4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第14回 カトマンズ

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(写真:tabinote)

ネパール連邦民主共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

古くから旅行者を惹きつけてきたネパールの古都であり、物価の安さから未だにバックパッカーの聖地ともなっている。世界遺産の旧市街地はヒンズー寺院や神殿といった宗教史跡も多いものの、街の活気にあふれており散策やショッピングも楽しい。ヒマラヤを眺めながらのトレッキングも人気。

カトマンズの街歩きはアジア有数の安宿街タメル地区から。ゲストハウス、レストラン、商店、旅行会社、カフェが軒を連ねる旅人のオアシス。世界各国の食が集まるグルメスポットでもあり、値段が安い割には食のレベルは高い。疲れたらタメルに戻って回復したい。
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(写真:tabinote)

タメルから南には市場が途切れずに続いている。アンナプルナ寺院とふもとのアサン広場は最もにぎやかなあたりで、露店や物売り、客や参拝者で賑わう。

賑やかなバザールを抜けると世界遺産のカトマンズ・ダルバール広場に到着。広場には精巧な装飾がほどこされた寺院がならんでおり、観光客や参拝者でにぎわっている。外国人は入場料750ルピーだが、払わず入れるという噂も…(入場料は史跡保護に使われるので、寄付と思って払うことをおすすめ)。中でも三重の塔を有するシヴァ寺院やクマリの館が有名。広場から南には、かつてのヒッピー街フリーク通りが延びている。
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(写真:tabinote)

ダルバール広場を抜けると目抜き通り、ニューロードに出る。通り添いはカメラ屋や洋服屋などが連なる現代的なマーケット。広場を背に東に進むとクルマがごったがえす大通りカンティ・パトに出る。路線バスの発着地シティ・バスパークもこのあたり。
そのまま北上し、池に浮かぶ名物寺院ラーニ・ポカリを超えるとカトマンズ随一の高級ショッピング通り、ダルバール・マルグに出る。街の喧噪に疲れたらこの通りで休憩。

更に北上すると王宮博物館にぶつかる。そこから数分歩けばまたタメルに戻れる。王宮近くの庭園、ガーデン・オブ・ドリームスはカフェがありまったりすごせる。

郊外の見どころとしてまず挙がるのはスワヤンブナート。市街地から2kmで、歩いても行けるしタクシーでも200ルピーほど。なかなか厳しい石段を登り切ると巨大な仏塔があらわれる。展望台からは市街を一望できる。
同じく巨大な仏塔で有名なボダナートは市街から6km。ネパール最大の仏塔がまちうける。
ボダナート・ストゥーパの写真
ボダナート・ストゥーパ (トリップアドバイザー提供)

古都パタンはカトマンズ市街から6km。路線バスかタクシーが便利だが、歩いても行ける。タクシーでは300ルピーほど。見事な装飾の寺院が建ち並び、こちらにもパタン・ダルバール広場がある。寺院の周囲はマーケットやカフェが建ち並び、街歩きに飽きない。
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(写真:tabinote)

カトマンズ市街から東に12km行くとバグダプル。こちらのバグダプル・ダルバール広場も壮麗な寺院が並び、観光客が少なめでまさに中世の様相。王宮は国立美術館として開放されている。

パシュパティナートはネパール最大のヒンドゥー寺院で、空港から近い。火葬場の存在が有名で、沐浴のヒンドゥー教徒やサドゥーのそばを遺体や花が流れる。
 火葬場の写真
 火葬場 (トリップアドバイザー提供)

せっかくヒマラヤの近くにいるのだから、トレッキングも試してみたい。カトマンズから行きやすいのはナーガルコットで、ホテルやツアー会社のカウンターに相談すれば様々なオプションを提案してくれる。できれば一泊して朝日に輝く峰々を眺めてみたい。

滞在期間に余裕があれば、まったりとくつろげトレッキングやパラグライダーなどアクティビティに事欠かないネパール第2の都市ポカラや、世界遺産登録された野生動物の天国、チトワン動物公園など、魅力ある目的地にあふれている。
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(写真:tabinote)


【最低価格保証】ネパールのオプショナルツアー予約なら Alan1.net / VELTRA


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(tabinote提供)

ネパール人は料理上手として名高い。一説にはインドのような食材タブーが薄いので名コックが育ちやすいらしい。
伝統的なネパール食は、皿にライスとカレーやスープ、スパイス漬(アチャール)などを盛り合わせたダルバート。豪華なダルバートはカレーが2種・3種となり、見た目も美しい。

カトマンズに多いのは、ネパール料理店、チベット料理店、中華料理店など。ネパール料理店ではダルバートが、チベットではモモ(チベット餃子)やダシの効いた濃厚なうどん(トゥクパ)、中華では四川~山岳系の辛めな味付けの料理や焼きそば(チョウメン)などが代表的。
タミルなどのツーリストエリアでは、イタリア料理、フランス料理店もあり、ピザやシチュー、ステーキも味わうことができる(ただし水牛が多い)。日本食の店も複数あり、意外にレベルは高い。

外食が十分に安いのでテイクアウトはあまり考慮する必要は無いが、パン屋もドイツ風やフランス仕込みなど意外にレベルが高く、ネパール人が焼いている。

アルコールはビール、ワイン、ウイスキーなどが一般的。
ネパールブランドのビールも複数ブランド存在する。
ロクシー(ラクシ)は米からつくる伝統的なネパールの焼酎で、自家製が一般的。輸出は禁止なのでネパールでしか味わうことはできない。


日本からの行き方

(空路)
かつてのロイヤルネパール航空(現ネパール航空)撤退以降、日本からの直行便は無く、アジアの各都市を経由することになる。デリー、昆明、クアラルンプールなどを経由する便が多い。

インド同様に中国系が安く、中国東方航空で6万円程度から(ただし所要時間は24時間を超えることも)。香港またはクアラルンプールからネパール航空が就航している。他、タイ国際やマレーシア航空など。
もっとも効率的なルートは、日系直行便でデリーに移動しデリーからLCCなどに乗り継ぐパターン、もしくはキャセイパシフィック+香港ドラゴン航空の香港経由便。
デリー空港は遅延が多いというリスクはあるものの、カトマンズ行きの便は豊富で安い(デリー・カトマンズ間は往復でも1.5万円ほど)。
中国国際航空が成都からの便を飛ばしているので、チベット文化を堪能したい場合にはチベット文化濃厚な成都経由もおすすめ。

日本からは乗り継ぎが良い場合でも15時間ほど。デリーからは1時間半、成都からは3時間半、香港からは5時間半程度。

意外なところではエディハド、カタールなどの中東系も利用できるが、アブダビやドーハでの乗り継ぎとなり所要時間は長め。

また、BBエアウェイズ社が成田-カトマンズ間の路線運行を計画している。

(陸路)
インドからカトマンズ方面に入るルートとしては、陸路でもアライバルビザが取得できるビルガンジもしくはスナウリが候補となる。ヴァラナシ、ラクナウ、パトナなどの近郊都市からバスなどで移動する。

カトマンズGoogle マップ
(画像:Google; A:ヴァラナシ、B:ビルガンジ、C:スナウリ、D:カトマンズ)

(パッケージツアー)
ポカラ周遊やトレッキングなどが組み込まれており意外に高め。4泊6日で13万円程度。

(空港)
カトマンズの入り口は、ネパール唯一の国際空港であるトリブバン国際空港(KTM)。
日本の地方空港程度の規模だが、免税店や食堂、両替などの施設は一通り揃っており、ラウンジもWiFiが使える。空港の両替所はレートが非常に悪いので最小限に。
ビザが無ければアライバルビザの列に速やかに並ぶ。申請料は25USドル。
表に出るとタクシーの客引きが集まってくる。

市街からの距離は5kmほど。空港から有名な火葬場・パシュパティナートまではごく近いので、空港から市内もしくは帰路に寄ることもできる。

市内までの足はプリペイドタクシーが確実。タメル地区まで600ルピー程度。空港からの出口にプリペイドタクシーのカウンターがある。固定料金で値段交渉は不可。ホテルからの送迎を頼んだ場合は6~7ドル程度。客引きのタクシーも多いので交渉してみることもできるが、あまり相場は下がらない。出発ロビーで、今乗客を降ろしたばかりのタクシーと交渉すれば安くなる可能性はある。
※物価変動が激しいので読者の渡航時にはこの金額よりも明らかに高い可能性があるが、プリペイドは公定価格でぼったくりではない。

エアポートバスは無く*、路線バスは直接乗り入れていない。空港から環状路(リングロード)まで歩き、中心街行きのバス(タメル地区の場合は「シティ・バスパーク」行き)に乗る。未舗装に近い道路を大きな荷物を持って歩くと時間もそれなりにかかり、バスが満員なことも多いのでタクシーがおすすめ。
*シャトルバスの目撃情報有り。片道100ルピー。

出国時など、遅延も頻発し施設も乏しいので時間があまったらラウンジの利用をおすすめ。


地理と気候

日本との時差はマイナス3時間15分。
5頃から9月までは雨季となり蒸し暑い。10月半ばから4月までは乾季となる。ヒマラヤがはっき見えるベストシーズンは11月~2月のあたり。高所トレッキングであれば11月、2月~3月頃。
12月~2月の間は意外に寒く、夜は5度を切って冷え込む。


(画像:Google提供)


言語と通貨

ネパールの公用語はネパール語。
英語も準公用語的な扱いで、観光業に力を入れていることからホテル、タクシーなど観光客が接する人には英語が通じることが多い。

通貨はネパール・ルピー(NPR)。1ネパール・ルピー=1.0円(13年10時点)。ホテルや外国人が利用するようなお店、高級レストランではUSドルが使える(USドルしか受け取らないということも…)。
物価は総じて安いが、インフレで年々上がっている。
タクシーは2kmで100ルピー~(要交渉)、ミネラルウォーターが1本2リットル程度で20ルピー、ビールが650ml瓶で200ルピー。食事はチベット麺、ダルバートが150~300ルピー程度。ホテルはピンキリだが、タメルのゲストハウスで個室シャワー付が1000~2000ルピー程度。ホテルなら3000~4000ルピー程度。

両替は、一般的にはATMによる国際キャッシングが有利…とされているが、ATMによって高い手数料を取られる場合もある。
最もレートが良いのは、市内の銀行でUSドルから両替すること。1ドル札を多めに持っておくとチップなどで便利。空港両替所のレートは非常に悪いので、空港ではせいぜい2000~3000円程度の両替にとどめる。後述の再両替ルールもあるので、両替は都度こまめするのがおすすめ。

また、アジア共通であるがネパールも汚れた札・汚損した紙幣が多く、受け取ってもらえないこともある。紙幣の改定も頻繁で昔の札が紛れており、真札かどうかも見極めにくい。両替や支払い、おつりをもらう際に金額と共に常にチェックすること。

両替時のレシートは出国時再両替に必要なので取っておくこと。ネパール・ルピーが両替可能なのはインドのみで、海外に持ち出しても無価値。また、再両替の制限があり、両替した金額の上限15%(10%説も有り)までしか再両替できないというルールがあった(現在は緩和されているという説もあるが、状況は常に変わると考えた方が良い)。再両替レートも悪いので、両替は最低限にとどめる。

外国人が行くようなカフェやホテルならクレジットカードも通じる。こちらも伝票を良く確認する。
インド同様、チップの慣習は根強い。外国人が行くようなレストランの場合、総額の10%程度(サービスチャージが伝票に記載されている場合は不要)。ポーターには20ルピー程度、ガイドには一日案内で700ルピー程度。ドルの方がよろこばれる。


(nuphil.com提供)


ビザと治安

カトマンズで多いのは、タクシーやぼったくりツアーの勧誘など客引きをめぐるトラブル、ホテルでの盗難などであるが、隣国インドに比べれば被害は少ない。
慢性的な電力不足から計画停電が行われており、そうでなくとも日が落ちると通りはかなり暗い。地理に自信がなければ夜間の1人歩きは避ける。
未舗装路の土埃、クルマの排ガス、発電機のディーゼル煙などで空気はかなり悪い。現地人もマスクを着用している。

数年前まではストライキ(バンダ=強制的ゼネラルストライキ)やデモが頻発し危険な状態もあったものの、現在はやや落ち着いている。
バンダ期間中は公共交通機関・タクシーが運行を停止し、商店が閉まっていることも(空いても午前~夕方から)。デモの行われる辺りは外出自体が危険な場合もあるので十分に情報収集を行うこと。バンダ期間中は渡航を避けた方が無難。
また、陸路のインド国境では、外務省の渡航延期勧告が出ている地域もある。

全てのネパール入国者はビザが必要。
ネパール大使館に事前申請する場合は15日間3,000円、30日5,000円。郵送申請の場合はプラスして郵送料。
トリブバン国際空港(KTM)でアライバルビザが取得でき、15日25USドル、30日で40USドルとこちらの方がお得である。

なお、インド経由でネパール入りする場合にはインドビザが必要。以前までインド再入国制限ルール*というものが存在したが、現在は廃止されている。
*インド出国後2ヶ月間は再入国できないというルール。たとえばデリー往復1週間の航空券でデリーからからカトマンズに行った場合、2ヶ月経たないと再びデリーに入れないため復路チケットがムダになるという危険があった。


参考:インドビザ


市内交通

(タクシー)
鉄道・地下鉄の類いはないので、タクシーが市内交通の主役となる。
タメル地区、ホテル前、観光地などで客待ちをしている他、街中を流している。
マルチスズキの小型車が多い。
基本はメーター制で、公定価格は初乗り14ルピー、1kmで40ルピー。ガソリン代が高くしかも年々高騰しているため頻繁に値上がりする。空港や観光地からの帰りは要交渉。観光地までの往路がメーターで100ルピーだったが、帰りは200ルピーかかるという場合もある。

(リキシャー)
エンジンのついたオートリキシャーでは無く、自転車に荷台を付けたタイプ。地元の人はあまり利用せず、もっぱら観光用途。値段も高め。

(バス・テンプー)
カトマンズ中心部、タメルから東側にシティ・バスパーク(オールドバス停)があり、各所への路線バスが出ている。他にも大通りにはバス停があるが、行き先を確認してから乗ること。バスに乗ると車掌(らしき人、制服などは着ていない)が料金を集めに来る。行き先を告げて料金を支払う。

テンプーは決まったルートを周回するオート三輪。停留所は無く、ルート上の乗りたい場所で乗り、降りたい場所で降りる。手を上げると停まるので行き先を確認してから乗車。

(自転車)
入り組んだカトマンズの市街を移動するのに意外に便利なのは自転車やバイク。タメル地区などにレンタル屋があり、ホテル名を書くかパスポートを預けることで借りることができる。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は多く、高級ホテルでも無い限り予約の必要も無い。
バスタブの付いた高級ホテルは一泊100~200ドル。内部は高級レストランやカジノが併設され外とは別世界。
もう少し安めのところで一泊20~50ドル程度の中級ホテルも多い。このクラスでも清潔で自家発電装置があり停電の心配もない。
タメル地区は安宿街として有名で、清潔なエアコン・Wifi付のシングル個室で10ドル程度のところもある。ドミトリーなら更に安く、数百円のレベル。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
Ncell、Nepal Telecomが2大キャリア。
トリブバン国際空港にNcellの窓口があり、到着時すぐにSIMを購入することができる。街中でもカウンターを見かける。1G、30日間有効で699ルピー。

宿にWiFiがあるという人でも、停電で設備が停まることがあるためネットにつなぐ必要があるならば持っていて損は無い。SIMを経由してテザリングできるようにしておけばPCでも使える。

以前はNcell一択だったようだが、Nepal Telecomも 4G WiMAXを展開するなどサービスを強化している。

(WiFi)
ホテル、カフェ、レストランなど外国人が行くような多くの場所でWiFiが通じている。

4. 世界あの街この街:#14 カトマンズ


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第14回 カトマンズ

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(写真:tabinote)

ネパール連邦民主共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

古くから旅行者を惹きつけてきたネパールの古都であり、物価の安さから未だにバックパッカーの聖地ともなっている。世界遺産の旧市街地はヒンズー寺院や神殿といった宗教史跡も多いものの、街の活気にあふれており散策やショッピングも楽しい。ヒマラヤを眺めながらのトレッキングも人気。

カトマンズの街歩きはアジア有数の安宿街タメル地区から。ゲストハウス、レストラン、商店、旅行会社、カフェが軒を連ねる旅人のオアシス。世界各国の食が集まるグルメスポットでもあり、値段が安い割には食のレベルは高い。疲れたらタメルに戻って回復したい。
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(写真:tabinote)

タメルから南には市場が途切れずに続いている。アンナプルナ寺院とふもとのアサン広場は最もにぎやかなあたりで、露店や物売り、客や参拝者で賑わう。

賑やかなバザールを抜けると世界遺産のカトマンズ・ダルバール広場に到着。広場には精巧な装飾がほどこされた寺院がならんでおり、観光客や参拝者でにぎわっている。外国人は入場料750ルピーだが、払わず入れるという噂も…(入場料は史跡保護に使われるので、寄付と思って払うことをおすすめ)。中でも三重の塔を有するシヴァ寺院やクマリの館が有名。広場から南には、かつてのヒッピー街フリーク通りが延びている。
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(写真:tabinote)

ダルバール広場を抜けると目抜き通り、ニューロードに出る。通り添いはカメラ屋や洋服屋などが連なる現代的なマーケット。広場を背に東に進むとクルマがごったがえす大通りカンティ・パトに出る。路線バスの発着地シティ・バスパークもこのあたり。
そのまま北上し、池に浮かぶ名物寺院ラーニ・ポカリを超えるとカトマンズ随一の高級ショッピング通り、ダルバール・マルグに出る。街の喧噪に疲れたらこの通りで休憩。

更に北上すると王宮博物館にぶつかる。そこから数分歩けばまたタメルに戻れる。王宮近くの庭園、ガーデン・オブ・ドリームスはカフェがありまったりすごせる。

郊外の見どころとしてまず挙がるのはスワヤンブナート。市街地から2kmで、歩いても行けるしタクシーでも200ルピーほど。なかなか厳しい石段を登り切ると巨大な仏塔があらわれる。展望台からは市街を一望できる。
同じく巨大な仏塔で有名なボダナートは市街から6km。ネパール最大の仏塔がまちうける。
ボダナート・ストゥーパの写真
ボダナート・ストゥーパ (トリップアドバイザー提供)

古都パタンはカトマンズ市街から6km。路線バスかタクシーが便利だが、歩いても行ける。タクシーでは300ルピーほど。見事な装飾の寺院が建ち並び、こちらにもパタン・ダルバール広場がある。寺院の周囲はマーケットやカフェが建ち並び、街歩きに飽きない。
IMGP0568__s
(写真:tabinote)

カトマンズ市街から東に12km行くとバグダプル。こちらのバグダプル・ダルバール広場も壮麗な寺院が並び、観光客が少なめでまさに中世の様相。王宮は国立美術館として開放されている。

パシュパティナートはネパール最大のヒンドゥー寺院で、空港から近い。火葬場の存在が有名で、沐浴のヒンドゥー教徒やサドゥーのそばを遺体や花が流れる。
 火葬場の写真
 火葬場 (トリップアドバイザー提供)

せっかくヒマラヤの近くにいるのだから、トレッキングも試してみたい。カトマンズから行きやすいのはナーガルコットで、ホテルやツアー会社のカウンターに相談すれば様々なオプションを提案してくれる。できれば一泊して朝日に輝く峰々を眺めてみたい。

滞在期間に余裕があれば、まったりとくつろげトレッキングやパラグライダーなどアクティビティに事欠かないネパール第2の都市ポカラや、世界遺産登録された野生動物の天国、チトワン動物公園など、魅力ある目的地にあふれている。
IMGP0309__s
(写真:tabinote)


【最低価格保証】ネパールのオプショナルツアー予約なら Alan1.net / VELTRA


IMGP0241__s
(tabinote提供)

ネパール人は料理上手として名高い。一説にはインドのような食材タブーが薄いので名コックが育ちやすいらしい。
伝統的なネパール食は、皿にライスとカレーやスープ、スパイス漬(アチャール)などを盛り合わせたダルバート。豪華なダルバートはカレーが2種・3種となり、見た目も美しい。

カトマンズに多いのは、ネパール料理店、チベット料理店、中華料理店など。ネパール料理店ではダルバートが、チベットではモモ(チベット餃子)やダシの効いた濃厚なうどん(トゥクパ)、中華では四川~山岳系の辛めな味付けの料理や焼きそば(チョウメン)などが代表的。
タミルなどのツーリストエリアでは、イタリア料理、フランス料理店もあり、ピザやシチュー、ステーキも味わうことができる(ただし水牛が多い)。日本食の店も複数あり、意外にレベルは高い。

外食が十分に安いのでテイクアウトはあまり考慮する必要は無いが、パン屋もドイツ風やフランス仕込みなど意外にレベルが高く、ネパール人が焼いている。

アルコールはビール、ワイン、ウイスキーなどが一般的。
ネパールブランドのビールも複数ブランド存在する。
ロクシー(ラクシ)は米からつくる伝統的なネパールの焼酎で、自家製が一般的。輸出は禁止なのでネパールでしか味わうことはできない。


日本からの行き方

(空路)
かつてのロイヤルネパール航空(現ネパール航空)撤退以降、日本からの直行便は無く、アジアの各都市を経由することになる。デリー、昆明、クアラルンプールなどを経由する便が多い。

インド同様に中国系が安く、中国東方航空で6万円程度から(ただし所要時間は24時間を超えることも)。香港またはクアラルンプールからネパール航空が就航している。他、タイ国際やマレーシア航空など。
もっとも効率的なルートは、日系直行便でデリーに移動しデリーからLCCなどに乗り継ぐパターン、もしくはキャセイパシフィック+香港ドラゴン航空の香港経由便。
デリー空港は遅延が多いというリスクはあるものの、カトマンズ行きの便は豊富で安い(デリー・カトマンズ間は往復でも1.5万円ほど)。
中国国際航空が成都からの便を飛ばしているので、チベット文化を堪能したい場合にはチベット文化濃厚な成都経由もおすすめ。

日本からは乗り継ぎが良い場合でも15時間ほど。デリーからは1時間半、成都からは3時間半、香港からは5時間半程度。

意外なところではエディハド、カタールなどの中東系も利用できるが、アブダビやドーハでの乗り継ぎとなり所要時間は長め。

また、BBエアウェイズ社が成田-カトマンズ間の路線運行を計画している。

(陸路)
インドからカトマンズ方面に入るルートとしては、陸路でもアライバルビザが取得できるビルガンジもしくはスナウリが候補となる。ヴァラナシ、ラクナウ、パトナなどの近郊都市からバスなどで移動する。

カトマンズGoogle マップ
(画像:Google; A:ヴァラナシ、B:ビルガンジ、C:スナウリ、D:カトマンズ)

(パッケージツアー)
ポカラ周遊やトレッキングなどが組み込まれており意外に高め。4泊6日で13万円程度。

(空港)
カトマンズの入り口は、ネパール唯一の国際空港であるトリブバン国際空港(KTM)。
日本の地方空港程度の規模だが、免税店や食堂、両替などの施設は一通り揃っており、ラウンジもWiFiが使える。空港の両替所はレートが非常に悪いので最小限に。
ビザが無ければアライバルビザの列に速やかに並ぶ。申請料は25USドル。
表に出るとタクシーの客引きが集まってくる。

市街からの距離は5kmほど。空港から有名な火葬場・パシュパティナートまではごく近いので、空港から市内もしくは帰路に寄ることもできる。

市内までの足はプリペイドタクシーが確実。タメル地区まで600ルピー程度。空港からの出口にプリペイドタクシーのカウンターがある。固定料金で値段交渉は不可。ホテルからの送迎を頼んだ場合は6~7ドル程度。客引きのタクシーも多いので交渉してみることもできるが、あまり相場は下がらない。出発ロビーで、今乗客を降ろしたばかりのタクシーと交渉すれば安くなる可能性はある。
※物価変動が激しいので読者の渡航時にはこの金額よりも明らかに高い可能性があるが、プリペイドは公定価格でぼったくりではない。

エアポートバスは無く*、路線バスは直接乗り入れていない。空港から環状路(リングロード)まで歩き、中心街行きのバス(タメル地区の場合は「シティ・バスパーク」行き)に乗る。未舗装に近い道路を大きな荷物を持って歩くと時間もそれなりにかかり、バスが満員なことも多いのでタクシーがおすすめ。
*シャトルバスの目撃情報有り。片道100ルピー。

出国時など、遅延も頻発し施設も乏しいので時間があまったらラウンジの利用をおすすめ。


地理と気候

日本との時差はマイナス3時間15分。
5頃から9月までは雨季となり蒸し暑い。10月半ばから4月までは乾季となる。ヒマラヤがはっき見えるベストシーズンは11月~2月のあたり。高所トレッキングであれば11月、2月~3月頃。
12月~2月の間は意外に寒く、夜は5度を切って冷え込む。


(画像:Google提供)


言語と通貨

ネパールの公用語はネパール語。
英語も準公用語的な扱いで、観光業に力を入れていることからホテル、タクシーなど観光客が接する人には英語が通じることが多い。

通貨はネパール・ルピー(NPR)。1ネパール・ルピー=1.0円(13年10時点)。ホテルや外国人が利用するようなお店、高級レストランではUSドルが使える(USドルしか受け取らないということも…)。
物価は総じて安いが、インフレで年々上がっている。
タクシーは2kmで100ルピー~(要交渉)、ミネラルウォーターが1本2リットル程度で20ルピー、ビールが650ml瓶で200ルピー。食事はチベット麺、ダルバートが150~300ルピー程度。ホテルはピンキリだが、タメルのゲストハウスで個室シャワー付が1000~2000ルピー程度。ホテルなら3000~4000ルピー程度。

両替は、一般的にはATMによる国際キャッシングが有利…とされているが、ATMによって高い手数料を取られる場合もある。
最もレートが良いのは、市内の銀行でUSドルから両替すること。1ドル札を多めに持っておくとチップなどで便利。空港両替所のレートは非常に悪いので、空港ではせいぜい2000~3000円程度の両替にとどめる。後述の再両替ルールもあるので、両替は都度こまめするのがおすすめ。

また、アジア共通であるがネパールも汚れた札・汚損した紙幣が多く、受け取ってもらえないこともある。紙幣の改定も頻繁で昔の札が紛れており、真札かどうかも見極めにくい。両替や支払い、おつりをもらう際に金額と共に常にチェックすること。

両替時のレシートは出国時再両替に必要なので取っておくこと。ネパール・ルピーが両替可能なのはインドのみで、海外に持ち出しても無価値。また、再両替の制限があり、両替した金額の上限15%(10%説も有り)までしか再両替できないというルールがあった(現在は緩和されているという説もあるが、状況は常に変わると考えた方が良い)。再両替レートも悪いので、両替は最低限にとどめる。

外国人が行くようなカフェやホテルならクレジットカードも通じる。こちらも伝票を良く確認する。
インド同様、チップの慣習は根強い。外国人が行くようなレストランの場合、総額の10%程度(サービスチャージが伝票に記載されている場合は不要)。ポーターには20ルピー程度、ガイドには一日案内で700ルピー程度。ドルの方がよろこばれる。


(nuphil.com提供)


ビザと治安

カトマンズで多いのは、タクシーやぼったくりツアーの勧誘など客引きをめぐるトラブル、ホテルでの盗難などであるが、隣国インドに比べれば被害は少ない。
慢性的な電力不足から計画停電が行われており、そうでなくとも日が落ちると通りはかなり暗い。地理に自信がなければ夜間の1人歩きは避ける。
未舗装路の土埃、クルマの排ガス、発電機のディーゼル煙などで空気はかなり悪い。現地人もマスクを着用している。

数年前まではストライキ(バンダ=強制的ゼネラルストライキ)やデモが頻発し危険な状態もあったものの、現在はやや落ち着いている。
バンダ期間中は公共交通機関・タクシーが運行を停止し、商店が閉まっていることも(空いても午前~夕方から)。デモの行われる辺りは外出自体が危険な場合もあるので十分に情報収集を行うこと。バンダ期間中は渡航を避けた方が無難。
また、陸路のインド国境では、外務省の渡航延期勧告が出ている地域もある。

全てのネパール入国者はビザが必要。
ネパール大使館に事前申請する場合は15日間3,000円、30日5,000円。郵送申請の場合はプラスして郵送料。
トリブバン国際空港(KTM)でアライバルビザが取得でき、15日25USドル、30日で40USドルとこちらの方がお得である。

なお、インド経由でネパール入りする場合にはインドビザが必要。以前までインド再入国制限ルール*というものが存在したが、現在は廃止されている。
*インド出国後2ヶ月間は再入国できないというルール。たとえばデリー往復1週間の航空券でデリーからからカトマンズに行った場合、2ヶ月経たないと再びデリーに入れないため復路チケットがムダになるという危険があった。


参考:インドビザ


市内交通

(タクシー)
鉄道・地下鉄の類いはないので、タクシーが市内交通の主役となる。
タメル地区、ホテル前、観光地などで客待ちをしている他、街中を流している。
マルチスズキの小型車が多い。
基本はメーター制で、公定価格は初乗り14ルピー、1kmで40ルピー。ガソリン代が高くしかも年々高騰しているため頻繁に値上がりする。空港や観光地からの帰りは要交渉。観光地までの往路がメーターで100ルピーだったが、帰りは200ルピーかかるという場合もある。

(リキシャー)
エンジンのついたオートリキシャーでは無く、自転車に荷台を付けたタイプ。地元の人はあまり利用せず、もっぱら観光用途。値段も高め。

(バス・テンプー)
カトマンズ中心部、タメルから東側にシティ・バスパーク(オールドバス停)があり、各所への路線バスが出ている。他にも大通りにはバス停があるが、行き先を確認してから乗ること。バスに乗ると車掌(らしき人、制服などは着ていない)が料金を集めに来る。行き先を告げて料金を支払う。

テンプーは決まったルートを周回するオート三輪。停留所は無く、ルート上の乗りたい場所で乗り、降りたい場所で降りる。手を上げると停まるので行き先を確認してから乗車。

(自転車)
入り組んだカトマンズの市街を移動するのに意外に便利なのは自転車やバイク。タメル地区などにレンタル屋があり、ホテル名を書くかパスポートを預けることで借りることができる。


ホテルとシーズン

ホテルの選択肢は多く、高級ホテルでも無い限り予約の必要も無い。
バスタブの付いた高級ホテルは一泊100~200ドル。内部は高級レストランやカジノが併設され外とは別世界。
もう少し安めのところで一泊20~50ドル程度の中級ホテルも多い。このクラスでも清潔で自家発電装置があり停電の心配もない。
タメル地区は安宿街として有名で、清潔なエアコン・Wifi付のシングル個室で10ドル程度のところもある。ドミトリーなら更に安く、数百円のレベル。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
Ncell、Nepal Telecomが2大キャリア。
トリブバン国際空港にNcellの窓口があり、到着時すぐにSIMを購入することができる。街中でもカウンターを見かける。1G、30日間有効で699ルピー。

宿にWiFiがあるという人でも、停電で設備が停まることがあるためネットにつなぐ必要があるならば持っていて損は無い。SIMを経由してテザリングできるようにしておけばPCでも使える。

以前はNcell一択だったようだが、Nepal Telecomも 4G WiMAXを展開するなどサービスを強化している。

(WiFi)
ホテル、カフェ、レストランなど外国人が行くような多くの場所でWiFiが通じている。