3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.04
英賀ナオコ
日芸写真学科在学中。メキシコ育ちの転勤族。
カメラは主にNikon、FE2、35mmフィルムカメラ。好きなタイプは、ほっといても1人で生きていけそうな人。
tumbler →Untitle
はじめに
tabinoteハマです。5回に渡って連載している英賀ナオコさんのトルコ・女一人旅、4回目になります。
現在大学で写真を学んでいる彼女の、素晴らしい写真と文才をお楽しみ頂ければと思います。
無料で読めるメールマガジンでは毎回コラムを2本掲載していきますが、サイトの方にも新規に2本づつ掲載していきますので(リンクはコラム下にあります)、どちらもご覧頂ければと思います!
ロカンタ
イスタンブールに来初めの頃。観光地のレストランに行って、物足りなさを感じていた。
それなりに味は良いが、値段が高い。
サラダ、メイン一匹、コーラにパンで35TLです。って言われた時の驚きは、「マジでこれが!?」というものだった。
「もっと安くて、美味しい、地元の人が来そうなところに行きたいよ!」
と、エリフさんに相談したところ「じゃ、ロカンタに行けば?」と言われた。
旅本にも書いてあった、ロカンタという大衆食堂。場所は今回泊まるサルハンホテルの近くというので行ってみた。
小さな店だが、店内はとても清潔でショーケースに入った地元飯はとても美味しそうな色と匂いで、さっそくお腹が空いてきた。
一品頼んで、水も頼んだ。パンは食べ放題で山盛りのパンがでてきた。
一口食べてすぐに「美味しい!」と呟いた。
何も言わずに完食すると店員さんがチャイを持ってきてくれた。
これで、11TLですんだ。安い。
そしてトルコ料理って美味しいんだ、と感じた私は旅本に書かれているトルコ料理を一通り食べたくなってきた。
ロカンタは日々メニューが変わる。
もういっそのこと毎日ロカンタに行こう!デザートをサビースしくれるようになるまで!と無茶な計画を立ててロカンタに通うようになった。
結局、デザートはサービスしてくれるようにはならなかったが、店員さんとはすっかり仲良くなった。
別れの日にロカンタに行き別れの挨拶をした。
「ナオコ。日本食があわなくなったら、すぐにトルコへ帰っておいで」と店員が手を握りながら言ってくれた。
日本に帰ってきても、2週間通ったあのロカンタの味を思い出しては苦しい思いをしている。
グランドバザールで忍者になる
グランドバザールも慣れた頃。私はふっとここで設定でも作るか、と思った。
設定を考えるとやはり、日本人=忍者、が妥当じゃないだろうか、と考えついた。
イスタンブールで、「忍者!忍者!」とトルコ人が騒いでるのを何回か目撃したり、会ったりした。
もう!これは!忍者になるしかない!!
私の愛読書はガラスの仮面。千の仮面を被るのが女優なのだと、月影先生が言っていた。
先生!私、忍者の仮面を被ります!!
早速、グランドバザールを歩く。きました!客引き!!
客引き「コンニチハー。ドウデスカー」
とことこと近づく私。
私「シークレット トーキング」
客引き「?」
私「シークレット トーキング。。。アイム ニンジャ」
ニンニンポーズをする私。ボーっとする客引き。あれ?通じてないかな?
私「アイム ニンジャ」
客引き「??」
私「ニンジャ!!!!」
客引き「ニン。。。あ!!ニンジャ!?ユー ニンジャ!?」
私「イエス!!ニンジャ!!」
客引き「ニンジャ!!チャイ 飲んでいけよ!!笑」
私「もちろん!飲む飲む!」
出だしはこんな感じで、忍者の仮面を被った私はどんどん客引きに忍者アピールをしていった。
ここはさすが面白いこと大好きなトルコ人達。ノリにのって、俺はサムライだ!とか、忍者、影分身の術やってくれよ!とか、自分も忍者になるから弟子にしてくれ!とか言ってくる。
そんなこんなで一日中、忍者になっていたら、グランドバザールで仲良くなったトルコ人に
「お前、グランドバザールで有名になってるぞ!!クレージーガールがいる、って!」
私。トルコ人に忍者ではなく、クレージーガールと言われる。