2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
吉田友和(よしだともかず)
1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web
しりとりで旅する 第33回 吉田友和
か カリボ
突如思い立って、大がかりな部屋の片付けに挑んだ。モノを捨てられない性分なので、不要なものがあちこち散乱していたが、それらをええいっと捨てることにした。明らかにゴミと言えそうなモノ。いつか使うかも、と取っておいたけど、冷静に考えたら絶対に出番はないだろうと言えるモノなどなど。捨てて捨てて捨てまくったら、計10個以上ものゴミ袋になったのを見て、我ながら脱力した。
「そういえば、こんなの持っていたなあ」
と、存在自体をいまさら思い出したモノも数多い。忘れていたぐらいなので、それらも基本的にはゴミ袋行きなのだが、ごく稀にお宝も発掘されるから大掃除は侮れない。あっと驚くブツを見つけのだ。そして発見した瞬間、しまった……と後悔の念にかられた。