2a. 連載:「タビノート」 下川裕治  2013/07/02号 Vol.001


2a. 連載:「タビノート」 下川裕治


月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

第一回 チェックイン締切時刻に間に合わせる

日本の空のLCC化がはじまって、もう3年。2012年には国内線にも就航し、本格的なLCC時代の到来といわれた。
しかし国際線に比べ、LCCの国内線の集客が思ったほど伸びていないという。
その原因のひとつに成田問題がある。羽田vs成田という構造のなかで、成田空港はLCC空港の拠点化を標榜した。しかし地方に住む人の反応は鈍い。北海道に住む知人はこういった。
「成田空港は都心まで3時間もかかるんでしょ。たしかに成田を使うと安いけど」
成田空港はそう思われている。
遠くて高い成田空港への足が改善されつつある。片道900円~1000円というバスの運行がはじまっている。LCCの発着スケジュールに合わせての動きでもある。
LCCの運航スケジュールの特徴に、早朝や深夜の離発着が多いことが挙げられる。空港によっては利用料が安く、混みあわないため、効率的な運用が可能になるのだ。
成田空港も例外ではない。
そこで気を病むのが、早朝チェックインに間に合う格安の足があるかという問題だ。
第1回は国際線。エアアジアの釜山行きである。8時35分に離陸する。国際線では最も早いフライトである。
さて、これらの便にどう間に合わせるか。前泊などしたら、LCCを使う意味がなくなってしまう。
この問題は航空会社に訊くことはできない。公表しているチェックイン締切時間以降のことは責任がもてないのだ。以下の内容も、あくまでも経験に沿ったものであることを理解しておいてほしい。
【午前8時35分発エアアジア釜山行き】
国際線のチェックインの締切は、空港や航空会社によってばらつきがある。日本航空は60分前といっているが、ほかの航空会社は40分前というところもある。これまでの経験では、チェックインカウンターがあいていればOK。一般的には40分が目安と思っていいように思う。
エアアジアの場合、チェックインカウンターの締切は1時間前と明記している。そして既存の航空会社より、このルールの適用はやや厳しいと思っていい。それがLCCの特徴でもあるからだ。
釜山行きは8時35分発である。ということは7時35分が締切になる。では、7時35分にチェックインカウンターに並んでいて、時間がきたとたん、チェックインができなくなるか……というと、そんなことはない。LCCといえども、そこまでタイトではない。
その時刻から格安バスを探す。『THEアクセス成田』(1000円)は、東京駅を6時31分で、成田空港の第2ターミナル着が7時30分。『東京シャトル』(900円)は、東京駅を6時30分発で成田空港の第2ターミナル着が7時35分。どちらも7時30分前後に着く。
知人は6時30分発の東京シャトルに乗り、なんの問題もなくチェックインできたという。僕はちょっと心配だったので、6時発の東京シャトルに乗った。もちろん問題はなにもなかった。ポイントは、7時35分の時点でカウンター前に立っているかどうか、にかかっている気がする。