4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第18回 リオデジャネイロ

Rio de Janeiro.
(画像:galina_savina – Fotolia.com)

ブラジル連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

「世界あの街」、南米初上陸はリオデジャネイロ!
ポルトガル植民地時代の名残を残す歴史ある旧市街の街並み、美しい夜景、ビーチや郊外の大自然、そしてなんと言ってもカーニバルなど見どころは多く、大都会の快適さも兼ね備えたブラジルの中心都市。
2014年にはFIFAワールドカップ、2016年には夏季オリンピックの開催が決定し、世界的な旅行口コミサイトTripadvisorでもベスト20に入るなど、今最も熱い都市として注目されている。

リオデジャネイロで旅行者が立ち寄るエリアは3つに分かれている。
北部の旧市街セントロ(Centro)、中部のフラメンゴ(Flamengo)を中心とする地区、そして南部コパカバーナ(Copacabana)のビーチ地区。
リオデジャネイロGoogle マップ

まずは上空から街を一望し地理感をつかむ。
リオのシンボルであるコルコバードの丘(Corcovado)は最適(地図:左の赤マル部)。両手を広げたキリスト像は海抜700メートルの位置にあり、市街を一望できる。

クリスト・ヘデントール (コルコバードのキリスト像)の写真
クリスト・ヘデントール (コルコバードのキリスト像) (トリップアドバイザー提供)


街歩き、まずは旧市街のセントロから。
街を南北に貫くリオ・ブランコ大通り(Rio Branco)と東西のバルガス通り(Vargasu)、そして海岸とホテルの位置関係を把握すれば迷うことはない。リオ・ブランコ大通りとバルガス通りの交差点にはリオ最古のカンデラリア教会(Igreja da Candelari)があり、ランドマークとなっている。
Church of Our Lady of the Candelária (Igreja de Nossa Senhora da Candelaria)の写真
Church of Our Lady of the Candelária (Igreja de Nossa Senhora da Candelaria) (トリップアドバイザー提供)

カンデラリア教会からリオ・ブランコ大通りを南に下ると地下鉄のカリオカ駅(Carioca)があり、そこから南には18世紀に造られた古代ローマ式水道橋、カリオカ水道橋が続いている。
Lapa Arches (Arcos da Lapa)の写真
Lapa Arches (Arcos da Lapa) (トリップアドバイザー提供)

水道橋からすぐのところには天をつくモダンなカテドラル、サン・セバスチャン大聖堂(Catedral Metropolitana)がそびえている。内部のステンドグラスは見事の一言。
サン セバスチャン大聖堂の写真
サン セバスチャン大聖堂 (トリップアドバイザー提供)

このあたりのラパ地区(Lapa)はリオでも最もにぎやかなあたりで、通り沿いにレストランやバー、ライブハウスが建ち並ぶ。街歩きの楽しさを味わえる一帯。
Lapa Arches (Arcos da Lapa)の写真
Lapa Arches (Arcos da Lapa) (トリップアドバイザー提供)

ラパからは、今やすっかりリオの観光名所となったモザイクタイルの階段れ、Escadaria Selaronもすぐ。カラフルなタイル細工はすべてSelaron氏が独力で築き上げたもので、創作にかける人の情念を感じずにはいられない。
Escadaria Selaronの写真
Escadaria Selaron (トリップアドバイザー提供)

もし図書館や奇妙な建物に興味があれば、カンデラリア教会からバルガス通りに入り南に向かうと歩くと見つかる「幻想図書館」(Real Gabinete Portugues da Leitura)にも立ち寄りたい。ぎっしりと並んだ古書はまさにゲームや映画の世界。
Real Gabinete Portugues da Leituraの写真
Real Gabinete Portugues da Leitura(幻想図書館) (トリップアドバイザー提供)

バルガス通りを西に向かうとカーニバルのメイン開場、サンポドローモ(Sambodromo)がある。
毎年2月~3月はカーニバル期間となり、その期間は文字通りのお祭り騒ぎ。街中を音楽と踊りが支配する。

sambodromo-apotheosis-squar
(画像:sambodromo-apotheosis-square)

なお、セントロは治安が良くないことでも知られている。後述の「治安」を参照の上十分注意すること。


続いてはフラメンゴ地区。
ビーチ沿いにはホテルやホステルが立ち並び、ツーリストの多い便利なエリア。巨大ショッピングセンターのリオ・スウ(Rio Sul)があり、リゾートの気配が漂う。
ここで外せないのは、「ポン・デ・アスーカル(Pao de Acucar/Sugarloaf Mountain)」山。グワナバラ湾(Baia de Guanabara)に面する半島部分(上掲地図の右側赤マル部)で、昼はビーチ沿いの美しい景色が楽しめ、夜は幻想的な夜景が有名。
シュガーローフ マウンテンの写真
シュガーローフ マウンテン (トリップアドバイザー提供)

市民の憩いの場である広大なフラメンゴ公園には近代美術館(Museu de Arte Moderna)も併設されており、ピカソなど貴重な所蔵がある。1978年に火災でコレクションを消失したが復活した。
Museu_de_Arte_Moderna,_Rio_de_Janeiro_(2001)
(画像:Wikipedia)


最後に南のビーチ地区。
コパカバーナは全長4kmにもおよぶ有名なビーチで、白砂と青い海のコントラストが美しい。海岸沿いにはラグジュアリーホテルやショップが立ち並ぶ高級リゾートとなっている。
コパカバーナの南岸からは西にイパネマビーチが続いている。
こちらも夜の治安には注意したい。

イパネマビーチの写真
イパネマビーチ (トリップアドバイザー提供)


少し郊外では、国立博物館やマラカナン・スタジアムが見どころ。
博物館はセントロの北、地下鉄サン・クリストバル(Sao Cristovao)駅近く。博物館自体もコロニアル様式の見事な建築だが、巨大隕石や恐竜の化石など展示もユニーク。
National Museumの写真
National Museum (トリップアドバイザー提供)

マラカナン・スタジアム(Estadio Mario Filho)は言わずと知れたサッカーの聖地。試合の無い日でも併設のミュージアムを見学できる。
1950年ワールドカップのために造られたが、2014年ワールドカップでも再び決勝の舞台となる予定。
格闘技ファンなら、ここは1951年に木村正彦がエリオ・グレイシーを破った総合格闘技発祥の地ということも素通りできないエピソード。
Estadio Mario Filho (Maracana)の写真
Estadio Mario Filho (Maracana) (トリップアドバイザー提供)


ブラジル観光では、他に日本人街のあるサンパウロや世界3大瀑布の一つ「イグアスの滝」を巡る旅程も多い。
リオ・デ・ジャネイロはイグアス・ツアーの起点となっており、サンパウロから入った観光客もリオに滞在することが多い。もちろんリオ発の現地ツアーも数多くある。

フォス ド イグアスの写真
フォス ド イグアス (トリップアドバイザー提供)

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マーケットの写真
マーケット (トリップアドバイザー提供)
リオデジャネイロの食は、洗練されたレストランから屋台まで選択肢は豊富。もちろんブラジルの伝統的な食も各地から集まる。
肉塊を炭火で焼くシュラスコや肉と黒豆の煮込み・フェジョアーダなどが名物料理。
牛肉料理はレベルが高いが、中でもシュラスコ店にあるピカーニャと呼ばれる部位の肉は忘れられない美味しさとの評判。
港町だけあって魚介も豊富、新鮮なエビのグリルやシーフードのココナツ煮込みなどが人気メニュー。

ブラジル料理は各国の移民文化が融合しており、ポルトガルやイタリア由来のリゾット・ピザ・パスタ・煮込みなどが多い。アラブ・イスラムレストランも多く、中東風のピザやコロッケもメジャーな一皿。

サンドイッチといった軽食でもボリュームが多い他、セルフのビュッフェ方式の店もあり食べ過ぎに注意。ブラジルはランチがメインで、夜は早めに閉める店も多い。健康&経済性の双方からランチ重視がおすすめ

日本でもメジャーとなったアサイーやフルーツをふんだんに盛りつけたデザートも格別の美味しさ。

オレンジをその場で絞るフレッシュ・ジュースは世界一美味しいとも言われ、他にも本場のブラジル・コーヒーやマテ茶が有名。
ブラジルは世界有数のビール大国で、キンキンに冷やして飲むのが特徴。ワインやブラジル伝統のサトウキビから作る蒸留酒・ピンガも名高い。


日本からの行き方

(空路)
現在、日本からブラジルへの直行便は無い。
南米は日本から最も遠く、費用は高め。いわゆる格安航空券でも15万程度になる。
デルタ航空のロサンゼルス、アトランタ経由便が15~16万円。TAMがロンドン・ヒースロー経由で16万台。もう少し高い便ではアメリカン航空、エミレーツ、ルフトハンザ、エミレーツなどが18万円台。それぞれニューヨーク、フランクフルト、ドバイなどを経由する。
日系の場合、JALがニューヨークJFK空港経由で便を運行している。23万円程度。
所要時間はいずれの便でも最低30時間以上、中東などを経由すると40時間にもおよぶ。

成田からリオデジャネイロまでの距離はおよそ12,000マイルにもなり、多少高くてもマイレージ加算率の良いチケットを取った方が得な場合もある。チケット代比較の際にはマイレージを合わせて検討したい。

リオのカーニバル期間前後、毎年2月~3月はチケットの出足も早めになり、良い便から埋まっていく(仮に航空券が取れてもホテルが埋まっている可能性も)。

(パッケージツアー)
米系航空を使った4泊7日プラン(機中2泊)で25万円程度。
イグアスの滝や南米の他都市を周遊するプランでは50万程度にも跳ね上がる。

(空港)
リオデジャネイロの入り口はアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(GIG)、旧称ガレオン国際空港。名前の元になったのはもちろん「ボサノヴァの父」ことアントニオ・カルロス・ジョビン。
サンパウロのグアルーリョス国際空港(GRU)と並びブラジルを代表する巨大空港で、国内線・国際線共に利用されている。現在もオリンピックに向けて拡張工事が続いている。

市街地までは20kmほどで、鉄道は乗り入れていない。
市内までタクシーの場合はおよそ30~40分、35レアル~50レアル。
割高だがプリペイドタクシーもあり、定額制で安心。到着カウンターでTranscoopass社またはCootramo社のカウンターから申し込む。85~100レアル。
空港からの安価で便利な足はフレスコン(Frescao)と呼ばれるエアコンバス。ブルーの車体にREAL(レアル)という運行会社のロゴが入っている。市街地や主要なホテルとの間を結んでおり、市の中心まで40分程度。料金は6~9レアルで、いくつかのルートに分かれて運航している(カウンターで確認)。ルート上どこでも降りる人が居れば停まる方式なので、降りる場所を運転手にはっきり伝えること。
このほかにホテルとの間を結んでいるシャトルバス(Shuttle Rio)もある。


地理と気候

日本との時差はマイナス12時間。日本の正午がリオ・デ・ジャネイロでは午前0時。サマータイムはマイナス11時間となり、日本の正午が午前1時。

南半球なので日本の北半球とは季節が逆になるが、リオデジャネイロの場合は亜熱帯に近く年間を通して平均気温は20度以上。11~4月頃が夏となり、1月2月は雨が多い。
なお、リオのカーニバルは毎年2月~3月。直近の予定は、
 2014年:2月28日
 2015年:2月13日
 2016年:2月5日
となっている。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はポルトガル語。
英語はかなり通じにくい。バスやタクシー運転手には期待しない方が無難。高級ホテルや高級レストラン、観光案内所(Riotur)など英語の通じる範囲は限定的と思った方が良い。

通貨はレアル(Real;BRL)、ポルトガル語の読みではヘアル、複数形ではヘアイス(Reais)。
1ブラジル・レアル=43.9円(14年3月時点)。
南米の物価は比較低めというイメージを持つかもしれないが、リオデジャネイロは大都市ということもあり決して安くは無い。特に、ホテルの選定や移動など安全・快適に観光しようとするとそれなりの予算が必要。かつインフレで年々物価が上がっており、商品によっては年に2割3割と上昇している。

比較的安めなのは、タクシー初乗りが4.4レアル(200円程度)、地下鉄は3.1レアル(120円程度)、ミネラルウォーターが1レアル(40円程度)。一方カフェのコーヒーは2~3レアル、中級レストランの外食が30~50レアル、煙草は9レアルなど、あまり日本と変わらない。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが有利。街中のATMが海外のカードに対応していない場合も多い。銀行内のATMなら国際カードに対応している可能性が高いが、念のため必ず現金を持って行くこと。日本でレアルに両替するのは難しくレートも不利。現地でも日本円の両替が可能な場所は限られるので、USドルが安心。そもそも、大都市や観光地ではUSドルがそのまま通用する。
他の国とはことなり、空港の両替所(Cambio)のレートは良い。市内の銀行(Banco)でも両替できる。

クレジットカードが通じる場面も多いが、伝票は良く確認すること。
チップはサービス料にふくまれており基本的には不要。高級レストランでサービス料の加算が無い場合に10%程度、ポーターには1~2リアル程度。タクシーにはお釣りの小銭程度、特別な案内をしてもらったら1割程度。ドルの方が喜ばれる場合も。


(イタウ・ウニバンク銀行提供)


ビザと治安

治安はリオデジャネイロ最大の課題の1つ。
ひったくり、盗難などの旅行者を狙った犯罪はどの観光都市でも起こっているが、リオデジャネイロでは銃を使った強盗、殺人などの凶悪犯罪にも気をつける必要がある。
繁華街や観光地では気を抜かず、1人歩きでは十分に注意すること。特にビーチでは被害が多い。夜間外出は避けるか、信頼のできる現地の人と行動すること。華美な持ち物や時計、カメラなどはあまり露出しないようにする。スマートフォンも狙われる可能性がある。また、移動は一般の黄色いタクシーよりも無線タクシーが安心。
強盗に遭遇した場合には抵抗せず、言うとおりにすること。
スラムの点在するガレオン空港-市内を結ぶ街道は昼夜問わず危険なエリア。

一方で、オリンピックに向けて治安回復も進んでおり、麻薬犯罪の温床だったスラムを観光するツアー(ファベーラツアー)も盛況。スラムをホステルに改装するなど新たな試みも始まっている。

ワールドカップ観戦でブラジルへの渡航予定者に黄熱の予防接種を推奨しています


日本人がブラジル入国する際にはビザが必要。
ブラジルのビザは取得は世界屈指の面倒くささとでロシアや中央アジアと並び悪名高い。
書類として、パスポート、オンライン申請書、写真の他、入出国のE-チケット、預金残高証明書が必要。
さらに在住都道府県ごとに担当する領事館※に直接持ち込まなければならない。
有効期間は発給から(入国からではない)わずか90日。申請が早すぎると期限切れのリスクが高まり、遅すぎると繁忙期には間に合わないという恐怖の制度。
北海道や九州など遠隔地の場合は代行業者の手を借りた方が良いことも。良心的な業者で11,000円程度(第三者の申請実費が5千円、手数料6千円)。

※担当する領事館
・東京ブラジル領事館管轄:北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、東京、茨城、千葉 、神奈川、長野、新潟、山梨。
・名古屋ブラジル領事館管轄:愛知、富山、石川、岐阜、福井、滋賀、三重、奈良、和歌山、大阪、京都、兵庫 、鳥取、岡山、島根、広島、山口、愛媛、徳島、高知、香川、長崎、佐賀、福岡、大分、宮崎 、鹿児島、熊本、沖縄。
・浜松ブラジル領事館管轄:静岡。


市内交通

(タクシー)
安全性と利便性から、一般的な旅行者にとっては利用機会が多い。
黄色い車体の一般のタクシーと、白いもしくは銀色の無線タクシー(Radio Taxi)がある。
料金は多少高いが(初乗りで1.5レアルほど)、行動を補足されており危険なふるまいを取りにくい無線タクシーを推奨。

黄色いタクシーを利用する場合にはタクシーポイント等に待機している車を利用し、メーターで行くかどうかを確認すること。基本的にメーター制だが、観光地では言い値をふっかけてくる場合あり。
乗車したら安全のために窓をしっかり閉め(エアコンが効いている)ロックすること。
初乗りは平日昼間で一般タクシーが4.3レアル、無線タクシーが5.7レアル。

空港で待機しているタクシーは青、赤、黒などの車体で安全性も高い。

(地下鉄)
地下鉄は1号線(Linhal1)と2号線(Linhal2)の2線。平日は朝5時から・休日は7時から深夜まで運行。カーニバル期間中は夜通し運行している。ただし、信頼できる人と一緒で無い限り夜間の乗車はすすめられない。
チケットは一回券が3.1レアル、プリペイドカードが10レアルから。周遊チケットや10枚綴りもあるが割引は無い模様。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は多く、高級ホテルでも無い限り予約の必要も無い。ただしカーニバルの季節は例外。
コパカバーナ、イパネマ近辺は高級リゾートホテルが多い。
高級ホテルは300レアル~、中級ホテルで150レアルほど。経済的なホテルは80レアル程度、ホステルのドミトリーでも40レアルほど。
安宿は危険な地域にあることも多く、防犯面での注意が必要。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
大手業者はTIM、OI、VIVO、CLARO。
プリペイドSIMはメジャーな存在。ネットワークの充実度はVIVOがベストとされているが、外国人の場合はTIMがスムーズという情報あり(開通に納税者番号が必要で、外国人はパスポート番号で代替できる)。
街中のショップでは英語が通じない可能性が高いため、空港内もしくは大きなモール内の携帯ショップで開通手続きを依頼するのが無難。
TIMの場合は150メガパッケージ(1週間)で10レアル。

(WiFi)
ホテル、カフェなどでWiFiが通じている。
リオ・デジタルプロジェクト(Rio Estado Digital)は市内に公衆無線LANを敷設する試みで、ビーチでもWiFiが利用できる。ただし、屋外でのPCの利用は避けた方が無難(スマートフォンは日本の倍くらいの価格、狙われる危険性あり)。

4. 世界あの街この街: リオデジャネイロ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第18回 リオデジャネイロ

Rio de Janeiro.
(画像:galina_savina – Fotolia.com)

ブラジル連邦共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

「世界あの街」、南米初上陸はリオデジャネイロ!
ポルトガル植民地時代の名残を残す歴史ある旧市街の街並み、美しい夜景、ビーチや郊外の大自然、そしてなんと言ってもカーニバルなど見どころは多く、大都会の快適さも兼ね備えたブラジルの中心都市。
2014年にはFIFAワールドカップ、2016年には夏季オリンピックの開催が決定し、世界的な旅行口コミサイトTripadvisorでもベスト20に入るなど、今最も熱い都市として注目されている。

リオデジャネイロで旅行者が立ち寄るエリアは3つに分かれている。
北部の旧市街セントロ(Centro)、中部のフラメンゴ(Flamengo)を中心とする地区、そして南部コパカバーナ(Copacabana)のビーチ地区。
リオデジャネイロGoogle マップ

まずは上空から街を一望し地理感をつかむ。
リオのシンボルであるコルコバードの丘(Corcovado)は最適(地図:左の赤マル部)。両手を広げたキリスト像は海抜700メートルの位置にあり、市街を一望できる。

クリスト・ヘデントール (コルコバードのキリスト像)の写真
クリスト・ヘデントール (コルコバードのキリスト像) (トリップアドバイザー提供)


街歩き、まずは旧市街のセントロから。
街を南北に貫くリオ・ブランコ大通り(Rio Branco)と東西のバルガス通り(Vargasu)、そして海岸とホテルの位置関係を把握すれば迷うことはない。リオ・ブランコ大通りとバルガス通りの交差点にはリオ最古のカンデラリア教会(Igreja da Candelari)があり、ランドマークとなっている。
Church of Our Lady of the Candelária (Igreja de Nossa Senhora da Candelaria)の写真
Church of Our Lady of the Candelária (Igreja de Nossa Senhora da Candelaria) (トリップアドバイザー提供)

カンデラリア教会からリオ・ブランコ大通りを南に下ると地下鉄のカリオカ駅(Carioca)があり、そこから南には18世紀に造られた古代ローマ式水道橋、カリオカ水道橋が続いている。
Lapa Arches (Arcos da Lapa)の写真
Lapa Arches (Arcos da Lapa) (トリップアドバイザー提供)

水道橋からすぐのところには天をつくモダンなカテドラル、サン・セバスチャン大聖堂(Catedral Metropolitana)がそびえている。内部のステンドグラスは見事の一言。
サン セバスチャン大聖堂の写真
サン セバスチャン大聖堂 (トリップアドバイザー提供)

このあたりのラパ地区(Lapa)はリオでも最もにぎやかなあたりで、通り沿いにレストランやバー、ライブハウスが建ち並ぶ。街歩きの楽しさを味わえる一帯。
Lapa Arches (Arcos da Lapa)の写真
Lapa Arches (Arcos da Lapa) (トリップアドバイザー提供)

ラパからは、今やすっかりリオの観光名所となったモザイクタイルの階段れ、Escadaria Selaronもすぐ。カラフルなタイル細工はすべてSelaron氏が独力で築き上げたもので、創作にかける人の情念を感じずにはいられない。
Escadaria Selaronの写真
Escadaria Selaron (トリップアドバイザー提供)

もし図書館や奇妙な建物に興味があれば、カンデラリア教会からバルガス通りに入り南に向かうと歩くと見つかる「幻想図書館」(Real Gabinete Portugues da Leitura)にも立ち寄りたい。ぎっしりと並んだ古書はまさにゲームや映画の世界。
Real Gabinete Portugues da Leituraの写真
Real Gabinete Portugues da Leitura(幻想図書館) (トリップアドバイザー提供)

バルガス通りを西に向かうとカーニバルのメイン開場、サンポドローモ(Sambodromo)がある。
毎年2月~3月はカーニバル期間となり、その期間は文字通りのお祭り騒ぎ。街中を音楽と踊りが支配する。

sambodromo-apotheosis-squar
(画像:sambodromo-apotheosis-square)

なお、セントロは治安が良くないことでも知られている。後述の「治安」を参照の上十分注意すること。


続いてはフラメンゴ地区。
ビーチ沿いにはホテルやホステルが立ち並び、ツーリストの多い便利なエリア。巨大ショッピングセンターのリオ・スウ(Rio Sul)があり、リゾートの気配が漂う。
ここで外せないのは、「ポン・デ・アスーカル(Pao de Acucar/Sugarloaf Mountain)」山。グワナバラ湾(Baia de Guanabara)に面する半島部分(上掲地図の右側赤マル部)で、昼はビーチ沿いの美しい景色が楽しめ、夜は幻想的な夜景が有名。
シュガーローフ マウンテンの写真
シュガーローフ マウンテン (トリップアドバイザー提供)

市民の憩いの場である広大なフラメンゴ公園には近代美術館(Museu de Arte Moderna)も併設されており、ピカソなど貴重な所蔵がある。1978年に火災でコレクションを消失したが復活した。
Museu_de_Arte_Moderna,_Rio_de_Janeiro_(2001)
(画像:Wikipedia)


最後に南のビーチ地区。
コパカバーナは全長4kmにもおよぶ有名なビーチで、白砂と青い海のコントラストが美しい。海岸沿いにはラグジュアリーホテルやショップが立ち並ぶ高級リゾートとなっている。
コパカバーナの南岸からは西にイパネマビーチが続いている。
こちらも夜の治安には注意したい。

イパネマビーチの写真
イパネマビーチ (トリップアドバイザー提供)


少し郊外では、国立博物館やマラカナン・スタジアムが見どころ。
博物館はセントロの北、地下鉄サン・クリストバル(Sao Cristovao)駅近く。博物館自体もコロニアル様式の見事な建築だが、巨大隕石や恐竜の化石など展示もユニーク。
National Museumの写真
National Museum (トリップアドバイザー提供)

マラカナン・スタジアム(Estadio Mario Filho)は言わずと知れたサッカーの聖地。試合の無い日でも併設のミュージアムを見学できる。
1950年ワールドカップのために造られたが、2014年ワールドカップでも再び決勝の舞台となる予定。
格闘技ファンなら、ここは1951年に木村正彦がエリオ・グレイシーを破った総合格闘技発祥の地ということも素通りできないエピソード。
Estadio Mario Filho (Maracana)の写真
Estadio Mario Filho (Maracana) (トリップアドバイザー提供)


ブラジル観光では、他に日本人街のあるサンパウロや世界3大瀑布の一つ「イグアスの滝」を巡る旅程も多い。
リオ・デ・ジャネイロはイグアス・ツアーの起点となっており、サンパウロから入った観光客もリオに滞在することが多い。もちろんリオ発の現地ツアーも数多くある。

フォス ド イグアスの写真
フォス ド イグアス (トリップアドバイザー提供)

【最低価格保証】ブラジルのオプショナルツアー予約なら Alan1.net / VELTRA


マーケットの写真
マーケット (トリップアドバイザー提供)
リオデジャネイロの食は、洗練されたレストランから屋台まで選択肢は豊富。もちろんブラジルの伝統的な食も各地から集まる。
肉塊を炭火で焼くシュラスコや肉と黒豆の煮込み・フェジョアーダなどが名物料理。
牛肉料理はレベルが高いが、中でもシュラスコ店にあるピカーニャと呼ばれる部位の肉は忘れられない美味しさとの評判。
港町だけあって魚介も豊富、新鮮なエビのグリルやシーフードのココナツ煮込みなどが人気メニュー。

ブラジル料理は各国の移民文化が融合しており、ポルトガルやイタリア由来のリゾット・ピザ・パスタ・煮込みなどが多い。アラブ・イスラムレストランも多く、中東風のピザやコロッケもメジャーな一皿。

サンドイッチといった軽食でもボリュームが多い他、セルフのビュッフェ方式の店もあり食べ過ぎに注意。ブラジルはランチがメインで、夜は早めに閉める店も多い。健康&経済性の双方からランチ重視がおすすめ

日本でもメジャーとなったアサイーやフルーツをふんだんに盛りつけたデザートも格別の美味しさ。

オレンジをその場で絞るフレッシュ・ジュースは世界一美味しいとも言われ、他にも本場のブラジル・コーヒーやマテ茶が有名。
ブラジルは世界有数のビール大国で、キンキンに冷やして飲むのが特徴。ワインやブラジル伝統のサトウキビから作る蒸留酒・ピンガも名高い。


日本からの行き方

(空路)
現在、日本からブラジルへの直行便は無い。
南米は日本から最も遠く、費用は高め。いわゆる格安航空券でも15万程度になる。
デルタ航空のロサンゼルス、アトランタ経由便が15~16万円。TAMがロンドン・ヒースロー経由で16万台。もう少し高い便ではアメリカン航空、エミレーツ、ルフトハンザ、エミレーツなどが18万円台。それぞれニューヨーク、フランクフルト、ドバイなどを経由する。
日系の場合、JALがニューヨークJFK空港経由で便を運行している。23万円程度。
所要時間はいずれの便でも最低30時間以上、中東などを経由すると40時間にもおよぶ。

成田からリオデジャネイロまでの距離はおよそ12,000マイルにもなり、多少高くてもマイレージ加算率の良いチケットを取った方が得な場合もある。チケット代比較の際にはマイレージを合わせて検討したい。

リオのカーニバル期間前後、毎年2月~3月はチケットの出足も早めになり、良い便から埋まっていく(仮に航空券が取れてもホテルが埋まっている可能性も)。

(パッケージツアー)
米系航空を使った4泊7日プラン(機中2泊)で25万円程度。
イグアスの滝や南米の他都市を周遊するプランでは50万程度にも跳ね上がる。

(空港)
リオデジャネイロの入り口はアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(GIG)、旧称ガレオン国際空港。名前の元になったのはもちろん「ボサノヴァの父」ことアントニオ・カルロス・ジョビン。
サンパウロのグアルーリョス国際空港(GRU)と並びブラジルを代表する巨大空港で、国内線・国際線共に利用されている。現在もオリンピックに向けて拡張工事が続いている。

市街地までは20kmほどで、鉄道は乗り入れていない。
市内までタクシーの場合はおよそ30~40分、35レアル~50レアル。
割高だがプリペイドタクシーもあり、定額制で安心。到着カウンターでTranscoopass社またはCootramo社のカウンターから申し込む。85~100レアル。
空港からの安価で便利な足はフレスコン(Frescao)と呼ばれるエアコンバス。ブルーの車体にREAL(レアル)という運行会社のロゴが入っている。市街地や主要なホテルとの間を結んでおり、市の中心まで40分程度。料金は6~9レアルで、いくつかのルートに分かれて運航している(カウンターで確認)。ルート上どこでも降りる人が居れば停まる方式なので、降りる場所を運転手にはっきり伝えること。
このほかにホテルとの間を結んでいるシャトルバス(Shuttle Rio)もある。


地理と気候

日本との時差はマイナス12時間。日本の正午がリオ・デ・ジャネイロでは午前0時。サマータイムはマイナス11時間となり、日本の正午が午前1時。

南半球なので日本の北半球とは季節が逆になるが、リオデジャネイロの場合は亜熱帯に近く年間を通して平均気温は20度以上。11~4月頃が夏となり、1月2月は雨が多い。
なお、リオのカーニバルは毎年2月~3月。直近の予定は、
 2014年:2月28日
 2015年:2月13日
 2016年:2月5日
となっている。


(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はポルトガル語。
英語はかなり通じにくい。バスやタクシー運転手には期待しない方が無難。高級ホテルや高級レストラン、観光案内所(Riotur)など英語の通じる範囲は限定的と思った方が良い。

通貨はレアル(Real;BRL)、ポルトガル語の読みではヘアル、複数形ではヘアイス(Reais)。
1ブラジル・レアル=43.9円(14年3月時点)。
南米の物価は比較低めというイメージを持つかもしれないが、リオデジャネイロは大都市ということもあり決して安くは無い。特に、ホテルの選定や移動など安全・快適に観光しようとするとそれなりの予算が必要。かつインフレで年々物価が上がっており、商品によっては年に2割3割と上昇している。

比較的安めなのは、タクシー初乗りが4.4レアル(200円程度)、地下鉄は3.1レアル(120円程度)、ミネラルウォーターが1レアル(40円程度)。一方カフェのコーヒーは2~3レアル、中級レストランの外食が30~50レアル、煙草は9レアルなど、あまり日本と変わらない。

両替は万国共通でATMによる国際キャッシングが有利。街中のATMが海外のカードに対応していない場合も多い。銀行内のATMなら国際カードに対応している可能性が高いが、念のため必ず現金を持って行くこと。日本でレアルに両替するのは難しくレートも不利。現地でも日本円の両替が可能な場所は限られるので、USドルが安心。そもそも、大都市や観光地ではUSドルがそのまま通用する。
他の国とはことなり、空港の両替所(Cambio)のレートは良い。市内の銀行(Banco)でも両替できる。

クレジットカードが通じる場面も多いが、伝票は良く確認すること。
チップはサービス料にふくまれており基本的には不要。高級レストランでサービス料の加算が無い場合に10%程度、ポーターには1~2リアル程度。タクシーにはお釣りの小銭程度、特別な案内をしてもらったら1割程度。ドルの方が喜ばれる場合も。


(イタウ・ウニバンク銀行提供)


ビザと治安

治安はリオデジャネイロ最大の課題の1つ。
ひったくり、盗難などの旅行者を狙った犯罪はどの観光都市でも起こっているが、リオデジャネイロでは銃を使った強盗、殺人などの凶悪犯罪にも気をつける必要がある。
繁華街や観光地では気を抜かず、1人歩きでは十分に注意すること。特にビーチでは被害が多い。夜間外出は避けるか、信頼のできる現地の人と行動すること。華美な持ち物や時計、カメラなどはあまり露出しないようにする。スマートフォンも狙われる可能性がある。また、移動は一般の黄色いタクシーよりも無線タクシーが安心。
強盗に遭遇した場合には抵抗せず、言うとおりにすること。
スラムの点在するガレオン空港-市内を結ぶ街道は昼夜問わず危険なエリア。

一方で、オリンピックに向けて治安回復も進んでおり、麻薬犯罪の温床だったスラムを観光するツアー(ファベーラツアー)も盛況。スラムをホステルに改装するなど新たな試みも始まっている。

ワールドカップ観戦でブラジルへの渡航予定者に黄熱の予防接種を推奨しています


日本人がブラジル入国する際にはビザが必要。
ブラジルのビザは取得は世界屈指の面倒くささとでロシアや中央アジアと並び悪名高い。
書類として、パスポート、オンライン申請書、写真の他、入出国のE-チケット、預金残高証明書が必要。
さらに在住都道府県ごとに担当する領事館※に直接持ち込まなければならない。
有効期間は発給から(入国からではない)わずか90日。申請が早すぎると期限切れのリスクが高まり、遅すぎると繁忙期には間に合わないという恐怖の制度。
北海道や九州など遠隔地の場合は代行業者の手を借りた方が良いことも。良心的な業者で11,000円程度(第三者の申請実費が5千円、手数料6千円)。

※担当する領事館
・東京ブラジル領事館管轄:北海道、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、東京、茨城、千葉 、神奈川、長野、新潟、山梨。
・名古屋ブラジル領事館管轄:愛知、富山、石川、岐阜、福井、滋賀、三重、奈良、和歌山、大阪、京都、兵庫 、鳥取、岡山、島根、広島、山口、愛媛、徳島、高知、香川、長崎、佐賀、福岡、大分、宮崎 、鹿児島、熊本、沖縄。
・浜松ブラジル領事館管轄:静岡。


市内交通

(タクシー)
安全性と利便性から、一般的な旅行者にとっては利用機会が多い。
黄色い車体の一般のタクシーと、白いもしくは銀色の無線タクシー(Radio Taxi)がある。
料金は多少高いが(初乗りで1.5レアルほど)、行動を補足されており危険なふるまいを取りにくい無線タクシーを推奨。

黄色いタクシーを利用する場合にはタクシーポイント等に待機している車を利用し、メーターで行くかどうかを確認すること。基本的にメーター制だが、観光地では言い値をふっかけてくる場合あり。
乗車したら安全のために窓をしっかり閉め(エアコンが効いている)ロックすること。
初乗りは平日昼間で一般タクシーが4.3レアル、無線タクシーが5.7レアル。

空港で待機しているタクシーは青、赤、黒などの車体で安全性も高い。

(地下鉄)
地下鉄は1号線(Linhal1)と2号線(Linhal2)の2線。平日は朝5時から・休日は7時から深夜まで運行。カーニバル期間中は夜通し運行している。ただし、信頼できる人と一緒で無い限り夜間の乗車はすすめられない。
チケットは一回券が3.1レアル、プリペイドカードが10レアルから。周遊チケットや10枚綴りもあるが割引は無い模様。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は多く、高級ホテルでも無い限り予約の必要も無い。ただしカーニバルの季節は例外。
コパカバーナ、イパネマ近辺は高級リゾートホテルが多い。
高級ホテルは300レアル~、中級ホテルで150レアルほど。経済的なホテルは80レアル程度、ホステルのドミトリーでも40レアルほど。
安宿は危険な地域にあることも多く、防犯面での注意が必要。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
大手業者はTIM、OI、VIVO、CLARO。
プリペイドSIMはメジャーな存在。ネットワークの充実度はVIVOがベストとされているが、外国人の場合はTIMがスムーズという情報あり(開通に納税者番号が必要で、外国人はパスポート番号で代替できる)。
街中のショップでは英語が通じない可能性が高いため、空港内もしくは大きなモール内の携帯ショップで開通手続きを依頼するのが無難。
TIMの場合は150メガパッケージ(1週間)で10レアル。

(WiFi)
ホテル、カフェなどでWiFiが通じている。
リオ・デジタルプロジェクト(Rio Estado Digital)は市内に公衆無線LANを敷設する試みで、ビーチでもWiFiが利用できる。ただし、屋外でのPCの利用は避けた方が無難(スマートフォンは日本の倍くらいの価格、狙われる危険性あり)。