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tabinoteメールマガジン 2015/11/17号 Vol.059

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2a. 連載:「タビノート」 下川裕治
3a. tabinote旅行記
3b. 世界一周ノート
4. 世界あの街この街
5. 旅の本屋 のまど イベント情報
6. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

MRJ初飛行、無事に成功

11月11日、半世紀ぶりの国産旅客機となる三菱航空機のMRJが初飛行を成功させた。MRJ飛行試験初号機は午前9時35分に愛知県の県営名古屋空港を離陸、1時間27分後の午前11時2分、同空港へ無事着陸した。招待客から歓声と拍手があがった。初飛行の様子はUSTREAMでリアルタイム中継され、現在もアーカイブ映像を見ることができる。

リアルタイム中継アーカイブ
http://www.ustream.tv/recorded/77419032
MRJ特設サイト
http://www.flythemrj.com/j/

アエロメヒコ、東京~メキシコシティ便を直行化

メキシコのフラッグキャリア、アエロメヒコ航空は、2016年1月11日より週4便運行されているメキシコシティ~東京/成田便を、従来のモンテレイ経由ではなく直行便にすると発表した。機材はB787-8、所要時間は2時間以上短縮される。

ニュース
http://aeromexico.jp/information/post-3686

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画像:AERO MEXICO

マリオットグループが世界最大のホテルチェーンに

マリオット・インターナショナルは、スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドを122億米ドル(約1.5兆円)で買収すると発表した。
スターウッドはシェラトンやウェスティン、セントレジス、メリディアンなど有名ホテルブランドを運営する企業で、合併後は5,500ホテル以上の110万室を運営することになり、世界最大のホテルチェーンとなる。

KLM、B787-9を初受領

ボーイングは11月14日、KLMオランダ航空にB787-9の初号機を引き渡したと発表した。KLMは受領した初号機を、アムステルダム~アブダビ~バーレーン線に投入する計画。エールフランス・KLMグループはすでに787-9を19機、787-10を6機発注済み。順次機材更新を進めていく。

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画像:BOEING

パリで無差別連続テロ、外務省がフランス渡航に注意喚起

11月13日、パリで無差別連続テロ事件が発生。フランス全土に非常事態宣言が発令された。JAL、ANAのパリ便は平常運行を行っているが、外務省ではテロや不測の事態に巻き込まれないよう、最新情報を入手するよう注意喚起が行われている。また、エールフランス航空は、11月15日までに出発する航空券を持つ乗客を対象に11月22日まで旅行を延期することができる特別措置を行った。

台湾Vエア、中部、関西、福岡線に就航へ

11月12日、国土交通省航空局(JCAB)は台湾のLCC、Vエアが申請していた国際線運営の許可を発表した。これを受けVエアは、12月15日から台北/桃園~中部線の運航を開始。2016年1月から関空便と福岡便を開設する。機材は3便ともエアバスA321。

Vエア
https://www.flyvair.com/en/

エアアジア・フィリピン、来年にも日本就航か

BusinessMirrorによると、エアアジアグループののエアアジア・フィリピンが来年の冬ダイヤより東京/羽田に就航を計画していることがわかった。現在羽田からフィリピンへはフィリピン航空とANAが運行しているがLCCの運行はない。

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2a. 連載:「タビノート」 下川裕治

月に何回か飛行機に乗る。最近はLCCの割合が増えている。そんな体験をメールマガジンの形でお届けする。

Profile
shimokawa

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)

1954年、長野県松本市生まれ。旅行作家。新聞社勤務を経てフリーランスに。『12万円で世界を歩く』(朝日文庫)でデビュー。アジアと沖縄、旅に関する著書、編著多数。『南の島の甲子園 八重山商工の夏』(双葉社)で2006年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞。近著に『沖縄にとろける』『バンコク迷走』(ともに双葉文庫)、『沖縄通い婚』(編著・徳間文庫)、『香田証生さんはなぜ殺されたか』(新潮社)、『5万4千円でアジア大横断』(新潮文庫)、『週末アジアに行ってきます』(講談社文庫)、『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)がある。

たそがれ色のオデッセイ BY 下川裕治

LCC業界はIT業界?

 このところLCCに乗る機会が増えている。ンガポールとマレーシアの本を書くため、このエリアに就航するLCCを頻繁に利用しているからだ。月に平均すると、6回ぐらい乗っている。
 シンガポール、バンコク、クアラルンプールを結ぶ便が多い。エアアジア、タイガーエア、ジェットスター、ライオンエア、スクート……。時間帯や値段で、利用する便はまちまちだ。
 マレーシアの本を書いていて、あることに気づいた。マレーシアの輸送業界の民族構成である。
 マレーシアはマレー人、華人、インド系住民が暮らす多民族国家だ。そしてマレー人優遇策であるプミプトラ政策に傾いている。それが一因になり、輸送業界がみごとに分かれている。鉄道は国鉄色が強いためマレー人系である。バスは民間業者だから、華人経営が多い。そしてLCCであるエアアジアのトップであるトニー・フェルナンデスはインド系だ。
 その結果、鉄道が頼りにならない。遅れが多く、長距離路線は1日1、2本という頻度だ。それを補っているのがバスとLCCと思っていい。
 ではなぜ、エアアジアはここまで成長できたのか。そこには政府との関係もあったようだが、インド系スタッフのIT能力があったからのようにも思うのだ。
 同じ路線に就航するさまざまなLCCに利用するとき、予約サイトの使い勝手の差は歴然である。そして思うのだ。LCCとは運送業者ではなく、IT業者ではないか……と。
 このエリアを就航するLCCのなかで、エアアジア、ジェットスター、スクートは日本語で予約できる。やはりわかりやすい。
 しかし日本に乗り入れる前のエアアジアの予約では苦労した。英語サイトなのだが、わかりにくかった。それに比べると、タイガーエアは昔からわかりやすく、予約もスムーズだった。
 エアアジアは日本に合弁の形で乗り入れたが、そのときの日本語サイトはひどかった。日本語の意味がよくわからなかった。英語サイトの直訳が多かった。
 このエリアに就航するLCCでは、ライオンエアのサイトがわかりずらい。予約ができたのか、できなかったのか。いまでも不安を抱えて予約進めている。ライオンエアの予約サイトがしっかりしてくれば、集客はだいぶ増える気がする。なにしろ運賃はダントツに安いからだ。
 LCCとはIT業界、IT航空会社といってもいいのかもしれない。

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タイガーエア。この会社の予約サイトはわかりやすい。英語でも

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3a. tabinote旅行記 スクートとバニラエアで行く台北旅行 実践編

tabinoteワタベです。この8月の台北旅行記をお届けします。
内容は2015年8月時点の情報にもとづいています。

前回、計画編はこちら。


さて、台北に到着したのは8月終わり頃。成田発を昼に発つスクート便。
現在スクートはすべてボーイングの最新鋭機787だが、この当時は777だった。しかしシートも広く十分快適。
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初めての家族連れでの台北、日程は3泊4日。台北市街を散策してどこか1日郊外の観光スポット九份(じゅうへん)へ、くらいのゆるい予定だった。

旅行記その1:名所めぐり

桃園空港の小さなフードコートで昼をとり両替などしてダラダラと滞在。
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桃園空港には地下鉄も鉄道も乗り入れていないので、市街への移動はバスが主流。
台北駅にむかうバスが多いが、ラッキーなことに最大手の国光バスがホテルをとってある西門まで追加料金なく直行してくれるというキャンペーンをやっていた(実際には台北駅で要乗り換え)。空港からの長距離バスについては以下の台北ナビが詳しい。
台北ナビ:空港バス

結局ホテルに着いたのは日暮れ頃だった。
成田発の午前便だと早朝に自宅を出なければならず、桃園からの移動も遠い。移動でほぼ一日要したことになる。やっぱ羽田発・台北松山着のパックツアーにしとけばよかったかもという気持ちがよぎりかけたが考えないことにした(今書いてて思い出した)。

ホテルは西門駅出口から徒歩ゼロ分の超好立地。心配したとおり一部建設中だったが(※前号参照)、9割方完成していてぜんぜん泊まれるレベル。やはりここにして正解だった。
華麗に中国語を駆使してチェックイン…、のはずがフロントは日本語ペラペラ。あれれ…。

西門は原宿に軽く秋葉原のテイストを加えたような繁華街で、日本統治時代に建てられたレンガ造りの西門紅樓がランドマークになっている。
ときおり臭豆腐の匂いが鼻をつく。
街歩きとメシ以外にあまりすることはないが、まさに街歩きとメシのために来たのでそれでいいのだ。
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深夜まで人通りが多い。
ゲイショップ、タトゥー屋、ピアス屋、アニメショップなど若者文化ごった煮という感じ。
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行列の有名店阿宗麺線へ。カツオだしが効いててうまい。
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翌日は有名かき氷店のアイスモンスターへ。
日本人多い。
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でかい。松本零士のマンガにでてくるどんぶりメシくらいのボリューム。
これはかき氷と言っていいのか、氷菓かな…?
一つ1000円近くするので決して安くはないが、このボリュームはすごい。
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台北101へ。お目当ては地下のフードコート。
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マニアなら小躍りしたくなるような巨大フードコート、思わず頬が緩む。
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台北といえばグルメの街というイメージであった。
しかし、到着日からうっすら感じてはいたのだが、何食っても心なしか味付けが薄いような、うまみ成分が足りないような感じもした…。ふだんよほどアミノ酸のうま味に毒されているのだろうか。
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台北屈指のオシャレスポット、四四南村へ。台北101の真正面で徒歩10分ほど。
レトロな街並みがつがい共に人気の模様。
もともと軍の住宅があったらしいが、再開発されギャラリーやショップができている。
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夜は西門の香港料理屋へ。
慣れ親しんだアミノ酸を感じる中華味。うまかった。
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台北といえば意外に酒が飲みにくいという情報を仕入れていた。確かにどの店にもおいているというわけではない模様。切れたときの補給が大変なので、見つけたら即買い。
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翌日は巨大な中正紀念堂へ。敷地面積は20万m2、でかい!
この時スコールのような雨が降っておりびしょびしょになる。
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ちょうど衛兵の交代式がはじまる時間だった。
雨がひどすぎて出れないので、初めから終わりまでがっつり見学することに。
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ギャラリーでは戦後70年を記念して抗日絵画展を開催中。英霊に敬礼!
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人気のおしゃれ書店、誠品書店が中正紀念堂に支店を出していた。
雨宿りを兼ねてひやかしたりして宿に戻る。
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旅行記その2:九份

今回の旅行で唯一予定らしき予定は九份行き。
寒村であったが、映画「悲情城市」の舞台となったことで台湾人にも観光地として知られるようになったらしい、という話をWikipediaで知る。日本では「千と千尋の神隠し」のモデルとなった街などという真偽不明のうわさですっかりメジャーになった。

バスで行くのがメジャーだが、今回は人数が多いのでタクシーをチャーター。
運転手はトニー・レオンといかりや長助を足して2で割ったような渋いじいさん。

夕方に台北市内を出て1時間ほど、山間の暗がりに巨大な屋敷のような建物が見えた。あれが九份かと思ったら違った。さらにクルマに揺られること十数分…。

到着。
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坂道の感じといい、お土産屋やメシ屋の集積感といい、猫の多さといい、江ノ島そっくり。
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てかここ江ノ島じゃね…?
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午後8時過ぎ、どうみても閉店間際っぽかった店にあわてて入り夕飯を注文。
ところが、その後客が続々と入り出してこれから混み出すくらいの勢いに。あわててソンした。
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滞在時間は結局2時間程度。ただ、そのくらいの時間内で食事をとりつつ十分散策できてしまった。
宿もいくつか見つけたが、ここに1日滞在するのはつらい気がした。
せわしない移動が身についてしまっている。

高台からの眺め。
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旅行記その3:夜市彷徨

街歩きにあけくれた台北の最終日、夜は独りで散策に出かけることにした。
台北に来てまだ本格的な夜市を見ていなかったからだ。

寧夏夜市へ行くことにする。
西門の宿から2kmほどと近く、夜遅くまでやっているという。
大きな夜市とちがって適度に枯れた雰囲気だそうで、下川裕治さんも著書でおすすめしていた。

30分ほど歩いてようやく到着。この頃23時頃。
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「観光夜市」の名があるものの歴史はかなり古いらしい。
すでに店じまいの雰囲気もあったが、明け方まで空いている店もいくつかあるらしい。
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「綜合」はミックス、「下水」は内臓(・・・)だそうで、「綜合下水」はモツの盛り合わせといったところ。
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この夜市は魯肉飯の発祥地としても知られているそう。
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でも魯肉飯はスルー。カキオムレツを食う。
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名物の鶏メシ。うまい。
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だんだん店が閉まってきた。
午前1時過ぎに夜市を離れる。
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戻る途中でカルフールを発見。
当然寄る。どの街に行ってもスーパーを見るのが一番楽しい。
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宿に戻り、ほとんど寝ないまま荷造り。
VWの相乗りタクシーで桃園へ。運転手は台北駅で相乗り客を募っていたが、誰も来ないので結局うちの家族で貸し切り状態。
桃園空港に到着。バニラ便は30分ほど遅れて成田第3ターミナルへ。


台北は清潔で日本語の表記も多く、家族連れでも安心だった。
今回は市内散策と九份程度の気軽な旅だったが、次に行く時はもう少し冒険をしてみたいと思っている。
そして、できれば羽田発・松山着のプランで来てみたい。


※以下に本メルマガでおなじみの下川裕治さん、吉田友和さん他、参考にした台北本もご紹介します。


週末台湾でちょっと一息 (朝日文庫)


週末台北のち台湾一周、ときどき小籠包 (幻冬舎文庫)


子連れ台北


史上最強の台北カオスガイド101 (SPACE SHOWER BOOKs)


シックスサマナ 第19号 こじらせタイワン あなたを不安にさせる台湾

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
aoki_s

青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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※※編集部より※※
 今号の「世界一周ノート」は原稿が間に合わなかったため休載とさせていただきます。
 次号をお楽しみに。
 前号の内容はこちら

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第55回 ドゥブロヴニク


Cheap Dubrovnik Tours (トリップアドバイザー提供)

クロアチア共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

クロアチアは近年そのすばらしい景観が知られるようになりヨーロッパ観光の一大デスティネーションになりつつある。その中でも最大の観光都市が「アドリア海の真珠」と呼ばれるドゥブロヴニク。碧い海岸と中世の街並みがつくりだすコントラストは絵に描いたような絶景。

Pile Gate to Fort Lovrijenac   Google Maps
(画像:Google)


空港からシャトルバスでおよそ30分、旧市街の西にあるピレ門(Pile)に到着する。門の周辺はカフェやレストランでにぎやかな雰囲気。
旧市街は全長2kmほどの城壁に囲まれたコンパクトなエリアだが城壁は威圧的なほど高く、見どころも一日では見きれないほど多い。
ゲートをくぐると中世がそのまま現れたような旧市街の街並みが拡がっている。

Pile Gate (トリップアドバイザー提供)

ピレ門から東にのびるのはプラツァ通り。旧市街きっての目抜き通りで、両側にはカフェやレストラン、お土産屋が並んでおり、旅行者が夜遅くまで行き交う。夜はライトアップされ、石畳や壁面が幻想的な光景をつくりだす。




Placa Thoroughfare (Stradun) (トリップアドバイザー提供)

プラツァ通り沿い、ピレ門を抜けたすぐ左手にある建物はフランシスコ会修道院。院内にはヨーロッパで3番目に古いという薬局(創業1391年!)があり、現在でもスキンケア製品などを販売している(ちなみにヨーロッパ最古の薬局はイタリアのフィレンツェ)。

Franciscan Monastery (トリップアドバイザー提供)

旧市街でも絶好のフォトスポットは城壁の北西にあるミンチェタ要塞。城壁の最高地点となっており、赤い屋根が連なる旧市街全景を見渡せる。市街と海をカメラにおさめようと、一眼片手の観光客が列をなす。



Minceta Fortress (トリップアドバイザー提供)

通りをまっすぐ西に行くと城壁のつきあたり、ルジャ広場へ出る。総督邸や宮殿、ドミニコ会修道院といった古の建物群が並んでいる。総督邸は現在歴史博物館として公開されている。

Rector’s Palace (トリップアドバイザー提供)

城壁の東には旧港があり、碧い海に白い建物やフェリーが映える。ここから市街の丘陵をふりかえると青と緑のコントラストが美しい。このエリアにはレストランも多く、夕方には夕陽やシーフード目当ての客が集まる。


Rector’s Palace (トリップアドバイザー提供)

ドゥブロヴニクの美しい街並みは市民の努力のたまもの。わずか20年ほど前までは内戦が続いており、街は燃えてガレキとなった。旧市街にあるミュージアム、「ウォー・フォト・リミテッド」は往時の様子を写真で生々しくつたえている。

War Photo Limited (トリップアドバイザー提供)


旧市街の北にそびえるのはドゥブロヴニク観光のハイライトである標高412mのスルジ山。城壁の北側にロープウェイ乗り場があるが、時間に余裕があり健脚なら徒歩で登ってみてもいい。
山頂からはアドリア海と空、赤い旧市街を見下ろす絶景を堪能できる。

Mount Srdj Ropeway (トリップアドバイザー提供)

山頂には砦が築かれ、ドゥブロヴニク防御の要として街を見下ろしていたが先の内戦で破壊された。現在その砦跡は独立戦争博物館として公開されている。

Museum of Croatian War of Independence (トリップアドバイザー提供)

旧市街の城壁外、ピレ門近くの海に向かって砦がせりだしている。このロヴリイェナツ要塞は市街や丘陵を違った確度から眺めることのできる穴場スポット。

Lovrijenac (トリップアドバイザー提供)

ロクルム島は旧市街からほど近く、沖合700mに浮かぶ緑の島。日に何便もフェリーが運行している。
砦や修道院などの歴史的な建物からビーチ、植物園まで見どころが多く、ドゥブロヴニクからの気軽な旅先として人気が高い。

Island of Lokrum (トリップアドバイザー提供)

ドゥブロヴニク周辺には伝統的な生活を守る素朴な村々が拡がる。手工芸の店や青空市などもありお土産さがしにもぴったり。現地ツアーもいろいろと用意されているので、せっかくだからのんびりと巡ってみたい。

Cavtat Old Town (トリップアドバイザー提供)

一日歩いてホテルに戻ると窓の外には日暮れの絶景が拡がる。これからまた旧市街のプラツァ通りに戻ってもいい。

Dubrovnik Top Tours (トリップアドバイザー提供)



Lokanda Peskarija (トリップアドバイザー提供)

日本人にあまりなじみのないクロアチア料理。クロアチア産のワインやチーズ、オリーブオイルなどは欧州でも高く評価されており、実は隠れた美食の国である。
複雑な歴史を反映して食文化は地域によりかなり異なる。首都ザグレブなど内陸部はオーストリアやハンガリーの影響を受けており、カツレツやパプリカ煮込みなど肉料理が中心。
一方でドゥブロヴニクの属する沿岸はアドリア海の対岸イタリアの影響が強く新鮮なシーフードが名物で、オリーブオイルやチーズを多用する。パスタやリゾットなどのイタリア料理の他、シーフードのグリルやフライなどもレベルが高い。

ストリートフードとしてはピザや濃厚なチーズのサンドイッチ、ジェラートなどがおいしい。


Konoba Dubrava (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
現在日本とクロアチアを結ぶ直行便はない。
オフシーズンの場合はザグレブを経由して訪れるのが基本で、日本→経由地→ザグレブ→ドゥブロヴニクと最低2度の乗り継ぎを必要とする。
オンシーズン(3月~8月)の場合は周辺国から直接ドゥブロヴニク空港に向かう便があり、日本からはフィンエアーのヘルシンキ便、ルフトハンザのフランクフルト便、ブリティッシュ・エアウェイズのロンドン便、オーストリア航空のウィーン便などが利用しやすい。この時期はLCCの運航もあり、イージージェットやノルウェイジアンも乗り入れている。ただしドゥブロヴニクはリゾート。着替えやお土産など荷物が多めになりそうならレガシィキャリアを選んだ方が安くつくかもしれない。
価格はフィンエアー利用オンシーズンの場合で日本から往復12万円~。

(陸路・海路)
ザグレブからドゥブロヴニクまでの長距離バスが一日8便程度、所要は約10時間~12時間で、料金は200~250クーナ程度と安い。
なお、ザグレブまでの国際鉄道はシリア難民問題の影響を受けて運行予定が変わったりスケジュールが乱れたりする可能性がある。
オンシーズンまではアドリア海対岸のイタリア・バーリ(Bari)からドゥブロヴニク行きのフェリーが運行している。所要5時間半、料金は40~120ユーロ程度。

(パッケージツアー)
トルコ航空や中東系のエアラインを使った6日間のツアーでオフシーズン12万円~。オンシーズンはホテルレート高騰のため20万円~と高め。

(空港)
ドゥブロヴニク国際空港(DBV)は市街の南東方面23kmほどの場所にある。国際線の多くはオンシーズンの運行となり、オフシーズンは国内線(ザグレブ便)がほとんど。
空港からはシャトルバスが利用できる。空港-旧市街の西門(Pile)-グルージュ港(Gruz Harbour)間を結んでおり、旧市街まで約30分、40クーナ。
タクシーの場合は旧市街まで250クーナ程度。ホテルの多い西部の半島部分、ラパッド(Lapad)やバビン・クック(Babin Kuk)まで300クーナ程度。


地理と気候

クロアチアはイタリアから見てアドリア海を挟んだ東側。スロベニア、ハンガリー、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロと国境を接する。
クロアチアの国土はアドリア海沿いと内陸に分かれた逆U字型になっており、ドゥブロヴニクは海岸沿い最南部。ボスニア・ヘルツェゴビナの都市ネウムによってクロアチア本土と分断されている。
クロアチアの内陸部は寒暖差の大きい大陸性気候だが、ドゥブロヴニクは対岸のイタリアと同じく地中海性気候に属する。7~8月の最高気温は30度程度、最低気温は20度程度となる。日射しは強いが湿度も低く快適。11~3月頃までは最高気温は15度程度、最低気温は7度程度と東京よりもおだやかだが、雨がちの日が多い。5~6月、9~10月頃は暑すぎず寒すぎず過ごしやすい。

旅行のベストシーズンは5~10月頃。特に7~8月はホテルの予約もすぐにうまってしまう。
11月~2月頃まではオフシーズンとなり、大波や強風でフェリーやロープウェイが欠航することも。さらにリゾートホテルやレストランは閉館するところもあるので注意。
2016年のイースターは3月26~28日で、この時期は周辺の村々ふくめ祝祭ムード。

Hotel Kazbek (トリップアドバイザー提供)

クロアチアと日本の時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。サマータイムは3月最終日曜~10月最終日曜で、この間の時差はマイナス7時間。

Google マップ
(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はクロアチア語であるが、英語の通用度は高い。観光客が行くような場所ではほとんど英語で意思疎通ができる。
通貨はクーナ(HRK)。1ユーロ=17.5円(15年11月時点)。およそ20円弱と覚えておけばよい。

中欧・東欧は物価が安いのではと期待するかもしれないが、ドゥブロヴニクは観光地価格が横行している。特にハイシーズンはホテルが高い。
目安として、3つ星ランクのホテルがオフシーズンで6~7千円、オンシーズンではおよそ倍。タクシーは初乗り500円程度、市街からホテルに戻る10分程度の乗車で1000円程度。
外食は欧州の中ではやや安い方で、日本並みといえる。一品にワインをつけて1500円~3000円程度。カフェでコーヒーとピザをつまんで700円程度。チップはサービス料に含まれており不要なことが多い。

商品代金に対して北欧並みに高い25%の消費税がかかっている。一度に740クーナ以上の買い物で一部が還付される。購入店で免税書類をもらっておき、クロアチアまたはEU圏出国時に税関で手続きをする。

なお、隣接するネウムはボスニア・ヘルツェゴビナ領であり消費税が安い。長期滞在なら買い出しにネウムのスーパーを利用できる。

支払いはクレジットカードを基本とし、いくらかのユーロ現金を手元にもっていけば十分。ホテルやレストランではユーロがそのまま使える場合が多い。
ユーロは日本で両替していくのが鉄則。クロアチア・クーナは日本で両替することができないため、現地で両替屋に行くかクレジットカードのキャッシングを利用する。バスやタクシー、ローカルのお店はクーナ払い。

チップはルームサービスやポーターに1ユーロ程度、タクシーではおつり切り上げ程度で十分。

※クーナ紙幣

(画像:Wikipedia)


治安とビザ

クロアチアの治安は欧州の中でも良好とされるものの、ドゥブロヴニクの場合は観光地であることもあってスリや置き引き被害が多い。ただし他国に比べてひったくりや強盗などの荒っぽい事案は比較的少ない模様。
レストランやカフェはもちろん、バーでも屋内での喫煙は禁止されている。

なお、ドゥブロヴニクを含むクロアチア沿岸南部は旧紛争地域にあたり、地雷撤去活動が続いている。観光客が訪れるようなエリアでは心配ないが、郊外の未舗装地域や山野には立ち入らない方が無難。
また、シリア難民への対応に伴い、ハンガリーやセルビアなどとの国境付近では交通が制限される可能性がある。在クロアチア日本大使館のサイトなどで最新情報を入手しておいた方がよい。

3ヵ月以内の観光滞在はビザ不要。


市内交通

旧市街を散策するだけなら徒歩でOK。
地下鉄やトラムなどはないので、旅行者が使う足としてはバスかタクシーとなる。

(バス)
バスチケットはキオスクか乗車時に運転手から購入。バス料金は市内共通でキオスクの場合12クーナ、運転手から買う場合は15クーナ。バス停ごとのアナウンスはないので、乗車時に運転手に降車希望バス停をつたえるか、Googleマップなどを使って現在地を確認しておこう。

ドゥブロヴニク・カードはさまざまな特典がついたお得なカード。1日券、3日券、1週間券の3種類あり、1日券は公共交通期間無制限乗り放題、3日券は10回乗り放題、1週間券は20枚乗り放題。さらに城壁やギャラリーなど8つの施設がフリーパスとなり、レストランやカフェのディスカウントも付く。1日券が150クーナ、3日券が、1週間券が200クーナ、1週間券が250クーナ。

(タクシー)
メーター制。流しのタクシーは一般的ではなく、タクシースタンドから乗るか(旧市街西門前、グルージュ港、ラパッドのホテル地区などにある)、電話などで配車する。
初乗りが25クーナ、以降1kmごとに8クーナ。荷物1つにつき2クーナ。チップは基本不要で、おつりの切り上げ程度でOK。
グルージュ港から旧市街の西門まで乗った場合70クーナ。


ホテル


The Pucic Palace (トリップアドバイザー提供)

ホテルの多くはラパッド地区やバビン・クック地区に位置している。旧市街城壁内にあるホテルは数件しかなく、すぐに予約も埋まる。
ホテルの価格はシーズンによって値段の変動が激しい。たとえば3つ星ランクのホテルが3月なら7千円程度だが8月にはおよそ倍の1万6千円程度になる。中には3倍近くになるという宿もあるが、それでも予約がすぐに埋まってしまうことも。実際、11月~2月頃まではオフシーズンとなり、閉館しているホテルも多い。ホテル代を考えるならピークを外した4~6月、9~10月あたりがねらいめとなる。

ホステル、ゲストハウスならだいぶ手ごろになり、個室が4~7千円台、ドミトリーなら千円台もある。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbならホテルの半額以下で個室が探せる。レビューや立地をよく見てからにしよう。
なお、クロアチアに48時間以上滞在する場合は警察への滞在届が必要。警察署にある所定の用紙(「フォーム8a」)に記入し提出する。ホテルやホステルの場合は施設側が代行してくれるが、Airbnbの場合は手続きをホストが行ってくれるかどうか確認しておいた方がよい。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
クロアチアの大手通信事業者はT-mobile(Hrvatski Telekom)、VIP、Tele2、MVNOのbonbonなど。

VIPのSIMはネット上の情報も豊富で、もっとも旅行者にとって手軽なオプションかもしれない。10日間有効のツーリストSIM(SIM card for your tablet)があり、使い放題で11ユーロ。通話可能なSIM(SIM card for your phone)の場合は通話が0.06ユーロ/分、データが0.01ユーロ/MB。データを1ギガ使えば10ユーロ。

bonbonもツーリストSIMを出している。T-Mobileの電波を使用しておりカバレッジもよい。2015年11月現在で5ギガ6ユーロという格安プランがある。

T-mobileの場合、契約義務のない(Bez ugovorne obveze)プランの「NAJBOLJA MOBILE NET」が2Gで月間89ク-ナ(最大21Mbit/s)。7ギガで159クーナ(最大75Mbit/s)。

Tele2の場合、1ギガのSmartプランが35クーナ、1.5ギガのTotalnaが49クーナ。手数料無料の「Revolucija」の場合は従量制で0.6クーナ/MB。

クロアチアは直行便がないこともあり、欧州の他の国とあわせて巡るという場合も多いだろう。クロアチアで長期滞在するのでなければ、欧州で広く使えるSIMを買うか、欧州周遊対応のWiFiルーターを借りていくのも手。

(WiFi)
ドゥブロヴニクは観光都市であるためほとんどのカフェやレストランがWiFiをそなえている。パスワードがいる場合も多いので、店員にネットワークとパスワード情報を尋ねてみよう。

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:11月19日 (木) 織田博子さん スライド&トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「女一匹シルクロードの旅」発売記念
◆イラストレーター 織田博子さん  スライド&トークイベント◆
「女一匹シルクロード&中央アジアの旅」

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新刊『女一匹シルクロードの旅』(イースト・プレス)の発売を記念して、著者でイラストレーターの織田博子さんをお迎えして、シルクロード&中央アジアの旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『女一匹シベリア鉄道の旅』では、モスクワから北京まで9000キロを駆け抜けるシベリア鉄道の旅を紹介した織田さん。新刊では、長距離バスを乗り継ぎ、中国は西安から、新疆ウルムチ、カザフスタン、ウズベキスタン、トルコまで、にぎやかなバザール、オアシスの街など様々な民族や言葉、文化、風景がまじりあったシルクロードの人々との交流を通じて体験したエピソードがマンガで綴られています。今回のイベントでは、女性である織田さんが一人でシルクロードや中央アジアを旅した際の貴重なお話が聞けるはずです。
織田さんのファンの方はもちろん、シルクロードや中央アジア、イスラム文化に興味のある方はぜひご参加くださいませ!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


織田博子(おだひろこ)

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1984年生まれ。食を旅するイラストレーター。 早稲田大学第二文学部卒業。2010年より「世界家庭料理の旅」プロジェクトを開始、世界各国をめぐりながら、家庭料理についてのフリーペーパーを発行する。現地の雰囲気あふれるイラストやマンガを描いている。著書に「女一匹シベリア鉄道の旅」(イースト・プレス)。

◆織田博子さんHP
http://www.odahiroko.skr.jp/


【開催日時】  11月19日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
 協力:イースト・プレス

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6. 編集後記

tabinote田口です。季節外れの花粉にやられ絶不調です。ああ、花粉のない国へ行きたいとSkyscanner叩いて逃避しまくっています。
というわけでtabinoteメールマガジンVol.59をお送りします。
今週のニュースはなんといってもMRJの初飛行成功。延期続きでどうなることかと思いましたがこれも安全な商用飛行のため。再来年には乗れるかしら、、、あとエアアジア・フィリピンの就航も嬉しいですね。またジョリビーに会いに行きたい。
tabinote旅行記はワタベによる台湾家族旅行。アミノ酸大事です。そしてやっと「綜合下水」の意味がわかったよ!
世界あの街この街はクロアチアのドゥブロヴニク。まったく未知の世界なのでぜひ行ってみたい。中東系エアのバーゲンか、ヨーロッパ便復活が噂されるエアアジアに期待。
青木さんの世界一周は原稿が間に合わなかったため休載です。次号は掲載されると思いますのでお楽しみに…。

さて、tabinoteサイトに下川裕治さん、吉田友和さんのメルマガ連載を全編アップしています。
連載:下川裕治さん
連載:吉田友和さん
柳下さん、さるころさんの過去有料連載も順次公開予定です。

そして、フェイントばかりだった新サービスですが、いよいよ近日中にひっそりとスタートする予定です。
その内容は、メジャーな渡航先別に直近の最安値チケットが一覧できるという超便利なニュース配信!もちろん無料です。
安旅マニアも、たまにしか行かない方も、ぜひご期待下さい。

では、次号もよろしくお願いします。
次回は12月1日(火)の発行予定です。


発行:有限責任事業組合tabinote
http://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従っていただきますようお願いいたします。

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