Contents
1. 旅行業界最新ニュース
2. タビノート/下川裕治
3a. バルカン半島訪問記1 -ベオグラード-
3b. 世界の街を走ってみる~その1 ロンドン
4. 旅の本屋 のまど イベント情報
5. 編集後記
1. 旅行業界最新ニュース
2. タビノート/下川裕治
3a. バルカン半島訪問記1 -ベオグラード-
3b. 世界の街を走ってみる~その1 ロンドン
4. 旅の本屋 のまど イベント情報
5. 編集後記
エア・リンガス、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空、ブエリング航空の4社を傘下に収めるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、6月にバルセロナを拠点とする長距離LCCの新ブランド「LEVEL」の運行を開始すると発表した。当初はバルセロナとロサンゼルス、オークランド(いずれもアメリカ西海岸)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、プンタカナ(ドミニカ)を結ぶ4路線を運行。アメリカ便は99ユーロから、中南米便は149ユーロからと格安で大西洋路線を利用できることになる。
画像:LEVEL
インドネシア・エアアジアXは、5月24日より成田~デンパサール線を週3便就航させると発表した。機材はエアバスA330-300、同社の日本就航、そしてインドネシアへのLCC便の就航も初となる。なお、現在就航記念セール開催中なので予約はお早めに。
中国中央部の重慶・鄭州を拠点とする、海南航空系のLCC西武航空は、6月より大阪/関西~合肥~重慶線および札幌/千歳~鄭州~重慶線の開設を中国民用航空局(CAAC)に申請した。いずれの路線も1日1便、エアバスA320またはA321で運行される。
イギリスの航空格付け会社SKYTRAX(スカイトラックス)が「World Airport Awards 2017」を発表。「World’s Best Low-Cost Terminal」では成田国際空港第3ターミナルが2年連続でトップに輝いた。また、「The world’s Top 10 Airports of 2017」では、東京国際空港(羽田)が前年の4位から2位にランクアップした。なおトップは5年連続でシンガポール・チャンギ国際航空が受賞している。
http://www.worldairportawards.com/Awards/best_lowcost_airports.html
香港のキャセイパシフィック航空は2016年12月期通期決算を発表、純損益が5億7500万香港ドル(前年はは60億香港ドルの黒字)と8年ぶりの赤字決算となった。売上高も前年比9.4%減となっており、中国の航空会社やLCCとの競争激化が原因とされている。なお、株式を持ち合う中国国際航空(エアチャイナ)への身売りも噂されているが、それに関しては否定した。
ベトナム航空は3月26日より、東京/羽田~ハノイ線にエアバスの最新鋭機A350-900型機を投入する。同社がA350-900を投入するのは大阪/関西~ホーチミン線に続いて2路線目。なお、ベトナム航空の大阪/関西~ハノイ線はボーイングB787-9で運行しており、同社が日本に運行するワイドボディー機はすべてA350かB787となる。
https://www.vietnamairlines.com/vn/ja/about-us/press-room/news/2017/0117-JP-A350-operation-HND-HAN
画像:ベトナム航空
月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。
下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。
僕にとって、飛行機とはなんだろうか……と考えることがある。運賃とか、LCC、マイレージといったものに振りまわされてしまっているが、なにかが違うという思いはいつもある。
ミャンマーのタチレクという街の空港で滑走路を眺めていた。
「来るだろうか……」
空を見あげる。出発予定時刻を1時間ほどすいている。乗客たちは不安すら見せずに、ただ待っている。
北側の空に小さな点が見え、やがて少しずつ大きくなってくる。
「来た」
飛行機は来たら、搭乗することができる。それは僕の経験でもある。これまで、なかなか来ない飛行機をどれほど待っただろうか。
こういう飛行機はプロペラ機である。さして大きくもない機体が滑走路に滑り込み、プロペラがまわる音がなんともうれしい。
これで帰ることができる。安堵にとろけそうになる。
さまざまな状況があった。アメーバ赤痢を患い、重い体を椅子にあずけながら飛行機を待ったカブールの空港。陸路での出国を拒否され、午前4時発という飛行機を待ったロシアのアストラハンの空港。天候が悪化し、わずかな晴れ間を縫うようにパキスタンのギツギット空港に姿を見せた小型のプロペラ機。
飛行機だけが頼りだった。乗ることができなかったら、ただ待つしかなかった。3日ほど待ったこともある。
「今日も来なかった」
とぼとぼと街の安宿に戻るのだ。
僕にとって飛行機の原点は、そんなところにある気がする。陸路は治安や天候の影響で通行が難しくても、飛行機なら超えることができることがある。飛行機に頼るしかない状況がときにある。運賃やマイレージ、機内食など無縁である。とにかく飛んでくれればいいのだ。
ミャンマーの空港で飛行機を待つ。まんじりともせずに滑走路を待ち続けていたときを思い出す。今日はタチレクからラーショーまで飛ぶ。外国人は陸路で向かうことが許可されていないルートである。ミャンマー北西部、シャン州の治安はまだ安定していない。
しかし飛行機なら越えることができる。ATR72 というプロペラ機だ。滑走路でくるりと向きを変える。プロペラ機は小まわりが効く。
到着が1時間半ほど遅れたが、不満はなにもない。離陸したのは、それからさらに1時間後だった。誰ひとり文句はいわない。ミャンマー人のとって飛行機とはそういうものなのだ。僕にとっても。
タチレクからラーショーまでの運賃は100ドルほど
シ
評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
彼女いない歴=年齢を毎年更新中の不惑独身男。英語力は堂々の偏差値20台。生活保護受給者が見かねて食べ物をおごってくれるほどの高雅な生活レベルを維持している。学生期の終わりが就職氷河期に当たり、就職を諦めて、世界を放浪し始めた。好きな地域は中東の砂漠。お気に入りはアフガニスタンとソマリランドのビザ。残念ながら、まだ反米テロリストに知り合いがいない。最近は歳もとったしISが怖いから無難な国内旅ばかりだ。元コミケスタッフ。理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d.htm?member-j.html
蘇州号に乗ったとき、たまたま船の中で一緒になったセルビア人が「ベオグラードは物価安いよ」と言っていたのが気になって気になって、夜もぐっすり安眠だった。そんなわけで数回に分けてバルカン半島の話を書いていきたいと思う。第一回はそのベオグラード。アルファベットでの綴りに2パターンがあって(Beograde, Belgrade)検索するとき困っちゃう街だ。
何だかロシアの街みたいな名前だが、セルビア共和国の首都である。ブルガリアとルーマニアの西、ハンガリーの南くらい。ブルガリアやルーマニアよりも西欧に近いのだから、もっと発展してるだろうと思うのだが、それは微妙かもしれない。本誌の読者層がどんな年代かは全く分からないが、30代以上くらいなら「コソボ紛争」を覚えているかもしれない。その舞台となったのが旧ユーゴスラビア連邦共和国である。スラビアというくらいなのでスラブ人たちの領土であり、つまりキリル文字が踊っている地域だ。セルビア共和国はユーゴスラビア連邦共和国の成れの果てである。
ベオグラードの空港はニコラ・テスラ空港という。この名前を知らない理系はモグリだ。エジソンと同時代の人で、交流電気に関する様々な発明をした人である。テスラコイルが一番有名だろうか。現在では当地の紙幣にもなっている。科学者が空港の名前になってるなんて素敵な国だと思う筆者は理系である。ときは9月後半。乗客が入れ墨だらけで楽しかったが、この空港、なかなかシュールでよかった。空港なので写真を撮れないが、手荷物レーンの口が自動車の後部になっていて(何かの広告らしい)拾われなかった荷物はクルマの荷台に吸収されていく。微妙にダサくて笑える。
いつものことだが、お仕事の合間にちょっと寄り道しているので、滞在時間が厳しい。ベオグラードに許された滞在時間はわずか数時間だ。ATMで現地通貨をおろし、空港を出ると爽やかな風が通り抜けた。「ああ、いい街だな」と思う。外に出れば車が溢れ、人は公園でくつろぎ、子どもたちは跳ね回っている。空爆ばかり有名だが、現在は全く問題ない平和な首都に見える。日曜だからか、謎の音楽フェスタや結婚式もやっていた。字は読めない(一応アルファベットと対応させられるので全く無理というわけではないが、脳に変な負荷がかかるのは確か)が、英語は通じるらしい。
ベオグラードで外せない観光物件は「ニコラ・テスラ博物館」である。空港に名を冠されてる有名人の博物館はマスト。空港から市内へ向かうバスは、中心部の長距離バス停と鉄道駅を越えて坂をのぼり、終点の広場についた。キリル文字で読めない地名をなんとかねじ伏せ、「地球の歩き方」とにらめっこして場所を把握。なんせスマホなんて便利なモノは持っていない。旅の大きな荷物をひいて坂を登っていけば、ほとんど回り道もなくすんなり博物館についた。
この博物館は実演展示が素晴らしいので紹介しておこう。テスラ氏は交流電気の研究者だったが、交流というのはだいたい電圧が高い。発電所から50万ボルトとかの超高圧送電線を通ってくるのが交流だ。そんなものを実演展示するのはさすがに危険だから、見学もツアー形式になっていて、係員氏が英語で解説しながら、まるでマッドサイエンティストの実験みたいな放電バリバリを淡々と演示してゆく。
単なる演示にとどまらず、参観者に蛍光管を持たせて「はいスイッチ入れますよー」といって全員の蛍光管が光るさまは、スリルもあって圧巻だ。日本でも大学の文化祭とかでやっているネタだが、本場テスラ博物館でやられると(スケールと)インパクトが違う。なんせ係員氏が準備の電源を入れると館内全体にガゴォンという音が響いてどこかで巨大モーターがまわりだし、徐々に音が高くなっていく。いかにも旧世界の巨大兵器を起動しているみたいで半端なくかっこいい。そしてエネルギー充填120%になって発射準備完了ともなれば、全員が配られた蛍光管を、各人まるで三銃士が誓いをたてるみたいに上に突き出す。するとあら不思議、色とりどりに光るのだ。
他にもワクワク感いっぱいの博物館だが、交流展示の説明はちゃんとやると複素数とかが出てきて面倒なのでパスしたい。博物館を一通り堪能して、空港バスの広場に戻り、坂を下って次は長距離バス停に向かう。何といってもチケット買わなきゃ。
この坂の途中に、有名なNATOの空爆跡ビルなんかがある。時の政権がコソボに侵攻(といっても自国領内なんだけど)した罰としてNATO様に爆撃されたわけだが、いまだに根に持っているらしく、わざわざそのままにして観光物件にしているわけだ。道端にあるし、ガイドブックにも載ってるし、入場料もないから、みんなバシャバシャ撮ってるかと思ったら、そもそも道を歩く外国人は自分しかいなかった。
何というか欧米人は自己否定されるのがよほど嫌なのか、こういう嫌がらせを敢えて甘受する根性はないらしい。通りには観光客の代わりに治安部隊様が溜まっていて、カメラを出すと「なんだおまえ?」みたいに怪訝そうに見られる。治安部隊様だから治安はばっちりだが、居心地は悪い。NATOの空爆跡を後生大事に見せているあたり、相当アメリカが嫌いなのかと思っていたが、実はマックも繁盛しているし、クレジットカードも使える。そのあたりはガチ反米ではないらしい。ただしこのマック、生ユーロは使えず現地のディナール通貨しか受け付けない。ついでに物価だが、ミネラルウォーターが1.5Lで60円くらい。アラブほどではないが安い。隣国との関係で言えばギリギリユーロ圏ギリシャの半分くらいか。
長距離バス停まで来たものの、当初予定していたバスはないと言われて困惑した。あとの予定が狂うのだが、何とかなるだろうと楽観視して2時間後のバスを予約。ちなみにこのあたりの長距離バスはネットでだいたいの時刻表を検索できる。仕方ないので観光の続き。ベオグラード市中心部の主要交通機関はトラムだ。なかなか風情ある路面電車だが、運賃の払い方が分からない。どうもトークンのようなものがあるらしいのだが、買い方すら分からないまま無賃乗車を繰り返すことになった。それでも、いいよいいよと意に介さない運転手はなかなかの好人物たちである(ヨイショ)。
ベオグラードの有名観光物件は城塞公園だ。トラムを降りて石畳をあがっていけば、北の丸公園みたいに、城塞の中にテニスコートとかの施設がある。
オモチャみたいな戦車も飾ってあったりしてややカオス気味。
通路が石畳でアップダウンがひどいから、大きな国際仕様の荷物をひきずっているとヘトヘトになる。だいたい普通はこういうのは宿に荷物をおいてやることだ。城塞公園には午後の光を浴びてリラックスする現地の猫的ピープルが多数くつろいでいて、犬と一緒に寝ていたりする。ジョン・ロックのいう自然状態とはこういうものであるのかと感慨深い。自分も概ね猫的であるが、犬と寝る趣味はないので、そのまま城塞から降りていくと、聖水をくれるという教会があった。
面白そうだと思うので行ったらちょうど結婚式をやっていたので、笑顔全開で写真を撮ってみる。
教会の入口ではバイトらしきシスターたちが町内会のイベントみたいに和気あいあいと水をペットボトルに詰めていた。そしてなんとそれが例の聖水であった。ありがたみないなーと思うが、とりあえずくれと言ったらくれたので良しとしよう。寄付を要求されたので20円相当の硬貨をプレゼント。ちなみに半年たったがまだ開けていない。モンスターに襲われたらぶっかけようと思っている。隣国ルーマニアにはドラキュラ城もあるから、そちらに向かう人には必須アイテムだ。
そんなこんなで自然状態を満喫しすぎ、長距離バス停には全速ダッシュで戻る羽目になったのだった。
tabinoteワタベです。
海外に限らず、旅行に行くときはランニングができる準備を一通りしていきます。
ケッ、意識高えな、という呟きが聞こえそうですが、何とでも言いやがれ。
以前、作家の角田光代さんがどこかに書いていた文章を読みました。
彼女は海外旅行が趣味らしいのですが、いかにもランニング、って格好で街を走るとなぜか危ないエリアに行っても平気だし、パスポート持たなくてもいいので気軽なんだそうです(パスポートは持ってた方がいいんだろうけど、持たなくてもいいような気がしてくるらしい)。
わざわざ旅先で走らなくても、と思っていた私ですが、それを読んで興味を持ちました。実際に走ってみると確かにいいことだらけで、いろんな見どころを短時間で巡れるし、公共交通機関より速かったりするし、もちろんじっくり見たければ見てもいいし、確かに危険なエリアにもなんとなく立ち入りやすいし、徒歩やタクシーや公共交通機関とは違った目線で街を見れたりして、すっかりハマってしまいました。
途中で出くわした博物館に汗だくで入ったこともありますが、館内には同じようにスポーツウェアの人も多く、意外に平気だなという実感もありました。
というわけで、私の限られた経験内ではありますが、世界のいろんな観光都市でのランニングを紹介します。
第1回はイギリスの首都ロンドンです。
ロンドンに行ったのは2016年の3月初め。
気温は東京と同じか、やや寒い時期です。
この時はあまり滞在日程がなかったので、市街をぐるっと回ってみようと思いました。
ワールドメジャーマラソンの1つロンドンマラソンが開催される都市でもあり、ランニングが盛んな土地といっていいでしょう。
ランニングルートも豊富です。検索すると、テムズ川沿いのコース、ハイドパーク、リージェンツパークなどがおすすめとして出てきます。
・Six in the city: London’s best running routes
・RUNNER’S GUIDE TO LONDON : ROUTES
私はシティのあたりに宿をとっていたので、西側に行きたいなと思い、適当にコースを設定しました。ハイドパークまで行って、テムズ川沿いを通って戻る20kmくらいのコース。
ルート設定の際には、道を間違えないようになるべく大きな通り・メジャーそうな通りを選ぶことにしました。
お金をどのくらい持つかに悩みました。
日本の場合、SUICA付きのクレカを一枚持って出ればコンビニで飲み物も買えますし、道に迷ったら電車やタクシーで帰れます。
ロンドンの場合、オイスターカードという交通機関で使えるSUICAのようなプリペイドカードがあります。これと普通のクレカ、それにポンド札をビニール袋に入れて小さくたたみ、ランパンの後ろにつっこみました。これで道に迷っても帰れるでしょう。
・ロンドン留学センター:Oyster Card / オイスターカードについて
それではランニング開始。
宿を出て西に向かいます。
オールドストリートからソーホーの方に。
平日なのですが通りは人だらけ。コース設定失敗したかなと感じます。
そこからオックスフォードサーカス、マーブルアーチと西に移動。ハイドパークに入りました。
のどかな公園で、走っている人が沢山います。ここでは走ったり歩いたり。
途中のスーパー(テスコ)で飲み物を補給しました。
ビック・ベンのふもと、ウェストミンスター駅から橋を渡り、テムズ川を超えます。ここからはロンドンを象徴するようなテムズ川沿いの光景が楽しめます。
川沿いのランニングコースは大変走りやすく整備されています。工事だらけで全然通れない隅田川も見習ってほしいものです。
この日は平日。夕方になったからなのか、場所柄なのか、このあたりではソーホー界隈で全く見かけなかったランナーにすれ違うことが多くなってきました。
しかも、なんか異常に速い!女性やレスラーのような体格のいいランナー、皆、息を弾ませてガンガン走っています。4月にロンドン・マラソンがあるので、その追い込み練習でしょうか。
ロンドン橋を超えてタワーブリッジを渡り、シティに戻ってきました。
バックパックを背負った、おそらく帰宅ランのビジネスマンを見かけます。この人たちも速い!のんびりジョギングを楽しむという空気がまるでありません。
私もペースを速めてゴール。トータル20kmちょっとでした。休んでばかりでしたが…。
印象では東京よりもはるかに走っている人が多く、ランニングが盛んな雰囲気を感じました。若い人が多めですね(東京は年配のランナーが多い印象)。テムズ川沿いはとても走りやすく、景色もザ・ロンドンという感じですばらしいものがありました。
旅の本屋 のまど
東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/
新刊『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ふらっと行く週末タイ旅行のさらなるディープな楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『週末ちょっとディープな台湾旅』では、台湾の味「滷味(ルーウェイ)」の世界に分け入り、台南で日本の名残に触れ、少数民族に助けられて温泉へ行くなど、台北だけでは知りえないディープな台湾の楽しみ方を紹介していた下川さん。本作では、タイ料理とタイ中華料理の違いを調べ、ガイドブックでは紹介されない裏の乗り物に乗り込み、 気まぐれなタイの各駅停車に揺られてラオスの田舎に迷い込むなど、したたかで、しなやかな「微笑みの国」タイのディープな楽しみ方を紹介しています。軍事政権が飲酒や風俗をとり締まり清廉潔白なイメージを演出しようとするなか、国王死去の報が国中を駆け巡ったタイを現地で取材した下川さん独自のタイの情報が聞けるはずです。下川ファンの方はもちろん、タイが大好きな方やバンコクのさらにディープなスポットに興味のある方はぜひご参加ください!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。
◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/
【開催日時】 3月31日(金) 19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】 1000円 ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】 旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:朝日新聞出版
新刊『未承認国家に行ってきた』(彩図社)の発売を記念して、著者で旅行作家の嵐よういちさんとライターの小神野真弘さんのお二人をお招きし、世界の未承認国家を旅行する際のウラ事情ついてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。「中米ブラック ロード」「アフリカブラックロード」など、「ブラックロード」シリーズで絶大な人気を誇る嵐さんが今回取り上げる国は未承認国家。未承認国家とは、どこの国にも承認されてないか、されていてもごく一部の国にだけ承認されている国のことで、本書では、嵐さんがクリミア共和国、沿ドニエストル共和国、アブハジア共和国、コソボ共和国、北キプロス・トルコ共和国の5つの未承認国家を訪れ、日本大使館もまともな情報もないそれらの国で、さまざまなトラブルが降り掛かかってくる中、スリリングで刺激的な取材を敢行した旅の記録が綴られています。なお、今回のイベントでは嵐さんと取材旅行にたびたび出かけている小神野真弘さんに聞き手役として参加していただきます。未承認国家を単独で取材旅行したの際の裏話や秘話など、嵐さんの貴重な体験談を生で聞けるチャンスです。嵐さんや小神野さんのファンの方はもちろん、世界の未承認国家の歴史やダークツリズムに興味のある方はぜひご参加くださいませ!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
1969年生まれ。東京都杉並区出身。独身。20歳からイギリス、アメリカと留学
(遊学?)して、その後、面白い写真を求めて海外を放浪する。約80ヶ国を渡り歩く。
特に好きな地域は南米。著書に『海外ブラックロード~最狂バックパッカー版』『海外ブラックマップ』『南米ブラックロード』『アフリカ・ブラックロード』『海外ブラックロード~スラム街潜入編』『ブラジル裏の歩き方』『世界「誰も行かない場所」だけ紀行』(彩図社)など。
◆嵐よういちさんツイッター
https://twitter.com/kaigaiblackroad
1985年生まれ。 ライター、フォトグラファー。日本大学藝術学部卒。 在学中から活動を始め、アジア、アフリカ、中南米、国内のマイノリティや芸術、歴史、文化を中心に取材・撮影・執筆を行なう。近著に『SLUM世界のスラム街探訪』『歴史の授業で教えない大日本帝国の謎』(ともに彩図社)がある。
◆小神野真弘さんツイッター
https://twitter.com/zygoku
【開催日時】 4月7日(金) 19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】 1000円 ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】 旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:彩図社
tabinote田口です。ここ1ヶ月ほど日本にいましたが今週末よりいよいよチェンマイに本格的に生活拠点を移すことになりました。今後はtabinoteチェンマイ支部長として引き続きがんばっていきたいとおもっております。
とはいえ、もうすぐソンクラーン(水掛け祭り)のチェンマイは暑さまっさかり、到着した瞬間に脱出したくなることが目に見えております。あー、ハワイとか行きてえなあ……。
さて今月もtabinoteメルマガ、いつも通り無駄にボリュームたっぷりにお送りします。
ニュースではなんといってもバルセロナ拠点のLCC「LEVEL」が大注目。大西洋航路を運行するLCCはノルウェー・エアシャトルやユーロウィングスなどがありますが、うまく利用すればLCCで世界一周も夢ではありません。
下川さんの連載は、果たして飛行機が到着するかどうかという不安について、長期間過酷な旅を続けてきた氏にしか書けない苦味溢れるエッセイ。体験したいようなしたくないような、、
そういう意味では「シ」さんの独特すぎる旅のスタイルも同じですが、今回はやや穏当(これまでが酷すぎた)。でもこの後きっとひどい目にあうんでしょうね……。
tabinoteワタベによる世界各都市のランナーズレポート連載もはじまりました。実はワタシも最近チェンマイですこし走ったりしてるんですが、道路状況が日本の比じゃなく悪く結局公園をぐるぐる廻るしかできないんですよね。
旅の本屋 のまどでは、おなじみ下川裕治さんの「週末タイ旅行のちょっとディープな楽しみ方」と題したスライド&トークイベント、そして嵐よういちさん×小神野真弘さんの「世界の未承認国家の歩き方」をテーマにしたこれまたディープな対談イベントが行われます。日本にいたら行きたかった!!
tabinoteサイトでは過去の有料メルマガ連載をアップしており、無料でご覧いただけます。
・連載:下川裕治さん
・連載:柳下毅一郎さん
・連載:水谷さるころさん
次回第86号は2017年4月25日(火)の発行予定です。
発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp
※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従っていただきますようお願いいたします。
エア・リンガス、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空、ブエリング航空の4社を傘下に収めるインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、6月にバルセロナを拠点とする長距離LCCの新ブランド「LEVEL」の運行を開始すると発表した。当初はバルセロナとロサンゼルス、オークランド(いずれもアメリカ西海岸)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、プンタカナ(ドミニカ)を結ぶ4路線を運行。アメリカ便は99ユーロから、中南米便は149ユーロからと格安で大西洋路線を利用できることになる。
画像:LEVEL
インドネシア・エアアジアXは、5月24日より成田~デンパサール線を週3便就航させると発表した。機材はエアバスA330-300、同社の日本就航、そしてインドネシアへのLCC便の就航も初となる。なお、現在就航記念セール開催中なので予約はお早めに。
中国中央部の重慶・鄭州を拠点とする、海南航空系のLCC西武航空は、6月より大阪/関西~合肥~重慶線および札幌/千歳~鄭州~重慶線の開設を中国民用航空局(CAAC)に申請した。いずれの路線も1日1便、エアバスA320またはA321で運行される。
イギリスの航空格付け会社SKYTRAX(スカイトラックス)が「World Airport Awards 2017」を発表。「World’s Best Low-Cost Terminal」では成田国際空港第3ターミナルが2年連続でトップに輝いた。また、「The world’s Top 10 Airports of 2017」では、東京国際空港(羽田)が前年の4位から2位にランクアップした。なおトップは5年連続でシンガポール・チャンギ国際航空が受賞している。
http://www.worldairportawards.com/Awards/best_lowcost_airports.html
香港のキャセイパシフィック航空は2016年12月期通期決算を発表、純損益が5億7500万香港ドル(前年はは60億香港ドルの黒字)と8年ぶりの赤字決算となった。売上高も前年比9.4%減となっており、中国の航空会社やLCCとの競争激化が原因とされている。なお、株式を持ち合う中国国際航空(エアチャイナ)への身売りも噂されているが、それに関しては否定した。
ベトナム航空は3月26日より、東京/羽田~ハノイ線にエアバスの最新鋭機A350-900型機を投入する。同社がA350-900を投入するのは大阪/関西~ホーチミン線に続いて2路線目。なお、ベトナム航空の大阪/関西~ハノイ線はボーイングB787-9で運行しており、同社が日本に運行するワイドボディー機はすべてA350かB787となる。
https://www.vietnamairlines.com/vn/ja/about-us/press-room/news/2017/0117-JP-A350-operation-HND-HAN
画像:ベトナム航空
月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。
下川裕治(しもかわ・ゆうじ)
1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。
僕にとって、飛行機とはなんだろうか……と考えることがある。運賃とか、LCC、マイレージといったものに振りまわされてしまっているが、なにかが違うという思いはいつもある。
ミャンマーのタチレクという街の空港で滑走路を眺めていた。
「来るだろうか……」
空を見あげる。出発予定時刻を1時間ほどすいている。乗客たちは不安すら見せずに、ただ待っている。
北側の空に小さな点が見え、やがて少しずつ大きくなってくる。
「来た」
飛行機は来たら、搭乗することができる。それは僕の経験でもある。これまで、なかなか来ない飛行機をどれほど待っただろうか。
こういう飛行機はプロペラ機である。さして大きくもない機体が滑走路に滑り込み、プロペラがまわる音がなんともうれしい。
これで帰ることができる。安堵にとろけそうになる。
さまざまな状況があった。アメーバ赤痢を患い、重い体を椅子にあずけながら飛行機を待ったカブールの空港。陸路での出国を拒否され、午前4時発という飛行機を待ったロシアのアストラハンの空港。天候が悪化し、わずかな晴れ間を縫うようにパキスタンのギツギット空港に姿を見せた小型のプロペラ機。
飛行機だけが頼りだった。乗ることができなかったら、ただ待つしかなかった。3日ほど待ったこともある。
「今日も来なかった」
とぼとぼと街の安宿に戻るのだ。
僕にとって飛行機の原点は、そんなところにある気がする。陸路は治安や天候の影響で通行が難しくても、飛行機なら超えることができることがある。飛行機に頼るしかない状況がときにある。運賃やマイレージ、機内食など無縁である。とにかく飛んでくれればいいのだ。
ミャンマーの空港で飛行機を待つ。まんじりともせずに滑走路を待ち続けていたときを思い出す。今日はタチレクからラーショーまで飛ぶ。外国人は陸路で向かうことが許可されていないルートである。ミャンマー北西部、シャン州の治安はまだ安定していない。
しかし飛行機なら越えることができる。ATR72 というプロペラ機だ。滑走路でくるりと向きを変える。プロペラ機は小まわりが効く。
到着が1時間半ほど遅れたが、不満はなにもない。離陸したのは、それからさらに1時間後だった。誰ひとり文句はいわない。ミャンマー人のとって飛行機とはそういうものなのだ。僕にとっても。
タチレクからラーショーまでの運賃は100ドルほど
シ
評論同人誌サークル「暗黒通信団」の雑文書き。
貧乏ノマド独身。英語は苦手。好きな地域は中東の砂漠。元コミケスタッフ。コテコテの理系。自称高等遊民。
詳しくは http://ankokudan.org/d/d.htm?member-j.html
蘇州号に乗ったとき、たまたま船の中で一緒になったセルビア人が「ベオグラードは物価安いよ」と言っていたのが気になって気になって、夜もぐっすり安眠だった。そんなわけで数回に分けてバルカン半島の話を書いていきたいと思う。第一回はそのベオグラード。アルファベットでの綴りに2パターンがあって(Beograde, Belgrade)検索するとき困っちゃう街だ。
何だかロシアの街みたいな名前だが、セルビア共和国の首都である。ブルガリアとルーマニアの西、ハンガリーの南くらい。ブルガリアやルーマニアよりも西欧に近いのだから、もっと発展してるだろうと思うのだが、それは微妙かもしれない。本誌の読者層がどんな年代かは全く分からないが、30代以上くらいなら「コソボ紛争」を覚えているかもしれない。その舞台となったのが旧ユーゴスラビア連邦共和国である。スラビアというくらいなのでスラブ人たちの領土であり、つまりキリル文字が踊っている地域だ。セルビア共和国はユーゴスラビア連邦共和国の成れの果てである。
ベオグラードの空港はニコラ・テスラ空港という。この名前を知らない理系はモグリだ。エジソンと同時代の人で、交流電気に関する様々な発明をした人である。テスラコイルが一番有名だろうか。現在では当地の紙幣にもなっている。科学者が空港の名前になってるなんて素敵な国だと思う筆者は理系である。ときは9月後半。乗客が入れ墨だらけで楽しかったが、この空港、なかなかシュールでよかった。空港なので写真を撮れないが、手荷物レーンの口が自動車の後部になっていて(何かの広告らしい)拾われなかった荷物はクルマの荷台に吸収されていく。微妙にダサくて笑える。
いつものことだが、お仕事の合間にちょっと寄り道しているので、滞在時間が厳しい。ベオグラードに許された滞在時間はわずか数時間だ。ATMで現地通貨をおろし、空港を出ると爽やかな風が通り抜けた。「ああ、いい街だな」と思う。外に出れば車が溢れ、人は公園でくつろぎ、子どもたちは跳ね回っている。空爆ばかり有名だが、現在は全く問題ない平和な首都に見える。日曜だからか、謎の音楽フェスタや結婚式もやっていた。字は読めない(一応アルファベットと対応させられるので全く無理というわけではないが、脳に変な負荷がかかるのは確か)が、英語は通じるらしい。
ベオグラードで外せない観光物件は「ニコラ・テスラ博物館」である。空港に名を冠されてる有名人の博物館はマスト。空港から市内へ向かうバスは、中心部の長距離バス停と鉄道駅を越えて坂をのぼり、終点の広場についた。キリル文字で読めない地名をなんとかねじ伏せ、「地球の歩き方」とにらめっこして場所を把握。なんせスマホなんて便利なモノは持っていない。旅の大きな荷物をひいて坂を登っていけば、ほとんど回り道もなくすんなり博物館についた。
この博物館は実演展示が素晴らしいので紹介しておこう。テスラ氏は交流電気の研究者だったが、交流というのはだいたい電圧が高い。発電所から50万ボルトとかの超高圧送電線を通ってくるのが交流だ。そんなものを実演展示するのはさすがに危険だから、見学もツアー形式になっていて、係員氏が英語で解説しながら、まるでマッドサイエンティストの実験みたいな放電バリバリを淡々と演示してゆく。
単なる演示にとどまらず、参観者に蛍光管を持たせて「はいスイッチ入れますよー」といって全員の蛍光管が光るさまは、スリルもあって圧巻だ。日本でも大学の文化祭とかでやっているネタだが、本場テスラ博物館でやられると(スケールと)インパクトが違う。なんせ係員氏が準備の電源を入れると館内全体にガゴォンという音が響いてどこかで巨大モーターがまわりだし、徐々に音が高くなっていく。いかにも旧世界の巨大兵器を起動しているみたいで半端なくかっこいい。そしてエネルギー充填120%になって発射準備完了ともなれば、全員が配られた蛍光管を、各人まるで三銃士が誓いをたてるみたいに上に突き出す。するとあら不思議、色とりどりに光るのだ。
他にもワクワク感いっぱいの博物館だが、交流展示の説明はちゃんとやると複素数とかが出てきて面倒なのでパスしたい。博物館を一通り堪能して、空港バスの広場に戻り、坂を下って次は長距離バス停に向かう。何といってもチケット買わなきゃ。
この坂の途中に、有名なNATOの空爆跡ビルなんかがある。時の政権がコソボに侵攻(といっても自国領内なんだけど)した罰としてNATO様に爆撃されたわけだが、いまだに根に持っているらしく、わざわざそのままにして観光物件にしているわけだ。道端にあるし、ガイドブックにも載ってるし、入場料もないから、みんなバシャバシャ撮ってるかと思ったら、そもそも道を歩く外国人は自分しかいなかった。
何というか欧米人は自己否定されるのがよほど嫌なのか、こういう嫌がらせを敢えて甘受する根性はないらしい。通りには観光客の代わりに治安部隊様が溜まっていて、カメラを出すと「なんだおまえ?」みたいに怪訝そうに見られる。治安部隊様だから治安はばっちりだが、居心地は悪い。NATOの空爆跡を後生大事に見せているあたり、相当アメリカが嫌いなのかと思っていたが、実はマックも繁盛しているし、クレジットカードも使える。そのあたりはガチ反米ではないらしい。ただしこのマック、生ユーロは使えず現地のディナール通貨しか受け付けない。ついでに物価だが、ミネラルウォーターが1.5Lで60円くらい。アラブほどではないが安い。隣国との関係で言えばギリギリユーロ圏ギリシャの半分くらいか。
長距離バス停まで来たものの、当初予定していたバスはないと言われて困惑した。あとの予定が狂うのだが、何とかなるだろうと楽観視して2時間後のバスを予約。ちなみにこのあたりの長距離バスはネットでだいたいの時刻表を検索できる。仕方ないので観光の続き。ベオグラード市中心部の主要交通機関はトラムだ。なかなか風情ある路面電車だが、運賃の払い方が分からない。どうもトークンのようなものがあるらしいのだが、買い方すら分からないまま無賃乗車を繰り返すことになった。それでも、いいよいいよと意に介さない運転手はなかなかの好人物たちである(ヨイショ)。
ベオグラードの有名観光物件は城塞公園だ。トラムを降りて石畳をあがっていけば、北の丸公園みたいに、城塞の中にテニスコートとかの施設がある。
オモチャみたいな戦車も飾ってあったりしてややカオス気味。
通路が石畳でアップダウンがひどいから、大きな国際仕様の荷物をひきずっているとヘトヘトになる。だいたい普通はこういうのは宿に荷物をおいてやることだ。城塞公園には午後の光を浴びてリラックスする現地の猫的ピープルが多数くつろいでいて、犬と一緒に寝ていたりする。ジョン・ロックのいう自然状態とはこういうものであるのかと感慨深い。自分も概ね猫的であるが、犬と寝る趣味はないので、そのまま城塞から降りていくと、聖水をくれるという教会があった。
面白そうだと思うので行ったらちょうど結婚式をやっていたので、笑顔全開で写真を撮ってみる。
教会の入口ではバイトらしきシスターたちが町内会のイベントみたいに和気あいあいと水をペットボトルに詰めていた。そしてなんとそれが例の聖水であった。ありがたみないなーと思うが、とりあえずくれと言ったらくれたので良しとしよう。寄付を要求されたので20円相当の硬貨をプレゼント。ちなみに半年たったがまだ開けていない。モンスターに襲われたらぶっかけようと思っている。隣国ルーマニアにはドラキュラ城もあるから、そちらに向かう人には必須アイテムだ。
そんなこんなで自然状態を満喫しすぎ、長距離バス停には全速ダッシュで戻る羽目になったのだった。
tabinoteワタベです。
海外に限らず、旅行に行くときはランニングができる準備を一通りしていきます。
ケッ、意識高えな、という呟きが聞こえそうですが、何とでも言いやがれ。
以前、作家の角田光代さんがどこかに書いていた文章を読みました。
彼女は海外旅行が趣味らしいのですが、いかにもランニング、って格好で街を走るとなぜか危ないエリアに行っても平気だし、パスポート持たなくてもいいので気軽なんだそうです(パスポートは持ってた方がいいんだろうけど、持たなくてもいいような気がしてくるらしい)。
わざわざ旅先で走らなくても、と思っていた私ですが、それを読んで興味を持ちました。実際に走ってみると確かにいいことだらけで、いろんな見どころを短時間で巡れるし、公共交通機関より速かったりするし、もちろんじっくり見たければ見てもいいし、確かに危険なエリアにもなんとなく立ち入りやすいし、徒歩やタクシーや公共交通機関とは違った目線で街を見れたりして、すっかりハマってしまいました。
途中で出くわした博物館に汗だくで入ったこともありますが、館内には同じようにスポーツウェアの人も多く、意外に平気だなという実感もありました。
というわけで、私の限られた経験内ではありますが、世界のいろんな観光都市でのランニングを紹介します。
第1回はイギリスの首都ロンドンです。
ロンドンに行ったのは2016年の3月初め。
気温は東京と同じか、やや寒い時期です。
この時はあまり滞在日程がなかったので、市街をぐるっと回ってみようと思いました。
ワールドメジャーマラソンの1つロンドンマラソンが開催される都市でもあり、ランニングが盛んな土地といっていいでしょう。
ランニングルートも豊富です。検索すると、テムズ川沿いのコース、ハイドパーク、リージェンツパークなどがおすすめとして出てきます。
・Six in the city: London’s best running routes
・RUNNER’S GUIDE TO LONDON : ROUTES
私はシティのあたりに宿をとっていたので、西側に行きたいなと思い、適当にコースを設定しました。ハイドパークまで行って、テムズ川沿いを通って戻る20kmくらいのコース。
ルート設定の際には、道を間違えないようになるべく大きな通り・メジャーそうな通りを選ぶことにしました。
お金をどのくらい持つかに悩みました。
日本の場合、SUICA付きのクレカを一枚持って出ればコンビニで飲み物も買えますし、道に迷ったら電車やタクシーで帰れます。
ロンドンの場合、オイスターカードという交通機関で使えるSUICAのようなプリペイドカードがあります。これと普通のクレカ、それにポンド札をビニール袋に入れて小さくたたみ、ランパンの後ろにつっこみました。これで道に迷っても帰れるでしょう。
・ロンドン留学センター:Oyster Card / オイスターカードについて
それではランニング開始。
宿を出て西に向かいます。
オールドストリートからソーホーの方に。
平日なのですが通りは人だらけ。コース設定失敗したかなと感じます。
そこからオックスフォードサーカス、マーブルアーチと西に移動。ハイドパークに入りました。
のどかな公園で、走っている人が沢山います。ここでは走ったり歩いたり。
途中のスーパー(テスコ)で飲み物を補給しました。
ビック・ベンのふもと、ウェストミンスター駅から橋を渡り、テムズ川を超えます。ここからはロンドンを象徴するようなテムズ川沿いの光景が楽しめます。
川沿いのランニングコースは大変走りやすく整備されています。工事だらけで全然通れない隅田川も見習ってほしいものです。
この日は平日。夕方になったからなのか、場所柄なのか、このあたりではソーホー界隈で全く見かけなかったランナーにすれ違うことが多くなってきました。
しかも、なんか異常に速い!女性やレスラーのような体格のいいランナー、皆、息を弾ませてガンガン走っています。4月にロンドン・マラソンがあるので、その追い込み練習でしょうか。
ロンドン橋を超えてタワーブリッジを渡り、シティに戻ってきました。
バックパックを背負った、おそらく帰宅ランのビジネスマンを見かけます。この人たちも速い!のんびりジョギングを楽しむという空気がまるでありません。
私もペースを速めてゴール。トータル20kmちょっとでした。休んでばかりでしたが…。
印象では東京よりもはるかに走っている人が多く、ランニングが盛んな雰囲気を感じました。若い人が多めですね(東京は年配のランナーが多い印象)。テムズ川沿いはとても走りやすく、景色もザ・ロンドンという感じですばらしいものがありました。
旅の本屋 のまど
東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/
新刊『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日文庫)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、ふらっと行く週末タイ旅行のさらなるディープな楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『週末ちょっとディープな台湾旅』では、台湾の味「滷味(ルーウェイ)」の世界に分け入り、台南で日本の名残に触れ、少数民族に助けられて温泉へ行くなど、台北だけでは知りえないディープな台湾の楽しみ方を紹介していた下川さん。本作では、タイ料理とタイ中華料理の違いを調べ、ガイドブックでは紹介されない裏の乗り物に乗り込み、 気まぐれなタイの各駅停車に揺られてラオスの田舎に迷い込むなど、したたかで、しなやかな「微笑みの国」タイのディープな楽しみ方を紹介しています。軍事政権が飲酒や風俗をとり締まり清廉潔白なイメージを演出しようとするなか、国王死去の報が国中を駆け巡ったタイを現地で取材した下川さん独自のタイの情報が聞けるはずです。下川ファンの方はもちろん、タイが大好きな方やバンコクのさらにディープなスポットに興味のある方はぜひご参加ください!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。
◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/
【開催日時】 3月31日(金) 19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】 1000円 ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】 旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:朝日新聞出版
新刊『未承認国家に行ってきた』(彩図社)の発売を記念して、著者で旅行作家の嵐よういちさんとライターの小神野真弘さんのお二人をお招きし、世界の未承認国家を旅行する際のウラ事情ついてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。「中米ブラック ロード」「アフリカブラックロード」など、「ブラックロード」シリーズで絶大な人気を誇る嵐さんが今回取り上げる国は未承認国家。未承認国家とは、どこの国にも承認されてないか、されていてもごく一部の国にだけ承認されている国のことで、本書では、嵐さんがクリミア共和国、沿ドニエストル共和国、アブハジア共和国、コソボ共和国、北キプロス・トルコ共和国の5つの未承認国家を訪れ、日本大使館もまともな情報もないそれらの国で、さまざまなトラブルが降り掛かかってくる中、スリリングで刺激的な取材を敢行した旅の記録が綴られています。なお、今回のイベントでは嵐さんと取材旅行にたびたび出かけている小神野真弘さんに聞き手役として参加していただきます。未承認国家を単独で取材旅行したの際の裏話や秘話など、嵐さんの貴重な体験談を生で聞けるチャンスです。嵐さんや小神野さんのファンの方はもちろん、世界の未承認国家の歴史やダークツリズムに興味のある方はぜひご参加くださいませ!
※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。
1969年生まれ。東京都杉並区出身。独身。20歳からイギリス、アメリカと留学
(遊学?)して、その後、面白い写真を求めて海外を放浪する。約80ヶ国を渡り歩く。
特に好きな地域は南米。著書に『海外ブラックロード~最狂バックパッカー版』『海外ブラックマップ』『南米ブラックロード』『アフリカ・ブラックロード』『海外ブラックロード~スラム街潜入編』『ブラジル裏の歩き方』『世界「誰も行かない場所」だけ紀行』(彩図社)など。
◆嵐よういちさんツイッター
https://twitter.com/kaigaiblackroad
1985年生まれ。 ライター、フォトグラファー。日本大学藝術学部卒。 在学中から活動を始め、アジア、アフリカ、中南米、国内のマイノリティや芸術、歴史、文化を中心に取材・撮影・執筆を行なう。近著に『SLUM世界のスラム街探訪』『歴史の授業で教えない大日本帝国の謎』(ともに彩図社)がある。
◆小神野真弘さんツイッター
https://twitter.com/zygoku
【開催日時】 4月7日(金) 19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】 1000円 ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】 旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
e-mail :info@nomad-books.co.jp
(お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
協力:彩図社
tabinote田口です。ここ1ヶ月ほど日本にいましたが今週末よりいよいよチェンマイに本格的に生活拠点を移すことになりました。今後はtabinoteチェンマイ支部長として引き続きがんばっていきたいとおもっております。
とはいえ、もうすぐソンクラーン(水掛け祭り)のチェンマイは暑さまっさかり、到着した瞬間に脱出したくなることが目に見えております。あー、ハワイとか行きてえなあ……。
さて今月もtabinoteメルマガ、いつも通り無駄にボリュームたっぷりにお送りします。
ニュースではなんといってもバルセロナ拠点のLCC「LEVEL」が大注目。大西洋航路を運行するLCCはノルウェー・エアシャトルやユーロウィングスなどがありますが、うまく利用すればLCCで世界一周も夢ではありません。
下川さんの連載は、果たして飛行機が到着するかどうかという不安について、長期間過酷な旅を続けてきた氏にしか書けない苦味溢れるエッセイ。体験したいようなしたくないような、、
そういう意味では「シ」さんの独特すぎる旅のスタイルも同じですが、今回はやや穏当(これまでが酷すぎた)。でもこの後きっとひどい目にあうんでしょうね……。
tabinoteワタベによる世界各都市のランナーズレポート連載もはじまりました。実はワタシも最近チェンマイですこし走ったりしてるんですが、道路状況が日本の比じゃなく悪く結局公園をぐるぐる廻るしかできないんですよね。
旅の本屋 のまどでは、おなじみ下川裕治さんの「週末タイ旅行のちょっとディープな楽しみ方」と題したスライド&トークイベント、そして嵐よういちさん×小神野真弘さんの「世界の未承認国家の歩き方」をテーマにしたこれまたディープな対談イベントが行われます。日本にいたら行きたかった!!
tabinoteサイトでは過去の有料メルマガ連載をアップしており、無料でご覧いただけます。
・連載:下川裕治さん
・連載:柳下毅一郎さん
・連載:水谷さるころさん
次回第86号は2017年4月25日(火)の発行予定です。
発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp
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