3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第1回:茨城空港-上海

春秋航空

4年半勤めた会社を辞めた。
適当に読み漁った深夜特急や金子光晴の旅行記の世界が眩しくて、気付けば誰の相談もなしに世界旅行を決めていた。
近所の旅の本屋 のまど に通い、下川裕治さんらの話を聞くうちにやっぱりこれだという思いが大きくなった。
「1度しかない人生」という使い古された言葉に導かれて、好奇心なのか現実逃避なのかもわからずに僕は旅に出ることにした。

6月。200万円を優に越えていた貯金も、税金や不在時の国保、旅に出るまでのふんぎりがつかない日々の度重なる放蕩で、気付けば130万円程になっていた。
景気よくヨーロッパを2週間彷徨いたり、今のうちとばかりに日本食を食べ過ぎたり、あとは何かにお金が消え、3ヶ月が経ってようやく準備にとりかかった。税金、国保で50万(まだ半期分請求が残っている)、予防接種で10万円、旅行保険で10万円、バックパックや諸々で5万円・・・幾らあっても足りないお金があっという間に消えてしまった。
今回の旅の予算は130万円。1年間で中東以外の全地域を極力陸路で回るというルールを課してやってみたいと思う。

今まで北京には訪れたことがあったので、中国南部からのスタートということで、航空券は上海行きの片道切符を探すことにした。ネットを使って探しだしたのは、1万9800円の中国春秋航空のチケット。目にしたものの中で最も安価で、検討した神戸からのフェリー(2万5千円)よりも安かった。ただ、このチケット、「東京駅集合」という不思議な注意書が付いていた。早速旅行会社に電話すると、出発の便は13:20、茨城空港だった。東京駅の集合は9:20で、そこでバス会社に500円支払うと連れていってもらえるとのことだった。安さと珍しさに負け、僕はこのチケットを購入することにした。
当日、バスの9割は中国人、茨城空港に着いてもそれは同じだった。安価な帰国便にでもなっているのだろうか。とにかく、とても狭いLCCで日本を発てるのがこの時は嬉しくて仕方なかった。

何の目的もなく、世界を歩く。あるはずのない埋蔵金を掘り続けるように、面白い1年になればと思う。

次回は上海、杭州、ベトナムへの移動を記します。


今回の旅程
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム・ハノイ(以降、東南アジアを周遊の後にインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定)

3b. 世界一周ノート 第1回


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第1回:茨城空港-上海

春秋航空

4年半勤めた会社を辞めた。
適当に読み漁った深夜特急や金子光晴の旅行記の世界が眩しくて、気付けば誰の相談もなしに世界旅行を決めていた。
近所の旅の本屋 のまど に通い、下川裕治さんらの話を聞くうちにやっぱりこれだという思いが大きくなった。
「1度しかない人生」という使い古された言葉に導かれて、好奇心なのか現実逃避なのかもわからずに僕は旅に出ることにした。

6月。200万円を優に越えていた貯金も、税金や不在時の国保、旅に出るまでのふんぎりがつかない日々の度重なる放蕩で、気付けば130万円程になっていた。
景気よくヨーロッパを2週間彷徨いたり、今のうちとばかりに日本食を食べ過ぎたり、あとは何かにお金が消え、3ヶ月が経ってようやく準備にとりかかった。税金、国保で50万(まだ半期分請求が残っている)、予防接種で10万円、旅行保険で10万円、バックパックや諸々で5万円・・・幾らあっても足りないお金があっという間に消えてしまった。
今回の旅の予算は130万円。1年間で中東以外の全地域を極力陸路で回るというルールを課してやってみたいと思う。

今まで北京には訪れたことがあったので、中国南部からのスタートということで、航空券は上海行きの片道切符を探すことにした。ネットを使って探しだしたのは、1万9800円の中国春秋航空のチケット。目にしたものの中で最も安価で、検討した神戸からのフェリー(2万5千円)よりも安かった。ただ、このチケット、「東京駅集合」という不思議な注意書が付いていた。早速旅行会社に電話すると、出発の便は13:20、茨城空港だった。東京駅の集合は9:20で、そこでバス会社に500円支払うと連れていってもらえるとのことだった。安さと珍しさに負け、僕はこのチケットを購入することにした。
当日、バスの9割は中国人、茨城空港に着いてもそれは同じだった。安価な帰国便にでもなっているのだろうか。とにかく、とても狭いLCCで日本を発てるのがこの時は嬉しくて仕方なかった。

何の目的もなく、世界を歩く。あるはずのない埋蔵金を掘り続けるように、面白い1年になればと思う。

次回は上海、杭州、ベトナムへの移動を記します。


今回の旅程
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム・ハノイ(以降、東南アジアを周遊の後にインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定)