3b. 韓国のタルトンネ訪問記 ~釜山・甘川文化村

 
tabinoteワタベです。
前号に引き続き、今回は昨年12月に訪れた釜山のタルトンネこと甘川文化村について書きます。

年末、とある別件で釜山を訪れていた私。今回も帰国当日ギリギリになってようやく時間がとれ、釜山の観光地になりつつあるという甘川文化村を訪れることにしました。

前号で触れた通り、韓国にはいくつか高台に細民街が残されており、タルトンネと呼ばれています。
6月に訪れたソウルの九龍村はその中でも極めつけの1つと言っていいでしょう。
いくつかのタルトンネはレトロな雰囲気やアーティストを呼んで壁画を描かせるなど観光地化しており、今回の甘川文化村はその中でも有名なものの1つ。2009年から町おこしとして街中をアートスペースにする試みが進んでおり、こんな感じでカラフルな家並みが斜面を覆っています。
IMGP6116_R

高台にびっしりと建物が集まる様は誰が呼んだか「釜山のマチュピチュ」…。

ちなみに、これは本物のマチュピチュ。
Early morning in wonderful Machu Picchu
(Wikipedia; Early morning in wonderful Machu Picchu; Photo By Pedro Szekely)

ちょっと盛り過ぎな気がします。「釜山のファベーラ」と呼んだ方がいいのでは…。
これは本場リオのファベーラ。
1_rocinha_favela_closeup
(Wikipedia; Inside Rocinha favela, Rio de Janeiro, Brazil, 2010; Photo By chensiyuan)


さて、この日は昼から別の予定があり、午前中しか見学できません。
前回のソウルの経験をふまえると1時間あれば見て回れそう…と思っていたのが甘かった。甘川だけに。

ガイドブックを見るとよく出てくるのがマウルバスという小型バスでの行き方。私は今回Googleマップの指示に従い、チャガルチ駅から普通の市バスで向かいました。タクシーで向かう人も多いようです。
ここでバス情報などを書いてもいいのですが、どうせ現地の出発場所と出発時間によって最適ルートはバラバラ、しかもハングル表記なのでここで日本語情報を書いても役立ちません。韓国ではGoogleマップのナビ機能に頼るのがいいと思います。
DSC07297_R


さて、バスを降りるととんでもない急坂。神戸や長崎でもあまり見ないようなエグい角度です。ショボイ原付だと登れないのでは…。
写真ではたいしたことないように思えますが、実際登るとほとんど壁です。
IMGP6055_R

この坂を登って向かいます。さすがは月のように高い街、タルトンネ。
IMGP6056_R

しばらく登ると看板があります。駐車場と出入りする観光バス、案内所。どうやら入り口に着いたようです。
IMGP6061_R

商店街のような通りがあり、カフェや見学スペース、ギャラリーなどが細い路地に向かって伸びています。
IMGP6062_R

ほとんどの観光客はおばさま方。日本語もそこかしこから聞こえてきます。


入り口付近でたむろって帰る人が多いようですが、私は一巡りしてみようと思いました。

猫が多いのは坂の街、港町の特徴。
IMGP6067_R

いきなり見晴らしがいい。急斜面にカラフルな家が並ぶガイドブックそのままの景色がひろがっています。
IMGP6069-PANO_R

とにかく家、家、家。
IMGP6096_R

急坂ばかりで息が切れてきます。
入り口から離れてきました。1時間ほどと見込んでいた見学予定時間ですが、とても戻れそうにありません。早足で進みます。
IMGP6091_R

入り口から30分も歩くと、ほとんど観光客に会わなくなります。
それでも、そこかしこにギャラリーなどが点在しています。
IMGP6080_R

カラフルさに目を奪われますが、1つ1つの建物は小さく、老朽化も進んでいます。
雨が降ったら水もそこかしこに溜まりそうです。インフラも電気は通じているようですが、水道、特に下水道はどうなんだろう。
坂のキツさとあいまって、やはり住みやすいとは言えないでしょう
IMGP6108_R

IMGP6105_R


一周しようと思うととにかく広いです。
スタートが山の上だったので、途中からとんでもない下り坂。そして入り口に戻るにはまた坂を登らなければなりません。エッシャーの永久階段か!

IMGP6092_R

IMGP6097_R

ラストは時間がなさ過ぎて小走り状態。
入り口の反対側、山側を見上げる角度はあまりガイドブックにないアングル。
IMGP6096_R

IMGP6119_R

やっと一周しました。
ゴール地点の小学校。カラフルです。
こんな所に住んでたら足腰半端なく強い子供に育ちそうです。
IMGP6118_R


さて、甘川文化村の見学を終え、帰路に遭遇したこの看板。
DSC07298_R

これは「峨嵋碑石文化村」という別の観光地で、なんと日本統治時代の墓石を石垣や階段などの基礎として利用しているという一角。
このゆるキャラっぽいのは墓石…。
DSC07302_R

墓石を基礎建材として利用するのは別にいいと思うのですが、それが観光地化するというのはかなり謎な感覚です。
現在はあまり墓石が残っていないようですが、いくつか痕跡を見つけることができました。
DSC07303_R

DSC07300_R

動画を撮ってみました。一帯はこんな感じの路地が続いています。

https://youtu.be/_zUX7oWZjv8

さて、もう本当に時間が無いので坂道をダッシュで下ります。
バスに乗り込んだ時は、12月にもかかわらずほんのり汗ばんでいました。
DSC07301_R

以上、昨年6月のソウルと12月の釜山、2つのタルトンネを巡ってきました。
街歩きが好きな人ならきっと楽しめると思います。

3b. 韓国のタルトンネ訪問記 ~釜山・甘川文化村


3b. 韓国のタルトンネ訪問記 ~釜山・甘川文化村

 
tabinoteワタベです。
前号に引き続き、今回は昨年12月に訪れた釜山のタルトンネこと甘川文化村について書きます。

年末、とある別件で釜山を訪れていた私。今回も帰国当日ギリギリになってようやく時間がとれ、釜山の観光地になりつつあるという甘川文化村を訪れることにしました。

前号で触れた通り、韓国にはいくつか高台に細民街が残されており、タルトンネと呼ばれています。
6月に訪れたソウルの九龍村はその中でも極めつけの1つと言っていいでしょう。
いくつかのタルトンネはレトロな雰囲気やアーティストを呼んで壁画を描かせるなど観光地化しており、今回の甘川文化村はその中でも有名なものの1つ。2009年から町おこしとして街中をアートスペースにする試みが進んでおり、こんな感じでカラフルな家並みが斜面を覆っています。
IMGP6116_R

高台にびっしりと建物が集まる様は誰が呼んだか「釜山のマチュピチュ」…。

ちなみに、これは本物のマチュピチュ。
Early morning in wonderful Machu Picchu
(Wikipedia; Early morning in wonderful Machu Picchu; Photo By Pedro Szekely)

ちょっと盛り過ぎな気がします。「釜山のファベーラ」と呼んだ方がいいのでは…。
これは本場リオのファベーラ。
1_rocinha_favela_closeup
(Wikipedia; Inside Rocinha favela, Rio de Janeiro, Brazil, 2010; Photo By chensiyuan)


さて、この日は昼から別の予定があり、午前中しか見学できません。
前回のソウルの経験をふまえると1時間あれば見て回れそう…と思っていたのが甘かった。甘川だけに。

ガイドブックを見るとよく出てくるのがマウルバスという小型バスでの行き方。私は今回Googleマップの指示に従い、チャガルチ駅から普通の市バスで向かいました。タクシーで向かう人も多いようです。
ここでバス情報などを書いてもいいのですが、どうせ現地の出発場所と出発時間によって最適ルートはバラバラ、しかもハングル表記なのでここで日本語情報を書いても役立ちません。韓国ではGoogleマップのナビ機能に頼るのがいいと思います。
DSC07297_R


さて、バスを降りるととんでもない急坂。神戸や長崎でもあまり見ないようなエグい角度です。ショボイ原付だと登れないのでは…。
写真ではたいしたことないように思えますが、実際登るとほとんど壁です。
IMGP6055_R

この坂を登って向かいます。さすがは月のように高い街、タルトンネ。
IMGP6056_R

しばらく登ると看板があります。駐車場と出入りする観光バス、案内所。どうやら入り口に着いたようです。
IMGP6061_R

商店街のような通りがあり、カフェや見学スペース、ギャラリーなどが細い路地に向かって伸びています。
IMGP6062_R

ほとんどの観光客はおばさま方。日本語もそこかしこから聞こえてきます。


入り口付近でたむろって帰る人が多いようですが、私は一巡りしてみようと思いました。

猫が多いのは坂の街、港町の特徴。
IMGP6067_R

いきなり見晴らしがいい。急斜面にカラフルな家が並ぶガイドブックそのままの景色がひろがっています。
IMGP6069-PANO_R

とにかく家、家、家。
IMGP6096_R

急坂ばかりで息が切れてきます。
入り口から離れてきました。1時間ほどと見込んでいた見学予定時間ですが、とても戻れそうにありません。早足で進みます。
IMGP6091_R

入り口から30分も歩くと、ほとんど観光客に会わなくなります。
それでも、そこかしこにギャラリーなどが点在しています。
IMGP6080_R

カラフルさに目を奪われますが、1つ1つの建物は小さく、老朽化も進んでいます。
雨が降ったら水もそこかしこに溜まりそうです。インフラも電気は通じているようですが、水道、特に下水道はどうなんだろう。
坂のキツさとあいまって、やはり住みやすいとは言えないでしょう
IMGP6108_R

IMGP6105_R


一周しようと思うととにかく広いです。
スタートが山の上だったので、途中からとんでもない下り坂。そして入り口に戻るにはまた坂を登らなければなりません。エッシャーの永久階段か!

IMGP6092_R

IMGP6097_R

ラストは時間がなさ過ぎて小走り状態。
入り口の反対側、山側を見上げる角度はあまりガイドブックにないアングル。
IMGP6096_R

IMGP6119_R

やっと一周しました。
ゴール地点の小学校。カラフルです。
こんな所に住んでたら足腰半端なく強い子供に育ちそうです。
IMGP6118_R


さて、甘川文化村の見学を終え、帰路に遭遇したこの看板。
DSC07298_R

これは「峨嵋碑石文化村」という別の観光地で、なんと日本統治時代の墓石を石垣や階段などの基礎として利用しているという一角。
このゆるキャラっぽいのは墓石…。
DSC07302_R

墓石を基礎建材として利用するのは別にいいと思うのですが、それが観光地化するというのはかなり謎な感覚です。
現在はあまり墓石が残っていないようですが、いくつか痕跡を見つけることができました。
DSC07303_R

DSC07300_R

動画を撮ってみました。一帯はこんな感じの路地が続いています。

https://youtu.be/_zUX7oWZjv8

さて、もう本当に時間が無いので坂道をダッシュで下ります。
バスに乗り込んだ時は、12月にもかかわらずほんのり汗ばんでいました。
DSC07301_R

以上、昨年6月のソウルと12月の釜山、2つのタルトンネを巡ってきました。
街歩きが好きな人ならきっと楽しめると思います。