3a. ミャンマー音楽紀行2017 その1

昨年に引き続き2号にわたってミュージシャン村上巨樹さんのミャンマー旅行記を連載します。
(注:本事例は2017年2月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。)

Profile
村上巨樹

村上巨樹

岩手県在住。ギター奏者/作曲家/イベントオーガナイザー。自身のリーダーバンドte_riは今年活動10周年を迎える。日本の放浪芸とミャンマー音楽を研究中。

 2017年2月22日〜3月3日にかけてミャンマーへ一人旅に行ってきた。目的は音楽調査で、去年1月の渡航に続き2度目。前回は4泊5日でヤンゴンのみだったけど、今回は10泊11日で地方にも行く。
 引き続きミャンマー音楽の複雑怪奇な美しさに魅了されっぱなし。例えばコレ。違和感バリバリだけど、とにかく美しい。この謎にどこまで迫れるか。
https://youtu.be/S6yFOTxe_OQ

1日目(2月22日)


 19時頃、羽田空港到着。今回は往路は香港エクスプレス、往路はエアアジアを利用。本当は揃えたかったけど、この選択肢だと1日長く滞在が可能なので。

01
 早々にチェックイン。今回の荷物はリュック7キロとノートパソコンの2つを機内持ち込み。「サイズや重量、何かつっこまれるかな」と若干不安だったが、結局リュックの重さを計られただけ。サイズのチェックは無し。
 係員に言われたので復路のイーチケット、パスポート、ビザを見せる。最後「一度計ったのです、後で何か増やさないでくださいね」と念押される。
 保安検査~出国審査を済ませ搭乗ゲートへ向かう。ゲート周辺の座席にはコンセントが充実しており、今のうちにスマホを充電しておく。

02
 座席はこんな感じ。LCCならこんなもんかな。
 23時55分離陸予定だったが0時15分離陸。

2日目(2月23日)


 午前5時20分、香港国際空港に到着。ここでトランジット。香港エクスプレスはトランジットチェックインが必要。

03
 羽田空港でもらった、トランジットデスクの案内図。

04
 しかしカウンターに着いたが、係員が誰もいない。案内所に聞いたら「時間早すぎ。待ってて」と言われる。やること無いので空港内のコンビニでサンドイッチを買い朝食。1時間くらいしたら係員が来た。

05
 トランジットデスクの一覧表。
 係員にパスポート、イーチケット、ビザを見せてチェックイン終了。搭乗ゲートへ移動し次の飛行機を待つ。午前7時15分離陸。
 機内では爆睡していたので、気付いたらミャンマー上空。滑走路が渋滞していたんだろうか、1時間くらい旋回していた。午前10時、ヤンゴン国際空港に到着。

06 
 1年ぶりのヤンゴン国際空港、その新しさに驚く。なんだこれ、めっちゃキレイになってる!去年来た時には古めかしいターミナル1棟のみだったが、今では新ターミナルが2棟稼働しており、計3棟だそう。

07
 高級ホテルのような内装、英語やピクトグラムが併記された案内板、ピカピカのトイレ、ケンタッキーフライドチキンもある。(ミャンマーには外国企業がほとんど無い)
 入国審査場手前にある机で入国カードと税関申告書を記入する。すると入国カードを書き終えたタイミングで空港職人のおっちゃんに「そっちは書かなくてもいいから!早く列に並んで!」と急かされる。え!税関申告書も書かなくじゃダメだろ!?結局おっちゃんに言われるまま入国審査の列に並ぶ事に。えーいいのかなぁ、これで入国拒否されたらどうするんだろう。
 結果、税関申告書未記入でも問題無し。これでいいの!?もちろん他の書類やパスポートチェックはしっかりされたけど。

08
 到着ロビーを抜けて両替。ミャンマー国内では円から現地通貨であるチャットへの両替はほぼ不可能。あらかじめ日本でドルへ両替しておく必要がある。とりあえず400ドルをチャットに両替。
 タクシー案内所で1台手配してもらう。ダウンタウンにある宿まで9000チャット(約900円)。タクシーの運ちゃんに「どこから来たんだ?」と聞かれたので「日本から。ミャンマーの音楽が好きで調べてるんだよね」と言うと、運ちゃん音楽好きだと判明。話に花が咲く。幸先いいな!

09
 助手席にあったのは有名なミュージシャン・ミャンマーピーテインタンのVCD。

 宿に到着し、チェックイン。そして通訳とガイドをお願いしているウィンさんに「すみません。到着が遅れて今宿に着きました」と連絡。もうどこでもwi-fi必須。

10
 ロビーにあったDJイベントのポスター。会場はなんと船。凄く気になる。

11
 ウィンさん到着。ウィンさんは以前日本に住んでらっしゃったそうで日本語ペラペラ。頼もしい。近所のレストランで昼食を食べる。大量のパクチーを食べながら「あぁ、ミャンマーに来たんだなぁ」としみじみ。

 食事を済ませ、今日の目的地であるギタメイトに移動。ギタメイトとはヤンゴン唯一の私立音楽学校。前回渡航時に訪問したが、その時は誰とも会えなかった。その後メールでやり取りさせてもらい、念願叶って伺えることに。

12
 ギタメイトに到着。ヴォーカル課の先生と校長先生に会い、ご挨拶を。今回の旅はまだまだ長いけど、まずはここに来れて良かった。この日は新校舎完成を記念し、ナップェーをやっていた。ナッは精霊の意で、プェーは祭り。精霊に扮した芸能者が歌や踊りを披露する儀式。日本で言うところの上棟式?

13
 全ての儀式はサインワインとともに行われる。サインワインとはミャンマーの民族楽器を使ったアンサンブル。ようやく生で見れて感動。

14
 サインワインを横から見た図。楽器はどれもアコースティック楽器だが音響設備あり。この音量増幅により、元来の陶酔感が倍増する。
 ナップェーも無事終わり、再び先生とあれこれ話す。実はギタメイトには明後日もう一度来るけど、それはまた2日後の日記で。タクシーに乗り宿へと帰る。

3日目(2月24日)


 午前10時、宿でウィンさんと合流。タクシーに乗り、今日の最初の目的地であるミャンマー音楽協会へ。ミャンマー音楽を研究している者としては、どうにか専門家の方にインタビューをしたいと思っていた。

15
 作曲家の方々とお会いでき、インタビューをすることができた。細かい音楽用語やニュアンスをウィンさんがバシバシ訳してくれる。
 日本から持ってきた映像をパソコンで見ながら、あれこれ質問。ミャンマー音楽の謎がまた1つ解析できた。

16
 インタビューの最後に記念写真を。お二方、貴重なお時間ありがとうございました!
 タクシーに乗り、カセットテープ屋へ。ここは前回渡航時に訪問済みで、その際かなり仲良しになったお店。

17
 1年振りの再会。お二人ともお変わりなく元気そう。お土産のキモノロンジーを渡す。キモノロンジーとは鶴や桜をあしらった和柄の生地で、東南アジアの人に人気のお土産。売っているのは日暮里のミハマクロス。
 カセットやCDなど、資料になりそうなものやオススメを購入。幾つか店頭に無いものがあり、それは旅行最終日に再訪し受け取ることにした。

18
 ウィンさんと昼食を食べ、午後は楽器屋、CD屋、カセット屋をハシゴ。(上の写真はカセット屋)日本から持ってきたパソコン映像を店員さんに見てもらいながら、欲しいブツをひたすら探す。

19
 日が沈みかけた頃、タクシーに乗りシュエダゴンパヤーへ。去年は午前中に来たが、友人から「夜のほうが幻想的でキレイだよ」とアドバイスもらったので今回は夜に。結論から言うと、夜来たの正解!

20
 ライトアップされたパヤーは幻想的だし、通路が熱くない(昼は直射日光のせいでホットプレート状態)。お祈りをしていたら、どこからともなく僧侶の読経が聞こえてきた。たまらない瞬間。

21
 夕食は宿近くの路上レストランでチャーハンみたいなのを適当に頼む。この量で1200チャット(約120円)。

4日目(2月25日)


 この日は正午から動く。ウィンさんとホテルで合流し、とある人に会いに行く。知人から「ミャンマーレコードの研究本があるらしい」と噂を聞いていて、今から会うのはその発行者。

22
 この本、かなり重い。1.5キロあり辞書レベル。中のほとんどはミャンマー語で読めないが、レコードジャケット一覧や蓄音機の新聞広告を眺めているだけで胸が熱くなる。

23
 どんな音だったんだろう。

 次はレコードを扱っている店を訪問。店員に在庫見せてもらって品定め。が、去年より値上がりしている。ディスカウント交渉したがいまいち。これだったら同じ金額分カセット買ったほうがいいな。というわけで1枚も買わず。

24
 去年も来たカセット屋へ。大量に陳列されている極彩色のカセット。見ているだけでテンションが高くなる。店主のおばちゃんにオススメ聞きながら品定め。「あんた去年も来たわよね」と言われてビックリ。「え!?そうです。覚えてらっしゃるんですか?」「だってウチに来る日本人はあんた含め3人しかいない」。他の2人の名前を聞いたら、そのうち1人は知人でした。狭いな。

25
 タクシーでギタメイトを再訪。おとといはナップェーだったが、この日は新校舎完成記念のコンサート。おめでたい日なのでごった返している。生徒もご近所さんも多数。

26
 ヴォーカル課の先生と記念写真。

27
 ギタメイトマンダレー校の先生と記念写真。CDをいくつかプレゼント。写真のは小川美潮の名盤「4to3」。

28
 この日は新校舎完成記念のコンサートは、ノルウェーの弦楽四重奏とギタメイトの生徒とのジョイント。本編終盤に歌われたのはルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。いつもならスルーする曲だけど、この日は重く心に響いた。
 終演前にウィンさんとお別れ。3日間ありがとうございました!帰りはタクシーに乗って宿へ。明日朝が早いので早々に寝る。

5日目(2月26日)


 朝6時に宿を出る。手配してもらったタクシーに乗り、ヤンゴン国際空港へ。料金は10000チャット(約1000円)。
若干高いな。

29
 国内線カウンターでチェックイン。評判良さげな航空会社はどこか事前に調べ、適当にエアKBZを選んでみた。ヤンゴン〜マンダレー間が114ドル。
 手荷物検査時に「そのリュック開けて」と言われた。大人しく開けると中から大量のCDが。検査官が物珍しそうに「マーマーエ(ミャンマーでは有名な古い歌手)とか聞くの?」と言ってきた。イエスと言うと「あっそう」だって。いいじゃんか別に。

30
バスに乗り機体へ。

31
日本車だ。

32
国内線なので小型。

33
4列シート。若干狭い印象。

34
座席はこんな感じ。香港エクスプレスに比べ若干圧迫感あり。
8時15分、定刻離陸。

35
機内食はサンドイッチ、甘味、チョコ、飲み物。まぁ朝食にはこれくらいが適量か。
1時間ちょっとでマンダレー国際空港に到着。あっという間。

36
 バゲージクレームで荷物をピックアップ。手荷物検査を抜けてタクシー乗り場へ。マンダレー国際空港はダウンタウンからかなり離れている。タクシー料金も、1人での利用なら12000チャット(約1200円)となかなか。シェアタクシーだと1人4000チャット(約400円)。少しでも節約したいので、シェアタクシーを選ぶ。

37
 シェアタクシー(という名のバン)に乗ったら、フランス人女性のバックパッカーが乗ってた。出発まであれこれ会話。が、なかなか出発しない。どうやら満席にならないと出発しないらしい。現状乗客はうちら2人のみ。
 彼女から「2人でシェアして普通のタクシーに乗らない?」と提案されたのでイエス。値段交渉して俺は7500チャット(約750円)、彼女は7000チャット(約700円)。が、彼女は細かい紙幣も持ってなかった。ドライバーが「お釣り無いよ」と言って揉めてる。結局俺が細かい紙幣少し持ってたので仲裁。

38
俺の方が先にホテルに到着。チェックインして速攻タクシーに乗ってカセット屋に行く。

39
 1軒目。ずっと探してたライブ映像集が見つかり歓喜。

40
 2軒目。若者に人気のあるアーティストのVCDを購入。
 バイクタクシーに乗って宿に戻る。ヤンゴンでタクシーと言えば車だが、ここマンダレーではバイクが主流。同じ距離でもバイクだと半額になるし、そもそも車のタクシーはそんなに走っていない。

41
 この旅2度目の両替。宿の近くにあって便利。

42
 夜は人形劇の劇場へ。ミャンマーの人形劇はヨウッテー・ポエーと言い、国が保護している伝統芸能だ。去年ヤンゴンの劇場で見たが、その時はBGMがカラオケでがっくし。この劇場はサインワインの生演奏がちゃんとある。

43
 ステージの前方にサインワインがある。てっきり人形劇だけだと思ってたけど、蓋を開けてみたら伝統舞踊とサウンガウ(竪琴)の演奏も見ることができた。ラッキー。

44
 終演後、打楽器奏者と少し話すことができた。ミャンマー音楽のキーワードを1つ教えてもらう。喫茶店でジュース飲んで、宿戻って就寝。

6日目(2月27日)


 朝7時起床。ホテルが王宮のすぐ近くなので散歩してみる。

45
 マンダレーの中心に鎮座する王宮。外郭を歩くがとにかくでかい。外郭は正方形で、その一片を歩くと30分かかる。

46
 体操用の遊具が点在している。利用率は高い。
 せっかく散歩に出たので、この先にある朝市まで歩いてみる。

47
 売り手と買い手でごった返している。

48
 雑然とした雰囲気、客寄せの声、バイクのクラクション。それらが混然一体となっている。

49
 小腹が空いたのでモヒンガーを食べる。そうめんに近いミャンマーの国民食。400チャット(約40円)。

50
 ごちそうさまでした。
 バイクタクシーに乗り、宿へ戻る。
 宿の近くに昨日の人形劇シアターがあるので行ってみる。すると人形使いのおじさんが表にいて、インタビューできた。

51
 おじさん、5回も来日したそう。
 宿に戻りチェックアウト。フロントで荷物を預かってもらい、また外出。
 午後イチで昨日のカセット屋を再訪し、追加であれこれ買う。それぞれの店でラインナップは大きく異なるので、見つけたら即買うのが良い。
 「地球の歩き方」に書いてあったYMCA日本語学校に行ってみる。ボランティアで日本語を教えてらっしゃる初老の男性と会うことができた。「この先にシュエターチャウン運河があって、そこを越えると一気に景色が変わりますよ」と教えてもらった。せっかくなので行ってみる。

52
 運河(というか川)にかかる橋。ここを越えると雑然度合いが一気に増す。舗装されていない道路、舞う砂煙、バラックで作られた住居。川が貧富の差を線引きしているように思える。

53
 電話帳で見つけたCD屋。収穫なし。

54
 たまたま見つけたVCD屋。ここも収穫なし。
 夕方、バイクタクシーに乗り宿へ戻る。フロントの係員が「シャワー浴びますか?」と気を使ってくれた。断ったが素晴らしい。更にマンダレーでの音楽情報をあれこれ教えてもらえた。次回行きたい。ありがとう!
 17時、ピックアップトラックが迎えに来てくれた。今からバスに乗り、遺跡の町バガンへ移動。

55
 トラックが市内のホテルを巡り乗客をピックアップする。今回利用したのはネットで評判の良かったOKバス。店員20人弱の小型バス。おしぼりと水のサービスあり。
 17時40分、出発。バガンまでの道はかなり悪路だが、アトラクションのようで面白い。街灯の無い道路を疾走する様は飽きない。
 途中ガソリンスタンドに立ち寄る。でもエンジン止めずに給油。いいのか?

56
 営業所に立ち寄り、トイレ休憩。車内は冷房きついので上着必須。
 22時、バガンのホテルに到着しチェックイン。荷物降ろして近所のレストランでようやく夕食。

57
 フィッシュカレー3000チャット(約300円)、ライス500チャット(約50円)、スプライト1000チャット(約100円)。豆は勝手に出されたけど手をつけなかった。

58
 レストランの真向かいにあった仏塔。ライトアップがクリスマスツリーみたい。

3a. tabinote旅行記 ミャンマー音楽紀行2017 その1


3a. ミャンマー音楽紀行2017 その1

昨年に引き続き2号にわたってミュージシャン村上巨樹さんのミャンマー旅行記を連載します。
(注:本事例は2017年2月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。)

Profile
村上巨樹

村上巨樹

岩手県在住。ギター奏者/作曲家/イベントオーガナイザー。自身のリーダーバンドte_riは今年活動10周年を迎える。日本の放浪芸とミャンマー音楽を研究中。

 2017年2月22日〜3月3日にかけてミャンマーへ一人旅に行ってきた。目的は音楽調査で、去年1月の渡航に続き2度目。前回は4泊5日でヤンゴンのみだったけど、今回は10泊11日で地方にも行く。
 引き続きミャンマー音楽の複雑怪奇な美しさに魅了されっぱなし。例えばコレ。違和感バリバリだけど、とにかく美しい。この謎にどこまで迫れるか。
https://youtu.be/S6yFOTxe_OQ

1日目(2月22日)


 19時頃、羽田空港到着。今回は往路は香港エクスプレス、往路はエアアジアを利用。本当は揃えたかったけど、この選択肢だと1日長く滞在が可能なので。

01
 早々にチェックイン。今回の荷物はリュック7キロとノートパソコンの2つを機内持ち込み。「サイズや重量、何かつっこまれるかな」と若干不安だったが、結局リュックの重さを計られただけ。サイズのチェックは無し。
 係員に言われたので復路のイーチケット、パスポート、ビザを見せる。最後「一度計ったのです、後で何か増やさないでくださいね」と念押される。
 保安検査~出国審査を済ませ搭乗ゲートへ向かう。ゲート周辺の座席にはコンセントが充実しており、今のうちにスマホを充電しておく。

02
 座席はこんな感じ。LCCならこんなもんかな。
 23時55分離陸予定だったが0時15分離陸。

2日目(2月23日)


 午前5時20分、香港国際空港に到着。ここでトランジット。香港エクスプレスはトランジットチェックインが必要。

03
 羽田空港でもらった、トランジットデスクの案内図。

04
 しかしカウンターに着いたが、係員が誰もいない。案内所に聞いたら「時間早すぎ。待ってて」と言われる。やること無いので空港内のコンビニでサンドイッチを買い朝食。1時間くらいしたら係員が来た。

05
 トランジットデスクの一覧表。
 係員にパスポート、イーチケット、ビザを見せてチェックイン終了。搭乗ゲートへ移動し次の飛行機を待つ。午前7時15分離陸。
 機内では爆睡していたので、気付いたらミャンマー上空。滑走路が渋滞していたんだろうか、1時間くらい旋回していた。午前10時、ヤンゴン国際空港に到着。

06 
 1年ぶりのヤンゴン国際空港、その新しさに驚く。なんだこれ、めっちゃキレイになってる!去年来た時には古めかしいターミナル1棟のみだったが、今では新ターミナルが2棟稼働しており、計3棟だそう。

07
 高級ホテルのような内装、英語やピクトグラムが併記された案内板、ピカピカのトイレ、ケンタッキーフライドチキンもある。(ミャンマーには外国企業がほとんど無い)
 入国審査場手前にある机で入国カードと税関申告書を記入する。すると入国カードを書き終えたタイミングで空港職人のおっちゃんに「そっちは書かなくてもいいから!早く列に並んで!」と急かされる。え!税関申告書も書かなくじゃダメだろ!?結局おっちゃんに言われるまま入国審査の列に並ぶ事に。えーいいのかなぁ、これで入国拒否されたらどうするんだろう。
 結果、税関申告書未記入でも問題無し。これでいいの!?もちろん他の書類やパスポートチェックはしっかりされたけど。

08
 到着ロビーを抜けて両替。ミャンマー国内では円から現地通貨であるチャットへの両替はほぼ不可能。あらかじめ日本でドルへ両替しておく必要がある。とりあえず400ドルをチャットに両替。
 タクシー案内所で1台手配してもらう。ダウンタウンにある宿まで9000チャット(約900円)。タクシーの運ちゃんに「どこから来たんだ?」と聞かれたので「日本から。ミャンマーの音楽が好きで調べてるんだよね」と言うと、運ちゃん音楽好きだと判明。話に花が咲く。幸先いいな!

09
 助手席にあったのは有名なミュージシャン・ミャンマーピーテインタンのVCD。

 宿に到着し、チェックイン。そして通訳とガイドをお願いしているウィンさんに「すみません。到着が遅れて今宿に着きました」と連絡。もうどこでもwi-fi必須。

10
 ロビーにあったDJイベントのポスター。会場はなんと船。凄く気になる。

11
 ウィンさん到着。ウィンさんは以前日本に住んでらっしゃったそうで日本語ペラペラ。頼もしい。近所のレストランで昼食を食べる。大量のパクチーを食べながら「あぁ、ミャンマーに来たんだなぁ」としみじみ。

 食事を済ませ、今日の目的地であるギタメイトに移動。ギタメイトとはヤンゴン唯一の私立音楽学校。前回渡航時に訪問したが、その時は誰とも会えなかった。その後メールでやり取りさせてもらい、念願叶って伺えることに。

12
 ギタメイトに到着。ヴォーカル課の先生と校長先生に会い、ご挨拶を。今回の旅はまだまだ長いけど、まずはここに来れて良かった。この日は新校舎完成を記念し、ナップェーをやっていた。ナッは精霊の意で、プェーは祭り。精霊に扮した芸能者が歌や踊りを披露する儀式。日本で言うところの上棟式?

13
 全ての儀式はサインワインとともに行われる。サインワインとはミャンマーの民族楽器を使ったアンサンブル。ようやく生で見れて感動。

14
 サインワインを横から見た図。楽器はどれもアコースティック楽器だが音響設備あり。この音量増幅により、元来の陶酔感が倍増する。
 ナップェーも無事終わり、再び先生とあれこれ話す。実はギタメイトには明後日もう一度来るけど、それはまた2日後の日記で。タクシーに乗り宿へと帰る。

3日目(2月24日)


 午前10時、宿でウィンさんと合流。タクシーに乗り、今日の最初の目的地であるミャンマー音楽協会へ。ミャンマー音楽を研究している者としては、どうにか専門家の方にインタビューをしたいと思っていた。

15
 作曲家の方々とお会いでき、インタビューをすることができた。細かい音楽用語やニュアンスをウィンさんがバシバシ訳してくれる。
 日本から持ってきた映像をパソコンで見ながら、あれこれ質問。ミャンマー音楽の謎がまた1つ解析できた。

16
 インタビューの最後に記念写真を。お二方、貴重なお時間ありがとうございました!
 タクシーに乗り、カセットテープ屋へ。ここは前回渡航時に訪問済みで、その際かなり仲良しになったお店。

17
 1年振りの再会。お二人ともお変わりなく元気そう。お土産のキモノロンジーを渡す。キモノロンジーとは鶴や桜をあしらった和柄の生地で、東南アジアの人に人気のお土産。売っているのは日暮里のミハマクロス。
 カセットやCDなど、資料になりそうなものやオススメを購入。幾つか店頭に無いものがあり、それは旅行最終日に再訪し受け取ることにした。

18
 ウィンさんと昼食を食べ、午後は楽器屋、CD屋、カセット屋をハシゴ。(上の写真はカセット屋)日本から持ってきたパソコン映像を店員さんに見てもらいながら、欲しいブツをひたすら探す。

19
 日が沈みかけた頃、タクシーに乗りシュエダゴンパヤーへ。去年は午前中に来たが、友人から「夜のほうが幻想的でキレイだよ」とアドバイスもらったので今回は夜に。結論から言うと、夜来たの正解!

20
 ライトアップされたパヤーは幻想的だし、通路が熱くない(昼は直射日光のせいでホットプレート状態)。お祈りをしていたら、どこからともなく僧侶の読経が聞こえてきた。たまらない瞬間。

21
 夕食は宿近くの路上レストランでチャーハンみたいなのを適当に頼む。この量で1200チャット(約120円)。

4日目(2月25日)


 この日は正午から動く。ウィンさんとホテルで合流し、とある人に会いに行く。知人から「ミャンマーレコードの研究本があるらしい」と噂を聞いていて、今から会うのはその発行者。

22
 この本、かなり重い。1.5キロあり辞書レベル。中のほとんどはミャンマー語で読めないが、レコードジャケット一覧や蓄音機の新聞広告を眺めているだけで胸が熱くなる。

23
 どんな音だったんだろう。

 次はレコードを扱っている店を訪問。店員に在庫見せてもらって品定め。が、去年より値上がりしている。ディスカウント交渉したがいまいち。これだったら同じ金額分カセット買ったほうがいいな。というわけで1枚も買わず。

24
 去年も来たカセット屋へ。大量に陳列されている極彩色のカセット。見ているだけでテンションが高くなる。店主のおばちゃんにオススメ聞きながら品定め。「あんた去年も来たわよね」と言われてビックリ。「え!?そうです。覚えてらっしゃるんですか?」「だってウチに来る日本人はあんた含め3人しかいない」。他の2人の名前を聞いたら、そのうち1人は知人でした。狭いな。

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 タクシーでギタメイトを再訪。おとといはナップェーだったが、この日は新校舎完成記念のコンサート。おめでたい日なのでごった返している。生徒もご近所さんも多数。

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 ヴォーカル課の先生と記念写真。

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 ギタメイトマンダレー校の先生と記念写真。CDをいくつかプレゼント。写真のは小川美潮の名盤「4to3」。

28
 この日は新校舎完成記念のコンサートは、ノルウェーの弦楽四重奏とギタメイトの生徒とのジョイント。本編終盤に歌われたのはルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」。いつもならスルーする曲だけど、この日は重く心に響いた。
 終演前にウィンさんとお別れ。3日間ありがとうございました!帰りはタクシーに乗って宿へ。明日朝が早いので早々に寝る。

5日目(2月26日)


 朝6時に宿を出る。手配してもらったタクシーに乗り、ヤンゴン国際空港へ。料金は10000チャット(約1000円)。
若干高いな。

29
 国内線カウンターでチェックイン。評判良さげな航空会社はどこか事前に調べ、適当にエアKBZを選んでみた。ヤンゴン〜マンダレー間が114ドル。
 手荷物検査時に「そのリュック開けて」と言われた。大人しく開けると中から大量のCDが。検査官が物珍しそうに「マーマーエ(ミャンマーでは有名な古い歌手)とか聞くの?」と言ってきた。イエスと言うと「あっそう」だって。いいじゃんか別に。

30
バスに乗り機体へ。

31
日本車だ。

32
国内線なので小型。

33
4列シート。若干狭い印象。

34
座席はこんな感じ。香港エクスプレスに比べ若干圧迫感あり。
8時15分、定刻離陸。

35
機内食はサンドイッチ、甘味、チョコ、飲み物。まぁ朝食にはこれくらいが適量か。
1時間ちょっとでマンダレー国際空港に到着。あっという間。

36
 バゲージクレームで荷物をピックアップ。手荷物検査を抜けてタクシー乗り場へ。マンダレー国際空港はダウンタウンからかなり離れている。タクシー料金も、1人での利用なら12000チャット(約1200円)となかなか。シェアタクシーだと1人4000チャット(約400円)。少しでも節約したいので、シェアタクシーを選ぶ。

37
 シェアタクシー(という名のバン)に乗ったら、フランス人女性のバックパッカーが乗ってた。出発まであれこれ会話。が、なかなか出発しない。どうやら満席にならないと出発しないらしい。現状乗客はうちら2人のみ。
 彼女から「2人でシェアして普通のタクシーに乗らない?」と提案されたのでイエス。値段交渉して俺は7500チャット(約750円)、彼女は7000チャット(約700円)。が、彼女は細かい紙幣も持ってなかった。ドライバーが「お釣り無いよ」と言って揉めてる。結局俺が細かい紙幣少し持ってたので仲裁。

38
俺の方が先にホテルに到着。チェックインして速攻タクシーに乗ってカセット屋に行く。

39
 1軒目。ずっと探してたライブ映像集が見つかり歓喜。

40
 2軒目。若者に人気のあるアーティストのVCDを購入。
 バイクタクシーに乗って宿に戻る。ヤンゴンでタクシーと言えば車だが、ここマンダレーではバイクが主流。同じ距離でもバイクだと半額になるし、そもそも車のタクシーはそんなに走っていない。

41
 この旅2度目の両替。宿の近くにあって便利。

42
 夜は人形劇の劇場へ。ミャンマーの人形劇はヨウッテー・ポエーと言い、国が保護している伝統芸能だ。去年ヤンゴンの劇場で見たが、その時はBGMがカラオケでがっくし。この劇場はサインワインの生演奏がちゃんとある。

43
 ステージの前方にサインワインがある。てっきり人形劇だけだと思ってたけど、蓋を開けてみたら伝統舞踊とサウンガウ(竪琴)の演奏も見ることができた。ラッキー。

44
 終演後、打楽器奏者と少し話すことができた。ミャンマー音楽のキーワードを1つ教えてもらう。喫茶店でジュース飲んで、宿戻って就寝。

6日目(2月27日)


 朝7時起床。ホテルが王宮のすぐ近くなので散歩してみる。

45
 マンダレーの中心に鎮座する王宮。外郭を歩くがとにかくでかい。外郭は正方形で、その一片を歩くと30分かかる。

46
 体操用の遊具が点在している。利用率は高い。
 せっかく散歩に出たので、この先にある朝市まで歩いてみる。

47
 売り手と買い手でごった返している。

48
 雑然とした雰囲気、客寄せの声、バイクのクラクション。それらが混然一体となっている。

49
 小腹が空いたのでモヒンガーを食べる。そうめんに近いミャンマーの国民食。400チャット(約40円)。

50
 ごちそうさまでした。
 バイクタクシーに乗り、宿へ戻る。
 宿の近くに昨日の人形劇シアターがあるので行ってみる。すると人形使いのおじさんが表にいて、インタビューできた。

51
 おじさん、5回も来日したそう。
 宿に戻りチェックアウト。フロントで荷物を預かってもらい、また外出。
 午後イチで昨日のカセット屋を再訪し、追加であれこれ買う。それぞれの店でラインナップは大きく異なるので、見つけたら即買うのが良い。
 「地球の歩き方」に書いてあったYMCA日本語学校に行ってみる。ボランティアで日本語を教えてらっしゃる初老の男性と会うことができた。「この先にシュエターチャウン運河があって、そこを越えると一気に景色が変わりますよ」と教えてもらった。せっかくなので行ってみる。

52
 運河(というか川)にかかる橋。ここを越えると雑然度合いが一気に増す。舗装されていない道路、舞う砂煙、バラックで作られた住居。川が貧富の差を線引きしているように思える。

53
 電話帳で見つけたCD屋。収穫なし。

54
 たまたま見つけたVCD屋。ここも収穫なし。
 夕方、バイクタクシーに乗り宿へ戻る。フロントの係員が「シャワー浴びますか?」と気を使ってくれた。断ったが素晴らしい。更にマンダレーでの音楽情報をあれこれ教えてもらえた。次回行きたい。ありがとう!
 17時、ピックアップトラックが迎えに来てくれた。今からバスに乗り、遺跡の町バガンへ移動。

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 トラックが市内のホテルを巡り乗客をピックアップする。今回利用したのはネットで評判の良かったOKバス。店員20人弱の小型バス。おしぼりと水のサービスあり。
 17時40分、出発。バガンまでの道はかなり悪路だが、アトラクションのようで面白い。街灯の無い道路を疾走する様は飽きない。
 途中ガソリンスタンドに立ち寄る。でもエンジン止めずに給油。いいのか?

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 営業所に立ち寄り、トイレ休憩。車内は冷房きついので上着必須。
 22時、バガンのホテルに到着しチェックイン。荷物降ろして近所のレストランでようやく夕食。

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 フィッシュカレー3000チャット(約300円)、ライス500チャット(約50円)、スプライト1000チャット(約100円)。豆は勝手に出されたけど手をつけなかった。

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 レストランの真向かいにあった仏塔。ライトアップがクリスマスツリーみたい。