3a. 御柱祭のついでに長野の私鉄に乗ってきた ~2日目「長野電鉄」~

好評、ハードコア音鉄(おとてつ)車内走行音派の黒田基介氏による、長野県私鉄走行音録音紀行レポート。今回は2日目「長野電鉄」編であります。
(注:本事例は2016年4月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。また、一部図版がサイズの関係で判読しづらい場合があります。後日PC用サイトにアップされるバックナンバーには原寸の図版を掲載する予定です。メルマガ版では雰囲気だけでもお楽しみください)

Profile
黒田基介

黒田基介

黒田基介(くろだ・もとすけ)
1975年東京都世田谷区生まれ。音鉄車内走行音派。

2016/04/07



image00
本日の予定

6:40 塩尻駅
雨。鼻の調子が悪く鼻水だらだら。睡眠予定時間4時間だったため緊張してあまり眠れなかった。
無事おはようライナーに乗車。ライナー券が必要だとか券売機で初めて知った。万全を期しているようで抜けがある。危なかった。ライナー券を刺しておく場所がシートにあるが、これ果たしてみんな使うものなのだろうか。地元の人はもしかしたら使わないのかもしれない。録音機材丸出しなので目立ちたくない。「プププあいつあれ使ってるぜ」的な。
今回初のバイノーラルをセッティング。耳にマイクを入れる!久々。1時間10分は少々長い。まだ疲れていないので多動は出ないと思うが、今日1日の長さを考えるとあまりストレスは溜めたくない。ライナー券を前の座席の背もたれに挿して、(マイクが耳にあるので)頭が動かない姿勢をとって寝る体勢に入る。
10分前のアナウンス。女性車掌さんの眠たげな声を採れなかった。残念。2回目以降は普通になってしまった。これだから早めに録音を開始するべきなのだ。

image12

image02
(画像:黒田;JR塩尻駅)

8:10 長野駅
長野着。寝て起きると、ライナー券は消えていた。
乗り換え19分で、一升瓶をコインロッカーに入れて、長野電鉄の一日フリーきっぷを購入し、長野電鉄の列車の写真を撮って、理想の位置に座って録音を開始しなければならない。
コインロッカーが少し大きかったので、思いついてバックパックも中に入れてしまう。突発的に事故が起こらないかぎり、夜までバックパックに入れた荷物は必要ないはずだ。財布だけ撮影機材用のブレッドバッグに入れる。

8:40 長野電鉄長野駅
長電1本目。車種が表示されていないので、ぱっと見で何系かわからんのがつらい。記憶力が低い鉄はこういう時に苦労する。車種がわからないとモーター車の判別ができないので、乗るべき場所がわからないのだ。iPhoneから車種メモ写真を開いて確認する。8500系。

image09
(画像:黒田;長野電鉄長野駅)

9:10
寒い。寒いが、最近だいぶ暖かいのでエアコンがついてしまうのが心配。エアコンの音は暖房に比べて大きすぎて録音ができなくなるのだ。凍えるよりも録音が失敗することの方が最悪。

9:24 信州中野駅
やっちまったー!録音ボタン二度押ししないと録音開始しないの忘れてた!いきなり一本ロス。録音機によくあるこの仕様はどうにかならないものか・・・。過去にこれで何本もロスしている。
信州中野で折り返しの電車が1分後だったからてっきり同じ車両がそのまま戻ると予想していたので、一本待って別の車種の録音をしようと思っていたのだが、次の列車は隣のホームからすぐ出る。しかも3500系じゃないか!予定を変更して乗り込む。あわてて車両右側に乗ってしまう。車両右側は列車のすれ違いの際に、窓ガラスがバタバタと音を立てて録音機がピークを超えてしまうので、一番避けなければならないポジション。この場合、頭を強く窓に押し付けて窓が震えるのを防止する。ただし、左右の窓も震えるので、効果は五分五分といったところ。

image08
(画像:黒田;長野電鉄信州中野駅)
前面まで配置されたコルゲートの美しさを堪能する。

9:28
予定と違う列車に乗ったので、昼食の予定を変更する可能性がある。ダイヤ上ハブ駅になっている信州中野は何もなさそうだったが、旅程再設定して信州中野で昼を過ごさなければならなくなった場合、厳しいことになりそうだ。

10:00
予定より一本早い電車に乗って長野に戻るので、今後の予定を変更しなければならない可能性が高い。長野到着前だが、長野到着後に失敗した8500のリカバリーも含めてスケジュールを立て直すための心の準備をする。気持ちは急くが、今乗っている列車の録音に集中しないと元も子もない。特に、駅到着後の機材の取り回しに失敗すると、落としたり忘れたりしてしまう。到着、構内アナウンスまで収録、ホームに乗客が並んでいた場合には少なくともマージンで5秒はシートから動かない、降車後に2つの録音機の録音停止、カバンに収納、耳に付けたマイクのコードを引っ張らないように細心の注意を払う。脳内で到着後の一挙手一投足を繰り返す。

10:04 長野駅
長野到着。iPhoneの電源が心もとないのとLS-14は使わなそうなので、一度コインロッカーを開けてバッテリー取り出してLS-14をしまう。LS-14はバックアップ用に使いたいところだが、久々すぎて膝上に録音機材を置いての録音がためらわれるのと、長野駅付近では案外乗客が多いため目立ちたくない。録音はしたいが、他の乗客に見つかって嫌な思いをさせたくない。つまり、やはり朝あわてて入れたコインロッカーは開けなければならなかった。

10:35 長野駅
駅ビルの喫煙所で作戦立て直し。信州中野で54分の乗り換え時間がほぼそのまま長野での乗り換え時間になったので、昼までに一往復できるかどうかが鍵となる。結果、10:45の湯田中直通に乗り、13:27長野に戻る。長野に戻ってから昼にしてもいいが、一本目のリカバリーのために須坂まで(おそらく)8500系に乗ることにした。須坂では1:10の乗り換え時間。昼食を食べる場所も見つける。とにかく、あと10分後には乗るべき列車が発車する!

image11

10:50 長野駅
騙されたー。pdfの時刻表で10:45長野発湯田中行きに乗ったら、信州中野行きだというアナウンスで慌てて降りる。時刻表の改正があったのか?
改札を出て張り出してあった時刻表を見ると、信州中野で湯田中行きと接続と書いてある・・・。わかりにくいよ!
つまりこういうことだ。pdfの時刻表では、信州中野できれいに接続する場合はまるで一本のダイヤのように記載してある。よく見ると、信州中野からは別の編成番号が記載されている。この旅はのっけからすったもんだある。改札前のベンチで再度旅程の立て直しを図る。
「湯田中往復>須坂往復」の順にしようと思っていたがいきなり失敗したので、須坂往復を先にやることにする。湯田中往復を先にやる場合に予定していた須坂の「駅前食堂」とやらがきになるが、当初予定の長野の食堂「千石屋」に行ける。

image10

11:09 長野駅<>須坂
須坂往復開始。

image03
(画像:黒田;長野電鉄長野駅)

12:14 長野駅
長野に戻ってきた。3500系はあと信州中野から湯田中だけ。昼のあと信州中野まで8500系やったら銭湯いこー。
長野電鉄は駅で野菜なんかを売ってる。よくある駅構内の珍味販売的なものかと思ったら、会計は駅改札で駅員に払うシステム。

12:31 長野駅
昼休憩。予定していた千石食堂が潰れていた…。外はかなりの雨。音鉄中は傘を持てないので雨の中あまり移動できないためずぶ濡れで歩き回る。途中で見かけた喫茶店に入る。「INDIA・ザ・すぱいす」380円からのランチ…。580円のハッシュドオムライスに、200円でコーヒーとデザートをつける。長野だとこれで普通?ハッシュドオムライスはちとシャバシャバ。

image07

image06
(画像:黒田;INDIA・ザ・すぱいす)

11:33 長野駅<>湯田中
湯田中往復開始。朝のおはようライナーとさっきの須坂往復で結構寝たので寝不足は収まった。既にだいぶ疲れている。車内で眠れなくなるとすぐに多動が出てしまう状況だ。湯田中往復は厳しくなるかも。

14:24 信州中野駅
信州中野で乗り換えて湯田中行きに無事乗車。須坂あたりから尿意が我慢できないレベルに達した。信州中野の乗り換えは2分だが、トイレに行かないとどうにもならない。録音機も止めずに目の前のトイレに駆け込んでしまい、排尿音も録音してしまった。

iPhoneに時刻表を入れてGoogleDriveに予定表を入れておくのすごくいい。トラブルからの立て直しがうまくゆくし、今まではトラブル後に乗った列車が時刻表上どれにあたるのか曖昧になることが多かった。

14:31
どうにか予定の列車に乗れたので余裕が出てきた。車内でデジカメをいじる。ホームで列車を撮影する際に、明るい空に露出が合ってしまい列車が暗くなってしまう問題が解決した。プログラムオートにしておくと露出の変更を電源切っても保持しておける。次回からは必ずそのようにしよう。しかし持ち方の問題かプログラム選択ダイヤルを思わず回してしまう事故が多発。

14:38 信州中野>湯田中
信州中野>湯田中。線路がいいのか走行音は静かなのに扉開閉音が大きい。こういうの録音しづらい。鉄道録音の難しさは録音レベルの調整にある。停車時の木々のさざめきまで聞こえる状態から、何トンもの鉄の塊がぶつかり合う音量まで音量の幅が広い。できるだけレベルを上げつつ、一発本番で大きな音でもピークを超えないように調整しなければならない。R-09を使っていた時は、ピーク時のクリック音が入りやすく苦労した。LS-11はなかなかいい機材だ。とはいえ、ちょっと大きな音がすると、すぐにインジケーターをチェックしてしまう。耳にマイクを入れているし、録音機を顔の前まで上げると他の乗客に目立ってしまうので、目をすごく下の方に向けなければならない。疲れる。このままではきれいな録音を何本採れるかわからない。あまりクヨクヨ考えてると気が散るのであきらめる。今回はlo4bin基本で固定としよう。あと処理で音量上げよう。

14:40 信州中野>湯田中
信州中野>湯田中。最初の信州中野の復路ですぐに予定変更して長野に戻ったのが効いてる。今回のロスは信州中野の往路だけかも。だが、まだ気は抜けない。

14:54 湯田中駅
10分の乗り換えの後、湯田中>信州中野に乗車。

image14
(画像:黒田;松本電鉄湯田中駅)

15:24 湯田中>長野
信州中野到着。疲れたので一服したいが、喫煙所なし。待合室は地元高校生の溜まり場。寒い。仕方なく喫煙席のないミスドへ。尿意が怖いのでダブルチョコドーナツだけを注文。雨は小降りになってきた。

image05
(画像:黒田;信州中野駅)

15:46 湯田中>長野
信州中野>長野。車両前方にしか乗客がおらず、そこに座るのは不自然なので後方に乗車。できればモーター直上の前方に乗りたかったが仕方ない。
しかし信州中野付近はなんでこう車内が寒いのか。長野に近づくと暖かくなる。

15:49 湯田中>長野
あぶねー!また録音ボタン開始しないでいるところだった!発車直前に確認してよかった。5分前アナウンスは録音できなかったけど致し方なし。

16:08 湯田中>長野
途中の須坂。妙に塀の高い敷地の広い建物があると思ったら、刑務所。
中学生の下校にぶちあたる。僕の左右に一人分ずつ二人分の空きがある。三人の女子中学生がどっちかに避けてくれないかなー、という感じで前に立っている。が。すまん。きみらが横に来ると声が大きいから座らせたくない!どかない。彼女たちは別の場所に席を探しに行った。最悪なのは左右に座られて構わずおしゃべりされることだ。北海道では高校生の赤裸々な性体験ストーリーを録音してしまい、いたたまれずに録音を止めてしまわなければならなかった。しかし長野の学生はあまり大騒ぎしないな。比較的静か。

16:35 湯田中>長野
長野到着。タリーズで一休み。駅中とは違って地方都市は案外喫煙者に厳しいのか喫煙席ルームは三人掛けの小部屋。長野出発までの予定を確認する。
・インターネットカフェの予約
・しなの鉄道のフリーきっぷの確認
・銭湯(ここでは着替えないこと)
・コインロッカーから荷物のピックアップ
上諏訪に向かう列車までの猶予は2時間。行動を開始する。

17:19 長野駅
インターネットカフェ茶里茶里。予約できない。

17:23 長野駅
プラネットも予約できない。最悪明日は泊まるところがない。
両店舗とも、予約はできないと言われたが席の空きはあるはずだと言っていたのでそれに賭けることにする。

18:17 長野駅 アルプス温泉
長野アルプス温泉。フツーの銭湯でよかったが時間潰せる感じではなかった。雀の行水派なので湯船でゆっくりすることもできず、早々に外に出た。まだ小雨。すぐに身体は冷えるが予定の列車まではまだ一時間近くある。仕方がないので駅から離れたタリーズへ。やった。喫煙席多い。明日の夜は最悪2.9km離れた快活クラブに行くしかないかも。過去にはそのくらい歩いて宿泊したこともあるので可能ではあるはずだ。体力勝負だ。

image13
(画像:黒田;アルプス温泉)

19:12 長野駅
長野駅。あらーー!長野駅についてみたら19:07発茅野行き??が今発車!?19:15発車の予定だったが・・・時刻表の改正があったようだ・・・時間的にもう選択の余地はない。19:50小淵沢行きで録音なしで行く。むーまた一本ロス。茅野からの一駅のみの折り返しはかなりイカしてたんだが。無念。鉄なら3月末の改正に気づけよ!

image01

19:36 小淵沢行乗車中
上諏訪着いたら集合時間までに駅の時刻表でこの後の予定を確かめなきゃやばい。今iPhoneに入っている時刻表は3月のものだ。

20:16 小淵沢行乗車中
明日以降の宿泊が心配で仕方ないので旅慣れた友達に相談。安めの宿をさがしてくれた。どうにか長野駅近くの宿を予約。急に気持ちが楽になった。当初予定の2倍の宿泊費だが録音に集中するためには致し方ない。

1:11 御柱祭でお世話になる友人の家に到着。就寝。

image04
本日の記録

https://www.youtube.com/playlist?list=PL8nC7KdUeuaLaLJZmJXOxGDsNeAHxZ9F2
本日の録音物

3a. 御柱祭のついでに長野の私鉄に乗ってきた ~2日目「長野電鉄」~


3a. 御柱祭のついでに長野の私鉄に乗ってきた ~2日目「長野電鉄」~

好評、ハードコア音鉄(おとてつ)車内走行音派の黒田基介氏による、長野県私鉄走行音録音紀行レポート。今回は2日目「長野電鉄」編であります。
(注:本事例は2016年4月時点の予約可能なプランおよび費用にもとづいています。また、一部図版がサイズの関係で判読しづらい場合があります。後日PC用サイトにアップされるバックナンバーには原寸の図版を掲載する予定です。メルマガ版では雰囲気だけでもお楽しみください)

Profile
黒田基介

黒田基介

黒田基介(くろだ・もとすけ)
1975年東京都世田谷区生まれ。音鉄車内走行音派。

2016/04/07



image00
本日の予定

6:40 塩尻駅
雨。鼻の調子が悪く鼻水だらだら。睡眠予定時間4時間だったため緊張してあまり眠れなかった。
無事おはようライナーに乗車。ライナー券が必要だとか券売機で初めて知った。万全を期しているようで抜けがある。危なかった。ライナー券を刺しておく場所がシートにあるが、これ果たしてみんな使うものなのだろうか。地元の人はもしかしたら使わないのかもしれない。録音機材丸出しなので目立ちたくない。「プププあいつあれ使ってるぜ」的な。
今回初のバイノーラルをセッティング。耳にマイクを入れる!久々。1時間10分は少々長い。まだ疲れていないので多動は出ないと思うが、今日1日の長さを考えるとあまりストレスは溜めたくない。ライナー券を前の座席の背もたれに挿して、(マイクが耳にあるので)頭が動かない姿勢をとって寝る体勢に入る。
10分前のアナウンス。女性車掌さんの眠たげな声を採れなかった。残念。2回目以降は普通になってしまった。これだから早めに録音を開始するべきなのだ。

image12

image02
(画像:黒田;JR塩尻駅)

8:10 長野駅
長野着。寝て起きると、ライナー券は消えていた。
乗り換え19分で、一升瓶をコインロッカーに入れて、長野電鉄の一日フリーきっぷを購入し、長野電鉄の列車の写真を撮って、理想の位置に座って録音を開始しなければならない。
コインロッカーが少し大きかったので、思いついてバックパックも中に入れてしまう。突発的に事故が起こらないかぎり、夜までバックパックに入れた荷物は必要ないはずだ。財布だけ撮影機材用のブレッドバッグに入れる。

8:40 長野電鉄長野駅
長電1本目。車種が表示されていないので、ぱっと見で何系かわからんのがつらい。記憶力が低い鉄はこういう時に苦労する。車種がわからないとモーター車の判別ができないので、乗るべき場所がわからないのだ。iPhoneから車種メモ写真を開いて確認する。8500系。

image09
(画像:黒田;長野電鉄長野駅)

9:10
寒い。寒いが、最近だいぶ暖かいのでエアコンがついてしまうのが心配。エアコンの音は暖房に比べて大きすぎて録音ができなくなるのだ。凍えるよりも録音が失敗することの方が最悪。

9:24 信州中野駅
やっちまったー!録音ボタン二度押ししないと録音開始しないの忘れてた!いきなり一本ロス。録音機によくあるこの仕様はどうにかならないものか・・・。過去にこれで何本もロスしている。
信州中野で折り返しの電車が1分後だったからてっきり同じ車両がそのまま戻ると予想していたので、一本待って別の車種の録音をしようと思っていたのだが、次の列車は隣のホームからすぐ出る。しかも3500系じゃないか!予定を変更して乗り込む。あわてて車両右側に乗ってしまう。車両右側は列車のすれ違いの際に、窓ガラスがバタバタと音を立てて録音機がピークを超えてしまうので、一番避けなければならないポジション。この場合、頭を強く窓に押し付けて窓が震えるのを防止する。ただし、左右の窓も震えるので、効果は五分五分といったところ。

image08
(画像:黒田;長野電鉄信州中野駅)
前面まで配置されたコルゲートの美しさを堪能する。

9:28
予定と違う列車に乗ったので、昼食の予定を変更する可能性がある。ダイヤ上ハブ駅になっている信州中野は何もなさそうだったが、旅程再設定して信州中野で昼を過ごさなければならなくなった場合、厳しいことになりそうだ。

10:00
予定より一本早い電車に乗って長野に戻るので、今後の予定を変更しなければならない可能性が高い。長野到着前だが、長野到着後に失敗した8500のリカバリーも含めてスケジュールを立て直すための心の準備をする。気持ちは急くが、今乗っている列車の録音に集中しないと元も子もない。特に、駅到着後の機材の取り回しに失敗すると、落としたり忘れたりしてしまう。到着、構内アナウンスまで収録、ホームに乗客が並んでいた場合には少なくともマージンで5秒はシートから動かない、降車後に2つの録音機の録音停止、カバンに収納、耳に付けたマイクのコードを引っ張らないように細心の注意を払う。脳内で到着後の一挙手一投足を繰り返す。

10:04 長野駅
長野到着。iPhoneの電源が心もとないのとLS-14は使わなそうなので、一度コインロッカーを開けてバッテリー取り出してLS-14をしまう。LS-14はバックアップ用に使いたいところだが、久々すぎて膝上に録音機材を置いての録音がためらわれるのと、長野駅付近では案外乗客が多いため目立ちたくない。録音はしたいが、他の乗客に見つかって嫌な思いをさせたくない。つまり、やはり朝あわてて入れたコインロッカーは開けなければならなかった。

10:35 長野駅
駅ビルの喫煙所で作戦立て直し。信州中野で54分の乗り換え時間がほぼそのまま長野での乗り換え時間になったので、昼までに一往復できるかどうかが鍵となる。結果、10:45の湯田中直通に乗り、13:27長野に戻る。長野に戻ってから昼にしてもいいが、一本目のリカバリーのために須坂まで(おそらく)8500系に乗ることにした。須坂では1:10の乗り換え時間。昼食を食べる場所も見つける。とにかく、あと10分後には乗るべき列車が発車する!

image11

10:50 長野駅
騙されたー。pdfの時刻表で10:45長野発湯田中行きに乗ったら、信州中野行きだというアナウンスで慌てて降りる。時刻表の改正があったのか?
改札を出て張り出してあった時刻表を見ると、信州中野で湯田中行きと接続と書いてある・・・。わかりにくいよ!
つまりこういうことだ。pdfの時刻表では、信州中野できれいに接続する場合はまるで一本のダイヤのように記載してある。よく見ると、信州中野からは別の編成番号が記載されている。この旅はのっけからすったもんだある。改札前のベンチで再度旅程の立て直しを図る。
「湯田中往復>須坂往復」の順にしようと思っていたがいきなり失敗したので、須坂往復を先にやることにする。湯田中往復を先にやる場合に予定していた須坂の「駅前食堂」とやらがきになるが、当初予定の長野の食堂「千石屋」に行ける。

image10

11:09 長野駅<>須坂
須坂往復開始。

image03
(画像:黒田;長野電鉄長野駅)

12:14 長野駅
長野に戻ってきた。3500系はあと信州中野から湯田中だけ。昼のあと信州中野まで8500系やったら銭湯いこー。
長野電鉄は駅で野菜なんかを売ってる。よくある駅構内の珍味販売的なものかと思ったら、会計は駅改札で駅員に払うシステム。

12:31 長野駅
昼休憩。予定していた千石食堂が潰れていた…。外はかなりの雨。音鉄中は傘を持てないので雨の中あまり移動できないためずぶ濡れで歩き回る。途中で見かけた喫茶店に入る。「INDIA・ザ・すぱいす」380円からのランチ…。580円のハッシュドオムライスに、200円でコーヒーとデザートをつける。長野だとこれで普通?ハッシュドオムライスはちとシャバシャバ。

image07

image06
(画像:黒田;INDIA・ザ・すぱいす)

11:33 長野駅<>湯田中
湯田中往復開始。朝のおはようライナーとさっきの須坂往復で結構寝たので寝不足は収まった。既にだいぶ疲れている。車内で眠れなくなるとすぐに多動が出てしまう状況だ。湯田中往復は厳しくなるかも。

14:24 信州中野駅
信州中野で乗り換えて湯田中行きに無事乗車。須坂あたりから尿意が我慢できないレベルに達した。信州中野の乗り換えは2分だが、トイレに行かないとどうにもならない。録音機も止めずに目の前のトイレに駆け込んでしまい、排尿音も録音してしまった。

iPhoneに時刻表を入れてGoogleDriveに予定表を入れておくのすごくいい。トラブルからの立て直しがうまくゆくし、今まではトラブル後に乗った列車が時刻表上どれにあたるのか曖昧になることが多かった。

14:31
どうにか予定の列車に乗れたので余裕が出てきた。車内でデジカメをいじる。ホームで列車を撮影する際に、明るい空に露出が合ってしまい列車が暗くなってしまう問題が解決した。プログラムオートにしておくと露出の変更を電源切っても保持しておける。次回からは必ずそのようにしよう。しかし持ち方の問題かプログラム選択ダイヤルを思わず回してしまう事故が多発。

14:38 信州中野>湯田中
信州中野>湯田中。線路がいいのか走行音は静かなのに扉開閉音が大きい。こういうの録音しづらい。鉄道録音の難しさは録音レベルの調整にある。停車時の木々のさざめきまで聞こえる状態から、何トンもの鉄の塊がぶつかり合う音量まで音量の幅が広い。できるだけレベルを上げつつ、一発本番で大きな音でもピークを超えないように調整しなければならない。R-09を使っていた時は、ピーク時のクリック音が入りやすく苦労した。LS-11はなかなかいい機材だ。とはいえ、ちょっと大きな音がすると、すぐにインジケーターをチェックしてしまう。耳にマイクを入れているし、録音機を顔の前まで上げると他の乗客に目立ってしまうので、目をすごく下の方に向けなければならない。疲れる。このままではきれいな録音を何本採れるかわからない。あまりクヨクヨ考えてると気が散るのであきらめる。今回はlo4bin基本で固定としよう。あと処理で音量上げよう。

14:40 信州中野>湯田中
信州中野>湯田中。最初の信州中野の復路ですぐに予定変更して長野に戻ったのが効いてる。今回のロスは信州中野の往路だけかも。だが、まだ気は抜けない。

14:54 湯田中駅
10分の乗り換えの後、湯田中>信州中野に乗車。

image14
(画像:黒田;松本電鉄湯田中駅)

15:24 湯田中>長野
信州中野到着。疲れたので一服したいが、喫煙所なし。待合室は地元高校生の溜まり場。寒い。仕方なく喫煙席のないミスドへ。尿意が怖いのでダブルチョコドーナツだけを注文。雨は小降りになってきた。

image05
(画像:黒田;信州中野駅)

15:46 湯田中>長野
信州中野>長野。車両前方にしか乗客がおらず、そこに座るのは不自然なので後方に乗車。できればモーター直上の前方に乗りたかったが仕方ない。
しかし信州中野付近はなんでこう車内が寒いのか。長野に近づくと暖かくなる。

15:49 湯田中>長野
あぶねー!また録音ボタン開始しないでいるところだった!発車直前に確認してよかった。5分前アナウンスは録音できなかったけど致し方なし。

16:08 湯田中>長野
途中の須坂。妙に塀の高い敷地の広い建物があると思ったら、刑務所。
中学生の下校にぶちあたる。僕の左右に一人分ずつ二人分の空きがある。三人の女子中学生がどっちかに避けてくれないかなー、という感じで前に立っている。が。すまん。きみらが横に来ると声が大きいから座らせたくない!どかない。彼女たちは別の場所に席を探しに行った。最悪なのは左右に座られて構わずおしゃべりされることだ。北海道では高校生の赤裸々な性体験ストーリーを録音してしまい、いたたまれずに録音を止めてしまわなければならなかった。しかし長野の学生はあまり大騒ぎしないな。比較的静か。

16:35 湯田中>長野
長野到着。タリーズで一休み。駅中とは違って地方都市は案外喫煙者に厳しいのか喫煙席ルームは三人掛けの小部屋。長野出発までの予定を確認する。
・インターネットカフェの予約
・しなの鉄道のフリーきっぷの確認
・銭湯(ここでは着替えないこと)
・コインロッカーから荷物のピックアップ
上諏訪に向かう列車までの猶予は2時間。行動を開始する。

17:19 長野駅
インターネットカフェ茶里茶里。予約できない。

17:23 長野駅
プラネットも予約できない。最悪明日は泊まるところがない。
両店舗とも、予約はできないと言われたが席の空きはあるはずだと言っていたのでそれに賭けることにする。

18:17 長野駅 アルプス温泉
長野アルプス温泉。フツーの銭湯でよかったが時間潰せる感じではなかった。雀の行水派なので湯船でゆっくりすることもできず、早々に外に出た。まだ小雨。すぐに身体は冷えるが予定の列車まではまだ一時間近くある。仕方がないので駅から離れたタリーズへ。やった。喫煙席多い。明日の夜は最悪2.9km離れた快活クラブに行くしかないかも。過去にはそのくらい歩いて宿泊したこともあるので可能ではあるはずだ。体力勝負だ。

image13
(画像:黒田;アルプス温泉)

19:12 長野駅
長野駅。あらーー!長野駅についてみたら19:07発茅野行き??が今発車!?19:15発車の予定だったが・・・時刻表の改正があったようだ・・・時間的にもう選択の余地はない。19:50小淵沢行きで録音なしで行く。むーまた一本ロス。茅野からの一駅のみの折り返しはかなりイカしてたんだが。無念。鉄なら3月末の改正に気づけよ!

image01

19:36 小淵沢行乗車中
上諏訪着いたら集合時間までに駅の時刻表でこの後の予定を確かめなきゃやばい。今iPhoneに入っている時刻表は3月のものだ。

20:16 小淵沢行乗車中
明日以降の宿泊が心配で仕方ないので旅慣れた友達に相談。安めの宿をさがしてくれた。どうにか長野駅近くの宿を予約。急に気持ちが楽になった。当初予定の2倍の宿泊費だが録音に集中するためには致し方ない。

1:11 御柱祭でお世話になる友人の家に到着。就寝。

image04
本日の記録

https://www.youtube.com/playlist?list=PL8nC7KdUeuaLaLJZmJXOxGDsNeAHxZ9F2
本日の録音物