2a. 連載:「タビノート」 下川裕治  2013/09/10号 Vol.006


2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

料金設定はないがクラスはある?

 マイレージを貯めようとすると、どうしてもサブクラスといわれるものが気になってくる。サブクラスというのは、エコノミーやビジネスといったクラスよりさらに細かいクラス分けである。エコノミークラスのなかにも、さまざまなクラスがあるわけだ。サブクラスの違いで、日程変更や利用期間などの制約が変わってくる。マイレージも貯まるクラス、貯まらないクラス、あるいは半分だけ貯まるクラスなどがある。その条件は運賃に反映される。
 バンコクと日本を往復することが多い。スターアライアンスのユナイテッド航空にマイルを貯めている。
 バンコクと東京を結ぶフライトで、スターアライアンスに加盟しているのは、ユナイテッド航空、全日空、タイ国際航空の直行便のほか、シンガポール航空、エバー航空、中国国際航空などの経由便がある。運賃とマイルの加算率を考えて、北京経由の中国国際航空にしばしば乗る。
 中国国際航空でユナイテッド航空のマイレージプラスに100%貯まるのは、エコノミーのLクラス以上である。僕はそのLクラスを利用することが多い。
 先日、バンコクから東京まで乗った。バンコクの空港で飛行機に乗り込み、ふと搭乗券を見ると、クラスがWになっていた。客室乗務員に、「Wクラスも100%貯まるのでしょうか?」と訊いてみた。が、マイレージの話はわからないので、飛行機を降りてから問い合わせてくれ、といわれた。こういうことは珍しくない。
 帰国後、中国国際航空に訊いてみた。Wクラスは100%加算だった。しかしなぜ、Wクラスに変わったのだろうか。
 「それはバンコクの管轄なので」
 バンコクでチケットを買った代理店に訊いてみた。
 「W? そんなクラスはないというか、料金がないんだけど……」
 バンコクの代理店も気になったようだった。数日後、バンコクからメールが届いた。
 「バンコクの中国国際航空の社員もよくわからないらしい。ただ、バンコクー北京線には新しい機材を導入して、そこには、座席間隔が広いエコノミー席があるのだという。よく乗るお客さんには、そこに移すようなコンピュータの設定を変えたらしい」
 プレミアエコノミーという席だ。それがWクラスということらしいのだ。なんだかすべてが憶測での話なのだが、料金設定はないがクラスはあるということらしい。
 マイレージの世界は、ますますわかりにくくなってきている。

北京空港
北京空港。やたら大きく、乗り換えに時間がかかる