3a. ミャンマー音楽紀行2017 その2
昨年に引き続き2号にわたってミュージシャン村上巨樹さんのミャンマー旅行記を連載します。
(注:本事例は2017年2月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。)
7日目(2月28日)
朝7時に起床。外からかすかに音楽が聞こえるので飛び起きる。ホテルの外に出ると、遠くの方から歌謡曲が聞こえる。ホテルの人に聞くと「祭りだよ。もう始まってて9時か10時には終わるよ」。
慌てて朝食食べて、バイクタクシーに乗って音の聞こえる方へ。
着いた村では生演奏ではなく音源だけが流れていた。聞くと祭りは明日だと言う。これは行ってみよう。
ホテルに戻ろうとすると、バイクタクシーの兄ちゃんが「俺の村で今日結婚式あるよ。見にくる?近いよ」と。是非是非!
着くとちょうど練り歩きをやってた。
なんだこの山車は!スピーカー紐でくくってる。
後ろには打楽器。
山車の1つ後ろには発電機。これで音響設備やマイクに電気を供給。
荷台に座ってる赤い帽子のおじさんがキーボードを弾く。歌手は曲ごとに入れ替わる。
おっちゃん!
花嫁さん。華やかな水牛と共に。
打楽器奏者も練り歩く。
結婚式会場。
音響機材に書かれてるミャンマー文字のデザインが秀逸。
風船売り。
別の山車。
ラジオ?
踊りもある。
会場のおじさんに聞いたら「式は2時から」。かなり時間あるので、一旦バガンを散策することに。
宿でeバイクをレンタル。1日8000チャット(約800円)。最大時速40キロでほぼスクーター。
バガンの地図。
このエリアは右上のニャウンウー、左上のオールドバガン、左下のニューバガンの3つに分けられる。俺のホテルはニューバガン。
ニューバガン〜オールドバガンはeバイクで15分ほど。
広大なエリアに、雨後のたけのこのように仏塔遺跡が点在する。eバイク使わないと無理。観光客向けの馬車があるけど、風情楽しみたい人向けかな。
まだ時間あるのでニャウンウーまで足を延ばす。静かな観光客向けのオールドバガンとは違い、賑わっている。
適当なレストランで食事。付け合わせがめっちゃ辛かった。
昼食を食べ終え14時に村を再訪。すると楽器を片付け始めていた。え、どういうこと!?おっちゃんに聞くと「もう終わったよ」えー!マジで?うなだれたまま宿に戻る。
夜はニャウンウーにある観光客向けのレストランへ。目的は人形劇。
食事はカレー、紅茶、コーヒーで計8500チャット(約850円)。
マンダレーと同じく、サインワインの劇伴あり。終演後、プレイヤーの方々少し話すことができた。伝統楽器の作り方や日本の楽器との共通項など。日本から来たと言うと、なんとスキヤキを演奏してくれた。
8日目(3月1日)
朝7時起床。若干腹の調子が悪い。なんか悪いもの食べたかな。屋上で朝食を取っていると、どこからか音楽が聞こえる。昨日教えられた村祭りだろうか?宿の人に行くと「いえ、あれは近所の寺が寄付を募ってるんです」。音楽の使われ方も色々なんだな。受付でeバイクを手配してもらい、早速昨日の村に出発。
村へはバイクで5分ほど。隠れている白い建物は寺。
スピーカーを積んだ山車。まだ準備中。祭りは9時から。
昨日と同じく、後部に打楽器。
遊ぶちびっこ。
寺の裏側からも音楽が聞こえて来た。
行ってみると会場が設営されていた。どうやら寺の表が行列のスタート地点で、裏のここがゴールらしい。
受付で寄付を納めると、朝食を振る舞ってくれた。
祭りスタート。行列についていく。
行列は村内の路地を練り歩く。
近所の人たちも一目見ようと集まって来た。
山車はみんなで押す。
やがてゴールの会場に到着。参加者やその家族が記念写真を撮っていた。山車から楽器が取り外されたので、祭りはこれで終わりのよう。eバイクに乗ってホテルに帰る。
やばい、腹の調子がおかしい。胃もたれっぽいから油にやられたかな。正露丸飲んで1時間ほど仮眠する。当初はタクシーをチャーターして少し離れた村に行こうと思ったけど、大事をとって取りやめることに。正午にチェックアウト。
バガンで昼食。油ものはできるだけ食べたくないけど仕方ない。ハンバーガー3000チャット(約300円)、レモンティー2000チャット(約200円)。生野菜だけ食べたい。
eバイクに乗ってニャウンウーを散策。すると遠くの方から音楽が聞こえてきた。なんだろう。気になって音の鳴る方へ。
音が鳴っていたのはここ。お寺…なのか?しかし大音量。
サインワインが生演奏やってる!一気にテンション上がる。どうやら今夜村祭りで、今はリハーサル中。
若いプレイヤー。ドラムセットも演奏するそう。
鈴とカスタネットでテンポを司る役目。楽団のリーダー。
ミャンマーの伝統楽器、フネー。日本でいうところのチャルメラ。
円環状に並ぶ金属打楽器、チーワイン。
写真を撮ってると、会場にいたおばあちゃんに声かけられた。「あんたどこから来たんだ」「日本から。ミャンマーの音楽が好きで調べてるんです」「ヨクキタ!」えっ、おばあちゃん日本語しゃべれるの!?
日本語喋るおばあちゃん・モモさんとお孫さん。お孫さんが化粧してるのは、今夜の祭りに出るから。モモさんとても親切で、カタコトの日本語でサインワインを解説してくれた。18時に本番だそうで、一旦離れる。
ニャウンウーの端にある川。これはマンダレーと繋がっているそうで、船旅が盛んなよう。
ビーチバレーのコート発見。
気付くと日没間際。絶景。
18時、祭りの会場を再訪。が、まだ準備中。
照明の準備中。
モモさんに聞いたら「19時からぼちぼち始まるよ」とのこと。今夜バスに乗らなきゃ行けないのでその時間だと見れないな。残念だけど本番見ずに宿へ戻る。
eバイクを返却し、フロントに預けていた荷物を受け取る。そうこうしてるうちにピックアップのバスが来た。今夜は深夜バスに乗りヤンゴンへ移動。
今回利用したのは高級バス会社JJエクスプレス。バガン〜ヤンゴン間が19ドル(約2100円)。予約はJJエクスプレスのフェイスブックページで可能。
ミネラルウォーターと軽食のサービスあり。
車内は3列シート。冷房地獄なので上着必須。
途中寄ったサービスエリアのような場所。相変わらず腹痛なので何も食べず。
9日目(3月2日)
朝6時ヤンゴン中央駅到着。適当なタクシーを捕まえて宿へ。チェックインは14時からだったけど体力が限界だったのでどうにかアーリーチェックイン可能か聞いてみた。結果NG。でも「屋上にデッキがあるので、そこなら休んでていいですよ」。ありがたい。
宿に別料金支払い、朝食を食べる。最高の眺めなんだけど、スイカとオレンジジュースしか喉を通らない。あとこの景色を見ると、いかにヤンゴンが都会かがわかる。
フロントで見つけたヒップホップイベントのチラシ。船上イベント。受付の兄ちゃんに聞いたら「ヤンゴンのクラブシーンは、クラブでやるか船でやるかの2択」だそう。面白いな。
「地球の歩き方」に乗っていたマッサージ店・ゲンキーに行ってみる。睡眠不足と旅疲れを回復。90分13000チャット(約1300円)。日本人が関係しているそう。ロビーに日本経済新聞あった。
大型書店へ。あれ?閉まってる。
ボージョーアウンサンマーケットも閉まってる。聞いたら今日は祝日だそう。失敗した。ミャンマー最終日だから買い物しようと思ったのに。
昼食は寿司。その名も「オイシイスシ」。
見えにくいけど、寿司職人のゆるキャラが「はい、おいしいよ!」と言ってる。
久々の日本食。味噌汁が体にしみる。酢飯ではないのでおにぎりっぽさはある。
午後イチでカセットを再訪。頼んでいたCDやカセットを購入。おばあちゃんに「明日日本に帰ります。また来年来ます」と言ったら「じゃあせっかくだから、今夜夕食一緒にどう?ご馳走するよ」。せっかくのご好意なのでいただくことにする。
一旦宿に戻ってチェックイン。
ダウンタウンの中心にあるスーレーパヤーへ。
せっかくなのでお参り。
18時、カセット屋のご家族と寿司屋へ。
寿司以外のメニューもある。
記念写真。ごちそうさまでした!
20時過ぎに宿に戻り、帰国に備え荷物を整理。さっさと寝る。
10日目(3月3日)
5時半起床。昨日頼んであったタクシーに乗り、6時に宿を発つ。空港まで8000チャット(約800円)。
復路はエアアジア。チェックイン、出国審査、手荷物検査をさっさと済ませる。ここでジャケットを受託手荷物に入れたのが大失敗。
両替所で余ったチャットをドルに替える。早朝7時だけど空いてる窓口あり。
ゲートに向かうエスカレーター。ヤンゴン国際空港、本当に綺麗になったな。
8時半、定刻離陸。
12時45分、クアラルンプール国際空港に到着。ここでトランジット。
先日事件があっただけに空港内はものものしい。手荷物検査、X線検査を計4回受けた。相変わらず腹痛がひどいので、昼食はマクドナルドのアイスクリームのみ。
14時40分、離陸。ここでエアアジアの冷房地獄にやられる。ジャケットを預けてしまったので、腹痛のまま冷房に耐える。機内食でどうにか暖をとり、ひたすら到着を待つ。
22時半、羽田空港到着。さっさと入国審査と税関を抜け、無事帰国。
今回はなかなか長丁場だったけど、そのおかげで地方都市にも行けたしじっくり聞き込み調査も行えた。新たに知り合えた人もいるし、また来年行きたい。とりあえず、買ってきた音源が未開封なのでそこから始めよう。