3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その3


3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その3

 
tabinoteワタベです。今年6月のキナバル山登山、数回に渡ってレポートします。今回は3回目です。

二日目:前夜

前号まではこちらをご覧下さい。
 その1:上陸編
 その2:徘徊編

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(画像:tabinote)


さて、登山前日の夜、計画通りパッキングをはじめる。

準備1:スケジュール

私には圧倒的に山登りの経験が不足してはいたが、わざわざボルネオくんだりまで行って失敗しました、では悲しすぎる。経験の少なさをカバーすべく、渡航前に具体的な行動計画を練っておいた。

登山口が標高1,866m。規定ではここを午前7時半に出て、13時までに山頂4,095mに達する必要がある。
余裕を持って、山頂正午着、所要4時間半を目標とした。
登山道の距離は8.7km、標高差は2,229m。そうすると水平移動距離は8,410mとなる。
8.4km移動して2.2km登るので、勾配は2.2÷8.4で26%。
勾配26%はあまくない。スポーツサイクルなら前輪が浮くほどの超激坂。
(ちなみに、富士山の御殿場ルートが22%)
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(画像:tabinote)

登山本に載っていた公式により山歩きの標準的なタイムを算定したところ、今回の標準的なタイムは休憩なしで9時間半とわかった。
目標は4時間半なので、ほぼ一般登山者の倍のペースで進まなければならない。また、標高3,000mを越えた後半はかなりペースダウンすることが考えられるので、前半はよりとばす必要がある。
とはいえ、制限時間から逆算しおおむね1km25分のペースでいけばいいと判断。

準備2:食料と水

補給計画も立てた。
登頂の往路を長めにみて5時間とし、30分に一度給水(100cc)、1時間に1度食事(100~150kcal)と想定した。復路はやはり安全を見て3時間程度、給水と補給タイミングは同様。
となると、水が最低1.6リットル、800~1200kcal程度の食料が要る。ポカリスウェットの500mlボトル3本で水分はOK。カロリーはポカリで300kcalはとれるので、残り500~900kcal。スナック1袋でOKだろう。
ポカリの粉末と柿の種を日本から持参していたので、夕食をとった後、食堂内の売店でプリングルズを買っておいた。ついでに明日の朝食も準備(世界攻略者さんの旅行記で、朝は食堂が開いていないことを知っていたため)。

準備3:荷物

荷物は日帰りなのと、体力への不安から軽さ重視。
20リットルの軽いリュックに、水を1.8リットル(600mlボトル3本;すべてに顆粒のポカリを溶かす)、食料(柿の種小分け6P)、雨具、傘、長袖シャツ、着替えのTシャツ、ヘッドライト、ヘッドライトの予備電池、コンパクトカメラ、スマホ、スマホの予備バッテリー。
追加の着替えとかいろいろ迷ったけどやめた。

これだけ入れてもまだザックはスカスカで、重さも3~4kgくらいか。これなら快適に動けるはず。
私の行動食はもっぱら柿の種。小分けで量を調節しやすいし、よくある輸入エナジーバーのように甘くて胃もたれすることもなく、軽くてカロリーも十分。しかも柿の種は意外に外国人に人気(特にインド系)だったりしてチップ代わりにもなり、いいことずくめ。課題は水が欲しくなることくらいだが、今回は途中のラバン・ラタ小屋で補給できるので問題ないと判断。

準備4:服装

服装も機動性重視で、ランニング用のショートパンツにTシャツ、化繊の山用ジャンパー、足下はローカットのトレイルラン用シューズ。
キナバル頂上付近は強風が吹いた場合に体感気温が氷点下になることもあるとのことだが、登りは汗だくで動き続けている間は寒くないはず。長袖を着て雨具を羽織ればなんとかなると判断。

さて、好天を願って就寝。空を見ると、わずかに星が出ている。この天気が続いてくれればいいが…。


三日目:登山開始

午前6時起床、朝食代わりの柿の種とプリングルズを食べる。
外はいつ降ってもおかしくないような曇り空。

しつこいが今日のスケジュール・制限時間は次の通り。
登山口のティンポポンゲート(Timpohon;標高1,866m)を7時~7時半にスタート。
時間制限は2箇所で、最初がロッジのラバン・ラタ小屋(Laban Rata;3,273m)に午前10時、次に最高地点のロウズ・ピーク(Low’s Peak;4,095m)が13時。更に、出発地点のティンポポンゲートゲートまで16:30戻り。したがって登頂までの制限時間は5時間半、13時に下山した場合下りの制限時間が3時間半。

宿に荷物を預け(5リンギット)、チェックアウト。
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(画像:tabinote)

午前7時少し前にキナバル公園の登山受付ゲートへ。
登山許可証を提出し、まずはガイド代以外の費用を先払いする。
ガイド代は最後にガイドに直接払うらしい。
あー、これは最後にガイドがうんとチップをせびってくるパターンだなと軽く不安に。
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(画像:tabinote)

費用精算後にガイドと対面。小柄だが精悍な顔つきの男だった。同じ年か少し若いくらい。
靴紐を結んでいると、背の高い白人に「その靴で行くのか?」と声をかけられる。

そうですが、何か…。
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(画像:tabinote)

許可を受けた登山者であることを示すタグを首から提げて、登山口行きの車に乗り込む。私とガイドが乗ったとたんいきなり出発。
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(画像:tabinote)

車内でガイドに、他の日帰り登山者もいるよねと聞いたところ、数組いるはずだがまだ受付をしてないとのこと。
なんにせよ、遅刻組に引きずられず先に行ってくれるならラッキーだ。あの白人は後から来るのか。
しばらくクルマが走って、登山口のティンポポンゲートへ。ここからは許可された登山者でなければ進めない。ガイドが手続きをしつつ、売店で自分の食事(UFOみたいなかたちのでかいパン)を買っている。
ビールをみつけてテンションが上がる。
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(画像:tabinote)

さて、チェックが終わってゲートをくぐった。いよいよ登山開始。


登山道はしっかりしており足下も険しくない。周囲は木が生い茂り、ときおり小粒の雨が顔に当たる。
すぐに小さな滝にぶつかるが、その後は特にめぼしいものも無く、アップダウンありながらも単調な道のりが続く。
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(画像:tabinote)

林道の様子や植物など、いちいち写真を撮りたいなと思うが、時間重視なのでどんどん進む。
頂上まではおよそ1kmごとに休憩ができる小屋的なものがあるが、日帰り登山者は時間が無いのでゆっくりできない。
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(画像:Sutera Sanctuary Lodges)

1km地点、Kandis Shelterへ。ここではじめて水を飲む。
ここまで20分程度だというのに、私は既に汗だく。ジャンパーを脱いだ。
ガイドの息もだいぶ乱れている。
彼によると、少しオーバーペースとのこと。

これ以上落としても制限時間間に合うか?と聞いたところ大丈夫という回答だったので、水を一口含んで再度出発。
先ほどよりややペースを落とす。
というか、だんだん勾配がきつくなり、ペースを落とさざるを得なくなってくる。

さて、歩いていても他の登山者と全くすれちがわない。
キナバル登山はラバン・ラタ宿泊が前提なので、この時間は皆ご来光を見てはるか上方、下山している最中なのだろう。

キナバルはほとんどアップダウンなしの登り一辺倒。
1.5km地点のUdoh Shelterを越えて更に登る。
まだ周囲は木が生い茂りどの程度登ったか高度感がない。

前日の雨で道が悪く、赤土や岩場の箇所をそろそろと抜けるためペースが乱れる。
ただし、全般には整備された登山道という感じで、手を使うような急な坂はない。
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(画像:tabinote)

むしろきついのは階段!
山登りをする方ならご存じでしょうが、山の階段・石段は段の高さが不規則で急角度で建物の階段以上に辛い。
予想外の階段の多さ。えんえんと段が続く箇所はかなり体力を消耗させる。途中で止まると動けなくなるかもと思いひたすら登った。

せっせと登り続けておおよそ全工程の8.7kmのおよそ半分となるLayang Layang小屋付近に到着。
これまでの休憩所の中ではかなり整備されている。
ここで初めて5分程度の休憩をとる。
ろくに休まずひたすら登り山道でなかなか疲れたが、まだ足には余裕がある。
心臓も、のぼりで多少バクバクいうけどまだまだ大丈夫。
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(画像:tabinote)

さて、再び黙々とマシーンのように登る。
4.5km地点。
ここは標高2,898m。登山口からおよそ1,000m上がったことになる。
木々の向こうに頂上の岩肌が見えるようになり、曇りながらも明るくなってきて視界が晴れてきた。
ただし空はまだ霧と雲に覆われている。
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このあたりから下山者やポーターとすれ違うようになってきた。
ほとんどの下山者はかなり疲労している様子。一歩一歩トレッキングポールに体をもたれるような感じで道をふさぐのでややペースが乱れる。
驚くのはポーター。昔上野あたりにいた担ぎ屋のおばちゃんくらいに巨大な荷を背負っている人もいる。登山者のポーターでは無くおそらく山小屋に水や食料を運ぶポーターなんだろうけど、荷の量がすごい。

さらに登って5km地点。標高3,001m。
私が3,000m以上の地点に来たのはこれが始めて。そしてゴールまであと3,700m。
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(画像:tabinote)

ここまで休憩時もほとんど口をきかなかったガイドが言った。
いいペースだ。お前なら制限時間までに登頂できると思う。天候が崩れないうちに頂上を目指そう」

まだまだ余力もある。
頭もクリアで、高山病の気配もない。
いけそうだ。

ところがもちろん、そんなにスムーズにはいかなかったのです…。
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(画像:tabinote)

(続く)