4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第38回 マニラ

マニラ首都圏の旅行ガイド
マニラ首都圏 (トリップアドバイザー提供)

フィリピン共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

スペイン統治の街並みや教会といった史跡、近代的な高層ビル群、ディープな下町など様々な顔が共存する活気ある大都市。街歩き、屋台料理、巨大なモールでのショッピング、スパ、カジノなど都会の楽しみはもちろん、ゴルフ、ダイビングといった自然を活かしたアクティビティも人気。

マニラはマニラ市とそれをとりまく広域都市群からなるマニラ首都圏の総称。首都圏のサイズは東京23区ほどもあり広大だが、観光客の行くエリアは限られている。

スペイン時代の史跡が多く集まるのはマニラ地区。
その南にはホテルやカフェの集まる旅行者の街、エルミタ&マラテ地区。更にその南東、マカティ地区は高層ビルの建ち並ぶエリアで、リトルトーキョーがある。一方マニラ地区からパッシグ川を超えて北に向かうとチャイナタウンとなる。
manila
(地図:Google、A-サン・オウガスチン教会、B-マニラ大聖堂、C-イントラムロス、D-サンチャゴ要塞・リサール記念館、E-エルミタ&マラテ地区(サンアドレスマーケット)、F-マカティ地区(リトルトーキョー)、G-チャイナタウン、I-空軍博物館)


マニラ地区は重厚な歴史の詰まったエリア。
「壁に囲われた街」という意味のイントラムロスはスペイン植民地時代に建造された城塞都市で、スペイン人とその混血が居住していた。大戦で破壊されたものの、未だに城壁やスペイン風の建物・石畳が残っている。

イントラムロスの痕跡を色濃く残すのはサン・オウガスチン教会。14世紀に遡るというフィリピン最古の教会で、重厚な石造りの建築は大戦や天災を生き残った。1993年にはフィリピン初の世界遺産として登録されている。

San Agustin Church (トリップアドバイザー提供)

マニラ大聖堂はカトリック大国フィリピンで最も権威ある教会。第二次大戦で破壊されたがその後再建された。
壮麗なファサードやステンドグラス、巨大なパイプオルガンなどが旅行者に人気。

Manila Cathedral (トリップアドバイザー提供)

Manila Cathedral (トリップアドバイザー提供)

イントラムロスの北西にあるのがサンチャゴ要塞。
城塞都市の砦として建造されたもので、スペインからの独立運動を指揮した国民的英雄であるホセ・リサールが処刑されるまでを過ごした場所で、もある。リサール記念館が併設されており、砦内の見学や記念館の展示、大戦時にフィリピン人捕虜が日本軍によって命を失った水牢など、見どころは多い。

Fort Santiago (トリップアドバイザー提供)

エルミタ&マラテ地区(Ermita and Malate)は高架鉄道U.N.アベニューとキリノ駅(Quirino)の間あたり。マニラ湾に沿った大通り(ロハス通り;Roxas)には高級ホテルやカジノ、カフェなどが並んでいる。湾の内側には巨大ショッピングセンターのロビンソンをはじめ、店舗やレストランが建ち並ぶ。キリノ駅近くのサンアドレスマーケットは有名な高級フルーツ店。

Malate District (トリップアドバイザー提供)

マカティ地区(Makati)は比較的治安もよく、日本料理店も多いなど何かと安心なエリア。物価は高めだが、近代的なショッピングセンターから夜遊びまでそろう。

Makati (トリップアドバイザー提供)

パッシグ川の北はチャイナタウン。イントラムロスから歩いて橋を渡ると中華風の入り口が見えてくる。チャイナタウンは西に向かって延びており、中華レストランや雑貨の散策などが楽しいエリア。旧正月は街が飾り付けで賑わう。
チャイナタウンに背を向けて東に向かうとキアポ(Quiapo)地区。キアポ教会と市場が有名なエリアで地元民が多い。かつて政変の舞台となったマラカニアン宮殿もこのエリアにある。

Old Manila Walks -Day Tours (トリップアドバイザー提供)


マニラ湾に面した巨大なショッピングセンターは「SMモール・オブ・エイジア」。延べ床面積は約40万平方メートル(イオンレイクタウンの1.7倍)と世界でも屈指の規模を誇る超巨大モールで、東京ドーム8個分の敷地に800のテナントが集う。モール内にアイススケートリンクもあるなどに何もかも規格外で、モールマニアならこのためだけにでも訪れたくなる。
周辺のマニラ湾沿い埋め立て地は再開発が進んでおり、巨大なカジノホテルや水族館などがある。

SM Mall of Asia Arena
(トリップアドバイザー提供)

フィリピン空軍博物館はニノイ・アキノ国際空港に隣接しており、第3ターミナルから歩いて行けるほど近い(空港ゲートでパスポートと引き替えに入場許可証を受け取る)。YS-11などマニアックな展示もあるが、ここで有名なのはなんといっても小野田寛郎元少尉に関連するもの。当時の携行品や銃など、一人で30年間を戦いぬいた記録が残されている。

Philippine Air Force–Aerospace Museum
(トリップアドバイザー提供)


エルミタ&マラテ地区には旅行会社が多く集まっている。離島巡りやゴルフなど、様々なツアーをアレンジできる。
中でもルソン島北部のバナウェは世界8番目の不思議と称される見事な棚田で有名。標高2,000mを超えるコルディエラ山脈のトレッキングも人気がある。

Banaue Rice Terraces (トリップアドバイザー提供)

ルソン島は火山地帯で、噴火で甚大な被害を出した標高1,500mのピナツボ火山、標高295m!という世界で最も低い活火山、2,000mを超える高峰までバラエティに富んでいる。
マニラの南60kmにあるタガイタイは高級リゾート、ここにあるタール山が世界で最も低い活火山。30分程度で登れ、低山だが景色も雄大。

山容の美しさで有名なのが標高2500mのマヨン火山。マニラの南東550kmにあるレガスピを拠点にして登るのが一般的。

Mayon Volcano (トリップアドバイザー提供)

ビーチリゾートも多い。マニラから南西に100km程度のナスブや南に同じく100kmのアニラオなど、透明な海でのダイビングやスノーケリングが人気。南のミンドロ島、北部のハンドレット・アイランズまで足を伸ばせば海の美しさを存分に味わえる。

Burot Beach (トリップアドバイザー提供)

もし3月~4月の復活祭の時期にフィリピンに行くようなら、ぜひマニラから北に50kmのサンフェルナンドに訪れてみよう。キリストの受難を再現する祭りが有名で、本当に皮膚が裂けるほどむち打たれ十字架に釘付けにされる信者達の姿は圧巻。心臓の弱い人は避けた方がいいかも。
12月にはランタンフェスティバルが催されるなど何かとイベントが多い街。なお、マニラの北260kmのラ・ユニオン州にもサンフェルナンドという都市があるので注意。
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(画像::Wikipedia)

移動で疲れたらスパへ。外資系のホテルなら日本の同チェーンより格段に安いのでホテルステイを目的にするのもおすすめ。もちろん市街のローカル店なら1時間500~600円とタイや中国並みの激安価格だが、最終日のみ贅沢するのもいい。

New World Manila Bay Hotel (トリップアドバイザー提供)

【最低価格保証】フィリピンのオプショナルツアー予約なら VELTRA



This photo of Savory Chicken is courtesy of TripAdvisor

フィリピンの食は激動の歴史を反映したユニークなもの。
東南アジアの味覚がおおむね(タイ+中華+インド)÷3的なものであるのに対し、フィリピンはスペインの影響が強く辛さも控えめ。砂糖の甘みや魚醤のコク、タマリンドの酸味などを生かした味付けが特徴的。
米を主食とし、豚肉料理が多い。また、シーフードもおすすめ。

スパイスに漬けた肉のタレ焼きや魚のココナツミルク煮、マンゴーサラダなどアジア風のテイストから、ローストチキンや牛シチューといったスペイン風、麺や炒め物といった中華風などバラエティに富んでいる。海ぶどうやゴーヤ炒めなど沖縄料理に似たものも。

アメリカの影響を感じさせるのがファーストフード。
今やアジアにも進出するジョリビーはフィリピンが本場。ハンバーガーからパスタまで豊富なメニューで、フィリピン人のソウルフードとなっている。

甘味の代表格は日本でもお馴染みとなったハロハロ。
飲料はコーヒーが主流。アルコールは「サン・ミゲル」に代表されるビールやココナツの蒸留酒などがある。


Casa Manila (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本から近く交流も盛んなことから空路の選択肢は多く、かえってまよわしい結果となっている。

JAL、ANA、フィリピン航空のマニラ直行便が毎日数便運行している。
フィリピン航空は東京の他関空、中部、福岡便もあり、直行便では最安となることが多いが、JALやANAともそれほど変わらない(ANA便は一部フィリピン航空とコードシェアで運航)。おおむね5万~6万円程度。
デルタ航空のアメリカ発(デトロイト)日本経由マニラ便も直行便同様に利用できるがあまり安くない。
成田からはLCCのセブパシフィックがあり、直行便もしくはセブ経由便がある。LCCでありいち早く燃油を廃止(15年1月時点)したセブパシフィックであるが、残念ながらそれほど安くない(おおむねフィリピン航空の方が安い)。
関空はフィリピン航空の他、LCCのジェットスターやセブパシフィックも利用できる。
ジェットスターは直行便で往復2万円台~と安い。

関東からであればフィリピン航空か日系エアラインいずれか、関西であればジェットスター、キャンペーンが安ければセブパシフィックといったところ。

パッケージツアーも4日間のプランが6万円程度で済み、お得度が高い。

(空港)
マニラの玄関口は、ニノイ・アキノ国際空港(Ninoy Aquino International Airport、MNL)。
マニラ都心の南に約8km、マカティ都心部から約5kmと近い。

ターミナルは4つあり、それぞれ離れている。
第1ターミナルは国際線専用で、日本からはJAL便が発着する。他、ジェットスターの関空便、大韓航空や中国国際航空もこのターミナルを利用する。老朽化のためリニューアル工事中。
第2ターミナルはフィリピン航空専用。国内線・国際線を問わず全便が発着する。
第3ターミナルはANA、セブパシフィック、キャセイ便など。
第4ターミナルはエアアジア・フィリピンやタイガーエア・フィリピンなどのLCCが利用。

空港の評価はハード面・ソフト面共に最悪レベルとされ、Sleeping in Airportsによる「Worst Airports」ランキングの常連(2014年は第4位)。
老朽化しあちこち設備が壊れた第1ターミナル、イミグレーションや税関の高圧的かつ非協力的な態度や空港係員によるたかり、窃盗、ぼったくりタクシーなどがヤリ玉に上がっている。逆に行ってみたくなるという空港マニアも多いとか…。

市内までは近いためタクシーが主流。ターミナル1、2の前はロータリーとなっておりタクシーやジプニーがたむろしている。
定額制のクーポンタクシーは市街まで800ペソ程度。プリペイドではなく降車時に支払う。
黄色のエアポートタクシーは(イエロータクシー)はもう少し安く、初乗り70ペソ、市街まで500ペソ程度。
一般タクシーは初乗り40ペソだが素直にメーターで行ってくれるとは限らない。出発階まで移動し、人を乗せた後のタクシーを捕まえると良い。
また、治安面からはホテルに送迎を頼むのも手。




tabinoteメンバーも愛用!空港滞在時間が長くなりがちな節約旅行でこそ、ラウンジのありがたさが身にしみます。海外旅行には必携の「プライオリティ・パス」
世界100カ国300都市、600ヵ所以上の空港にあるVIPラウンジが無料で使えます。年会費10,800円(税込)の楽天プレミアムカードなら年会費399ドルのプライオリティ・パスが付いてきます。


地理と気候

フィリピンは大小7,000超もの島々からなる群島国家。
マニラはフィリピン諸島北部、ルソン島の中西部に位置する。

典型的な熱帯性気候で、年間を通じて昼の気温は30度以上となり暑い。
季節は乾季と雨季に分かれ、12月から4月が乾季、5~11月が雨季。ベストシーズンは湿度が低く過ごしやすい12月~2月。3月~5月は昼の暑さが厳しい。
カトリック教徒が多いため、毎年3~4月のホーリーウィーク(聖週間)とクリスマスはハイシーズンとなる。この時期レストランが休業することもあり注意。

雨季には激しいスコールが降る他、7月から10月にかけては台風の直撃をうけることも多い。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午がフィリピンの11時。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はタガログ語、英語。
アジアでも最も英語が通じる国の1つであり、言葉の心配は殆ど無い。識字率もほぼ100%。
街中で日本語を用い親しげに話しかけてくる相手は信用しないこと。

通貨はフィリピン・ペソ(PHP)。
センタボという補助通貨があるが(100centavos=1peso)、ほとんど使われていない。
1ペソ=2.66円(15年1月時点)。おおむね3円弱と覚えておけばよい。

日本円を現地で両替するのが最も有利。
現地での再両替レートは良くないので都度両替すること。再両替の際に両替時にもらったレシートの提示を求められることがある。
両替はごまかしが横行しているので受け取ったあとよく確認すること。

現地には豊富にATMがあり、HBSCやシティバンクなど外資系銀行の支店も多い。
しかしなぜか日本のカードを受け付けなかったり、故障している場合もあるので頼りすぎは危険。多少は現金を用意していった方がよい。
一回10,000ペソ程度の引き出し限度額が設定されている。

外食、街で購入する食品や日用品の物価はおおむね日本の1/3~1/5程度と考えればよい。
外食はローカルの食堂で50~100ペソ、モール内の比較的きれいなレストランなら500ペソ。
ミネラルウォーター20ペソ、ビールが30ペソ、マッサージ1時間200ペソ、タクシー初乗り40ペソ。

クレジットカードはホテル、レストラン、ショッピングモールなどで利用できる。

もともとチップの習慣はないが、観光に係わる人達はチップを期待しており、実際にサービスレベルに違いが出てくる。
ポーターには10ペソ程度、タクシーはおつりの端数か10~20ペソ程度、レストランなら5~10%程度(サービス料が含まれていれば不要)。
何度か行くことになったレストランやホテルのスタッフにはやや大目に渡し(50~100ペソ/回程度)、関係をよくしておくと困ったときに親切にしてくれるかもしれない。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

30日間以内の観光滞在ならビザ不要。入国時にツーリストビザとしてスタンプが押されるしくみ。

治安はフィリピン旅行の最大の難点。
窃盗や詐欺など旅行者が巻き込まれやすい犯罪はもちろん、毎年のように日本人の殺人事件被害者が出ている国はフィリピンくらいかも…(2008年は8件!、以降2009年3件、2010年5件、2011年1件、2012年5件、2013年1件)。
犯罪の種類は、大きく窃盗・詐欺などと強盗・殺人などの凶悪犯罪に分かれるが、窃盗犯が凶器を保有しいとも簡単に重大事案に発展するのもフィリピンの特徴。銃器が出回っており、凶悪犯は躊躇なく使う。

まずは被害件数が多いすり、置き引きに注意。
人出の多いショッピングモールや駅、空港、レストラン、ホテルロビーでの置き引き、公共交通機関(バス、ジプニーなど)でのスリ、ホテル居室での窃盗などが報告されている。
空港は鬼門で、手荷物のすり替えや置き引き、税関によるゆすりたかり、ぼったくりタクシーなどが発生している。

いかさま賭博、ぼったくりバーやポン引き、美人局(つつもたせ)の被害も多い。欲をかくとえらい目に遭う。麻薬はもちろん御法度で重罪。麻薬タレコミ者への報奨金目当てでわざと外国人を陥れる事例も報告されている。
荒っぽい犯罪としては、睡眠薬強盗、ニセ警官による強盗監禁やゆすりたかり(本物の警官が混じっていてタチが悪い)、タクシーへの強盗、タクシー運転手自身の強盗、路上強盗など。

繁華街、治安の悪いエリアでは窃盗から強盗殺人まであらゆる犯罪に注意が必要。白昼でも油断できない。特にキアポ、チャイナタウン付近。現地人が集まるナイトクラブや教会の周辺も要注意。
常に身辺に気を配ると共に、夜一人で出歩かない、多額の金銭を持ち歩かない、ホテルスタッフにはにこやかに応対する(フィリピン人はプライドが高い)など、トラブルを避ける工夫が必要。


市内交通

アジアの大都市といった感じで、運転マナーは全般に悪い。
所構わず渋滞し、昼夜問わずクラクションが鳴り響く。

(高架鉄道)
公共交通は高架軽軌道。
3線あり、Line1がマニラ湾沿いを、Line3が内陸側を南北に結んでいる。Line2は東西方向。料金は各線ごとに異なるが、1~4駅ならおおむね12ペソ程度。Line1と2の駅ではプリペイドカード(60ペソ~)を購入できる。

(タクシー)
メーター制だが、メーターを使ってくれないタクシーも多い。
大手のタクシー会社はR&E TAXI、EMP TAXIなど。個人タクシーも多く、車体側面にTAXIと表示されており屋根に看板がついている。
メーターの場合初乗り40ペソ程度、250m毎に3.5ペソ加算。
イエロータクシーはやや高く、初乗り70ペソ、300m毎に4ペソ加算。
おつりを持っていないことが多いので小銭の用意を推奨。チップは端数を切り上げる位でよい。

タクシーの評判はあまり良くない。メーターを使わない、インチキメーター、遠回りや謎チャージのぼったくりなど枚挙にいとまなく、ベトナムやインドと並び最悪の部類という声もあるほど。
安全性を重視するなら、ホテルのフロントでタクシーを呼んでもらうのがよい。また、会社のタクシーやきれいな車体のクルマも比較的安心。乗車前に行き先をにこやかに伝え(フィリピン人はプライドが高いので高圧的な態度はタブー)、だいたいの価格を聞いておければなおよい。乗車前にナンバーをスマホのカメラでこれ見よがしに撮影するなどさりげない自己防衛も役立つかも。

(ジプニー)
派手な塗装の乗り合いバス。
路線図はなく、行き先が車体に書いてある。
停留所は特になく、任意の場所で乗り降りするしくみ。
乗るときは手を上げて停まったら乗車、降りるときはドライバーに告げるか天井を叩くなどして知らせる。運賃は運転手に手渡す。料金はおおむね9ペソだが距離によって異なる。

Marikina (トリップアドバイザー提供)

(レンタサイクル・バイク)
いくつか業者があるものの、交通状態が悪いためあまりおすすめできない。


ホテル

5つ星の豪華ホテルで2万円程度、4つ星で1万円、3つ星ホテルで5千円程度が相場。
家族利用を見越して、部屋は大きめだが値段もやや高め。

ゲストハウスはドミトリーで1,500円程度、個室が2,000円程度。いわゆるドミトリーはそれほど多くなく、個室が主流。見た目が新しくても水回りが最悪だったりする。レビューを読んで納得の宿を選びたい。

ちなみに、マニラの場合ホテル内での置き引き、部屋やセーフティボックスからの窃盗もめずらしくない。繁華街に近いなど治安の悪そうな場所のホテルは避けた方が無難。マカティ地区などビジネス街に近い方が安心できる。
安宿は評判をよく見て選ぶことを推奨。上掲通りホテルスタッフには少しチップをはずんでおくとよいかも。
ただし、治安のよい場所に建つ評判の良い高級ホテルが信頼できるとも限らない模様…。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
フィリピンの携帯事業者はSmart、Globe Telecom、Sun。
海外旅行者でも携帯ショップやコンビニで容易に購入でき、パスポートも不要。ただしアクティベートには若干時間がかかる場合もあるので、購入ショップで設定してもらうのがよい。

Smartの場合は1日データ使い放題プラン(LTE)が50ペソ、7日間が299ペソ、30日間で995ペソ。2日間有効のLTEパッケージ(Jump In Sim with LTE)というものもある(15ペソ)。

Globeの場合は1日50メガプランが30ペソ、3日間250Mプランが120ペソ、30日の場合700メガで299ペソ、1.5ギガで499ペソ、3ギガで799ペソ、5ギガで999ペソ。

Sunの場合は1日45メガプランが20ペソ、70メガプランが30ペソ。30日700メガで299ペソ、1.5ギガで499ペソ。

日本からWiFiルーターを借りていった場合でも1日あたり600円と比較的安め。

(WiFi)
フィリピンではホテル、カフェ、ショッピングモールなど至る所でフリーWiFiが提供されており、接続に困ることはない。

4. 世界あの街この街: マニラ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第38回 マニラ

マニラ首都圏の旅行ガイド
マニラ首都圏 (トリップアドバイザー提供)

フィリピン共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

スペイン統治の街並みや教会といった史跡、近代的な高層ビル群、ディープな下町など様々な顔が共存する活気ある大都市。街歩き、屋台料理、巨大なモールでのショッピング、スパ、カジノなど都会の楽しみはもちろん、ゴルフ、ダイビングといった自然を活かしたアクティビティも人気。

マニラはマニラ市とそれをとりまく広域都市群からなるマニラ首都圏の総称。首都圏のサイズは東京23区ほどもあり広大だが、観光客の行くエリアは限られている。

スペイン時代の史跡が多く集まるのはマニラ地区。
その南にはホテルやカフェの集まる旅行者の街、エルミタ&マラテ地区。更にその南東、マカティ地区は高層ビルの建ち並ぶエリアで、リトルトーキョーがある。一方マニラ地区からパッシグ川を超えて北に向かうとチャイナタウンとなる。
manila
(地図:Google、A-サン・オウガスチン教会、B-マニラ大聖堂、C-イントラムロス、D-サンチャゴ要塞・リサール記念館、E-エルミタ&マラテ地区(サンアドレスマーケット)、F-マカティ地区(リトルトーキョー)、G-チャイナタウン、I-空軍博物館)


マニラ地区は重厚な歴史の詰まったエリア。
「壁に囲われた街」という意味のイントラムロスはスペイン植民地時代に建造された城塞都市で、スペイン人とその混血が居住していた。大戦で破壊されたものの、未だに城壁やスペイン風の建物・石畳が残っている。

イントラムロスの痕跡を色濃く残すのはサン・オウガスチン教会。14世紀に遡るというフィリピン最古の教会で、重厚な石造りの建築は大戦や天災を生き残った。1993年にはフィリピン初の世界遺産として登録されている。

San Agustin Church (トリップアドバイザー提供)

マニラ大聖堂はカトリック大国フィリピンで最も権威ある教会。第二次大戦で破壊されたがその後再建された。
壮麗なファサードやステンドグラス、巨大なパイプオルガンなどが旅行者に人気。

Manila Cathedral (トリップアドバイザー提供)

Manila Cathedral (トリップアドバイザー提供)

イントラムロスの北西にあるのがサンチャゴ要塞。
城塞都市の砦として建造されたもので、スペインからの独立運動を指揮した国民的英雄であるホセ・リサールが処刑されるまでを過ごした場所で、もある。リサール記念館が併設されており、砦内の見学や記念館の展示、大戦時にフィリピン人捕虜が日本軍によって命を失った水牢など、見どころは多い。

Fort Santiago (トリップアドバイザー提供)

エルミタ&マラテ地区(Ermita and Malate)は高架鉄道U.N.アベニューとキリノ駅(Quirino)の間あたり。マニラ湾に沿った大通り(ロハス通り;Roxas)には高級ホテルやカジノ、カフェなどが並んでいる。湾の内側には巨大ショッピングセンターのロビンソンをはじめ、店舗やレストランが建ち並ぶ。キリノ駅近くのサンアドレスマーケットは有名な高級フルーツ店。

Malate District (トリップアドバイザー提供)

マカティ地区(Makati)は比較的治安もよく、日本料理店も多いなど何かと安心なエリア。物価は高めだが、近代的なショッピングセンターから夜遊びまでそろう。

Makati (トリップアドバイザー提供)

パッシグ川の北はチャイナタウン。イントラムロスから歩いて橋を渡ると中華風の入り口が見えてくる。チャイナタウンは西に向かって延びており、中華レストランや雑貨の散策などが楽しいエリア。旧正月は街が飾り付けで賑わう。
チャイナタウンに背を向けて東に向かうとキアポ(Quiapo)地区。キアポ教会と市場が有名なエリアで地元民が多い。かつて政変の舞台となったマラカニアン宮殿もこのエリアにある。

Old Manila Walks -Day Tours (トリップアドバイザー提供)


マニラ湾に面した巨大なショッピングセンターは「SMモール・オブ・エイジア」。延べ床面積は約40万平方メートル(イオンレイクタウンの1.7倍)と世界でも屈指の規模を誇る超巨大モールで、東京ドーム8個分の敷地に800のテナントが集う。モール内にアイススケートリンクもあるなどに何もかも規格外で、モールマニアならこのためだけにでも訪れたくなる。
周辺のマニラ湾沿い埋め立て地は再開発が進んでおり、巨大なカジノホテルや水族館などがある。

SM Mall of Asia Arena
(トリップアドバイザー提供)

フィリピン空軍博物館はニノイ・アキノ国際空港に隣接しており、第3ターミナルから歩いて行けるほど近い(空港ゲートでパスポートと引き替えに入場許可証を受け取る)。YS-11などマニアックな展示もあるが、ここで有名なのはなんといっても小野田寛郎元少尉に関連するもの。当時の携行品や銃など、一人で30年間を戦いぬいた記録が残されている。

Philippine Air Force–Aerospace Museum
(トリップアドバイザー提供)


エルミタ&マラテ地区には旅行会社が多く集まっている。離島巡りやゴルフなど、様々なツアーをアレンジできる。
中でもルソン島北部のバナウェは世界8番目の不思議と称される見事な棚田で有名。標高2,000mを超えるコルディエラ山脈のトレッキングも人気がある。

Banaue Rice Terraces (トリップアドバイザー提供)

ルソン島は火山地帯で、噴火で甚大な被害を出した標高1,500mのピナツボ火山、標高295m!という世界で最も低い活火山、2,000mを超える高峰までバラエティに富んでいる。
マニラの南60kmにあるタガイタイは高級リゾート、ここにあるタール山が世界で最も低い活火山。30分程度で登れ、低山だが景色も雄大。

山容の美しさで有名なのが標高2500mのマヨン火山。マニラの南東550kmにあるレガスピを拠点にして登るのが一般的。

Mayon Volcano (トリップアドバイザー提供)

ビーチリゾートも多い。マニラから南西に100km程度のナスブや南に同じく100kmのアニラオなど、透明な海でのダイビングやスノーケリングが人気。南のミンドロ島、北部のハンドレット・アイランズまで足を伸ばせば海の美しさを存分に味わえる。

Burot Beach (トリップアドバイザー提供)

もし3月~4月の復活祭の時期にフィリピンに行くようなら、ぜひマニラから北に50kmのサンフェルナンドに訪れてみよう。キリストの受難を再現する祭りが有名で、本当に皮膚が裂けるほどむち打たれ十字架に釘付けにされる信者達の姿は圧巻。心臓の弱い人は避けた方がいいかも。
12月にはランタンフェスティバルが催されるなど何かとイベントが多い街。なお、マニラの北260kmのラ・ユニオン州にもサンフェルナンドという都市があるので注意。
640px-Cutud_Lenten_Rites
(画像::Wikipedia)

移動で疲れたらスパへ。外資系のホテルなら日本の同チェーンより格段に安いのでホテルステイを目的にするのもおすすめ。もちろん市街のローカル店なら1時間500~600円とタイや中国並みの激安価格だが、最終日のみ贅沢するのもいい。

New World Manila Bay Hotel (トリップアドバイザー提供)

【最低価格保証】フィリピンのオプショナルツアー予約なら VELTRA



This photo of Savory Chicken is courtesy of TripAdvisor

フィリピンの食は激動の歴史を反映したユニークなもの。
東南アジアの味覚がおおむね(タイ+中華+インド)÷3的なものであるのに対し、フィリピンはスペインの影響が強く辛さも控えめ。砂糖の甘みや魚醤のコク、タマリンドの酸味などを生かした味付けが特徴的。
米を主食とし、豚肉料理が多い。また、シーフードもおすすめ。

スパイスに漬けた肉のタレ焼きや魚のココナツミルク煮、マンゴーサラダなどアジア風のテイストから、ローストチキンや牛シチューといったスペイン風、麺や炒め物といった中華風などバラエティに富んでいる。海ぶどうやゴーヤ炒めなど沖縄料理に似たものも。

アメリカの影響を感じさせるのがファーストフード。
今やアジアにも進出するジョリビーはフィリピンが本場。ハンバーガーからパスタまで豊富なメニューで、フィリピン人のソウルフードとなっている。

甘味の代表格は日本でもお馴染みとなったハロハロ。
飲料はコーヒーが主流。アルコールは「サン・ミゲル」に代表されるビールやココナツの蒸留酒などがある。


Casa Manila (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
日本から近く交流も盛んなことから空路の選択肢は多く、かえってまよわしい結果となっている。

JAL、ANA、フィリピン航空のマニラ直行便が毎日数便運行している。
フィリピン航空は東京の他関空、中部、福岡便もあり、直行便では最安となることが多いが、JALやANAともそれほど変わらない(ANA便は一部フィリピン航空とコードシェアで運航)。おおむね5万~6万円程度。
デルタ航空のアメリカ発(デトロイト)日本経由マニラ便も直行便同様に利用できるがあまり安くない。
成田からはLCCのセブパシフィックがあり、直行便もしくはセブ経由便がある。LCCでありいち早く燃油を廃止(15年1月時点)したセブパシフィックであるが、残念ながらそれほど安くない(おおむねフィリピン航空の方が安い)。
関空はフィリピン航空の他、LCCのジェットスターやセブパシフィックも利用できる。
ジェットスターは直行便で往復2万円台~と安い。

関東からであればフィリピン航空か日系エアラインいずれか、関西であればジェットスター、キャンペーンが安ければセブパシフィックといったところ。

パッケージツアーも4日間のプランが6万円程度で済み、お得度が高い。

(空港)
マニラの玄関口は、ニノイ・アキノ国際空港(Ninoy Aquino International Airport、MNL)。
マニラ都心の南に約8km、マカティ都心部から約5kmと近い。

ターミナルは4つあり、それぞれ離れている。
第1ターミナルは国際線専用で、日本からはJAL便が発着する。他、ジェットスターの関空便、大韓航空や中国国際航空もこのターミナルを利用する。老朽化のためリニューアル工事中。
第2ターミナルはフィリピン航空専用。国内線・国際線を問わず全便が発着する。
第3ターミナルはANA、セブパシフィック、キャセイ便など。
第4ターミナルはエアアジア・フィリピンやタイガーエア・フィリピンなどのLCCが利用。

空港の評価はハード面・ソフト面共に最悪レベルとされ、Sleeping in Airportsによる「Worst Airports」ランキングの常連(2014年は第4位)。
老朽化しあちこち設備が壊れた第1ターミナル、イミグレーションや税関の高圧的かつ非協力的な態度や空港係員によるたかり、窃盗、ぼったくりタクシーなどがヤリ玉に上がっている。逆に行ってみたくなるという空港マニアも多いとか…。

市内までは近いためタクシーが主流。ターミナル1、2の前はロータリーとなっておりタクシーやジプニーがたむろしている。
定額制のクーポンタクシーは市街まで800ペソ程度。プリペイドではなく降車時に支払う。
黄色のエアポートタクシーは(イエロータクシー)はもう少し安く、初乗り70ペソ、市街まで500ペソ程度。
一般タクシーは初乗り40ペソだが素直にメーターで行ってくれるとは限らない。出発階まで移動し、人を乗せた後のタクシーを捕まえると良い。
また、治安面からはホテルに送迎を頼むのも手。




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地理と気候

フィリピンは大小7,000超もの島々からなる群島国家。
マニラはフィリピン諸島北部、ルソン島の中西部に位置する。

典型的な熱帯性気候で、年間を通じて昼の気温は30度以上となり暑い。
季節は乾季と雨季に分かれ、12月から4月が乾季、5~11月が雨季。ベストシーズンは湿度が低く過ごしやすい12月~2月。3月~5月は昼の暑さが厳しい。
カトリック教徒が多いため、毎年3~4月のホーリーウィーク(聖週間)とクリスマスはハイシーズンとなる。この時期レストランが休業することもあり注意。

雨季には激しいスコールが降る他、7月から10月にかけては台風の直撃をうけることも多い。

日本との時差はマイナス1時間。日本の正午がフィリピンの11時。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はタガログ語、英語。
アジアでも最も英語が通じる国の1つであり、言葉の心配は殆ど無い。識字率もほぼ100%。
街中で日本語を用い親しげに話しかけてくる相手は信用しないこと。

通貨はフィリピン・ペソ(PHP)。
センタボという補助通貨があるが(100centavos=1peso)、ほとんど使われていない。
1ペソ=2.66円(15年1月時点)。おおむね3円弱と覚えておけばよい。

日本円を現地で両替するのが最も有利。
現地での再両替レートは良くないので都度両替すること。再両替の際に両替時にもらったレシートの提示を求められることがある。
両替はごまかしが横行しているので受け取ったあとよく確認すること。

現地には豊富にATMがあり、HBSCやシティバンクなど外資系銀行の支店も多い。
しかしなぜか日本のカードを受け付けなかったり、故障している場合もあるので頼りすぎは危険。多少は現金を用意していった方がよい。
一回10,000ペソ程度の引き出し限度額が設定されている。

外食、街で購入する食品や日用品の物価はおおむね日本の1/3~1/5程度と考えればよい。
外食はローカルの食堂で50~100ペソ、モール内の比較的きれいなレストランなら500ペソ。
ミネラルウォーター20ペソ、ビールが30ペソ、マッサージ1時間200ペソ、タクシー初乗り40ペソ。

クレジットカードはホテル、レストラン、ショッピングモールなどで利用できる。

もともとチップの習慣はないが、観光に係わる人達はチップを期待しており、実際にサービスレベルに違いが出てくる。
ポーターには10ペソ程度、タクシーはおつりの端数か10~20ペソ程度、レストランなら5~10%程度(サービス料が含まれていれば不要)。
何度か行くことになったレストランやホテルのスタッフにはやや大目に渡し(50~100ペソ/回程度)、関係をよくしておくと困ったときに親切にしてくれるかもしれない。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

30日間以内の観光滞在ならビザ不要。入国時にツーリストビザとしてスタンプが押されるしくみ。

治安はフィリピン旅行の最大の難点。
窃盗や詐欺など旅行者が巻き込まれやすい犯罪はもちろん、毎年のように日本人の殺人事件被害者が出ている国はフィリピンくらいかも…(2008年は8件!、以降2009年3件、2010年5件、2011年1件、2012年5件、2013年1件)。
犯罪の種類は、大きく窃盗・詐欺などと強盗・殺人などの凶悪犯罪に分かれるが、窃盗犯が凶器を保有しいとも簡単に重大事案に発展するのもフィリピンの特徴。銃器が出回っており、凶悪犯は躊躇なく使う。

まずは被害件数が多いすり、置き引きに注意。
人出の多いショッピングモールや駅、空港、レストラン、ホテルロビーでの置き引き、公共交通機関(バス、ジプニーなど)でのスリ、ホテル居室での窃盗などが報告されている。
空港は鬼門で、手荷物のすり替えや置き引き、税関によるゆすりたかり、ぼったくりタクシーなどが発生している。

いかさま賭博、ぼったくりバーやポン引き、美人局(つつもたせ)の被害も多い。欲をかくとえらい目に遭う。麻薬はもちろん御法度で重罪。麻薬タレコミ者への報奨金目当てでわざと外国人を陥れる事例も報告されている。
荒っぽい犯罪としては、睡眠薬強盗、ニセ警官による強盗監禁やゆすりたかり(本物の警官が混じっていてタチが悪い)、タクシーへの強盗、タクシー運転手自身の強盗、路上強盗など。

繁華街、治安の悪いエリアでは窃盗から強盗殺人まであらゆる犯罪に注意が必要。白昼でも油断できない。特にキアポ、チャイナタウン付近。現地人が集まるナイトクラブや教会の周辺も要注意。
常に身辺に気を配ると共に、夜一人で出歩かない、多額の金銭を持ち歩かない、ホテルスタッフにはにこやかに応対する(フィリピン人はプライドが高い)など、トラブルを避ける工夫が必要。


市内交通

アジアの大都市といった感じで、運転マナーは全般に悪い。
所構わず渋滞し、昼夜問わずクラクションが鳴り響く。

(高架鉄道)
公共交通は高架軽軌道。
3線あり、Line1がマニラ湾沿いを、Line3が内陸側を南北に結んでいる。Line2は東西方向。料金は各線ごとに異なるが、1~4駅ならおおむね12ペソ程度。Line1と2の駅ではプリペイドカード(60ペソ~)を購入できる。

(タクシー)
メーター制だが、メーターを使ってくれないタクシーも多い。
大手のタクシー会社はR&E TAXI、EMP TAXIなど。個人タクシーも多く、車体側面にTAXIと表示されており屋根に看板がついている。
メーターの場合初乗り40ペソ程度、250m毎に3.5ペソ加算。
イエロータクシーはやや高く、初乗り70ペソ、300m毎に4ペソ加算。
おつりを持っていないことが多いので小銭の用意を推奨。チップは端数を切り上げる位でよい。

タクシーの評判はあまり良くない。メーターを使わない、インチキメーター、遠回りや謎チャージのぼったくりなど枚挙にいとまなく、ベトナムやインドと並び最悪の部類という声もあるほど。
安全性を重視するなら、ホテルのフロントでタクシーを呼んでもらうのがよい。また、会社のタクシーやきれいな車体のクルマも比較的安心。乗車前に行き先をにこやかに伝え(フィリピン人はプライドが高いので高圧的な態度はタブー)、だいたいの価格を聞いておければなおよい。乗車前にナンバーをスマホのカメラでこれ見よがしに撮影するなどさりげない自己防衛も役立つかも。

(ジプニー)
派手な塗装の乗り合いバス。
路線図はなく、行き先が車体に書いてある。
停留所は特になく、任意の場所で乗り降りするしくみ。
乗るときは手を上げて停まったら乗車、降りるときはドライバーに告げるか天井を叩くなどして知らせる。運賃は運転手に手渡す。料金はおおむね9ペソだが距離によって異なる。

Marikina (トリップアドバイザー提供)

(レンタサイクル・バイク)
いくつか業者があるものの、交通状態が悪いためあまりおすすめできない。


ホテル

5つ星の豪華ホテルで2万円程度、4つ星で1万円、3つ星ホテルで5千円程度が相場。
家族利用を見越して、部屋は大きめだが値段もやや高め。

ゲストハウスはドミトリーで1,500円程度、個室が2,000円程度。いわゆるドミトリーはそれほど多くなく、個室が主流。見た目が新しくても水回りが最悪だったりする。レビューを読んで納得の宿を選びたい。

ちなみに、マニラの場合ホテル内での置き引き、部屋やセーフティボックスからの窃盗もめずらしくない。繁華街に近いなど治安の悪そうな場所のホテルは避けた方が無難。マカティ地区などビジネス街に近い方が安心できる。
安宿は評判をよく見て選ぶことを推奨。上掲通りホテルスタッフには少しチップをはずんでおくとよいかも。
ただし、治安のよい場所に建つ評判の良い高級ホテルが信頼できるとも限らない模様…。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
フィリピンの携帯事業者はSmart、Globe Telecom、Sun。
海外旅行者でも携帯ショップやコンビニで容易に購入でき、パスポートも不要。ただしアクティベートには若干時間がかかる場合もあるので、購入ショップで設定してもらうのがよい。

Smartの場合は1日データ使い放題プラン(LTE)が50ペソ、7日間が299ペソ、30日間で995ペソ。2日間有効のLTEパッケージ(Jump In Sim with LTE)というものもある(15ペソ)。

Globeの場合は1日50メガプランが30ペソ、3日間250Mプランが120ペソ、30日の場合700メガで299ペソ、1.5ギガで499ペソ、3ギガで799ペソ、5ギガで999ペソ。

Sunの場合は1日45メガプランが20ペソ、70メガプランが30ペソ。30日700メガで299ペソ、1.5ギガで499ペソ。

日本からWiFiルーターを借りていった場合でも1日あたり600円と比較的安め。

(WiFi)
フィリピンではホテル、カフェ、ショッピングモールなど至る所でフリーWiFiが提供されており、接続に困ることはない。