3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
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青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

3b. 世界一周ノート 第39回:ニューヨーク-その3

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NYに住む!

強盗事件の後、僕は大学時代の先輩を頼ってNYを訪れた。先輩はNYでライブハウスのミキサーや舞台の音響など、音楽関係の仕事をしていた。僕はその先輩の住んでいるシェアハウスのリビングに居候をさせてもらって1ヶ月を過ごした。その人にはかなりお世話になって、単発でカラオケバーでのバイトなんかも紹介してもらった。だから、これから記すのは悪口ではなくて、あくまで末端のアメリカのシェアハウスのレポートだということを先に言っておきたい。
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先輩の家に着いた日、既にトラブルが始まっていた。その家はベースメントと呼ばれる半地下に位置していて、サウスブルックリン(ジューイッシュの人たちが住むエリアだった)の、中々歴史あるアパートメントの一角にあった。老朽化の影響で排水機能が完全に麻痺していたその家は、僕が着いた日、上層階の排水が全て排水溝から逆流するという惨事に見舞われていた。排水機能は崩壊し、家中のあらゆる穴(風呂・トイレ・キッチン)からアパートメント全体の排水が逆流していた。僕は着くなり家中水浸しに成らないようにするためにバケツリレーに参加した。
なんとかこの日は収まったものの、僕が居る1ヶ月でこの排水トラブルは何度か起きた。下水臭もしていたので耐えられず、ある日僕らは部屋の地下にあるアパートメントの水道管を止め、全室の水の利用を制限した。すると、異変に気付いた住民達が騒ぎ始め、ついには警察が出動する事態に発展した。アパートメントには明らかな不法滞在者なども住んでいたけれど、そんなのおかまいなしに住民達が怒って僕の住んでいた部屋へと押しかけてきた。怒号が飛び交い「水道管をあけろ!」と僕らは攻められた。そして部屋に踏み込んで来た警察も「水道管を勝手に閉じることは違法だ。開けないと逮捕する」と言い出した。「どうすればいいんだ?このまま水道管を開ければ僕たちは生活ができない!」僕が言うと警官は「逮捕する」の一点張りだった。なんとか交渉で翌朝の修理工が来るまでという条件を引き出したものの、困っている弱者にも容赦のない、自由の国アメリカ・利己主義の国アメリカの片鱗を見た気がした。
他にも、上の階のメキシコ人がケータリング用の料理をキッチンでしていて、その汚れをバケツで水をぶちまけて洗うために起きる、天井からの水漏れという事件もあった。こちらは天井をこじ開けて、コンクリで固めたりするなどの日曜大工で対応したりした。更には部屋にネズミが住んでおり、毎夜鳴き声がし、時々キッチンで目が合ったりもした。玄関の前の鳩の糞の被害もおぞましかった。
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菫ョ逅・キ・_R

螻区ケ菫ョ逅_R

そんな部屋でバイトもしながら僕の1ヶ月はあっという間に過ぎた。サウスブルックリンからウォール街までの通勤は自転車で、ブルックリンブリッジを毎日渡っていた。朝食は毎日ダンキンドーナツで1$のコーヒーを買っていた。自炊する時は近所の小さなチャイナタウンで怪しい野菜や肉を買った。シェアハウスに住んでいた人たちにも支えられ、僕はすっかり元気になっていた。そして、なんとか1000$程を貯めることができた。もちろん居候代金は無料だった。最終日にはNYの日本人キャバクラにも連れていってもらった(この日本人キャバクラは某日本人大リーガーが奥さんを見つけた場所だった)。
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思い出は山のように増え、色濃い時間が流れた。そして僕は有り余る人の恩を感じて、NYでの生活に幕を下ろした。
JFKから目指すはペルー・マチュピチュだった。
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世界一周ノート
上海→杭州→南寧→ハノイ→ホーチミン→シェムリアプ→チェンマイ→ルアンパバーン→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー→チェンナイ→ムンバイ→アグラ→デリー→バラナシ→ブッダガヤ→コルカタ→ダージリン→ポカラ→ルンビニ→ガヤ→カトマンズ→ポカラ→イスタンブール→カッパドキア→パムッカレ→ボドラム→ギアテネ→メテオラ→ソフィア→ブタペスト→ザコパネ→クラクフ→サラエヴォ→ザグレブ→ヴェネチア→ローマ→ミラノ→バルセロナ→タンジェ→フェズ→マラケシュ→カサブランカ→カイロ→ギザ→アジスアベベ→ヨハネスブルグ→ケープタウン→ドバイ→ニューヨーク・・・

3b. 世界一周ノート 第39回:ニューヨーク-その3


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

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aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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3b. 世界一周ノート 第39回:ニューヨーク-その3

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NYに住む!

強盗事件の後、僕は大学時代の先輩を頼ってNYを訪れた。先輩はNYでライブハウスのミキサーや舞台の音響など、音楽関係の仕事をしていた。僕はその先輩の住んでいるシェアハウスのリビングに居候をさせてもらって1ヶ月を過ごした。その人にはかなりお世話になって、単発でカラオケバーでのバイトなんかも紹介してもらった。だから、これから記すのは悪口ではなくて、あくまで末端のアメリカのシェアハウスのレポートだということを先に言っておきたい。
蜈郁シゥ_R

先輩の家に着いた日、既にトラブルが始まっていた。その家はベースメントと呼ばれる半地下に位置していて、サウスブルックリン(ジューイッシュの人たちが住むエリアだった)の、中々歴史あるアパートメントの一角にあった。老朽化の影響で排水機能が完全に麻痺していたその家は、僕が着いた日、上層階の排水が全て排水溝から逆流するという惨事に見舞われていた。排水機能は崩壊し、家中のあらゆる穴(風呂・トイレ・キッチン)からアパートメント全体の排水が逆流していた。僕は着くなり家中水浸しに成らないようにするためにバケツリレーに参加した。
なんとかこの日は収まったものの、僕が居る1ヶ月でこの排水トラブルは何度か起きた。下水臭もしていたので耐えられず、ある日僕らは部屋の地下にあるアパートメントの水道管を止め、全室の水の利用を制限した。すると、異変に気付いた住民達が騒ぎ始め、ついには警察が出動する事態に発展した。アパートメントには明らかな不法滞在者なども住んでいたけれど、そんなのおかまいなしに住民達が怒って僕の住んでいた部屋へと押しかけてきた。怒号が飛び交い「水道管をあけろ!」と僕らは攻められた。そして部屋に踏み込んで来た警察も「水道管を勝手に閉じることは違法だ。開けないと逮捕する」と言い出した。「どうすればいいんだ?このまま水道管を開ければ僕たちは生活ができない!」僕が言うと警官は「逮捕する」の一点張りだった。なんとか交渉で翌朝の修理工が来るまでという条件を引き出したものの、困っている弱者にも容赦のない、自由の国アメリカ・利己主義の国アメリカの片鱗を見た気がした。
他にも、上の階のメキシコ人がケータリング用の料理をキッチンでしていて、その汚れをバケツで水をぶちまけて洗うために起きる、天井からの水漏れという事件もあった。こちらは天井をこじ開けて、コンクリで固めたりするなどの日曜大工で対応したりした。更には部屋にネズミが住んでおり、毎夜鳴き声がし、時々キッチンで目が合ったりもした。玄関の前の鳩の糞の被害もおぞましかった。
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そんな部屋でバイトもしながら僕の1ヶ月はあっという間に過ぎた。サウスブルックリンからウォール街までの通勤は自転車で、ブルックリンブリッジを毎日渡っていた。朝食は毎日ダンキンドーナツで1$のコーヒーを買っていた。自炊する時は近所の小さなチャイナタウンで怪しい野菜や肉を買った。シェアハウスに住んでいた人たちにも支えられ、僕はすっかり元気になっていた。そして、なんとか1000$程を貯めることができた。もちろん居候代金は無料だった。最終日にはNYの日本人キャバクラにも連れていってもらった(この日本人キャバクラは某日本人大リーガーが奥さんを見つけた場所だった)。
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思い出は山のように増え、色濃い時間が流れた。そして僕は有り余る人の恩を感じて、NYでの生活に幕を下ろした。
JFKから目指すはペルー・マチュピチュだった。
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