3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

Facebook

第3回:ハノイ-ホーチミン

Vietnum

ベトナム、ハノイ。国境を越えた瞬間から気温が上がり、東南アジアへの扉が開かれた気がした。

中国、南寧からハノイまでは国境でバスを乗り換えて8時間。日本との時差は2時間に広がる。バスはハノイの安宿街、ホアンキエム湖周辺から少し離れた所に停まる。乗り併せた他の乗客とタクシーをシェアし、1人1$。ベトナム通貨ドンとUS$が流通する経済状況は、ベトナムを取り巻いた戦乱の歴史を日常という形で感じさせる。西洋人の数は格段に増え、街もそういった観光客向けに発展している。ベトナム全体でツアーや長距離バスの仕組みが網羅的に整えられ、大量に林立する旅行代理店の扉を叩けば誰でも簡単にベトナムを楽しむことができる。

僕のとったルートはハノイから王宮都市フエ、古都ホイアンを巡って、ダナン、ホーチミンへ抜ける南下縦断ルート。ダナンまではオープンバスと呼ばれる目的地までに1都市につき1度だけ乗降車のできるツアーバスを使った。ダナンからは中国で使った硬座、ローカル列車の味が忘れられず、またしても20時間のHardseatチケットを購入した。

縦断(ハノイーホーチミン)のオープンバスチケットは50$程で手に入る。何度も同じ旅行者と顔を合わせるので友だちも増える。けれど、少しでもベトナムの生活を身近で覗くには、列車の方が良いのかもしれない。のんびりと移動する人たちは美しく、列車は海沿いを走るので、海と田園風景の両方が楽しめる。そして、何より運賃が安い。
ベトナムでは物の値段で苦労をした。特にハノイでは値札の付いているものが少なく、外国人料金という風習に拍車がかかり、法外な料金をふっかけられることが多々あった。昨日食べた全く同じものに3倍近い料金を払わされたりしながら、僕はベトナムを南下していった。

底抜けに人懐っこくて、時に狡猾で、子どものようで、芯のある、ベトナムという国にどんどん惹かれていった。甘いコーヒーにはミルクを入れ、小さなお風呂で使うようなプラスチックの椅子に腰かけては香草のたっぷり入った、どこかその辺の草を食べさせられているような、美味しいフォーを食べた。

ホーチミンに着いた時、気付けば2週間が経っていた。ハロン湾やミーソン遺跡と、世界遺産も巡ったけれど、別にそれが目当ての旅ではなかった。それなのに時間は入国制限いっぱいまで使ってしまった。大量のオートバイが街を駆け抜けて、至るところで微笑むホーチミンと癒えない戦乱の傷跡。深入りしたくなるような妖力を携えたアジア、ベトナム。

僕はまた戻ってくるような予感を抱きながらカンボジア、プノンペンへの夜行バスへと乗り込んだ。
ハロン湾

次回はカンボジア、タイ・チェンマイへの移動を記します。

——————
豆知識
・ベトナムでは値段表示のない店では値切り交渉が必須です。
・バスやツアーに関しても料金が様々なので、渡り歩いて安いお店を見つけることができます。
・殆どの場合、オープンバスの降車位置は安宿街の近くです。
・安宿はドミトリーで4$から6$、シングルは8$程からあります。
・列車に関して、寝台や特急列車、日本からの予約をする等の場合、オープンバスよりも高価になる場合があります。
・列車のチケットは駅の窓口でメモを見せたりして簡単に買えます。空いていますので、当日で問題ないと思います。
・通貨ドンの桁数が多く、「数えてやる」「見せて」等の方法でお金を抜き取るカウント詐欺に合っている人を2人見ましたので注意が必要です。
・日本語を話す客引きガイドへの被害も聞きました。彼らは日本人の感想ノートを持って近付いてきます。中には良い人も居るそうです(ノートにそう書いてありました)。
・台風被害が著しく、ホイアンは11月15日現在で浸水。停電等も頻発するそうなのでお出掛けの際は天候に気を配る必要がありそうです。
 ⇒台風被害の映像

・Wi-Fiは街であれば必ずどこかで拾えます(ホテル、カフェ)。野良電波も多少あります。


今回のルート 今回のルート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア、チェンマイ…、以降東南アジアからインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定

3b. 世界一周ノート 第3回


3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

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aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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第3回:ハノイ-ホーチミン

Vietnum

ベトナム、ハノイ。国境を越えた瞬間から気温が上がり、東南アジアへの扉が開かれた気がした。

中国、南寧からハノイまでは国境でバスを乗り換えて8時間。日本との時差は2時間に広がる。バスはハノイの安宿街、ホアンキエム湖周辺から少し離れた所に停まる。乗り併せた他の乗客とタクシーをシェアし、1人1$。ベトナム通貨ドンとUS$が流通する経済状況は、ベトナムを取り巻いた戦乱の歴史を日常という形で感じさせる。西洋人の数は格段に増え、街もそういった観光客向けに発展している。ベトナム全体でツアーや長距離バスの仕組みが網羅的に整えられ、大量に林立する旅行代理店の扉を叩けば誰でも簡単にベトナムを楽しむことができる。

僕のとったルートはハノイから王宮都市フエ、古都ホイアンを巡って、ダナン、ホーチミンへ抜ける南下縦断ルート。ダナンまではオープンバスと呼ばれる目的地までに1都市につき1度だけ乗降車のできるツアーバスを使った。ダナンからは中国で使った硬座、ローカル列車の味が忘れられず、またしても20時間のHardseatチケットを購入した。

縦断(ハノイーホーチミン)のオープンバスチケットは50$程で手に入る。何度も同じ旅行者と顔を合わせるので友だちも増える。けれど、少しでもベトナムの生活を身近で覗くには、列車の方が良いのかもしれない。のんびりと移動する人たちは美しく、列車は海沿いを走るので、海と田園風景の両方が楽しめる。そして、何より運賃が安い。
ベトナムでは物の値段で苦労をした。特にハノイでは値札の付いているものが少なく、外国人料金という風習に拍車がかかり、法外な料金をふっかけられることが多々あった。昨日食べた全く同じものに3倍近い料金を払わされたりしながら、僕はベトナムを南下していった。

底抜けに人懐っこくて、時に狡猾で、子どものようで、芯のある、ベトナムという国にどんどん惹かれていった。甘いコーヒーにはミルクを入れ、小さなお風呂で使うようなプラスチックの椅子に腰かけては香草のたっぷり入った、どこかその辺の草を食べさせられているような、美味しいフォーを食べた。

ホーチミンに着いた時、気付けば2週間が経っていた。ハロン湾やミーソン遺跡と、世界遺産も巡ったけれど、別にそれが目当ての旅ではなかった。それなのに時間は入国制限いっぱいまで使ってしまった。大量のオートバイが街を駆け抜けて、至るところで微笑むホーチミンと癒えない戦乱の傷跡。深入りしたくなるような妖力を携えたアジア、ベトナム。

僕はまた戻ってくるような予感を抱きながらカンボジア、プノンペンへの夜行バスへと乗り込んだ。
ハロン湾

次回はカンボジア、タイ・チェンマイへの移動を記します。

——————
豆知識
・ベトナムでは値段表示のない店では値切り交渉が必須です。
・バスやツアーに関しても料金が様々なので、渡り歩いて安いお店を見つけることができます。
・殆どの場合、オープンバスの降車位置は安宿街の近くです。
・安宿はドミトリーで4$から6$、シングルは8$程からあります。
・列車に関して、寝台や特急列車、日本からの予約をする等の場合、オープンバスよりも高価になる場合があります。
・列車のチケットは駅の窓口でメモを見せたりして簡単に買えます。空いていますので、当日で問題ないと思います。
・通貨ドンの桁数が多く、「数えてやる」「見せて」等の方法でお金を抜き取るカウント詐欺に合っている人を2人見ましたので注意が必要です。
・日本語を話す客引きガイドへの被害も聞きました。彼らは日本人の感想ノートを持って近付いてきます。中には良い人も居るそうです(ノートにそう書いてありました)。
・台風被害が著しく、ホイアンは11月15日現在で浸水。停電等も頻発するそうなのでお出掛けの際は天候に気を配る必要がありそうです。
 ⇒台風被害の映像

・Wi-Fiは街であれば必ずどこかで拾えます(ホテル、カフェ)。野良電波も多少あります。


今回のルート 今回のルート
とりあえずの予定コース:上海→杭州→南寧→ベトナム→ハノイ→ホーチミン→カンボジア、チェンマイ…、以降東南アジアからインド、トルコ、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、南米と巡る予定