4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第12回 デリー

Gateway of Indiaの写真
Gateway of India (トリップアドバイザー提供)

インド共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

史跡や歴史を感じる重厚な建物、近代的なビル、迷路のようなバザール。
デリーは人々のエネルギーがうずまく魅力的な街で、多くの旅行者を惹きつける。高級ホテルは意外に高く、マハラジャ気分の豪華な旅からバックパッカー的貧乏旅行まで楽しみ方は幅広い。

ニューデリーの中心はコンノート・プレイス(Connaught Place)。
ニューデリー駅の南に続くサークル状の路面沿いに高級ショップや外資系ファーストフード、老舗のレストランなどが立ち並ぶデリー最大の商業集積地で、ここに来ればとりあえずお土産から生活物資まで何でもそろう。
ジーンズを履いてマクドナルドをほおばる女子学生からサリーを着た物乞いまで、猥雑なエネルギーがうずまく。
安宿街として有名なパハール・ガンジ(Paharganj)が近い(コンノート・プレイスのやや北側、ニューデリー駅の前)ため客引きも多く、常に話しかけられてしまう場所。
Connaught Placeの写真
Connaught Place (トリップアドバイザー提供)

北に向かうとオールドデリー地区に出る。世界遺産の赤いデリー城(レッド・フォート; Red Fort)からモスク(ファテープリー・マスジッド)をつなぐ通りはチャンドニー・チョーク(Chandni Chowk)。スパイスや宝石の店が立ち並ぶデリーのアメ横。壮麗なジャマー・マスジッドもこの通り沿いで、カリム(Karim’s)という有名なムガル料理レストランがある。
金曜モスク (ジャーマー マスジッド)の写真
金曜モスク (ジャーマー マスジッド) (トリップアドバイザー提供)

一方、駅を背に南に大通りを歩くと巨大なインド門がある。周囲は公園となっており、市民が集う憩いの場。
インド門を超えて南西に向かうとインドの代官山ことカーン・マーケット(Khan Market)がある。高級店やレストランが軒を連ね、カフェやバーの多いナイトスポットでもある。日曜日は営業していないので注意が必要。

さらに南に向かうと世界遺産のフマユン廟(Humayun’s Tomb)があり、その門前町がニザムディン・ウエスト(Nizamuddin West)として栄えている。イーストは高級住宅地で、特急や急行の始発にもなっている巨大なハジラット・ニザムディン駅(Hazrat Nizamuddin)に隣接。
ウエストはムスリム街となっており、朝はコーランの詠唱が響きわたる。
Nizamuddin West
ニザムディン・ウエスト(tabinote提供)

新市街は南側で発展が続いている。
ハウズ・カース(Hauz Khas)は貯水湖ハウズ・カースの周囲にマーケットが発達しており、おしゃれなレストランやショップが集まる。インド料理に飽きたらここに各国の食が集まっているのでチェックすべき。
サケット(Saket)地区には巨大なショッピングセンター、CITY MALLがある。
CITY Mall
CITY MALL(tabinote提供)

レッド・フォートと並ぶデリー観光のハイライトはクトゥブ・ミナール(Qutub Minar)。
世界で最も高い72.5mのミナレットは圧巻で、1500年も錆びずに建っているという鉄柱もこのあたり。
Qutub Minar
クトゥブ・ミナール(tabinote提供)

デリーは北インド観光の起点でもある。タージマハルやアグラ城で有名なアグラ、風の宮殿でおなじみジャイプールには日帰り観光も可能。
インド観光の目玉、ワーラーナシーも飛行機なら1時間程度で到着する。
Taj Mahal
タージマハル(tabinote提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からインドへの空路は、主に直行便とアジア各都市を乗り継いでいくルートがある。

乗り継ぎの場合は中国東方航空が安い。3ヶ月FIX OPENチケットが旅行代理店で4万円を切ることもあるが、3ヶ月くらい前に売り切れてしまう場合が多く、希望の日程に合わせるには早めの予約が不可欠。また、経由地での乗り換えに際し宿泊が発生することもあるので要注意。

航空会社のサイトで直接チケットを買う場合もやはり中国東方航空が安く、日程を選べば成田発5万円台から。関空なら4万円台のことも。
直行便の場合は日系のANA、JALで10万円程度。

コルカタに滞在し、それから向かうという手もある。
3ヶ月FIX OPENチケットがオープンジョーの場合はコルカタIN(もしくは他のアジア都市IN)、デリーまで飛行機で移動しデリーOUTという方法も使える。

LCCを使う場合はあまり、エアアジアでクアラルンプールを経由となる。東京からクアラルンプール往復4.5万、クアラルンプールからコルカタ往復4.5万、デリーとコルカタの国内線が2万円程度で合わせて11万と、キャンペーンが絡まない限りあまり安くはならない。

(陸路)
コルカタからの場合、特急電車で17~25時間程度。1等エアコン車で片道5,000円程度。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、4泊5日なら往復直行便サーチャージ込みで6万円台から。

(空港)
デリーの顔はインディラ・ガンディー国際空港。
2006年に改装し、免税店、エアポートホテルなど有する近代的な空港に生まれ変わった。
市街からの距離は20kmほど。

日本からの国際線はターミナル3。世界8位の規模を持つ巨大ターミナル。
ターミナル1は国内線専用となっている。
ターミナル2は閉鎖している。また、ターミナル4、5を建設中。
デリー空港
デリー空港出国ロビー(tabinote提供)

市内へは早くて正確な地下鉄、バス、タクシーなどの手段がある。
地下鉄(Metro)はニューデリー駅まで20分。料金は150ルピー。
エアコン付きのエアポートエクスプレスバスが市内中心部まで50分程度、75ルピー(空港から30km超で100ルピー)。
一昔前は、ニューデリーの空港は旅行者にとってもっとも危険な場所と言われ、ゲートを出た旅行者によってたかってタクシー運転手がむらがるという光景が見られた。現在ではMegaCab、MeruCabという2つの公認タクシー会社が完全にメーター制で走ってくれるため、そういったリスクはたいぶ低くなっている。入国ゲートを出てこの2社の看板を目指し、受付に目的地を言う。市内中心部までは40分、400ルピー程度。


地理と気候

日本との時差はマイナス3.5時間。
北インドの気候は4~5月が暑季、6~10月が雨季にあたり、いずれも暑い。5月~6月にかけて40度近くになることも。
快適なのは11月~3月の乾季、冬は冷え込むこともあり、夜には5~6度を下回ることも。


(画像:Google提供)


言語と通貨

インドの公用語はヒンディー語、および各地方の21にもおよぶ言語。
英語は準公用語となっており、旅行者が訪れるようなところでは概ね通じる。
ただし、インド英語は発音や単語に特徴があり、早口な人が多いこともあって通じにくいとされている。

通貨はインディア・ルピー(INR)。1ルピー=1.6円(13年11月時点)。
物価は、現地の人が利用するような交通機関、食は安い。
外国人向けのレストランやホテルは高め。特にホテルは4つ星クラスで100ドル程度と安くは無い。
タクシーは初乗り69ルピー(メーター制;MeruCabの場合)で、深夜は25%追加。メーターの場合チップは不要。リキシャーは基本交渉制なので、相場を把握しておくこと。

両替はATMによる国際キャッシングが有利。
インドルピーは日本で両替できない。現金の場合は日本円もしくはドルを現地で両替することになるが、空港のレートは悪い。空港で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。両替時のレシートは出国時再両替に必要なので取っておくこと。
また、アジア共通であるがインドは他の国にも増して汚れた札・汚損した紙幣が多く、受け取ってもらえないこともある。きれいな札かどうか、両替や支払い、おつりをもらう際に金額と共に常にチェックすること。
外国人が行くようなカフェやホテルならクレジットカードも通じる。こちらも伝票を良く確認する。
チップの慣習は根強い。ホテルのポーターに50ルピー程度、英語のガイドで300ルピー程度。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

インドの他の都市と比べても、デリーは比較的犯罪が多い。

特にガイドブックなどで必ず触れられているのは、いわゆるぼったくりタクシーとツアー。空港や駅などでタクシーやオートリキシャを利用した場合、到着時に多額の料金をふっかけられたり、出発時に合意した金額と違ったり、ガソリン代や遠回り代・チップと称して高い金額を上乗せされるなどのトラブルは日常茶飯事…とされている。

タクシーとホテルが結託して、いわゆるぼったくりホテルに連れ込まれたり、ツアー会社に無理矢理連れて行かれたり、高額なツアーを組まされるという事例も多い模様。
特に安宿街で有名なデリー駅前のパハールガンジやコンノート・プレイスの旅行会社は注意が必要で、政府公認のまぎらわしい証書を掲げるなどいかにも正規の業者をよそおっていることも(実際悪徳であってもちゃんとした正規の業者なのが困りもの…)。

・移動はMeruCab、MegaCabの2大メータータクシー
・ホテルやツアーは相場を確認
という2点を守るだけでかなり被害は防げる。

そのために最も必要なのは、英語のマシンガントークやプレッシャーに屈しない冷静さ。ガイドブックをよく見て、詐欺の手口を学習しておくことも重要。
できればスマートフォンがあると便利(後述)。プリペイドタクシーもその場で予約できるし、金額相場もその場で確認できる。車内で地図をじっと見ていれば、見当違いの方向に連れて行きにくいと思うもの。
こうした詐欺以外にも、特に殺人や強盗、レイプなどの凶悪犯罪も他都市よりは多く、夜間の一人歩きには注意が必要。

危険なイメージがついたかもしれないが、これらは外国で一般に注意すべき点となんら変わり無い。
むしろ必要以上に怖がっていると相手からはカモに見えてしまうということもあるため、冷静さを保ち時間に余裕をもつ、時間に追われて無理な移動や選択をしないようにすることがトラブル防止につながる。

全てのインド入国者はビザが必要。事前にオンライン申請が必要となった。
観光の場合は6ヶ月間有効・複数入国可能なマルチビザとなる。
センターに申請・受取に行くとかなり時間をロスするので郵送サービスの利用が便利。
ビザが降りるまでは意外に時間がかかる(15営業日;ビザは入国時ではなく申請時より有効)。特に西日本在住の場合は大阪のビザ処理がことのほか遅いという噂もあり、日程が決まったら迅速に申請するようにしたい。
また、アライバルビザの申請も可能だが、料金が高く(60USD)、所要時間や発給条件など不明確な点も多いため、なるべく事前取得がおすすめ。


市内交通

(タクシー)
上掲の通り、MeruCab、MegaCabの2大メータータクシーが安心。車種はSUZUKIやTATA。
配車予約も可能だが、現地の携帯番号が必要。

一般的なタクシーは黄一色または黄と黒のツートンに塗られたインド車・アンバサダー。
また、街中にはプリペイドタクシーのブースがある。
メーターがあっても使わない、またはメーター通りではない場合が多い(インフレでメーターの料金に実際の料金が追いつかないという事情もある)。その場合でもFare Chartという料金表を持っている筈なので、必ずその表と対照して料金を確認する。
リキシャーも同様で、Fare Chartを見ながら確認する。

結果として高い料金を払ってしまったとしても引きずらず、平常心でいることも重要。なにせインド人でもだまされるらしいので…。

(画像:Delhi Traffic Police)

(地下鉄/鉄道)
ニューデリー駅
ニューデリー駅(tabinote提供)

デリーはメトロが市内を縦横に網羅しており。空港線を含め6路線ある。
チケットはトークン式で、窓口で対面購入する。駅の発音が難しい場合もあるので地図を見せて買うと間違いが無い。
チャージ式のカードもあり、駅で購入する。
清潔で正確なメトロだが、ラッシュや切符購入時の行列はすさまじい。

インドの鉄道網は世界屈指の規模をほこり、郊外への移動には欠かせない。チケットの購入は窓口(ニューデリー駅では外国人専用口もありドルで購入可能)もしくはネットで行う。
無事予約が入手できた場合、当日駅に行くと座席チャートが壁に張り出されているので、それを見ながら自分の号車・席を確認する。わからなければ係員に聞く。

(バス)
旅行者にとってはややハードルが高い。
バスに乗ると車掌(らしき人、制服などは着ていない)が料金を集めに来る。行き先を告げて料金を支払う。


ホテルとシーズン

いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルかそれ以上と考えて良い。
外資系の4つ星・5つ星ホテルなら200ドルが最低ライン。
ただしルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。
以前はインドの高級ホテルと言えば、大理石をふんだんに使った重厚・豪華な建物がすばらしい一方で、設備や清掃、従業員のサービスなどはまだまだという例が多かった模様だが、最近はだいぶ改善されているとのこと。ヒルトンをはじめとした新しい外資系ホテルも増えている。

シングル中心のデザインホテルも増えており、7~8千円程度から利用できる。

メインバザール地区は安宿街として有名。清潔なエアコン・Wifi付のシングル個室が3~4千円程度。ドミトリーならさらに安い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
Airtel、Vodafone、Reliance、TATA DoCoMoなどの業者がある。
SIMの入手は困難。申し込み後郵送で書類入手の必要があり、すぐにアクティベートすることは出来ない(アクティベート方法は指定の番号に電話して申し込み時の内容を言うというもの)。

現地に数日滞在し、しかも確実に自分宛の郵便物が届く環境であれば、空港のカウンター(Airtelがある)で申し込みを試みる価値がある。

すぐに入手したい場合には、現地の人間や露店から開通済みのSIMを購入する(または借りる)という方法がある。

(Wifi)
ホテル、カフェ、レストランなどでWifiを提供していることが多い。高級ホテルでは有料の場合がある。
空港はターミナル3でWifiに接続できる、ということになっているが、インドの携帯電話番号を求められる。素直に有料ラウンジなどを利用した方が無難。

4. 世界あの街この街:#12 ニューデリー


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第12回 デリー

Gateway of Indiaの写真
Gateway of India (トリップアドバイザー提供)

インド共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

史跡や歴史を感じる重厚な建物、近代的なビル、迷路のようなバザール。
デリーは人々のエネルギーがうずまく魅力的な街で、多くの旅行者を惹きつける。高級ホテルは意外に高く、マハラジャ気分の豪華な旅からバックパッカー的貧乏旅行まで楽しみ方は幅広い。

ニューデリーの中心はコンノート・プレイス(Connaught Place)。
ニューデリー駅の南に続くサークル状の路面沿いに高級ショップや外資系ファーストフード、老舗のレストランなどが立ち並ぶデリー最大の商業集積地で、ここに来ればとりあえずお土産から生活物資まで何でもそろう。
ジーンズを履いてマクドナルドをほおばる女子学生からサリーを着た物乞いまで、猥雑なエネルギーがうずまく。
安宿街として有名なパハール・ガンジ(Paharganj)が近い(コンノート・プレイスのやや北側、ニューデリー駅の前)ため客引きも多く、常に話しかけられてしまう場所。
Connaught Placeの写真
Connaught Place (トリップアドバイザー提供)

北に向かうとオールドデリー地区に出る。世界遺産の赤いデリー城(レッド・フォート; Red Fort)からモスク(ファテープリー・マスジッド)をつなぐ通りはチャンドニー・チョーク(Chandni Chowk)。スパイスや宝石の店が立ち並ぶデリーのアメ横。壮麗なジャマー・マスジッドもこの通り沿いで、カリム(Karim’s)という有名なムガル料理レストランがある。
金曜モスク (ジャーマー マスジッド)の写真
金曜モスク (ジャーマー マスジッド) (トリップアドバイザー提供)

一方、駅を背に南に大通りを歩くと巨大なインド門がある。周囲は公園となっており、市民が集う憩いの場。
インド門を超えて南西に向かうとインドの代官山ことカーン・マーケット(Khan Market)がある。高級店やレストランが軒を連ね、カフェやバーの多いナイトスポットでもある。日曜日は営業していないので注意が必要。

さらに南に向かうと世界遺産のフマユン廟(Humayun’s Tomb)があり、その門前町がニザムディン・ウエスト(Nizamuddin West)として栄えている。イーストは高級住宅地で、特急や急行の始発にもなっている巨大なハジラット・ニザムディン駅(Hazrat Nizamuddin)に隣接。
ウエストはムスリム街となっており、朝はコーランの詠唱が響きわたる。
Nizamuddin West
ニザムディン・ウエスト(tabinote提供)

新市街は南側で発展が続いている。
ハウズ・カース(Hauz Khas)は貯水湖ハウズ・カースの周囲にマーケットが発達しており、おしゃれなレストランやショップが集まる。インド料理に飽きたらここに各国の食が集まっているのでチェックすべき。
サケット(Saket)地区には巨大なショッピングセンター、CITY MALLがある。
CITY Mall
CITY MALL(tabinote提供)

レッド・フォートと並ぶデリー観光のハイライトはクトゥブ・ミナール(Qutub Minar)。
世界で最も高い72.5mのミナレットは圧巻で、1500年も錆びずに建っているという鉄柱もこのあたり。
Qutub Minar
クトゥブ・ミナール(tabinote提供)

デリーは北インド観光の起点でもある。タージマハルやアグラ城で有名なアグラ、風の宮殿でおなじみジャイプールには日帰り観光も可能。
インド観光の目玉、ワーラーナシーも飛行機なら1時間程度で到着する。
Taj Mahal
タージマハル(tabinote提供)


日本からの行き方

(空路)
日本からインドへの空路は、主に直行便とアジア各都市を乗り継いでいくルートがある。

乗り継ぎの場合は中国東方航空が安い。3ヶ月FIX OPENチケットが旅行代理店で4万円を切ることもあるが、3ヶ月くらい前に売り切れてしまう場合が多く、希望の日程に合わせるには早めの予約が不可欠。また、経由地での乗り換えに際し宿泊が発生することもあるので要注意。

航空会社のサイトで直接チケットを買う場合もやはり中国東方航空が安く、日程を選べば成田発5万円台から。関空なら4万円台のことも。
直行便の場合は日系のANA、JALで10万円程度。

コルカタに滞在し、それから向かうという手もある。
3ヶ月FIX OPENチケットがオープンジョーの場合はコルカタIN(もしくは他のアジア都市IN)、デリーまで飛行機で移動しデリーOUTという方法も使える。

LCCを使う場合はあまり、エアアジアでクアラルンプールを経由となる。東京からクアラルンプール往復4.5万、クアラルンプールからコルカタ往復4.5万、デリーとコルカタの国内線が2万円程度で合わせて11万と、キャンペーンが絡まない限りあまり安くはならない。

(陸路)
コルカタからの場合、特急電車で17~25時間程度。1等エアコン車で片道5,000円程度。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、4泊5日なら往復直行便サーチャージ込みで6万円台から。

(空港)
デリーの顔はインディラ・ガンディー国際空港。
2006年に改装し、免税店、エアポートホテルなど有する近代的な空港に生まれ変わった。
市街からの距離は20kmほど。

日本からの国際線はターミナル3。世界8位の規模を持つ巨大ターミナル。
ターミナル1は国内線専用となっている。
ターミナル2は閉鎖している。また、ターミナル4、5を建設中。
デリー空港
デリー空港出国ロビー(tabinote提供)

市内へは早くて正確な地下鉄、バス、タクシーなどの手段がある。
地下鉄(Metro)はニューデリー駅まで20分。料金は150ルピー。
エアコン付きのエアポートエクスプレスバスが市内中心部まで50分程度、75ルピー(空港から30km超で100ルピー)。
一昔前は、ニューデリーの空港は旅行者にとってもっとも危険な場所と言われ、ゲートを出た旅行者によってたかってタクシー運転手がむらがるという光景が見られた。現在ではMegaCab、MeruCabという2つの公認タクシー会社が完全にメーター制で走ってくれるため、そういったリスクはたいぶ低くなっている。入国ゲートを出てこの2社の看板を目指し、受付に目的地を言う。市内中心部までは40分、400ルピー程度。


地理と気候

日本との時差はマイナス3.5時間。
北インドの気候は4~5月が暑季、6~10月が雨季にあたり、いずれも暑い。5月~6月にかけて40度近くになることも。
快適なのは11月~3月の乾季、冬は冷え込むこともあり、夜には5~6度を下回ることも。


(画像:Google提供)


言語と通貨

インドの公用語はヒンディー語、および各地方の21にもおよぶ言語。
英語は準公用語となっており、旅行者が訪れるようなところでは概ね通じる。
ただし、インド英語は発音や単語に特徴があり、早口な人が多いこともあって通じにくいとされている。

通貨はインディア・ルピー(INR)。1ルピー=1.6円(13年11月時点)。
物価は、現地の人が利用するような交通機関、食は安い。
外国人向けのレストランやホテルは高め。特にホテルは4つ星クラスで100ドル程度と安くは無い。
タクシーは初乗り69ルピー(メーター制;MeruCabの場合)で、深夜は25%追加。メーターの場合チップは不要。リキシャーは基本交渉制なので、相場を把握しておくこと。

両替はATMによる国際キャッシングが有利。
インドルピーは日本で両替できない。現金の場合は日本円もしくはドルを現地で両替することになるが、空港のレートは悪い。空港で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。両替時のレシートは出国時再両替に必要なので取っておくこと。
また、アジア共通であるがインドは他の国にも増して汚れた札・汚損した紙幣が多く、受け取ってもらえないこともある。きれいな札かどうか、両替や支払い、おつりをもらう際に金額と共に常にチェックすること。
外国人が行くようなカフェやホテルならクレジットカードも通じる。こちらも伝票を良く確認する。
チップの慣習は根強い。ホテルのポーターに50ルピー程度、英語のガイドで300ルピー程度。


(Wikipedia提供)


ビザと治安

インドの他の都市と比べても、デリーは比較的犯罪が多い。

特にガイドブックなどで必ず触れられているのは、いわゆるぼったくりタクシーとツアー。空港や駅などでタクシーやオートリキシャを利用した場合、到着時に多額の料金をふっかけられたり、出発時に合意した金額と違ったり、ガソリン代や遠回り代・チップと称して高い金額を上乗せされるなどのトラブルは日常茶飯事…とされている。

タクシーとホテルが結託して、いわゆるぼったくりホテルに連れ込まれたり、ツアー会社に無理矢理連れて行かれたり、高額なツアーを組まされるという事例も多い模様。
特に安宿街で有名なデリー駅前のパハールガンジやコンノート・プレイスの旅行会社は注意が必要で、政府公認のまぎらわしい証書を掲げるなどいかにも正規の業者をよそおっていることも(実際悪徳であってもちゃんとした正規の業者なのが困りもの…)。

・移動はMeruCab、MegaCabの2大メータータクシー
・ホテルやツアーは相場を確認
という2点を守るだけでかなり被害は防げる。

そのために最も必要なのは、英語のマシンガントークやプレッシャーに屈しない冷静さ。ガイドブックをよく見て、詐欺の手口を学習しておくことも重要。
できればスマートフォンがあると便利(後述)。プリペイドタクシーもその場で予約できるし、金額相場もその場で確認できる。車内で地図をじっと見ていれば、見当違いの方向に連れて行きにくいと思うもの。
こうした詐欺以外にも、特に殺人や強盗、レイプなどの凶悪犯罪も他都市よりは多く、夜間の一人歩きには注意が必要。

危険なイメージがついたかもしれないが、これらは外国で一般に注意すべき点となんら変わり無い。
むしろ必要以上に怖がっていると相手からはカモに見えてしまうということもあるため、冷静さを保ち時間に余裕をもつ、時間に追われて無理な移動や選択をしないようにすることがトラブル防止につながる。

全てのインド入国者はビザが必要。事前にオンライン申請が必要となった。
観光の場合は6ヶ月間有効・複数入国可能なマルチビザとなる。
センターに申請・受取に行くとかなり時間をロスするので郵送サービスの利用が便利。
ビザが降りるまでは意外に時間がかかる(15営業日;ビザは入国時ではなく申請時より有効)。特に西日本在住の場合は大阪のビザ処理がことのほか遅いという噂もあり、日程が決まったら迅速に申請するようにしたい。
また、アライバルビザの申請も可能だが、料金が高く(60USD)、所要時間や発給条件など不明確な点も多いため、なるべく事前取得がおすすめ。


市内交通

(タクシー)
上掲の通り、MeruCab、MegaCabの2大メータータクシーが安心。車種はSUZUKIやTATA。
配車予約も可能だが、現地の携帯番号が必要。

一般的なタクシーは黄一色または黄と黒のツートンに塗られたインド車・アンバサダー。
また、街中にはプリペイドタクシーのブースがある。
メーターがあっても使わない、またはメーター通りではない場合が多い(インフレでメーターの料金に実際の料金が追いつかないという事情もある)。その場合でもFare Chartという料金表を持っている筈なので、必ずその表と対照して料金を確認する。
リキシャーも同様で、Fare Chartを見ながら確認する。

結果として高い料金を払ってしまったとしても引きずらず、平常心でいることも重要。なにせインド人でもだまされるらしいので…。

(画像:Delhi Traffic Police)

(地下鉄/鉄道)
ニューデリー駅
ニューデリー駅(tabinote提供)

デリーはメトロが市内を縦横に網羅しており。空港線を含め6路線ある。
チケットはトークン式で、窓口で対面購入する。駅の発音が難しい場合もあるので地図を見せて買うと間違いが無い。
チャージ式のカードもあり、駅で購入する。
清潔で正確なメトロだが、ラッシュや切符購入時の行列はすさまじい。

インドの鉄道網は世界屈指の規模をほこり、郊外への移動には欠かせない。チケットの購入は窓口(ニューデリー駅では外国人専用口もありドルで購入可能)もしくはネットで行う。
無事予約が入手できた場合、当日駅に行くと座席チャートが壁に張り出されているので、それを見ながら自分の号車・席を確認する。わからなければ係員に聞く。

(バス)
旅行者にとってはややハードルが高い。
バスに乗ると車掌(らしき人、制服などは着ていない)が料金を集めに来る。行き先を告げて料金を支払う。


ホテルとシーズン

いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルかそれ以上と考えて良い。
外資系の4つ星・5つ星ホテルなら200ドルが最低ライン。
ただしルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。
以前はインドの高級ホテルと言えば、大理石をふんだんに使った重厚・豪華な建物がすばらしい一方で、設備や清掃、従業員のサービスなどはまだまだという例が多かった模様だが、最近はだいぶ改善されているとのこと。ヒルトンをはじめとした新しい外資系ホテルも増えている。

シングル中心のデザインホテルも増えており、7~8千円程度から利用できる。

メインバザール地区は安宿街として有名。清潔なエアコン・Wifi付のシングル個室が3~4千円程度。ドミトリーならさらに安い。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
Airtel、Vodafone、Reliance、TATA DoCoMoなどの業者がある。
SIMの入手は困難。申し込み後郵送で書類入手の必要があり、すぐにアクティベートすることは出来ない(アクティベート方法は指定の番号に電話して申し込み時の内容を言うというもの)。

現地に数日滞在し、しかも確実に自分宛の郵便物が届く環境であれば、空港のカウンター(Airtelがある)で申し込みを試みる価値がある。

すぐに入手したい場合には、現地の人間や露店から開通済みのSIMを購入する(または借りる)という方法がある。

(Wifi)
ホテル、カフェ、レストランなどでWifiを提供していることが多い。高級ホテルでは有料の場合がある。
空港はターミナル3でWifiに接続できる、ということになっているが、インドの携帯電話番号を求められる。素直に有料ラウンジなどを利用した方が無難。