4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第六回 上海

外灘の夜景(tabinote提供)
Shangihai[1]

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

海を越えたら上海。ショッピング、グルメ等多様な楽しみ。世界有数の大都市だが庶民的な通りもあり、ちょっとした街歩きも楽しい。外灘(バンド・ワイタン)は歴史的建造物が弧を描く黄浦江沿いに立ち並ぶ異国情緒あふれる一角で、夜景の美しさで有名。

上海の中心地域は環状路の中山路に囲まれており、東西に延びる延安路・淮海路・南京路などと南北の高架路・西蔵路などにより分割されている。南京路と西蔵路の交差点が人民広場となっており、ここを起点に考えると街歩きもスムーズ。

南京路附近(tabinote提供)
IMG_0022

人民広場から南京東路~外灘のあたりはアジアでも随一の繁華街。百貨店やブランドショップ、レストランなどがひしめく。
外灘はおしゃれなカフェやバーが点在。黄浦江の下を通る水中観光トンネルを通って川の東側、浦東に出ると、東方明珠塔や国際金融中心、金茂タワーといった超高層建物群や巨大ショッピングセンターがあらわれる。天気が良ければ高層ビルの展望台から上海を見下ろすのもいい。

上海外灘観光隧道の写真
上海外灘観光隧道 (トリップアドバイザー提供)

金茂タワー(tabinote提供)
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再び黄浦江の西岸に戻り、人民広場から南東にむかうと明代の庭園豫園があり、周辺にはお土産屋や名物小籠包店などがひしめく。
南西に向かうと上海随一の高級ショッピングエリア、新天地。更に南に向かうとレトロな街並みを再現した田子坊にたどりつく。

新天地(tabinote提供)
IMG_0042

人民広場から南京路を西に向かうと静安寺。淮海路を下るといつ途切れるとも知れない商店街・繁華街が続く。
静安寺から南、淮海路までの間(衡山路駅近辺)はナイトストリートとして知られており、百貨店、レストラン、カフェや地元の食堂など、商店が途切れることは無い。このあたり、復興西路近辺はフランス租界の跡が拡がり、街並みも美しい。

朝早くホテルを出ても、ここまで歩いたら夕暮れになっている。衡山路をうろつくのも良し、外灘に戻って夜景を見るのもいい。

上海はアートの街でもある。人民広場には巨大な上海博物館があり、古代や中世の青銅器、美術品や陶磁器、少数民族の展示などここ一箇所で中国文化を概観できる。入館無料という点もすばらしい。上海美術館も隣接。地味だが、同じく隣接する上海城市規画展示館は上海の街並みを完璧に再現したジオラマが見事で見学者の評価は高い。
虹橋の紅坊国際国際芸術区やM50といった現代アートを体験できる施設も多い。

上海城市規画展示館の写真
上海城市規画展示館 (トリップアドバイザー提供)

M50(tabinote提供)
IMG_0095

カフェやレストランの話ばかりで疲れそう?通り添いにはローカル食堂や市場も多く、ひなびた街歩きも十分可能なのでご安心を。

上海は祭りやイベントも盛ん。
2月は爆竹が賑やかな春節や灯籠が美しい元宵節(ランタン祭り)が有名。5~6月の端午節はドラゴンボート・レースレースが沢山の観客を惹きつける。暑い夏をやり過ごして迎える中秋節も花火が賑やか。6月の上海国際映画祭や秋のビエンナーレ、国際芸術祭などアート方面も魅力。

郊外では、ひなびた水郷の朱家角がお勧め。日程に余裕があれば、やはり蘇州、杭州には足を伸ばしておきたい。風光明媚な蘇州は鉄道でわずか30分。

日本からの行き方

(空路)
日本から中国への空路は多く、地方空港からも連日直行便が就航している。

LCCは上海の春秋航空が茨城空港と浦東国際空港を結んでいる。価格はキャンペーンで片道6千円程度をうたっているが、サーチャージが乗ると往復3万弱になる。復路は現地8時発。

羽田発の場合は虹橋空港着で、中国東方か上海航空が3万円台後半と安い。ただし復路午前発となる。次いで大韓航空・アシアナの韓国系が4万円台後半で続くが、仁川乗り換えで時間的にはロスが多い。日系は7万円~と高い。

成田発の場合はデルタの直行便が最安だが、往路夜、復路午前とスケジュール的には厳しい。大韓航空・アシアナの韓国系が同程度の価格だが仁川などで乗り継ぎがある。直行でスケジュール的に有利なのは中国東方で、5.5万円程度。日系のJAL、ANAも7万弱となっている。
以上から、関東の場合は値段で茨城の春秋航空、スケジュールで成田の中国東方が優先度高い。

関西の場合は中国東方か上海航空。共に3.5万円程度で往路・復路共に選択肢は多い。

中国東方は中部国際の他、新千歳、広島、岡山、福岡など各地方空港から直行便を飛ばしている。

(海路)
大阪、神戸との間でフェリーが就航している。
大阪、神戸を隔週火曜正午に出るのは新鑑真号で、船内2泊し木曜昼頃到着。2等室で片道2万円、往復3万円。
大阪発の蘇州号は金曜正午発日曜上海着で運賃は同じ。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、3泊4日の往復直行便サーチャージ込みで3万円程度から。格安ツアーは往路夜発、復路午前発、または2名から催行などの制約があることが殆ど。

(空港)
上海 浦東国際空港は東アジアを代表する巨大空港。
500m離れた2つのターミナルを無料シャトルバスが結んでいる。
市内へは世界初の実用リニアモーターカー、エアポートバスが利用できる他、タクシーもある。
リニアは地下鉄2号線の龍陽駅までを10分以内で結ぶ。普通席50元、交通カード(後述)利用なら40元。
エアポートバスは行き先別に15~30分間隔で運行、所要80分、30元程度。
タクシーは市内中心部まで所要60分、200元未満。

上海リニア(tabinote提供)
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虹橋空港は日本の地方空港のようなこぢんまりした空港。地下鉄の虹橋一号航站楼駅とつながっている。タクシーの場合は市内中心部まで所要30分・40元程度。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
北緯31度と鹿児島と同程度の緯度であるが、大陸性の気候は厳しい。夏は気温こそ東京と同程度だがより蒸し暑く、冬は東京よりも概ね寒い。四季はあるものの春秋は短い。
雨が少ない春・秋が過ごしやすい。真冬の渡航には防寒着が必要。

(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。空港や地下鉄の外国人カウンターも英語で問題無い。タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.4円(13年9月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。
物価は中国でも最も高い部類。
ホテルや外国人が来るようなレストランは高く、ほとんど東京と変わらない水準だが、ローカル食堂や中華系ファストフードなどは安い。交通費も割安。タクシーは初乗り3kmで13元+1元の燃油料(計14元)。地下鉄初乗り3元程度。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。

(Wikipedia提供)

ビザと治安

外国人が多く中国の顔という意識がもたれており、公安(警官)の数は多い。そのため中国の中でも治安は良い方。ただしあくまで外国としてはの部類であり、夜間や裏通りなどには注意が必要。
また、日本人に被害の多い犯罪は窃盗、置き引き、スリ、ぼったくり店への誘導など。日本語で親しげに話しかけてくる相手には注意。「茶館」、「酒吧」という看板のバーにはぼったくり店もある。
反日感情が高まる時期やイベントがあった場合(3月1日;1919年の独立運動記念日)や光復節(8月15日;韓国の独立記念日)などの時期は注意。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(VWマークのワーゲンが多い)が走っており、ほとんどぼったくりも無く概ね安全。料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。そのため雨の日や休日の夜などは捕まえにくく、こちらが止めた車に割り込まれることも。
初乗りは3kmで13元+1元の燃油料。3km以降1kmごとに2.4元。
支払いは現金か交通カード。おつりがない場合が多いので交通カードを用意しておくと安心。

交通カードはタクシーはもちろん地下鉄、バス、フェリーなどでも使えるSUICA、PASMO的なリチャージ式のカード。購入場所は浦東・虹橋空港の駅やコンビニの他、ほとんどの地下鉄駅、一部のコンビニやバスターミナルなどで購入できる。20元の預かり金(デポジット)が必要。

(画像:上海公共交通卡股份有限公司)

(地下鉄/鉄道)
上海メトロが市内を東西南北網羅しており、現在13路線。
切符の代わりにトークン(コイン)を用いるだけで利用の仕方は日本と同じ。上述交通カードの利用がお勧め。
乗車前に保安検査がある。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。遙か彼方のウルムチやチベットまで鉄道が通じている。
蘇州まではわずか30分、杭州は2時間と近郊に行くにも便利。
切符の購入にはパスポートが必要。

上海駅(tabinote提供)
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(バス)
市内をバスが縦横無尽に網羅しているが、ラッシュと中国語表記が中心なことからなかなかハードルは高い。
一方、近郊に行くには長距離バスが便利。上海駅前の広場が巨大なバスステーションになっている。

ホテルとシーズン

いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルと考えて良い。
外資系の4つ星ホテルならツインで2~3万円程度は覚悟する必要がある。
ただしルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。

一方で近年日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)が増加しており、3千円程度で宿泊できる。
また、中心部にはユースホステルもあり、こちらも2千円程度から宿泊できるなど意外に選択肢は広い。
外国人利用の多いホステルでは中国で閲覧できないサイトが見れるなど情報収集にも便利。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
空港の携帯ショップ、路上の売店、コンビニの他、家電量販店等でSIMが購入できる。
プリペイドを購入して設定してもらう場合には携帯会社のショップが心強い。China Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)などの事業者がある。
中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりが有り、中国語のメッセージを解釈する必要がある。そのため、SMSなどの解読が面倒な場合は店員にやってもらえると便利。できれば空港で滞在期間中チャージしなくて済むよう多めにチャージしておくか、ホテルの近くの店で顔見知りをつくり気軽に頼めるようにしておけると良い。

(Wifi)
空港や新天地、田子坊といった外国人の多い地域、ホテルのロビー、カフェなどで無料Wifiが開放されていることが多い。「Dunkin Donuts」「Costa Coffee」「Coffee Bean」、「wagas」などのチェーンでは無料Wifiを提供している。

4. 世界あの街この街:#6上海


4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第六回 上海

外灘の夜景(tabinote提供)
Shangihai[1]

中華人民共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

海を越えたら上海。ショッピング、グルメ等多様な楽しみ。世界有数の大都市だが庶民的な通りもあり、ちょっとした街歩きも楽しい。外灘(バンド・ワイタン)は歴史的建造物が弧を描く黄浦江沿いに立ち並ぶ異国情緒あふれる一角で、夜景の美しさで有名。

上海の中心地域は環状路の中山路に囲まれており、東西に延びる延安路・淮海路・南京路などと南北の高架路・西蔵路などにより分割されている。南京路と西蔵路の交差点が人民広場となっており、ここを起点に考えると街歩きもスムーズ。

南京路附近(tabinote提供)
IMG_0022

人民広場から南京東路~外灘のあたりはアジアでも随一の繁華街。百貨店やブランドショップ、レストランなどがひしめく。
外灘はおしゃれなカフェやバーが点在。黄浦江の下を通る水中観光トンネルを通って川の東側、浦東に出ると、東方明珠塔や国際金融中心、金茂タワーといった超高層建物群や巨大ショッピングセンターがあらわれる。天気が良ければ高層ビルの展望台から上海を見下ろすのもいい。

上海外灘観光隧道の写真
上海外灘観光隧道 (トリップアドバイザー提供)

金茂タワー(tabinote提供)
IMG_0017

再び黄浦江の西岸に戻り、人民広場から南東にむかうと明代の庭園豫園があり、周辺にはお土産屋や名物小籠包店などがひしめく。
南西に向かうと上海随一の高級ショッピングエリア、新天地。更に南に向かうとレトロな街並みを再現した田子坊にたどりつく。

新天地(tabinote提供)
IMG_0042

人民広場から南京路を西に向かうと静安寺。淮海路を下るといつ途切れるとも知れない商店街・繁華街が続く。
静安寺から南、淮海路までの間(衡山路駅近辺)はナイトストリートとして知られており、百貨店、レストラン、カフェや地元の食堂など、商店が途切れることは無い。このあたり、復興西路近辺はフランス租界の跡が拡がり、街並みも美しい。

朝早くホテルを出ても、ここまで歩いたら夕暮れになっている。衡山路をうろつくのも良し、外灘に戻って夜景を見るのもいい。

上海はアートの街でもある。人民広場には巨大な上海博物館があり、古代や中世の青銅器、美術品や陶磁器、少数民族の展示などここ一箇所で中国文化を概観できる。入館無料という点もすばらしい。上海美術館も隣接。地味だが、同じく隣接する上海城市規画展示館は上海の街並みを完璧に再現したジオラマが見事で見学者の評価は高い。
虹橋の紅坊国際国際芸術区やM50といった現代アートを体験できる施設も多い。

上海城市規画展示館の写真
上海城市規画展示館 (トリップアドバイザー提供)

M50(tabinote提供)
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カフェやレストランの話ばかりで疲れそう?通り添いにはローカル食堂や市場も多く、ひなびた街歩きも十分可能なのでご安心を。

上海は祭りやイベントも盛ん。
2月は爆竹が賑やかな春節や灯籠が美しい元宵節(ランタン祭り)が有名。5~6月の端午節はドラゴンボート・レースレースが沢山の観客を惹きつける。暑い夏をやり過ごして迎える中秋節も花火が賑やか。6月の上海国際映画祭や秋のビエンナーレ、国際芸術祭などアート方面も魅力。

郊外では、ひなびた水郷の朱家角がお勧め。日程に余裕があれば、やはり蘇州、杭州には足を伸ばしておきたい。風光明媚な蘇州は鉄道でわずか30分。

日本からの行き方

(空路)
日本から中国への空路は多く、地方空港からも連日直行便が就航している。

LCCは上海の春秋航空が茨城空港と浦東国際空港を結んでいる。価格はキャンペーンで片道6千円程度をうたっているが、サーチャージが乗ると往復3万弱になる。復路は現地8時発。

羽田発の場合は虹橋空港着で、中国東方か上海航空が3万円台後半と安い。ただし復路午前発となる。次いで大韓航空・アシアナの韓国系が4万円台後半で続くが、仁川乗り換えで時間的にはロスが多い。日系は7万円~と高い。

成田発の場合はデルタの直行便が最安だが、往路夜、復路午前とスケジュール的には厳しい。大韓航空・アシアナの韓国系が同程度の価格だが仁川などで乗り継ぎがある。直行でスケジュール的に有利なのは中国東方で、5.5万円程度。日系のJAL、ANAも7万弱となっている。
以上から、関東の場合は値段で茨城の春秋航空、スケジュールで成田の中国東方が優先度高い。

関西の場合は中国東方か上海航空。共に3.5万円程度で往路・復路共に選択肢は多い。

中国東方は中部国際の他、新千歳、広島、岡山、福岡など各地方空港から直行便を飛ばしている。

(海路)
大阪、神戸との間でフェリーが就航している。
大阪、神戸を隔週火曜正午に出るのは新鑑真号で、船内2泊し木曜昼頃到着。2等室で片道2万円、往復3万円。
大阪発の蘇州号は金曜正午発日曜上海着で運賃は同じ。

(パッケージツアー)
シーズンにもよるが、3泊4日の往復直行便サーチャージ込みで3万円程度から。格安ツアーは往路夜発、復路午前発、または2名から催行などの制約があることが殆ど。

(空港)
上海 浦東国際空港は東アジアを代表する巨大空港。
500m離れた2つのターミナルを無料シャトルバスが結んでいる。
市内へは世界初の実用リニアモーターカー、エアポートバスが利用できる他、タクシーもある。
リニアは地下鉄2号線の龍陽駅までを10分以内で結ぶ。普通席50元、交通カード(後述)利用なら40元。
エアポートバスは行き先別に15~30分間隔で運行、所要80分、30元程度。
タクシーは市内中心部まで所要60分、200元未満。

上海リニア(tabinote提供)
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虹橋空港は日本の地方空港のようなこぢんまりした空港。地下鉄の虹橋一号航站楼駅とつながっている。タクシーの場合は市内中心部まで所要30分・40元程度。

地理と気候

日本との時差はマイナス1時間。
北緯31度と鹿児島と同程度の緯度であるが、大陸性の気候は厳しい。夏は気温こそ東京と同程度だがより蒸し暑く、冬は東京よりも概ね寒い。四季はあるものの春秋は短い。
雨が少ない春・秋が過ごしやすい。真冬の渡航には防寒着が必要。

(画像:Google提供)

言語と通貨

公用語は中国語(普通話)。
外国人が多い店、レストラン、ホテルなどは英語が通じることも多いが、一般・街中ではあまり期待できない。空港や地下鉄の外国人カウンターも英語で問題無い。タクシーは中国語オンリーと考えて良い。中国語(簡体字表記)の地図か、筆談ができるようにペンと紙をもっていればOK。日本の漢字と現地の漢字は異なるため地名が日本語表記の地図は通じない場合も。

通貨は人民元(RMB)。1人民元=16.4円(13年9月時点)。概ね1人民元=15円と見ておけば良い。
物価は中国でも最も高い部類。
ホテルや外国人が来るようなレストランは高く、ほとんど東京と変わらない水準だが、ローカル食堂や中華系ファストフードなどは安い。交通費も割安。タクシーは初乗り3kmで13元+1元の燃油料(計14元)。地下鉄初乗り3元程度。

両替はATMによる国際キャッシングか、日本か空港内の銀行など到着地で少額を両替し、レートの良い市内の銀行で必要な分を都度両替するのがお勧め。
外国人が行くような店ではクレジットカードも通じる。
チップ文化は無い。

(Wikipedia提供)

ビザと治安

外国人が多く中国の顔という意識がもたれており、公安(警官)の数は多い。そのため中国の中でも治安は良い方。ただしあくまで外国としてはの部類であり、夜間や裏通りなどには注意が必要。
また、日本人に被害の多い犯罪は窃盗、置き引き、スリ、ぼったくり店への誘導など。日本語で親しげに話しかけてくる相手には注意。「茶館」、「酒吧」という看板のバーにはぼったくり店もある。
反日感情が高まる時期やイベントがあった場合(3月1日;1919年の独立運動記念日)や光復節(8月15日;韓国の独立記念日)などの時期は注意。

観光目的の場合、15日以内の滞在はビザ免除。16日以上の滞在では観光ビザの申請を。

市内交通

(タクシー)
街中を普通に流しのタクシー(VWマークのワーゲンが多い)が走っており、ほとんどぼったくりも無く概ね安全。料金が安いので地元の人もちゅうちょせず使う。そのため雨の日や休日の夜などは捕まえにくく、こちらが止めた車に割り込まれることも。
初乗りは3kmで13元+1元の燃油料。3km以降1kmごとに2.4元。
支払いは現金か交通カード。おつりがない場合が多いので交通カードを用意しておくと安心。

交通カードはタクシーはもちろん地下鉄、バス、フェリーなどでも使えるSUICA、PASMO的なリチャージ式のカード。購入場所は浦東・虹橋空港の駅やコンビニの他、ほとんどの地下鉄駅、一部のコンビニやバスターミナルなどで購入できる。20元の預かり金(デポジット)が必要。

(画像:上海公共交通卡股份有限公司)

(地下鉄/鉄道)
上海メトロが市内を東西南北網羅しており、現在13路線。
切符の代わりにトークン(コイン)を用いるだけで利用の仕方は日本と同じ。上述交通カードの利用がお勧め。
乗車前に保安検査がある。

中国は列車大国で、全土を鉄道が結んでいる。遙か彼方のウルムチやチベットまで鉄道が通じている。
蘇州まではわずか30分、杭州は2時間と近郊に行くにも便利。
切符の購入にはパスポートが必要。

上海駅(tabinote提供)
IMG_0086

(バス)
市内をバスが縦横無尽に網羅しているが、ラッシュと中国語表記が中心なことからなかなかハードルは高い。
一方、近郊に行くには長距離バスが便利。上海駅前の広場が巨大なバスステーションになっている。

ホテルとシーズン

いわゆる外国人向けの高級ホテル代は東京と同レベルと考えて良い。
外資系の4つ星ホテルならツインで2~3万円程度は覚悟する必要がある。
ただしルームチャージ換算なので、1人旅でもツインの料金が必要だったりするが、2名3名の場合は割安。

一方で近年日本のビジネスホテルに近い形態のシングル中心のホテル(経済型酒店)が増加しており、3千円程度で宿泊できる。
また、中心部にはユースホステルもあり、こちらも2千円程度から宿泊できるなど意外に選択肢は広い。
外国人利用の多いホステルでは中国で閲覧できないサイトが見れるなど情報収集にも便利。

ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
空港の携帯ショップ、路上の売店、コンビニの他、家電量販店等でSIMが購入できる。
プリペイドを購入して設定してもらう場合には携帯会社のショップが心強い。China Unicom(中国聯通)、China Mobile(中国移動)などの事業者がある。
中国の場合は、アクティベートやリチャージの度にSMSでのやりとりが有り、中国語のメッセージを解釈する必要がある。そのため、SMSなどの解読が面倒な場合は店員にやってもらえると便利。できれば空港で滞在期間中チャージしなくて済むよう多めにチャージしておくか、ホテルの近くの店で顔見知りをつくり気軽に頼めるようにしておけると良い。

(Wifi)
空港や新天地、田子坊といった外国人の多い地域、ホテルのロビー、カフェなどで無料Wifiが開放されていることが多い。「Dunkin Donuts」「Costa Coffee」「Coffee Bean」、「wagas」などのチェーンでは無料Wifiを提供している。