3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.02


3a. tabinote旅行記 トルコ・女一人旅 Vol.02

Profile
英賀ナオコ

英賀ナオコ

日芸写真学科在学中。メキシコ育ちの転勤族。
カメラは主にNikon、FE2、35mmフィルムカメラ。好きなタイプは、ほっといても1人で生きていけそうな人。

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はじめに

tabinoteハマです。5回に渡って連載している英賀ナオコさんのトルコ・女一人旅、2回目になります。
現在大学で写真を学んでいる彼女の、素晴らしい写真と文才をお楽しみ頂ければと思います。
無料で読めるメールマガジンでは毎回コラムを2本掲載していきますが、サイトの方にも新規に2本づつ掲載していきますので(リンクはコラム下にあります)、どちらもご覧頂ければと思います!


3/11のトルコ

3/11のトルコ
その日は本当に笑っていた日だった。トルコでできた友達と日中遊び、夜ご飯を食べてホテルに戻った。
ホテルのロビーにあるテレビはニュース番組でちょうど日本についてのニュースが流れていた。
ご機嫌だった私はなんとなく「ねぇ、これ日本だね」とホテルマンのお兄さんに言った。
お兄さんは「今日はツナミがあった日だろ?」と私に言った。今日だったんだ。体から一気に力が抜けた。
「今日は日本が戦った日だろ?」とお兄さんが言う。
ロビーにいた白人のおばさんが、今日はなんの日なのかお兄さんに聞いた。話を理解するとおばさんは、この世の中で一番気の毒な人だ、という目で私を見た。
私は今日が日本にとって重要な日であることを忘れて歩き回っていたことと、おばさんの視線に耐えきれずに部屋に戻った。
部屋に戻ると、私は震災後からトルコの人達に言いたいことがあったことを思い出した。
部屋から出てロビーのお兄さんの前で、まるで参観日に緊張した子供みたいに手を握りしめた。

「トルコは日本にたくさんの義援金をくれたよね?」私の拙い英語を理解しようとお兄さんはしてくれ「ああ!ツナミの時の話?」と言ってくれた。
「トルコの人達は日本を助けてくれたよね」
お兄さんは優しい目で私を見ている。その目があまりにも優しいから私は涙がでてきそうになった。
「たくさんのトルコの人に言いたいことだけど、お兄さんに言うね」
めちゃくちゃな英語にお兄さんは頷いてくれた。

「ありがとう」

お兄さんに握手をした。
お兄さんは笑顔で「僕達は、日本が大好きなんだ。友達を助けるのは当たり前のことだよ」

本当にありがとう。そう言って、部屋に戻った。

私はこんなに優しく温かい気持ちにさせてくれるこの国で出会う人達は奇跡なんだ、と思ってまた泣いた。

後日、その話をトルコで知り合った友達にすると、彼はその時バーにいて震災のニュースが始まった途端に、トルコ人達が「がんばれ!ジャパン!!」と叫んでいた、と聞いた。

とても人情があり、優しいこの国の人達が大好きになった。


刺繍のお母さんと娘さん

刺繍のお母さんと娘さん
地元の街をブラブラしていた。その日はとても暑い日で、私はどこかでチャイでも貰いたいと思っていた時だった。
可愛らしいお家の前のベンチで、おばさんが刺繍をしていた。挨拶をすると笑顔で挨拶を返してくれた。ジェスチャーで、そこに座ってもいい?と聞く。どうぞ、とおばさんが隣の席を指差してくれた。
座って少しすると家の中から妊婦さんがあらわれ、隣に座った。
彼女達は英語は話せず、トルコ語しか話せなかった。
日本から持って来た、トルコ語会話の本を見ながら会話をした。

「どこから来たの?」
「日本だよ」
「私、日本大好き」
「ありがとう!私もトルコ大好き」
「1人でトルコ来たの?」
「そうだよ」
「両親はなんて言ってたの?」

この本のおかげで会話がうまれる。

「トルココーヒーは飲んだの?」
「飲んでないよ」
「じゃ、飲んでいきなさいよ」

娘さんは家に入ってトルココーヒーとパンを持って来た。パンは私が作ったのよ、とお母さんは胸を張って言った。
トルココーヒーもパンもとても美味しい。食べながら日本語で「美味しいー!」というと、トルコ語では「チョク ギュゼル」って言うのよ?とトルコ語を一つずつ教えてくれる。
しばらくして、娘さんがまた家に入り、お菓子を持って来た。私が作ったのよ、とお母さんは誇らしげだ。
お菓子もとても美味しく、私はずっと「チョク ギュゼル!!」と叫んでいた。

「お腹触ってもいい?」と娘さんに聞く。もちろん、いいわよ、っと娘さんが言ってくれたので、大きくて温かなお腹を触った。
「今、8ヶ月なのよ」
「女の子かな?男の子かな?」
「どちらかしら。私にはもう一人娘がいるのよ」

そんな話をしていると道行く人一人ににお母さんが私の説明をしていた。私も「メルハバ~」と挨拶をする。
みんなニコニコとしている日だった。

「お母さんの刺繍とてもキレイね」とお母さんがさしている刺繍を見る。
お母さんは自分の頭に被せているスカーフを指差す。

「これも私が作ったのよ」

出会ってからずっと、お母さんはこの言葉ばかり言ってるね、と三人で笑った。


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