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Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 バーニングマン2013/第4回
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:第10回 バルセロナ
5. 旅の本屋 のまど:イベント情報:11月7日(木)◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント
6. 読者からのお便り
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

フォートラベル、クチコミ投稿でANAマイルを付与

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旅行情報サイト「フォートラベル」は、クチコミ投稿などで貯まるフォートラベルポイントを1000ポイントにつき50ANAマイル、または50ANAスカイコインに交換できるキャンペーンを開始した。キャンペーン期間は11月1日から12月1日。投稿するクチコミは100文字以上、写真が1枚以上含まれることが条件だ。

ANAのスマホアプリがプッシュ通知に対応

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ANAはiOS/Androidで利用できるスマートフォンアプリ「ANA」をアップデート。Android版では表示されるバーコードをかざすだけで登場できる「モバイル搭乗券」が利用できるようになった。また、出発時刻や運航状況、搭乗口の変更などの情報を利用者の端末へ自動配信する「プッシュ通知」にも対応した。

ユナイテッド、キャセイ・パシフィックなどサーチャージ引き上げ

ユナイテッド航空、キャセイパシフィック航空、子会社の香港ドラゴン航空などが12月~1月発券分の燃油サーチャージを相次いで引き上げた。ユナイテッドの米国線は片道21,000円から23,500円、キャセイ・パシフィックの香港線は片道5,500円から6,000円になる。

トーマスクック鉄道時刻表が復活?

発行元の英旅行会社トーマスクック社が旅行代理店事業に集中するため2013年8月で休館になっていた「トーマスクック・ヨーロッパ時刻表」が、同誌編集部員が立ち上げた新会社「ヨーロピアン・レイル・タイムテーブル社」により2014年に2月から復刊することが明らかになった。なお、日本語版を発行していたダイヤモンド社からの発表はまだないようだ。

デルタ空港、離着陸時の電子機器利用が可能に

デルタ航空は、FAA(米国連邦航空局)の規制緩和を受け、国内線でのスマートフォンやパソコンなど電子機器の離発着時利用禁止を早ければ今年の11月より解除することが明らかになった。ただし利用はマナーモードにすることが条件で、携帯電話の通話は禁止のままだ。
FAAニュースリリース

バニラエア、チケット発売を開始もつながらず

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エアアジア・ジャパン日本撤退を受けてANAの出資により新設されたLCCバニラエアが11月1日よりウェブサイトでのチケット販売を開始した。目玉として成田から台北、ソウル、沖縄、札幌まで片道1000円の特別運賃「わくわくバニラ」が用意されたこともありアクセスが集中。半日以上ほぼアクセスできない状態が続いた。(現在はアクセス可能)

JAL、国内線でのWi-Fiサービスを2014年夏からスタート

JALは2014年夏より国内線の一部機材(777-200/300、767-300/300ER、737-800の計77機)にて機内でインターネット接続を提供するサービスを開始することを明らかにした。料金や対象路線など詳細は来年発表の予定。国際線ではすでに導入されている航空会社も多いが、国内線では日本初となる。

スクート、2014年より日本便にB787を就航

シンガポール航空傘下のLCCスクートは都内で記者会見を開催。2014年11月に受領するボーイングの新型機B787の運用について「日本は1番目か2番目になるだろう」とキャンベル・ウィルソンCEOが明言した。また、新路線については「(シンガポールから)4時間~9時間のフライトを路線の中心としたい」と語り、ニュージーランド、中東、日本、韓国、インドなどの候補国を上げた。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

薄氷の定刻出発

「これが最後かもしれない」
 そんなことを考えながら、5時31分に東京駅を出発する成田行きのバスに乗った。エアアジア・ジャパンは10月26日で運航を終え、12月からバニラエアになる。
 エアアジア・ジャパンの国際線は早朝便が多い。台北行き873便は朝の7時50分発である。10月20日。ひんやりとした空気のなかを、バスは成田空港に向かう。
 エアアジアの国際線のチェックイン締め切りは…


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第10回 吉田友和

く クルーズ

 初めてのクルーズ体験はカリブ海だった。フロリダから出港し、ハイチ、ジャマイカ、メキシコを周遊する一週間の船旅。乗ったのは、「オアシス・オブ・ザ・シーズ」という、とてつもなく巨大な客船だった。総重量約22万5,000トン、乗客定員数5,400人は、客船としては世界最大級を誇る。内部は端から端まで歩いただけで息が切れるほどの広さで、セントラルパークという名の公園まであった。まるで一つの街が海上を大移動しているようなスケールの大きさに圧倒された。
 その船の中で目にした光景は、僕が想像していたものとはいささか異なっていた…


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3a. tabinote旅行記 バーニングマン2013/第3回

はじめに

tabinoteスタッフの田口です。
このコーナーでは毎号スタッフの旅行記を掲載していきますが、今後は読者の方の旅行記も掲載していくつもりです。われこそはという方がいらしたら、ぜひこちらまでお寄せください。採用の方には薄謝を差し上げます。
また、tabinoteは自分だけのユニークな旅行プラン作成のお手伝いをするサービスです。このメルマガを読んでどこかへ行きたくなったら、ぜひtabinoteまでご相談ください。

Burning Man

4日目を過ぎると非日常が日常になってくる。出歩くことも最低限になり、ひたすらキャンプでぼんやり思索に耽っていることが多くなった。このままずっとここに暮らしたい。だが、この日常も長く続くものではない。やはりこれは非日常なのだ。
そしてあっという間に土曜日になり、Burning Manのメインイベント、シンボルの人形を燃やす「Burning Man」がやってきた。

日もとっぷり暮れた午後7時ごろ、シンボル周辺に人がワラワラ集まってくる。

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マンの周囲でファイアーダンスなどの火を使ったパフォーマンスが行われている。回りの人たちのテンションも最高潮だ。

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そしていきなりマンの土台になっているUFOが火を吹いた。

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すぐに盛大な花火が打ち上がる。

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ほどなくしてマンに火が付き。みるみるうちに全身に火が回っていく。これが「Burning Man」の儀式だ。

YouTube動画

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火はマンだけではなくUFOにもつけられる。
盛大にガソリンがぶっかけられているようで、はっきり言って大火災だ。100m以上離れているにもかかわらずとても熱い。
周囲は大騒ぎ。みんなビールを飲みながらはしゃぎまくっている。なんというか、本当にアメリカらしい光景だ。

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たっぷり1時間ほど燃えていたであろうか。期間中ずっとセンターに屹立していたイベントのシンボルは完全に消滅した。
つまりこれでこの街は終了。明日には撤収である。

翌日日曜の夜には、Burning Manの奥にあるテンプルが燃やされるというイベント(テンプルバーン)もあるのだが、僕はそこには参加せず代わりに自分なりのイベントを行った。
イベントといっても大したことではない。単に全裸になっただけである。
会場内にはヌーディストもそこそこいた。僕も裸になる事自体にはさほど抵抗はないつもりだったのだが、同行したほぼ初対面のキャンプメンバー15人に遠慮してしまい、結局その機会がなかったのだ。
だが今日はほぼ全員テンプルバーンを見に行っている。よし、チャンスだ!ということで即効で服を脱ぎ捨て全裸になった。
日は暮れており正直少し肌寒いが、やはり開放感ハンパない。キャンプを出て30分ほど周囲を歩きまわり堪能した。
もちろん誰も奇異の目では見ない。いつもどおり「Have a Nice Burn(お決まりの挨拶)」と声をかけてくれる人もいる。
Burning Manの期間は月曜から日曜日までの1週間。この長さが本当にちょうどいいと思う。これ以上長いときっと現実に戻ることができなくなってしまうだろう。

翌日の日曜日はほぼ後片付けに忙殺される。
1週間分の生活の残滓は思った以上に大量だ。
砂漠環境を守るため、会場にはゴミ1つ、汚水一滴たりとも残すことは許されていない。結局荷造りは深夜までかかってしまった。
現地で購入したテントや自転車、飲み残したビールなどはボランティアに渡すことができるようになっているが、それでも大量にゴミが残る。
人間が15人、最低限の文明生活を送るだけでこれだけのゴミが発生するのだなと実感することができた。
特に汚水の処理は大変だった。こぼれないよう注意してペットボトルやバケツに入れ慎重に持ち帰ることになる。

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多くの人は月曜の朝に帰る。我々は日曜深夜2時頃には出発したのだが、それでも街への一本道は大渋滞で殆ど動かない。

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あまりの渋滞に途中で横道にそれて休憩。もう完全に日は上っている。

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結局リノに戻るためにたっぷり8時間以上かかってしまった。
1週間まったく髪を洗わなかったのでゴワゴワだ。

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だがまだ仕事は残されている。1週間砂漠に放置して砂だらけになったレンタカーの洗車だ。洗車しないでそのまま返すと膨大な清掃料金を取られてしまうのだ。(このあたりは経験者の体験にとても助けられた)
と言っても手洗いできるレベルではないので街中の洗車場にお願いすることになる。洗車場では「Burning Man Pack」ということで特別料金メニューが提示されている。確か150ドル近くで異常に高いのだが、レンタカー会社のペナルティはそれ以上ということなのだ。
写真は自動洗車機を通しているところを車内から撮ったもの。そのあと車内は手作業で1時間くらいかけて綿密に掃除してもらえる。
ちなみに清掃作業員はほぼヒスパニック。彼らはBurning Manのことは知っているが行ったことはない。1周間も仕事を休めないし$400の入場料も法外だろう。一見自由な楽園ではあるが、結局富めるもの(もっと言えば富める白人)の道楽ではないか、という疑問・矛盾も強烈に内包しているイベントではあった。

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掃除が終わってピカピカになったキャンピングカー。ちなみにこちらの洗車料金は400ドルくらいした。

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集合場所のホテルにキャンプ全員の車が揃ったころには日が暮れていた。

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1週間ぶりの風呂に入ってから1週間ぶりの文明的な食事。おいしかったなあ。

ちなみに入浴時には湯船にためた湯にたっぷり酢を入れたものに浸かり、頭も酢を薄めたもので洗った。体がアルカリ性になっているからだという経験者のアドバイスからだが、確かに調子良くなった気がする。

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おみやげは拾ってきたマンの欠片だ。

祭りのあと

マンから戻った最初の晩のことはあまり覚えていない。
だが翌日は意外に早く目が覚め、リノのダウンタウンに行き少しだけカジノを冷やかした。
その後ホテルに戻りキャンプのみんなと最後の挨拶をし、ハグを交わした(すっかり外人である)。

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リノ空港でレンタカーを返してチェックイン。
Burning Man帰りの人で溢れていた。

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空港内には過去のBurning Manの写真やグッズが展示されていた。

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次の目的地は?

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僕はBurning Manの後に帰国せず、そのままもう一箇所アメリカの都市に行くことにしていた。
さてそこはどこでしょう?
答えは次回最終回で。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第2回:上海-杭州-南寧

上海

添乗員の指導する中国春秋航空体操で、LCCで凝り固まった体を解しながら、僕は小窓の外を眺めていた。厚いガスで覆われた靄のその先に、赤茶けた、暗い上海の海が波打っていた。その異様な光景は、終わることのない発展を掲げる中国の不可抗力を、諦めるかのように存在していた。
※編集部注:春秋航空体操→YouTube

上海ではホテルのスタッフ、ルームメイトに恵まれ、食事や列車のチケット購入等、すごく親切にしてもらった。そのうちどこかで、と考えていた趣味のバスケットボールもルームメイトに誘われてすることができた。その反面、その先の杭州や南寧ではこれといった出会いはなかった。出会いということに関しては大部分が運に左右されることがわかった。情報という観点からも、集められる時に集められるだけ集めておいた方が得策だと、気付かされた。

上海では3泊、ガイドブック通りの観光をし、杭州に移動した。杭州は世界遺産・西湖があり、上海からは毎時以上の本数で新幹線や列車が出ている。1時間程の道のりは快適で、1000円強。チケットは100円程の手数料を出せば上海市内のどの駅でも買うことができた。杭州は西湖を中心にした観光地で、少し物価も高く、長居するには決して居心地が良いとは思えなかった。訪れた目的は南寧への中継で、南寧はベトナムへ陸路で抜けるバスの発着地点で、パッカーや労働者たちの起点となる中都市だった。
杭州駅では筆談でチケットを購入。3500円で25時間、憧れの硬座(普通の硬く狭い座席)を手に入れることができた。チケットは前日で問題なく購入できた。
西湖

我慢こそが美徳のように描かれる旅行記の世界で、「硬座」という言葉は僕にとっていつしか憧れになっていた。身動きがとれない、眠れない、進まない、そして押し寄せる人、人、人。列車がホームに入ってきて、想像通りのヴィジュアルに胸が高鳴った。
そして、やっぱり硬座は素晴らしかった。よく食べる中国人に物売り、突然の停車に喧嘩。座席を持たず、たむろする人たち。この世界はやっぱり実在したんだと、口内炎を何度も噛み潰しながら僕は笑った。

車内

上海では観光客に声をかけてくるお茶会詐欺に引っ掛かりそうになったり、しつこい風俗の勧誘にあったりもした。南寧では道を聞こうとした女性に走って逃げられたりもした。クラクションは鳴りやまず、そこかしこで痰を吐き、喧嘩をする。地下鉄では信号無視やポイ捨て、マナーを促す液晶広告が流れ、何の意味も成していなかった。
それでも僕は構わない。一緒になって信号無視をしたし、お茶会詐欺からは走って逃げた。マスクも付けずに濁った空を毎日見上げた。
僕をしつこく風俗に誘った日本語堪能の劉さんに、反日感情について質問すると、「政治のことはわからない」とすぐに風俗に話題を変えられてしまった。
まあでも、結局そういうことなのかもしれないと、僕は思った。

次回はベトナム、カンボジアへの移動を記します。

——————
・中国では規制されたFacebook等のサイトをWebFreerというソフトウェアを使って皆、閲覧していました。
・杭州-南寧への移動はバスの方が安価で早いと他の旅行者から聞きました。
・杭州-南寧への列車は厳密には杭州東駅を経由するので、杭州駅からは地下鉄やバスで30分程の移動が必要です。
・南寧では、ネットで紹介されている好評価の LOTUSLAND HOSTELは廃業していました。
・ホテルはWi-Fi環境を優先し、1泊800円が相場のユースホステルに宿泊しました。


今回のルート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム・ハノイ(以降、東南アジアを周遊の後にインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定)

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第10回 バルセロナ

Barcelona
((c)Depositphotos)

スペイン王国・国旗

【画像:Wikipedia提供】

カタルーニャ州・州旗

【画像:Wikipedia提供】


見どころと特徴

バルセロナは世界有数の観光都市。都市圏人口約500万人に対し観光客数は740万人(2012年;バルセロナ観光局)。バルセロナの魅力はサグラダ・ファミリアをはじめとするアートやゴシック地区の美しい街並みだけではない。ワインやタパス、快適な都市インフラ、地中海の過ごしやすい気候、そして何よりも旅行者と外国人を受け入れる開放的な雰囲気がリピーターを惹きつけて離さない。
海岸沿いには美しいビーチが広がり、マヨルカやイビザといったリゾート観光の拠点でもある。

観光地巡りもいいが、食のレベルの高さや文化の薫り高い街並み、暖かい気候は特に目的の無いのんびりとした長期滞在にも向いている。

バルセロナ観光の中心はゴシック地区と呼ばれる旧市街。港にそびえ立つコロンブスの塔を背景に、並木道のランブラス通り沿いからカタルーニャ広場まではカフェが立ち並び、人通りの絶えることはない。東のライエタナ通りからは雰囲気のある旧市街が続き、壮麗なカテドラルや音楽堂、ガウディのグエル邸がランドマーク。
ピカソ美術館、バルセロナ現代美術館、ダリ美術館といったミュージアムも集中している他、ビーチや動物園などの自然も至近。

 ゴシック地区の写真
 ゴシック地区 (トリップアドバイザー提供)

しかし、何と言ってもこの地区のハイライトはカタルーニャ語でボケリア(Boqueria)と呼ばれるサン・ジュセップ市場。
欧州でも最も賑わっている市場の1つで、地元の野菜や果物、魚介やウサギ肉といった珍しい色とりどりの食材が並び、春夏秋冬いつ訪れても楽しい。山盛りのシーフードが名物の食堂も楽しみ。

ボケリア市場 (サン ジョセップ市場)の写真
ボケリア市場 (サン ジョセップ市場) (トリップアドバイザー提供)

El Cochinillo Locoの写真
Boqueria; El Cochinillo Loco (トリップアドバイザー提供)

ゴシック地区の北に位置するのはアシャンプラ地区。カタルーニャ広場からグラシア通りに沿って進むとカサ・バトリョ、カサ・ミラといったガウディの世界遺産建築が点在し、東にサグラダ・ファミリア聖堂がそびえ立つ。


カサ・ミラ (トリップアドバイザー提供)

街の南西部には標高173mのモンジュイックの丘があり、市街を一望できる。カタルーニャ美術館、ミロ美術館、万博の際に作られたスペイン村やオリンピック博物館などミュージアムも多い。
一方北の山の手には同じく市街を一望できるガウディの田園都市、グエル公園があり、こちらも多くの人で賑わう。

 グエル公園の写真
 グエル公園 (トリップアドバイザー提供)

バルセロナはFCバルセロナ、エスパニョールという名門フットボールチームの拠点でもある。それぞれのホームグラウンド(Camp Nouスタジアム、Cornella El Pratスタジアム)やカタルーニャ広場の観光インフォメーションカウンターで購入可能。

バルセロナ郊外、登山鉄道に乗って北西50km先には奇岩に抱かれたキリスト教の聖地、モンセラットがあり、山頂から地中海を一望できる。
更に北のフランス国境沿い、ピレネー山中にはトレッキングやスパリゾートが有名な小国、アンドラ公国がある。
アンドラ ラ ベリャの写真
アンドラ ラ ベリャ (トリップアドバイザー提供)

海側には、地中海沿い南にローマ遺跡の残るタラゴナ、バレンシアといった魅力ある都市が点在する他、高速船で3~4時間乗ればイビザ、マヨルカといった離島にも渡ることができる。
もちろんマドリードやグラナダなど、スペインの魅力的な都市を巡ってみてもいい。
イビザの写真
イビザ (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
2013年11月現在、日本からスペインへの直行便は無いため、ヨーロッパの都市を経由することになる。日本からロンドン、ローマ、モスクワといった欧州の都市を経由するルートが代表的。
費用は安い時期で10万円程度。往路・復路共に短い場合は所要15~19時間程度。
時間に余裕があれば、本場欧州のLCCを活用したい。パリやモスクワなどの比較的日本からのチケットが安い都市に移動・滞在してその地の観光も楽しみつつ、LCCでバルセロナ移動というルートがお勧め。
(LCCでパリからバルセロナまで5千円以内で飛ぶことができる)

他には中東系の航空会社がドーハやドバイを経由してバルセロナに就航している。所要時間は比較的長めで20時間超えもザラ。

アジアに移動してスペイン行きの直行便に乗るという手もある。ソウルから大韓航空が、北京から中国国際航空がマドリード行きの直行便を飛ばしているが、日本からバルセロナまでの経由便以上に高く、現地まで/バルセロナまでの移動費用や時間を含めるとお勧めはしにくい。


(陸路)
パリ、ミラノといった日本からの直行便がある都市から鉄道や国際バスで向かうことが出来る。パリからバルセロナまでは所要7時間で毎日2便。夜行のホテル列車なら12時間。ミラノからはホテル列車(エリプソス)サルバドール・ダリ号で13時間。チューリヒからパブロ・カザルス号で13時間半。いずれも豪華・快適ではあるが、一般に飛行機よりも高くつく。

国際バスEurolinesが欧州各都市を結んでいる。安さで有名だがLCCの方が安いことも多く、特にバスの旅をしたいということでなければよく比較検討が必要。15日乗り放題のパスなら215ユーロ。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、3泊5日(機中2泊)の成田発・エコノミーホテル利用のフリープランがサーチャージ込みで12万円程度。2名催行なら10万円台も見つかる。
安いツアーはカタール航空利用で、往路23時のフライトとなるため実質4日間程度の旅程となる。
往復の航空運賃とあまり変わらない場合もあり、パッケージツアーを賢く使うのも手。

(空港)
バルセロナ・プラット空港は2つのターミナルを持ち、国際線は2009年に完成したばかりのターミナル1を利用する。設計は東京銀座資生堂ビルやユナイテッドアローズ原宿本店なども手がけたカタルーニャの建築家、リカルド・ボフィル。

空港は中心街から13kmと近い。市内への足は、水色の空港バス(AeroBus)がカタルーニャ広場まで30分、片道5.75ユーロ・往復9.95ユーロ(9日間有効)で結んでいる。
タクシーなら市内まで20~30分、料金はカタルーニャ広場まで30ユーロ程度(+チップ)。
ターミナル2からは鉄道(近郊線RENFE)が乗り入れている。ターミナル3に無料シャトルバスで移動、サンツ(Sants)駅まで25分。

LCCで近隣国から入る場合にはターミナル2の他、北東75km離れたジローナ(へローナ)空港(GRO)もしくは南西115kmのレウス空港(REU)を利用する場合も。レウスはガウディの出生地として有名で、生家など多くの観光史跡がありリゾートにも近く、素通りするのはもったいない。


地理と気候

日本との時差は8時間、日本の方が早い。サマータイム中(3月の最終日曜日AM2:00~10月の最終日曜AM3:00)は時差7時間。
時間の感覚は日本に比べると相当ゆったりしている。午後1時~4時までは昼食(シエスタ)で商店は閉まっており、交通機関の遅延も多い。余裕を持ったスケジューリングが必要。

バルセロナはスペインのカタルーニャ地方、地中海側・フランス側に位置する。一年中降水が少なく温暖な地中海性気候。料理にもフランス風の影響がある。
一年を通して旅行に向いているが、夏はリゾート地を中心に混み合う。春か夏がベスト。9月はメルセ祭りや収穫祭などイベントも多い。


【画像:Google提供】


言語と通貨

公用語はカタルーニャ語(カタラン)、スペイン語。英語は若者や外国人向けのお店をのぞけばあまり通じない。

通貨はユーロ(EU)。1ユーロ=133円(13年11月時点)。概ね1ユーロ=130円と見ておけば良い。

スペインの物価は安めであるが、バルセロナは例外的。
ホテルの選択肢は比較的多く、4つ星ホテルで最低100ユーロから。オスタルと呼ばれる民宿形式の宿(食事は付かないことが多い)で40ユーロ程度。外食は最低でも10ユーロ程度、テイクアウトのサンドイッチが4ユーロ程度。地下鉄1回券、タクシー初乗りは共に2ユーロ。
テイクアウトの食事やワイン、タクシーはリーズナブル。

両替は、万国共通だがATMによる国際キャッシングが手軽。
銀行(Banco)が最もレートが良く、両替所(Cambio)はやや劣る。
ただし、そもそもクレジットカードも通じる場合が多いので、あまり多くの現金は必要無い。

チップ文化はホテルのベルボーイやポーターに1ユーロ、タクシーではおつりを渡す程度。高級レストランでは10%のサービスフィーが既に上乗せされている場合もある。カフェやバルでは基本的に不要。

消費税率は一般21%、食料品は10%。

バルセロナの観光施設を巡るなら、公共交通機関が無料になりミュージアムの割引もセットになったバルセロナカードを入手しておくとお得。

ユーロ紙幣・硬貨(画像:Wikipedia)


ビザと治安

バルセロナは欧州の中でもスリ、ひったくりなどの犯罪が多い都市。ニセ警官による所持品検査を偽った詐欺や強盗も発生している。2013年2月には日本人女性が被害に遭うひったくりが起きている。
注意すべき地域は地下鉄の駅・車内、ホテルのロビーの他、プラット空港・サンツ駅、サグラダファミリア、ゴシック地区、ランブラス通り、カタルーニャ広場などの観光地。

90日以内の観光滞在ではビザ不要。


市内交通

(タクシー)
初乗り2.05ユーロと安い。以降1kmあたり1ユーロ程度(夜間・土日と平日昼で若干料金異なる)。
市内に262箇所のタクシー乗り場がある他、通りを流している。

(地下鉄/鉄道)
地下鉄は8路線。
市内は2ユーロ均一。バス・トラム・鉄道にも有効な2日間乗り放題のトラベルカード13.4ユーロ、5日なら29ユーロ。

この他、モダンなデザインのトラムが6路線ある。

(画像:www.tram.cat)

バルセロナから郊外にはRENFEというスペイン鉄道が伸びている。空港への足としても便利。

(バス)
110もの路線があり、市内を縦横無尽に網羅している。バス停には路線毎にルート図が掲示されているので旅行者にもわかりやすい。バスが来たら手を上げて合図し乗車する。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は比較的多いが、観光客も相応に多いため価格がこなれているとは言えない。ハイシーズン(夏)は混み合うため予約が必須。4つ星ホテルで最低100ユーロ、通常150~200ユーロ程度。
これ以下となると、3つ星・2つ星クラスで50~100ユーロ。中心地からも離れる場合があるが、地下鉄を使えば経済的な料金で滞在できる。
オスタルと呼ばれる民宿形式(大抵食事は付かない)の宿で40ユーロ程度。

個人部屋の間借りサービスAirBnbを利用するのも良いかも。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
旅行者でも問題無くプリペイドSIM(PREPAGO)を購入することができる。
Vodafone、Yoigo、Mobistar、Orangeなどが大手事業者。3GのSIMフリー端末を用意していくか現地で購入する。
SIM自体は無料で、チャージ時(Recarga)課金という場合が多い。通話付の1G定額プランが12~20ユーロ程度。

バルセロナ・プラット空港のターミナル1、Crystal Media ShopでOrangeのカードが購入可能。街中には携帯ショップや通信会社のカウンターも多い。

(Wifi)
ホテルはもちろん、スターバックスやバル、カフェでWifiを開放していることが多い。
また、美術館や公園など440ヶ所で公衆無線LAN(Barcelona WiFi)。接続はパスワードも不要で、ネットワークから「Barcelona WiFi」を選ぶだけと簡単。

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5. 旅の本屋 のまど:イベント情報:11月7日(木)◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊『海外旅行最強ナビ』&『女子バンコク』発売記念
◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント◆
「知っておくべき海外旅行のルール ~旅立ちから帰国まで」

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新刊『海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)の発売を記念して、著者で作家の丸山ゴンザレスさんと執筆者で世界200ヶ国を旅した有名ブロガーのMASAKIさん、そして新刊『女子バンコク』を編集した山田静さんの3人をお招きし、海外旅行に必要な様々なノウハウについてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。去年はLCC元年と呼ばれ、これまでの常識では考えられない安い料金で手軽に海外に行くことが可能になり、また、スマートフォンやタブレットといったインターネット端末の飛躍的な普及によって、旅のスタイルも劇的に変化しています。そこで本書では、下川裕治、嵐よういち、南まい、向井通浩、窪咲子といった旅のエキスパート達が実際に海外旅行で遭遇したリアルな体験をもとに、一人旅、はじめて、女子旅、ツアー、放浪などどんな旅のスタイルでも役立つように、知っておくべき旅の様々な情報やルールをイラストやチャートを使ってわかりやすく解説しています。前半では、丸山さんと世界一周を何度もしているMASAKIさんのお二人の旅の裏話や秘話を交えつつ、海外旅行の現状からこれからの旅のスタイルの行方のお話を、後半は、山田さんを交えて、大半の旅人が足を踏み入れる街、バンコクの魅力について、男目線と女目線の違いを中心にディープなお話をしていただきます。丸山さんやMASAKIさん、山田さんのファンの方はもちろん、これから海外旅行に初めて行く方や旅の達人のアドバイスに興味のある方はぜひ参加くださいませ!!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

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●丸山ゴンザレス(まるやまごんざれす)

1977年宮城県生まれ。ジャーナリスト&編集者。國學院大學大学院修了後、出版社勤務を経てフリーになり裏社会や海外情報、都市伝説に関する評論やインタビュー、メディア出演、トークイベントを行う。著書に『アジア『罰当たり』旅行』『図解裏社会のカラクリ』『裏社会の歩き方』(彩図社)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)など。

◆丸山ゴンザレスさんブログ
http://ameblo.jp/maruyamagonzaresu/

●MASAKI(まさき)

1981年愛知県生まれ。札幌大学英語学科卒業。独身。『旅を仕事』にするためのWORLDWIDE HUNTERS,Incを08年4月旅中に設立。24歳の時に(世界)一周にだけ出発のつもりが旅好きが高じて移動しながら起業しての旅生活となり201カ国を7年5か月で訪問達成。30代からは世界中に「ENJOY WORLD」を理念として世界各地に
世界中の人々と楽しいことを共有できる宿、カフェ、クラブ、バー、マッサージ等のあらゆる複合施設施設を国毎に造って起業していく準備中。『世界一周NAVI』、『新世界一周NAVI』、『バックパッカー新聞』、『Brali旅マガジン』、『危ロード』、『拡散希望』等に連載、写真掲載多数。

◆MASAKIさんブログ「旅が仕事 世界一周ブログ」
http://www.worldwidehunters.com/

●山田静(やまだしずか)

1965年生まれ。初ひとり旅は中国。大学の研究課題「西遊記」をテーマに旅するうちに、気がつけばバックパッカーになり、旅が仕事になる。女性の旅をもっと元気にしたいと1999年に結成された、旅のよもやま話をゆるく楽しむ会「ひとり旅活性化委員会」主宰。『女ひとり旅読本』シリーズ(双葉社)ほか、数多くの旅関連書籍の編集、雑誌記事を手掛ける。

◆「ひとり旅活性化委員会」山田さんブログ
http://hitoritabiyamada.seesaa.net/

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【開催日時】 11月7日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:辰巳出版、双葉社

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6. 読者からのお便り

質問

…昔の旅行記や旅行作家の本を読んでいると、まずバンコクまで行ってそこでヨーロッパ行きのチケットを買うのが一番安いというような情報が出てきますが、実際どうなのでしょうか?時間はたくさんあるので、もしその方が安いのであればバンコクでチケットを探すのもいいかなぁと思っています。


お答え

確かに、以前はバンコク・カオサンなどの旅行代理店街に格安チケットがあふれており、日本で直接ヨーロッパ便を買うよりもいったんバンコクに行ってチケットを探した方が安いということがあったようです。

結論から言いますと、この方法は現在あまり有利とは言えません。タイ人が海外渡航をするようになり航空券の相場が上がったという面もありますし、インターネットで日本からも海外発券のチケットが買えるようになったことで掘り出し物が出てくる余地が少なくなりました。試してみる価値がゼロとはいいませんが、不確実性の高い方法になってしまったというところです。

ゴールデンウィーク、お盆などの日本に特有な繁忙期であれば日本発が高いため相対的に有利となる可能性もありますが、そもそもそういった時期はバンコクまでの移動が高めとなります。シーズンが関係無いマイレージを活用して現地に行き、安めのチケットを探すという手もありますが、繁忙期のマイル予約や現地滞在の手間・費用を考えると必ずしもお得とは限りません。

以下は2014年1月で比較した主な海外(日本から行きやすい都市)発・ヨーロッパ行きの価格です(インターネット予約が可能なもの)。便の多いロンドン行きで比較しました。
東京-ロンドン:9.3万円
・上海-ロンドン:8.0万円
・北京-ロンドン:8.5万円
・広州-ロンドン:9.0万円
・香港-ロンドン:8.5万円
・バンコク-ロンドン:8.5万円
シンガポール-ロンドン:6.7万円

この比較では、明らかに安いのはシンガポール発くらいで、その他は東京発とあまり変わらないことがわかります。
マイレージや、LCCのキャンペーン(シンガポール路線のあるエアアジア、スクートなど)でシンガポールに安く行くことができれば、多少なりとも有利となるかもしれません。

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7. 編集後記

tabinote田口です。メールマガジンのVol.10をお届けします。
前回から一部有料とさせていただいたメールマガジンですが、おかげさまで登録者の方からもご好評を頂いております。
ただ、読者から資料性の高い「世界あの街この街」が一部の人にしか公開されないのは残念だとのご意見を頂き、メンバー内で検討の結果無料公開に変更することにいたしました。
引き続き有料版では新連載の企画も含め中身の濃いコンテンツをご提供していきますので、よろしければ登録の方お願い申し上げます。もちろん無料版も一切手を抜くことはございませんのでご安心ください。

さて、読者のみなさん年末年始のご予定は決まりましたでしょうか?
JTBの調査によると、年末年始の海外航空券予約状況トップはバンコク、以下、台北、ソウル、ホノルル、パリと続いています。やはりバンコクは人気ですね。
わたしからはバンコクから飛行機で1時間のチェンマイをおすすめします。バンコクほど都会ではない小さな街ですが北部だけあって暑さも厳しくなく、見どころも多くホテルの相場も安いので同じ予算で1ランク上の旅を楽しむことができますよ。
旅の予定が無いという方。年末年始のチケットはかなり高めで、空きも少なくなっています。1月中旬くらいからは大きく値が下がりますので、その頃が狙い目です。

それでは次回もよろしくお願いします。

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tabinoteメールマガジン 2013/11/05号 Vol.010

発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次号は11/19(火)発行の予定です。

Burning Man

tabinoteメールマガジン 2013/11/05号 Vol.010 無料版

こちらは2013年11月05日発行のtabinoteメールマガジンとなります。
ニュース、記事内容、イベント情報等現在ご利用できないものもありますのでご注意下さい。
tabinoteメールマガジンは隔週火曜日発行です。
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Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 バーニングマン2013/第4回
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:第10回 バルセロナ
5. 旅の本屋 のまど:イベント情報:11月7日(木)◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント
6. 読者からのお便り
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

フォートラベル、クチコミ投稿でANAマイルを付与

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旅行情報サイト「フォートラベル」は、クチコミ投稿などで貯まるフォートラベルポイントを1000ポイントにつき50ANAマイル、または50ANAスカイコインに交換できるキャンペーンを開始した。キャンペーン期間は11月1日から12月1日。投稿するクチコミは100文字以上、写真が1枚以上含まれることが条件だ。

ANAのスマホアプリがプッシュ通知に対応

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ANAはiOS/Androidで利用できるスマートフォンアプリ「ANA」をアップデート。Android版では表示されるバーコードをかざすだけで登場できる「モバイル搭乗券」が利用できるようになった。また、出発時刻や運航状況、搭乗口の変更などの情報を利用者の端末へ自動配信する「プッシュ通知」にも対応した。

ユナイテッド、キャセイ・パシフィックなどサーチャージ引き上げ

ユナイテッド航空、キャセイパシフィック航空、子会社の香港ドラゴン航空などが12月~1月発券分の燃油サーチャージを相次いで引き上げた。ユナイテッドの米国線は片道21,000円から23,500円、キャセイ・パシフィックの香港線は片道5,500円から6,000円になる。

トーマスクック鉄道時刻表が復活?

発行元の英旅行会社トーマスクック社が旅行代理店事業に集中するため2013年8月で休館になっていた「トーマスクック・ヨーロッパ時刻表」が、同誌編集部員が立ち上げた新会社「ヨーロピアン・レイル・タイムテーブル社」により2014年に2月から復刊することが明らかになった。なお、日本語版を発行していたダイヤモンド社からの発表はまだないようだ。

デルタ空港、離着陸時の電子機器利用が可能に

デルタ航空は、FAA(米国連邦航空局)の規制緩和を受け、国内線でのスマートフォンやパソコンなど電子機器の離発着時利用禁止を早ければ今年の11月より解除することが明らかになった。ただし利用はマナーモードにすることが条件で、携帯電話の通話は禁止のままだ。
FAAニュースリリース

バニラエア、チケット発売を開始もつながらず

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エアアジア・ジャパン日本撤退を受けてANAの出資により新設されたLCCバニラエアが11月1日よりウェブサイトでのチケット販売を開始した。目玉として成田から台北、ソウル、沖縄、札幌まで片道1000円の特別運賃「わくわくバニラ」が用意されたこともありアクセスが集中。半日以上ほぼアクセスできない状態が続いた。(現在はアクセス可能)

JAL、国内線でのWi-Fiサービスを2014年夏からスタート

JALは2014年夏より国内線の一部機材(777-200/300、767-300/300ER、737-800の計77機)にて機内でインターネット接続を提供するサービスを開始することを明らかにした。料金や対象路線など詳細は来年発表の予定。国際線ではすでに導入されている航空会社も多いが、国内線では日本初となる。

スクート、2014年より日本便にB787を就航

シンガポール航空傘下のLCCスクートは都内で記者会見を開催。2014年11月に受領するボーイングの新型機B787の運用について「日本は1番目か2番目になるだろう」とキャンベル・ウィルソンCEOが明言した。また、新路線については「(シンガポールから)4時間~9時間のフライトを路線の中心としたい」と語り、ニュージーランド、中東、日本、韓国、インドなどの候補国を上げた。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

薄氷の定刻出発

「これが最後かもしれない」
 そんなことを考えながら、5時31分に東京駅を出発する成田行きのバスに乗った。エアアジア・ジャパンは10月26日で運航を終え、12月からバニラエアになる。
 エアアジア・ジャパンの国際線は早朝便が多い。台北行き873便は朝の7時50分発である。10月20日。ひんやりとした空気のなかを、バスは成田空港に向かう。
 エアアジアの国際線のチェックイン締め切りは…


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第10回 吉田友和

く クルーズ

 初めてのクルーズ体験はカリブ海だった。フロリダから出港し、ハイチ、ジャマイカ、メキシコを周遊する一週間の船旅。乗ったのは、「オアシス・オブ・ザ・シーズ」という、とてつもなく巨大な客船だった。総重量約22万5,000トン、乗客定員数5,400人は、客船としては世界最大級を誇る。内部は端から端まで歩いただけで息が切れるほどの広さで、セントラルパークという名の公園まであった。まるで一つの街が海上を大移動しているようなスケールの大きさに圧倒された。
 その船の中で目にした光景は、僕が想像していたものとはいささか異なっていた…


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3a. tabinote旅行記 バーニングマン2013/第3回

はじめに

tabinoteスタッフの田口です。
このコーナーでは毎号スタッフの旅行記を掲載していきますが、今後は読者の方の旅行記も掲載していくつもりです。われこそはという方がいらしたら、ぜひこちらまでお寄せください。採用の方には薄謝を差し上げます。
また、tabinoteは自分だけのユニークな旅行プラン作成のお手伝いをするサービスです。このメルマガを読んでどこかへ行きたくなったら、ぜひtabinoteまでご相談ください。

Burning Man

4日目を過ぎると非日常が日常になってくる。出歩くことも最低限になり、ひたすらキャンプでぼんやり思索に耽っていることが多くなった。このままずっとここに暮らしたい。だが、この日常も長く続くものではない。やはりこれは非日常なのだ。
そしてあっという間に土曜日になり、Burning Manのメインイベント、シンボルの人形を燃やす「Burning Man」がやってきた。

日もとっぷり暮れた午後7時ごろ、シンボル周辺に人がワラワラ集まってくる。

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マンの周囲でファイアーダンスなどの火を使ったパフォーマンスが行われている。回りの人たちのテンションも最高潮だ。

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そしていきなりマンの土台になっているUFOが火を吹いた。

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すぐに盛大な花火が打ち上がる。

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ほどなくしてマンに火が付き。みるみるうちに全身に火が回っていく。これが「Burning Man」の儀式だ。

YouTube動画

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火はマンだけではなくUFOにもつけられる。
盛大にガソリンがぶっかけられているようで、はっきり言って大火災だ。100m以上離れているにもかかわらずとても熱い。
周囲は大騒ぎ。みんなビールを飲みながらはしゃぎまくっている。なんというか、本当にアメリカらしい光景だ。

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たっぷり1時間ほど燃えていたであろうか。期間中ずっとセンターに屹立していたイベントのシンボルは完全に消滅した。
つまりこれでこの街は終了。明日には撤収である。

翌日日曜の夜には、Burning Manの奥にあるテンプルが燃やされるというイベント(テンプルバーン)もあるのだが、僕はそこには参加せず代わりに自分なりのイベントを行った。
イベントといっても大したことではない。単に全裸になっただけである。
会場内にはヌーディストもそこそこいた。僕も裸になる事自体にはさほど抵抗はないつもりだったのだが、同行したほぼ初対面のキャンプメンバー15人に遠慮してしまい、結局その機会がなかったのだ。
だが今日はほぼ全員テンプルバーンを見に行っている。よし、チャンスだ!ということで即効で服を脱ぎ捨て全裸になった。
日は暮れており正直少し肌寒いが、やはり開放感ハンパない。キャンプを出て30分ほど周囲を歩きまわり堪能した。
もちろん誰も奇異の目では見ない。いつもどおり「Have a Nice Burn(お決まりの挨拶)」と声をかけてくれる人もいる。
Burning Manの期間は月曜から日曜日までの1週間。この長さが本当にちょうどいいと思う。これ以上長いときっと現実に戻ることができなくなってしまうだろう。

翌日の日曜日はほぼ後片付けに忙殺される。
1週間分の生活の残滓は思った以上に大量だ。
砂漠環境を守るため、会場にはゴミ1つ、汚水一滴たりとも残すことは許されていない。結局荷造りは深夜までかかってしまった。
現地で購入したテントや自転車、飲み残したビールなどはボランティアに渡すことができるようになっているが、それでも大量にゴミが残る。
人間が15人、最低限の文明生活を送るだけでこれだけのゴミが発生するのだなと実感することができた。
特に汚水の処理は大変だった。こぼれないよう注意してペットボトルやバケツに入れ慎重に持ち帰ることになる。

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多くの人は月曜の朝に帰る。我々は日曜深夜2時頃には出発したのだが、それでも街への一本道は大渋滞で殆ど動かない。

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あまりの渋滞に途中で横道にそれて休憩。もう完全に日は上っている。

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結局リノに戻るためにたっぷり8時間以上かかってしまった。
1週間まったく髪を洗わなかったのでゴワゴワだ。

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だがまだ仕事は残されている。1週間砂漠に放置して砂だらけになったレンタカーの洗車だ。洗車しないでそのまま返すと膨大な清掃料金を取られてしまうのだ。(このあたりは経験者の体験にとても助けられた)
と言っても手洗いできるレベルではないので街中の洗車場にお願いすることになる。洗車場では「Burning Man Pack」ということで特別料金メニューが提示されている。確か150ドル近くで異常に高いのだが、レンタカー会社のペナルティはそれ以上ということなのだ。
写真は自動洗車機を通しているところを車内から撮ったもの。そのあと車内は手作業で1時間くらいかけて綿密に掃除してもらえる。
ちなみに清掃作業員はほぼヒスパニック。彼らはBurning Manのことは知っているが行ったことはない。1周間も仕事を休めないし$400の入場料も法外だろう。一見自由な楽園ではあるが、結局富めるもの(もっと言えば富める白人)の道楽ではないか、という疑問・矛盾も強烈に内包しているイベントではあった。

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掃除が終わってピカピカになったキャンピングカー。ちなみにこちらの洗車料金は400ドルくらいした。

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集合場所のホテルにキャンプ全員の車が揃ったころには日が暮れていた。

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1週間ぶりの風呂に入ってから1週間ぶりの文明的な食事。おいしかったなあ。

ちなみに入浴時には湯船にためた湯にたっぷり酢を入れたものに浸かり、頭も酢を薄めたもので洗った。体がアルカリ性になっているからだという経験者のアドバイスからだが、確かに調子良くなった気がする。

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おみやげは拾ってきたマンの欠片だ。

祭りのあと

マンから戻った最初の晩のことはあまり覚えていない。
だが翌日は意外に早く目が覚め、リノのダウンタウンに行き少しだけカジノを冷やかした。
その後ホテルに戻りキャンプのみんなと最後の挨拶をし、ハグを交わした(すっかり外人である)。

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リノ空港でレンタカーを返してチェックイン。
Burning Man帰りの人で溢れていた。

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空港内には過去のBurning Manの写真やグッズが展示されていた。

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次の目的地は?

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僕はBurning Manの後に帰国せず、そのままもう一箇所アメリカの都市に行くことにしていた。
さてそこはどこでしょう?
答えは次回最終回で。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第2回:上海-杭州-南寧

上海

添乗員の指導する中国春秋航空体操で、LCCで凝り固まった体を解しながら、僕は小窓の外を眺めていた。厚いガスで覆われた靄のその先に、赤茶けた、暗い上海の海が波打っていた。その異様な光景は、終わることのない発展を掲げる中国の不可抗力を、諦めるかのように存在していた。
※編集部注:春秋航空体操→YouTube

上海ではホテルのスタッフ、ルームメイトに恵まれ、食事や列車のチケット購入等、すごく親切にしてもらった。そのうちどこかで、と考えていた趣味のバスケットボールもルームメイトに誘われてすることができた。その反面、その先の杭州や南寧ではこれといった出会いはなかった。出会いということに関しては大部分が運に左右されることがわかった。情報という観点からも、集められる時に集められるだけ集めておいた方が得策だと、気付かされた。

上海では3泊、ガイドブック通りの観光をし、杭州に移動した。杭州は世界遺産・西湖があり、上海からは毎時以上の本数で新幹線や列車が出ている。1時間程の道のりは快適で、1000円強。チケットは100円程の手数料を出せば上海市内のどの駅でも買うことができた。杭州は西湖を中心にした観光地で、少し物価も高く、長居するには決して居心地が良いとは思えなかった。訪れた目的は南寧への中継で、南寧はベトナムへ陸路で抜けるバスの発着地点で、パッカーや労働者たちの起点となる中都市だった。
杭州駅では筆談でチケットを購入。3500円で25時間、憧れの硬座(普通の硬く狭い座席)を手に入れることができた。チケットは前日で問題なく購入できた。
西湖

我慢こそが美徳のように描かれる旅行記の世界で、「硬座」という言葉は僕にとっていつしか憧れになっていた。身動きがとれない、眠れない、進まない、そして押し寄せる人、人、人。列車がホームに入ってきて、想像通りのヴィジュアルに胸が高鳴った。
そして、やっぱり硬座は素晴らしかった。よく食べる中国人に物売り、突然の停車に喧嘩。座席を持たず、たむろする人たち。この世界はやっぱり実在したんだと、口内炎を何度も噛み潰しながら僕は笑った。

車内

上海では観光客に声をかけてくるお茶会詐欺に引っ掛かりそうになったり、しつこい風俗の勧誘にあったりもした。南寧では道を聞こうとした女性に走って逃げられたりもした。クラクションは鳴りやまず、そこかしこで痰を吐き、喧嘩をする。地下鉄では信号無視やポイ捨て、マナーを促す液晶広告が流れ、何の意味も成していなかった。
それでも僕は構わない。一緒になって信号無視をしたし、お茶会詐欺からは走って逃げた。マスクも付けずに濁った空を毎日見上げた。
僕をしつこく風俗に誘った日本語堪能の劉さんに、反日感情について質問すると、「政治のことはわからない」とすぐに風俗に話題を変えられてしまった。
まあでも、結局そういうことなのかもしれないと、僕は思った。

次回はベトナム、カンボジアへの移動を記します。

——————
・中国では規制されたFacebook等のサイトをWebFreerというソフトウェアを使って皆、閲覧していました。
・杭州-南寧への移動はバスの方が安価で早いと他の旅行者から聞きました。
・杭州-南寧への列車は厳密には杭州東駅を経由するので、杭州駅からは地下鉄やバスで30分程の移動が必要です。
・南寧では、ネットで紹介されている好評価の LOTUSLAND HOSTELは廃業していました。
・ホテルはWi-Fi環境を優先し、1泊800円が相場のユースホステルに宿泊しました。


今回のルート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム・ハノイ(以降、東南アジアを周遊の後にインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定)

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第10回 バルセロナ

Barcelona
((c)Depositphotos)

スペイン王国・国旗

【画像:Wikipedia提供】

カタルーニャ州・州旗

【画像:Wikipedia提供】


見どころと特徴

バルセロナは世界有数の観光都市。都市圏人口約500万人に対し観光客数は740万人(2012年;バルセロナ観光局)。バルセロナの魅力はサグラダ・ファミリアをはじめとするアートやゴシック地区の美しい街並みだけではない。ワインやタパス、快適な都市インフラ、地中海の過ごしやすい気候、そして何よりも旅行者と外国人を受け入れる開放的な雰囲気がリピーターを惹きつけて離さない。
海岸沿いには美しいビーチが広がり、マヨルカやイビザといったリゾート観光の拠点でもある。

観光地巡りもいいが、食のレベルの高さや文化の薫り高い街並み、暖かい気候は特に目的の無いのんびりとした長期滞在にも向いている。

バルセロナ観光の中心はゴシック地区と呼ばれる旧市街。港にそびえ立つコロンブスの塔を背景に、並木道のランブラス通り沿いからカタルーニャ広場まではカフェが立ち並び、人通りの絶えることはない。東のライエタナ通りからは雰囲気のある旧市街が続き、壮麗なカテドラルや音楽堂、ガウディのグエル邸がランドマーク。
ピカソ美術館、バルセロナ現代美術館、ダリ美術館といったミュージアムも集中している他、ビーチや動物園などの自然も至近。

 ゴシック地区の写真
 ゴシック地区 (トリップアドバイザー提供)

しかし、何と言ってもこの地区のハイライトはカタルーニャ語でボケリア(Boqueria)と呼ばれるサン・ジュセップ市場。
欧州でも最も賑わっている市場の1つで、地元の野菜や果物、魚介やウサギ肉といった珍しい色とりどりの食材が並び、春夏秋冬いつ訪れても楽しい。山盛りのシーフードが名物の食堂も楽しみ。

ボケリア市場 (サン ジョセップ市場)の写真
ボケリア市場 (サン ジョセップ市場) (トリップアドバイザー提供)

El Cochinillo Locoの写真
Boqueria; El Cochinillo Loco (トリップアドバイザー提供)

ゴシック地区の北に位置するのはアシャンプラ地区。カタルーニャ広場からグラシア通りに沿って進むとカサ・バトリョ、カサ・ミラといったガウディの世界遺産建築が点在し、東にサグラダ・ファミリア聖堂がそびえ立つ。


カサ・ミラ (トリップアドバイザー提供)

街の南西部には標高173mのモンジュイックの丘があり、市街を一望できる。カタルーニャ美術館、ミロ美術館、万博の際に作られたスペイン村やオリンピック博物館などミュージアムも多い。
一方北の山の手には同じく市街を一望できるガウディの田園都市、グエル公園があり、こちらも多くの人で賑わう。

 グエル公園の写真
 グエル公園 (トリップアドバイザー提供)

バルセロナはFCバルセロナ、エスパニョールという名門フットボールチームの拠点でもある。それぞれのホームグラウンド(Camp Nouスタジアム、Cornella El Pratスタジアム)やカタルーニャ広場の観光インフォメーションカウンターで購入可能。

バルセロナ郊外、登山鉄道に乗って北西50km先には奇岩に抱かれたキリスト教の聖地、モンセラットがあり、山頂から地中海を一望できる。
更に北のフランス国境沿い、ピレネー山中にはトレッキングやスパリゾートが有名な小国、アンドラ公国がある。
アンドラ ラ ベリャの写真
アンドラ ラ ベリャ (トリップアドバイザー提供)

海側には、地中海沿い南にローマ遺跡の残るタラゴナ、バレンシアといった魅力ある都市が点在する他、高速船で3~4時間乗ればイビザ、マヨルカといった離島にも渡ることができる。
もちろんマドリードやグラナダなど、スペインの魅力的な都市を巡ってみてもいい。
イビザの写真
イビザ (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
2013年11月現在、日本からスペインへの直行便は無いため、ヨーロッパの都市を経由することになる。日本からロンドン、ローマ、モスクワといった欧州の都市を経由するルートが代表的。
費用は安い時期で10万円程度。往路・復路共に短い場合は所要15~19時間程度。
時間に余裕があれば、本場欧州のLCCを活用したい。パリやモスクワなどの比較的日本からのチケットが安い都市に移動・滞在してその地の観光も楽しみつつ、LCCでバルセロナ移動というルートがお勧め。
(LCCでパリからバルセロナまで5千円以内で飛ぶことができる)

他には中東系の航空会社がドーハやドバイを経由してバルセロナに就航している。所要時間は比較的長めで20時間超えもザラ。

アジアに移動してスペイン行きの直行便に乗るという手もある。ソウルから大韓航空が、北京から中国国際航空がマドリード行きの直行便を飛ばしているが、日本からバルセロナまでの経由便以上に高く、現地まで/バルセロナまでの移動費用や時間を含めるとお勧めはしにくい。


(陸路)
パリ、ミラノといった日本からの直行便がある都市から鉄道や国際バスで向かうことが出来る。パリからバルセロナまでは所要7時間で毎日2便。夜行のホテル列車なら12時間。ミラノからはホテル列車(エリプソス)サルバドール・ダリ号で13時間。チューリヒからパブロ・カザルス号で13時間半。いずれも豪華・快適ではあるが、一般に飛行機よりも高くつく。

国際バスEurolinesが欧州各都市を結んでいる。安さで有名だがLCCの方が安いことも多く、特にバスの旅をしたいということでなければよく比較検討が必要。15日乗り放題のパスなら215ユーロ。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、3泊5日(機中2泊)の成田発・エコノミーホテル利用のフリープランがサーチャージ込みで12万円程度。2名催行なら10万円台も見つかる。
安いツアーはカタール航空利用で、往路23時のフライトとなるため実質4日間程度の旅程となる。
往復の航空運賃とあまり変わらない場合もあり、パッケージツアーを賢く使うのも手。

(空港)
バルセロナ・プラット空港は2つのターミナルを持ち、国際線は2009年に完成したばかりのターミナル1を利用する。設計は東京銀座資生堂ビルやユナイテッドアローズ原宿本店なども手がけたカタルーニャの建築家、リカルド・ボフィル。

空港は中心街から13kmと近い。市内への足は、水色の空港バス(AeroBus)がカタルーニャ広場まで30分、片道5.75ユーロ・往復9.95ユーロ(9日間有効)で結んでいる。
タクシーなら市内まで20~30分、料金はカタルーニャ広場まで30ユーロ程度(+チップ)。
ターミナル2からは鉄道(近郊線RENFE)が乗り入れている。ターミナル3に無料シャトルバスで移動、サンツ(Sants)駅まで25分。

LCCで近隣国から入る場合にはターミナル2の他、北東75km離れたジローナ(へローナ)空港(GRO)もしくは南西115kmのレウス空港(REU)を利用する場合も。レウスはガウディの出生地として有名で、生家など多くの観光史跡がありリゾートにも近く、素通りするのはもったいない。


地理と気候

日本との時差は8時間、日本の方が早い。サマータイム中(3月の最終日曜日AM2:00~10月の最終日曜AM3:00)は時差7時間。
時間の感覚は日本に比べると相当ゆったりしている。午後1時~4時までは昼食(シエスタ)で商店は閉まっており、交通機関の遅延も多い。余裕を持ったスケジューリングが必要。

バルセロナはスペインのカタルーニャ地方、地中海側・フランス側に位置する。一年中降水が少なく温暖な地中海性気候。料理にもフランス風の影響がある。
一年を通して旅行に向いているが、夏はリゾート地を中心に混み合う。春か夏がベスト。9月はメルセ祭りや収穫祭などイベントも多い。


【画像:Google提供】


言語と通貨

公用語はカタルーニャ語(カタラン)、スペイン語。英語は若者や外国人向けのお店をのぞけばあまり通じない。

通貨はユーロ(EU)。1ユーロ=133円(13年11月時点)。概ね1ユーロ=130円と見ておけば良い。

スペインの物価は安めであるが、バルセロナは例外的。
ホテルの選択肢は比較的多く、4つ星ホテルで最低100ユーロから。オスタルと呼ばれる民宿形式の宿(食事は付かないことが多い)で40ユーロ程度。外食は最低でも10ユーロ程度、テイクアウトのサンドイッチが4ユーロ程度。地下鉄1回券、タクシー初乗りは共に2ユーロ。
テイクアウトの食事やワイン、タクシーはリーズナブル。

両替は、万国共通だがATMによる国際キャッシングが手軽。
銀行(Banco)が最もレートが良く、両替所(Cambio)はやや劣る。
ただし、そもそもクレジットカードも通じる場合が多いので、あまり多くの現金は必要無い。

チップ文化はホテルのベルボーイやポーターに1ユーロ、タクシーではおつりを渡す程度。高級レストランでは10%のサービスフィーが既に上乗せされている場合もある。カフェやバルでは基本的に不要。

消費税率は一般21%、食料品は10%。

バルセロナの観光施設を巡るなら、公共交通機関が無料になりミュージアムの割引もセットになったバルセロナカードを入手しておくとお得。

ユーロ紙幣・硬貨(画像:Wikipedia)


ビザと治安

バルセロナは欧州の中でもスリ、ひったくりなどの犯罪が多い都市。ニセ警官による所持品検査を偽った詐欺や強盗も発生している。2013年2月には日本人女性が被害に遭うひったくりが起きている。
注意すべき地域は地下鉄の駅・車内、ホテルのロビーの他、プラット空港・サンツ駅、サグラダファミリア、ゴシック地区、ランブラス通り、カタルーニャ広場などの観光地。

90日以内の観光滞在ではビザ不要。


市内交通

(タクシー)
初乗り2.05ユーロと安い。以降1kmあたり1ユーロ程度(夜間・土日と平日昼で若干料金異なる)。
市内に262箇所のタクシー乗り場がある他、通りを流している。

(地下鉄/鉄道)
地下鉄は8路線。
市内は2ユーロ均一。バス・トラム・鉄道にも有効な2日間乗り放題のトラベルカード13.4ユーロ、5日なら29ユーロ。

この他、モダンなデザインのトラムが6路線ある。

(画像:www.tram.cat)

バルセロナから郊外にはRENFEというスペイン鉄道が伸びている。空港への足としても便利。

(バス)
110もの路線があり、市内を縦横無尽に網羅している。バス停には路線毎にルート図が掲示されているので旅行者にもわかりやすい。バスが来たら手を上げて合図し乗車する。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は比較的多いが、観光客も相応に多いため価格がこなれているとは言えない。ハイシーズン(夏)は混み合うため予約が必須。4つ星ホテルで最低100ユーロ、通常150~200ユーロ程度。
これ以下となると、3つ星・2つ星クラスで50~100ユーロ。中心地からも離れる場合があるが、地下鉄を使えば経済的な料金で滞在できる。
オスタルと呼ばれる民宿形式(大抵食事は付かない)の宿で40ユーロ程度。

個人部屋の間借りサービスAirBnbを利用するのも良いかも。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
旅行者でも問題無くプリペイドSIM(PREPAGO)を購入することができる。
Vodafone、Yoigo、Mobistar、Orangeなどが大手事業者。3GのSIMフリー端末を用意していくか現地で購入する。
SIM自体は無料で、チャージ時(Recarga)課金という場合が多い。通話付の1G定額プランが12~20ユーロ程度。

バルセロナ・プラット空港のターミナル1、Crystal Media ShopでOrangeのカードが購入可能。街中には携帯ショップや通信会社のカウンターも多い。

(Wifi)
ホテルはもちろん、スターバックスやバル、カフェでWifiを開放していることが多い。
また、美術館や公園など440ヶ所で公衆無線LAN(Barcelona WiFi)。接続はパスワードも不要で、ネットワークから「Barcelona WiFi」を選ぶだけと簡単。

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5. 旅の本屋 のまど:イベント情報:11月7日(木)◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊『海外旅行最強ナビ』&『女子バンコク』発売記念
◆丸山ゴンザレスさん×MASAKIさん×山田静さん 対談トークイベント◆
「知っておくべき海外旅行のルール ~旅立ちから帰国まで」

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新刊『海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)の発売を記念して、著者で作家の丸山ゴンザレスさんと執筆者で世界200ヶ国を旅した有名ブロガーのMASAKIさん、そして新刊『女子バンコク』を編集した山田静さんの3人をお招きし、海外旅行に必要な様々なノウハウについてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。去年はLCC元年と呼ばれ、これまでの常識では考えられない安い料金で手軽に海外に行くことが可能になり、また、スマートフォンやタブレットといったインターネット端末の飛躍的な普及によって、旅のスタイルも劇的に変化しています。そこで本書では、下川裕治、嵐よういち、南まい、向井通浩、窪咲子といった旅のエキスパート達が実際に海外旅行で遭遇したリアルな体験をもとに、一人旅、はじめて、女子旅、ツアー、放浪などどんな旅のスタイルでも役立つように、知っておくべき旅の様々な情報やルールをイラストやチャートを使ってわかりやすく解説しています。前半では、丸山さんと世界一周を何度もしているMASAKIさんのお二人の旅の裏話や秘話を交えつつ、海外旅行の現状からこれからの旅のスタイルの行方のお話を、後半は、山田さんを交えて、大半の旅人が足を踏み入れる街、バンコクの魅力について、男目線と女目線の違いを中心にディープなお話をしていただきます。丸山さんやMASAKIさん、山田さんのファンの方はもちろん、これから海外旅行に初めて行く方や旅の達人のアドバイスに興味のある方はぜひ参加くださいませ!!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。

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●丸山ゴンザレス(まるやまごんざれす)

1977年宮城県生まれ。ジャーナリスト&編集者。國學院大學大学院修了後、出版社勤務を経てフリーになり裏社会や海外情報、都市伝説に関する評論やインタビュー、メディア出演、トークイベントを行う。著書に『アジア『罰当たり』旅行』『図解裏社会のカラクリ』『裏社会の歩き方』(彩図社)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)など。

◆丸山ゴンザレスさんブログ
http://ameblo.jp/maruyamagonzaresu/

●MASAKI(まさき)

1981年愛知県生まれ。札幌大学英語学科卒業。独身。『旅を仕事』にするためのWORLDWIDE HUNTERS,Incを08年4月旅中に設立。24歳の時に(世界)一周にだけ出発のつもりが旅好きが高じて移動しながら起業しての旅生活となり201カ国を7年5か月で訪問達成。30代からは世界中に「ENJOY WORLD」を理念として世界各地に
世界中の人々と楽しいことを共有できる宿、カフェ、クラブ、バー、マッサージ等のあらゆる複合施設施設を国毎に造って起業していく準備中。『世界一周NAVI』、『新世界一周NAVI』、『バックパッカー新聞』、『Brali旅マガジン』、『危ロード』、『拡散希望』等に連載、写真掲載多数。

◆MASAKIさんブログ「旅が仕事 世界一周ブログ」
http://www.worldwidehunters.com/

●山田静(やまだしずか)

1965年生まれ。初ひとり旅は中国。大学の研究課題「西遊記」をテーマに旅するうちに、気がつけばバックパッカーになり、旅が仕事になる。女性の旅をもっと元気にしたいと1999年に結成された、旅のよもやま話をゆるく楽しむ会「ひとり旅活性化委員会」主宰。『女ひとり旅読本』シリーズ(双葉社)ほか、数多くの旅関連書籍の編集、雑誌記事を手掛ける。

◆「ひとり旅活性化委員会」山田さんブログ
http://hitoritabiyamada.seesaa.net/

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【開催日時】 11月7日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:辰巳出版、双葉社

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6. 読者からのお便り

質問

…昔の旅行記や旅行作家の本を読んでいると、まずバンコクまで行ってそこでヨーロッパ行きのチケットを買うのが一番安いというような情報が出てきますが、実際どうなのでしょうか?時間はたくさんあるので、もしその方が安いのであればバンコクでチケットを探すのもいいかなぁと思っています。


お答え

確かに、以前はバンコク・カオサンなどの旅行代理店街に格安チケットがあふれており、日本で直接ヨーロッパ便を買うよりもいったんバンコクに行ってチケットを探した方が安いということがあったようです。

結論から言いますと、この方法は現在あまり有利とは言えません。タイ人が海外渡航をするようになり航空券の相場が上がったという面もありますし、インターネットで日本からも海外発券のチケットが買えるようになったことで掘り出し物が出てくる余地が少なくなりました。試してみる価値がゼロとはいいませんが、不確実性の高い方法になってしまったというところです。

ゴールデンウィーク、お盆などの日本に特有な繁忙期であれば日本発が高いため相対的に有利となる可能性もありますが、そもそもそういった時期はバンコクまでの移動が高めとなります。シーズンが関係無いマイレージを活用して現地に行き、安めのチケットを探すという手もありますが、繁忙期のマイル予約や現地滞在の手間・費用を考えると必ずしもお得とは限りません。

以下は2014年1月で比較した主な海外(日本から行きやすい都市)発・ヨーロッパ行きの価格です(インターネット予約が可能なもの)。便の多いロンドン行きで比較しました。
東京-ロンドン:9.3万円
・上海-ロンドン:8.0万円
・北京-ロンドン:8.5万円
・広州-ロンドン:9.0万円
・香港-ロンドン:8.5万円
・バンコク-ロンドン:8.5万円
シンガポール-ロンドン:6.7万円

この比較では、明らかに安いのはシンガポール発くらいで、その他は東京発とあまり変わらないことがわかります。
マイレージや、LCCのキャンペーン(シンガポール路線のあるエアアジア、スクートなど)でシンガポールに安く行くことができれば、多少なりとも有利となるかもしれません。

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7. 編集後記

tabinote田口です。メールマガジンのVol.10をお届けします。
前回から一部有料とさせていただいたメールマガジンですが、おかげさまで登録者の方からもご好評を頂いております。
ただ、読者から資料性の高い「世界あの街この街」が一部の人にしか公開されないのは残念だとのご意見を頂き、メンバー内で検討の結果無料公開に変更することにいたしました。
引き続き有料版では新連載の企画も含め中身の濃いコンテンツをご提供していきますので、よろしければ登録の方お願い申し上げます。もちろん無料版も一切手を抜くことはございませんのでご安心ください。

さて、読者のみなさん年末年始のご予定は決まりましたでしょうか?
JTBの調査によると、年末年始の海外航空券予約状況トップはバンコク、以下、台北、ソウル、ホノルル、パリと続いています。やはりバンコクは人気ですね。
わたしからはバンコクから飛行機で1時間のチェンマイをおすすめします。バンコクほど都会ではない小さな街ですが北部だけあって暑さも厳しくなく、見どころも多くホテルの相場も安いので同じ予算で1ランク上の旅を楽しむことができますよ。
旅の予定が無いという方。年末年始のチケットはかなり高めで、空きも少なくなっています。1月中旬くらいからは大きく値が下がりますので、その頃が狙い目です。

それでは次回もよろしくお願いします。

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tabinoteメールマガジン 2013/11/05号 Vol.010

発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

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次号は11/19(火)発行の予定です。