3a. tabinote旅行記 香港エクスプレスで行く中国! 東莞(ドンガン)の巨大ゴーストモールに行ってみた 3(最終回)


3a. tabinote旅行記 香港エクスプレスで行く中国! 東莞(ドンガン)の巨大ゴーストモールに行ってみた 3(最終回)

あらすじ:香港から東莞(ドンガン)の巨大ゴーストモールこと「華南モール」に向かった私。その見事な廃墟っぷりとすさんだ街の様子を堪能し、モールに隣接したホテルに泊まった。
前々回(その1:計画&到着編)
前回(その2:潜入編)


華南モールの夜:街歩き

ホテルで一息ついた私は、夕飯を食べに再びモールへ。
通りに面した百貨店の奥に、レストランだけが入った一棟のビルがあった。
このビルの入居率はまあまあで、1/3程度しか空き店舗になっていない。全体からするとだいぶマシな方。
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中に入ると、どのお店もそこそこの値段を取る。地元の人にとっては、ここで食べるのは贅沢の部類なんだろう。その割にはモールで売っている商品は結構しょぼいんだが。
ステーキ屋に入ると、なぜか全く同じ小鉢のグラタンが2つ来た。
中華風ステーキでとりあえず腹を満たし、店を出て散策を続ける。
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(画像tabinote)

陽が落ちて警備員も消えた廃墟付近。野犬やネズミがうろうろして危険な雰囲気が漂う。
あちこちに生ゴミが捨てられており、ネズミがゴミ袋にむらがる。世紀末感が半端ない。
ここから1分も歩けば楽しげな遊園地が拡がっているのに…(人は居ないけど)。
ゲームの「女神転生」を彷彿とさせる、と言えば伝わる人には伝わるだろうか…。

野良犬。
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だんだん暗くなってきた。
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真っ暗。
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写真では人っ子一人いないように見えるが、実際はイベント広場にはそこそこ人がおり時折歓声も聞こえてくるので、それほど危険な感じではない。
暗がりの犬やネズミにちょっとビビるけど。
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重い足を引きずり、最奥にある未踏の地、エジプトをイメージしたという堂々たる5つ星のナイルホテル(尼羅河国際大酒店)へ。
マカオにでもありそうな、中華バブルとしかいいようのないバカでかいホテル。スフィンクスっぽい建造物と巨大な噴水が来訪者を威圧する。
その前には超大型ディスコがあり、リムジンやハマーといった大型車がずらりと並んでいる….。
ディスコのネオンは煌々と輝き、香水の匂いが空調口から吹き出している。完全に中国の金持ち仕様。
ハンガーを10個1元で売ってたSPARとこのゴージャスなホテルとがなぜ一箇所にあるのか…。
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(画像tabinote)

実はこのホテル、値崩れしててそれほど高くないらしいが、それでも造りは十分豪華だった。


再びSPARの前に来ると、なんとモール外の大通りにそって夜市が拡がってた。

露店が少なくとも通りの両側に200軒以上、なかなかの規模。
売られているのは生鮮品や雑貨など、他愛もないものばかりだったが、こちらの方が活気があって面白かった。
そうそう、こういうのが見たかったんですよ…。

今日一日でだいぶ歩いた。
夜市の通り沿いにあった按摩の看板に惹かれて、マッサージ屋へ。
韓流スターみたいなピンピンに立った髪型の兄ちゃんがバカ力で揉んでくれた。
最初に脚を洗うお湯が激熱で軽くやけどをする。摂氏50度以上あったな…。
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足が軽くなり歩いていると、酔っ払いが派手に騒いでいる現場に遭遇。
1台のタクシーに7~8人乗ろうとして追い出された模様。
走り去るタクシーに酔っ払い達が全力でビール瓶を投げる!叫ぶ!
さらに屋台の店主が加勢!運転手激怒!

野次馬が集まってきた。
治安が悪いと書いてあったし、そろそろ宿に戻りたい。
夜道を一歩歩く度に茂みがざわつくので、ホームレスでもいるのかと思ったらネズミだった。猫くらいの大きさで、あちこちで集会を開いている。
夜が深くなるにつれどんどんネズミが増えていく。開高健の「パニック」かよ。
帰り際もあちこちから酔客の怒号が….。

いやー、なんかいろいろ大変そう。
やたらと長く感じられた錦江之星までの道のり、ネズミアタックを避けながら進み、ホテルに戻るとベッドに倒れ込んだ。


華南モールの朝:脱出

朝、いきなり携帯が通じない。
香港で買ったThreeのSIMが圏外になっている。どうやらチャージ金額が切れてローミングできなくなった模様。とりあえずホテルではWiFiでしのげるが、ネットができないといろいろ支障があるな…。Threeのサイトからクレジットカードでチャージできないかと試みるが、即時決済されるくせにチャージされるのは2~3営業日後、というクソ仕様。

携帯はあきらめ、午前9時にホテルをチェックアウト。
とりあえずモール内の東莞城市候機楼に香港行きのバスチケットを買いに行く。こんなことなら昨日のうちに朝のバスチケットを買っておけばよかった…。
13時のチケットをゲット。往路は100元だったのに復路の空港行きは180元のものしかないという。なぜと聞いてもこれしかないの一点張り。あきらめて180元を払う。

時刻表。
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お役立ちTipsとしては、東莞城市候機楼は荷物預けとして使える。
華南モールにはコインロッカーや荷物預かりの類いは一切無いため、ホテルをとっていないとでかい荷物をもって歩くことになる。そんな場合は東莞城市候機楼に行けば確実に無料で荷物を預かってくれる。私の場合は入り口近くにある広州白雲空港のサービスセンター的な場所に預けた。

さて、バスが出る13時まで時間をつぶすところが無い。モール内の食堂街には9時オープンという店もあったが、9時半になっても一向に開かない(ありがち)。陽が照ってきて暑いのに身を隠すところがない。
こんなだだっ広いモールでネットも本も無しにあと4時間もすごすと思うと頭がおかしくなりそう!

うろついているうちに映画館があることに気づく。そうか、映画観て時間つぶせばいいじゃん。

というわけで薄暗いエスカレーターを登り…、シネコンへ。
まさか映画を観ることになるとは…。
いちばん早い上映が10時40分の「英雄之戦」。
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70元。日本円で1,000円ちょい。中国は割とシネコンの料金が高い。
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もちろん…、いないよね。
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1人で映画を観たことはあるが、こんな広い劇場では初めて。

内容は、抗日映画だった。
時代は日中戦争の初期、ドラゴンと呼ばれる屈強な兵士(高倉健みたいに笑わない)とアメリカ帰りのちゃらいボクサーが互いのプライドをかけてフリー・ファイトで闘うという話。戦う場所もルールも現代の総合格闘技みたいで、リングはUFCっぽく六角形、ラウンドガールまでいる。
さて、激闘が終わり場面はいきなり戦場へ。パイロットとなったボクサーは弾を撃ちながら零戦に体当たりしCGバリバリで豪快に散華!ドラゴンは超人のような戦いっぷりで日本鬼子を素手でなぎ倒す!アディダスのシャツを着ている老人がいるなどいろいろめちゃくちゃだったが…勢いはあった。
帰ってから調べたところ、観客評価は10点満点中4点(「開始5分でもう後悔した」などの辛辣なレビューばかり)。それでも暇つぶしができてよかった。
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(画像tabinote)

映画を見終えると12:15分。
いよいよ出発だ。


映画館を出てみると、昼なのでだいぶ人通りがあった。
ようやく開いたモール内の食堂で食事をとり、再度東莞城市候機楼へ。

案内板も何も無いので、出発時間が来てもどのバスがそれなのかよくわからない。一応アナウンスはしているらしいが早口でさっぱり聞き取れない。中国人も迷って係員に聞いてたくらいなので、やはり案内が不親切なんだと思う。
出発時間が近づき、CTSという香港から来たバスが表に停まっていたのでたぶんこれだろうと見当をつけて乗車。

13時の便はガラガラ、というかまたもや私1人。ドライバーはさっきの映画に出てきたドラゴンの100倍不機嫌そうな仏頂面で、何を聞いても一言二言しか答えない(しかも超早口でまったくわからん)。
これが香港行きじゃなかったらどうしよう…と一抹の不安を抱えつつ、なるようになれと思いシートを限界まで倒して寝体制に入った。

寝入る間もなく、深センの国境へ。
ここでリムジンバスに乗り換えることになっていた。私は空港リムジンバスのようなものを想像していたのだが、来たのはなんと乗用車のトヨタ・アルファード。ああ、それで往路よりバスのチケットが高かったのか…。
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アルファードは恐ろしいスピードでぶっとばし、無事に香港国際空港へ。濃いドンガン滞在を終えて、真っ先に向かったのは空港2階の「すいかレストラン」ことチェーン店の「翠華餐廳」。やっと安心できる場所に帰ってきた。
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滞在を終えて

これまでは現地での私の迷いっぷりをそのままお伝えしようとあえて地図は記さなかった。
ここで、帰国後にGoogleマップで改めて確認してみたのが下の図。
華南mall---Google-マップ
(画像:Google)

赤で囲ったあたりが商業施設の集積、と称していい部分。
基本人通りがあるのは天和百貨とSPAR、レストラン街をつなぐ青い囲みのあたり。それ以外は閑散としている。
画面中に「廃墟」と書いたのは完全な廃墟だが、それ以外の場所は空きテナントが多いながら建物はなんとか稼働しているというレベル。問題無いのはSPARの低層階と天和百貨、レストラン街くらい。
大通り(万江路)に面したあたりだけキレイにしとけばいいだろ!くらいの感じ。

スケール比較のために、イオン越谷レイクタウンと同宿尺のマップを並べてみた。
平面面積はレイクタウンの圧勝。私がレイクタウンほどの規模に感じなかったのもそのせいだろう。一方で、レイクタウンが低層3階建てなのに対し華南モールは高層建築も多く、その違いが売り場面積の差になっていたようだ。
比較
(画像:Google)

華南モールはとても巨大だったが、中身は地方都市の地元モールだった。
日本でも、地方に行くと微妙なテナントばかり入っているモールがある。ユニクロや無印が入っていれば大当たり、ぐらいの感じで、下手するとメインテナントが100円ショップだったりとか、地元の微妙なスーパーだったりとか…。
華南モールもそんな感じだった。私がこれまで中国やアジアで見てきたモールは、なんだかんだ言ってグローバルブランドも入る都会のモールだったんだなとあらためて実感した。

レストラン街やホテル、遊園地など買い物しなくても楽しんでね的な滞在型のコンセプトを出しているのはいいと思うが、それらの価格がすべて高い(ホテルは腐っても5つ星、遊園地は一日券が150元くらい)。
一方でテナントはしょぼいので、いったい誰を相手にしようとしているのか今ひとつわからない。
高級ブランドを入居させようとしても難しいのかもしれない。そもそもドンガンは広州や深センに近いので、そこまで行ければ本物が手に入ってしまう。
適当な規模で地元向けに特化すればそこそこ成り立ったのかもしれないけど、そうするとごく普通のモールにしかならないんだよな…。

さて、昼の空き店舗も壮観だったが、夜の雰囲気はなかなかのものだった。
特に照明が落ちてからのモール探索は3Dダンジョンゲームのようで、他の旅先ではなかなか味わえない体験ができた。
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(画像:Google)

でも、一度行けば十分かな…。

(終わり)