カテゴリー別アーカイブ: 2014/05/20号 Vol.023

tabinoteメールマガジン 2014/05/20号 Vol.023 無料版

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.01
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:成都
特別企画:旅する人のレーシック入門
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:5/29(木) 下川裕治さん スライド&トークショー、6/12(木)嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~
7. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

クアラルンプール、新LCCターミナルオープン

クアラルンプール空港は、従来のLCC専用ターミナル「LCCT」に代わる新ターミナル「KLIA2」を5月2日よりオープンした。ターミナル発着便の大部分を運航するエアアジアも5月8日には移転、これにより「LCCT」は閉鎖された。LCCT時代は市内中心部へのアクセスはバスのみであったが、「KLIA2」には直通高速電車「KLIA EXPRESS」も直接乗り入れるため、アクセス利便性が大幅に上がった。tabinoteでは7月にレポート記事を掲載する予定。

エアカナダがB787受領

エアカナダは同社初の導入となるボーイングの新型機B787-8型を受領。7月16日より羽田~トロント線に投入(トロント発羽田行きは2014年7月1日より運航開始)予定という。エアカナダは現在37機のB787型をボーイングに発注中
http://787.aircanada.com/jp/

マレーシア航空が破綻か

ロイターの記事によると、マレーシア航空が5月15日に発表した第1四半期の決算が、過去二年で最大の規模に膨らんだうえ、同社の実質的オーナーであるマレーシア財務相を兼任するナジブ・ラザク首相がWSJの取材に対し、破産申請の可能性を否定しなかったことなども悪材料になり株価が続落した。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0DZ09320140519

ピーチ、バニラが減便。原因は機長不足

ピーチ・アビエーションとバニラ・エアが相次いで大幅な減便を発表した。原因は世界的な航空需要の拡大やLCCの隆盛によって引き起こされたA320とB737のライセンスを持つパイロットの人材不足だ。各社ともパイロットの自社育成を進めたり、グループ会社からの出向を依頼したりなど対策に追われている。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ160CG_W4A510C1TJ2000/

エアアジア・ジャパン、中部国際空港が拠点か

2015年に国内線再進出を計画しているエアアジア・ジャパンが、日本に設立している準備会社の名称を「エアアジア・ジャパン株式会社」と変更、本社を愛知県常滑市のセントレア構内に置いていることから、中部国際空港を拠点にする可能性が高まっている。

スカイマーク決算。5期ぶりに最終赤字へ

スカイマーク航空は2014年3月期通期決算を発表。売上高は前期とほぼ変わらない859億7500万円だったものの、機材費、燃料費などが増大し18億4500万円の純損失を計上、2009年3月期以来の赤字となった。

ピーチ、隣の席を確保できるオプションを発表

ピーチ・アビエーションは、購入した座席に隣接した1~2席を空いている場合に限り確保し、自由に使える「スペースシートオプション」の発売を開始。料金は国内線2,000円、国際線3,000円だ。これはかなりお得なオプションではないだろうか。
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/inflight/space_seat_option.aspx?www_pc_ja-jp_main_banner_02
img_space_seat_option_01_20140513

ユナイテッド、羽田~サンフランシスコ便を開始

ユナイテッド航空は羽田空港の発着枠割り当てを受け、東京・羽田~サンフランシスコ便を10月26日(羽田発は28日)より就航することを発表した。これにより1日2便運行している成田~サンフランシスコ便は1日1便に減便となる。なお、羽田発の便は深夜発のため、到着が前日の夕方になることに注意。

UA875 サンフランシスコ(18:35)~東京/羽田(22:05+1)
UA876 東京/羽田(00:05)~サンフランシスコ(17:15-1)

UA837 サンフランシスコ(12:00)〜東京/成田(15:15+1)
UA838 東京/成田(17:55)〜サンフランシスコ(11:00)

http://airlineroute.net/2014/05/10/ua-sfohnd-w14/?utm_source=feedly&utm_reader=feedly&utm_medium=rss&utm_campaign=ua-sfohnd-w14

↑目次に戻る


2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

難しいLCCの発着時間帯

 タイのバンコクから、台北経由で東京に戻ることになった。バンコクー台北間はタイ国際航空のプロモーション運賃を利用することができた。
 台北から成田空港──。LCCはバニラ・エア、スクート、ジェットスターが就航していた。運賃を見ると、バニラ・エアとスクートが安かった。


以降は「有料版メルマガ」にて公開しています。
有料版は月300円です。この機会にぜひ購読をご検討下さい。
こちらの画面下部から「有料版購読」をお選び下さい。
https://tabinote.jp/mailmag/

↑目次に戻る


2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第22回 吉田友和

お お土産

 ゴールデンウィークはフィリピンへ棚田を見に行ってきたのだが、帰りの空港で少し困ったことになった。免税店を覗くも、気の利いたお土産が見つからないのだ。
 いわゆる、バラマキ土産である。普段なら街中のスーパーなどで買い求めることが多い。帰り際になって、免税店で慌てて探し始めるなんて愚策であることは重々理解している。けれど、今回は仕方がなかった。都市部はスルーし、ほぼずっと山奥に滞在していたので、買い物をするチャンスが皆無だったのだ。。


以降は「有料版メルマガ」にて公開しています。
有料版は月300円です。この機会にぜひ購読をご検討下さい。
こちらの画面下部から「有料版購読」をお選び下さい。
https://tabinote.jp/mailmag/

↑目次に戻る


3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.01

Profile
英賀ナオコ

英賀ナオコ

日芸写真学科在学中。メキシコ育ちの転勤族。
カメラは主にNikon、FE2、35mmフィルムカメラ。好きなタイプは、ほっといても1人で生きていけそうな人。

tumbler →Untitle

はじめに

tabinoteハマです。今回から5回に渡り、友人の英賀ナオコさんのトルコ・女一人旅を連載します。
現在大学で写真を学んでいる彼女の、素晴らしい写真と文才をお楽しみ頂ければと思います。
無料で読めるメールマガジンでは毎回コラムを2本掲載していきますが、サイトの方にも新規に2本づつ掲載していきますので(リンクはコラム下にあります)、どちらもご覧頂ければと思います!


動機から出国まで

動機から出国まで
きっかけは友人が言った言葉だった。
「シルクロードを横断したいな」
私はその言葉が忘れられず、オスマン帝国時代世界を制覇したトルコという国に興味を持った。

ヨーロッパ、アジアとイスラムが混然としている国。この国をどうすれば知れるのかを考え、出た答えが「人からこの国を見よう」ということだった。
だが、トルコ付近の国々は戦争中。果たして行けるのだろうか、と不安になる日々。
学校の助手さんの「行きたいと思った時が行く時なんだ」という言葉を信じて航空券を買う。
だが、本当に不安で仕方がなかった。今回の旅はツアーではない。トルコの人達から国を知るために個人でホテルやらなにからまでやらなければいけない。
不安なあまりYahoo知恵袋や発言小町で「トルコ イスタンブール 女一人旅」と検索するが、まとはずれな答えばかり。「トルコでは女一人旅は危険なので~~と友人が言ってました」お前の話じゃないのかよ!?と画面上に突っ込む日々。

そんなこんなを過ごしているうちにとうとうトルコへ飛び立つ日がやってきた。
成田空港への道すがら「なんで、国境付近で戦争してる国に行くんだよ」とウジウジ思う私。
二人の私が脳内で言い争っていた。

「大丈夫よ!あなたなら無事に生きて帰れるわ!!」
「戦争なんかしてる国だぜ?お前なんて殺害されるに決まってる」

あーもう帰りたい。帰ってジャニーズ見たい!まだ飛行機にも乗っていないのにこの有様。ふと電車のテレビを見るとアニメをやっていた。

「旅をしている人間は旅をしていない人間よりも遥かに多くのことを知ることができる」

こんな感じの言葉だった。私はその言葉に後押しされ、よっし!やったろうか!!という気持ちになった。本当に単純な私だった。

成田空港でWi-Fiを受け取る。Wi-Fiを借りるにあたり、たびのてスタッフの姉さんにいろいろと相談させてもらい、持っていくことに。

こうして、私はトルコ(まずドバイ)に向かって旅立った。


トランジット、ドバイ編

今回は初めてエミレーツ航空でトルコへ向かう。エミレーツ航空はドバイでトランジットをしなければいけない。
もちろん初めてのトランジット。トランジットをできるか不安になっている私に神様は微笑んでくれた。ドバイまでの飛行機で隣の座席が日本人女性、しかも彼女もドバイでトランジットだったのだ!この時ばかり、神様に感謝した。
彼女は某法人の理事長だという。私が写真をやっているというと、来年にケニアに行くのだけど、一緒にどうかな?と言われた。考えます、と冷静に言うが心の中はトランジットの安心感で一杯だった。

機内で「陽だまりの彼女」を見て「ジュン。。。泣」と涙したり、寝たり、機内食を食べたりして、とうとうドバイに到着。飛行機からバスに乗り換えターミナルへ目指す。そして、無事にトランスファーできた。日本人女性のおかげで簡単にできた。そこで彼女とお別れし、ドバイ空港を回ることに。

ひ、広い。。。思った以上の広さだ。なんてこった、ドバイ、舐めてたぜ。と、一人でトボトボとドバイ空港にある金金なジュエリーショップや金金なランプを見て回る。
今回はトランジットに5時間あるし、暇で仕方ない。トボトボ見て回るが、あまりの広さに疲れる私。「トイレにでも行くか」とトイレに向かう。トイレのドアを開けるとなんか不思議な空間が広がっていた。頭を布で隠している女性と子供ばかり。しかも靴を脱ぐようだ。「すげーな、ドバイのトイレってこうなってるんだー」とボーとしている私にそそがれる視線。これは、なんか違うぞ。。。ささっと部屋から出てドアの文字を見ると「コーラン」と書いてあった。ここは、イスラム教信者の祈りの場所だったのだ。スッゲー!コーランの部屋に入っちゃったよ!と反省せずに興奮する私は本当にゆとり世代。

そんな感じで3時間。
飛行機のゲートの案内掲示板にエミレーツ便は画面にうつってない。どういうこと?更に1時間。とうとう画面にうつった。案内表示に頼りにドキドキしながら歩く。なんか電車があらわれた。こ、これ?これに乗るの?カタコトの英語で、このゲートには電車に乗るの?と聞くとやたら爽やかな男性が「そうだよ、レディ」という。あ、レディか。マダムじゃなくてよかった。とか、アホみたいなことを思いながら電車に乗る。5分もかからず、駅に着いた。最初に驚いたのが大きな滝!!こんなに水使うとかさすが石油大国!!って感じぐらい大きな滝。滝の横をエスカレーターで登るとゲートの案内表示発見。それを見て、行ってみて、ちゃんとゲートに到着した。
ここで搭乗まであと1時間あった。目の前に座っていた男の子の3人に話しかけお喋り。だが、なかなか搭乗しない。どうしたのかな?と言ってると日本人の女の子が「なんか4時間後に搭乗開始らしいです」と教えてくれた。マジか!飯は!?と思ったが、ご心配無用。エミレーツ航空は5時間以上トランジットする客に無料で食事を提供してくれるのです!
早速、食事券を発行してもらうためにカウンターでチケットを見せて、無料食事券をゲット!
ご飯食べたり、ジュースを飲んだり、お喋りしたりし、4時間経過。ようやくトルコ、イスタンブール行きの飛行機に搭乗して離陸。
合計して9時間のトランジットだった。

だが、ここで私は不安が残ってた。ホテルまで送迎バスを手配していたのだが、4時間の延長で果たして待っているのか?待っていなかった場合はどうするか?
そんなこんな思いながら、いざイスタンブールへ!!


続きはこちら→とうとうトルコ、イスタンブールへ、そして最初の難関が

↑目次に戻る


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第14回:バリ・ウブド

(編集部注:第8回バンコク第9回シドニーの間をつなぐ、シドニー移動前のエピソードです)
photo7
バリは楽園だった。それは僕が失っていた観光地への感覚だった。
安宿、土産物屋、そして怪しいマッサージ、日本語が堪能な客引きに、日本人女性を狙うジゴロ、そしてマジックマッシュルーム。
今まで通りすぎて来たアジアの魅惑、そして嫌悪していた魅惑が再び目の前に現れて、僕はバリを楽園のように捉えていた。
ホテルは出会った旅人と1泊1500円のツインルームをシェアした。それでも朝食・プール付きの豪華さは、この旅史上最も心休まる宿泊先だった。
photo3
photo5

バリではウブドや棚田をレンタルバイクで訪れ、海を散歩し、夜の街を散歩しては土産物屋を冷やかして歩いた。
漫画ドラゴンボールのモデルとなったと言われるその景観は、日本人がすっぽりとおさまってしまうような居心地を孕んでいた。
出会った欧米系の旅人たちはこぞってバリを喧しがって、次なる開拓地としてロンボック島を話題にしていた。僕には時間がなく、訪れることは出来なかったけれど、バリからフェリーで4時間程のその島は自然が多く残り、喧騒から逃れられる場所として人気を集めていた。
それでも僕にとってバリは充実したリゾートとして目に映り、スマトラ島からジャワ島へとインドネシアを縦断した疲れを癒してくれた。
photo2

そんな毎日の中で、僕はインドネシアを出る前にもう1度マジックマッシュルームを食べることにした。価格は500円もせず、トバ湖の半額だった。そして今度はオムレツではなく、コーラシェイクで摂取した。

砂浜に寝転び海を眺めていると、光が眩しく幻覚が見え始めた。
思考の速度が速まって、それからは前回と同じ展開だった。
ただ、ひとつの奇妙な考えが僕を捉えて離さなかった。

それはそれは多くの思考が消え去って、かなりの時間が経ったと思い、iPodの画面を見ると、全く時間が経っていないことがわかった。
僅かな時間で、効果的に思考の鍛練を積むことが出来る。端的に言うとマジックマッシュルームへの僕の印象はそんな感じだった。

そしてふと、「精神と時の部屋」と同じだと僕は思った。そう、ドラゴンボールに登場するそれだ。キャラクターたちはその部屋で修行をし、絶大な力を得て帰還する。そして実際の時間軸では僅かな時間しか経っていない。

もし、鳥山明がバリを訪れていたとして、マジックマッシュルームを食べていたとしたら・・・
これが単なる薬物中毒の虚言だとは僕は思わない。あくまで仮定の話なのだけれど。

もしかしたら脳みそがふやふやになってしまったかもしれない僕は、そんな事を考えながら1ヶ月を費やしたインドネシアを後にすることにした。
photo6

次回はフィリピン、デング熱発症を記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島・・・シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

↑目次に戻る


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第22回 成都


成都 (トリップアドバイザー提供)

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

三国志の蜀の都。郊外のパンダ繁育基地、麻婆豆腐に代表される四川料理の本場。歴史好きから大自然、グルメまで見所に事欠かない。また、美人の産地としても名高く、麻雀好きののんびりした土地柄とあわせて街歩きが楽しい。郊外に観光地も多く、長期滞在もおすすめ。
九寨溝、楽山といった中国中西部の観光地や雲南・チベット旅行の玄関という一面もあり、欧米からの個人旅行者も多い。

成都   Google マップ
(地図:A-武候祠、B-文殊院、C-寛窄巷子、D-杜甫草堂、E-春熙路)

成都は三国以前から長い歴史を持ち、古来から「天府国」と呼ばれ栄えてきた。その歴史は古蜀から数えても2,300年、長江文明時代から数えれば5,000年をほこる世界でも屈指の古都。成都という名称も2,000年もの間変わったことがないという。

歴史&ミステリー好きであれば、いきなり郊外だが三星堆遺跡へ。
紀元前2,000年にもさかのぼるというこの遺跡から発掘された青銅の仮面や彫像は、まったくもって今日の中華文明との関連が感じられないドラッギー&宇宙的なもので、中国古代文明の奥深さを認識させられる。
Masque-de-bronze-Sanxingdui
(Wikipedia;青銅縦目仮面)

つづいては市内へ。
市内西部にある金沙遺跡は三星堆遺跡につづく時代のものとされ、こちらも黄金マスクやマンモスの牙などスケールの大きな出土品が展示されている。

金沙遺跡博物館 (トリップアドバイザー提供)

さらに時代はぐっと遡り三国時代へ。
成都の武候祠(ぶこうし)には劉備玄徳の墓地があり、吉川英治、横山光輝、コウ・シブサワファンはもちろん、有名人のお墓ゲッターにも欠かせないスポット。もちろん関羽、張飛の義兄弟や、巨大な諸葛亮像も鎮座している。
IMG_0033
諸葛亮像 (写真:tabinote)

祠の周囲は錦里(じんり)というレトロスポットとなっており、ストリートフードを食べながらぶらつくのが楽しい。中国のあちこちでみかけるお土産の定番「張飛牛肉」(ビーフジャーキー)はこちらが本場で、コスプレ張飛がたまに出没する。
錦里周辺はチベット街になっており、黄色の僧衣を来たチベット僧が多い。お土産選びにもおすすめ。
IMG_0041
張飛牛肉 (写真:tabinote)

IMG_0043
錦里 (写真:tabinote)

成都には、錦里同様に、歴史あふれる街並みを散策できるスポットが多い。
武候祠からもほど近い寛窄巷子(くぁんざい・しゃんず)は伝統的な街並みを再生した人気のエリアで、バーやカフェも多く、若者やツーリストの憩いの場となっている。

寛窄巷子 (トリップアドバイザー提供)

市の北部、文殊院は寺院の周辺に古い家屋やホテル、レストラン、お土産屋が集中しており、散策が楽しいエリア。長期滞在にもおすすめな和みスポット。
IMG_0042
文殊院 (写真:tabinote)

成都一の繁華街は春熙路。日本のイトーヨーカ堂や伊勢丹もある巨大ショッピングストリートで、百貨店やブランドショップ、レストランが軒を連ねる。日本食が恋しくなったら伊勢丹のレストラン街に行くもいい。ヨーカ堂の地下はお土産選びに最適。
ちなみに、「春熙路」で中国語検索するとやたらと「美女が多い」だの「美女だらけ」だのという情報がひっかかってくる。
IMG_0066
春熙路 (写真:tabinote)

成都は世界で最もショッピングモールの建設が盛んな都市で、現在建設中のモール面積は320万平方メートル(東京ドーム68個分、イオンレイクタウン13個分)。2013年だけで7つのショッピングモールがオープンし、その総面積は100万平方メートルとか。
その極めつけともいうべき、超弩級の存在が新世紀環球中心。市のおよそ中心部にあり、単一の建築物としては世界最大の規模。中にはショッピングモールの他、ホテルやミュージアムなどがそろっている。

新世紀環球中心 (トリップアドバイザー提供)

再び郊外へ。
成都で最も人気のスポットは北にタクシーで1時間、郊外の成都パンダ繁育研究基地。
ここでジャイアントパンダが群れあいじゃれ合う姿を見るためだけに成都に来る人も多い。
基地は実際の生育環境を模しており、山歩きに近い場所もある。歩きやすい靴で。
子パンダを抱いて写真を撮ることも可能だが、数万円のお布施を要求される。
IMG_0013
成都パンダ繁育研究基地 (写真:tabinote)

成都から西に65km、青城山は道教発祥の地として知られ、2000年に世界遺産に認定された。中国人にも人気は高く、幽玄な雰囲気の景勝地となっている。
付近の都江堰(とこうえん)は古代の巨大堤防権ダムで、こちらも堂々たる世界文化遺産。

青城山 (トリップアドバイザー提供)

世界最大の磨崖仏で有名な楽山大仏は成都から1時間半。803年に民衆の手によって建造されたという由緒正しき大仏で、こちらも世界遺産に認定されている。

楽山大仏 (トリップアドバイザー提供)

そして、成都郊外観光最大の目玉はカルスト地形の名勝、九寨溝と黄龍。
この世の物とは思えない、と称される絶景で、とくに紅葉の時期は圧巻。
実際に行った人の評価も非常に高い。
現地は標高3,000m程度となり、高山病に注意。

九寨溝 (トリップアドバイザー提供)


黄龍風景区 (トリップアドバイザー提供)

長期滞在なら、いっそトレッキングやチベット観光という選択肢も。
市内には多くのツアー会社があり、日本から手配するよりも格段に安い(ただし若干の中国語力or英語力を要する)。

成都から200km、四姑娘山は標高3,000m以上の本格的なトレッキングが楽しめる名所。煙った成都とは異なり抜けるような青空と冠雪の山々、森林と高山植物の織りなす美しい自然が楽しめる。チベット色も非常に濃厚なので、ラサに行く暇はないがチベット文化を堪能したいという方にもおすすめ。

四姑娘山 (トリップアドバイザー提供)



陳麻婆豆腐 (トリップアドバイザー提供)

山海の幸に恵まれ「天府」の異名をほこる成都。
成都の名物は辛くてしびれる四川料理と、小喫と呼ばれるストリートフード。
高温多湿でどんよりした気候が生み出した四川テイストは中国のみならず世界的に有名で、5つ星ホテルの洗練された名店から気軽な食堂まで、こぞってレベルは高い。中国語では「川菜」と表記している場合が多い。
代表的な四川料理は、麻辣と呼ばれる唐辛子と花椒が効いたもの。
麻婆豆腐、担担麺(本場は汁無し)などは日本でもお馴染みだが、回鍋肉、青椒肉絲、バンバンジー、宮保鶏丁(鶏とカシューナッツ炒め)といった辛くないものもある。

是非試してほしいのは火鍋で、真っ赤なスープにキノコ(やはり名物)や肉を入れた滋養あふれるもの。
火鍋のようなスープで肉や魚を煮込んだ料理もあり、水煮魚、夫妻肺片などと呼ばれる。


夫妻肺片 (トリップアドバイザー提供)

胃腸に自信の無い方もご安心を。
上掲通り辛くない料理のバリエーションも豊富で、ツーリストが集まる土地柄から各国の料理がある。また、素食と呼ばれるベジタリアン中華のお店も多い。


日本からの行き方

(空路)
直行便はANAと中国国際航空(ANAコードシェア便)が運行。意外にリーズナブルで、ANAのエコ割なら最安で4万円程度から利用できることも。成田発は1日2便で、朝に出る中国国際航空は同日夕方着、ANA便は夕方発で同日夜着。
他に、中部国際空港からの中国国際航空便、広島空港からの中国東方航空便もある(広島と成都は友好都市となっており、定期便がある)。

経由便ならば仁川、北京、上海などを経る便が一般的。4~5万円程度から。
上海に滞在し成都まで国内線を利用する場合、上海までLCCの春秋航空か中国東方を利用すれば3~4万円程度。上海-成都間が3万円程度で合わせて7万台。

(陸路)
成都は中国南西部の中核都市で、西安や昆明、重慶といった西部大都市との連絡は充実している。
西安から成都まで、鉄道なら13時間程度、バスで12時間程度。
重慶からは鉄道なら4時間程度、バスで5時間程度。重慶とは新幹線が通じており、所要2時間。

(パッケージツアー)
ANA直行便を利用したツアーが多い。シーズンにもよるが3泊4日で9万円程度。または2名から催行などの制約があることも。

(空港)
成都市の南西15kmに位置する成都双流国際空港は2つのターミナルを持ち、中国でも北京、上海浦東、広州白雲に続く4番目の規模を誇る。

空港から市内まではリムジンバスかタクシーを利用。
シャトルバスは市内の主要スポット、成都北駅、ホテルなどを経由する。料金10~12元。朝6時頃から19時まで(以下1号線は22時、2号線は20時最終)。
国際線の第1ターミナル3号出口を出るとバス停があるので迷うことはない。
機場専線1号線が岷山飯店まで、高速道路を使い所要30分程度。2号線は錦江賓館などを通って成都北駅まで、所要90分。3号線は成都東駅まで、やはり高速道で45分程度。4号線は新会展中心まで、40分程度。

宿にダイレクトにつきたければタクシー。市街中心部まで所要30分、50元程度。
バス、タクシー共に渋滞がひどい昼間の時間帯はより時間がかかる。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
辛い四川料理は成都の蒸し暑い気候の中で発展したもの。亜熱帯気候に属し、湿度が高く雲が多めで、カラっと晴れるような日は少ない。7~8月は雨が多い。

ベストシーズンは3~6月、または9月~11月頃。ただし10月1日の国慶節付近はホテルや観光地も混み合う。
1~2月でも東京の冬よりは過ごしやすい。九寨溝観光なら5月~11月頃。7月以降は水量が増えて美しく、秋には紅葉も楽しめる。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。
タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.4円(14年5月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。

物価はピンキリだが、四川省自体がやや貧しいこともあり貧乏旅行も十分可能。食事や宿は北京や上海に比べて相当リーズナブル。ホテルは古い寺院をリノベーションした雰囲気のある宿が5千円程度で利用できる。
タクシーは初乗り8~9元、1kmにつき1.9元。ガソリン代が1回乗車につき1元だったが廃止された模様。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。


(Wikipedia提供)

ビザと治安

中国を代表する大都市かつ観光地であるが、その割に治安は良い方。夜の1人歩きも多い。
ただし、あくまで外国としては安全ということであり、繁華街、観光地、夜間や裏通りなどには注意が必要。
空港の白タクが報告されている。また、サウナやカラオケバーで鼻の下を伸ばした男性がぼったくり被害にあう例も多い模様。

反日デモで有名になったが、特段反日感情が強い地域ではない。イトーヨーカー堂が支持され、市内中心に巨大なキャンパスを構える四川大学は日中国交正常化の1972年にいち早く日本語学科を設置するなど、むしろ親日的な土地柄。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(ひすい色のサンタナが多い)が走っており、料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。

初乗りは2kmで9元。以降1kmごとに1.9元。

(地下鉄/鉄道)
成都地下鉄は2010年9月開通、中国西部地域で初めての地下鉄となった。
現在は市街を南北に貫く1号線と東西に延びる2号線が開通している。2015年までに3号線、4号線、7号線が開通する予定。

始発は6時半、終電が23時半頃。料金は2~6元程度。
切符はICカード形式になっている。利用の仕方は日本と同じ。
乗車前に保安検査がある。

「天府通」というスイカやパスモ同様のリチャージ式カードがあり、市内の地下鉄駅、キオスクなどでカードを作ることできる。デポジットは20元。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。
西安や昆明などの西部地域はもちろん、沿岸まで鉄道が通じている。
成都駅といえば一般的には成都北駅をさす。地下鉄1号線の「火車北駅」と接続している。駅舎は非常に巨大。
他に、成都東駅、成都南駅(1号線の「火車南駅」)がある。

(バス)
バスは縦横無尽に市内を結んでおり、使いこなせれば便利。
エアコンバスが一回2元。
ただし渋滞は非常に激しく、時間は読みにくい。

成都は西部地域の要衝でもあり、長距離バスのターミナルともなっている。九寨溝や楽山行きには直行バスが便利。

ホテル

ホテル代はおおむね安め。外資系の5つ星ホテルでも1.5万円程度。5千円も出せば豪華で広い部屋に泊まれる。
日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)も豊富で、ツインが3千円程度。

一般に国慶節(10月1日)、春節(旧正月)の季節は混み合い価格も上昇する。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
路上の携帯会社のカウンター、家電量販店、売店、コンビニ等でSIMが購入できる。
成都双流国際空港には携帯会社のカウンターはない。
大手の事業者はChina Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)など。

中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりがあり、中国語のメッセージを解釈する必要があるためSIMの利用はややハードルが高い。携帯会社のカウンターで設定してもらうことをおすすめする。ゲストハウスのスタッフに頼むという方法もある。

中国国内からYouTubeやFacebook・TwitterなどのSNSに接続する場合には閲覧規制がかかる。GmailなどGoogleの各種サービスも遅い傾向。日本の携帯を海外パケット放題でそのまま使うか、近隣国(香港など)でSIMを買い国際ローミングすれば接続制限を回避できる。VPN(Virtual Private Network)で回避する方法もあるが、うまくいかないこともある。

(Wifi)
無料のWiFiを開放しているカフェも多い。各国同様、スターバックスでも使える。
欧米ツーリストの多い開放的な土地柄から、「Facebook OK」などの看板を掲げたゲストハウスも多い。

↑目次に戻る


特別企画:旅する人のためのレーシック入門

550px-Man_at_Phoropter
(画像:Wikipedia)

tabinoteワタベです。
私事ですが、2010年に視力回復レーザー手術、いわゆるレーシック手術を受けました。
旅行を頻繁にされる方、特にコンタクトレンズをお使いの方の中には、スペアレンズやケア用品が貴重な荷物スペースをとるのにうんざりしている方も多いのではないでしょうか。
私は4年前の手術以降裸眼で生活しています。土埃の国やビーチリゾート、インドのホーリー祭り(色水をぶっかけ合うコンタクト装着者には超危険な祭り)でも裸眼ですごせ、荷物も格段にコンパクト化。術後確実に生活の質が上がり、快適に過ごしています。
唯一の後悔は、もっと早くやらなかったことかな…。
Holi_celebrations,_Pushkar,_Rajasthan
旅行者も容赦なく被害に遭うホーリー祭(画像:Wikipedia)

今回の記事はレーシック手術を無前提にお勧めするわけではなく、私の体験を通して調べたことを情報共有できれば、という意図となっています。
本記事をご参考に、ご検討、受療はどうぞご自身の判断で。


レーシック体験記

きっかけ

私は子供の頃から目が良く、中2の視力検診までは余裕で左右2.0をたたき出していた。しかし、高校に行き始めた頃から視力が下がりはじめ、高2のあたりで黒板が見づらくなった。この時はまだ左右0.7~0.5程度とそれほど悪くはなかったが、それまでよく見えていたこともあって日常生活がつらくなり、メガネをつくった。
さて、せっかくつくったメガネだが、私は当時から定期的な頭痛があり、メガネをかけると夕方かなりの確率で頭痛がやってくることに気づいた。もともと頭を締め付けたり何か載せたりするとすぐに頭痛がくる性質のようで、帽子も苦手。
頭痛に参った私は、ほどなくコンタクトレンズをつくりに行った。最初ハードレンズを付けたが痛みで全く無理、結局ソフトレンズにした。
黒板も見えるし頭痛もないしこれは快適…、そのまま10年以上に渡るコンタクト生活が始まった。東京に出てきてからは使い捨てのソフトレンズに切り替えた。多少ランニングコストはかかるがとにかくラク。その間にも着実に視力は悪化し、二十歳の頃には0.1くらいになっていた。

そうして数年が経過した30代の半ば、眼科の検診で「角膜の細胞が減っているため、メガネを併用するように」という診断を受けた。
どうも、ソフトレンズは黒目をがっつり覆ってしまうため、角膜が酸素不足になり細胞(角膜内皮細胞)が減ってしまうらしい。一度減った細胞は回復不可能で、将来白内障手術を受ける際にリスクがあるとのこと。
それからしばらくはメガネを併用していたが、やはり夕方は高確率な頭痛。やむなくコンタクトもメガネも付けず、裸眼でPCをにらむこともあった。

そのような折、知人がレーシックを受けて快適に過ごしているという話を聞いた。
ちょうど私も、もうメガネ併用は限界だなと思っていた時期。ひそかに情報収集を始めた…。

医院選び

知人が手術した病院に行くことも考えたが、当時「ゴットハンド」呼ばれ名声をほしいままにしていたA医師のいる病院に行くことにした。
ちなみに、当時のメジャーな術式は以下の通り。
(評価は私によるものです)

レーシック

カンナやレーザーで角膜を削り、薄い膜(フラップ)をつくる。この膜で一種のレンズを形成し、近視を矯正する。当時既に、多くの病院がレーザーによる正確なカットをうりにした術式(イントラレーシック)を採用していた。最新のレーザーを用いたものは価格も高く、カット位置の割り出しやフラップの作成が精密だったりする模様。
・メリット:術後遅くとも数日で視力回復し痛みもほとんど無い。
・デメリット:衝撃でフラップがずれるリスク。一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

エピレーシック/ラセック/PRK

フラップをつくらず、直接角膜表面を削る。
・メリット:フラップが無いのでコンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:視力回復まで最低一週間ほどかかり、その間かなり痛いらしい。手術も痛い模様。一一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

眼内レンズ(フェイキックIOL)

角膜を削らず、眼内にコンタクトレンズを挿入する。
(当時は近視矯正用の眼内レンズは確か当局による承認前であったため選択対象外)
・メリット:角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:価格は高めでイントラレーシックの2~3倍程度。レンズ交換時に後遺症リスクがある模様。

オルソケラトロジー(ナイトレンズ)

角膜の形を矯正するハードコンタクトレンズを装用して寝ると翌朝その跡が残っていて、日中は裸眼で生活できるという代物。当時は承認前(のはずと)。
・メリット:手術自体をしない。角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:毎晩ハードレンズを付けて寝るのが面倒。視力安定までに時間がかかる場合も。

当時はほとんどレーシックかラセックしか選択肢がなかったが、私は結局レーシックにした。
その理由は以下の通り。
・老眼とレーシックの因果関係はないという話に納得したこと(参考:「眼ウォーキング」/福与貴秀など)。仮に再矯正が必要になった場合でも私の場合角膜が厚いので再手術可能と診断されたこと。
・エッジに鋭角な角度を付けることでフラップずれの危険はほとんど無く、実際には機動隊員や柔道家、サッカー選手でも問題無く視力回復していると聞いたこと。ヘディングの衝撃に耐えるなら、日常生活はおろかほとんどのコンタクトスポーツでも大丈夫だろう。
・レーシック界のゴットハンド、某カルト教団の顧問弁護士にそっくりなA医師の上記説明が冷静でわかりやすかったこと。

lasek
(画像:tabinote)

手術と術後

レーザー治療器の下で身を委ねる。
一瞬髪の毛が焦げるような臭いがしただけで、手術はあっという間に終了。
術後は特に痛みも無く、翌々日くらいからもう裸眼で1.5に視力回復した(翌日は保護用の眼鏡をかけているので正直よくわからなかった)。

術前に、矯正具合(矯正後の希望視力)を選ぶことが出来る。過度の矯正で頭痛を引き起こす人もいるため、1.0~1.2くらいを勧められたが、1.5で依頼した。昔裸眼でガンガン見えていたときの感覚からして、よく見えた方がいいに決まっていると思ったからだ。
結果はすばらしく、メガネによる長年の頭痛、コンタクトケアの手間、余計な出費などからすべて解放された。
何より旅行が快適になった。以前はケア用品だけのために洗浄機や変圧プラグ、食塩水をパックに詰め込み(機内預け扱いになるので超手間)、もちろん夜用のメガネも装備。泳ぎに行くようなところでは余分に替えレンズを持ったりしてとにかく煩わしかった。今では酔っ払ってそのまま寝ても無問題。まったく、もっと早く受けておけば良かったぜ。

総括

私の場合は上記のように今のところ成功となりましたが、そもそもこの手術が合わないという方もいますし、あるいは受けても効果が今ひとつ、不幸にして後遺症が残るなどのリスクも無いわけではありません。

私が手術を受けた頃はバンバン広告が出ていた記憶がありますが、その後に悪質な医院が摘発されたり、消費者庁がリスク情報について注意を出したりと、当時より業界も慎重になっている模様です。
現在では上掲のオルソケラトロジーなど手術を用いない方式もあるようですので、悩める皆さんはいろいろ検討されては如何でしょうか。

なお、レーシックの費用は医療費控除の対象となり、確定申告の際に課税所得から差し引くことができます。また、一部の医療保険や損害保険は、かつてレーシック手術を給付対象としていました。2007年4月に各社が条項を改定し、レーシックは適用外となってしまいましたが、それ以前から加入継続している保険があれば対象になる場合があります。内容を確認してみましょう。
私の場合、保険と医療費控除で手術代は結局半額くらいになりました。


旅行者ならいっそ海外で? メディカル・ツーリズム

table
(画像:IMID [ India Medical Tourism and Wellness Destination ])

さて、旅する人の間ではメディカル・ツーリズムというアイデアもとっぴなものではありません。
タイやシンガポール、インドなどが国をあげて力を入れているこの分野。
古くはサナトリウムでの療養やモロッコでの性転換などもこれにあたりますが、近年ではもっぱら専門性の高い医療サービスや、レベルが高いサービスを安く受けるために、住んでいる以外の地域(国内のこともあれば他国もあり)で医療サービスをうける仕組みをさします。

臓器移植などの先進手術が驚くほど安いのは新興国・途上国が中心。
正直大丈夫なの?という不安をお持ちの方もいるようですが、そういった国ほど富裕層向けの医療技術が進んでいるのも確か。医師は往々にして欧米帰りの博士号保持者で、日本の専門医となんら遜色ないどころか、論文数や手術の執刀数などで日本を圧倒するレベルの医師もざらにいたりします。安くて技術が高いだけではなく、最新の設備や5つ星ホテル並みのホスピタリティなど、経験した方の中には日本の病院なんてバカバカしくて行ってらんないという意見も。
医療観光プロモーション推進連絡会
Medical tourism in Asia

以下はレーシック手術に関する各国の状況。
病院やブログなどの情報をもとにしたもので網羅性はありませんが、あくまで事例としてお考え下さい。

アメリカ

2,000ドルくらいから選択肢があるようです。
海外のレーシック事情

香港

術式によりますが、両目で22,000香港ドル程度。1HKD=13円として、29万円くらいでしょうか。
Hong Kong Sanatorium and Hospital

シンガポール

術式によりますが、両目で3,000シンガポールドル程度~。1シンガポールドル=80円として、24万円程度。
Cost of LASIK in Singapore

タイ

両目で2,245ドル。一流病院とはいえ1ドル100円として22万円。意外に高いですね。
2014 Bumrungrad International Hospital

インド

2万5千ルピー。1ルピー=1.7円として4万円。マジすか。
CustomVue Lasik

こう見るとさすがにインドの安さが際立ちますが、他国はあまり日本と変わりありませんね。
旅費・滞在費を入れたらあまり得ではないかも…。

レーシックに限りませんが、もちろん治療は一回こっきりではなく、術後のケアが大切。
言葉に全く支障がなく頻繁に現地に行くという方であればともかく、縁もゆかりも無い国で超高速英語の説明を聞かされ、わけもわからないまま何枚もの同意書や契約書にサインしてしまった後はまな板の鯉。なかなかチャレンジングかもしれません…。

もしも、それでも海外でトライするならば、条件や日本でのケア、保険の適用などをしっかり確認してからにしましょう。

↑目次に戻る


5. 旅の本屋 のまど イベント情報:5/29(木)下川裕治さん スライド&トークショー、
6/12(木)嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「アジアの日本人町歩き旅」&「読むバンコク」発売記念
◆下川裕治さん  スライド&トークショー◆
「アジアの日本人町歩き&バンコク街歩きの楽しみ方」

0529yomubangkok 10303446_676455392390298_2410324757775134196_n
新刊『アジアの日本人町歩き旅』(角川文庫)と『読むバンコク』(メディアポルタ)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、アジアの日本人町とバンコクの街歩きの楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。アジアの日本人町で訪ねたのは韓国、台湾、中国、沖縄、マレー半島。日本人町のテーマパーク化が進む韓国や台湾。上海では李香蘭が戦後、監禁されていた興業坊や金子光晴が住んだ余慶坊、アヘン王の里見甫が住 んだピアスアパートを探し歩く旅。
ハリマオの妹の墓を探しにマレー半島へ。そして沖縄の日本人町。そんな旅を紹介しています。一方、バンコクは、旅行でバンコクを訪れる日本人観光客は年々増加し、バンコク在住日本人は10万人を超えるともいわれていますが、バンコクは実はアユタヤのレプリカだったとか、イスラム系貴族との権力抗争など、大半の日本人はバンコクという街 の成り立ちをあまり知りません。本書は、そんなバンコクのそれぞれの街の由来やそこに息づく空気を、バンコクの達人である下川 さんが解き明かし、タイの人々との間にある垣根を取り払い、バンコクをより深く知るための歴史散策読本になっています。下川ファンの方はもちろん、アジアの街歩きやバンコクが大好きな方はぜひご参加ください!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


下川裕治(しもかわゆうじ)

0529shimokawa
1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、 『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。

◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/


【開催日時】  5月29日(木) 19:30 ~ (開場19:00)  
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:角川書店、メディアポルタ

新刊『ブラジル裏の歩き方』発売記念
◆嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント◆
「怪しいブラジルの歩き方 ~ B級観光ガイドからアングラ情報まで」

0612brajilurano
新刊『ブラジル裏の歩き方』(彩図社)の発売を記念して、著者で旅行作家の嵐よういちさんと盟友で作家の丸山ゴンザレスさんのお二人をお招きし、ブラジルを旅行する際のウラ事情ついてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。「中米ブラックロード」「アフリカブラックロード」など、「ブラックロード」シリーズで絶大な人気を誇る嵐さんが今回取り上げる国はブラジル。もうすぐ開催のサッカーW杯や2016年リオデジャネイロオリンピク開催と、世界的ビッグイベントが目白押しのブラジルは、今、かつてないほど注目を浴びていますが、サンバとサッカーだけでなく、中南米最大の夜遊び大国でもあります。そこで、本書ではナイトクラブ「ボアッチ」やブラジル美女が接待してくれる「カラオケバー」、狂乱のディスコといった夜遊び情報から、知る人ぞ知るB級観光スポット、犯罪渦巻くアンダーグラウンド情報まで、ブラジル通の嵐さん自身がこれまでのブラジル取材旅行の際に体験してきた様々なことを元に書き上げています。 なお、今回のイベントでは嵐さんをよく知る丸山ゴンザレスさんに聞き手役として参加していただきます。ブラジル旅行の際の裏話や秘話など、嵐さんの貴重な体験談を生で聞けるチャンスです。嵐さんや丸山さんのファンの方はもちろん、ブラジルの文化や歴史、裏情報に興味のある方はぜひご参加くださいませ!!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


嵐よういち(あらしよういち)

0227arasi
1969年生まれ。東京都杉並区出身。独身。20歳からイギリス、アメリカと留学(遊学?)
して、その後、面白い写真を求めて海外を放浪する。約70ヶ国を渡り歩く。特に好きな地域は南米。著書に『海外ブラックロード~危険度倍増版』『海外ブラックロード~最狂バックパッカー版』『海外ブラックマップ』『南米ブラックロード』『アフリカ・ブラックロード』『海外ブラックロード~スラム街潜入編』『海外ブラックロード~南米地獄の 指令編』(彩図社)など。

◆嵐よういちさんツイッター
https://twitter.com/kaigaiblackroad

丸山ゴンザレス(まるやまごんざれす)

0227marugon
1977年宮城県生まれ。ジャーナリスト&編集者。國學院大學大学院修了後、出版社勤務を経てフリーになり裏社会や海外情報、都市伝説に関する評論やインタビュー、メディア出演、トークイベントを行う。著書に『アジア『罰当たり』旅行』『図解裏社会のカラクリ』『裏社会の歩き方』(彩図社)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)など。

◆丸山ゴンザレスさんブログ
http://ameblo.jp/maruyamagonzaresu/


【開催日時】 6月12日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 ※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:彩図社

↑目次に戻る


6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える
~YOU、たび行っちゃいなよ〜

Profile
プロフィール

ハマ姉

tabinoteサイトデザイン&制作担当。紅一点のアラフォー。J事務所と旅が好き。ハマ姉へのご意見・ご質問はこちら↓

そうだ、友達に質問しよう

メルマガ一号休むと、かなりブランク空いた感ありますね。
その間、さらに未成年ワールドにバッドトリップしていたハマ姉ですこんにちわ。

今号より、私のヲタ友である英賀ナオコさんのトルコ・女一人旅の連載が始まりました!
彼女とは半年くらい前、ツイッター上でネタツイばかりする変な人同士、という慣れ合いから親しくなりました。

会ってみると無駄に美人だし年齢も非常に若くて見た目ははっきりリア充といった雰囲気なのですが、
何かこう・・中身が真逆というか伴ってないというか逆に完成されているというか、非常にとらえ所のない魅力に
なんなのあんた可愛いわね(オネエ口調)という感じで一気に仲良くなれたのです。

そんな矢先「アタイ・・一人でトルコ行く」と言い出したので、ひとまずtabinoteツイッターアカウントをオススメしました。
tabinoteツイッターは、旅程検索を直接申し込みするのが不安な人に対して、軽い相談窓口のように使ってもらっています。
彼女にも使ってもらい、相談レベルで出来る返答をスタッフに答えてもらいました。
結果、役に立った部分もあったとの事です、良かったね(双方)

旅行中にアップロードされる写真や数々の行動に驚きつつ、これは絶対メルマガとサイトに紹介しようと思っていました。
帰って一段落した彼女にいくつかの質問を投げてみたので、
トルコ旅連載中の5回は、私から彼女へのQ&Aコーナーにしようと思います。

Q:旅先でやりたかった事/やれた事をkwsk

A:一番やりたかったことは、現地の人ととの触れ合いでした。
日本とは違う国であるトルコで生活する人々と会話をし笑い合いたい。それがやりたいことでした。
幸運なことにトルコ滞在中に多くのトルコ人と仲良くなりました!笑
その中でも、仲良くなったトルコ人の人達にチャイやお菓子をご馳走になって一緒に冗談を言って笑い合えたことは本当に私にとっての旅の宝物です。

あれ・・?すごい真面目なトーンで返ってきちゃったwまあいいやw
質問やご意見あればよろしくです!

↑目次に戻る


7. 編集後記

tabinoteワタベです、ごぶさたしております。
前号はGW休暇のため、第23号は5/6刊行を飛ばして本日5/20刊行となりました。
1号とんだ分、全5回(予定)のトルコ旅行記、特別企画レーシック記事などボリュームアップとなりました。その結果、有料版はなんと初の2号分割配信ということに。
読者の皆様の反響がはげみです。ご意見・ご感想をお寄せいただければ幸いです。

下川さん連載はLCCの時間帯について。そういえば先日香港エクスプレスを利用しましたが、復路は1時頃着で電車もなく、結局平和島温泉に泊まりました。今は時刻表が変わり羽田から香港の往路が6:20だそうです。そうするとチェックイン4:20…?前泊は安いLCCを使う意味が無いので、やはり空港まで24時間運航する足がほしいところです。
吉田さんの連載は共感せざるをえないお土産事情。アジアなんかだと食べ物もイマイチだし、贈っても喜ばれないということもあってなかなか悩みます。確かに、最近では買わないことも多いですね。
今号から短期連載のトルコ旅行記、英賀ナオコさんによる旅情あふれる写真と文章をおとどけします。こういう連載を待ってたんスよ!Hama姉が当時の経緯を語ってくれています。
世界一周ノートはいよいよインドネシア最終。バリはやっぱいいとこですね。しかし、昨年10月に出発した青木氏、とうとう8ヶ月経ちましたが未だに豪州…。1年間という予定通り帰れるんでしょうか。

そして「世界あの街~」は中国西南部の大都市成都です。中国は大気汚染や政治などいろいろゴタゴタしたイメージもありますが、四川~雲南あたりの西南部はまったりしてて見どころも多く、おすすめです。

西荻窪「旅の本屋 のまど」のイベントは、5月が下川さんです。前号ではバンコクがテーマと紹介しておりましたが、アジアの日本人町巡りという好きな方にはヨダレが出そうなテーマも追加されました。6月は南米と危険な旅情報でお馴染みの嵐よういちさん・丸山ゴンザレスさんのイベントです。

さて、次号は隔週営業に戻り、6/3(火)発行となります。
よろしくお願いいたします。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

166031
一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次号は6/3(火)発行の予定です。

Contents 2014/05/20号 Vol.023

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.01
3b. 世界一周ノート 青木大地
4. 世界あの街この街:成都
特別企画:旅する人のレーシック入門
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:5/29(木) 下川裕治さん スライド&トークショー、6/12(木)嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント
6. ハマ姉の!行きたくて行きたくて震える ~YOU、たび行っちゃいなよ~
7. 編集後記

1. 旅行業界最新ニュース  2014/5/20号 Vol.023


1. 旅行業界最新ニュース

クアラルンプール、新LCCターミナルオープン

クアラルンプール空港は、従来のLCC専用ターミナル「LCCT」に代わる新ターミナル「KLIA2」を5月2日よりオープンした。ターミナル発着便の大部分を運航するエアアジアも5月8日には移転、これにより「LCCT」は閉鎖された。LCCT時代は市内中心部へのアクセスはバスのみであったが、「KLIA2」には直通高速電車「KLIA EXPRESS」も直接乗り入れるため、アクセス利便性が大幅に上がった。tabinoteでは7月にレポート記事を掲載する予定。

エアカナダがB787受領

エアカナダは同社初の導入となるボーイングの新型機B787-8型を受領。7月16日より羽田~トロント線に投入(トロント発羽田行きは2014年7月1日より運航開始)予定という。エアカナダは現在37機のB787型をボーイングに発注中
http://787.aircanada.com/jp/

マレーシア航空が破綻か

ロイターの記事によると、マレーシア航空が5月15日に発表した第1四半期の決算が、過去二年で最大の規模に膨らんだうえ、同社の実質的オーナーであるマレーシア財務相を兼任するナジブ・ラザク首相がWSJの取材に対し、破産申請の可能性を否定しなかったことなども悪材料になり株価が続落した。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0DZ09320140519

ピーチ、バニラが減便。原因は機長不足

ピーチ・アビエーションとバニラ・エアが相次いで大幅な減便を発表した。原因は世界的な航空需要の拡大やLCCの隆盛によって引き起こされたA320とB737のライセンスを持つパイロットの人材不足だ。各社ともパイロットの自社育成を進めたり、グループ会社からの出向を依頼したりなど対策に追われている。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ160CG_W4A510C1TJ2000/

エアアジア・ジャパン、中部国際空港が拠点か

2015年に国内線再進出を計画しているエアアジア・ジャパンが、日本に設立している準備会社の名称を「エアアジア・ジャパン株式会社」と変更、本社を愛知県常滑市のセントレア構内に置いていることから、中部国際空港を拠点にする可能性が高まっている。

スカイマーク決算。5期ぶりに最終赤字へ

スカイマーク航空は2014年3月期通期決算を発表。売上高は前期とほぼ変わらない859億7500万円だったものの、機材費、燃料費などが増大し18億4500万円の純損失を計上、2009年3月期以来の赤字となった。

ピーチ、隣の席を確保できるオプションを発表

ピーチ・アビエーションは、購入した座席に隣接した1~2席を空いている場合に限り確保し、自由に使える「スペースシートオプション」の発売を開始。料金は国内線2,000円、国際線3,000円だ。これはかなりお得なオプションではないだろうか。
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/inflight/space_seat_option.aspx?www_pc_ja-jp_main_banner_02
img_space_seat_option_01_20140513

ユナイテッド、羽田~サンフランシスコ便を開始

ユナイテッド航空は羽田空港の発着枠割り当てを受け、東京・羽田~サンフランシスコ便を10月26日(羽田発は28日)より就航することを発表した。これにより1日2便運行している成田~サンフランシスコ便は1日1便に減便となる。なお、羽田発の便は深夜発のため、到着が前日の夕方になることに注意。

UA875 サンフランシスコ(18:35)~東京/羽田(22:05+1)
UA876 東京/羽田(00:05)~サンフランシスコ(17:15-1)

UA837 サンフランシスコ(12:00)〜東京/成田(15:15+1)
UA838 東京/成田(17:55)〜サンフランシスコ(11:00)

http://airlineroute.net/2014/05/10/ua-sfohnd-w14/?utm_source=feedly&utm_reader=feedly&utm_medium=rss&utm_campaign=ua-sfohnd-w14

2a. 連載:「タビノート」 下川裕治  2014/5/20号 Vol.023 無料版


2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

難しいLCCの発着時間帯

 タイのバンコクから、台北経由で東京に戻ることになった。バンコクー台北間はタイ国際航空のプロモーション運賃を利用することができた。
 台北から成田空港──。LCCはバニラ・エア、スクート、ジェットスターが就航していた。運賃を見ると、バニラ・エアとスクートが安かった。


以降は「有料版メルマガ」にて公開しています。
有料版は月300円です。この機会にぜひ購読をご検討下さい。
こちらの画面下部から「有料版購読」をお選び下さい。
https://tabinote.jp/mailmag/

2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和  2014/5/20号 Vol.023 無料版


2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第22回 吉田友和

お お土産

 ゴールデンウィークはフィリピンへ棚田を見に行ってきたのだが、帰りの空港で少し困ったことになった。免税店を覗くも、気の利いたお土産が見つからないのだ。
 いわゆる、バラマキ土産である。普段なら街中のスーパーなどで買い求めることが多い。帰り際になって、免税店で慌てて探し始めるなんて愚策であることは重々理解している。けれど、今回は仕方がなかった。都市部はスルーし、ほぼずっと山奥に滞在していたので、買い物をするチャンスが皆無だったのだ。。


以降は「有料版メルマガ」にて公開しています。
有料版は月300円です。この機会にぜひ購読をご検討下さい。
こちらの画面下部から「有料版購読」をお選び下さい。
https://tabinote.jp/mailmag/

3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.01


3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.01

Profile
英賀ナオコ

英賀ナオコ

日芸写真学科在学中。メキシコ育ちの転勤族。
カメラは主にNikon、FE2、35mmフィルムカメラ。好きなタイプは、ほっといても1人で生きていけそうな人。

tumbler →Untitle

はじめに

tabinoteハマです。今回から5回に渡り、友人の英賀ナオコさんのトルコ・女一人旅を連載します。
現在大学で写真を学んでいる彼女の、素晴らしい写真と文才をお楽しみ頂ければと思います。
無料で読めるメールマガジンでは毎回コラムを2本掲載していきますが、サイトの方にも新規に2本づつ掲載していきますので(リンクはコラム下にあります)、どちらもご覧頂ければと思います!


動機から出国まで

動機から出国まで
きっかけは友人が言った言葉だった。
「シルクロードを横断したいな」
私はその言葉が忘れられず、オスマン帝国時代世界を制覇したトルコという国に興味を持った。

ヨーロッパ、アジアとイスラムが混然としている国。この国をどうすれば知れるのかを考え、出た答えが「人からこの国を見よう」ということだった。
だが、トルコ付近の国々は戦争中。果たして行けるのだろうか、と不安になる日々。
学校の助手さんの「行きたいと思った時が行く時なんだ」という言葉を信じて航空券を買う。
だが、本当に不安で仕方がなかった。今回の旅はツアーではない。トルコの人達から国を知るために個人でホテルやらなにからまでやらなければいけない。
不安なあまりYahoo知恵袋や発言小町で「トルコ イスタンブール 女一人旅」と検索するが、まとはずれな答えばかり。「トルコでは女一人旅は危険なので~~と友人が言ってました」お前の話じゃないのかよ!?と画面上に突っ込む日々。

そんなこんなを過ごしているうちにとうとうトルコへ飛び立つ日がやってきた。
成田空港への道すがら「なんで、国境付近で戦争してる国に行くんだよ」とウジウジ思う私。
二人の私が脳内で言い争っていた。

「大丈夫よ!あなたなら無事に生きて帰れるわ!!」
「戦争なんかしてる国だぜ?お前なんて殺害されるに決まってる」

あーもう帰りたい。帰ってジャニーズ見たい!まだ飛行機にも乗っていないのにこの有様。ふと電車のテレビを見るとアニメをやっていた。

「旅をしている人間は旅をしていない人間よりも遥かに多くのことを知ることができる」

こんな感じの言葉だった。私はその言葉に後押しされ、よっし!やったろうか!!という気持ちになった。本当に単純な私だった。

成田空港でWi-Fiを受け取る。Wi-Fiを借りるにあたり、たびのてスタッフの姉さんにいろいろと相談させてもらい、持っていくことに。

こうして、私はトルコ(まずドバイ)に向かって旅立った。


トランジット、ドバイ編

今回は初めてエミレーツ航空でトルコへ向かう。エミレーツ航空はドバイでトランジットをしなければいけない。
もちろん初めてのトランジット。トランジットをできるか不安になっている私に神様は微笑んでくれた。ドバイまでの飛行機で隣の座席が日本人女性、しかも彼女もドバイでトランジットだったのだ!この時ばかり、神様に感謝した。
彼女は某法人の理事長だという。私が写真をやっているというと、来年にケニアに行くのだけど、一緒にどうかな?と言われた。考えます、と冷静に言うが心の中はトランジットの安心感で一杯だった。

機内で「陽だまりの彼女」を見て「ジュン。。。泣」と涙したり、寝たり、機内食を食べたりして、とうとうドバイに到着。飛行機からバスに乗り換えターミナルへ目指す。そして、無事にトランスファーできた。日本人女性のおかげで簡単にできた。そこで彼女とお別れし、ドバイ空港を回ることに。

ひ、広い。。。思った以上の広さだ。なんてこった、ドバイ、舐めてたぜ。と、一人でトボトボとドバイ空港にある金金なジュエリーショップや金金なランプを見て回る。
今回はトランジットに5時間あるし、暇で仕方ない。トボトボ見て回るが、あまりの広さに疲れる私。「トイレにでも行くか」とトイレに向かう。トイレのドアを開けるとなんか不思議な空間が広がっていた。頭を布で隠している女性と子供ばかり。しかも靴を脱ぐようだ。「すげーな、ドバイのトイレってこうなってるんだー」とボーとしている私にそそがれる視線。これは、なんか違うぞ。。。ささっと部屋から出てドアの文字を見ると「コーラン」と書いてあった。ここは、イスラム教信者の祈りの場所だったのだ。スッゲー!コーランの部屋に入っちゃったよ!と反省せずに興奮する私は本当にゆとり世代。

そんな感じで3時間。
飛行機のゲートの案内掲示板にエミレーツ便は画面にうつってない。どういうこと?更に1時間。とうとう画面にうつった。案内表示に頼りにドキドキしながら歩く。なんか電車があらわれた。こ、これ?これに乗るの?カタコトの英語で、このゲートには電車に乗るの?と聞くとやたら爽やかな男性が「そうだよ、レディ」という。あ、レディか。マダムじゃなくてよかった。とか、アホみたいなことを思いながら電車に乗る。5分もかからず、駅に着いた。最初に驚いたのが大きな滝!!こんなに水使うとかさすが石油大国!!って感じぐらい大きな滝。滝の横をエスカレーターで登るとゲートの案内表示発見。それを見て、行ってみて、ちゃんとゲートに到着した。
ここで搭乗まであと1時間あった。目の前に座っていた男の子の3人に話しかけお喋り。だが、なかなか搭乗しない。どうしたのかな?と言ってると日本人の女の子が「なんか4時間後に搭乗開始らしいです」と教えてくれた。マジか!飯は!?と思ったが、ご心配無用。エミレーツ航空は5時間以上トランジットする客に無料で食事を提供してくれるのです!
早速、食事券を発行してもらうためにカウンターでチケットを見せて、無料食事券をゲット!
ご飯食べたり、ジュースを飲んだり、お喋りしたりし、4時間経過。ようやくトルコ、イスタンブール行きの飛行機に搭乗して離陸。
合計して9時間のトランジットだった。

だが、ここで私は不安が残ってた。ホテルまで送迎バスを手配していたのだが、4時間の延長で果たして待っているのか?待っていなかった場合はどうするか?
そんなこんな思いながら、いざイスタンブールへ!!


続きはこちら→とうとうトルコ、イスタンブールへ、そして最初の難関が

3b. 世界一周ノート 第14回:バリ・ウブド


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第14回:バリ・ウブド

(編集部注:第8回バンコク第9回シドニーの間をつなぐ、シドニー移動前のエピソードです)
photo7
バリは楽園だった。それは僕が失っていた観光地への感覚だった。
安宿、土産物屋、そして怪しいマッサージ、日本語が堪能な客引きに、日本人女性を狙うジゴロ、そしてマジックマッシュルーム。
今まで通りすぎて来たアジアの魅惑、そして嫌悪していた魅惑が再び目の前に現れて、僕はバリを楽園のように捉えていた。
ホテルは出会った旅人と1泊1500円のツインルームをシェアした。それでも朝食・プール付きの豪華さは、この旅史上最も心休まる宿泊先だった。
photo3
photo5

バリではウブドや棚田をレンタルバイクで訪れ、海を散歩し、夜の街を散歩しては土産物屋を冷やかして歩いた。
漫画ドラゴンボールのモデルとなったと言われるその景観は、日本人がすっぽりとおさまってしまうような居心地を孕んでいた。
出会った欧米系の旅人たちはこぞってバリを喧しがって、次なる開拓地としてロンボック島を話題にしていた。僕には時間がなく、訪れることは出来なかったけれど、バリからフェリーで4時間程のその島は自然が多く残り、喧騒から逃れられる場所として人気を集めていた。
それでも僕にとってバリは充実したリゾートとして目に映り、スマトラ島からジャワ島へとインドネシアを縦断した疲れを癒してくれた。
photo2

そんな毎日の中で、僕はインドネシアを出る前にもう1度マジックマッシュルームを食べることにした。価格は500円もせず、トバ湖の半額だった。そして今度はオムレツではなく、コーラシェイクで摂取した。

砂浜に寝転び海を眺めていると、光が眩しく幻覚が見え始めた。
思考の速度が速まって、それからは前回と同じ展開だった。
ただ、ひとつの奇妙な考えが僕を捉えて離さなかった。

それはそれは多くの思考が消え去って、かなりの時間が経ったと思い、iPodの画面を見ると、全く時間が経っていないことがわかった。
僅かな時間で、効果的に思考の鍛練を積むことが出来る。端的に言うとマジックマッシュルームへの僕の印象はそんな感じだった。

そしてふと、「精神と時の部屋」と同じだと僕は思った。そう、ドラゴンボールに登場するそれだ。キャラクターたちはその部屋で修行をし、絶大な力を得て帰還する。そして実際の時間軸では僅かな時間しか経っていない。

もし、鳥山明がバリを訪れていたとして、マジックマッシュルームを食べていたとしたら・・・
これが単なる薬物中毒の虚言だとは僕は思わない。あくまで仮定の話なのだけれど。

もしかしたら脳みそがふやふやになってしまったかもしれない僕は、そんな事を考えながら1ヶ月を費やしたインドネシアを後にすることにした。
photo6

次回はフィリピン、デング熱発症を記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島・・・シドニー…、以降インド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

4. 世界あの街この街: 成都


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第22回 成都


成都 (トリップアドバイザー提供)

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

三国志の蜀の都。郊外のパンダ繁育基地、麻婆豆腐に代表される四川料理の本場。歴史好きから大自然、グルメまで見所に事欠かない。また、美人の産地としても名高く、麻雀好きののんびりした土地柄とあわせて街歩きが楽しい。郊外に観光地も多く、長期滞在もおすすめ。
九寨溝、楽山といった中国中西部の観光地や雲南・チベット旅行の玄関という一面もあり、欧米からの個人旅行者も多い。

成都   Google マップ
(地図:A-武候祠、B-文殊院、C-寛窄巷子、D-杜甫草堂、E-春熙路)

成都は三国以前から長い歴史を持ち、古来から「天府国」と呼ばれ栄えてきた。その歴史は古蜀から数えても2,300年、長江文明時代から数えれば5,000年をほこる世界でも屈指の古都。成都という名称も2,000年もの間変わったことがないという。

歴史&ミステリー好きであれば、いきなり郊外だが三星堆遺跡へ。
紀元前2,000年にもさかのぼるというこの遺跡から発掘された青銅の仮面や彫像は、まったくもって今日の中華文明との関連が感じられないドラッギー&宇宙的なもので、中国古代文明の奥深さを認識させられる。
Masque-de-bronze-Sanxingdui
(Wikipedia;青銅縦目仮面)

つづいては市内へ。
市内西部にある金沙遺跡は三星堆遺跡につづく時代のものとされ、こちらも黄金マスクやマンモスの牙などスケールの大きな出土品が展示されている。

金沙遺跡博物館 (トリップアドバイザー提供)

さらに時代はぐっと遡り三国時代へ。
成都の武候祠(ぶこうし)には劉備玄徳の墓地があり、吉川英治、横山光輝、コウ・シブサワファンはもちろん、有名人のお墓ゲッターにも欠かせないスポット。もちろん関羽、張飛の義兄弟や、巨大な諸葛亮像も鎮座している。
IMG_0033
諸葛亮像 (写真:tabinote)

祠の周囲は錦里(じんり)というレトロスポットとなっており、ストリートフードを食べながらぶらつくのが楽しい。中国のあちこちでみかけるお土産の定番「張飛牛肉」(ビーフジャーキー)はこちらが本場で、コスプレ張飛がたまに出没する。
錦里周辺はチベット街になっており、黄色の僧衣を来たチベット僧が多い。お土産選びにもおすすめ。
IMG_0041
張飛牛肉 (写真:tabinote)

IMG_0043
錦里 (写真:tabinote)

成都には、錦里同様に、歴史あふれる街並みを散策できるスポットが多い。
武候祠からもほど近い寛窄巷子(くぁんざい・しゃんず)は伝統的な街並みを再生した人気のエリアで、バーやカフェも多く、若者やツーリストの憩いの場となっている。

寛窄巷子 (トリップアドバイザー提供)

市の北部、文殊院は寺院の周辺に古い家屋やホテル、レストラン、お土産屋が集中しており、散策が楽しいエリア。長期滞在にもおすすめな和みスポット。
IMG_0042
文殊院 (写真:tabinote)

成都一の繁華街は春熙路。日本のイトーヨーカ堂や伊勢丹もある巨大ショッピングストリートで、百貨店やブランドショップ、レストランが軒を連ねる。日本食が恋しくなったら伊勢丹のレストラン街に行くもいい。ヨーカ堂の地下はお土産選びに最適。
ちなみに、「春熙路」で中国語検索するとやたらと「美女が多い」だの「美女だらけ」だのという情報がひっかかってくる。
IMG_0066
春熙路 (写真:tabinote)

成都は世界で最もショッピングモールの建設が盛んな都市で、現在建設中のモール面積は320万平方メートル(東京ドーム68個分、イオンレイクタウン13個分)。2013年だけで7つのショッピングモールがオープンし、その総面積は100万平方メートルとか。
その極めつけともいうべき、超弩級の存在が新世紀環球中心。市のおよそ中心部にあり、単一の建築物としては世界最大の規模。中にはショッピングモールの他、ホテルやミュージアムなどがそろっている。

新世紀環球中心 (トリップアドバイザー提供)

再び郊外へ。
成都で最も人気のスポットは北にタクシーで1時間、郊外の成都パンダ繁育研究基地。
ここでジャイアントパンダが群れあいじゃれ合う姿を見るためだけに成都に来る人も多い。
基地は実際の生育環境を模しており、山歩きに近い場所もある。歩きやすい靴で。
子パンダを抱いて写真を撮ることも可能だが、数万円のお布施を要求される。
IMG_0013
成都パンダ繁育研究基地 (写真:tabinote)

成都から西に65km、青城山は道教発祥の地として知られ、2000年に世界遺産に認定された。中国人にも人気は高く、幽玄な雰囲気の景勝地となっている。
付近の都江堰(とこうえん)は古代の巨大堤防権ダムで、こちらも堂々たる世界文化遺産。

青城山 (トリップアドバイザー提供)

世界最大の磨崖仏で有名な楽山大仏は成都から1時間半。803年に民衆の手によって建造されたという由緒正しき大仏で、こちらも世界遺産に認定されている。

楽山大仏 (トリップアドバイザー提供)

そして、成都郊外観光最大の目玉はカルスト地形の名勝、九寨溝と黄龍。
この世の物とは思えない、と称される絶景で、とくに紅葉の時期は圧巻。
実際に行った人の評価も非常に高い。
現地は標高3,000m程度となり、高山病に注意。

九寨溝 (トリップアドバイザー提供)


黄龍風景区 (トリップアドバイザー提供)

長期滞在なら、いっそトレッキングやチベット観光という選択肢も。
市内には多くのツアー会社があり、日本から手配するよりも格段に安い(ただし若干の中国語力or英語力を要する)。

成都から200km、四姑娘山は標高3,000m以上の本格的なトレッキングが楽しめる名所。煙った成都とは異なり抜けるような青空と冠雪の山々、森林と高山植物の織りなす美しい自然が楽しめる。チベット色も非常に濃厚なので、ラサに行く暇はないがチベット文化を堪能したいという方にもおすすめ。

四姑娘山 (トリップアドバイザー提供)



陳麻婆豆腐 (トリップアドバイザー提供)

山海の幸に恵まれ「天府」の異名をほこる成都。
成都の名物は辛くてしびれる四川料理と、小喫と呼ばれるストリートフード。
高温多湿でどんよりした気候が生み出した四川テイストは中国のみならず世界的に有名で、5つ星ホテルの洗練された名店から気軽な食堂まで、こぞってレベルは高い。中国語では「川菜」と表記している場合が多い。
代表的な四川料理は、麻辣と呼ばれる唐辛子と花椒が効いたもの。
麻婆豆腐、担担麺(本場は汁無し)などは日本でもお馴染みだが、回鍋肉、青椒肉絲、バンバンジー、宮保鶏丁(鶏とカシューナッツ炒め)といった辛くないものもある。

是非試してほしいのは火鍋で、真っ赤なスープにキノコ(やはり名物)や肉を入れた滋養あふれるもの。
火鍋のようなスープで肉や魚を煮込んだ料理もあり、水煮魚、夫妻肺片などと呼ばれる。


夫妻肺片 (トリップアドバイザー提供)

胃腸に自信の無い方もご安心を。
上掲通り辛くない料理のバリエーションも豊富で、ツーリストが集まる土地柄から各国の料理がある。また、素食と呼ばれるベジタリアン中華のお店も多い。


日本からの行き方

(空路)
直行便はANAと中国国際航空(ANAコードシェア便)が運行。意外にリーズナブルで、ANAのエコ割なら最安で4万円程度から利用できることも。成田発は1日2便で、朝に出る中国国際航空は同日夕方着、ANA便は夕方発で同日夜着。
他に、中部国際空港からの中国国際航空便、広島空港からの中国東方航空便もある(広島と成都は友好都市となっており、定期便がある)。

経由便ならば仁川、北京、上海などを経る便が一般的。4~5万円程度から。
上海に滞在し成都まで国内線を利用する場合、上海までLCCの春秋航空か中国東方を利用すれば3~4万円程度。上海-成都間が3万円程度で合わせて7万台。

(陸路)
成都は中国南西部の中核都市で、西安や昆明、重慶といった西部大都市との連絡は充実している。
西安から成都まで、鉄道なら13時間程度、バスで12時間程度。
重慶からは鉄道なら4時間程度、バスで5時間程度。重慶とは新幹線が通じており、所要2時間。

(パッケージツアー)
ANA直行便を利用したツアーが多い。シーズンにもよるが3泊4日で9万円程度。または2名から催行などの制約があることも。

(空港)
成都市の南西15kmに位置する成都双流国際空港は2つのターミナルを持ち、中国でも北京、上海浦東、広州白雲に続く4番目の規模を誇る。

空港から市内まではリムジンバスかタクシーを利用。
シャトルバスは市内の主要スポット、成都北駅、ホテルなどを経由する。料金10~12元。朝6時頃から19時まで(以下1号線は22時、2号線は20時最終)。
国際線の第1ターミナル3号出口を出るとバス停があるので迷うことはない。
機場専線1号線が岷山飯店まで、高速道路を使い所要30分程度。2号線は錦江賓館などを通って成都北駅まで、所要90分。3号線は成都東駅まで、やはり高速道で45分程度。4号線は新会展中心まで、40分程度。

宿にダイレクトにつきたければタクシー。市街中心部まで所要30分、50元程度。
バス、タクシー共に渋滞がひどい昼間の時間帯はより時間がかかる。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
辛い四川料理は成都の蒸し暑い気候の中で発展したもの。亜熱帯気候に属し、湿度が高く雲が多めで、カラっと晴れるような日は少ない。7~8月は雨が多い。

ベストシーズンは3~6月、または9月~11月頃。ただし10月1日の国慶節付近はホテルや観光地も混み合う。
1~2月でも東京の冬よりは過ごしやすい。九寨溝観光なら5月~11月頃。7月以降は水量が増えて美しく、秋には紅葉も楽しめる。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。
タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.4円(14年5月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。

物価はピンキリだが、四川省自体がやや貧しいこともあり貧乏旅行も十分可能。食事や宿は北京や上海に比べて相当リーズナブル。ホテルは古い寺院をリノベーションした雰囲気のある宿が5千円程度で利用できる。
タクシーは初乗り8~9元、1kmにつき1.9元。ガソリン代が1回乗車につき1元だったが廃止された模様。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。


(Wikipedia提供)

ビザと治安

中国を代表する大都市かつ観光地であるが、その割に治安は良い方。夜の1人歩きも多い。
ただし、あくまで外国としては安全ということであり、繁華街、観光地、夜間や裏通りなどには注意が必要。
空港の白タクが報告されている。また、サウナやカラオケバーで鼻の下を伸ばした男性がぼったくり被害にあう例も多い模様。

反日デモで有名になったが、特段反日感情が強い地域ではない。イトーヨーカー堂が支持され、市内中心に巨大なキャンパスを構える四川大学は日中国交正常化の1972年にいち早く日本語学科を設置するなど、むしろ親日的な土地柄。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(ひすい色のサンタナが多い)が走っており、料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。

初乗りは2kmで9元。以降1kmごとに1.9元。

(地下鉄/鉄道)
成都地下鉄は2010年9月開通、中国西部地域で初めての地下鉄となった。
現在は市街を南北に貫く1号線と東西に延びる2号線が開通している。2015年までに3号線、4号線、7号線が開通する予定。

始発は6時半、終電が23時半頃。料金は2~6元程度。
切符はICカード形式になっている。利用の仕方は日本と同じ。
乗車前に保安検査がある。

「天府通」というスイカやパスモ同様のリチャージ式カードがあり、市内の地下鉄駅、キオスクなどでカードを作ることできる。デポジットは20元。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。
西安や昆明などの西部地域はもちろん、沿岸まで鉄道が通じている。
成都駅といえば一般的には成都北駅をさす。地下鉄1号線の「火車北駅」と接続している。駅舎は非常に巨大。
他に、成都東駅、成都南駅(1号線の「火車南駅」)がある。

(バス)
バスは縦横無尽に市内を結んでおり、使いこなせれば便利。
エアコンバスが一回2元。
ただし渋滞は非常に激しく、時間は読みにくい。

成都は西部地域の要衝でもあり、長距離バスのターミナルともなっている。九寨溝や楽山行きには直行バスが便利。

ホテル

ホテル代はおおむね安め。外資系の5つ星ホテルでも1.5万円程度。5千円も出せば豪華で広い部屋に泊まれる。
日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)も豊富で、ツインが3千円程度。

一般に国慶節(10月1日)、春節(旧正月)の季節は混み合い価格も上昇する。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
路上の携帯会社のカウンター、家電量販店、売店、コンビニ等でSIMが購入できる。
成都双流国際空港には携帯会社のカウンターはない。
大手の事業者はChina Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)など。

中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりがあり、中国語のメッセージを解釈する必要があるためSIMの利用はややハードルが高い。携帯会社のカウンターで設定してもらうことをおすすめする。ゲストハウスのスタッフに頼むという方法もある。

中国国内からYouTubeやFacebook・TwitterなどのSNSに接続する場合には閲覧規制がかかる。GmailなどGoogleの各種サービスも遅い傾向。日本の携帯を海外パケット放題でそのまま使うか、近隣国(香港など)でSIMを買い国際ローミングすれば接続制限を回避できる。VPN(Virtual Private Network)で回避する方法もあるが、うまくいかないこともある。

(Wifi)
無料のWiFiを開放しているカフェも多い。各国同様、スターバックスでも使える。
欧米ツーリストの多い開放的な土地柄から、「Facebook OK」などの看板を掲げたゲストハウスも多い。

特別企画:旅する人のためのレーシック入門


特別企画:旅する人のためのレーシック入門

550px-Man_at_Phoropter
(画像:Wikipedia)

tabinoteワタベです。
私事ですが、2010年に視力回復レーザー手術、いわゆるレーシック手術を受けました。
旅行を頻繁にされる方、特にコンタクトレンズをお使いの方の中には、スペアレンズやケア用品が貴重な荷物スペースをとるのにうんざりしている方も多いのではないでしょうか。
私は4年前の手術以降裸眼で生活しています。土埃の国やビーチリゾート、インドのホーリー祭り(色水をぶっかけ合うコンタクト装着者には超危険な祭り)でも裸眼ですごせ、荷物も格段にコンパクト化。術後確実に生活の質が上がり、快適に過ごしています。
唯一の後悔は、もっと早くやらなかったことかな…。
Holi_celebrations,_Pushkar,_Rajasthan
旅行者も容赦なく被害に遭うホーリー祭(画像:Wikipedia)

今回の記事はレーシック手術を無前提にお勧めするわけではなく、私の体験を通して調べたことを情報共有できれば、という意図となっています。
本記事をご参考に、ご検討、受療はどうぞご自身の判断で。


レーシック体験記

きっかけ

私は子供の頃から目が良く、中2の視力検診までは余裕で左右2.0をたたき出していた。しかし、高校に行き始めた頃から視力が下がりはじめ、高2のあたりで黒板が見づらくなった。この時はまだ左右0.7~0.5程度とそれほど悪くはなかったが、それまでよく見えていたこともあって日常生活がつらくなり、メガネをつくった。
さて、せっかくつくったメガネだが、私は当時から定期的な頭痛があり、メガネをかけると夕方かなりの確率で頭痛がやってくることに気づいた。もともと頭を締め付けたり何か載せたりするとすぐに頭痛がくる性質のようで、帽子も苦手。
頭痛に参った私は、ほどなくコンタクトレンズをつくりに行った。最初ハードレンズを付けたが痛みで全く無理、結局ソフトレンズにした。
黒板も見えるし頭痛もないしこれは快適…、そのまま10年以上に渡るコンタクト生活が始まった。東京に出てきてからは使い捨てのソフトレンズに切り替えた。多少ランニングコストはかかるがとにかくラク。その間にも着実に視力は悪化し、二十歳の頃には0.1くらいになっていた。

そうして数年が経過した30代の半ば、眼科の検診で「角膜の細胞が減っているため、メガネを併用するように」という診断を受けた。
どうも、ソフトレンズは黒目をがっつり覆ってしまうため、角膜が酸素不足になり細胞(角膜内皮細胞)が減ってしまうらしい。一度減った細胞は回復不可能で、将来白内障手術を受ける際にリスクがあるとのこと。
それからしばらくはメガネを併用していたが、やはり夕方は高確率な頭痛。やむなくコンタクトもメガネも付けず、裸眼でPCをにらむこともあった。

そのような折、知人がレーシックを受けて快適に過ごしているという話を聞いた。
ちょうど私も、もうメガネ併用は限界だなと思っていた時期。ひそかに情報収集を始めた…。

医院選び

知人が手術した病院に行くことも考えたが、当時「ゴットハンド」呼ばれ名声をほしいままにしていたA医師のいる病院に行くことにした。
ちなみに、当時のメジャーな術式は以下の通り。
(評価は私によるものです)

レーシック

カンナやレーザーで角膜を削り、薄い膜(フラップ)をつくる。この膜で一種のレンズを形成し、近視を矯正する。当時既に、多くの病院がレーザーによる正確なカットをうりにした術式(イントラレーシック)を採用していた。最新のレーザーを用いたものは価格も高く、カット位置の割り出しやフラップの作成が精密だったりする模様。
・メリット:術後遅くとも数日で視力回復し痛みもほとんど無い。
・デメリット:衝撃でフラップがずれるリスク。一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

エピレーシック/ラセック/PRK

フラップをつくらず、直接角膜表面を削る。
・メリット:フラップが無いのでコンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:視力回復まで最低一週間ほどかかり、その間かなり痛いらしい。手術も痛い模様。一一度削った角膜は再生しないので、近視が進んだ場合や老眼が始まった人は再手術が難しいことも。

眼内レンズ(フェイキックIOL)

角膜を削らず、眼内にコンタクトレンズを挿入する。
(当時は近視矯正用の眼内レンズは確か当局による承認前であったため選択対象外)
・メリット:角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:価格は高めでイントラレーシックの2~3倍程度。レンズ交換時に後遺症リスクがある模様。

オルソケラトロジー(ナイトレンズ)

角膜の形を矯正するハードコンタクトレンズを装用して寝ると翌朝その跡が残っていて、日中は裸眼で生活できるという代物。当時は承認前(のはずと)。
・メリット:手術自体をしない。角膜を削らないので視力が変わった際も再手術OK(というかレンズを替えるだけ)。コンタクトスポーツも問題無い。
・デメリット:毎晩ハードレンズを付けて寝るのが面倒。視力安定までに時間がかかる場合も。

当時はほとんどレーシックかラセックしか選択肢がなかったが、私は結局レーシックにした。
その理由は以下の通り。
・老眼とレーシックの因果関係はないという話に納得したこと(参考:「眼ウォーキング」/福与貴秀など)。仮に再矯正が必要になった場合でも私の場合角膜が厚いので再手術可能と診断されたこと。
・エッジに鋭角な角度を付けることでフラップずれの危険はほとんど無く、実際には機動隊員や柔道家、サッカー選手でも問題無く視力回復していると聞いたこと。ヘディングの衝撃に耐えるなら、日常生活はおろかほとんどのコンタクトスポーツでも大丈夫だろう。
・レーシック界のゴットハンド、某カルト教団の顧問弁護士にそっくりなA医師の上記説明が冷静でわかりやすかったこと。

lasek
(画像:tabinote)

手術と術後

レーザー治療器の下で身を委ねる。
一瞬髪の毛が焦げるような臭いがしただけで、手術はあっという間に終了。
術後は特に痛みも無く、翌々日くらいからもう裸眼で1.5に視力回復した(翌日は保護用の眼鏡をかけているので正直よくわからなかった)。

術前に、矯正具合(矯正後の希望視力)を選ぶことが出来る。過度の矯正で頭痛を引き起こす人もいるため、1.0~1.2くらいを勧められたが、1.5で依頼した。昔裸眼でガンガン見えていたときの感覚からして、よく見えた方がいいに決まっていると思ったからだ。
結果はすばらしく、メガネによる長年の頭痛、コンタクトケアの手間、余計な出費などからすべて解放された。
何より旅行が快適になった。以前はケア用品だけのために洗浄機や変圧プラグ、食塩水をパックに詰め込み(機内預け扱いになるので超手間)、もちろん夜用のメガネも装備。泳ぎに行くようなところでは余分に替えレンズを持ったりしてとにかく煩わしかった。今では酔っ払ってそのまま寝ても無問題。まったく、もっと早く受けておけば良かったぜ。

総括

私の場合は上記のように今のところ成功となりましたが、そもそもこの手術が合わないという方もいますし、あるいは受けても効果が今ひとつ、不幸にして後遺症が残るなどのリスクも無いわけではありません。

私が手術を受けた頃はバンバン広告が出ていた記憶がありますが、その後に悪質な医院が摘発されたり、消費者庁がリスク情報について注意を出したりと、当時より業界も慎重になっている模様です。
現在では上掲のオルソケラトロジーなど手術を用いない方式もあるようですので、悩める皆さんはいろいろ検討されては如何でしょうか。

なお、レーシックの費用は医療費控除の対象となり、確定申告の際に課税所得から差し引くことができます。また、一部の医療保険や損害保険は、かつてレーシック手術を給付対象としていました。2007年4月に各社が条項を改定し、レーシックは適用外となってしまいましたが、それ以前から加入継続している保険があれば対象になる場合があります。内容を確認してみましょう。
私の場合、保険と医療費控除で手術代は結局半額くらいになりました。


旅行者ならいっそ海外で? メディカル・ツーリズム

table
(画像:IMID [ India Medical Tourism and Wellness Destination ])

さて、旅する人の間ではメディカル・ツーリズムというアイデアもとっぴなものではありません。
タイやシンガポール、インドなどが国をあげて力を入れているこの分野。
古くはサナトリウムでの療養やモロッコでの性転換などもこれにあたりますが、近年ではもっぱら専門性の高い医療サービスや、レベルが高いサービスを安く受けるために、住んでいる以外の地域(国内のこともあれば他国もあり)で医療サービスをうける仕組みをさします。

臓器移植などの先進手術が驚くほど安いのは新興国・途上国が中心。
正直大丈夫なの?という不安をお持ちの方もいるようですが、そういった国ほど富裕層向けの医療技術が進んでいるのも確か。医師は往々にして欧米帰りの博士号保持者で、日本の専門医となんら遜色ないどころか、論文数や手術の執刀数などで日本を圧倒するレベルの医師もざらにいたりします。安くて技術が高いだけではなく、最新の設備や5つ星ホテル並みのホスピタリティなど、経験した方の中には日本の病院なんてバカバカしくて行ってらんないという意見も。
医療観光プロモーション推進連絡会
Medical tourism in Asia

以下はレーシック手術に関する各国の状況。
病院やブログなどの情報をもとにしたもので網羅性はありませんが、あくまで事例としてお考え下さい。

アメリカ

2,000ドルくらいから選択肢があるようです。
海外のレーシック事情

香港

術式によりますが、両目で22,000香港ドル程度。1HKD=13円として、29万円くらいでしょうか。
Hong Kong Sanatorium and Hospital

シンガポール

術式によりますが、両目で3,000シンガポールドル程度~。1シンガポールドル=80円として、24万円程度。
Cost of LASIK in Singapore

タイ

両目で2,245ドル。一流病院とはいえ1ドル100円として22万円。意外に高いですね。
2014 Bumrungrad International Hospital

インド

2万5千ルピー。1ルピー=1.7円として4万円。マジすか。
CustomVue Lasik

こう見るとさすがにインドの安さが際立ちますが、他国はあまり日本と変わりありませんね。
旅費・滞在費を入れたらあまり得ではないかも…。

レーシックに限りませんが、もちろん治療は一回こっきりではなく、術後のケアが大切。
言葉に全く支障がなく頻繁に現地に行くという方であればともかく、縁もゆかりも無い国で超高速英語の説明を聞かされ、わけもわからないまま何枚もの同意書や契約書にサインしてしまった後はまな板の鯉。なかなかチャレンジングかもしれません…。

もしも、それでも海外でトライするならば、条件や日本でのケア、保険の適用などをしっかり確認してからにしましょう。

5. 旅の本屋 のまど:イベント情報  2014/05/20号 Vol.023


5. 旅の本屋 のまど イベント情報:5/29(木)下川裕治さん スライド&トークショー、
6/12(木)嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/

新刊「アジアの日本人町歩き旅」&「読むバンコク」発売記念
◆下川裕治さん  スライド&トークショー◆
「アジアの日本人町歩き&バンコク街歩きの楽しみ方」

0529yomubangkok 10303446_676455392390298_2410324757775134196_n
新刊『アジアの日本人町歩き旅』(角川文庫)と『読むバンコク』(メディアポルタ)の発売を記念して、旅行作家の下川裕治さんをお招きして、アジアの日本人町とバンコクの街歩きの楽しみ方についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。アジアの日本人町で訪ねたのは韓国、台湾、中国、沖縄、マレー半島。日本人町のテーマパーク化が進む韓国や台湾。上海では李香蘭が戦後、監禁されていた興業坊や金子光晴が住んだ余慶坊、アヘン王の里見甫が住 んだピアスアパートを探し歩く旅。
ハリマオの妹の墓を探しにマレー半島へ。そして沖縄の日本人町。そんな旅を紹介しています。一方、バンコクは、旅行でバンコクを訪れる日本人観光客は年々増加し、バンコク在住日本人は10万人を超えるともいわれていますが、バンコクは実はアユタヤのレプリカだったとか、イスラム系貴族との権力抗争など、大半の日本人はバンコクという街 の成り立ちをあまり知りません。本書は、そんなバンコクのそれぞれの街の由来やそこに息づく空気を、バンコクの達人である下川 さんが解き明かし、タイの人々との間にある垣根を取り払い、バンコクをより深く知るための歴史散策読本になっています。下川ファンの方はもちろん、アジアの街歩きやバンコクが大好きな方はぜひご参加ください!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


下川裕治(しもかわゆうじ)

0529shimokawa
1954年長野県松本市生まれ。旅行作家。『12万円で世界を歩く』でデビュー。以後、主にアジア、沖縄をフィールドにバックパッカースタイルでの旅を書き続けている。著書に、 『鈍行列車のアジア旅』『「生き場」を探す日本人』『世界最悪の鉄道旅行ユーラシア横断2万キロ』『週末アジアでちょっと幸せ』『「行きづらい日本人」を捨てる』 等。

◆下川裕治さんブログ「たそがれ色のオデッセイ」
http://odyssey.namjai.cc/


【開催日時】  5月29日(木) 19:30 ~ (開場19:00)  
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど 
 協力:角川書店、メディアポルタ

新刊『ブラジル裏の歩き方』発売記念
◆嵐よういちさん × 丸山ゴンザレスさん 対談トークイベント◆
「怪しいブラジルの歩き方 ~ B級観光ガイドからアングラ情報まで」

0612brajilurano
新刊『ブラジル裏の歩き方』(彩図社)の発売を記念して、著者で旅行作家の嵐よういちさんと盟友で作家の丸山ゴンザレスさんのお二人をお招きし、ブラジルを旅行する際のウラ事情ついてスライドを眺めながら対談トークをしていただきます。「中米ブラックロード」「アフリカブラックロード」など、「ブラックロード」シリーズで絶大な人気を誇る嵐さんが今回取り上げる国はブラジル。もうすぐ開催のサッカーW杯や2016年リオデジャネイロオリンピク開催と、世界的ビッグイベントが目白押しのブラジルは、今、かつてないほど注目を浴びていますが、サンバとサッカーだけでなく、中南米最大の夜遊び大国でもあります。そこで、本書ではナイトクラブ「ボアッチ」やブラジル美女が接待してくれる「カラオケバー」、狂乱のディスコといった夜遊び情報から、知る人ぞ知るB級観光スポット、犯罪渦巻くアンダーグラウンド情報まで、ブラジル通の嵐さん自身がこれまでのブラジル取材旅行の際に体験してきた様々なことを元に書き上げています。 なお、今回のイベントでは嵐さんをよく知る丸山ゴンザレスさんに聞き手役として参加していただきます。ブラジル旅行の際の裏話や秘話など、嵐さんの貴重な体験談を生で聞けるチャンスです。嵐さんや丸山さんのファンの方はもちろん、ブラジルの文化や歴史、裏情報に興味のある方はぜひご参加くださいませ!!

※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


嵐よういち(あらしよういち)

0227arasi
1969年生まれ。東京都杉並区出身。独身。20歳からイギリス、アメリカと留学(遊学?)
して、その後、面白い写真を求めて海外を放浪する。約70ヶ国を渡り歩く。特に好きな地域は南米。著書に『海外ブラックロード~危険度倍増版』『海外ブラックロード~最狂バックパッカー版』『海外ブラックマップ』『南米ブラックロード』『アフリカ・ブラックロード』『海外ブラックロード~スラム街潜入編』『海外ブラックロード~南米地獄の 指令編』(彩図社)など。

◆嵐よういちさんツイッター
https://twitter.com/kaigaiblackroad

丸山ゴンザレス(まるやまごんざれす)

0227marugon
1977年宮城県生まれ。ジャーナリスト&編集者。國學院大學大学院修了後、出版社勤務を経てフリーになり裏社会や海外情報、都市伝説に関する評論やインタビュー、メディア出演、トークイベントを行う。著書に『アジア『罰当たり』旅行』『図解裏社会のカラクリ』『裏社会の歩き方』(彩図社)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)など。

◆丸山ゴンザレスさんブログ
http://ameblo.jp/maruyamagonzaresu/


【開催日時】 6月12日(木)  19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内  
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
 ※定員になり次第締め切らせていただきます。

【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:彩図社