4. 世界あの街この街:#11北京


3.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第11回 北京

万里の長城(慕田峪)
北京の写真
北京 (トリップアドバイザー提供)

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

万里の長城、故宮、頤和園など、世界遺産と史跡の宝石箱。壮大な歴史遺産、ショッピング、北京ダックを筆頭に、中国全土の食が集まるグルメも人気。
大気汚染の報道などにより観光需要は減少しているが、それでも日本から北京を訪れる旅行者は多く、渡航先としてトップクラスの地位にある。その理由は、他にない歴史史跡と街歩きの魅力。

北京の街並みは故宮を中心に碁盤の目のように道が整備されている。
街歩きではずせないのは、老北京と呼ばれるレトロな街並みで、故宮北西の什刹海~南鑼鼓巷のあたりが有名。湖畔には釣り人がたたずみ、細い路地(フートン;胡同)や伝統家屋(しごういん;四合院)が立ち並ぶ古い街並みには、最新のカフェやショップが入りまじる。テイクアウト(小吃)も楽しい。

后海の写真
后海 (トリップアドバイザー提供)

南鑼鼓巷の写真
南鑼鼓巷 (トリップアドバイザー提供)

故宮の東側に向かうと北京一の繁華街、王府井がある。こちらも巨大な百貨店が立ち並ぶ一方で、一歩入ると胡同が続いている。
南鑼鼓巷から東に向かうと地下鉄空港線の乗り換え駅、東直門に出る。こちらは鬼街と呼ばれる火鍋屋が連なる通りで、夜の光景は圧巻。
Ghost Street (Gui Jie)の写真
Ghost Street (Gui Jie) (トリップアドバイザー提供)

街歩きのあとは、景山公園から北京を一望した後で故宮を散策。
 景山公園の写真
 景山公園 (トリップアドバイザー提供)

故宮の入り口、午門をくぐって内側は、90万点にもおよぶ宝物を展示・公開する故宮博物院となっている。駆け足でも3時間はかかり、じっくり見れば数日必要なスケール。
九龍壁の写真
九龍壁 (トリップアドバイザー提供)

故宮を出て天安門広場沿いに歩くと広大な公園、天壇がある。
 天壇の写真
 天壇 (トリップアドバイザー提供)

故宮の北西には巨大な皇族の旧庭園、頤和園(いわえん)がある。こちらも一日あっても見きれないスケール。回廊や遊覧船でゆったりくつろぎたい。
 頤和園の写真
 頤和園 (トリップアドバイザー提供)

そして、やはり外せない万里の長城。
最も有名な八達嶺まで北京市中心からは地下鉄で80分程度。
観光客で混み合う八達嶺ではなく、黄花城あるいは慕田峪地区の方がゆったり観光できる。こちらはタクシーのチャーターが便利。
長城は意外な山中にあるので、紫外線や寒さをふせぐ服装を心がけたい。
慕田峪長城の写真
慕田峪長城 (トリップアドバイザー提供)

時間があれば、郊外観光で是非お勧めしたいのは外せないのは北京から90kmの川底下村。
明の時代からの四合院建築が渓谷に沿ってびっしりと並ぶ風景は一見の価値あり。
公共交通機関だと一日がかりなので、こちらも車のチャーターが便利だが、それでも3時間程度かかる。
Cuandixia Villageの写真
Cuandixia Village (トリップアドバイザー提供)

郊外には他にも明十三稜、承徳の避暑山荘など見所はつきないが、エキゾチックな租界の街並みがひろがる天津は高速鉄道で30分と日帰り旅行にもちょうどよい距離。

避暑山荘の写真
避暑山荘 (トリップアドバイザー提供)

Tianjin Haihe Cultural Squareの写真
Tianjin Haihe Cultural Square (トリップアドバイザー提供)

また、ミリタリーマニアや鉄道好きには人民革命軍事博物館、天津航空主題公園、北京の鉄道博物館などのスポットがあり、社会主義国特有のスケールは見応えあり。

最後に、とにかく北京は史跡が大きく、街の1ブロック1ブロックが広いため、ひたすら歩く羽目になる。
無理をせずプランを組むことが大事。

日本からの行き方

(空路)
日本から中国への空路は多く、地方空港からも連日直行便が就航している。

北京へはデルタ航空、中国国際空港、中国東方航空などの中華系、大韓航空などアジア系、そしてJALなど多くの選択肢がある。成田発の場合はデルタ航空か中国国際が安く、直行便が最安3万円台になることも。日系は概ね6万円程度から。
羽田発の場合は大韓航空が4万円台、日系で7万円程度。直行便の所要時間は4時間程度。

関西の場合は中国東方が安い。青島や上海経由で4万円程度。中部は5万円、福岡は4万円程度からフライトがある。

北京へのチケットが取れない場合には、天津行きのチケットを取ってしまうという手もある。天津-北京は高速鉄道でわずか30分程度。繁忙期で混み合う時期には北京が埋まっているのに天津ががら空きという場合もある。ホテル代の相場も若干低いので、いっそ天津に滞在して北京を楽しむという選択肢も。
天津までは、羽田発の大韓航空が4万円台、成田、関空、中部国際からは5万円台。JALが中部国際との間を結んでいる。

(陸路)
上述天津経由の場合、時速300km/hオーバーの高速鉄道(京津城際鉄路高速鉄道)が便利。一等65.5元、二等54.5元と安い。所要時間30分。
上海からも天津同様の高速鉄道(京滬高速鉄道)があるが、こちらは1,400kmの距離を結ぶだけあり所要5時間、一等935元、二等席555元。上海からなら国内線飛行機よりも安く、遅延の可能性や空港チェックインの時間も含めるとこちらが早い可能性も。

なお、以前は神戸港から天津まで週一便フェリー(燕京号)が運航していたが、2012年8月に終了した。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、2泊3日なら往復直行便サーチャージ込みで3万円台から。格安ツアーは往路夜発、復路午前発、または2名から催行などの制約があることも。

(空港)
北京市の北東30kmに位置する北京首都国際空港は東アジアを代表する巨大空港。
旅客ターミナルは3つあり、ターミナル1が国内線、ターミナル2が国際線。ターミナル3は兼用となっており、日系航空会社や中国国際航空が利用する。ターミナル3は非常に巨大で、ターミナル1、2との間も離れているので注意(地下鉄・エアポートエクスプレスで10分かかる)。ターミナル間には無料シャトルバスが運行されている。

市内へは世界初の実用リニアモーターカー、エアポートバスが利用できる他、タクシーもある。
リニアは地下鉄2号線の龍陽駅までを10分以内で結ぶ。普通席50元、交通カード(後述)利用なら40元。
エアポートバスは行き先別に15~30分間隔で運行、所要80分、30元程度。
タクシーは市内中心部まで所要60分、200元未満。

市の南には南苑空港があり、国内線の発着に使われる。北京首都国際空港との間にエアポートバスが運航されている。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
北緯39度と岩手県と同程度の緯度であるが、大陸性の気候で昼夜の温度差が大きい。夏は気温こそ東京と同程度だがより蒸し暑く、冬は東京よりもかなり冷え込む。12月~2月の間はマイナス気温も珍しくなく、防寒着が必要。四季はあるものの春秋は短く、春先は黄砂が飛ぶ。ベストシーズンは5~6月、または10月~11月頃。10月1日の国慶節近辺は避けた方が無難。


(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。空港や地下鉄の外国人カウンターも英語で問題無い。
タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.1円(13年11月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。20円と見ておけば使いすぎる心配も無い。
物価は中国でも高い部類で、ホテルはやや高め。食と交通費は概ね安い。
タクシーは初乗り13元+1元の燃油料(計14元)。地下鉄は2元、空港線のみ25元。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
北京首都国際空港の場合は到着階の両替所ではなく、4階出発ロビーの中国銀行が公定レートなのでお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。


(Wikipedia提供)

ビザと治安

中国の首都であり、治安を見守る公安(警官)の数は多い。中国の中でも治安は良い方であるが、あくまで外国としてはの部類であり、繁華街、観光地、夜間や裏通りなどには注意が必要。
また、日本人に被害の多い犯罪は窃盗、置き引き、スリ、ぼったくり店、観光地でのぼったくりツアーへの誘導など。特に、王府井などの繁華街や北京駅をはじめとした鉄道駅ではぼったくりタクシーが報告されている。万国共通であるが、日本語で親しげに話しかけてくる相手には注意。
反日感情が高まる時期やイベントがあった場合は注意が必要。
10月の天安門火災事件により警備は厳しくなっている。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(ヒュンダイやワーゲン、シトロエンが多い)が走っており、料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。そのため雨の日や休日の夜などは捕まえにくく、こちらが止めた車に割り込まれることも。
黄色帯が正規営業の目印。特に繁華街や駅での白タクには注意。

(画像:thechinaguide.com)

初乗りは3kmで13元+1元の燃油料(計14元)。以降1kmごとに2.3元。走行距離3キロ以上の場合は燃油3元、15キロ以上の乗車には50%の空車走行料金が加算され3元/kmとメーター以外の加算分が多く、結構複雑。メーターと同時にレシートを見て支払うようにしたい。
支払いは現金か交通カード。おつりがない場合が多いので交通カードを用意しておくと安心。チップは不要

交通カード(一卡通)はタクシーはもちろん地下鉄、バス、コンビニなどでも使えるSUICA、PASMO的なリチャージ式のカード。購入場所は「交通一卡通 発卡」の表示がある地下鉄駅やバス終点近くの専用キオスク、郵便局など。20元の預かり金(デポジット)が必要。

(画像:Wikipedia)

(地下鉄/鉄道)
北京の地下鉄は空港専用線などを含め全17路線。朝は非常にラッシュが厳しく、乗り換えも長いので意外に時間がかかる。
切符はICカード形式になっている。利用の仕方は日本と同じ。上述交通カードの利用がお勧め。
乗車前に保安検査がある。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。北京から遙か彼方のウルムチやチベットまで鉄道が通じている。
天津まで高速鉄道でわずか30分。ハルピンや南京への移動も鉄道の便が良い。
切符の購入にはパスポートが必要。

(バス)
市内をバスが縦横無尽に網羅しているが、ラッシュと中国語表記が中心なことからなかなかハードルは高い。
一方、近郊に行くには長距離バスが便利。地下鉄空港線の接続、東直門駅や北京南駅が長距離バスのターミナルになっている。

ホテルとシーズン

いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルと考えて良い。
外資系の4つ星ホテルならツインで2~3万円程度は覚悟する必要がある。
ただしルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。

一方で近年日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)が増加しており、3千円程度で宿泊できる。

おすすめは伝統家屋をリノベーションした四合院ホテルと呼ばれる形式のホテル。中国的な風情が楽しめるレトロな外見にカフェやWifiなどを備えており、費用も手頃な場合が多い。

全般に国慶節(10月1日)、春節(旧正月)の季節は混み合い価格も上昇する。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
空港の携帯ショップ、路上の売店、コンビニの他、家電量販店等でSIMが購入できる。
プリペイドを購入して設定してもらう場合には携帯会社のショップが心強い。China Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)などの事業者がある。北京の学園都市こと中関村ではSIMフリー携帯や無線LANルーターも手に入る。
中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりが有り、中国語のメッセージを解釈する必要がある。そのため、SMSなどの解読が面倒な場合は店員にやってもらえると便利。できれば空港で滞在期間中チャージしなくて済むよう多めにチャージしておくか、ホテルの近くの店で顔見知りをつくり気軽に頼めるようにしておけると良い。

(Wifi)
多くのカフェやレストラン、ホテルのロビーなどで無料Wifiが開放されていることが多い。各国同様、スターバックスでも使える。