4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第46回 ヴィエンチャン


Vientiane Night Market (トリップアドバイザー提供)

ラオス人民民主共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

エネルギッシュかつどこかゆるい空気、仏教史跡とフランス植民地時代の建築物が混在する街並みが魅力となり年々観光客が増加している。素朴な民芸品の並ぶバザールや屋台巡りも人気。石壺史跡が有名なジャール平原への入り口でもある。

ヴィエンチャンはラオスの首都かつ最大の都市。かつては「世界一何もない首都」と称されたほどだが、近年は経済発展に伴い朝夕のラッシュやクラクション、工事の音が鳴り響くなど急速な発展を遂げている。
しかし、周辺国の都市がギラギラと活気に満ちて住みにくくなっている中、まだまだゆるい雰囲気も保っている。ガイドを片手に観光スポットをあくせく巡るような旅ではなく、ゆったりと余裕をもって訪れたい。
Talat Sao Shopping Mall から ラオ・ブルーワリー・カンパニー・リミティッド   Google マップ
(画像:Google)


そんなヴィエンチャンの観光といえばまずは街歩き。とくに、タラートと呼ばれる市場巡りがおすすめ。暑さに疲れたらカフェに避難するか、ショッピングセンターでク-ラーを浴びよう。

タラート・サーオ(Morning Market)は市内最大規模のショッピングセンター。雑貨やハンディクラフトなどのお土産品から、宝石や家電まで生鮮以外は何でもそろう。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

タラート・クアディンはタラート・サーオから通りを挟んだ向かい側。竹細工や布などのハンディクラフトに加え、生鮮も並んでいる。
タラート・サーオの少し北にあるタラート・トンカンカムは巨大な生鮮市場。生体が生々しく並ぶぶった切りの肉塊や山積みの野菜、メコン川の恵みをうけた川魚やエビなど市場好きにはたまらない雰囲気。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

ヴィエンチャン最大のショッピングモールは15年3月に開業したばかりで、その名もヴィエンチャン・センター。超巨大モールの目立つアジアの中では小ぶりだが、それでも総面積12万平米と現在ラオス一のスケールを誇る。グッチやオメガといった外資系高級ブランドからZARA、ラーメン店まで幅広いテナントが揃っており、将来的にはホテル等が入る複合施設となることを目指している。
ヴィエンチャンセンター1
(画像:Wikipedia)


ヴィエンチャンの観光スポットには寺院が多い。
中でもランドマーク的存在の1つがタート・ルアン。ラオス仏教における最高権威で、ヴィエンチャン住民はもちろんラオス各地の敬虔な仏教徒も多く訪れる。昼は黄金の仏塔が青空によく映え、夜はライトアップされ美しい。


Pha That Luang (トリップアドバイザー提供)

ワット・シーサケットは16世紀に遡るというヴィエンチャン最古の寺で、現在の建物は19世紀に再建されたもの。回廊には無数の仏像が納められており、その数およそ7,000体と三十三間堂以上の規模。

Wat Si Saket (トリップアドバイザー提供)

タート・ルアンと並ぶヴィエンチャンの顔はパリの凱旋門を模したパトゥーサイ。本家パリの凱旋門が高さ50mなのに対し、こちらも高さ45mとひけをとらない威容を誇る。
展望台があり、高い建物に乏しいヴィエンチャンで市内を一望できる数少ないスポット。展望台に向かう途中の階にはお土産屋があるなど何かとほほえましいが、本来は慰霊のためのモニュメントである。
昼も多くの観光客でにぎわうが、夜はライトアップされさらに華やかに。

Patuxait (トリップアドバイザー提供)

夕方になったらメコン川沿いのナイトマーケットへ。
バーで(いくらでもある)ビールを片手に、対岸のタイや沈む夕陽を眺めながらまったり時を過ごそう。

Bor Pen Yang (トリップアドバイザー提供)


ヴィエンチャン観光でひそかに人気なのはラオスの国民的ビール、ビア・ラーオ工場の見学。市街から南、14番線のバスに乗って友好橋方面。運転手にビア・ラ-オ工場と伝えるだけ。
本来は予約制だが、いきなり行っても結構OKだったという声もちらほら。

Beer Lao Brewery near Vientiane (トリップアドバイザー提供)

そして、郊外観光の目玉と言えばワット・シェンクアン、別名ブッダパーク。友好橋を越えてビア・ラーオ工場の先にある。もちろん工場見学とセットで行くのがおすすめ。
ブッダパークはタイの珍寺などと並ぶ東南アジア屈指の珍スポット。それほど威厳のないコンクリ製の仏像(的なもの)が無数に並ぶシュールな様はいろいろな意味で期待を裏切らない。
ブッダパーク
(画像:tabinote・青木大地)

ナムグム湖はヴィエンチャンから北に90km。
水力発電ダムに付随する人工湖で、福岡市とほぼ同じ面積という巨大なもの。ちなみに内陸国、ラオスは電力を100%水力で生み出している。
開発には日本人・日本企業が多く関わり、犠牲者も現地に眠っている。
現在ではボートや島巡り、水上レストランなどもあり観光地化している。

Nam Ngum (Blue Lagoon Resort Laos) (トリップアドバイザー提供)

バンヴィエンはヴィエンチャンの北160kmにあるリゾート。石灰岩の山々や鍾乳洞、ブルーラグーンという碧い湖など豊かな自然に恵まれ、欧米人のツーリストも多い。
ブルーラグーン
(画像:tabinote・青木大地)

ジャール平原はバンヴィエンから北東に陸路200kmほど。
古代につくられたと推定されている謎の石壺が無数に埋まっており、不思議としか言いようのない光景が広がる。旧陸軍参謀の辻政信がこの平原で失踪したというエピソードもあるなど、何かと妄想をかき立てられるスポット。


Plain of Jars (トリップアドバイザー提供)

【ラオス】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Makphet Restaurant (トリップアドバイザー提供)

ラオスの食はベトナム、タイ東北部、中華料理をほどよくミックスしたテイストで、アジアの中では辛さ控えめ。パンやサンドイッチにはベトナム同様フランスの影響が見られる。

食材はもち米とハーブの多用が特徴。内陸国であるが川魚もよくメニューに登場する。

代表的なメニューは粗く刻んだ肉をハーブとライムジュースで味付けしたラープ。タイ料理でもお馴染みのメニューだが、ラオスが本場。鶏肉や豚、レアの牛肉、魚やアヒルのラープまで多彩なバリエーションがある。
他には麺類も豊富で、タイ風、ベトナム風のフォー、中華風の焼きそばや和え麺など毎日でも飽きない。
タイやベトナムでお馴染みのメニューに加え、肉や魚をシンプルに炭火で焼いたり揚げたりしたメニューも多い。

欧米のツーリストも多く訪れるため小洒落たカフェが多いのも特徴。本格的なバケットを使ったサンドイッチやラオス産の蜂蜜を使ったパンケーキなども人気がある。

ラオスのビールといえばビア・ラーオ。
フランス資本で建設されカールスバーグの出資を受けたという本場欧州仕込みの濃厚な風味は氷で割ってよしそのままでよしの万能選手。
国内シェア90%以上とも言われる国民飲料で、東南アジアでもっとも美味しいとの呼び声も高い。


River Spiritr (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からラオスまでの直行便はなく、周辺の東南アジア諸国から入る。
なんといっても空路が豊富なのはタイ経由。日本からバンコクを経由するのが手軽。
ベトナム、カンボジアからのルートも多い。特にベトナム航空は日本からの往復で5万円を切るなどLCCよりも安いことがある。
エアアジアも安い。クアラルンプールからヴィエンチャンまで直行便がある。
意外なところでは、韓国のジンエアーがソウルから就航しており、価格も手ごろ。

ラオスの国内線移動は時間変更や遅延、欠航が日常茶飯事。ヴィエンチャンからの移動も一筋縄ではいかないことがあり、余裕をもってスケジューリングしておきたい。

(陸路)
周辺国の主な都市とをつなぐ国際バスがある。タイやベトナムとの間に路線がある。鉄道もあるがバスがお手軽。
陸路で入国する場合でも、国境ポイントでビザを取得できる。

(空港)
ワッタイ国際空港(Wattay International Airport;VTE)は市街から西に約6kmと近い。国際線と国内線の2ターミナル。国際線ターミナルは日本の援助で1999年に建てられた。軍民共有で、ラオス空軍の基地を兼ねている。

国際線はラオス国営航空の他、タイ国際や中国東方、エアアジア、ジンエアーなどが就航している。

市街地まではプリペイドの定額タクシーで、6USドルまたは54,000キップ。




tabinoteメンバーも愛用!空港滞在時間が長くなりがちな節約旅行でこそ、ラウンジのありがたさが身にしみます。海外旅行には必携の「プライオリティ・パス」
世界100カ国300都市、600ヵ所以上の空港にあるVIPラウンジが無料で使えます。年会費10,800円(税込)の楽天プレミアムカードなら年会費399ドルのプライオリティ・パスが付いてきます。


地理と気候

ラオスはインドシナ半島の内陸深くにある内陸国で、南北に細長い。東にタイ、北に中国、西にタイとミャンマー、南にカンボジアと接している。
ヴィエンチャンはラオスの中央部、タイ国境沿いにある。

5~10月は雨季で、11~4月が乾季。3~4月にかけて猛烈に暑くなる。

基本的には乾季が観光に適しているが、滝やメコン川の雄大な眺め、山盛りの果実が積まれたマーケットを見るならあえて雨季を選ぶのもいい。ホテルも雨季は安め。毎年4月中旬がお祭りとなり、ピースフルな雰囲気が漂う。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午がラオスの10時。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はラオス語(ラオ語)。タイ語もそれなりに通じる模様。
フランス領ではあったがフランス語が通じることはほとんどない。観光分野では英語の通用度が高い。

通貨はキップ、あるいはキープ(LAK)。
補助通貨としてアット(Att;1キップ=100アット)がある。
1キップ=0.15円(15年5月時点)。おおむね10,000キップで150円くらいと覚えておけばよい。

米ドル、タイバーツも通じるが、日本円を現地でキップに両替するのが有利。現地での再両替レートは良くないので都度両替すること。
現地には豊富にATMがあるが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
ホテルは米ドル建ての場合もある。

物価はホテルを除きかなり安め。
ミネラルウォーターが2,000K(キップ)、ローカルレストランで麺などが1万キップ、レストランが5万キップキップ。ホテルはゲストハウスで10USドル、3つ星ホテルなら30~50USドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。

チップは基本不要。ベルボーイやガイドに1ドル程度。高級ホテルでは10%の税金が加算される。


(画像:banknotenews.com)

ビザと治安

15日以内の観光滞在はビザ不要。16日以上であればビザ申請を。
アライバルビザもあるのでそれほど神経質になる必要はない。
外国人は、常にパスポートの携帯が義務付けられている。警官の検問時にパスポートがないと延々と尋問されたり拘束されることもあるので注意。

油断は禁物だが、ぼったくりやしつこい客引きは少ない。
ラオス自体、一党独裁の体制が続いており基本的に治安はよい。
ただし、旅行者をねらったひったくりやホテル・ゲストハウスでの盗難、いかさま賭博などの被害が報告されている。近年では銃器を用いるような凶悪犯罪も増加している。
麻薬の誘惑に触れる機会も多い。もちろん違法であり、麻薬所持の最高刑は死刑。

毎年2月から4月頃までの間は山焼き・野焼きの影響で煙害が発生する。マスク携行を推奨。

ヴィエンチャンとルアンパバーンの間の山岳地帯は反政府武装勢力の拠点であり、基本的に外国人は入境できない。外務省は「渡航の是非を検討」扱いとしている。


市内交通

地下鉄、軽軌道といった公共交通はなく、バスも郊外との接続が中心。
レンタサイクルやトゥクトゥクが便利。
タクシーは快適だが空港タクシーやツアー用のチャーター車が主流で、街中を流していることはない。

(タクシー)
ホテルで呼んでもらうなどしてチャーターする。
交渉制だが、1時間借りてだいたい10USドル位。
まれにメーター制のものもある。初乗り1km15,000キップ程度。

(トゥクトゥク)
三輪バイクタイプ。料金は交渉制で、市内ならおおむね一回(1km程度)で1~2万キップ程度。ワット・シーサケット付近など観光地では強気にふっかけてくるドライバーも多い。

(レンタサイクル)
突然の雨や車道の土埃、炎天下のペダル漕ぎなどヴィエンチャンでの自転車行はなかなかハード。
1日借りて1~4万キップ程度。ギア付のMTBなら5万キップ以上。
安い店や自転車の品質はそれなり。

(バス)
あまり市内観光に便利な路線ばかりではないが、目的地とルートがうまく重なっていれば便利。友好橋、ビア・ラーオ工場などに向かう14番線は比較的利用頻度が高いかも。
路線によっては日本から払い下げられた低床バスが走っている。
バス停以外でも乗り降りでき、乗車は手を上げて停め、降車は降車ボタンで知らせる方式。運賃は徴収に近づいてくる乗務員に払うか、降車時運転手に支払う。


ホテル


Salana Boutique Hotel (トリップアドバイザー提供)

全般に相場は安く、長期滞在者にもうれしい。
ホテルの数は多く建設ラッシュも続いているが、それ以上に増加する旅行者・ビジネス客も多い。オンシーズンは混雑しがち。
適度にきれいで広めの3つ星クラスで4,000~6,000円程度。その値段でプール付の豪華4つ星が見つかることもある。
更に安いクラスなら3,000円程度からあるが、十分に広くて快適。
ゲストハウスならばドミトリーで数百円、個室でも1,000円台。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ラオスの携帯事業者は最大手のLao Telecom(Laotel)、ETL、Unitel、ロシア系Beelineの4社。
外国人でも自由にプリペイドSIMを購入できる。

Laotelのプリペイドプランは1日1ギガで5,000キップ。1ヶ月5ギガで5万キップ、同使い放題で25万キップ。4Gのプランもある模様だがルアンパバーンでの電波状況は未知。

ETLの場合1日300Mで5,000キップ、1週間400Mで1万キップ、1ヶ月2ギガで5万キップなど。

Unitelの場合、1日125Mのパッケージが5,000キップ、1週間250Mで1万キップ、1ヶ月1ギガで4万キップ、同5ギガで10万キップなど。

Beelineは最大21Mbpsの4GUSBモデムとSIMのセットを用意しており、35万キップ。その他3日で500メガのホットプランが1万キップ、1週間500メガで2万5千キップ、1ヶ月1.5ギガで10万キップ、1.2ギガのデータ専用で5万キップなど様々なプランがある。

短期滞在ならBeelineの3日プラン、1週間ならETL、1ヶ月ならLaotelの5ギガプランがお得といったところか。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は5日間で7,500円程度と高め。できれば現地でSIMを調達したい。

(WiFi)
多くのカフェやゲストハウスにはWiFiステッカーが貼ってある。もちろん店員からパスワードさえもらえば無料でつなげ、回線品質もそこそこ。

4. 世界あの街この街: ヴィエンチャン


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第46回 ヴィエンチャン


Vientiane Night Market (トリップアドバイザー提供)

ラオス人民民主共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

エネルギッシュかつどこかゆるい空気、仏教史跡とフランス植民地時代の建築物が混在する街並みが魅力となり年々観光客が増加している。素朴な民芸品の並ぶバザールや屋台巡りも人気。石壺史跡が有名なジャール平原への入り口でもある。

ヴィエンチャンはラオスの首都かつ最大の都市。かつては「世界一何もない首都」と称されたほどだが、近年は経済発展に伴い朝夕のラッシュやクラクション、工事の音が鳴り響くなど急速な発展を遂げている。
しかし、周辺国の都市がギラギラと活気に満ちて住みにくくなっている中、まだまだゆるい雰囲気も保っている。ガイドを片手に観光スポットをあくせく巡るような旅ではなく、ゆったりと余裕をもって訪れたい。
Talat Sao Shopping Mall から ラオ・ブルーワリー・カンパニー・リミティッド   Google マップ
(画像:Google)


そんなヴィエンチャンの観光といえばまずは街歩き。とくに、タラートと呼ばれる市場巡りがおすすめ。暑さに疲れたらカフェに避難するか、ショッピングセンターでク-ラーを浴びよう。

タラート・サーオ(Morning Market)は市内最大規模のショッピングセンター。雑貨やハンディクラフトなどのお土産品から、宝石や家電まで生鮮以外は何でもそろう。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

タラート・クアディンはタラート・サーオから通りを挟んだ向かい側。竹細工や布などのハンディクラフトに加え、生鮮も並んでいる。
タラート・サーオの少し北にあるタラート・トンカンカムは巨大な生鮮市場。生体が生々しく並ぶぶった切りの肉塊や山積みの野菜、メコン川の恵みをうけた川魚やエビなど市場好きにはたまらない雰囲気。

Morning Market (トリップアドバイザー提供)

ヴィエンチャン最大のショッピングモールは15年3月に開業したばかりで、その名もヴィエンチャン・センター。超巨大モールの目立つアジアの中では小ぶりだが、それでも総面積12万平米と現在ラオス一のスケールを誇る。グッチやオメガといった外資系高級ブランドからZARA、ラーメン店まで幅広いテナントが揃っており、将来的にはホテル等が入る複合施設となることを目指している。
ヴィエンチャンセンター1
(画像:Wikipedia)


ヴィエンチャンの観光スポットには寺院が多い。
中でもランドマーク的存在の1つがタート・ルアン。ラオス仏教における最高権威で、ヴィエンチャン住民はもちろんラオス各地の敬虔な仏教徒も多く訪れる。昼は黄金の仏塔が青空によく映え、夜はライトアップされ美しい。


Pha That Luang (トリップアドバイザー提供)

ワット・シーサケットは16世紀に遡るというヴィエンチャン最古の寺で、現在の建物は19世紀に再建されたもの。回廊には無数の仏像が納められており、その数およそ7,000体と三十三間堂以上の規模。

Wat Si Saket (トリップアドバイザー提供)

タート・ルアンと並ぶヴィエンチャンの顔はパリの凱旋門を模したパトゥーサイ。本家パリの凱旋門が高さ50mなのに対し、こちらも高さ45mとひけをとらない威容を誇る。
展望台があり、高い建物に乏しいヴィエンチャンで市内を一望できる数少ないスポット。展望台に向かう途中の階にはお土産屋があるなど何かとほほえましいが、本来は慰霊のためのモニュメントである。
昼も多くの観光客でにぎわうが、夜はライトアップされさらに華やかに。

Patuxait (トリップアドバイザー提供)

夕方になったらメコン川沿いのナイトマーケットへ。
バーで(いくらでもある)ビールを片手に、対岸のタイや沈む夕陽を眺めながらまったり時を過ごそう。

Bor Pen Yang (トリップアドバイザー提供)


ヴィエンチャン観光でひそかに人気なのはラオスの国民的ビール、ビア・ラーオ工場の見学。市街から南、14番線のバスに乗って友好橋方面。運転手にビア・ラ-オ工場と伝えるだけ。
本来は予約制だが、いきなり行っても結構OKだったという声もちらほら。

Beer Lao Brewery near Vientiane (トリップアドバイザー提供)

そして、郊外観光の目玉と言えばワット・シェンクアン、別名ブッダパーク。友好橋を越えてビア・ラーオ工場の先にある。もちろん工場見学とセットで行くのがおすすめ。
ブッダパークはタイの珍寺などと並ぶ東南アジア屈指の珍スポット。それほど威厳のないコンクリ製の仏像(的なもの)が無数に並ぶシュールな様はいろいろな意味で期待を裏切らない。
ブッダパーク
(画像:tabinote・青木大地)

ナムグム湖はヴィエンチャンから北に90km。
水力発電ダムに付随する人工湖で、福岡市とほぼ同じ面積という巨大なもの。ちなみに内陸国、ラオスは電力を100%水力で生み出している。
開発には日本人・日本企業が多く関わり、犠牲者も現地に眠っている。
現在ではボートや島巡り、水上レストランなどもあり観光地化している。

Nam Ngum (Blue Lagoon Resort Laos) (トリップアドバイザー提供)

バンヴィエンはヴィエンチャンの北160kmにあるリゾート。石灰岩の山々や鍾乳洞、ブルーラグーンという碧い湖など豊かな自然に恵まれ、欧米人のツーリストも多い。
ブルーラグーン
(画像:tabinote・青木大地)

ジャール平原はバンヴィエンから北東に陸路200kmほど。
古代につくられたと推定されている謎の石壺が無数に埋まっており、不思議としか言いようのない光景が広がる。旧陸軍参謀の辻政信がこの平原で失踪したというエピソードもあるなど、何かと妄想をかき立てられるスポット。


Plain of Jars (トリップアドバイザー提供)

【ラオス】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Makphet Restaurant (トリップアドバイザー提供)

ラオスの食はベトナム、タイ東北部、中華料理をほどよくミックスしたテイストで、アジアの中では辛さ控えめ。パンやサンドイッチにはベトナム同様フランスの影響が見られる。

食材はもち米とハーブの多用が特徴。内陸国であるが川魚もよくメニューに登場する。

代表的なメニューは粗く刻んだ肉をハーブとライムジュースで味付けしたラープ。タイ料理でもお馴染みのメニューだが、ラオスが本場。鶏肉や豚、レアの牛肉、魚やアヒルのラープまで多彩なバリエーションがある。
他には麺類も豊富で、タイ風、ベトナム風のフォー、中華風の焼きそばや和え麺など毎日でも飽きない。
タイやベトナムでお馴染みのメニューに加え、肉や魚をシンプルに炭火で焼いたり揚げたりしたメニューも多い。

欧米のツーリストも多く訪れるため小洒落たカフェが多いのも特徴。本格的なバケットを使ったサンドイッチやラオス産の蜂蜜を使ったパンケーキなども人気がある。

ラオスのビールといえばビア・ラーオ。
フランス資本で建設されカールスバーグの出資を受けたという本場欧州仕込みの濃厚な風味は氷で割ってよしそのままでよしの万能選手。
国内シェア90%以上とも言われる国民飲料で、東南アジアでもっとも美味しいとの呼び声も高い。


River Spiritr (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からラオスまでの直行便はなく、周辺の東南アジア諸国から入る。
なんといっても空路が豊富なのはタイ経由。日本からバンコクを経由するのが手軽。
ベトナム、カンボジアからのルートも多い。特にベトナム航空は日本からの往復で5万円を切るなどLCCよりも安いことがある。
エアアジアも安い。クアラルンプールからヴィエンチャンまで直行便がある。
意外なところでは、韓国のジンエアーがソウルから就航しており、価格も手ごろ。

ラオスの国内線移動は時間変更や遅延、欠航が日常茶飯事。ヴィエンチャンからの移動も一筋縄ではいかないことがあり、余裕をもってスケジューリングしておきたい。

(陸路)
周辺国の主な都市とをつなぐ国際バスがある。タイやベトナムとの間に路線がある。鉄道もあるがバスがお手軽。
陸路で入国する場合でも、国境ポイントでビザを取得できる。

(空港)
ワッタイ国際空港(Wattay International Airport;VTE)は市街から西に約6kmと近い。国際線と国内線の2ターミナル。国際線ターミナルは日本の援助で1999年に建てられた。軍民共有で、ラオス空軍の基地を兼ねている。

国際線はラオス国営航空の他、タイ国際や中国東方、エアアジア、ジンエアーなどが就航している。

市街地まではプリペイドの定額タクシーで、6USドルまたは54,000キップ。




tabinoteメンバーも愛用!空港滞在時間が長くなりがちな節約旅行でこそ、ラウンジのありがたさが身にしみます。海外旅行には必携の「プライオリティ・パス」
世界100カ国300都市、600ヵ所以上の空港にあるVIPラウンジが無料で使えます。年会費10,800円(税込)の楽天プレミアムカードなら年会費399ドルのプライオリティ・パスが付いてきます。


地理と気候

ラオスはインドシナ半島の内陸深くにある内陸国で、南北に細長い。東にタイ、北に中国、西にタイとミャンマー、南にカンボジアと接している。
ヴィエンチャンはラオスの中央部、タイ国境沿いにある。

5~10月は雨季で、11~4月が乾季。3~4月にかけて猛烈に暑くなる。

基本的には乾季が観光に適しているが、滝やメコン川の雄大な眺め、山盛りの果実が積まれたマーケットを見るならあえて雨季を選ぶのもいい。ホテルも雨季は安め。毎年4月中旬がお祭りとなり、ピースフルな雰囲気が漂う。

日本との時差はマイナス2時間。日本の正午がラオスの10時。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はラオス語(ラオ語)。タイ語もそれなりに通じる模様。
フランス領ではあったがフランス語が通じることはほとんどない。観光分野では英語の通用度が高い。

通貨はキップ、あるいはキープ(LAK)。
補助通貨としてアット(Att;1キップ=100アット)がある。
1キップ=0.15円(15年5月時点)。おおむね10,000キップで150円くらいと覚えておけばよい。

米ドル、タイバーツも通じるが、日本円を現地でキップに両替するのが有利。現地での再両替レートは良くないので都度両替すること。
現地には豊富にATMがあるが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
ホテルは米ドル建ての場合もある。

物価はホテルを除きかなり安め。
ミネラルウォーターが2,000K(キップ)、ローカルレストランで麺などが1万キップ、レストランが5万キップキップ。ホテルはゲストハウスで10USドル、3つ星ホテルなら30~50USドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。

チップは基本不要。ベルボーイやガイドに1ドル程度。高級ホテルでは10%の税金が加算される。


(画像:banknotenews.com)

ビザと治安

15日以内の観光滞在はビザ不要。16日以上であればビザ申請を。
アライバルビザもあるのでそれほど神経質になる必要はない。
外国人は、常にパスポートの携帯が義務付けられている。警官の検問時にパスポートがないと延々と尋問されたり拘束されることもあるので注意。

油断は禁物だが、ぼったくりやしつこい客引きは少ない。
ラオス自体、一党独裁の体制が続いており基本的に治安はよい。
ただし、旅行者をねらったひったくりやホテル・ゲストハウスでの盗難、いかさま賭博などの被害が報告されている。近年では銃器を用いるような凶悪犯罪も増加している。
麻薬の誘惑に触れる機会も多い。もちろん違法であり、麻薬所持の最高刑は死刑。

毎年2月から4月頃までの間は山焼き・野焼きの影響で煙害が発生する。マスク携行を推奨。

ヴィエンチャンとルアンパバーンの間の山岳地帯は反政府武装勢力の拠点であり、基本的に外国人は入境できない。外務省は「渡航の是非を検討」扱いとしている。


市内交通

地下鉄、軽軌道といった公共交通はなく、バスも郊外との接続が中心。
レンタサイクルやトゥクトゥクが便利。
タクシーは快適だが空港タクシーやツアー用のチャーター車が主流で、街中を流していることはない。

(タクシー)
ホテルで呼んでもらうなどしてチャーターする。
交渉制だが、1時間借りてだいたい10USドル位。
まれにメーター制のものもある。初乗り1km15,000キップ程度。

(トゥクトゥク)
三輪バイクタイプ。料金は交渉制で、市内ならおおむね一回(1km程度)で1~2万キップ程度。ワット・シーサケット付近など観光地では強気にふっかけてくるドライバーも多い。

(レンタサイクル)
突然の雨や車道の土埃、炎天下のペダル漕ぎなどヴィエンチャンでの自転車行はなかなかハード。
1日借りて1~4万キップ程度。ギア付のMTBなら5万キップ以上。
安い店や自転車の品質はそれなり。

(バス)
あまり市内観光に便利な路線ばかりではないが、目的地とルートがうまく重なっていれば便利。友好橋、ビア・ラーオ工場などに向かう14番線は比較的利用頻度が高いかも。
路線によっては日本から払い下げられた低床バスが走っている。
バス停以外でも乗り降りでき、乗車は手を上げて停め、降車は降車ボタンで知らせる方式。運賃は徴収に近づいてくる乗務員に払うか、降車時運転手に支払う。


ホテル


Salana Boutique Hotel (トリップアドバイザー提供)

全般に相場は安く、長期滞在者にもうれしい。
ホテルの数は多く建設ラッシュも続いているが、それ以上に増加する旅行者・ビジネス客も多い。オンシーズンは混雑しがち。
適度にきれいで広めの3つ星クラスで4,000~6,000円程度。その値段でプール付の豪華4つ星が見つかることもある。
更に安いクラスなら3,000円程度からあるが、十分に広くて快適。
ゲストハウスならばドミトリーで数百円、個室でも1,000円台。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ラオスの携帯事業者は最大手のLao Telecom(Laotel)、ETL、Unitel、ロシア系Beelineの4社。
外国人でも自由にプリペイドSIMを購入できる。

Laotelのプリペイドプランは1日1ギガで5,000キップ。1ヶ月5ギガで5万キップ、同使い放題で25万キップ。4Gのプランもある模様だがルアンパバーンでの電波状況は未知。

ETLの場合1日300Mで5,000キップ、1週間400Mで1万キップ、1ヶ月2ギガで5万キップなど。

Unitelの場合、1日125Mのパッケージが5,000キップ、1週間250Mで1万キップ、1ヶ月1ギガで4万キップ、同5ギガで10万キップなど。

Beelineは最大21Mbpsの4GUSBモデムとSIMのセットを用意しており、35万キップ。その他3日で500メガのホットプランが1万キップ、1週間500メガで2万5千キップ、1ヶ月1.5ギガで10万キップ、1.2ギガのデータ専用で5万キップなど様々なプランがある。

短期滞在ならBeelineの3日プラン、1週間ならETL、1ヶ月ならLaotelの5ギガプランがお得といったところか。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は5日間で7,500円程度と高め。できれば現地でSIMを調達したい。

(WiFi)
多くのカフェやゲストハウスにはWiFiステッカーが貼ってある。もちろん店員からパスワードさえもらえば無料でつなげ、回線品質もそこそこ。