4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第17回 シドニー


シドニー
(トリップアドバイザー提供)

オーストラリア連邦・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

都会の快適さも美しいビーチも同時に味わえる南半球随一の大都市。ビーチや世界遺産のブルーマウンテンズなどの大自然を堪能するも良し、レストランでシーフードを楽しむも良し。イルミネーションや夜景の美しさも有名で、特にシドニー・ハーバーブリッジやオペラハウスが眺められるシドニー港からの眺めは必見。
世界で最も美しい都市の1つとされており、特に年末年始は温暖な気候と美しい港湾の景色、花火を目当てに多くの観光客が訪れる。

シドニー---Google-マップ
(地図-A:サーキュラー・キー、B:ダーリングハーバー、C:チャイナタウン、D:キングス・クロス)

シドニー街歩きの中心は「シティ」エリア。
港沿いのサーキュラー・キーからセントラル駅までの約3km程度の範囲をさす。シドニー随一のオフィス街・ショッピング街で、オペラハウスや歴史的な史跡など多くの見どころが集中する。
街歩きの起点になるのは中心部を南北にむすぶジョージストリート。
シドニー港の写真
シドニー港 (トリップアドバイザー提供)

サーキュラー・キーは5本の桟橋とオペラハウス、ハーバーブリッジがおりなす光景が有名で、まさにシドニーの代名詞的な場所。ハーバーブリッジのたもとから広がる一帯はロックスと呼ばれ、220年前の入植当時からの歴史をのこしている。歴史的な街並みがならび散策に最適。
ここでの見どころは、シドニー現代美術館、あやしいかおりただよう犯罪博物館。疲れたら名物ホテルのロードネルソン・ブリュワリーで一杯やろう。毎週土日は市場が立ち、おおぜいの人でにぎわう。
ザ ロード ネルソン ブルワリー ホテルの写真
ザ ロード ネルソン ブルワリー ホテル (トリップアドバイザー提供)

Justice & Police Museumの写真
Justice & Police Museum (トリップアドバイザー提供)

ハーバーブリッジに登りシドニーを眺めるアトラクションも人気。
シドニー・ハーバーブリッジの写真
シドニー・ハーバーブリッジ (トリップアドバイザー提供)

サーキュラー・キーの南は中心部、シティ。ジョージストリート沿いのタウンホールと壮麗なセントアンドリュース大聖堂、そしてだから320mのシドニータワーがランドマーク。ジョージストリートに並行するピット・ストリートはシドニー随一のショッピング・ストリート。歴史的な建築が美しい商店街、ストランド・アケードや百貨店デイビット・ジョーンズは買い物に興味が無くとも一見の価値あり。
Pitt Street Mallの写真
Pitt Street Mall (トリップアドバイザー提供)

ジョージストリートの東には緑が広がる。ロイヤル・ボタニックガーデンは30ヘクタール(東京ドーム6個分以上)の広大な広さ。アボリジニや地質などの展示が豊富なオーストラリア博物館、高さ75mの尖塔をほこるセント・メアリー大聖堂など市民の憩いの場。となりの囚人史跡、ハイドパーク・バラックスも見逃せない。
シドニー・セント・メアリー大聖堂の写真
シドニー・セント・メアリー大聖堂 (トリップアドバイザー提供)
Hyde Park Barracks Museumの写真
Hyde Park Barracks Museum (トリップアドバイザー提供)

シティの西側一帯、コックル湾に接するエリアがダーリングハーバー。海沿いはお土産えらびに最適な巨大モール、ハーバーサイド・ショッピング・センターやコンベンションホール、シドニー水族館、国立海洋博物館、カジノなど巨大アミューズメント施設がそろう。両替でおせわになる観光客も多い。意外なみどころはブラックウォーター湾に接する魚市場。ここはまさにシドニーの築地といったところで、シーフードレストランもずらりとそろっている。
シドニー フィッシュ マーケットの写真
シドニー フィッシュ マーケット (トリップアドバイザー提供)

ダーリングハーバーから内側、駅の方面に向かうとチャイナタウン。アジアの雰囲気ただようショッピング・ストリートで、中国本土さながらの中華料理も楽しみ。生鮮やスパイス、衣料品やキッチュなおみやげまで買い物天国。ここに入り浸りになる旅人も多い。
チャイナタウンの写真
チャイナタウン (トリップアドバイザー提供)

一方、シティの東側一帯はオーストラリア最大の歓楽街にして安宿街のキングス・クロス。世界の安宿街に共通して、カフェが多くツアー情報も手に入りやすい。メイン通りはナイトクラブが軒を連ねるダーリングハースト・ロード。夜は危険な雰囲気もただよう。
キングス・クロスの写真
キングス・クロス (トリップアドバイザー提供)
ここでの隠れた名所はユダヤ人博物館。一見地味そうな名称だが、ホロコーストを中心に編成された展示は物見遊山気分を粉砕するインパクト。

郊外観光といえばボンダイビーチ。シティからバスに乗りわずか20分で、白い砂浜と紺碧の海に出会える。海水浴なんて1ミリも興味が無いという諸兄も、知る人ぞ知るトップレス・ビーチと知ったら興味がわくかも(ただしそんなに期待しない方が吉)。
ボンダイビーチの写真
ボンダイビーチ (トリップアドバイザー提供)

そして、車で90分ほど行けば世界遺産のブルーマウンテンズにたどりつける。シドニー市内から日帰りツアーも数多くでているので、上手に利用したい。切り立った崖と緑、スリー・シスターズに代表される奇岩などダイナミックな自然に圧倒される。3億年前に形成されたという世界最古の巨大鍾乳洞、ジェノランケーブはブルーマウンテンズ以上の見どころ。ぜひ旅程に組み込みたい。
ブルー マウンテンズの写真
ブルー マウンテンズ (トリップアドバイザー提供)
ジェノラン洞窟の写真
ジェノラン洞窟 (トリップアドバイザー提供)

コアラを見たければポート・ジャクソン湾を越えてタロンガ動物園へ。東京ドーム6個分の敷地に無数の動物たちが放し飼いにされ、夜はサファリツアーもある。
この他郊外観光では、ハーバークルーズやワインツアー、野生のカンガルーを見るツアーなどが代表的。

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VELTRA


Photos of Rock Lobster Restaurant, Nelson Bay
This photo of Rock Lobster Restaurant is courtesy of TripAdvisor

オーストラリアといえば巨大なロブスターをはじめとするシーフード、牛肉料理が連想される。
世界から移民が集まってつくられた街であることから、西欧はもちろん中華系・ベトナム系・タイ系・インド系・レバノン系など各国の料理もレベルが高い。日本料理・スシ店も無数にある。自然の恵みと各国の食文化が切磋琢磨され、お金に糸目をつけなければ食の満足度は高い。

毎食ぜいたくできない、という場合でもテイクアウトやB級グルメが充実している。ミートパイや揚げ物、ステーキなどは安くお腹いっぱいになる。カロリーが気になるなら、アジア系の店が良い。
コーヒーやチョコレートのレベルも高く、カフェも充実している。

酒類販売は許可制となっている。許可をとっていないレストランはお酒の持ち込み自由(BYO=Bring Your Ownシステム:ワイン1本につきCorkageという名目の持ち込み料が数ドル程度必要)。BYOレストランの近くで酒屋をみつけることができる。許可を受けているライセンスド・レストランでもワインはBYO可能なことが多い。
シドニー住民の飲酒率は高く、昼からビールを飲む人も珍しくない。パブで1杯だけひっかけ数件はしごすることも普通。


日本からの行き方

(空路)
直行便で行く場合と、LCCなどを乗り継いでいく方法がある。
直行便は名門カンタス航空が安く、成田から往路復路それぞれ9時間程度で8万台から。JAL便もあり、11万程度。いずれも毎日運行している。

乗り継ぎの場合LCCで安く行けないかと期待してしまうが、残念ながらそれなりに高い。ジェットスター、もしくはスクートが候補となるが、ケアンズもしくはシンガポールを経由してやはり8万~。シーズンによっては10万超えることも珍しくない。
どちらかといえばスクートが安めだが、シンガポールまで移動する分だけ移動時間は長め(ジェットスターが12時間程度、スクートは20時間以上)。いずれもキャンペーンに期待したい。

関空の場合もやはりカンタスが第一候補。同社の日本国内乗り継ぎサービスを利用し、成田から飛ぶのが最も得になる場合が多い。国内乗り継ぎサービスは、往復1万円で国内の各都市から成田に乗り継ぐことができるサービス。ジェットスターで関空からケアンズに向かい、ケアンズから国内線でシドニー経由に向かうという手もあるが、やはりおもったほど安くはない。

週末・祝祭日の他、リゾートシーズン、学生の休暇時期には価格がはね上がるのも特徴。
また、国際会議やイベントなど、航空券がはやめに無くなったりホテルが高騰するという場合も。
早めの予約を心がけ、なるべくシーズンオフや平日を狙いたい。

(海路・陸路)
一般的な手段で、日本からシドニーに海路・陸路で向かうことはできない。
(東南アジア起点の旅客クルーズ船は存在する)

(パッケージツアー)
シーズンオフであれば中国南方航空などを使った4泊5日プラン(機中2泊)で8万円という激安プランもある。JALやカンタス便であれば4泊5日で15万程度になる。
後述の通りホテル代が高いので、プランによってはパッケージツアーが得になることも。

(空港)
シドニーの玄関口はシドニー・キングスフォード・スミス国際空港(SYD)。
単にシドニー空港で通じる。市街中心部から南西に10km程度。
オーストラリア最大の空港で、南半球でも屈指の規模だが24時間空港ではない。
空港内はショップやレストランなどが充実している。

国際線はターミナル1に到着する。他のターミナルとはシャトルバスが運行。
入国審査の検疫の厳しさは有名。
ツーリスト・インフォメーションで地図をもらったら構外へ。

空港から市街中心部シティまではタクシーで45~55豪ドル、20分程度。通常のメーターレートに加えて空港使用料3.75豪ドルが追加される。ホテル名もしくは住所を言えば概ね正確に運転してくれる。

鉄道(エアポートリンク)がおよそ10分おきに出ている。中心部シティまで13分。片道15.9豪ドル。

路線バスの場合はルート400か410(Bondi JunctionとBurwood間ルート)。
ホテルが路線上の近くであれば要検討だが、シティには行かずPrePayという前払い専用車(ルート410)が多いため旅行者へのハードルは高い。Bondi Junctionまで1時間。料金は現金の場合14.6豪ドル。バスの仕組みは後述。


地理と気候

オーストラリアの時間帯は東部・中央部・西部の3区分に分かれている。シドニーのある東部は日本にプラス1時間の時差(日本の正午が午後1時)。サマータイムはプラス2時間となる。
サマータイムは南半球のため日本の夏と逆で、原則10月最終日曜から3月最終日曜。

9~11月が春で最高気温は20度前後、12月~2月が夏で気温は同25~30度程度。3月~5月が秋となり同20度、6月~8月が冬となり最高気温も15度程度まで下がる。

年間通して温暖、かつ時差も小さいため、日本からは格好のリゾートになる。日射しは通年で強いく、空気も乾燥している。夜間の急な冷え込みもあるので、サングラスと羽織る物は季節を問わず準備したい。

暖かい夏がベストシーズンで、11月・2月頃は比較的航空券も安い。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語は英語。
英語圏でありコミュニケーションは容易な方だが、「エイ」を「アイ」と発音するなど独特なルールのオーストラリア訛りがある。TOEICテスト(国際ビジネスコミュニケーション協会)でも受験者を悩ませている。

通貨はオーストラリアドル(AUD)。1豪ドル=92.2円(14年2月時点)。およそ100円と覚えておけば使いすぎることは無い。

物価はかなり高め。Tripadvisorの「旅行者物価指数」によると、ホテル・タクシー・ディナー・カクテル代共に東京と同じかそれを上回り、北欧と並ぶ世界トップの水準となっている。

ホテル代はツインの部屋で東京と概ね同等。ルームチャージのため複数人で泊まるなら割安だが、1人旅ではやや割高。シングルルームは不足している。
食事はピンキリだが、ステーキやエスニックタウンでの食事などは比較的割安。また、2人~3人でシェアするような食事であれば安上がり。高級レストランは当然高いが、日本で味わえない素晴らしい素材を使った眺めの良いロケーションを考えると割安と思えることも。お酒が持ち込み可の店ならディナーも安く済ませることができる。
一方で、ちょっとしたランチが15ドル・20ドルすることもあり、特に観光地では高め。
食費を抑えたければ、テイクアウトやフードコートを利用したり、食材を買って自炊する手がある。シドニー名物ミートパイは5~6ドル程度。
また、缶飲料やミネラルウォーター、日用雑貨など日本なら100円~数百円程度のものが意外に高くつく。

交通費も安くは無い。タクシーが昼間初乗り3.5豪ドル。夜間22時以降は初乗り6ドルにはね上がる。有料道路別途。鉄道初乗り3.6ドル。

愛煙家が注意しておいた方が良いのはタバコの高さ。
1箱20ドル~と日本とは比べものにならないほど高く、ほとんどが税金。加えてパッケージには「WARNING」という特大プリントと共に真っ黒な肺や癌病巣など気の滅入る写真がプリントされている。
紙巻きタバコは50本まで持ち込み免税なので、タバコが手放せないという場合にはできるだけ持っていった方が良い。安く買いたければチャイナタウンが比較的手ごろ。日本人を見かけるとタバコをねだってくる人も。

シドニーは基本的に屋内での喫煙は禁止で(ホテルの自室でもダメ)、屋外でも指定場所以外で喫煙すると罰金となる。苦労してタバコを入手してもロクに吸えず、余計にストレスが溜まるということも…。いっそ滞在中は禁煙するのも一案。


タバコのパッケージ(出典:Wikipedia)

商品価格には10%の消費税(GST:Goods and Services Tax)が上乗せされている。同じ店で300ドル以上の買い物をした場合には税金が還付される制度がある(TRS:Tourist Refund Scheme)。
条件は「未使用の場合」であり、商品を開封したり、現地ツアーなど即時消費されたサービスには対象外。また、出国の前日60以内に購入したものだけに適用される。
300ドル以上購入した店舗で「TAX INVOICE」を発行してもらう。100ドルずつ3日に分けて買ったなど、60日以内であれば同一日でなくとも累計額で「TAX INVOICE」を発行してもらえる。
空港での出国審査後にTRSカウンターに行って手続きをするが、「TAX INVOICE」とパスポート、航空券の他に購入商品が必要。液体の化粧品、ワインなど手荷物で持ち込めないものは預け入れ荷物に入れてある前提で申請する。手続きは出発便の30分前までで、カウンターが混み合っていることもあるので申請の際は早めに空港移動した方が良い。
ワインはGSTではなく、14.5%分の酒税(WET:Wine Equalisation Tax)が還付される。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが有利。
日本の空港にある銀行でもオーストラリアドルは入手できるが、レートは悪い。
両替所のレートはまちまちで、タウンホールのKVB Kunlun(紀伊國屋書店の入るシティグループ・センタービル18階)や、タウンホールの留学エージェントTravel & Travelはレートが有利で在留邦人にも有名。
他、ロックスの免税店DFS(※)やダーリングハーバーのStar City Casinoも、現地にお金を落としてほしいためかレートは良い。

クレジットカードが通じる場面は多い。VISAかマスター推奨。

イギリス連邦ではあるが、チップの習慣は薄い。高級レストランでサービス料が乗っていない場合のみ、伝票に1割程度のチップ相当額を追加し払う。ポータやルームサービスには5ドル程度。タクシーでも基本的には不要。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

オーストラリアは比較的治安が良い国ではあるが、安全というイメージを持ちすぎると危険。オーストラリアの強盗や暴行・性犯罪の発生率は日本の20倍にもおよぶ(在シドニー日本国領事館)。
観光地や駅を中心にスリ、置き引きは頻発している。ホテルやレストラン、ショップ内でも手荷物から目を離したり、放置したまま席を離れたりすると高確率で無くなる。
夜間の1人歩きは避けた方が良い。特に、歓楽街キングス・クロス地区やチャイナタウンは昼夜を問わず要注意。
キングクロスは警官も多いのでメインストリートを複数で歩くのであればそれほど警戒する必要は無いが、一歩裏に入ると風体の悪い酔っ払いや若者がたまっていたり、薬物売買の集団など危険な場面にでくわすことも。

先の大戦、太平洋戦争の話題はあまり深入りしない方が良い。

ビザ無しで行けそうな国、というイメージがあるが、オーストラリア入国にはビザが必要。短期観光滞在も例外ではない。
ただし、ほとんどの旅行者はETAS (Electronic Travel Authority System)という電子ビザで済む。3ヶ月以内の観光目的の場合はETASの適用対象となり、1年間有効(有効期間中何度でも3ヶ月上限で入国・滞在できる)。インターネットで申請し、即時に発行される。支払いはクレジットカード。


市内交通

(タクシー)
日本と同様に手を上げて空車を停め乗車。空車はオレンジのライトが点灯している。
自動ドアではないので自分で開閉する。
昼間の初乗りが3.5豪ドル、1kmごとに2.14ドル。迎車は2.4ドル追加。夜間22時以降は初乗り6ドルで、有料道路別途。
支払いは現金もしくはクレジットカード。カードの場合には手数料が10%かかる。

(地下鉄・鉄道・フェリー)
鉄道(Train)は主にシドニーの市街地と郊外を結んでいる。
ライトレールという路面電車もあり、セントラルからチャイナタウン(Capitol Square駅)やフィッシュマーケットなどを経由してリリーフィールドまでを結ぶ。

一回毎の乗車に切符を買うこともできるが、一定期間・距離だけ乗り放題のパスがある。マイマルチパスはゾーン内の乗り降り自由なパスで、マイマルチ1の1週間パスが大人44ドル。1日だけ乗り放題のマイマルチデイパスは22ドル。駅などで購入可能。
購入場所

日本のSuicaのようなOpal Cardという非接触型のカードも広まりつつある。木曜から土曜までは一日上限15豪ドルで以降の乗車が無料になる他、週8回以上の乗車が無料、日曜日は上限2.5豪ドルで乗り放題など多くの特典がある。
また、市内交通とミュージアムの入場料やレストランの割引などがセットになったAtraction Passというものもある。
Opal Card:購入場所

Sydney Attraction Pass

ポート・ジャクソン湾の対岸、ノースショア側やタロンガ動物園に向かうにはフェリーが欠かせない。フェリー乗り場はサーキュラー・キーで、鉄道と同じくパス、Opalカードを使うこともできる。

(バス)
以下の通り難易度はやや高いが、市街をくまなく網羅するバスを乗りこなせれば非常に便利。

マイマルチ、Opal(※)が使える他、回数券(トラベル10)も販売されている。
※Opalで乗れるバスはルート333、594など限られている。

プリペイドでないと乗れないバスの場合はパスを使うか、乗車前に事前にチケットを買っておく。
シドニーのバス料金はセクション制という独特な仕組み。バス停毎に番号がふってあり、降車バス停番号と乗車バス停番号の差をセクションという。たとえば乗車バス停がセクション番号10番、降車が23番の場合、差し引き13セクションとなる。
料金は以下の通り。
・セクション2以下の場合はMyBus1という料金区分で、大人2.2豪ドル
・セクション3以上5以下の場合はMyBus2という区分で、同2.6ドル
・セクション6以上はすべてMyBus3となり同4.6ドル

このような料金計算は面倒なので、プリペイドで無ければ乗車時に行き先を告げて運転手にどの料金区分かを判断してもらうことになる。路線図は必須(以下のWEBサイトおよびTransit Shopで入手可能)。

バスはバス停で手を上げて止める(手を上げないと走り去る)。前乗り・前払い制。
パスがある場合はチケットリーダーにパスを挿す。パスが無ければ上述の通り告げられた料金を払う。
降りる際には日本と同様に降車ブザーを押す。

シティ内にはルート555という無料巡回バスが走っており、面倒な料金計算なく自由に乗り降りできる。サーキュラー・キー、チャイナタウン、セントラル駅など主要スポットを周回している。

(レンタカー)
公共交通機関ではないが、広いオーストラリアを移動するには便利。原則25才以上(21歳以上でOKの場合もあり)。
空港およびシティのウイリアム・ストリートに営業所が点在している。クレジットカード会社の特典などがあれば安く利用できる。
交通ルールは右ハンドル左側通行で日本と同じ。制限速度は標識によるが60キロ程度。海外に多いラウンドアバウトというロータリー式の交差点に注意。


ホテルとシーズン

シドニー滞在の悩みはホテル代。
3つ星ホテルでも100豪ドルを超える。5つ星なら最低250豪ドルといったところ。
中心部や景色の良い地区では200豪ドルを下回る物件は貴重。サーキュラー・キー、ロックスといった港湾沿いで眺めの良いホテルは高く、すぐに満室になる。
航空券と同様、年末など繁忙期はレートもはね上がり、通常の倍程度になることも珍しくない(それでもすぐに埋まってしまう)。

ホテルの場合は概ね一泊1.5万円は見ておいた方が良い。比較的手ごろなホテルが多いのはチャイナタウンやヘイマーケット周辺。
ネットで手ごろな宿があっても、郊外であれば交通費などで結局高く付くことがあり、結局中心部に近いロケーションの宿を早めにおさえるのが最善手となる。

シドニーには、パブホテルと呼ばれる飲み屋(パブ)と融合した業態がある。ホテルという名称でもパブ営業のみになっている場合が多いが、一部が宿泊施設として稼働している。

一方、ホステルもある。こちらはドミトリーで30豪ドル程度、個室でも60豪ドルとだいぶ手ごろ。
歓楽街キングス・クロス周辺のあたりにはバックパッカー向けの安宿が集結している。
郊外にはB&Bもある。モーテルは車で長距離移動する際には便利。

自炊で費用を安く上げたい、長期滞在目的であればアパートメント・ホテルという手段もある。豪華なアパートメントはそれなりに値が張るが、全般にはホテルよりも手ごろ。複数人での滞在にもおすすめ。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
オーストラリアの大手携帯会社はTelstra、Optus、Vodafoneなど。
シドニー国際空港にはOptus、Vodafoneのカウンターがある。Telstraは最大手で、電波状況は最も良好とされる。Telstraの店舗は市内にある他、携帯ショップや家電店、コンビニでSIMが購入できる。設定は購入時に店員に依頼するのが無難。

データ定額は無く、500M~2ギガ程度のデータパックが主流、超過時は従量制で加算(2豪ドル/M)。
オーストラリアの携帯プランには「CAP」という表記が頻出する。CAPは上限を表し、そのプランに附帯する無料通話分の料金を示す。例えば、30豪ドルのプリペイドプランで250豪ドル($30 Recharge and $220 Cap Credit)となっていた場合、220豪ドル相当のクレジットが含まれているという意味。

SIMの購入は容易だが、ベスト・プランの絞り込みにはやや知恵が必要。滞在期間とデータ通信のみなのか通話も必要かを伝えて店員に選んでもらうのが良いかもしれない。

(WiFi)
多くの場所でWiFiが通じている。
マクドナルド、スターバックスは万国共通で無料Wifiを提供している。スターバックスはかつて有料だったが、無料に切り替えた模様。
ホテルでの接続は有料が多く、高級ホテルでは20ドル/日以上チャージするなど意外に高い。宿選びの際には注意が必要(むしろゲストハウスの方が無料でWifiを提供している場合が多い)。

シドニー国際空港で無料Wifiを提供している。ネットワークから「SYD」を選択するだけの手軽さ。接続開始から2時間または500MByteまでの制限あり。

4. 世界あの街この街: シドニー


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第17回 シドニー


シドニー
(トリップアドバイザー提供)

オーストラリア連邦・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

都会の快適さも美しいビーチも同時に味わえる南半球随一の大都市。ビーチや世界遺産のブルーマウンテンズなどの大自然を堪能するも良し、レストランでシーフードを楽しむも良し。イルミネーションや夜景の美しさも有名で、特にシドニー・ハーバーブリッジやオペラハウスが眺められるシドニー港からの眺めは必見。
世界で最も美しい都市の1つとされており、特に年末年始は温暖な気候と美しい港湾の景色、花火を目当てに多くの観光客が訪れる。

シドニー---Google-マップ
(地図-A:サーキュラー・キー、B:ダーリングハーバー、C:チャイナタウン、D:キングス・クロス)

シドニー街歩きの中心は「シティ」エリア。
港沿いのサーキュラー・キーからセントラル駅までの約3km程度の範囲をさす。シドニー随一のオフィス街・ショッピング街で、オペラハウスや歴史的な史跡など多くの見どころが集中する。
街歩きの起点になるのは中心部を南北にむすぶジョージストリート。
シドニー港の写真
シドニー港 (トリップアドバイザー提供)

サーキュラー・キーは5本の桟橋とオペラハウス、ハーバーブリッジがおりなす光景が有名で、まさにシドニーの代名詞的な場所。ハーバーブリッジのたもとから広がる一帯はロックスと呼ばれ、220年前の入植当時からの歴史をのこしている。歴史的な街並みがならび散策に最適。
ここでの見どころは、シドニー現代美術館、あやしいかおりただよう犯罪博物館。疲れたら名物ホテルのロードネルソン・ブリュワリーで一杯やろう。毎週土日は市場が立ち、おおぜいの人でにぎわう。
ザ ロード ネルソン ブルワリー ホテルの写真
ザ ロード ネルソン ブルワリー ホテル (トリップアドバイザー提供)

Justice & Police Museumの写真
Justice & Police Museum (トリップアドバイザー提供)

ハーバーブリッジに登りシドニーを眺めるアトラクションも人気。
シドニー・ハーバーブリッジの写真
シドニー・ハーバーブリッジ (トリップアドバイザー提供)

サーキュラー・キーの南は中心部、シティ。ジョージストリート沿いのタウンホールと壮麗なセントアンドリュース大聖堂、そしてだから320mのシドニータワーがランドマーク。ジョージストリートに並行するピット・ストリートはシドニー随一のショッピング・ストリート。歴史的な建築が美しい商店街、ストランド・アケードや百貨店デイビット・ジョーンズは買い物に興味が無くとも一見の価値あり。
Pitt Street Mallの写真
Pitt Street Mall (トリップアドバイザー提供)

ジョージストリートの東には緑が広がる。ロイヤル・ボタニックガーデンは30ヘクタール(東京ドーム6個分以上)の広大な広さ。アボリジニや地質などの展示が豊富なオーストラリア博物館、高さ75mの尖塔をほこるセント・メアリー大聖堂など市民の憩いの場。となりの囚人史跡、ハイドパーク・バラックスも見逃せない。
シドニー・セント・メアリー大聖堂の写真
シドニー・セント・メアリー大聖堂 (トリップアドバイザー提供)
Hyde Park Barracks Museumの写真
Hyde Park Barracks Museum (トリップアドバイザー提供)

シティの西側一帯、コックル湾に接するエリアがダーリングハーバー。海沿いはお土産えらびに最適な巨大モール、ハーバーサイド・ショッピング・センターやコンベンションホール、シドニー水族館、国立海洋博物館、カジノなど巨大アミューズメント施設がそろう。両替でおせわになる観光客も多い。意外なみどころはブラックウォーター湾に接する魚市場。ここはまさにシドニーの築地といったところで、シーフードレストランもずらりとそろっている。
シドニー フィッシュ マーケットの写真
シドニー フィッシュ マーケット (トリップアドバイザー提供)

ダーリングハーバーから内側、駅の方面に向かうとチャイナタウン。アジアの雰囲気ただようショッピング・ストリートで、中国本土さながらの中華料理も楽しみ。生鮮やスパイス、衣料品やキッチュなおみやげまで買い物天国。ここに入り浸りになる旅人も多い。
チャイナタウンの写真
チャイナタウン (トリップアドバイザー提供)

一方、シティの東側一帯はオーストラリア最大の歓楽街にして安宿街のキングス・クロス。世界の安宿街に共通して、カフェが多くツアー情報も手に入りやすい。メイン通りはナイトクラブが軒を連ねるダーリングハースト・ロード。夜は危険な雰囲気もただよう。
キングス・クロスの写真
キングス・クロス (トリップアドバイザー提供)
ここでの隠れた名所はユダヤ人博物館。一見地味そうな名称だが、ホロコーストを中心に編成された展示は物見遊山気分を粉砕するインパクト。

郊外観光といえばボンダイビーチ。シティからバスに乗りわずか20分で、白い砂浜と紺碧の海に出会える。海水浴なんて1ミリも興味が無いという諸兄も、知る人ぞ知るトップレス・ビーチと知ったら興味がわくかも(ただしそんなに期待しない方が吉)。
ボンダイビーチの写真
ボンダイビーチ (トリップアドバイザー提供)

そして、車で90分ほど行けば世界遺産のブルーマウンテンズにたどりつける。シドニー市内から日帰りツアーも数多くでているので、上手に利用したい。切り立った崖と緑、スリー・シスターズに代表される奇岩などダイナミックな自然に圧倒される。3億年前に形成されたという世界最古の巨大鍾乳洞、ジェノランケーブはブルーマウンテンズ以上の見どころ。ぜひ旅程に組み込みたい。
ブルー マウンテンズの写真
ブルー マウンテンズ (トリップアドバイザー提供)
ジェノラン洞窟の写真
ジェノラン洞窟 (トリップアドバイザー提供)

コアラを見たければポート・ジャクソン湾を越えてタロンガ動物園へ。東京ドーム6個分の敷地に無数の動物たちが放し飼いにされ、夜はサファリツアーもある。
この他郊外観光では、ハーバークルーズやワインツアー、野生のカンガルーを見るツアーなどが代表的。

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VELTRA


Photos of Rock Lobster Restaurant, Nelson Bay
This photo of Rock Lobster Restaurant is courtesy of TripAdvisor

オーストラリアといえば巨大なロブスターをはじめとするシーフード、牛肉料理が連想される。
世界から移民が集まってつくられた街であることから、西欧はもちろん中華系・ベトナム系・タイ系・インド系・レバノン系など各国の料理もレベルが高い。日本料理・スシ店も無数にある。自然の恵みと各国の食文化が切磋琢磨され、お金に糸目をつけなければ食の満足度は高い。

毎食ぜいたくできない、という場合でもテイクアウトやB級グルメが充実している。ミートパイや揚げ物、ステーキなどは安くお腹いっぱいになる。カロリーが気になるなら、アジア系の店が良い。
コーヒーやチョコレートのレベルも高く、カフェも充実している。

酒類販売は許可制となっている。許可をとっていないレストランはお酒の持ち込み自由(BYO=Bring Your Ownシステム:ワイン1本につきCorkageという名目の持ち込み料が数ドル程度必要)。BYOレストランの近くで酒屋をみつけることができる。許可を受けているライセンスド・レストランでもワインはBYO可能なことが多い。
シドニー住民の飲酒率は高く、昼からビールを飲む人も珍しくない。パブで1杯だけひっかけ数件はしごすることも普通。


日本からの行き方

(空路)
直行便で行く場合と、LCCなどを乗り継いでいく方法がある。
直行便は名門カンタス航空が安く、成田から往路復路それぞれ9時間程度で8万台から。JAL便もあり、11万程度。いずれも毎日運行している。

乗り継ぎの場合LCCで安く行けないかと期待してしまうが、残念ながらそれなりに高い。ジェットスター、もしくはスクートが候補となるが、ケアンズもしくはシンガポールを経由してやはり8万~。シーズンによっては10万超えることも珍しくない。
どちらかといえばスクートが安めだが、シンガポールまで移動する分だけ移動時間は長め(ジェットスターが12時間程度、スクートは20時間以上)。いずれもキャンペーンに期待したい。

関空の場合もやはりカンタスが第一候補。同社の日本国内乗り継ぎサービスを利用し、成田から飛ぶのが最も得になる場合が多い。国内乗り継ぎサービスは、往復1万円で国内の各都市から成田に乗り継ぐことができるサービス。ジェットスターで関空からケアンズに向かい、ケアンズから国内線でシドニー経由に向かうという手もあるが、やはりおもったほど安くはない。

週末・祝祭日の他、リゾートシーズン、学生の休暇時期には価格がはね上がるのも特徴。
また、国際会議やイベントなど、航空券がはやめに無くなったりホテルが高騰するという場合も。
早めの予約を心がけ、なるべくシーズンオフや平日を狙いたい。

(海路・陸路)
一般的な手段で、日本からシドニーに海路・陸路で向かうことはできない。
(東南アジア起点の旅客クルーズ船は存在する)

(パッケージツアー)
シーズンオフであれば中国南方航空などを使った4泊5日プラン(機中2泊)で8万円という激安プランもある。JALやカンタス便であれば4泊5日で15万程度になる。
後述の通りホテル代が高いので、プランによってはパッケージツアーが得になることも。

(空港)
シドニーの玄関口はシドニー・キングスフォード・スミス国際空港(SYD)。
単にシドニー空港で通じる。市街中心部から南西に10km程度。
オーストラリア最大の空港で、南半球でも屈指の規模だが24時間空港ではない。
空港内はショップやレストランなどが充実している。

国際線はターミナル1に到着する。他のターミナルとはシャトルバスが運行。
入国審査の検疫の厳しさは有名。
ツーリスト・インフォメーションで地図をもらったら構外へ。

空港から市街中心部シティまではタクシーで45~55豪ドル、20分程度。通常のメーターレートに加えて空港使用料3.75豪ドルが追加される。ホテル名もしくは住所を言えば概ね正確に運転してくれる。

鉄道(エアポートリンク)がおよそ10分おきに出ている。中心部シティまで13分。片道15.9豪ドル。

路線バスの場合はルート400か410(Bondi JunctionとBurwood間ルート)。
ホテルが路線上の近くであれば要検討だが、シティには行かずPrePayという前払い専用車(ルート410)が多いため旅行者へのハードルは高い。Bondi Junctionまで1時間。料金は現金の場合14.6豪ドル。バスの仕組みは後述。


地理と気候

オーストラリアの時間帯は東部・中央部・西部の3区分に分かれている。シドニーのある東部は日本にプラス1時間の時差(日本の正午が午後1時)。サマータイムはプラス2時間となる。
サマータイムは南半球のため日本の夏と逆で、原則10月最終日曜から3月最終日曜。

9~11月が春で最高気温は20度前後、12月~2月が夏で気温は同25~30度程度。3月~5月が秋となり同20度、6月~8月が冬となり最高気温も15度程度まで下がる。

年間通して温暖、かつ時差も小さいため、日本からは格好のリゾートになる。日射しは通年で強いく、空気も乾燥している。夜間の急な冷え込みもあるので、サングラスと羽織る物は季節を問わず準備したい。

暖かい夏がベストシーズンで、11月・2月頃は比較的航空券も安い。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語は英語。
英語圏でありコミュニケーションは容易な方だが、「エイ」を「アイ」と発音するなど独特なルールのオーストラリア訛りがある。TOEICテスト(国際ビジネスコミュニケーション協会)でも受験者を悩ませている。

通貨はオーストラリアドル(AUD)。1豪ドル=92.2円(14年2月時点)。およそ100円と覚えておけば使いすぎることは無い。

物価はかなり高め。Tripadvisorの「旅行者物価指数」によると、ホテル・タクシー・ディナー・カクテル代共に東京と同じかそれを上回り、北欧と並ぶ世界トップの水準となっている。

ホテル代はツインの部屋で東京と概ね同等。ルームチャージのため複数人で泊まるなら割安だが、1人旅ではやや割高。シングルルームは不足している。
食事はピンキリだが、ステーキやエスニックタウンでの食事などは比較的割安。また、2人~3人でシェアするような食事であれば安上がり。高級レストランは当然高いが、日本で味わえない素晴らしい素材を使った眺めの良いロケーションを考えると割安と思えることも。お酒が持ち込み可の店ならディナーも安く済ませることができる。
一方で、ちょっとしたランチが15ドル・20ドルすることもあり、特に観光地では高め。
食費を抑えたければ、テイクアウトやフードコートを利用したり、食材を買って自炊する手がある。シドニー名物ミートパイは5~6ドル程度。
また、缶飲料やミネラルウォーター、日用雑貨など日本なら100円~数百円程度のものが意外に高くつく。

交通費も安くは無い。タクシーが昼間初乗り3.5豪ドル。夜間22時以降は初乗り6ドルにはね上がる。有料道路別途。鉄道初乗り3.6ドル。

愛煙家が注意しておいた方が良いのはタバコの高さ。
1箱20ドル~と日本とは比べものにならないほど高く、ほとんどが税金。加えてパッケージには「WARNING」という特大プリントと共に真っ黒な肺や癌病巣など気の滅入る写真がプリントされている。
紙巻きタバコは50本まで持ち込み免税なので、タバコが手放せないという場合にはできるだけ持っていった方が良い。安く買いたければチャイナタウンが比較的手ごろ。日本人を見かけるとタバコをねだってくる人も。

シドニーは基本的に屋内での喫煙は禁止で(ホテルの自室でもダメ)、屋外でも指定場所以外で喫煙すると罰金となる。苦労してタバコを入手してもロクに吸えず、余計にストレスが溜まるということも…。いっそ滞在中は禁煙するのも一案。


タバコのパッケージ(出典:Wikipedia)

商品価格には10%の消費税(GST:Goods and Services Tax)が上乗せされている。同じ店で300ドル以上の買い物をした場合には税金が還付される制度がある(TRS:Tourist Refund Scheme)。
条件は「未使用の場合」であり、商品を開封したり、現地ツアーなど即時消費されたサービスには対象外。また、出国の前日60以内に購入したものだけに適用される。
300ドル以上購入した店舗で「TAX INVOICE」を発行してもらう。100ドルずつ3日に分けて買ったなど、60日以内であれば同一日でなくとも累計額で「TAX INVOICE」を発行してもらえる。
空港での出国審査後にTRSカウンターに行って手続きをするが、「TAX INVOICE」とパスポート、航空券の他に購入商品が必要。液体の化粧品、ワインなど手荷物で持ち込めないものは預け入れ荷物に入れてある前提で申請する。手続きは出発便の30分前までで、カウンターが混み合っていることもあるので申請の際は早めに空港移動した方が良い。
ワインはGSTではなく、14.5%分の酒税(WET:Wine Equalisation Tax)が還付される。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが有利。
日本の空港にある銀行でもオーストラリアドルは入手できるが、レートは悪い。
両替所のレートはまちまちで、タウンホールのKVB Kunlun(紀伊國屋書店の入るシティグループ・センタービル18階)や、タウンホールの留学エージェントTravel & Travelはレートが有利で在留邦人にも有名。
他、ロックスの免税店DFS(※)やダーリングハーバーのStar City Casinoも、現地にお金を落としてほしいためかレートは良い。

クレジットカードが通じる場面は多い。VISAかマスター推奨。

イギリス連邦ではあるが、チップの習慣は薄い。高級レストランでサービス料が乗っていない場合のみ、伝票に1割程度のチップ相当額を追加し払う。ポータやルームサービスには5ドル程度。タクシーでも基本的には不要。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

オーストラリアは比較的治安が良い国ではあるが、安全というイメージを持ちすぎると危険。オーストラリアの強盗や暴行・性犯罪の発生率は日本の20倍にもおよぶ(在シドニー日本国領事館)。
観光地や駅を中心にスリ、置き引きは頻発している。ホテルやレストラン、ショップ内でも手荷物から目を離したり、放置したまま席を離れたりすると高確率で無くなる。
夜間の1人歩きは避けた方が良い。特に、歓楽街キングス・クロス地区やチャイナタウンは昼夜を問わず要注意。
キングクロスは警官も多いのでメインストリートを複数で歩くのであればそれほど警戒する必要は無いが、一歩裏に入ると風体の悪い酔っ払いや若者がたまっていたり、薬物売買の集団など危険な場面にでくわすことも。

先の大戦、太平洋戦争の話題はあまり深入りしない方が良い。

ビザ無しで行けそうな国、というイメージがあるが、オーストラリア入国にはビザが必要。短期観光滞在も例外ではない。
ただし、ほとんどの旅行者はETAS (Electronic Travel Authority System)という電子ビザで済む。3ヶ月以内の観光目的の場合はETASの適用対象となり、1年間有効(有効期間中何度でも3ヶ月上限で入国・滞在できる)。インターネットで申請し、即時に発行される。支払いはクレジットカード。


市内交通

(タクシー)
日本と同様に手を上げて空車を停め乗車。空車はオレンジのライトが点灯している。
自動ドアではないので自分で開閉する。
昼間の初乗りが3.5豪ドル、1kmごとに2.14ドル。迎車は2.4ドル追加。夜間22時以降は初乗り6ドルで、有料道路別途。
支払いは現金もしくはクレジットカード。カードの場合には手数料が10%かかる。

(地下鉄・鉄道・フェリー)
鉄道(Train)は主にシドニーの市街地と郊外を結んでいる。
ライトレールという路面電車もあり、セントラルからチャイナタウン(Capitol Square駅)やフィッシュマーケットなどを経由してリリーフィールドまでを結ぶ。

一回毎の乗車に切符を買うこともできるが、一定期間・距離だけ乗り放題のパスがある。マイマルチパスはゾーン内の乗り降り自由なパスで、マイマルチ1の1週間パスが大人44ドル。1日だけ乗り放題のマイマルチデイパスは22ドル。駅などで購入可能。
購入場所

日本のSuicaのようなOpal Cardという非接触型のカードも広まりつつある。木曜から土曜までは一日上限15豪ドルで以降の乗車が無料になる他、週8回以上の乗車が無料、日曜日は上限2.5豪ドルで乗り放題など多くの特典がある。
また、市内交通とミュージアムの入場料やレストランの割引などがセットになったAtraction Passというものもある。
Opal Card:購入場所

Sydney Attraction Pass

ポート・ジャクソン湾の対岸、ノースショア側やタロンガ動物園に向かうにはフェリーが欠かせない。フェリー乗り場はサーキュラー・キーで、鉄道と同じくパス、Opalカードを使うこともできる。

(バス)
以下の通り難易度はやや高いが、市街をくまなく網羅するバスを乗りこなせれば非常に便利。

マイマルチ、Opal(※)が使える他、回数券(トラベル10)も販売されている。
※Opalで乗れるバスはルート333、594など限られている。

プリペイドでないと乗れないバスの場合はパスを使うか、乗車前に事前にチケットを買っておく。
シドニーのバス料金はセクション制という独特な仕組み。バス停毎に番号がふってあり、降車バス停番号と乗車バス停番号の差をセクションという。たとえば乗車バス停がセクション番号10番、降車が23番の場合、差し引き13セクションとなる。
料金は以下の通り。
・セクション2以下の場合はMyBus1という料金区分で、大人2.2豪ドル
・セクション3以上5以下の場合はMyBus2という区分で、同2.6ドル
・セクション6以上はすべてMyBus3となり同4.6ドル

このような料金計算は面倒なので、プリペイドで無ければ乗車時に行き先を告げて運転手にどの料金区分かを判断してもらうことになる。路線図は必須(以下のWEBサイトおよびTransit Shopで入手可能)。

バスはバス停で手を上げて止める(手を上げないと走り去る)。前乗り・前払い制。
パスがある場合はチケットリーダーにパスを挿す。パスが無ければ上述の通り告げられた料金を払う。
降りる際には日本と同様に降車ブザーを押す。

シティ内にはルート555という無料巡回バスが走っており、面倒な料金計算なく自由に乗り降りできる。サーキュラー・キー、チャイナタウン、セントラル駅など主要スポットを周回している。

(レンタカー)
公共交通機関ではないが、広いオーストラリアを移動するには便利。原則25才以上(21歳以上でOKの場合もあり)。
空港およびシティのウイリアム・ストリートに営業所が点在している。クレジットカード会社の特典などがあれば安く利用できる。
交通ルールは右ハンドル左側通行で日本と同じ。制限速度は標識によるが60キロ程度。海外に多いラウンドアバウトというロータリー式の交差点に注意。


ホテルとシーズン

シドニー滞在の悩みはホテル代。
3つ星ホテルでも100豪ドルを超える。5つ星なら最低250豪ドルといったところ。
中心部や景色の良い地区では200豪ドルを下回る物件は貴重。サーキュラー・キー、ロックスといった港湾沿いで眺めの良いホテルは高く、すぐに満室になる。
航空券と同様、年末など繁忙期はレートもはね上がり、通常の倍程度になることも珍しくない(それでもすぐに埋まってしまう)。

ホテルの場合は概ね一泊1.5万円は見ておいた方が良い。比較的手ごろなホテルが多いのはチャイナタウンやヘイマーケット周辺。
ネットで手ごろな宿があっても、郊外であれば交通費などで結局高く付くことがあり、結局中心部に近いロケーションの宿を早めにおさえるのが最善手となる。

シドニーには、パブホテルと呼ばれる飲み屋(パブ)と融合した業態がある。ホテルという名称でもパブ営業のみになっている場合が多いが、一部が宿泊施設として稼働している。

一方、ホステルもある。こちらはドミトリーで30豪ドル程度、個室でも60豪ドルとだいぶ手ごろ。
歓楽街キングス・クロス周辺のあたりにはバックパッカー向けの安宿が集結している。
郊外にはB&Bもある。モーテルは車で長距離移動する際には便利。

自炊で費用を安く上げたい、長期滞在目的であればアパートメント・ホテルという手段もある。豪華なアパートメントはそれなりに値が張るが、全般にはホテルよりも手ごろ。複数人での滞在にもおすすめ。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
オーストラリアの大手携帯会社はTelstra、Optus、Vodafoneなど。
シドニー国際空港にはOptus、Vodafoneのカウンターがある。Telstraは最大手で、電波状況は最も良好とされる。Telstraの店舗は市内にある他、携帯ショップや家電店、コンビニでSIMが購入できる。設定は購入時に店員に依頼するのが無難。

データ定額は無く、500M~2ギガ程度のデータパックが主流、超過時は従量制で加算(2豪ドル/M)。
オーストラリアの携帯プランには「CAP」という表記が頻出する。CAPは上限を表し、そのプランに附帯する無料通話分の料金を示す。例えば、30豪ドルのプリペイドプランで250豪ドル($30 Recharge and $220 Cap Credit)となっていた場合、220豪ドル相当のクレジットが含まれているという意味。

SIMの購入は容易だが、ベスト・プランの絞り込みにはやや知恵が必要。滞在期間とデータ通信のみなのか通話も必要かを伝えて店員に選んでもらうのが良いかもしれない。

(WiFi)
多くの場所でWiFiが通じている。
マクドナルド、スターバックスは万国共通で無料Wifiを提供している。スターバックスはかつて有料だったが、無料に切り替えた模様。
ホテルでの接続は有料が多く、高級ホテルでは20ドル/日以上チャージするなど意外に高い。宿選びの際には注意が必要(むしろゲストハウスの方が無料でWifiを提供している場合が多い)。

シドニー国際空港で無料Wifiを提供している。ネットワークから「SYD」を選択するだけの手軽さ。接続開始から2時間または500MByteまでの制限あり。