を読み返しながら懐かしく・・あれ?ホーチミンの内容薄www
まあお察しの通りベトナム準備編三部作からのハノイ編で力尽き、ホーチミン編をまじめに書く気にならなかったのです。

で、改めてホーチミン編を読み返していて、そういえば旅行記に書かなかったなーと思い出したサイゴン川渡しの客引きにつかまって怖い目にあった話でも書いて今回は終わりますw
(当時の臨場感に溢れたリアルタイム実況がFacebookに残っていたので、以下引用)

サイゴン川を渡るフェリーに乗ろうかと、船着き場へ。
まずい客引きにあい、なぜか漁船ボート(モーター式)に一人で乗るはめにwith船頭。

一時間ぐるっとまわって帰ってくるとのことで、最初は思いがけずジャングルクルーズだな…と思っていたが、茂みで急に止まるボート。
と、なぜか船頭、Tシャツ脱いだ!
ギャー神様!と思ったら、茂みに入りすぎて船がバックできないため、川にもぐって手動による方向転換を始める船頭。

アーユーオーケー?聞いたら草が絡まった的ジェスチャー。10分ほど川の中で格闘する船頭をただ見守る自分。
再度運転始めた船頭。絵になりそうなところでカメラよこせ撮ってやるというジェスチャー。
これは防水か?川のなかもとるか?と携帯を水没させるジョークに完全に強ばる私。

saigon
※のんきなポージングを要求されながらも、ひきつり顔で写真に収まるハマ姉

やっとスタート地点がみえ、これはチップぼられるのか…と覚悟するも、船着き場で着いたよ、とそっけなく終了。
これで一時間1400円、ぼられたのか否かわからん…

ショックをひきづりつつも、初めて公共バスに乗ってみようとしたら、目の前にいたおばはんにのりかたをだまされ、バス内で壮絶な言い争いに。
ペイドペイド!とめっちゃ怒った。問題なく乗れたけど…

そんなわけでいま、ぐったりしながら酒飲んでます…お疲れ、今日の俺…

~そして30分後~
しかもいま、飲んでたフォーの店に携帯忘れて帰ってきちゃって、あわてて店に走ったらあったというね…もう大人しくしていよう…

よし、以上です!
質問やご意見あればよろしくです!ないか?あってもいいよ!

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7. 編集後記

tabinoteワタベです。
4月になったのに夜は寒いですね。またまた南国が恋しくなってきました。

さて、下川さんの連載はサービス水準を進化させていくLCCについて。私もいつも荷物は機内持ち込みなので、荷物には頭を悩ませます。
吉田さんの原稿で初めてタイフェスティバルの日程を知りました。もうそんな季節ですね。
旅行記は大久保さんのジャカルタ滞在記後編です。ラストの盛り上がりがいい感じでしたねー。
さて、青木さんの世界一周ノートは前回の続き、アレの体験記です。そういえば青木さんは10月から旅に出てるんですね、もう半年…。

「世界あの街…」は先週の予告通りアジアの人気都市、ホーチミンです。
Hama姉はサイゴンでの心温まる思い出を書いてくれました。ネタになるので、どんどん差し障りある体験をしてほしいですね。
ガイドを書いてるくせに、実は私はベトナム未体験。来年あたりベトナム航空で行ってみたいと思いました。もちろん目的地はクチの地下トンネルです!
そういえば、4/24に西荻の「旅の本屋 のまど」で行われる下川さんのトークイベントもベトナムです。行く前に聞いておかないと…。

次号もよろしくお願いいたします。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

166031
一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次号は4/22(火)発行の予定です。

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tabinoteメールマガジン 2014/04/08号 Vol.021 無料版

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 バリ島とジャカルタで音楽三昧 その2
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:ホーチミン
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:4/24(木)下川裕治さん スライド&トークショー
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

バニラエアが成田~奄美線に就航

バニラエアは成田~奄美大島線を7月1日に新設すると発表。1日1往復で機材はエアバスA320となる。バニラエアの国内線は成田~那覇、成田~札幌に続いて3路線目。就航には国と県が負担する総額約27億円の奄美群島振興交付金を活用する。

デルタ、日本語公式Facebookページを開設

デルタ航空は、同社が日本から就航している北米や中南米、アジアやビーチリゾートへの旅行情報やトピックスなどを掲載する日本語の公式Facebookページを開設した。
https://www.facebook.com/delta.jp
delta

GW予測は国内旅行3.6%減、海外旅行11.4%減

JTBの調査によると、今年のゴールデンウィークは、日並びの悪さや続く円安、消費税引き上げによる節約志向などから、過去最高だった2013年からは減少が見込まれ、国内旅行で前年比3.6%減の2196万2000人、海外旅行で同11.4%減の47万4000人と予想されている。また、旅行に使う平均費用は、国内旅行が3万4400円と前年比4.2%増、海外旅行が24万9500円と同8.1%増と推計されている。

WILLER TRAVELが仙台線をバーゲン

格安高速バス会社WILLER TRAVELは、2014年4月7日~7月17日出発分の平日を対象に、東京~福島・仙台線の昼行便を2,800円均一で発売する。また、オンライン限定で5月~7月出発の19路線で超限定の500円均一チケットも発売しており、国内バス路線もLCCに負けず競争が加熱している。キャンペーン情報はチェックしておこう

春秋航空、福岡・札幌~上海線に就航

春秋航空は、2014年5月より、福岡~上海/浦東線をデイリー運航、札幌/千歳~上海/浦東線を週4便就航すると、中国当局に届け出たことが明らかになった。機材は、エアバスA320の見込み。

MH370便の交信を公開

マレーシア航空は消息不明になっているMH370便の地上との通信を書きおこした全文をウェブサイトで公開。管制との最後の交信は「Good Night Malaysian Three Seven Zero」だった。

リンク

「Traicy」メルマガ、7月1日創刊

トラベルメディアの「Traicy(とらいしー)」は、2014年7月1日(予定)より、日刊「Traicyメールマガジン」を創刊することを発表。通勤・通学中に最新旅行情報を入手できる。現在登録受付中。
リンク
traicy

アリタリア、成田~ヴェネツィア線に就航

アリタリア-イタリア航空は2014年4月2日、成田/ヴェネツィア線に就航。成田発が水、金、ヴェネツィア発が木、土の週2便運行。機材は777-200ERを使用。既に運行中のローマ、ミラノとあわせイタリア3都市に週14便体制で運航となる。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

LCC第2世代は荷物が無料?

 東南アジアではエアアジアに乗ることが多い。路線や運賃、スケジュールを見ると、エアアジアはいちばん使い勝手のいいLCCに映る。しかし予約から搭乗という流れのなかで、ほかのLCCに比べるとストレスを多く感じる。なぜだろうか。以前から気になっていることだった。
 3月の中旬、エアアジアでバンコクとカンボジアのプノンペンの間を往復した。


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第20回 吉田友和

と 東京

 仕事場近くのカフェでこれを書いている。どこにでもある某有名コーヒー・チェーンだが、下手に小洒落たところよりもこういう地味な店の方が原稿仕事が捗る。割と頻繁に、というか東京にいるときはほとんど毎日のように訪れるせいか、店員さんともすっかり顔馴染みになってしまった。
 いつものようにアイスコーヒーを注文し、いつものように200円を支払おうとしたら、店員さんの表情が曇った。
「……220円になります」


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3a. tabinote旅行記 バリ島とジャカルタで音楽三昧

どうも、大久保潤です。インドネシア旅行記の続きです

心身ともにゆるくなったままジャカルタへ移動。ジャカルタは渋滞で悪名高いわけですが、やはりぼくらも途中でつかまりました。空港から市街までスムーズに行けばタクシーで30分くらいなんだけど、2時間はかかった感じ。前日までとのギャップがすごくて、なんだか一気に現実に引き戻された気分です。

ジャカルタにはスラバヤ通りという骨董通りみたいなストリートがあります。とにかくひたすら古道具屋が並んでるの。民芸品みたいなのが多いのかなと思ってたのですが、むしろ全体に西洋風アンティークみたいなのが中心。蓄音機なんかも売ってたりしてちょっと欲しくなった。

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なんでこの通りに来たかというと、ジャカルタで唯一アナログレコードを売っている店があるのがここだと聞いていたからです。たしかにこんな感じで数軒アナログレコードの専門店が。

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とはいえここ何年かのいわゆる辺境音楽発掘ブームのため、レコードの値段も高騰中。いろいろ面白そうなレコードはあったんだけど、結局買ったのは1枚だけ。だって新品の新譜CDが300円くらいなのに、中古レコードは1500円とか言われるんですよ(まあそこも交渉でもっと安くできたのかもしれないが……)。

まあそれよりもジャカルタに来た最大の目的は別にありまして。ジャカルタを代表するパンクバンドで「マージナル」というのがいるんです。彼等のことを知ったのは昨年のこと。彼らのドキュメンタリー映画を作っている中西あゆみさんという方が一時帰国して、制作中の映画の上映会を行ったのを観に行きました。これが実に心に突き刺さる作品だったんです(都築響一さんのメルマガ「Roadsiders Weekly」でも紹介されましたね)。

インドネシアは現在高度成長期といっていい状況で経済的にものすごく発展している一方で、そこから取り残された人たちとの格差がものすごいことになってるのですが、マージナルは「タリンバビ」(「豚の牙」の意)という住居兼コミューンで親のない子供たちの面倒を見ています。学校にも行けないような子供にウクレレを与えて自分たちの曲を教え、バスや路上で演奏して自分たちでお金を稼げるようにしたりしている姿をとらえた映像と、メンバーたちの魅力あふれる姿、熱い演奏シーン、もうパンクの神髄を見た思いがしました。
ヴォーカルのマイクもその際には来日してQ&Aとミニライブをやったので、終了後に挨拶して再会を誓いまして、実際に訪れることにしたわけです。
なのですが、数日前からメールしたり電話したりしても全然反応なし。住所はわかってたのでともかく行ってみることにしました。ちょっと郊外にあるのだけど、タクシーの運ちゃんに住所を見せたところ、「そのへんは洪水の被害にあってるから行けないんじゃないかな」とか言うんですよ。たしかにバリで見かけた新聞に、ジャカルタで洪水があって死者まで出ているなんて見出しが出てはいたんだけど、やはり深刻な事態なのかしら……。
でもここで帰ったら何しにジャカルタまで来たのかわからないので、運ちゃんに「We can swim!」と力強く宣言してとにかく行けるところまで行ってもらうことに。
近所の人に道を聞いたりしながらかなり近くまで来たところで、運ちゃんが「その路地の先だよ」と言っています。見ると、細い横道があって、そこに一歩入るといきなり膝まで水に浸かってるの。

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うわー、こういうことか、と思いつつ、意を決してザブザブと入っていきます。道端で座ってるおっちゃんに前方を指さしながら「タリンバビ?」と聞くと、「イエス、ワンサウザンドメーター」とのお答え。い、1キロ? さすがにこのまま水の中を1キロ歩くのはキツいぞ。ていうかそもそもこの道1キロも延びてるの?とパニックになりかけてたら、前のほうを歩いている女の子二人連れが「タリンバビに行くの? わたしたちも行くところだから一緒に行こう」と言ってくれました。地獄に仏みたいな気持でついていったら30メートルくらいで到着。あのワンサウザンドメーターは何だったんだろう……。

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結局メールも届いてなかったみたいで完全に不意の訪問になってしまったのですが幸いマイクは在宅中で、とてもあたたかく迎えてくれました。室内も浸水してるので洪水の被害は大丈夫かと聞くと、「このへんは雨季になると必ずこんな感じだから慣れっこだよ。洪水が来ると近所で声をかけあって荷物を二階に上げるんだ」てな感じで元気そのもの。貧しい地区を完全に見捨てて治水工事を施そうとする気配も見せない行政への憤りは見せつつも、地域と密接に結びついて逞しく生きているようでした。

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1時間以上、いろんな話を聞かせてもらいましたが、それはまた別なところでじっくり書く予定。とにかく自分のパンク魂を強く揺さぶられる旅になりました。今後の自分の生き方にもかかわる経験になったと言ってもいいと思います。CRASSのアナーコパンク精神がここに生きているのを目の当たりにした思いです。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
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青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第12回:トバ湖~ブキティンギ

(編集部注:第8回バンコク第9回シドニーの間をつなぐ、シドニー移動前のエピソードです)
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とにかく最初は何が起きているのかわからなかった。だから、それがマジックマッシュルームの作用だと気付くのに少し時間がかかった。
僕は様々な形に変容する雲を見つめながら、そのサイケデリックと呼ばれる鮮やかな世界の住人と化していた。
目を閉じると、これ以上ないくらい眩しい光に包まれた。

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効果は長く、躁鬱を繰り返し、最終的に大きな鬱状態を経てその旅は終わる。
6時間以上、僕はまともではなかった。その時の日記を読み返してもやっぱり少し怖くなるほどに。
トバ湖に住むバタック族の男たちはこのマッシュルームを祝い事や、時に理由がなくても摂取することで人生を謳歌している。
要するに環境なのだと僕は思った。例え依存しても環境さえ整っていれば、その善悪を法に委ねることが果たして必要かどうか。とはいえその刺激が忘れられずバリ島でもマッシュルームを摂取した弱い僕にそんなことを言える訳がないのではあるけれど。

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トバ湖を後にして、ジャワ島を経てバリまでの縦断をするため、僕は再びバスへと乗り込んだ。世界何大、劣悪交通機関に数えられるスマトラ島のバスはその名の通りの代物で、出発が6時間の遅れ、故障、運転手の忘れ物をとりに関係の無い場所まで3時間と、本当に最低だった。
スマトラ中部の町、ブキティンギからジャワ島ジャカルタへのバスは「30~50時間」という衝撃のアバウトスケジュールで運行していた。

それでも赤道直下をエアコン無し、喫煙可の2,000円エコノミーバスを選んだ僕は今でも後悔はしていない。
太陽が、砂埃が、悪路が、ランブータンという果実を何度もくれる前の座席の男の子が、今も笑いかけてくれている。
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トバ湖の次に寄ったブキティンギという町も、印象深かった。
時計台を中心にした小さな町の人々は温かく、屋台やマーケットの物価も安く、スマトラ島に生きる人たちを少しだけ身近に感じられる場所だった。
日本軍が掘ったトンネルやインドネシアのグランドキャニオンと呼ばれる景勝地も退屈凌ぎには丁度よく、近郊のムラピ山でのトレッキングで大量の山ビルに襲われたのも、特別な経験のように思える。
地元の高校生とバスケットボールをして、散髪屋で1時間近く長話を聞かされて、やっと僕自身がインドネシアに受け入れられた気がした場所がブキティンギだった。
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48時間バスがジャワ島へと渡るフェリー乗り場にさしかかった時、名前も知らない場所で日が暮れた。赤く海に沈む太陽は、車内に渦巻く煙草の煙越しでも美しかった。
マラッカで見過ごした夕日が、こんな所で味わえるなんて、やっぱり旅はどこまでも不条理だ。

次回はジャワ島内の移動を記します。

※文中のマジックマッシュルームに関する見解はtabinoteのものではなく、個人のものです。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→メダン→トバ湖→ブキティンギ・・・シンガポール→シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第20回 ホーチミン

ドンコイ通りの写真
ドンコイ通り (トリップアドバイザー提供)

ベトナム社会主義共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

フランス植民地時代の美しい街並み、ヘルシーなベトナム料理、キッチュな雑貨などが楽しめる人気の観光スポット。街歩きやショッピング、グルメの他、メコン川日帰りツアーで郊外の素朴な村や自然を体感することができる。

ホーチミンは旧称サイゴン、1976年の南北統一とともに初代大統領にちなんで改称した。市街は面積およそ2,100km2と東京23区程度の広さだが、旅行者がおとずれる中心地区は1km程度の範囲に集中している。
とはいえ、とくだん目立つ史跡や観光名所があるわけではなく、もっぱら街歩きを楽しみたい街。猥雑な市場やバイク群、活気あふれる近代的なモール、植民地時代の瀟洒な建物など街マニアには満足度が高い。もちろん物価の安さもうれしい。

ホーチミンの中心街は格子状に街路が直交しており、慣れれば容易だが最初は意外に迷いやすい。ドンコイ通りとサイゴン川、ドンコイ通りに直交するレロイ通りとベンタイン市場のロータリ-、9月23日公園と隣接するファングラー通りあたりの位置関係を覚えておけば迷うことは無い。ドンコイ通りは高さ265メートルのビテクスコ・フィナンシャルタワーのふもとと覚えておこう。

ホーチミンGoogle マップ(地図-A:ドンコイ通り、B:ベンタイン市場、C:ファングーラオ通り、D:ビテクスコ・フィナンシャルタワー)

ドンコイ通り(Dong Khoi)はホーチミンのシャンゼリゼ通りとも称される最大の目抜き通り。フランス統治時代の洋館や近代的なショッピングセンター、ブランドショップなどが軒をつらねる。通りはサイゴン川に面した名物ホテル、マジェスティックから始まり、オペラ座(市民劇場)を経てサイゴン大教会、中央郵便局まで続く。
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(写真tabinote:ドンコイ通り/サイゴン オペラ ハウス)

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(写真tabinote:サイゴン中央郵便局)

ドンコイ通りの北側に並行するハイバーチュン通り(Hai Ba Trung)沿いは外国人向けのレストランやバーが並ぶ憩いの通り。よそ行きのドンコイ散策に疲れたらここに避難。

オペラ座からドンコイ通りに直交して南西に延びるのはもう一つの目抜き通りであるレロイ通り(Le Loi)。人民委員会裏の通りはパスター通り(Pasteur)と呼ばれ、雑貨店やアパレルが密集するショッピングストリート。
レロイ通りから国営百貨店をすぎてまっすぐ進むとホーチミンの台所、ベンタイン市場(Cho Ben Thanh Market)へ。観光向けの部分もあり値段はふっかけてくることが多い。

ベンタイン市場の写真
ベンタイン市場 (トリップアドバイザー提供)

市場の向こう側に拡がる賑やかな細長い公園が9月23日公園。公園沿いはファングラー通り(Pham Ngu Lao)で、南に並行するブイビエン通り(Bui Vien)、直交するデタム通り(De Tham)一帯と共に安宿街を形成している。万国の安宿街に共通するゆるい雰囲気のただよう居心地のよいエリア。カフェでくつろいだり安い現地ツアーを探したりはこの辺りで。
ファングーラオ通りの写真
ファングーラオ通り (トリップアドバイザー提供)

ここで、歴史・ミリタリー好きにおすすめしたいのは戦争証跡博物館(Bao Tang Chung Tich Chien Tranh)とヤンシン市場(Dan Sinh Market)。
前者はサイゴン大教会の西側、文化公園に隣接するベトナム戦争の資料館。朽ちた砲弾や焼け野原となった大地の映像、鹵獲された戦車やヘリなど、生々しい展示は必見。
戦争証跡博物館の写真
戦争証跡博物館 (トリップアドバイザー提供)

ヤンシン市場はデタム通りの近く、昔の秋葉原を彷彿とさせる、電機部品や工具の市場。ミリタリーグッズも多く、ジッポーや軍装品が手に入る。

ベンタイン市場での値段交渉にうんざりしたら、タクシーで南西の5区、チョロン地区(Cho Lon)に行ってみよう。この一帯は華僑の住むチャイナタウン。地区の東西にはそれぞれアンドン市場(Cho An Dong)、ビンタイ市場(Cho Binh Tay)という巨大な市場があり、ベンタイン市場よりはるかに安く買い物ができる。
中華街 (チョロン) - 5 区の写真
中華街 (チョロン) – 5 区 (トリップアドバイザー提供)


郊外観光で代表的なのはビーチリゾートのニャチャン(Nha Trang)やブンタウ)(Vung Tau)、高原リゾートのダラット(Dalat)など。メコンデルタの街ミトー(My Tho)はメコン川クルーズの起点として訪れる観光客も多い。

Ann Tours - Private Day Toursの写真
Ann Tours – Private Day Tours (トリップアドバイザー提供)

そして、前出の戦争証跡博物館と並んで是非訪れて欲しいのがホーチミン市街から70km、クチにある巨大な地下トンネル。全長250kmにもおよぶ手彫りのトンネルで、ゲリラ戦の過酷さを一時だけだが体験することが出来る。ホーチミンからの日帰りツアーも多い。
クチトンネル(ベンユォック)の写真
クチトンネル(ベンユォック) (トリップアドバイザー提供)

VELTRA


ベンタイン市場の写真
ベンタイン市場 (トリップアドバイザー提供)

生野菜やハーブをたっぷりと使うのが特徴で、健康によく見た目に美しいベトナム料理は日本でもすでにおなじみ。伝統的に中華料理の影響を受けながらも、脂っこさや辛さは控えめ。かつ米食文化で、うまみや発酵食品を上手に利用するなど、日本人にもなじみやすい要素が揃っている。フランス統治の影響から、バケットやコーヒーなどの質も高い。

ホーチミンのある南部はいわゆる東南アジアのテイストに近く、生春巻きやパパイヤサラダが代表格。ココナッツミルクの効いた比較的マイルドなカレーも南部風。
北部の料理は米飯としょっぱいおかずという日本に似たテイスト。
ただし、フエ料理といえば魚介や薬膳など高級食材を美しく盛りつけた宮廷料理。

ホーチミン市内にはおしゃれなレストラン、フードコート、レベルの高いフランス料理や中華料理店などが豊富。
屋台もおいしく、申し訳ないほど安い。フォーの専門店や、好きなおかずを盛りつけてもらう総菜屋(クアンコム)など名前もわからないメニューの数々に目移りしてしまう。ベトナム風サンド、バインミーは1個でお腹いっぱいになる。
食の好奇心が旺盛な方もご安心を。野生動物やヘビなど、日本では難しい食材の専門店も探せば見つかる。

Saigon Street Eatsの写真
Saigon Street Eats (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
ホーチミンへのアクセスは良好で、JAL、ANA、ベトナム航空が毎日成田からタンソンニャット国際空港まで、直行便を運行している。
ベトナム航空は朝発、現地午後着と夜発。翌深夜着の1日2便。JALとANAは夕方発・現地夜着。往路所要7時間程度。
関空からもベトナム航空の直行便が毎日就航しており、午前発・午後着。他、中部国際空港、福岡空港からも便がある。

乗り継ぎの場合、東南アジアの都市や中国・台湾などが経由地になる。直行便も安いのでよほどの掘り出しものでなければ直行便に軍配が上がる。
ハノイから国内線で向かう方法もある。ハノイへの便も豊富で毎日JAL、ベトナム航空の直行便が就航している。
ハノイからホーチミンまではLCCが安い。

(陸路)
上級者向けの陸路ルート。所要時間もかかり体力も必要。

ハノイから入った場合、ホーチミンまでの1,700kmに渡って鉄道が通じている。通称南北統一鉄道。ハノイから乗った場合、ホーチミンまで所要30時間以上。
近隣国の中国、カンボジア、ラオスから国際バスや鉄道で入国できる。
中国の場合は南寧からハノイへの国際鉄道がある。
ラオスは最も長くベトナムと国境を接している。ビエンチャンからハノイ、フエ、ダナンなどに国際バスが運行している。
カンボジアの南側はホーチミンに近く、プノンペンとホーチミンの距離はわずか300km程度。直行バスで所要6時間程度。

(パッケージツアー)
ソウルやバンコクと並んで格安ツアーの目玉になりやすいベトナム。3~4日間程度のツアー(実質現地1日半~2日程度)が燃油込みで4万円程度からあり、航空券代を下回るものも。
ホテルを別に予約したとしても、パッケージツアーを調べておくと思わぬ掘り出しものに出会えるかも。

(空港)
ホーチミンの玄関口はタンソンニャット国際空港。かつては南ベトナム軍の管理下にあり、サイゴン国際空港と呼ばれた。
2007年に国際線の新ターミナル(ターミナル2)が開設され近代的な設備に生まれ変わっている。
ホーチミン市の北西、市街から8キロという好立地で、交通機関がそれほど整備されていないにもかかわらず空港アクセスは良い。タクシー、バス、ホテルの送迎などを使って市内にアクセスする。2015年には地下鉄が開業する予定。

タクシーは後述の「市内交通」を参照のこと。
空港タクシーは旅行者からぼったくろうと手ぐすね引いている。
プリペイドタクシーは比較的安全とされる。料金はメーターの場合市中心までおおよそ6USドル(約12万ドン)、プリペイドの場合8~10USドル(約16万~20万ドン)程度。
ただし、6ドルでスムーズに行ってくれるドライバーは少ない。出口で空港道路通行料5千ドンを払う必要がある(プリペイドの場合上乗せされているケースがあるらしいが、旅行者の証言によりかなり異なる)。所要20~30分程度。

安く市街に行きたい場合は市バス。安いだけでは無く安全でもある。
乗り場は国際線ターミナル到着フロア、ビルの右斜め前。
朝6時から午後6時40分まで、20分おきに運行しており、料金は5,000ドン(25円程度)と格安。荷物のサイズによって追加料金がとられる場合がある。終点はベンタイン市場近くのベンタイン・バスターミナル(=サイゴン・バス・ステーション)。所要30分程度。


地理と気候

ベトナムは東南アジア、インドシナ半島の東側海側を占め、国土は南北1,700km、東西600kmにおよぶ。ホーチミンはほぼ最南端で、北緯10度の赤道付近。典型的な熱帯性気候で、年間通して平均30度以上。
乾季の12月~4月がベストシーズン。5月から11月は雨季で雨が多い。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午が午前10時。サマータイムはない。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はベトナム語。
フランス領であったがフランス語の通じる可能性は高くない。
英語は観光客向けの商店、カフェでは通じる。若者に通じる場合もある。
漢字文化圏であったが公的な使用は廃止され、現在は声調(声の上がり下がりで語を示すルール)を表記できるクオック・グーというアルファベットが用いられる。ベトナム語の声調は6種類あり、語順によって意味が変わる文法の独特さもあって日本人が習得するハードルは高い。

物価は諸外国の中でも屈指の安さであったが、インフレと円安でうまみはうすれてきた。
それでも、交通機関、ホテル、食事という旅行者の3大支出はおおむね低い水準をキープしている。
Tripadvisorの「旅行者物価指数」によると、ハノイの場合(ホーチミンは記載が無い)ディナー代は各都市の中で最低レベル。タクシーも初乗り50円、ホテルはドミトリーなら数百円から、3つ星でも5,000円未満。食費の安さはありがたく、麺類やローカル食堂なら1食100円程度ということも。

もっとも何事もピンキリで、高級ホテルになれば1泊1万以上、食事もレストランなら日本と変わらない値段になることも。

通貨はベトナム・ドン(VND)。1ベトナム・ドン=0.0049円(14年4月時点)。
1万ドン=50円、2万ドン=100円=1USドルと覚えておくと便利。
物品には10%の消費税(VAT:Value Added tax)がかかる。
ちなみに1人あたりGDPの比較では、ベトナムは日本のおよそ1/20未満。日本の100円はベトナムの2,000円程度の価値がある、と考えておくと使いすぎないかもしれない。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが手軽。両替手数料が数パーセントかかる。

日本国内でベトナム・ドンに両替することは出来ない。ホーチミン市内で日本円も問題無く両替できる。
市中に両替所は多く、レートは
 両替所>銀行>ホテル
となる。ツーリストが集まるドンコイ通りには多くの両替商がある。

クレジットカードが通じる場面は多い。VISAかマスター推奨。

ベトナム・ドンは再両替のレートが悪いため、あまり一度に多く両替しない方がよい。
いっそベトナム・ドンに両替せず、USドルとクレカでなんとかしてしまうという手もある。USドルが通じる店は多く、そもそも高級ホテルなどはドル建て表示の場合もある(ただし、通達により将来的にはベトナム・ドン払いに統合されていく模様)。
一般にドンの方がレートは良く、両替もUSドルからより日本円からの方がレートが良い。

チップの習慣は無いが、たかってくる事例は多数。旅行者に頼んでもいないサービスを押し売りしUSドルのチップを請求されたら、1USドルのチップはおよそ2万ドンの価値であることを思い起こしたい。彼/彼女のそのサービスに2万ドンの価値があるか…?
市中で2万ドンあったら何が買えるか把握しておくとよいかも。


(画像:Vietnam Navi)


治安とビザ

全般に治安状況は良いが、ぼったくりタクシーや置き引きなど観光地に特有のトラブルは多い。窃盗、詐欺、いかさま賭博、ひったくりの他、性風俗・売春にまつわる被害も多い。
パスター通り、ドンコイ通り、ベンタィン市場などの繁華街や駅、ショッピングセンターではスリ、ひったくりに注意。夜間の1人歩きは避ける。

ほとんどのタクシーはメーター制だが、正規の業者をまねた偽装白タクなどトラブルは多い。白タク、バイタク、シクロにはトラブルが付きものと考えて、利用する時は自己責任で。たとえ交渉がスムーズに進んでも無事支払って降りるまで油断しない方が良い。
なお、交通事情は非常に悪く、慢性的に渋滞している。

軍事施設(鉄道、駅、港湾、橋梁なども含まれる)、軍人、警官などにカメラを向けない方が良い。

宗教上・慣習上の注意として人の頭に触れないこと(特にこどもの頭をなでたりしないこと)。寺院で肌を露出する服装は避ける。政治的な話題も避けた方が良い。


市内交通

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(写真tabinote)

(タクシー)
ホーチミンは地下鉄がなく(2020年開業予定)、現状旅行者にとってタクシーが移動の主役。
正規のタクシーは車体に社名と電話番号の表記があり、天井にTAXIの表記がある。もちろんメーター制。

白タク、偽業者の中にはメーターを倒さず、旅行者からふったくろうとするドライバーがいる。正規の業者でも、ドライバーによってそういったぼったくりタクシーの事案が報告されている。以下の信頼できるタクシー意外乗らない方が無難。

安全とされるのは、Vinasunタクシー、Mai Linhタクシー。

Vinasunタクシー

(画像:Vinasun Taxi)
車体は白、緑と赤のライン・
http://www.vinasuntaxi.com/contact-us

Mai Linhタクシー

(画像:hantaxi.com)
写真は白地に緑のサインだが、オールグリーンのクルマもある。
http://www.mailinh.vn/

他にSaigon Tourist、黄色い車体のVinaタクシーなども比較的評判がよいとされるが、媒体・体験者により評価にだいぶバラツキがある。

Saigon Tourist

(画像:Saigon Tourist)
http://saigontourist-stt.net/taxi/

Vinaタクシー

(画像:vietnamtravel.org)

料金は安い。会社によって異なるものの初乗り2キロがおおむね1万2000ドン~1万5000ドン。

ベトナムタクシーの注意
・上述通り、知らない業者、怪しいタクシーは避ける。そっくりな会社ロゴを貼っている偽タクシーもいる。ロゴがチープ、車体がボロボロか古いなどのタクシーも避けること。知らない会社のタクシーであれば、電話番号が覚えやすい表記かどうかも判断材料(8111 111 や 27 27 27 27など)。長年同じ番号で営業している目安となる。
・メーターはゼロが2つもしくは3つ省略されている(「20」と表記されている隣に「x1000VND」とあれば、20×1000=2万ドンということ、「X100VND」ということもある)ことがある。勝手に「20だから20万ドンだ」「20米ドルだ」などと偽る悪徳タクシーがいるので注意。
・メーターの回転が異常な速さの場合は速攻降りる。通常1km7,000ドン程度。
・空港と観光地はデンジャラスゾーン。旅行者からぼったくろうとタクシーが待ち構えている。空港はプリペイドカウンターがあるので、そこで手配すると安全。また、到着階ではなく出国階に移動しお客を乗せてきたタクシーをひろうという手も。観光地も少し歩いて、離れた場所で信頼できる流しのタクシーをつかまえるか、ホテルなどでタクシーに乗る。
・地図が読めない、おつりの計算が苦手なドライバーが多いとされている。ぼったくりではなく単なる間違いの可能性もあるのでそのあたりは大目に見る寛容さも必要。地図よりも住所を書いたカードの方がよい。

(バイクタクシー)
値段は交渉制でいろいろとモメる可能性があり、ガイドブックなどでも利用しないよう促す記述が多い。
しかし、慢性的な渋滞のホーチミンでつかいこなせればこれほど便利なものはないのも確か。料金交渉やトラブルをうけながせるような状況であれば利用するのも悪くない。

おおむね、料金は同距離をタクシーで行く場合の2/3程度を交渉の目安に。
ファングーラオからドンコイ通りまでおおむねタクシー1メーターの距離2km、1万~1万2千ドン程度。

料金交渉が面倒であれば1USドル札を沢山もっておくと良い。市内であれば大抵の場所は1ドルで行ってくれる。

観光案内や、男性の場合はマッサージ(風俗)を持ちかけてくるケースが多い。多くの場合はトラブルにつながるので自己責任で。

自転車リヤカーのシクロは完全に観光客向け。
料金交渉は根気が要ることも。

(バス)
市内バスはどこまで行っても均一で5,000ドン。使いこなせれば大変便利。
ドライバーは英語が通じない。自分の乗る路線のバス停で手を上げてバスを止め乗車。乗る際に、行き先バス停名のメモ(ベトナム語)を見せておくと降りるバス停で教えてくれる。

空港からの152番はエアコンバス。
普通の市バスにはエアコン無しのものもあり、混雑の中悪路を数時間過ごすのはなかなかハード。

バス料金に外国人枠の料金は無い。


ホテル

代表的なホテル街は目抜き通りのドンコイ通り。創業1925年の名物ホテル、マジェスティックやシェラトンをはじめ高級ホテルが多い。
安宿が集まるのはブイビエン通り・デタム通り。世界の安宿街に共通して安いメシ屋やツアー会社、ネットカフェなどが多く、長期滞在して情報収集するには便利。

高級ホテルは1泊100ドル以上。
中級で50ドル以上。このグレードでも1人なら十分な広さの快適な部屋に泊まれる。1泊30ドル程度のホテルはミニホテル、エコノミーホテルなどと呼ばれるが、清潔でビジネスセンターなどをそなえたものもある。
いわゆるドミトリー、ゲストハウスはそれほど多くないが、1泊10ドル程度。

客室はツインルームが多い。ルームチャージ制ではなく1人か2人かで値段が異なる。また、一般に15%の税金がかかる。

ホテル マジェスティック サイゴンの写真
ホテル マジェスティック サイゴン (トリップアドバイザー提供)


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ベトナムはプリペイドが主流で、旅行者も問題無くSIMを購入できる。
ベトナムの携帯会社は最大手のMobiFone、VinaPhone、Viettel Mobile、ロシアとの合弁Gmobile (Beeline)など。

後述の通り、無線LAN網が充実しているため、インターネット接続のみであればそちらを選択するという手も。市中の3G回線は実用的な速さだが、上限容量の速度制限にひっかかると何も出来なくなるほど遅い。

SIMは市中の携帯ショップや個人経営の店まで多くの場所で取り扱っているが、英語が通じる可能性を考え空港で購入し設定までまかせてしまった方が良い。通話がいらないのであればデータ通信のみのプランを選択。

料金はきわめて安い。

MobiFoneの場合、
・D1パッケージ:150M/日:8000ドン/日
・MIUパッケージ:600M/月:7万ドン/月
・BMIUパッケージ:3G/月:20万ドン月
など。
MobifoneのSIMが挿さっていれば、携帯から「9393」で24時間の日本語サポートを受けることが出来る。

VinaPhoneの場合、
・M50パッケージ:500M/月:5万ドン/月
・M120パッケージ:1.5G/月:12万ドン/月
・MAX200パッケージ:無制限/月:20万ドン/月(ただし3G以上は32kb/s制限)
など。

Viettel Mobileの場合、
・MI50パッケージ:450M/月(以降50kbごとに75ドン):5万ドン/月
・MIMaxパッケージ:無制限/月:7万ドン/月(ただし600M以上は速度制限)
・Dmax200パッケージ:無制限/月:20万ドン/月(ただし3G以上は速度制限)
など。

(WiFi)
WiFiの充実度はすばらしく、ほとんどのカフェ、レストランでWiFiが利用できる。
ケンタッキー、ロッテリア、スターバックス、ピザハットなどの外資チェーンはもちろん、現地系であってもチェーン店ならばほぼ確実にWiFiが通じている(※)。パスワードはテーブルに置いてある場合もあれば、店員に告げて受け取る場合もある。

ホテルは高級ホテルでも安宿でもおおむね無料でWiFiを提供している。

※ちなみにマクドナルドは14年2月にベトナム第1号店が開業したばかり。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:4/24(木)下川裕治さん スライド&トークショー

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旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「週末ベトナムでちょっと一服」発売記念
◆下川裕治さん  スライド&トークショー◆
「週末ベトナムの旅の楽しみ方」

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新刊『週末ベトナムでちょっと一服』(朝日文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ふらっと行く週末ベトナムの旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『週末台湾でちょっと一息』では、夜市のライスカレー、サイクリング、カジュマル、哀愁の北回帰線駅、自分で取り出すビールなど、ゆるくて深い週末の台湾旅行の楽しみ方を紹介していた下川さん。本作では、バイクの波を眺めながらの路上の屋台コーヒー、バゲットやムール貝、ビーフシチューから漂うフランスの香りといったおいしいベトナムをはじめ、ホーチミンとハノイという南北の微妙な関係や都市と地方の格差など、深くてゆるい週末のベトナム旅行の楽しみ方をオススメしています。ベトナム戦争の面影を追いかけながら経済発展するベトナムの今を描いた、下川さん独自のベトナムの旅の味わい方が聞けるはずです。
下川ファンの方はもちろん、ベトナムやホーチミン、ハノイが大好きな方や週末海外旅行に興味のある方はぜひご参加ください!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


下川裕治(しもかわゆうじ)

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1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。

◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/


【開催日時】  4月24日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:朝日新聞出版

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6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える
~YOU、たび行っちゃいなよ~

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ハマ姉

tabinoteサイトデザイン&制作担当。紅一点のアラフォー。J事務所と旅が好き。ハマ姉へのご意見・ご質問はこちら↓

知恵袋って・・飽きるよね

まあ分かってたんですよ。
世の中のほとんどの事は、Google様にお尋ねすれば大体の事が解決するって。
知恵袋で回答を得るのはピンポイントのテーマに限って有効だけど、不必要にストレスも溜まるって事も・・。
回答を必要としない生き方したっていいじゃないか!
(皆さんが回答を得たい旅程はtabinote旅程検索でお調べするよ!)

そんなタイミングで今回の「世界あの街この街」が「ホーチミン」なので、LCCでベトナム(ハノイ~ホーチミン)国内旅行(ホーチミン編)を読み返しながら懐かしく・・あれ?ホーチミンの内容薄www
まあお察しの通りベトナム準備編三部作からのハノイ編で力尽き、ホーチミン編をまじめに書く気にならなかったのです。

で、改めてホーチミン編を読み返していて、そういえば旅行記に書かなかったなーと思い出したサイゴン川渡しの客引きにつかまって怖い目にあった話でも書いて今回は終わりますw
(当時の臨場感に溢れたリアルタイム実況がFacebookに残っていたので、以下引用)

サイゴン川を渡るフェリーに乗ろうかと、船着き場へ。
まずい客引きにあい、なぜか漁船ボート(モーター式)に一人で乗るはめにwith船頭。

一時間ぐるっとまわって帰ってくるとのことで、最初は思いがけずジャングルクルーズだな…と思っていたが、茂みで急に止まるボート。
と、なぜか船頭、Tシャツ脱いだ!
ギャー神様!と思ったら、茂みに入りすぎて船がバックできないため、川にもぐって手動による方向転換を始める船頭。

アーユーオーケー?聞いたら草が絡まった的ジェスチャー。10分ほど川の中で格闘する船頭をただ見守る自分。
再度運転始めた船頭。絵になりそうなところでカメラよこせ撮ってやるというジェスチャー。
これは防水か?川のなかもとるか?と携帯を水没させるジョークに完全に強ばる私。

saigon
※のんきなポージングを要求されながらも、ひきつり顔で写真に収まるハマ姉

やっとスタート地点がみえ、これはチップぼられるのか…と覚悟するも、船着き場で着いたよ、とそっけなく終了。
これで一時間1400円、ぼられたのか否かわからん…

ショックをひきづりつつも、初めて公共バスに乗ってみようとしたら、目の前にいたおばはんにのりかたをだまされ、バス内で壮絶な言い争いに。
ペイドペイド!とめっちゃ怒った。問題なく乗れたけど…

そんなわけでいま、ぐったりしながら酒飲んでます…お疲れ、今日の俺…

~そして30分後~
しかもいま、飲んでたフォーの店に携帯忘れて帰ってきちゃって、あわてて店に走ったらあったというね…もう大人しくしていよう…

よし、以上です!
質問やご意見あればよろしくです!ないか?あってもいいよ!

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7. 編集後記

tabinoteワタベです。
4月になったのに夜は寒いですね。またまた南国が恋しくなってきました。

さて、下川さんの連載はサービス水準を進化させていくLCCについて。私もいつも荷物は機内持ち込みなので、荷物には頭を悩ませます。
吉田さんの原稿で初めてタイフェスティバルの日程を知りました。もうそんな季節ですね。
旅行記は大久保さんのジャカルタ滞在記後編です。ラストの盛り上がりがいい感じでしたねー。
さて、青木さんの世界一周ノートは前回の続き、アレの体験記です。そういえば青木さんは10月から旅に出てるんですね、もう半年…。

「世界あの街…」は先週の予告通りアジアの人気都市、ホーチミンです。
Hama姉はサイゴンでの心温まる思い出を書いてくれました。ネタになるので、どんどん差し障りある体験をしてほしいですね。
ガイドを書いてるくせに、実は私はベトナム未体験。来年あたりベトナム航空で行ってみたいと思いました。もちろん目的地はクチの地下トンネルです!
そういえば、4/24に西荻の「旅の本屋 のまど」で行われる下川さんのトークイベントもベトナムです。行く前に聞いておかないと…。

次号もよろしくお願いいたします。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

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一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

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次号は4/22(火)発行の予定です。

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