Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その2
3b. 世界一周ノート 第21回:インド チェンナイ~ムンバイ
4. 世界あの街この街:ヤンゴン
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:12月17日(水)口尾麻美さん スライド&トークイベント
6. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

ピーチ、搭乗者数700万人を突破

ANA傘下のピーチ・アビエーションは、累計搭乗者数が700万人を突破したと発表。2012年3月の初フライトから2年9ヶ月での達成となる。なお、ピーチは2013年3月期に初の黒字転換を発表している。

ニュージーランド航空、最新鋭機を日本線に投入

ニュージーランド航空は、米ボーイングから受領したばかりの最新鋭機、B787−9型機を東京・成田~オークランド線に投入を開始した。エコノミークラスに、横1列3座席が水平のソファ状態となる新座席「スカイカウチ」が用意されているのが特徴。同型機を運航する航空会社はANAに続き世界で2番目となる。

skycouch

http://www.airnewzealand.com/dreamlinerflyhappy/ja#!/welcome

ピーチ、沖縄~香港線に就航

ピーチは、2015年2月21日より沖縄・那覇~香港線に就航することを発表した。月・水・土・日の週4便運行。料金は最安7180円、燃油サーチャージは不要。同社ウエブサイトではすでに予約受付が開始されている。

日本就航便の、欠航・遅延率ワーストは?

国土交通省は、航空輸送サービスに係わる情報公開(平成26年7月~9月)を発表。それによると、期間内の欠航率ワーストは2.86%の春秋航空日本、2位は1.64%のピーチ。遅延率ワーストは20.52%のピーチがワースト、14.41%の春秋航空日本が2位となった。ただしこの統計は路線や天候による影響も大きいので単純に比較することはできない。参考までに。

http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku04_hh_000101.html

エアアジア、アジア内を周遊できるASEANパスを発売

エアアジアは、2015年1月15日に、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で自由に航空機に乗ることができる周遊航空券「エアアジアASEANパス」を販売開始すると発表した。同パスはエアアジアが就航しているASEAN域内の137路線から最大10路線を利用でき、料金は499リンギ(約17000円)。有効期間は1カ月で空港税は含まない。また、20路線有効のパスも後日発表されるようだ。

ボストン空港で全裸男性が女子トイレに落下

ボストンのローガン空港ターミナルCで、女性がトイレを使用している際に、全裸男性が天井を突き破って落下し、そのまま外に飛び出し付近にいた84歳の男性に暴行を加えるという事件が発生した。容疑者は女子トイレに忍び込み、個室にて全裸になったあと天井裏によじ登ったらしい。

東京都の地下鉄143駅で無料Wi-Fiを公開

東京メトロと東京都交通局は、2020年の東京オリンピックを見据え、主に訪日外国人旅行者向けに地下鉄143駅で無料Wi-Fiサービスを開始する。利用するにはスマートホンに認証アプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」をインストール、登録を行なう必要がある。利用時間は1回3時間だが、再び認証を行なうことで実質無制限に利用可能。なお、旅行者だけではなく日本人も利用できる。

metro

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

ドーンムアン空港は中国の路上か

 バンコクのドーンムアン空港が、なんだか中国の空港のような雰囲気をもちはじめている。
 ドーンムアン空港は、バンコクのLCCターミナルの役割を担っている。タイエアアジアとノックエアという、タイを代表するLCCが拠点にしているからだ。この2社は国際線も就航させている。とくにタイエアアジアは、最近、中国路線を次々に開設している。北京や上海といった都市だけではない。中国の第2都市グループに路線を広げている。


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第34回 吉田友和

じ ジャカルタ

 インドネシアの入国ビザが、2015年1月から撤廃されることに決まったという。そのニュースを見たのが、ちょうどまさにインドネシアから帰国した直後だったから、ちょっぴり損した気分だ。
 ビザが必要といっても、到着時に空港で簡単にアライバルビザが取得可能だった。渡航前に取得しないで済むのは楽チンではあるが、料金がいささか高い。35ドルである。
 空港内のビザのブースでお金を支払うと、専用のシールを渡される。それを持って入国審査に並ぶと、係官がパスポートに貼り付けてスタンプを押してくるわけだ。たかがシールに35ドルと思うと、なんだか馬鹿馬鹿しいのも正直なところだった。


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3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その2

 
tabinoteワタベです。今年6月のキナバル山登山、数回に渡ってレポートします。
ちんたら書いているので全然終わりが見えませんが、今回が2回目です。

一日目:登山許可申請

前回まで:キナバル山を日帰りで登るためにエアアジアでボルネオ島のコタ・キナバルへ来た私。タクシーとバスを乗り継ぎ、登山許可を申請するキナバル公園のゲートに着いた。

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(画像:tabinote)


とりあえずカートを引きながらキナバル公園の管理事務所へつづく階段を上る。
うーむ、この階段でもう息が切れそう。
管理事務所に入り、近くにいた人に日帰り登山を申請したい旨話したところ、しばらく待つように言われる。

その後案内されたのは公園管理人の部屋。
管理人はMr. Peninsus。海外ブログでも「彼のサジ加減一つで許可がおりるかどうか決まるのでは」などと書かれている。
今回の計画で最初にして最大の関門が登山許可の取得。これが取れなかったら残りの日々を過ごすアテはまるでない。

事前情報によると日帰り登山の許可は1日に4組。前日に1クラス分くらいの日帰り登山希望者が管理事務所に殺到していたらたっぷり一週間は登れないことになる。渡航した6月はマレーシアの学校休暇と重なってるようで、リゾート地はかなり混み合うらしいというイヤな情報も聞いていた。

不安の中、「日本から来た、日帰り登山したい」という主旨のことを話すと、特にこちらの体力レベルをいぶかしむことも経験を尋ねることも無く、あっさり「OK」と言って書類を探し始めた。なんか拍子抜け…。
しかも明日の金曜・土・日、どの日も空きがあるという。
雨季に日帰りで登る物好きはそうはいないということか。

さて、今この場で登る日を今決めなければならないという状況になり、迷った。
 P氏 「ところで、いつ登りたいんだ?」
 私  「ええと、できれば明日(金曜日)…」
 P氏 「そうか。ただ明日は完全に雨だと聞いている。やめた方がいい
 私  「では、土曜日は?」
 P氏 「土曜は曇りだが、降るかもしれない
 私  「日曜の天気は?」
 P氏 「降るかもしれない

万全な日は無い模様。仕方なく、土曜日にした。土曜がダメなら日曜にチャレンジすればいい。
多少雨が降っても、登頂さえしてしまえばあとは降りるだけだ。午前さえ天気が保ってくれれば構わない。それに、公園周辺は山以外に何も無いへき地で、日曜まで過ごすのはつらそうだった。コタ・キナバル市街で一日くらい過ごしたかったし。

Peninsus氏がパスポート番号や連絡先を控えている間、私は何か起きても公園事務所は関知しない云々の承諾事項にサイン。最後に許可証に彼が署名して終了。

私  「ところで、今日日帰りで登った登山者はいたの?」
P氏 「2組登ったが、1組はリタイヤしたもう1組はラバン・ラタ(3,273m)まで行ったが雨でリタイヤだ。今下山している」

こんな雨の日に2組もいたのか!でもリタイヤ…。
サイン済みの許可証をもって管理事務所を出た。
小雨空で外は暗く、明日登山ができるようにはとても思えない。明後日、土曜にしといて良かった。それまでに雲が減ってくれることを願う。

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(画像:tabinote)

さて、許可証を見ていると気になることを見つける。
事前調査では、制限時間は登り5時間半、下り4時間半と控えていた。

登山口のティンポポンゲート(Timpohon;標高1,866m)を7時~7時半にスタート。時間制限は2箇所で、ラバン・ラタ(3,273m)に午前10時、次に最高地点のロウズ・ピーク(Low’s Peak;4,095m)が13時。登頂後、出発地点のティンポポンゲートまで17:30には戻る必要あり。したがって登頂までの制限時間は5時間半、13時に下山した場合下りの制限時間が4時間半

しかし、許可証にはゲートクローズが16時半となっている。下りもちんたら降りてたらアカンということか。

管理事務所からカートを引いて階段を降りる途中、最後の濡れた段で足を滑らせ盛大にコケた。腰をぶつけて半端なく痛い。遠くで談笑中っぽいガイド達(推定)が一斉にこちらを振り向く。
こんな有様で登れるのか、先が思いやられる…。

さて、事務所から麓に降りる途中で、山の方からクルマが一台。
中から濡れネズミのようになった190cmくらいの白人がトボトボ降りてきた。
上下黒のレインウェアと巨大なザック、無帽。
水滴混じりの髪はぺったりと額に貼り付き、心底疲れ切ったご様子。

あー、リタイヤした人ってきっとあの人だな…。
どう見ても普通ではない様子を見て、はじめてキナバルの山裾を見たとき同様軽くびびる。

6月のボルネオ島はクソ暑いはずだが、ここキナバル公園は既に標高1,600mの高地。夕方になって体感気温は15度を切っており、雨のためさらに寒く感じる。山は一般的に100m高くなれば0.6度気温が下がるとされているので、2,000m登ればそれだけで12度ダウン。頂上で風が吹けばたちまち0度くらいになるだろう。雨に濡れれば命取りだ。帽子かぶっていった方がいいな…。

さて、痛む腰を気にしつつ、公園から出て宿を探しに行く。
世界攻略者さんの旅行記にもあったTahubangロッジだ。運良くシングルが空いているとのことで、そちらに滑り込む。
荷物を置いてようやく一息。

↓左がレストランで、右がTahubangロッジ。おそらくどちらも生協のようなグループがやってる。ホントに公園ゲート目の前。
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(画像:tabinote)

ともかく、最大の関門、登山許可をゲットした。あとは明後日の好天を祈るだけだ。

ここまで移動に次ぐ移動で息もつけなかったので、腹が減ってきた。
宿の隣の食堂に向かう。
山の方を見るとキナバル山の山頂あたりに灰色の雲が渦巻いている。低い場所の雲が晴れ、山の全容が徐々に見えてきた。でかいなー。そして時折、山頂の凶悪なギザギザが顔をのぞく。
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(画像:tabinote)


さて、前回触れた通り日帰り登山の条件は以下の通り。

・運良く滞在中に日帰り登山枠の空きがある。 ->クリア!
・天候に恵まれる ->怪しい
・高山病が出ない ->?
・体力が保って制限時間内に登れる ->?

次の懸案は天気と高山病だった。
滞在日程は決まってしまっているので、天気は運に任せるしかない。そもそもあの申し込みシステムだと確実に好天になる前日まで現地で粘るのが最善だが、今回それは日程的に無理だった。6~7月にかけてのボルネオ島は年間で最も雨が多い時期の1つ(6~7月と9~11月は月間平均雨量が250~400mmに達する)。熱帯特有の激しい雨も降るということで、はっきり言って登山には不向き。

高山病も未知だ。これまで私が行った最高地点はせいぜい2,000mレベルだし、平素高所に強い人でも突然症状が出たりすることもあるらしい。これも天候同様にどうにもならない。
急性高山病-日本登山医学会

唯一自分でコントロールできそうな条件は体力。
ロンリープラネット・ボルネオに記載のあった「日帰り登山には非常な健脚が必要」という記述だけではどのくらいの健脚なら大丈夫なのかさっぱりわからないので、具体的にどのくらいの体力が必要なのかを渡航前に見積もっておいた。

参考としたのはキナバル山を山頂まで登る鉄人レース、キナバル登山マラソン。
開催年によってコースが違うのでなかなか比較が難しいのだが、登りの距離が今回の日帰り登山と同じ2011年のレースを参照した。

(画像:myrunningescapades.blogspot.jp)

この年のレースは登りがティンポポンゲート(標高1,866m)から8.7km登って頂上まで。下りはティンポポンゲートよりさらに4kmほど下ったキナバル公園(標高約1,600m)まで。下りが4kmほど長いが登りは日帰り登山の公式コースと同じである。
覇者はイタリア人のMARCO DE GASPERI。この時の記録は登りが1時間35分、下り含むフィニッシュタイムは2時間34分。日帰り登山の登りは制限時間が5時間半だから、なんとその1/3の時間で登っている。
1時間35分というと、だいたい陸上世界記録の30km~35kmくらいのタイム。
上り下りなら2時間半だが、下りが日帰り登山のコースより4km長い点を差し引くと2時間15分くらいでスタート地点に降りてきたことになる。

つまり、世界トップアスリートが1時間35分かければ、平地なら30km~35kmくらい走れ、キナバルなら頂上まで行けるということになる。そして、2時間15分もあれば、平地なら42kmを完走し、キナバル山ならスタート地点まで降りられる…。
2011年の8位の日本人・小川壮太選手の場合フルマラソンの記録が残っているのでより参考になる。キナバルの登りが1時間58分、フルマラソンが2時間26分(大学時代の記録)。マラソンタイムから逆算すると、やはり頂上着は35km地点くらいのタイムとなる。

ここから、キナバル日帰り登山はフルマラソンくらいの体力負荷、登りだけなら35km走くらいの負荷ではなかろうかと見積もった。
体力的に問題となるのは登りだけだろう。日帰りの登り制限時間は5時間半なので、その間に35kmを走れるくらいの体力があればいいということになる。一般的な市民ランナーで、フルマラソンを4~5時間で走る人は珍しくない。まして35kmを5時間半なら1kmあたり…10分?歩くくらいのペースだ。たいしたことないじゃないかも?
推定に推定を重ねた話ではあるが、具体的な数字が見えてくると結構なんとかなるかもという感じがしてきた。

とりあえずこの日はカレーを流し込んで早めに寝る。
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(画像:tabinote)

明日はすることもないので、周辺散策でもすることにしよう。

二日目:周辺散策

金曜日。やはり朝から小雨まじりの曇り空。

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(画像:tabinote)
キナバル山頂には盛大に雲がかかっている。

この日は明日の登山に備えた待機日。
本来は休養日にあてるべきかもしれないが、ネットも遅く本も読んでしまってすぐにやることがなくなる。隣室の中国人の子供が素晴らしくしつけが効いておりうるさくて寝ることも出来ない。
外出してヒマをつぶすことにした。

キナバル公園は、登山者のベースキャンプのようなところで、植物園や散策用の山道(トレイル)を除くと何もない。
公園内には高級リゾートグループのステラが経営する快適なホテルがあり、待機組が室内で過ごしてもそれほど退屈しない設備があるのかもしれないが、公園外の安宿に泊まる私には無縁。
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(キナバル公園マップ、画像:tabinote)

宿の隣の食堂で朝食の焼きソバを食った後、公園内にあるという植物園に行くことにした。
ボルネオ島の熱帯植物やキナバル山の高原植物などが集めてあるという。
世界最大の花、ラフレシアや巨大なウツボカズラもボルネオ島の固有種とのことで、期待が高まる。

公園のゲートをくぐる。
そのうち晴れ間が出てきて、傘なしでも歩けるようになってきた。あれ、今日登った方がよかったかな?
昨日入場時に支払った15リンギット(RM)のチケットは3日間有効らしく、顔パスで通してくれた。
ゲートをくぐると公園内の地図があり、眼下にレストランが見える。キナバル山を牛耳る高級リゾート、ステラのレストランだ。白人ツーリストがちらほら見える。
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(画像:tabinote)

レストランの脇を通って遊歩道をしばらく歩くとロッジや博物館などいろいろな施設があるが、とくに時間をつぶせるような感じはない。そもそも朝なので空いてない。
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(画像:tabinote)

巨大なラフレシアの看板。
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(画像:tabinote)

長い階段道を上る。
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(画像:tabinote)
ここまで来る間にも昨日管理事務所の階段でこけ、したたかにぶつけた腰がジンジン痛む。
悪化しなければいいけど。

そして入り口へ。
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(画像:tabinote)

入場口、誰もいない
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(画像:tabinote)

入場料(5RM)払わなくていいの?
入っちゃうよ…?
まあ、出るとき受付係が居たら払えばいいかと思い、中へ。

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(画像:tabinote)

はっきり言って、それほど見るべきものは無かった。なんというか、適当に木が植わっているという感じ。
貴重な植物群なのかもしれないが今ひとつ目立つモノがなく、30分くらいで一周してしまった。
しばらくすると人の声…。なんと日本人!
青いHISのジャンパーを着たガイドが、初老の日本人旅行者数名を相手に解説をしている。昨日から空港周辺はおろか公園内でも全く日本人を見ていなかったので新鮮な感じ。
ガイドの話によると、大きなウツボカズラがあるとのことなので再度巡ってみたが…、枯れていた。
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(画像:tabinote)

仕方なく一周して入り口(兼出口)に戻ると、やはり誰も居ない
やる気なさすぎだろ!
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(画像:tabinote)

5RM札をカウンターに置いて出た。


植物園で全くヒマがつぶせなかった。コタ・キナバルに戻って観光してもいいが片道2時間かかる。
近場に街が無いか聞いてみると、ラナウという街が最も近いという。
ラナウについて調べてみると、パンクなモチーフで知られる木版画の工房があるという。楽しいかもしれない。
さっそく昼飯を食って(また焼きソバ)、ラナウ方面行きの乗り合いバス乗り場に向かう。
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(画像:tabinote)

ちなみに、公園と宿(Tahubangロッジ)の位置関係は以下の通り。登山口方面が植物園。
バス乗り場も宿の隣で大変便利。
キナバル公園   Google マップ
(地図:Google)

ラナウ行きの乗り合いバスはなかなか発車しない。
運転手が今すぐ行くから50RMではいかがか?と提案してきた。
相場がわからないが…、確かコタ・キナバルからの乗り合いバスは8人で20RM、ラナウまでは半分の道のりとして正規料金は10RMくらいか。8人乗りなら本来80RMは欲しいところだろう、そうすると50RMは決して法外では無いが、コタ・キナバルまで20RMで行けるのにいかにも高い。20RM以下ということで交渉し、19RMで成立。他のアジアのドライバーのようにしつこい交渉はなく、あっさりしていた。

やはり山道をガタゴトゆられてラナウ村に到着。
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(画像:tabinote)

ラナウはキナバル山を臨む街道沿いのバザールという感じ。
Wikipediaで後から見たところ人口10万人ということなので、村と呼ぶのは失礼な話なのだが、どう見ても「集落」くらいの規模。
村一番の人気スポットがケンタッキー、あとはローカル食堂やショップがメイン。
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(画像:tabinote)

日本人が訪れることはほとんど無さそうな規模であったが、この地は旧日本軍がむちゃな捕虜行軍で多数の犠牲者を出した「サンダカン死の行進」のゴール地点。追悼&記念施設もあるようだが、それは出発地のキナバル公園とラナウの間くらいにあり、ラナウの中心からは相当離れている模様だったため、訪問を断念した。

蒸し暑い中、イスラム料理屋(?)で焼きソバを食い、水を一本買って散策を開始。

・・・単なる田舎町。
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(画像:tabinote)

マレーシアやインドネシアはブラックベリーが多いらしい。
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(画像:tabinote)

ボルネオはリゾートなので、こんなバイクもある(たぶんレンタル)。
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(画像:tabinote)

散策といっても規模が小さいので、すぐに見尽くしてしまう。
強烈に小便臭いビルの2階にようやく例の版画工房を発見したが、閉まっていた…。
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(画像:tabinote)

若者は多いが、ゲームセンターかケンタッキー、カフェでスマホなど、ヒマをもてあましている連中が目につくのは日本と変わらない。特にケンタッキーは混みまくりだった。
夜中はムエタイの興業がある模様。少し興味があったが、残念ながら日程があわず断念。
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ラナウ自体は数時間ヒマがつぶせればラッキーくらいの規模なので、もし登山待機日が2~3日あったならばいっそコタ・キナバルに戻るか、サンダカンにでも向かった方がいいかもしれないと思った。

さて、陽が落ちる前に乗り合いバスでキナバル公園に戻る。

雲が増えてきた気がする。大丈夫かな…。
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(画像:tabinote)


夕飯(カレー麺)をとって宿に戻り、再度公園へ。
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(画像:tabinote)

日が落ちてラバン・ラタ小屋(標高3,273m)の明かりが見える。相変わらず雲は晴れない。
今日は小雨程度なのでなんとかあそこまでは行けただろう。明日はご来光目当ての宿泊組が早朝にアタックする。
私の出発はその後、午前7時半。
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(画像:tabinote)

もうこうなったらどんな天気だろうが登るしかない。
宿に戻って準備をすることにした。

(続く)

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第21回:インド チェンナイ~ムンバイ

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南インド、チェンナイにエア・アジアで着いた。アライバルビザの発効は何故かイラつき、手間取る係官のおかげで2時間かかり、空港を出て汚い列車に乗り込んだ時には23時を回っていた。
無計画に、旅の再スタートはバンコクと決めて、いざ着いてみると安い航空券はなかった。カルカッタやデリーといっためぼしい都市へのフライトは予算オーバーで、結局安いチェンナイ行きのチケットを僕は買った。ビザ申請は面倒くさく、結局アライバルでとることにした。
ワーホリ・バブルを抱えた僕はバンコクで浮かれ、ゴーゴーバーを梯子したり、日本にお土産を送ったりしていた。

そんな華々しかったバンコクから一転、チェンナイ・エグモア駅は暑かった。駅を降りると数人の客引きがやって来たけれど、思っていたよりもしつこくはなく、僕は歩いて安宿を目指した。英語は比較的通じるように思われた。
なんとかホテルの従業員を起こし、チェックインした部屋は300円のシングルだった。暗く、臭く、湿った部屋は、それでも僕の想像していたインドよりは充分快適だった。「僕は旅慣れた。やっていける」そんな過信を胸に僕は眠りについた。

翌朝、パスポートのコピーが欲しいと言われ、僕はパスポートとコピー代16円をおじさんに預けた。おじさんがコピー屋に行くのに暇だからついて行くと、コピー代は8円だった。おじさんは会計を見られたのでお釣りの8円を返そうとしたけれど、僕はことわっておじさんに8円をチップとして渡した。それ以来、おじさんは僕が何かしようとする度に手伝おうとした。そして何か困っていないかと30分おきに部屋に来た。近くにWiFi環境がないので訪ねると、離れたショッピングモールを教えてくれ、仕方なくバスで向かうとそこにWiFiはなかった。そのショッピングモールについて来た宿にいるインド人は夕食を僕に払わせた。食後のパーンと呼ばれる生の葉で香辛料を包んだやつ(噛みタバコのよう)も屋台で僕に買わせた。そして結局、tabinoteの原稿を送れず、連載に穴があいてしまった・・・

僕は遂にインドに来た。これらは500円にも満たなかったけれど問題は額じゃない、概念だった。効率とか、生産性とか、そういう概念の通用しないカーストが蔓延る国、インドに来たのだ。
チェンナイの濁った浜辺からインド洋を眺めると、その先にオーストラリアが浮かんでいるのが嘘のようだった。

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ネットがなく、予備知識もないので、僕は観光もろくにせずダラダラと散歩をして過ごした。そして列車でバンガロールを経由して、ムンバイへと駒を進めた。そしてインドにも慣れたと僕はまた勘違いしていた。辛いものが苦手なのでビリヤーニというカレー味の炒飯を食べ、コーラとクッキーで空腹を満たした。ムンバイでは安定してWiFiの入るカフェを見つけ、観光にも意欲的になれた。エレファンタ島というフェリーで1時間程の遺跡を見に行くことにした。そして浮かれた僕はターリというカレー定食を比較的ローカルなレストランで食べた。

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遺跡はどうってことはなかったけれど、さんざん旅行記で読み漁ったインドを巡っていることが嬉しかった。きっと自分はインドが好きになるタイプの人間であると少しづつ考え始めていた。お腹が痛くなるまでは。
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それは帰りのフェリーに乗ってすぐだった。お腹が痛い。すぐにターリがよぎった。ターリの端にあったヨーグルトみたいなやつがよぎった。原因はどうあれ、大きく揺れる船内で僕は目を閉じて祈った。祈りはフェリーが港に着くまでは通じた。ただ、そこから歩いて500mのホテルには届かなかった。27歳、痛恨の失禁だった。

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ホテルで洗濯した服に想いを馳せて、僕は砂漠の広がる西インドへの列車に乗った。失禁さえ済ませれば怖いものはない。あとは慎重に体調のことだけを考えて、上手くやっていける。観光資源に富んだ西インドはこれからだと、僕は自分に言い聞かせた。そして車窓に広がる乾燥地帯に野生の孔雀の姿を見た。もうすっかり気分は三島由紀夫だった。

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結局僕は都合3回失禁した。そんなに甘くはないし、やっぱりインドは刺激的だった。
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次回は西インド観光、ガンジス川で風とおかゆとバングラッシーを記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー→チェンナイ→ムンバイ・・・。以降トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第35回 ヤンゴン

800px-The_Shwedagon_Paya_in_Yangon_(Rangoon),_Myanmar_(Burma)
(画像:Wikipedia)

ミャンマー連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

漢字では「仰光」と表記する黄金の都市。
近年経済成長著しく、ビジネス需要の後押しで日本からの来訪者も急増中。金色に輝く仏塔がまぶしいシュエダゴン・パゴダに代表される仏教建築や英国様式の壮麗な建物に近代的なビルが共存する街並みは実に独特で美しい。
東南アジアを巡ってリフレッシュのはずがぼったくられまくって殺伐とした心境になってしまった旅行者にもミャンマーは優しい。押し出しの強い周辺国とは違う素朴な国民性や日本人好みの食べ物など、一度訪れたらリピートしたくなる魅力をそなえている。
ダウンタウン散策や巨仏巡りの他、湖やビーチ、古都を巡るツアーも人気がある。

ヤンゴンはかつてラングーンと呼ばれたミャンマー最大の都市(首都はネーピードー)。
ミャンマーの南端に位置し、西のベンガル湾を越えるとインドという位置関係。

ヤンゴン・セントラル駅 から Happy World Amusement Park   Google マップ
(画像:Google;A-ヤンゴン中央駅、B-聖マリア大聖堂、C:スーレーパゴダ、D:ボータタウン・パゴダ、E:シナゴーグ、F:ボーヂョー・アウンサンマーケット、G:シュエダゴォン・パゴダ、H:チャウッターヂー・パゴダ、I:ハッピーワールド)

街歩きの起点はヤンゴン中央駅。ここから南は格子状に規則正しく整備された通りが拡がり、繁華街となっている。
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(画像:Wikipedia)

駅からまっすぐ南に向かうのがスーレーパゴダ通り。通りは文字通りスーレーパゴダを貫いてヤンゴン川に通じている。ヤンゴン市街はスーレーパゴダを中心に設計されており、人通りや音楽で大変賑わっている。高さ48mの黄金の塔は街歩きの目印になる。仏塔の北にある白亜の建物はヤンゴン市庁舎。
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(画像:Wikipedia)

スーレーパゴダ通りと直行し、市を東西に貫くのがボーヂョー・アウンサン通り。ホテルやレストランが建ち並ぶ。通り沿いの東には壮麗な聖マリア大聖堂があり、西いにはヤンゴン最大の市場、ボーヂョー・アウンサンマーケットがある。土産物探しや休憩に便利で、雑貨やロンジー、有名なインレー織りの布製品などもここで揃う(値段は高め)。
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(画像:Wikipedia)

ボーヂョー・アウンサンマーケットの南側あたりがスパイスの香り漂うインド人街。
南北に走るシュエボンター通りはかつてマゴー・ストリート、つまりムガル通りと呼ばれていた。この一帯はムガル帝国由来のイスラム・モスクやヒンドゥー寺院がある。
インド人街のさらに西には中華街が拡がっており、その境目にはシナゴーグがある。
聖マリア聖堂からスーレーパゴダ、モスクにシナゴーグに中華寺院とこの一帯は他民族と多宗教が共存するミャンマー連邦の多様さを象徴している。旅行者にとっては各国の食がそろうグルメ通りでもある。
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(画像:Wikipedia)

ミャンマー川の近くは英国統治時代の重厚な建物が並んでいる風光明媚なエリア。
このエリアにあるボータタウン・パゴダは2,500年もの歴史を誇るが、第二次大戦で破壊され戦後に再建された。
不幸中の幸いにして破壊跡から失われていた宝物が多数発見されたそうで、黄金の仏舎利に展示された仏陀の遺髪もその1つ。

(画像:Yangon-rangoon.com)

チャウッターヂー・パゴダは巨大な寝釈迦像で有名。ミャンマーの仏像は白い肌にくっきりした目鼻立ちでインパクト大。

(画像:Tripadvisor)

そして、ミャンマー観光最大の見どころと言っても過言ではない黄金寺、シュエダゴン・パゴダ。
(シュエダゴン・パゴダのメイン仏塔は2014年11月から修復工事の予定。外観を損なうような工事ではなく、見学も可能)
高さ100mにもおよぶ仏塔や大小様々な建物は黄金と宝石で輝き、そのスケールには圧倒される。
なお、訪問は日没時がおすすめ。寺内は裸足が義務づけられているため日中は石畳が熱せられて足の裏を火傷しかねない。
そして何より、深い紺色の空と黄金との対比が素晴らしい。

(画像:Tripadvisor)


シュエダゴン・パゴダの近くにあるミャンマー最大のB級スポットはハッピーワールド。
ディズニー、テレタビーズ、日本アニメなどをパクリまくった展示が満載の遊園地で、好事家にもつとに有名。
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(画像:team-yellow.com)

市街の北にあるのはインヤー湖。周囲はふんだんな緑で覆われ、遊園地や高級ホテルがありのんびりできる。ダウンタウンの安宿に泊まっていても、一回くらいは湖畔のレストランに行ってみよう。ライトアップされた屋外で民族舞踊を見ながらとる食事も楽しい(そして、食い終わったら安宿に戻る)。

(画像:Tripadvisor)


ヤンゴンの北東およそ70km、バゴーはモン族の王都として栄えた古都。
シュエダゴン・パゴダを上回る高さ110mの仏塔を誇るシュエモード・パゴダやシュエターリャウン寝仏、ミャッターリャウン仏など多様な仏教史跡が有名。巨大仏マニアならヤンゴンよりも楽しめるかも。

(画像:Tripadvisor)

ヤンゴンから北東におよそ200km、チャイティーヨーはシュエダゴン・パゴダと並ぶミャンマー名物。
落ちそうで落ちない不思議な巨石は、ミャンマーの仏教徒にとってだけではなく旅行者にとっても聖地。ヤンゴンからバスや鉄道を乗り継ぎ、麓の町キンプンから山頂に登る。ハイシーズン(11~4月)にはヤンゴンからキンプンへの直行バスがあるので日帰りも不可能ではないが、通常はバゴー泊となる。せっかくなので周囲でトレッキングを楽しみながらのんびり滞在するのもいい。
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(画像:Flicker, Jaap den Dulk)

中部バガンは仏教聖地として知られ、数々の寺院がある。
アーナンダ寺院はその代表格で、黄金のレリーフで名高い。
バガンの北50kmにあるポッパ山の山麓には岩山の上に築かれたタウン・カラッという寺院がある。岩山の上を切り取ったように黄金の寺が鎮座する不思議な光景は一見の価値あり。

(画像:Tripadvisor)

日程に余裕があれば、世界最大級のミャンマー巨仏を拝んでみたい。ミャンマー中央部のマンダレーから西、モンユワには高さ130mのレイチュンセッチャー大仏や100m超えの涅槃物、仏教テーマパークなどインパクト大の展示が集まる。
参考:人類最後の望みは、この巨仏! 超弩級の大仏像を巡る旅

【ミャンマー】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Super 81 (トリップアドバイザー提供)

ミャンマー料理は南北に長い国土や多様な民族構成を反映し地域によって異なるが、おおむね日本人にとっても食べやすい味付けで評判はよい。
ヤンゴンの基本は東南アジア的なフレーバーだが、近隣国に比べて国境を接するインドの影響が強く、カレー(「ヒン」と呼ばれる煮込み副菜)のバラエティが豊富。ナンやビリヤニまである。カレーの辛さは抑え気味だが油脂は多めで、ごはんの進む濃厚な味つけ。
東部シャン族の料理も広く浸透している。豆腐や野菜を多用し、しょうゆの効いたあっさり味で親しみやすい。シャン州では納豆やなれずしの他、ジャポニカ米まで栽培されている。

麺料理も名物で、朝食やおやつで人気。モヒンガーという米でつくった麺が代表的だが、他にもココナツミルクの効いたタイのカオソイそっくりな中華麺使用のオンノゥ・カウスェ、トマトと鶏肉を使うシャン族の麺料理、マンダレー風のマンダレー・モンティーなど様々。


Shan Yoe Yar (トリップアドバイザー提供)

このほか揚げパン、お好み焼き、串揚げ、たこ焼きなど軽食・ストリートフードも充実している。屋台の生ジュース、サトウキビジュースは避けた方がいい。

ミャンマーはビールが有名。英国統治の伝統を汲んだ本格的な味わいの地元ブランドが多数あり、欧州でも評判が高い。東南アジアの地元ビールにありがちな薄くてさっぱりした飲み口ではなく、濃厚でアルコール度数も高め。緑のラベルが印象的なミャンマービールを筆頭に、100年以上の歴史を誇るマンダレービール、濃厚なダゴンビールなどが代表的。また、生ビールが飲めるのも嬉しい限りで、瓶ビールよりも安くコーラ並みの値段で飲める。


日本からの行き方

(空路)
便利なのはANAのヤンゴン直行便。成田-ヤンゴン便が毎日就航しており、往路所要8時間。あっという間に席が埋まるため値段はやや高め。
中華系・アジア系航空会社の経由便であればだいぶ安めで、5万円程度。台北、仁川、香港、ハノイあたりを経てヤンゴンへ向かう。

LCCの場合、エアアジアのクアラルンプール-ヤンゴン便やタイエアアジア・ノックエアのバンコク-ヤンゴン便がある。香港からは香港ドラゴン航空が就航しているが、料金は高止まりしている。

ミャンマー国際航空による関空-ヤンゴンのチャーター便は週3便。関空を13時発、プノンペンを経由して同日中にヤンゴンに到着する。
また、茨城空港からのチャーター便も不定期に運航される。

(陸路)
陸路であっても事前にビザ(後述)を日本で取得しておいた方がスムーズ。ビザ無しの場合は中国やタイの入国地点から出国しなければならない。
タイからはミャワディ、中国は雲南省との境界キュコクあたりがメジャーな国境越えポイント。他国からヤンゴンへの直行バスなどという便利なものは無く、バスやピックアップトラックを改造した相乗りバスを乗り継ぐことになる。

(空港)
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(画像:Wikipedia)

ヤンゴンの空の玄関はヤンゴン国際空港(RGN)。市外から北15kmに位置する。
ミャンマー航空、ミャンマー国際航空のハブ空港。ミャンマー国際航空をはじめエアアジアやベトナム航空、ANAが到着する国際線ターミナルと国内線ターミナルがある。

空港からの移動手段はタクシーのみ。
国際線到着ロビーにエアポートタクシーのカウンターがある。
市街まで早朝なら約30~40分、日中は渋滞状況によって2時間ちかくになることも。料金は市街まで定額7,000K。国内線ターミナルからでも同じ料金。

空港ターミナルビル外の路上で客待ちしているタクシーもあるが、乗合で1人6000~7000Kと安くないので利用価値はない。外で流しを拾えば5000K程度まで下がることもあるが、重い荷物を引いて行く手間を考えると空港タクシーがベスト。




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地理と気候

ミャンマーはインドシナ半島の西部に位置し、東にタイとラオス、北に中国、西にインドと接する。日本の1.8倍という広大な国土を誇り、気候も南北でかなり異なる。
ヤンゴンの位置する南端は熱帯性気候で、年間通じて30度以上。
5~9月は雨が多い雨季。11月~4月は乾季で、乾季の後半3~4月は気温も高め。
やはり乾季がベストシーズン。3~4月はヤンゴンでもシュエダゴンバゴダの祭りや水かけ祭りなどイベントが多く、日程を合わせて行くと一層楽しめる。

日本との時差はマイナス2時間半。日本の正午がミャンマーの9時半。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語はミャンマー語だが、イギリス領であった経緯もあり英語の通用度は高く、ほぼ英語で用が足りると思って良い。観光分野では日本語可のガイドなども割に多い。

通貨はミャンマー・チャット(MMK)。K(単数形)、Ks(複数形)と表記される。補助通貨としてピャー(Pya;100ピャー=1チャット)もあるがインフレのため使われていない。
現金決済が主流であるため紙幣の種類は多く、1、5、10、20、50、100、200、500、1000、5000、1万Kと11種ある。硬貨も存在するらしい。
1ミャンマー・チャット=0.11円。だいたい10チャットで1円と覚えておけばよい。

米ドルは必須。
日本円を現地で両替することは困難であり、米ドル→チャットへの両替が基本。
米ドルがそのまま使えてしまうことも多く、ホテルや外国人の施設入場料などは米ドル建ての場合もある。チャットは食事やタクシーなどで使う。
現地でATMからキャッシングして米ドルを入手しても良いが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
札番号がCBではじまる米ドル札は、受け取りを拒否されることがある。
高額のドル札は使いにくいので1ドル札を多く持っておくと便利。

現地での両替は銀行やホテルで行うが、空港で両替するのが手っ取り早い。計数機で枚数を確認してくれるしレートも悪くない。なお、かつては「強制両替」という悪名高い制度があったが現在は廃止されている。
チャットの国外持ち出しは禁止されており、再両替が可能なのは米ドル、ユーロ、シンガポールドルに限られる。

ミャンマーの物価はホテル代を除きおおむね安め。
ローカルレストランで麺などが1,000K(チャット)、カレーや中華などで2,500K、ビールを付けると6,000K程度。ローカルブランドのビールが1缶800チャット、ミネラルウォーターが1リットルで250チャット。
タクシーを1日チャーターすると50ドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。使えても手数料が高め。

チップは基本不要。ベルボーイに1ドル程度。ガイドやドライバーには1~3ドル程度。高級ホテルでは10%の税金と10%のサービス料が加算される。


(画像:banknotes.com)

ビザと治安

ミャンマー入国にはビザが必要。
観光ビザは最長28日間で、滞在期間の延長はできない。

軍政下では1人1人の観光ビザ申請に対する審査を閣僚自らが行っていたという逸話も残るが、現在はオンラインビザ(e-VISA)が利用できるようになるなどかつてのビザがめんどうな国というイメージは払拭されつつある。
オンラインビザはヤンゴン国際空港から観光目的で入国する場合のみ適用。事前にインターネットで申請しておくと空港到着時にビザが発給される仕組み。

また、ミャンマー国際航空を利用し広州・シェムリアップよりヤンゴンに入る場合のみアライバルビザの取得が可能。
制度は頻繁に変わる可能性があるので必ず各国大使館サイトで確認を。

素朴な国民性のためか、軍政の名残(with密告制)か、基本的に治安は良い。
スリや置き引き、ぼったくりなどはあるものの、周辺諸国に比べると犯罪件数、被害の度合い共にかなりおとなしい方。

北部地域など国境に接している州は外国人の立ち入りが制限されている区域があり、自由に旅行はできない。

市内交通

地下鉄やトラムなどのいわゆる公共交通機関はないため、旅行者にとっての主要移動手段はタクシーとなる。
他の東南アジア諸国同様、市内の交通状況は悪い。外貨不足でクルマは非常に高価(中古のカローラが4百万円近くで売られているというエピソードも有名)だが、なぜか市内は渋滞しまくっている。昼夜問わずクラクションがなりまくり、割り込みも多い。ヤンゴンの場合警官以外のバイクは規制されているため、ベトナムのようなバイクラッシュに悩まされることはないのが救い。

(タクシー)
流しのタクシーも多く走っており、つかまえるのに苦労することはない。許可をもらっているタクシーは屋根にTAXIの看板がついており、赤いナンバー。
料金は交渉制。メーターが付いていても使うことはまれ。徒歩5分程度の距離ならだいたい1000~1500Kが相場。
ふっかけてくることも多いが、外国人料金せいぜい1000K上乗せされる程度。
終日チャーターの場合はガソリン代抜きで50,000K程度。

バイタクはないが、自転車タクシー(サイカー)がある。同じく交渉制だが3kmで1500K程度。

(バス)
路線図はなく、ビルマ文字の複雑さもあり利用難易度は高い。
キップはなく、車掌(行き先を連呼し料金徴収をしている男性)に降りたい場所を告げて直接支払う。日本のバスを払い下げた車両やトラックの荷台を改造したピックアップトラック型のバスなど、車体はバラエティに富んでいる。

長距離バスのチケットはヤンゴン中央駅北のバス会社カウンターや、駅南のスーレーパゴダ通り沿いにあるカウンターで購入できる。長距離バスターミナルは2つあるので、どちらに乗るかを確認しておこう。
なお、チケット売場の周辺にはモグリのチケット売りや悪徳両替屋がいることがあるので注意。

(鉄道)
南のヤンゴンから空港を越えて北のミンガラドンまで約46kmを一周する環状線があり、所要3時間・料金は1ドル。窓ガラスもないものからLED照明のものまで車両は様々。
ヤンゴン駅は1954年竣工。ミャンマー伝統建築様式にのっとった壮麗な建物。寝台列車など遠方に向かうチケットは外国人専用カウンターや駅南の予約カウンターで購入する。

(レンタサイクル・バイク)
レンタサイクルの相場は一日借りて2000K程度。
移動には便利だが、道路事情は悪いので注意。未舗装の場所や舗装が崩壊している箇所も多い。

ホテル

観光需要の高まりと共にヒルトン、ペニンシュラといった外資系高級ホテルの進出が続いているが、まだまだ需要に供給がおいついていない状態で、総じて高め。5つ星ホテルなら3万円以上もザラ、3つ星クラスでも5千円~1万円とかなり割高な印象。
ゲストハウスならぐっと値が下がり、個室で2千円~程度。SIMの入手や現地ツアーなど、下手なホテルよりも融通が効く。
クラスにかかわらずヤンゴンの宿はすぐに埋まってしまう。通年で予約が必須。

かつての軍政時代は個人宅に泊まるというのは考えられなかったが現在は解禁されており、Airbnbでもヤンゴンの宿が数件ヒットする。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ミャンマーの携帯サービスはMPT(Myanmar Posts and Telecommunications;ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)、Ooredoo(カタール資本)、Telenor(ノルウェー資本)。電波状態はMPTが最も良いとされるが、14年に参入したばかりのOoredoo、Telenorも急速にネットワークを拡大している模様。

かつては外国人のプリペイドSIM購入には制限があり、現地人でも法外な価格を払わないと入手できなかった模様(一枚3,500ドルとか…)。利権を独占していた役人が追い出され携帯通信も自由化、現在は価格も下がり外国人でもSIMを購入できるようになっている。
SIM購入にはパスポートのコピーが必要。ショッピングセンターの家電店や露店で購入できる。なお、プリペイドSIMは「Top-up card」と呼ばれている。

MPTは日本のKDDIと提携しており、11/14に発の直営店舗をオープンしたばかり(場所はBo Aung Gyaw StreetとStrand Roadの交差点にあるヤンゴン中央郵便局内)。ここで買うのがてっとり早い。
プリペイドSIMの価格は1,500チャット。1万チャットチャージすると120日、3万なら360日有効となる。データ通信は1万チャットのイニシャル・チャージが必要で、課金は時間制となっている。3G通信の場合4チャット/分、1時間で240チャット(速度不明)。

Ooredooの料金体系は一般的な容量ベース。
一日50Mのプラン390チャット、月間500Mのプランが3,900チャット、同1Gのプランで6,900チャット、2Gで12,900チャット、5Gで29,900チャット、10Gで55,900チャット。

Telenorの場合、「Smart Internet monthly pack」が使いやすい。
30日有効の容量1G、速度2Mbpsのプランで費用は6,600チャット。SIMの価格が1,500チャット。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は3日間で3,600円~とやや高め。できれば現地で調達したい。

(WiFi)
外国人が行くようなカフェやレストランではWiFiの表記を出しているところも増えてきた。ホテルでもWiFiを提供している。
周囲の東南アジア諸国に比べ、WiFi利用が可能な施設はまだまだ少なく、回線速度や安定性なども劣る。
ヤンゴン国際空港の2階は無料WiFiが通じている。また、シュエダゴォン・パゴダには無料WiFiがあり、外国人は30分有効のカードをもらえる。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:12月17日(水)口尾麻美さん スライド&トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「旅するリトアニア」発売記念
◆口尾麻美さん  スライド&トークイベント◆
「森と湖の国、リトアニアへようこそ!」

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新刊『旅するリトアニア』(グラフィック社)の発売を記念して、料理研究家の口尾麻美さんをゲストにお迎えして、バルト三国のリトアニアの魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。『トルコで出会った路地裏レシピ』『モロッコで出会った
街角レシピ』など、旅で出会った料理や道具、ライフスタイルに関する著作が多数ある口尾さんが今回注目したのは、「リトアニアリネン」に代表される、さまざまなハンドクラフトが注目されるバルト3国のひとつ、リトアニア。ここ数年、旅好き、雑貨好き、東欧のかわいいもの好き、の女性達の次の旅の目的地として注目を集めています。そこで、本書では、森に深く根ざした生活、首都ヴィリニュスの魅力、郊外の街へのショートトリップ、代表的なハンドクラフトの工房巡り、独特な食文化、魅力的な代表料理のレシピなど、素朴で新しいリトアニアの今が紹介されています。今回のイベントでは、おいしいリトアニア料理の話を中心に、口尾さんが旅で感じたとっておきの貴重なリトアニアの話が聞けるはずです。
口尾さんのファンの方はもちろん、バルト三国やリトアニアに興味のある方や東欧の雑貨や料理が好きな方はぜひご参加下さいませ!なお、参加者の方には、口尾さん特製、リトアニアミートパイのプレゼントがありますよ!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


口尾麻美(くちおあさみ)

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料理研究家 Amazigh(アマジィーク)主宰。旅からインスピレーションを受けたジャンルにとらわれない料理を提案。料理教室、書籍、イベントを通して料理やキッチンライフを楽しくするアイデアを発信している。著書に『トルコで出会った路地裏レシピ』、『モロッコで出会った街角レシピ』、『クスクスっておいしい!パリ&モロッコの旅と、とっておきのレシピ』(グラフィック社)など。

口尾麻美さんツイッター
https://twitter.com/asami_kuchio


【開催日時】  12月17日(水)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:グラフィック社

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6. 編集後記

 
tabinoteワタベです。
今号でメールマガジン36号となります。
前号、35号目に何かやりたいねと話していたんですが、隔週ペースの発刊は結構しんどく、いつも企画前に次号の〆切が来てしまう状態です。
年末頃にはささやかな発表ができるかもしれませんのでお楽しみに…。

ニュースでひそかに注目したのはピーチの沖縄-香港線ですね。
LCCもすっかり日本に定着したとはいえ、国際線は正直まだまだ拡大余地があると思います。とはいえ東京から海外の諸都市は遠く、首都圏の空港も飽和状態。那覇をハブにして(沖縄だけに…)アジア諸都市へ飛べればグッと便利になりますよね。
ちなみにニュースはtabinote田口が担当しています。さりげなくボストンの全裸事件をおりこむあたりに審美眼を感じます。

下川さんの連載はタイトルだけで笑いました。無料版の方もオチがわかるのではないでしょうか。1年前まではドンムアンも快適だったようですが…。

吉田さんの連載はジャカルタ。インドネシアで日本の払い下げ車両が活躍しているという話は一部で知られています。下川さんの本にも、せっかくの旅先で通勤時代を思い出しウンザリ的なエピソードがありました。JKT48の人気の秘密にも触れています。

旅行記はキナバル2回目です。まだ登るところまで行ってません。
キナバルが終わると旅行記ネタが枯渇しそうなのでちびちび小出しにしています、ご容赦の程を。
皆様の旅行記を大募集しています。ささやかですが謝礼も用意しておりますので我こそはと思う方はぜひお寄せ下さい。

復活した青木さんの旅行記はいよいよインド。私は初海外がムンバイだったので懐かしく読みました。インドでは世界中どこの国の旅行者もお腹を壊すらしく、旅先でお腹を壊すという意味の言葉(Delhi belly)が英英辞典に載ってて笑った覚えがあります。何しろ地元の人でさえしょっちゅう下すそうで…。

「世界あの街」はヤンゴンです。ミャンマーは近年格段に身近になりました。ヤンゴン近郊だけでも見どころだらけですが、今回触れられなかった中央部や北部はさらにディープで面白いそうです。SIMの調査にはかなり苦労しました。毎回SIMだけはガイドブックにも記載がないしネット上にも断片的な情報しかないので時間がかかります。どうせすぐ料金とか変わっちゃうんですけどね…。

イベントラッシュが続いていた西荻のまどさん、次は12/17(水)にリトアニアのイベントだそうです。西欧・東欧・北欧のテイストが混じった面白いエリアのようですよ。

以上、今号も2万9千字とボリュームたっぷり。もしかしたら過去最長かもです。よろしくお願いいたします。

次回は12月16日(火)の発行予定です。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

166031
一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従い行っていただきますようお願いいたします。

次回は12月16日(火)の発行予定です。

tabinoteメールマガジン 2014/12/02号 Vol.036 無料版

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その2
3b. 世界一周ノート 第21回:インド チェンナイ~ムンバイ
4. 世界あの街この街:ヤンゴン
5. 旅の本屋 のまど イベント情報:12月17日(水)口尾麻美さん スライド&トークイベント
6. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

ピーチ、搭乗者数700万人を突破

ANA傘下のピーチ・アビエーションは、累計搭乗者数が700万人を突破したと発表。2012年3月の初フライトから2年9ヶ月での達成となる。なお、ピーチは2013年3月期に初の黒字転換を発表している。

ニュージーランド航空、最新鋭機を日本線に投入

ニュージーランド航空は、米ボーイングから受領したばかりの最新鋭機、B787−9型機を東京・成田~オークランド線に投入を開始した。エコノミークラスに、横1列3座席が水平のソファ状態となる新座席「スカイカウチ」が用意されているのが特徴。同型機を運航する航空会社はANAに続き世界で2番目となる。

skycouch

http://www.airnewzealand.com/dreamlinerflyhappy/ja#!/welcome

ピーチ、沖縄~香港線に就航

ピーチは、2015年2月21日より沖縄・那覇~香港線に就航することを発表した。月・水・土・日の週4便運行。料金は最安7180円、燃油サーチャージは不要。同社ウエブサイトではすでに予約受付が開始されている。

日本就航便の、欠航・遅延率ワーストは?

国土交通省は、航空輸送サービスに係わる情報公開(平成26年7月~9月)を発表。それによると、期間内の欠航率ワーストは2.86%の春秋航空日本、2位は1.64%のピーチ。遅延率ワーストは20.52%のピーチがワースト、14.41%の春秋航空日本が2位となった。ただしこの統計は路線や天候による影響も大きいので単純に比較することはできない。参考までに。

http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku04_hh_000101.html

エアアジア、アジア内を周遊できるASEANパスを発売

エアアジアは、2015年1月15日に、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で自由に航空機に乗ることができる周遊航空券「エアアジアASEANパス」を販売開始すると発表した。同パスはエアアジアが就航しているASEAN域内の137路線から最大10路線を利用でき、料金は499リンギ(約17000円)。有効期間は1カ月で空港税は含まない。また、20路線有効のパスも後日発表されるようだ。

ボストン空港で全裸男性が女子トイレに落下

ボストンのローガン空港ターミナルCで、女性がトイレを使用している際に、全裸男性が天井を突き破って落下し、そのまま外に飛び出し付近にいた84歳の男性に暴行を加えるという事件が発生した。容疑者は女子トイレに忍び込み、個室にて全裸になったあと天井裏によじ登ったらしい。

東京都の地下鉄143駅で無料Wi-Fiを公開

東京メトロと東京都交通局は、2020年の東京オリンピックを見据え、主に訪日外国人旅行者向けに地下鉄143駅で無料Wi-Fiサービスを開始する。利用するにはスマートホンに認証アプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」をインストール、登録を行なう必要がある。利用時間は1回3時間だが、再び認証を行なうことで実質無制限に利用可能。なお、旅行者だけではなく日本人も利用できる。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

ドーンムアン空港は中国の路上か

 バンコクのドーンムアン空港が、なんだか中国の空港のような雰囲気をもちはじめている。
 ドーンムアン空港は、バンコクのLCCターミナルの役割を担っている。タイエアアジアとノックエアという、タイを代表するLCCが拠点にしているからだ。この2社は国際線も就航させている。とくにタイエアアジアは、最近、中国路線を次々に開設している。北京や上海といった都市だけではない。中国の第2都市グループに路線を広げている。


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2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第34回 吉田友和

じ ジャカルタ

 インドネシアの入国ビザが、2015年1月から撤廃されることに決まったという。そのニュースを見たのが、ちょうどまさにインドネシアから帰国した直後だったから、ちょっぴり損した気分だ。
 ビザが必要といっても、到着時に空港で簡単にアライバルビザが取得可能だった。渡航前に取得しないで済むのは楽チンではあるが、料金がいささか高い。35ドルである。
 空港内のビザのブースでお金を支払うと、専用のシールを渡される。それを持って入国審査に並ぶと、係官がパスポートに貼り付けてスタンプを押してくるわけだ。たかがシールに35ドルと思うと、なんだか馬鹿馬鹿しいのも正直なところだった。


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3a. tabinote旅行記 エアアジアXで行く! キナバル山日帰り登頂-その2

 
tabinoteワタベです。今年6月のキナバル山登山、数回に渡ってレポートします。
ちんたら書いているので全然終わりが見えませんが、今回が2回目です。

一日目:登山許可申請

前回まで:キナバル山を日帰りで登るためにエアアジアでボルネオ島のコタ・キナバルへ来た私。タクシーとバスを乗り継ぎ、登山許可を申請するキナバル公園のゲートに着いた。

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(画像:tabinote)


とりあえずカートを引きながらキナバル公園の管理事務所へつづく階段を上る。
うーむ、この階段でもう息が切れそう。
管理事務所に入り、近くにいた人に日帰り登山を申請したい旨話したところ、しばらく待つように言われる。

その後案内されたのは公園管理人の部屋。
管理人はMr. Peninsus。海外ブログでも「彼のサジ加減一つで許可がおりるかどうか決まるのでは」などと書かれている。
今回の計画で最初にして最大の関門が登山許可の取得。これが取れなかったら残りの日々を過ごすアテはまるでない。

事前情報によると日帰り登山の許可は1日に4組。前日に1クラス分くらいの日帰り登山希望者が管理事務所に殺到していたらたっぷり一週間は登れないことになる。渡航した6月はマレーシアの学校休暇と重なってるようで、リゾート地はかなり混み合うらしいというイヤな情報も聞いていた。

不安の中、「日本から来た、日帰り登山したい」という主旨のことを話すと、特にこちらの体力レベルをいぶかしむことも経験を尋ねることも無く、あっさり「OK」と言って書類を探し始めた。なんか拍子抜け…。
しかも明日の金曜・土・日、どの日も空きがあるという。
雨季に日帰りで登る物好きはそうはいないということか。

さて、今この場で登る日を今決めなければならないという状況になり、迷った。
 P氏 「ところで、いつ登りたいんだ?」
 私  「ええと、できれば明日(金曜日)…」
 P氏 「そうか。ただ明日は完全に雨だと聞いている。やめた方がいい
 私  「では、土曜日は?」
 P氏 「土曜は曇りだが、降るかもしれない
 私  「日曜の天気は?」
 P氏 「降るかもしれない

万全な日は無い模様。仕方なく、土曜日にした。土曜がダメなら日曜にチャレンジすればいい。
多少雨が降っても、登頂さえしてしまえばあとは降りるだけだ。午前さえ天気が保ってくれれば構わない。それに、公園周辺は山以外に何も無いへき地で、日曜まで過ごすのはつらそうだった。コタ・キナバル市街で一日くらい過ごしたかったし。

Peninsus氏がパスポート番号や連絡先を控えている間、私は何か起きても公園事務所は関知しない云々の承諾事項にサイン。最後に許可証に彼が署名して終了。

私  「ところで、今日日帰りで登った登山者はいたの?」
P氏 「2組登ったが、1組はリタイヤしたもう1組はラバン・ラタ(3,273m)まで行ったが雨でリタイヤだ。今下山している」

こんな雨の日に2組もいたのか!でもリタイヤ…。
サイン済みの許可証をもって管理事務所を出た。
小雨空で外は暗く、明日登山ができるようにはとても思えない。明後日、土曜にしといて良かった。それまでに雲が減ってくれることを願う。

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(画像:tabinote)

さて、許可証を見ていると気になることを見つける。
事前調査では、制限時間は登り5時間半、下り4時間半と控えていた。

登山口のティンポポンゲート(Timpohon;標高1,866m)を7時~7時半にスタート。時間制限は2箇所で、ラバン・ラタ(3,273m)に午前10時、次に最高地点のロウズ・ピーク(Low’s Peak;4,095m)が13時。登頂後、出発地点のティンポポンゲートまで17:30には戻る必要あり。したがって登頂までの制限時間は5時間半、13時に下山した場合下りの制限時間が4時間半

しかし、許可証にはゲートクローズが16時半となっている。下りもちんたら降りてたらアカンということか。

管理事務所からカートを引いて階段を降りる途中、最後の濡れた段で足を滑らせ盛大にコケた。腰をぶつけて半端なく痛い。遠くで談笑中っぽいガイド達(推定)が一斉にこちらを振り向く。
こんな有様で登れるのか、先が思いやられる…。

さて、事務所から麓に降りる途中で、山の方からクルマが一台。
中から濡れネズミのようになった190cmくらいの白人がトボトボ降りてきた。
上下黒のレインウェアと巨大なザック、無帽。
水滴混じりの髪はぺったりと額に貼り付き、心底疲れ切ったご様子。

あー、リタイヤした人ってきっとあの人だな…。
どう見ても普通ではない様子を見て、はじめてキナバルの山裾を見たとき同様軽くびびる。

6月のボルネオ島はクソ暑いはずだが、ここキナバル公園は既に標高1,600mの高地。夕方になって体感気温は15度を切っており、雨のためさらに寒く感じる。山は一般的に100m高くなれば0.6度気温が下がるとされているので、2,000m登ればそれだけで12度ダウン。頂上で風が吹けばたちまち0度くらいになるだろう。雨に濡れれば命取りだ。帽子かぶっていった方がいいな…。

さて、痛む腰を気にしつつ、公園から出て宿を探しに行く。
世界攻略者さんの旅行記にもあったTahubangロッジだ。運良くシングルが空いているとのことで、そちらに滑り込む。
荷物を置いてようやく一息。

↓左がレストランで、右がTahubangロッジ。おそらくどちらも生協のようなグループがやってる。ホントに公園ゲート目の前。
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(画像:tabinote)

ともかく、最大の関門、登山許可をゲットした。あとは明後日の好天を祈るだけだ。

ここまで移動に次ぐ移動で息もつけなかったので、腹が減ってきた。
宿の隣の食堂に向かう。
山の方を見るとキナバル山の山頂あたりに灰色の雲が渦巻いている。低い場所の雲が晴れ、山の全容が徐々に見えてきた。でかいなー。そして時折、山頂の凶悪なギザギザが顔をのぞく。
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(画像:tabinote)


さて、前回触れた通り日帰り登山の条件は以下の通り。

・運良く滞在中に日帰り登山枠の空きがある。 ->クリア!
・天候に恵まれる ->怪しい
・高山病が出ない ->?
・体力が保って制限時間内に登れる ->?

次の懸案は天気と高山病だった。
滞在日程は決まってしまっているので、天気は運に任せるしかない。そもそもあの申し込みシステムだと確実に好天になる前日まで現地で粘るのが最善だが、今回それは日程的に無理だった。6~7月にかけてのボルネオ島は年間で最も雨が多い時期の1つ(6~7月と9~11月は月間平均雨量が250~400mmに達する)。熱帯特有の激しい雨も降るということで、はっきり言って登山には不向き。

高山病も未知だ。これまで私が行った最高地点はせいぜい2,000mレベルだし、平素高所に強い人でも突然症状が出たりすることもあるらしい。これも天候同様にどうにもならない。
急性高山病-日本登山医学会

唯一自分でコントロールできそうな条件は体力。
ロンリープラネット・ボルネオに記載のあった「日帰り登山には非常な健脚が必要」という記述だけではどのくらいの健脚なら大丈夫なのかさっぱりわからないので、具体的にどのくらいの体力が必要なのかを渡航前に見積もっておいた。

参考としたのはキナバル山を山頂まで登る鉄人レース、キナバル登山マラソン。
開催年によってコースが違うのでなかなか比較が難しいのだが、登りの距離が今回の日帰り登山と同じ2011年のレースを参照した。

(画像:myrunningescapades.blogspot.jp)

この年のレースは登りがティンポポンゲート(標高1,866m)から8.7km登って頂上まで。下りはティンポポンゲートよりさらに4kmほど下ったキナバル公園(標高約1,600m)まで。下りが4kmほど長いが登りは日帰り登山の公式コースと同じである。
覇者はイタリア人のMARCO DE GASPERI。この時の記録は登りが1時間35分、下り含むフィニッシュタイムは2時間34分。日帰り登山の登りは制限時間が5時間半だから、なんとその1/3の時間で登っている。
1時間35分というと、だいたい陸上世界記録の30km~35kmくらいのタイム。
上り下りなら2時間半だが、下りが日帰り登山のコースより4km長い点を差し引くと2時間15分くらいでスタート地点に降りてきたことになる。

つまり、世界トップアスリートが1時間35分かければ、平地なら30km~35kmくらい走れ、キナバルなら頂上まで行けるということになる。そして、2時間15分もあれば、平地なら42kmを完走し、キナバル山ならスタート地点まで降りられる…。
2011年の8位の日本人・小川壮太選手の場合フルマラソンの記録が残っているのでより参考になる。キナバルの登りが1時間58分、フルマラソンが2時間26分(大学時代の記録)。マラソンタイムから逆算すると、やはり頂上着は35km地点くらいのタイムとなる。

ここから、キナバル日帰り登山はフルマラソンくらいの体力負荷、登りだけなら35km走くらいの負荷ではなかろうかと見積もった。
体力的に問題となるのは登りだけだろう。日帰りの登り制限時間は5時間半なので、その間に35kmを走れるくらいの体力があればいいということになる。一般的な市民ランナーで、フルマラソンを4~5時間で走る人は珍しくない。まして35kmを5時間半なら1kmあたり…10分?歩くくらいのペースだ。たいしたことないじゃないかも?
推定に推定を重ねた話ではあるが、具体的な数字が見えてくると結構なんとかなるかもという感じがしてきた。

とりあえずこの日はカレーを流し込んで早めに寝る。
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(画像:tabinote)

明日はすることもないので、周辺散策でもすることにしよう。

二日目:周辺散策

金曜日。やはり朝から小雨まじりの曇り空。

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(画像:tabinote)
キナバル山頂には盛大に雲がかかっている。

この日は明日の登山に備えた待機日。
本来は休養日にあてるべきかもしれないが、ネットも遅く本も読んでしまってすぐにやることがなくなる。隣室の中国人の子供が素晴らしくしつけが効いておりうるさくて寝ることも出来ない。
外出してヒマをつぶすことにした。

キナバル公園は、登山者のベースキャンプのようなところで、植物園や散策用の山道(トレイル)を除くと何もない。
公園内には高級リゾートグループのステラが経営する快適なホテルがあり、待機組が室内で過ごしてもそれほど退屈しない設備があるのかもしれないが、公園外の安宿に泊まる私には無縁。
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(キナバル公園マップ、画像:tabinote)

宿の隣の食堂で朝食の焼きソバを食った後、公園内にあるという植物園に行くことにした。
ボルネオ島の熱帯植物やキナバル山の高原植物などが集めてあるという。
世界最大の花、ラフレシアや巨大なウツボカズラもボルネオ島の固有種とのことで、期待が高まる。

公園のゲートをくぐる。
そのうち晴れ間が出てきて、傘なしでも歩けるようになってきた。あれ、今日登った方がよかったかな?
昨日入場時に支払った15リンギット(RM)のチケットは3日間有効らしく、顔パスで通してくれた。
ゲートをくぐると公園内の地図があり、眼下にレストランが見える。キナバル山を牛耳る高級リゾート、ステラのレストランだ。白人ツーリストがちらほら見える。
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(画像:tabinote)

レストランの脇を通って遊歩道をしばらく歩くとロッジや博物館などいろいろな施設があるが、とくに時間をつぶせるような感じはない。そもそも朝なので空いてない。
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(画像:tabinote)

巨大なラフレシアの看板。
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(画像:tabinote)

長い階段道を上る。
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(画像:tabinote)
ここまで来る間にも昨日管理事務所の階段でこけ、したたかにぶつけた腰がジンジン痛む。
悪化しなければいいけど。

そして入り口へ。
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(画像:tabinote)

入場口、誰もいない
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(画像:tabinote)

入場料(5RM)払わなくていいの?
入っちゃうよ…?
まあ、出るとき受付係が居たら払えばいいかと思い、中へ。

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(画像:tabinote)

はっきり言って、それほど見るべきものは無かった。なんというか、適当に木が植わっているという感じ。
貴重な植物群なのかもしれないが今ひとつ目立つモノがなく、30分くらいで一周してしまった。
しばらくすると人の声…。なんと日本人!
青いHISのジャンパーを着たガイドが、初老の日本人旅行者数名を相手に解説をしている。昨日から空港周辺はおろか公園内でも全く日本人を見ていなかったので新鮮な感じ。
ガイドの話によると、大きなウツボカズラがあるとのことなので再度巡ってみたが…、枯れていた。
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(画像:tabinote)

仕方なく一周して入り口(兼出口)に戻ると、やはり誰も居ない
やる気なさすぎだろ!
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(画像:tabinote)

5RM札をカウンターに置いて出た。


植物園で全くヒマがつぶせなかった。コタ・キナバルに戻って観光してもいいが片道2時間かかる。
近場に街が無いか聞いてみると、ラナウという街が最も近いという。
ラナウについて調べてみると、パンクなモチーフで知られる木版画の工房があるという。楽しいかもしれない。
さっそく昼飯を食って(また焼きソバ)、ラナウ方面行きの乗り合いバス乗り場に向かう。
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(画像:tabinote)

ちなみに、公園と宿(Tahubangロッジ)の位置関係は以下の通り。登山口方面が植物園。
バス乗り場も宿の隣で大変便利。
キナバル公園   Google マップ
(地図:Google)

ラナウ行きの乗り合いバスはなかなか発車しない。
運転手が今すぐ行くから50RMではいかがか?と提案してきた。
相場がわからないが…、確かコタ・キナバルからの乗り合いバスは8人で20RM、ラナウまでは半分の道のりとして正規料金は10RMくらいか。8人乗りなら本来80RMは欲しいところだろう、そうすると50RMは決して法外では無いが、コタ・キナバルまで20RMで行けるのにいかにも高い。20RM以下ということで交渉し、19RMで成立。他のアジアのドライバーのようにしつこい交渉はなく、あっさりしていた。

やはり山道をガタゴトゆられてラナウ村に到着。
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(画像:tabinote)

ラナウはキナバル山を臨む街道沿いのバザールという感じ。
Wikipediaで後から見たところ人口10万人ということなので、村と呼ぶのは失礼な話なのだが、どう見ても「集落」くらいの規模。
村一番の人気スポットがケンタッキー、あとはローカル食堂やショップがメイン。
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(画像:tabinote)

日本人が訪れることはほとんど無さそうな規模であったが、この地は旧日本軍がむちゃな捕虜行軍で多数の犠牲者を出した「サンダカン死の行進」のゴール地点。追悼&記念施設もあるようだが、それは出発地のキナバル公園とラナウの間くらいにあり、ラナウの中心からは相当離れている模様だったため、訪問を断念した。

蒸し暑い中、イスラム料理屋(?)で焼きソバを食い、水を一本買って散策を開始。

・・・単なる田舎町。
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(画像:tabinote)

マレーシアやインドネシアはブラックベリーが多いらしい。
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(画像:tabinote)

ボルネオはリゾートなので、こんなバイクもある(たぶんレンタル)。
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(画像:tabinote)

散策といっても規模が小さいので、すぐに見尽くしてしまう。
強烈に小便臭いビルの2階にようやく例の版画工房を発見したが、閉まっていた…。
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(画像:tabinote)

若者は多いが、ゲームセンターかケンタッキー、カフェでスマホなど、ヒマをもてあましている連中が目につくのは日本と変わらない。特にケンタッキーは混みまくりだった。
夜中はムエタイの興業がある模様。少し興味があったが、残念ながら日程があわず断念。
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ラナウ自体は数時間ヒマがつぶせればラッキーくらいの規模なので、もし登山待機日が2~3日あったならばいっそコタ・キナバルに戻るか、サンダカンにでも向かった方がいいかもしれないと思った。

さて、陽が落ちる前に乗り合いバスでキナバル公園に戻る。

雲が増えてきた気がする。大丈夫かな…。
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(画像:tabinote)


夕飯(カレー麺)をとって宿に戻り、再度公園へ。
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(画像:tabinote)

日が落ちてラバン・ラタ小屋(標高3,273m)の明かりが見える。相変わらず雲は晴れない。
今日は小雨程度なのでなんとかあそこまでは行けただろう。明日はご来光目当ての宿泊組が早朝にアタックする。
私の出発はその後、午前7時半。
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(画像:tabinote)

もうこうなったらどんな天気だろうが登るしかない。
宿に戻って準備をすることにした。

(続く)

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第21回:インド チェンナイ~ムンバイ

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南インド、チェンナイにエア・アジアで着いた。アライバルビザの発効は何故かイラつき、手間取る係官のおかげで2時間かかり、空港を出て汚い列車に乗り込んだ時には23時を回っていた。
無計画に、旅の再スタートはバンコクと決めて、いざ着いてみると安い航空券はなかった。カルカッタやデリーといっためぼしい都市へのフライトは予算オーバーで、結局安いチェンナイ行きのチケットを僕は買った。ビザ申請は面倒くさく、結局アライバルでとることにした。
ワーホリ・バブルを抱えた僕はバンコクで浮かれ、ゴーゴーバーを梯子したり、日本にお土産を送ったりしていた。

そんな華々しかったバンコクから一転、チェンナイ・エグモア駅は暑かった。駅を降りると数人の客引きがやって来たけれど、思っていたよりもしつこくはなく、僕は歩いて安宿を目指した。英語は比較的通じるように思われた。
なんとかホテルの従業員を起こし、チェックインした部屋は300円のシングルだった。暗く、臭く、湿った部屋は、それでも僕の想像していたインドよりは充分快適だった。「僕は旅慣れた。やっていける」そんな過信を胸に僕は眠りについた。

翌朝、パスポートのコピーが欲しいと言われ、僕はパスポートとコピー代16円をおじさんに預けた。おじさんがコピー屋に行くのに暇だからついて行くと、コピー代は8円だった。おじさんは会計を見られたのでお釣りの8円を返そうとしたけれど、僕はことわっておじさんに8円をチップとして渡した。それ以来、おじさんは僕が何かしようとする度に手伝おうとした。そして何か困っていないかと30分おきに部屋に来た。近くにWiFi環境がないので訪ねると、離れたショッピングモールを教えてくれ、仕方なくバスで向かうとそこにWiFiはなかった。そのショッピングモールについて来た宿にいるインド人は夕食を僕に払わせた。食後のパーンと呼ばれる生の葉で香辛料を包んだやつ(噛みタバコのよう)も屋台で僕に買わせた。そして結局、tabinoteの原稿を送れず、連載に穴があいてしまった・・・

僕は遂にインドに来た。これらは500円にも満たなかったけれど問題は額じゃない、概念だった。効率とか、生産性とか、そういう概念の通用しないカーストが蔓延る国、インドに来たのだ。
チェンナイの濁った浜辺からインド洋を眺めると、その先にオーストラリアが浮かんでいるのが嘘のようだった。

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ネットがなく、予備知識もないので、僕は観光もろくにせずダラダラと散歩をして過ごした。そして列車でバンガロールを経由して、ムンバイへと駒を進めた。そしてインドにも慣れたと僕はまた勘違いしていた。辛いものが苦手なのでビリヤーニというカレー味の炒飯を食べ、コーラとクッキーで空腹を満たした。ムンバイでは安定してWiFiの入るカフェを見つけ、観光にも意欲的になれた。エレファンタ島というフェリーで1時間程の遺跡を見に行くことにした。そして浮かれた僕はターリというカレー定食を比較的ローカルなレストランで食べた。

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遺跡はどうってことはなかったけれど、さんざん旅行記で読み漁ったインドを巡っていることが嬉しかった。きっと自分はインドが好きになるタイプの人間であると少しづつ考え始めていた。お腹が痛くなるまでは。
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それは帰りのフェリーに乗ってすぐだった。お腹が痛い。すぐにターリがよぎった。ターリの端にあったヨーグルトみたいなやつがよぎった。原因はどうあれ、大きく揺れる船内で僕は目を閉じて祈った。祈りはフェリーが港に着くまでは通じた。ただ、そこから歩いて500mのホテルには届かなかった。27歳、痛恨の失禁だった。

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ホテルで洗濯した服に想いを馳せて、僕は砂漠の広がる西インドへの列車に乗った。失禁さえ済ませれば怖いものはない。あとは慎重に体調のことだけを考えて、上手くやっていける。観光資源に富んだ西インドはこれからだと、僕は自分に言い聞かせた。そして車窓に広がる乾燥地帯に野生の孔雀の姿を見た。もうすっかり気分は三島由紀夫だった。

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結局僕は都合3回失禁した。そんなに甘くはないし、やっぱりインドは刺激的だった。
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次回は西インド観光、ガンジス川で風とおかゆとバングラッシーを記します。


世界一周ノート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア→チェンマイ→ラオス→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー→チェンナイ→ムンバイ・・・。以降トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第35回 ヤンゴン

800px-The_Shwedagon_Paya_in_Yangon_(Rangoon),_Myanmar_(Burma)
(画像:Wikipedia)

ミャンマー連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

漢字では「仰光」と表記する黄金の都市。
近年経済成長著しく、ビジネス需要の後押しで日本からの来訪者も急増中。金色に輝く仏塔がまぶしいシュエダゴン・パゴダに代表される仏教建築や英国様式の壮麗な建物に近代的なビルが共存する街並みは実に独特で美しい。
東南アジアを巡ってリフレッシュのはずがぼったくられまくって殺伐とした心境になってしまった旅行者にもミャンマーは優しい。押し出しの強い周辺国とは違う素朴な国民性や日本人好みの食べ物など、一度訪れたらリピートしたくなる魅力をそなえている。
ダウンタウン散策や巨仏巡りの他、湖やビーチ、古都を巡るツアーも人気がある。

ヤンゴンはかつてラングーンと呼ばれたミャンマー最大の都市(首都はネーピードー)。
ミャンマーの南端に位置し、西のベンガル湾を越えるとインドという位置関係。

ヤンゴン・セントラル駅 から Happy World Amusement Park   Google マップ
(画像:Google;A-ヤンゴン中央駅、B-聖マリア大聖堂、C:スーレーパゴダ、D:ボータタウン・パゴダ、E:シナゴーグ、F:ボーヂョー・アウンサンマーケット、G:シュエダゴォン・パゴダ、H:チャウッターヂー・パゴダ、I:ハッピーワールド)

街歩きの起点はヤンゴン中央駅。ここから南は格子状に規則正しく整備された通りが拡がり、繁華街となっている。
YANGON_RAILWAY_STATION_MYANMAR_JAN_2013_(8493645870)
(画像:Wikipedia)

駅からまっすぐ南に向かうのがスーレーパゴダ通り。通りは文字通りスーレーパゴダを貫いてヤンゴン川に通じている。ヤンゴン市街はスーレーパゴダを中心に設計されており、人通りや音楽で大変賑わっている。高さ48mの黄金の塔は街歩きの目印になる。仏塔の北にある白亜の建物はヤンゴン市庁舎。
01-yangon-sule-paya-d01
(画像:Wikipedia)

スーレーパゴダ通りと直行し、市を東西に貫くのがボーヂョー・アウンサン通り。ホテルやレストランが建ち並ぶ。通り沿いの東には壮麗な聖マリア大聖堂があり、西いにはヤンゴン最大の市場、ボーヂョー・アウンサンマーケットがある。土産物探しや休憩に便利で、雑貨やロンジー、有名なインレー織りの布製品などもここで揃う(値段は高め)。
Cathedral_Church,_Yangon
(画像:Wikipedia)

ボーヂョー・アウンサンマーケットの南側あたりがスパイスの香り漂うインド人街。
南北に走るシュエボンター通りはかつてマゴー・ストリート、つまりムガル通りと呼ばれていた。この一帯はムガル帝国由来のイスラム・モスクやヒンドゥー寺院がある。
インド人街のさらに西には中華街が拡がっており、その境目にはシナゴーグがある。
聖マリア聖堂からスーレーパゴダ、モスクにシナゴーグに中華寺院とこの一帯は他民族と多宗教が共存するミャンマー連邦の多様さを象徴している。旅行者にとっては各国の食がそろうグルメ通りでもある。
800px-Hindu_temple_procession_cart,_Yangon
(画像:Wikipedia)

ミャンマー川の近くは英国統治時代の重厚な建物が並んでいる風光明媚なエリア。
このエリアにあるボータタウン・パゴダは2,500年もの歴史を誇るが、第二次大戦で破壊され戦後に再建された。
不幸中の幸いにして破壊跡から失われていた宝物が多数発見されたそうで、黄金の仏舎利に展示された仏陀の遺髪もその1つ。

(画像:Yangon-rangoon.com)

チャウッターヂー・パゴダは巨大な寝釈迦像で有名。ミャンマーの仏像は白い肌にくっきりした目鼻立ちでインパクト大。

(画像:Tripadvisor)

そして、ミャンマー観光最大の見どころと言っても過言ではない黄金寺、シュエダゴン・パゴダ。
(シュエダゴン・パゴダのメイン仏塔は2014年11月から修復工事の予定。外観を損なうような工事ではなく、見学も可能)
高さ100mにもおよぶ仏塔や大小様々な建物は黄金と宝石で輝き、そのスケールには圧倒される。
なお、訪問は日没時がおすすめ。寺内は裸足が義務づけられているため日中は石畳が熱せられて足の裏を火傷しかねない。
そして何より、深い紺色の空と黄金との対比が素晴らしい。

(画像:Tripadvisor)


シュエダゴン・パゴダの近くにあるミャンマー最大のB級スポットはハッピーワールド。
ディズニー、テレタビーズ、日本アニメなどをパクリまくった展示が満載の遊園地で、好事家にもつとに有名。
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(画像:team-yellow.com)

市街の北にあるのはインヤー湖。周囲はふんだんな緑で覆われ、遊園地や高級ホテルがありのんびりできる。ダウンタウンの安宿に泊まっていても、一回くらいは湖畔のレストランに行ってみよう。ライトアップされた屋外で民族舞踊を見ながらとる食事も楽しい(そして、食い終わったら安宿に戻る)。

(画像:Tripadvisor)


ヤンゴンの北東およそ70km、バゴーはモン族の王都として栄えた古都。
シュエダゴン・パゴダを上回る高さ110mの仏塔を誇るシュエモード・パゴダやシュエターリャウン寝仏、ミャッターリャウン仏など多様な仏教史跡が有名。巨大仏マニアならヤンゴンよりも楽しめるかも。

(画像:Tripadvisor)

ヤンゴンから北東におよそ200km、チャイティーヨーはシュエダゴン・パゴダと並ぶミャンマー名物。
落ちそうで落ちない不思議な巨石は、ミャンマーの仏教徒にとってだけではなく旅行者にとっても聖地。ヤンゴンからバスや鉄道を乗り継ぎ、麓の町キンプンから山頂に登る。ハイシーズン(11~4月)にはヤンゴンからキンプンへの直行バスがあるので日帰りも不可能ではないが、通常はバゴー泊となる。せっかくなので周囲でトレッキングを楽しみながらのんびり滞在するのもいい。
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(画像:Flicker, Jaap den Dulk)

中部バガンは仏教聖地として知られ、数々の寺院がある。
アーナンダ寺院はその代表格で、黄金のレリーフで名高い。
バガンの北50kmにあるポッパ山の山麓には岩山の上に築かれたタウン・カラッという寺院がある。岩山の上を切り取ったように黄金の寺が鎮座する不思議な光景は一見の価値あり。

(画像:Tripadvisor)

日程に余裕があれば、世界最大級のミャンマー巨仏を拝んでみたい。ミャンマー中央部のマンダレーから西、モンユワには高さ130mのレイチュンセッチャー大仏や100m超えの涅槃物、仏教テーマパークなどインパクト大の展示が集まる。
参考:人類最後の望みは、この巨仏! 超弩級の大仏像を巡る旅

【ミャンマー】個人旅行の強い味方、空港送迎から日本語ガイドまで VELTRAにおまかせ!



Super 81 (トリップアドバイザー提供)

ミャンマー料理は南北に長い国土や多様な民族構成を反映し地域によって異なるが、おおむね日本人にとっても食べやすい味付けで評判はよい。
ヤンゴンの基本は東南アジア的なフレーバーだが、近隣国に比べて国境を接するインドの影響が強く、カレー(「ヒン」と呼ばれる煮込み副菜)のバラエティが豊富。ナンやビリヤニまである。カレーの辛さは抑え気味だが油脂は多めで、ごはんの進む濃厚な味つけ。
東部シャン族の料理も広く浸透している。豆腐や野菜を多用し、しょうゆの効いたあっさり味で親しみやすい。シャン州では納豆やなれずしの他、ジャポニカ米まで栽培されている。

麺料理も名物で、朝食やおやつで人気。モヒンガーという米でつくった麺が代表的だが、他にもココナツミルクの効いたタイのカオソイそっくりな中華麺使用のオンノゥ・カウスェ、トマトと鶏肉を使うシャン族の麺料理、マンダレー風のマンダレー・モンティーなど様々。


Shan Yoe Yar (トリップアドバイザー提供)

このほか揚げパン、お好み焼き、串揚げ、たこ焼きなど軽食・ストリートフードも充実している。屋台の生ジュース、サトウキビジュースは避けた方がいい。

ミャンマーはビールが有名。英国統治の伝統を汲んだ本格的な味わいの地元ブランドが多数あり、欧州でも評判が高い。東南アジアの地元ビールにありがちな薄くてさっぱりした飲み口ではなく、濃厚でアルコール度数も高め。緑のラベルが印象的なミャンマービールを筆頭に、100年以上の歴史を誇るマンダレービール、濃厚なダゴンビールなどが代表的。また、生ビールが飲めるのも嬉しい限りで、瓶ビールよりも安くコーラ並みの値段で飲める。


日本からの行き方

(空路)
便利なのはANAのヤンゴン直行便。成田-ヤンゴン便が毎日就航しており、往路所要8時間。あっという間に席が埋まるため値段はやや高め。
中華系・アジア系航空会社の経由便であればだいぶ安めで、5万円程度。台北、仁川、香港、ハノイあたりを経てヤンゴンへ向かう。

LCCの場合、エアアジアのクアラルンプール-ヤンゴン便やタイエアアジア・ノックエアのバンコク-ヤンゴン便がある。香港からは香港ドラゴン航空が就航しているが、料金は高止まりしている。

ミャンマー国際航空による関空-ヤンゴンのチャーター便は週3便。関空を13時発、プノンペンを経由して同日中にヤンゴンに到着する。
また、茨城空港からのチャーター便も不定期に運航される。

(陸路)
陸路であっても事前にビザ(後述)を日本で取得しておいた方がスムーズ。ビザ無しの場合は中国やタイの入国地点から出国しなければならない。
タイからはミャワディ、中国は雲南省との境界キュコクあたりがメジャーな国境越えポイント。他国からヤンゴンへの直行バスなどという便利なものは無く、バスやピックアップトラックを改造した相乗りバスを乗り継ぐことになる。

(空港)
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(画像:Wikipedia)

ヤンゴンの空の玄関はヤンゴン国際空港(RGN)。市外から北15kmに位置する。
ミャンマー航空、ミャンマー国際航空のハブ空港。ミャンマー国際航空をはじめエアアジアやベトナム航空、ANAが到着する国際線ターミナルと国内線ターミナルがある。

空港からの移動手段はタクシーのみ。
国際線到着ロビーにエアポートタクシーのカウンターがある。
市街まで早朝なら約30~40分、日中は渋滞状況によって2時間ちかくになることも。料金は市街まで定額7,000K。国内線ターミナルからでも同じ料金。

空港ターミナルビル外の路上で客待ちしているタクシーもあるが、乗合で1人6000~7000Kと安くないので利用価値はない。外で流しを拾えば5000K程度まで下がることもあるが、重い荷物を引いて行く手間を考えると空港タクシーがベスト。




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地理と気候

ミャンマーはインドシナ半島の西部に位置し、東にタイとラオス、北に中国、西にインドと接する。日本の1.8倍という広大な国土を誇り、気候も南北でかなり異なる。
ヤンゴンの位置する南端は熱帯性気候で、年間通じて30度以上。
5~9月は雨が多い雨季。11月~4月は乾季で、乾季の後半3~4月は気温も高め。
やはり乾季がベストシーズン。3~4月はヤンゴンでもシュエダゴンバゴダの祭りや水かけ祭りなどイベントが多く、日程を合わせて行くと一層楽しめる。

日本との時差はマイナス2時間半。日本の正午がミャンマーの9時半。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語はミャンマー語だが、イギリス領であった経緯もあり英語の通用度は高く、ほぼ英語で用が足りると思って良い。観光分野では日本語可のガイドなども割に多い。

通貨はミャンマー・チャット(MMK)。K(単数形)、Ks(複数形)と表記される。補助通貨としてピャー(Pya;100ピャー=1チャット)もあるがインフレのため使われていない。
現金決済が主流であるため紙幣の種類は多く、1、5、10、20、50、100、200、500、1000、5000、1万Kと11種ある。硬貨も存在するらしい。
1ミャンマー・チャット=0.11円。だいたい10チャットで1円と覚えておけばよい。

米ドルは必須。
日本円を現地で両替することは困難であり、米ドル→チャットへの両替が基本。
米ドルがそのまま使えてしまうことも多く、ホテルや外国人の施設入場料などは米ドル建ての場合もある。チャットは食事やタクシーなどで使う。
現地でATMからキャッシングして米ドルを入手しても良いが、紙幣が出てこないこともあるので現金の持参を推奨。
札番号がCBではじまる米ドル札は、受け取りを拒否されることがある。
高額のドル札は使いにくいので1ドル札を多く持っておくと便利。

現地での両替は銀行やホテルで行うが、空港で両替するのが手っ取り早い。計数機で枚数を確認してくれるしレートも悪くない。なお、かつては「強制両替」という悪名高い制度があったが現在は廃止されている。
チャットの国外持ち出しは禁止されており、再両替が可能なのは米ドル、ユーロ、シンガポールドルに限られる。

ミャンマーの物価はホテル代を除きおおむね安め。
ローカルレストランで麺などが1,000K(チャット)、カレーや中華などで2,500K、ビールを付けると6,000K程度。ローカルブランドのビールが1缶800チャット、ミネラルウォーターが1リットルで250チャット。
タクシーを1日チャーターすると50ドル程度。

クレジットカードの通用度は低く、外国人が行くような高級レストランやショップ、ホテルに限られる。使えても手数料が高め。

チップは基本不要。ベルボーイに1ドル程度。ガイドやドライバーには1~3ドル程度。高級ホテルでは10%の税金と10%のサービス料が加算される。


(画像:banknotes.com)

ビザと治安

ミャンマー入国にはビザが必要。
観光ビザは最長28日間で、滞在期間の延長はできない。

軍政下では1人1人の観光ビザ申請に対する審査を閣僚自らが行っていたという逸話も残るが、現在はオンラインビザ(e-VISA)が利用できるようになるなどかつてのビザがめんどうな国というイメージは払拭されつつある。
オンラインビザはヤンゴン国際空港から観光目的で入国する場合のみ適用。事前にインターネットで申請しておくと空港到着時にビザが発給される仕組み。

また、ミャンマー国際航空を利用し広州・シェムリアップよりヤンゴンに入る場合のみアライバルビザの取得が可能。
制度は頻繁に変わる可能性があるので必ず各国大使館サイトで確認を。

素朴な国民性のためか、軍政の名残(with密告制)か、基本的に治安は良い。
スリや置き引き、ぼったくりなどはあるものの、周辺諸国に比べると犯罪件数、被害の度合い共にかなりおとなしい方。

北部地域など国境に接している州は外国人の立ち入りが制限されている区域があり、自由に旅行はできない。

市内交通

地下鉄やトラムなどのいわゆる公共交通機関はないため、旅行者にとっての主要移動手段はタクシーとなる。
他の東南アジア諸国同様、市内の交通状況は悪い。外貨不足でクルマは非常に高価(中古のカローラが4百万円近くで売られているというエピソードも有名)だが、なぜか市内は渋滞しまくっている。昼夜問わずクラクションがなりまくり、割り込みも多い。ヤンゴンの場合警官以外のバイクは規制されているため、ベトナムのようなバイクラッシュに悩まされることはないのが救い。

(タクシー)
流しのタクシーも多く走っており、つかまえるのに苦労することはない。許可をもらっているタクシーは屋根にTAXIの看板がついており、赤いナンバー。
料金は交渉制。メーターが付いていても使うことはまれ。徒歩5分程度の距離ならだいたい1000~1500Kが相場。
ふっかけてくることも多いが、外国人料金せいぜい1000K上乗せされる程度。
終日チャーターの場合はガソリン代抜きで50,000K程度。

バイタクはないが、自転車タクシー(サイカー)がある。同じく交渉制だが3kmで1500K程度。

(バス)
路線図はなく、ビルマ文字の複雑さもあり利用難易度は高い。
キップはなく、車掌(行き先を連呼し料金徴収をしている男性)に降りたい場所を告げて直接支払う。日本のバスを払い下げた車両やトラックの荷台を改造したピックアップトラック型のバスなど、車体はバラエティに富んでいる。

長距離バスのチケットはヤンゴン中央駅北のバス会社カウンターや、駅南のスーレーパゴダ通り沿いにあるカウンターで購入できる。長距離バスターミナルは2つあるので、どちらに乗るかを確認しておこう。
なお、チケット売場の周辺にはモグリのチケット売りや悪徳両替屋がいることがあるので注意。

(鉄道)
南のヤンゴンから空港を越えて北のミンガラドンまで約46kmを一周する環状線があり、所要3時間・料金は1ドル。窓ガラスもないものからLED照明のものまで車両は様々。
ヤンゴン駅は1954年竣工。ミャンマー伝統建築様式にのっとった壮麗な建物。寝台列車など遠方に向かうチケットは外国人専用カウンターや駅南の予約カウンターで購入する。

(レンタサイクル・バイク)
レンタサイクルの相場は一日借りて2000K程度。
移動には便利だが、道路事情は悪いので注意。未舗装の場所や舗装が崩壊している箇所も多い。

ホテル

観光需要の高まりと共にヒルトン、ペニンシュラといった外資系高級ホテルの進出が続いているが、まだまだ需要に供給がおいついていない状態で、総じて高め。5つ星ホテルなら3万円以上もザラ、3つ星クラスでも5千円~1万円とかなり割高な印象。
ゲストハウスならぐっと値が下がり、個室で2千円~程度。SIMの入手や現地ツアーなど、下手なホテルよりも融通が効く。
クラスにかかわらずヤンゴンの宿はすぐに埋まってしまう。通年で予約が必須。

かつての軍政時代は個人宅に泊まるというのは考えられなかったが現在は解禁されており、Airbnbでもヤンゴンの宿が数件ヒットする。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
ミャンマーの携帯サービスはMPT(Myanmar Posts and Telecommunications;ミャンマー国営郵便・電気通信事業体)、Ooredoo(カタール資本)、Telenor(ノルウェー資本)。電波状態はMPTが最も良いとされるが、14年に参入したばかりのOoredoo、Telenorも急速にネットワークを拡大している模様。

かつては外国人のプリペイドSIM購入には制限があり、現地人でも法外な価格を払わないと入手できなかった模様(一枚3,500ドルとか…)。利権を独占していた役人が追い出され携帯通信も自由化、現在は価格も下がり外国人でもSIMを購入できるようになっている。
SIM購入にはパスポートのコピーが必要。ショッピングセンターの家電店や露店で購入できる。なお、プリペイドSIMは「Top-up card」と呼ばれている。

MPTは日本のKDDIと提携しており、11/14に発の直営店舗をオープンしたばかり(場所はBo Aung Gyaw StreetとStrand Roadの交差点にあるヤンゴン中央郵便局内)。ここで買うのがてっとり早い。
プリペイドSIMの価格は1,500チャット。1万チャットチャージすると120日、3万なら360日有効となる。データ通信は1万チャットのイニシャル・チャージが必要で、課金は時間制となっている。3G通信の場合4チャット/分、1時間で240チャット(速度不明)。

Ooredooの料金体系は一般的な容量ベース。
一日50Mのプラン390チャット、月間500Mのプランが3,900チャット、同1Gのプランで6,900チャット、2Gで12,900チャット、5Gで29,900チャット、10Gで55,900チャット。

Telenorの場合、「Smart Internet monthly pack」が使いやすい。
30日有効の容量1G、速度2Mbpsのプランで費用は6,600チャット。SIMの価格が1,500チャット。

日本からWiFiルーターを借りていった場合は3日間で3,600円~とやや高め。できれば現地で調達したい。

(WiFi)
外国人が行くようなカフェやレストランではWiFiの表記を出しているところも増えてきた。ホテルでもWiFiを提供している。
周囲の東南アジア諸国に比べ、WiFi利用が可能な施設はまだまだ少なく、回線速度や安定性なども劣る。
ヤンゴン国際空港の2階は無料WiFiが通じている。また、シュエダゴォン・パゴダには無料WiFiがあり、外国人は30分有効のカードをもらえる。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:12月17日(水)口尾麻美さん スライド&トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「旅するリトアニア」発売記念
◆口尾麻美さん  スライド&トークイベント◆
「森と湖の国、リトアニアへようこそ!」

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新刊『旅するリトアニア』(グラフィック社)の発売を記念して、料理研究家の口尾麻美さんをゲストにお迎えして、バルト三国のリトアニアの魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。『トルコで出会った路地裏レシピ』『モロッコで出会った
街角レシピ』など、旅で出会った料理や道具、ライフスタイルに関する著作が多数ある口尾さんが今回注目したのは、「リトアニアリネン」に代表される、さまざまなハンドクラフトが注目されるバルト3国のひとつ、リトアニア。ここ数年、旅好き、雑貨好き、東欧のかわいいもの好き、の女性達の次の旅の目的地として注目を集めています。そこで、本書では、森に深く根ざした生活、首都ヴィリニュスの魅力、郊外の街へのショートトリップ、代表的なハンドクラフトの工房巡り、独特な食文化、魅力的な代表料理のレシピなど、素朴で新しいリトアニアの今が紹介されています。今回のイベントでは、おいしいリトアニア料理の話を中心に、口尾さんが旅で感じたとっておきの貴重なリトアニアの話が聞けるはずです。
口尾さんのファンの方はもちろん、バルト三国やリトアニアに興味のある方や東欧の雑貨や料理が好きな方はぜひご参加下さいませ!なお、参加者の方には、口尾さん特製、リトアニアミートパイのプレゼントがありますよ!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


口尾麻美(くちおあさみ)

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料理研究家 Amazigh(アマジィーク)主宰。旅からインスピレーションを受けたジャンルにとらわれない料理を提案。料理教室、書籍、イベントを通して料理やキッチンライフを楽しくするアイデアを発信している。著書に『トルコで出会った路地裏レシピ』、『モロッコで出会った街角レシピ』、『クスクスっておいしい!パリ&モロッコの旅と、とっておきのレシピ』(グラフィック社)など。

口尾麻美さんツイッター
https://twitter.com/asami_kuchio


【開催日時】  12月17日(水)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど 
 協力:グラフィック社

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6. 編集後記

 
tabinoteワタベです。
今号でメールマガジン36号となります。
前号、35号目に何かやりたいねと話していたんですが、隔週ペースの発刊は結構しんどく、いつも企画前に次号の〆切が来てしまう状態です。
年末頃にはささやかな発表ができるかもしれませんのでお楽しみに…。

ニュースでひそかに注目したのはピーチの沖縄-香港線ですね。
LCCもすっかり日本に定着したとはいえ、国際線は正直まだまだ拡大余地があると思います。とはいえ東京から海外の諸都市は遠く、首都圏の空港も飽和状態。那覇をハブにして(沖縄だけに…)アジア諸都市へ飛べればグッと便利になりますよね。
ちなみにニュースはtabinote田口が担当しています。さりげなくボストンの全裸事件をおりこむあたりに審美眼を感じます。

下川さんの連載はタイトルだけで笑いました。無料版の方もオチがわかるのではないでしょうか。1年前まではドンムアンも快適だったようですが…。

吉田さんの連載はジャカルタ。インドネシアで日本の払い下げ車両が活躍しているという話は一部で知られています。下川さんの本にも、せっかくの旅先で通勤時代を思い出しウンザリ的なエピソードがありました。JKT48の人気の秘密にも触れています。

旅行記はキナバル2回目です。まだ登るところまで行ってません。
キナバルが終わると旅行記ネタが枯渇しそうなのでちびちび小出しにしています、ご容赦の程を。
皆様の旅行記を大募集しています。ささやかですが謝礼も用意しておりますので我こそはと思う方はぜひお寄せ下さい。

復活した青木さんの旅行記はいよいよインド。私は初海外がムンバイだったので懐かしく読みました。インドでは世界中どこの国の旅行者もお腹を壊すらしく、旅先でお腹を壊すという意味の言葉(Delhi belly)が英英辞典に載ってて笑った覚えがあります。何しろ地元の人でさえしょっちゅう下すそうで…。

「世界あの街」はヤンゴンです。ミャンマーは近年格段に身近になりました。ヤンゴン近郊だけでも見どころだらけですが、今回触れられなかった中央部や北部はさらにディープで面白いそうです。SIMの調査にはかなり苦労しました。毎回SIMだけはガイドブックにも記載がないしネット上にも断片的な情報しかないので時間がかかります。どうせすぐ料金とか変わっちゃうんですけどね…。

イベントラッシュが続いていた西荻のまどさん、次は12/17(水)にリトアニアのイベントだそうです。西欧・東欧・北欧のテイストが混じった面白いエリアのようですよ。

以上、今号も2万9千字とボリュームたっぷり。もしかしたら過去最長かもです。よろしくお願いいたします。

次回は12月16日(火)の発行予定です。


tabinoteが旅程調査を担当した「一度行ってみたい 世界の絶景」(洋泉社ムック)。もうご覧いただけましたでしょうか?美しい写真と旅の達人インタビュー、実用的な行き方ガイドで構成された情報量満載の一冊です。ぜひ店頭で手にとってみて下さいね。

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一度は行ってみたい世界の絶景(洋泉社)

★特設ページ★


発行:有限責任事業組合tabinote
https://tabinote.jp

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次回は12月16日(火)の発行予定です。