ウユニ02

tabinoteメールマガジン 2015/11/03号 Vol.058

Contents

1. 旅行業界最新ニュース
2b. 連載:「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和
3a. tabinote旅行記
3b. 世界一周ノート
4. 世界あの街この街
5. 旅の本屋 のまど イベント情報
6. 編集後記


1. 旅行業界最新ニュース

成田空港3タミが「グッドデザイン金賞」受賞

 成田空港は、今年4月にオープンした第3ターミナルが、公益財団法人日本デザイン振興会主催の 2015年度「グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)」を受賞したと発表した。国内空港のターミナルビルとしては初めての受賞となる。LCC専用に作られた第3ターミナルは、動線表示を陸上競技のフィールドに見立てた表示や、無印良品製のソファーなど、既存の空港ターミナルにはない新規性を打ち出して話題になった。
http://www.naa.jp/jp/press/pdf/20151030-gooddesign.pdf

MRJ初飛行をUstream配信

三菱航空機と三菱重工業は、開発中の日本製リージョナル旅客機MRJの飛行試験機初飛行に向けて新サイトをオープン。11月9日の週に県営名古屋空港で実施が行われる予定の初飛行をUstreamで生配信することを発表した。スケジュールは前日までに発表される予定だ。
mrj
http://www.flythemrj.com/j/

キャセイ新塗装機が羽田に飛来

11月2日、キャセイ・パシフィック航空は前日に発表した新塗装機を香港~羽田線に投入した。世界初披露となった羽田空港には多数の航空ファンが集まり、熱心にカメラを構えていた。新塗装は胴体下部の淡い水色ラインが特徴。キャセイらしい上品さで好評だ。今後5年間で全機体を順次新塗装に切り替えていくという。

賭けに負けたカンタス航空、屈辱の敵ユニフォーム姿

日本チームの健闘で話題になったラグビーワールドカップの決勝はニュージーランドとオーストラリアという本命同士の闘いになったが、その勝敗を賭け、両国のフラッグシップキャリアであるニュージーランド航空とカンタス航空がTwitter上でやりあった。試合はニュージーランドの勝利、約束通りカンタス航空は客室乗務員がオールブラックス(ニュージーランドチーム)のユニフォームを着て11月2日のフライトに乗務した。
qantas
https://twitter.com/Qantas/status/660983444126601216

スターフライヤー、初日の出フライトに無料招待

スターフライヤーは、来年3月16日に就航10週年を迎えることを記念し、2016年1月1日に実施する初日の出フライト「サンライズフライト2016」に35組を無料招待する。フライトは北九州空港を午前6時頃に離陸し、九州上空を飛行し北九州空港に戻る予定。応募は同社特設サイトまたはfacebookページ、郵送で。これから10年の夢や目標を添えることが条件だ。
http://www.starflyer.jp/campaign/sunrise_2016/

ロシアの旅客機がエジプトで墜落

10月31日、ロシアの航空会社コガリムアビア(Kogalymavia)のエアバスA321がエジプトのシナイ半島に墜落した。乗員7名、乗客217名の計224名が搭乗しており大半がロシア人観光客だった模様、全員の死亡が確実視されている。


2b.「旅のしりとりエッセイ」 吉田友和

Profile
プロフィール

吉田友和(よしだともかず)

1976年千葉県生まれ。出版社勤務を経て、2002年、初海外旅行にして夫婦で世界一周旅行を敢行。旅の過程を一冊にまとめた『世界一周デート』で、2005年に旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱。国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。その他、『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』(講談社)、『自分を探さない旅』(平凡社)、『LCCで行く! アジア新自由旅行』(幻冬舎)、『めざせプチ秘境!』(角川書店)、『3日もあれば海外旅行』(光文社)など著書多数。
旅行作家★吉田友和 Official Web

しりとりで旅する 第52回 吉田友和

き Kindle(キンドル)

 機内モードに設定すれば、飛行機の離陸時や着陸時でもスマホやタブレットが使える。以前は電源を切らなければならなかった。ルールが変更されたのが2014年で、それからだいたい一年ぐらい経つわけだが、いまさらながらありがたみを実感している。
 空路での長時間移動の際、自分の場合、読書に耽るのが定番の過ごし方だ。もちろん寝ていることも多いが、起きているときは大抵は本をパラパラしている。
 読むのは、ほぼ電子書籍である。ルールが改正される以前は、紙の書籍も持参していた。電子書籍だと端末を使用できない離着陸時には本が読めなくなってしまうからだった。活字中毒者にとって読むものが何もない状態は耐え難い。シートポケットにある機内誌や免税品カタログの冊子をぱらぱらめくって、時間をやり過ごしたり。
「いまいいところなのに……」
 話が佳境に差し掛かったタイミングで、飛行機が着陸体勢に入ってしまい、泣く泣く電源を切らざるを得なかったり。色々と四苦八苦させられたのも懐かしいが、それも過去の話になった。いまではもう、搭乗してから降りるまでずっと電子機器を使える=読書できるのだ。少なくとも自分にとっては画期的なルール変更であった。
 普段から便利な電子書籍だが、旅行中はとくにそのありがたみが増す。物理的なスペースが不要で、荷物を減らせるのは大きい。紙の本に対する愛着もないわけではないが、利便性には逆らえない。紙版しかないものは仕方ないとしても、電子版が存在する場合には基本的に電子版を購入するようにしている。
 利用するプラットフォームは、もっぱらKindleである。Kindleが日本に上陸する前の電子書籍黎明期には、ソニーのリーダーストアを活用していたのだが、もう完全に乗り換えてしまった。プラットフォームが変わると、それまでに購入した本が読めなくなってしまうのは電子書籍の不便な点だ。とはいえ、一度読了した後で再読するような本は実際にはあまりないので、それほど影響はない。
 ジャンルやテーマを問わず、節操なく色んな本に手を出すが、旅行用の読書に限って言えばとくに長編小説が似合う気がする。日常の中のたとえば電車移動時にする読書とは違い、どっぷり作品世界に浸れるからだ。長編といっても長ければいいわけでもなく、飛行距離に応じた長さの本だと理想である。
 というより、着陸するまでに読了できないといささか厄介なことになる。先日グアムへ行ったときに、こんなことがあった。
 フライト中、僕はiPadのKindleアプリで小説を読んでいたのだが、思いのほか長い本で着陸するまでに読み終わらなかった。
 紙の書籍と違って電子版だと束(つか)が分からないため、ボリュームが把握しづらい。Kindleでは全体のページ数や、「この本を読み終わるまでにあと○分」といった情報がいちおう表示されるのだが、リアルな本の厚みとは違い感覚的に掴みづらい点は電子書籍のもう一つの弱点と言えるかもしれない。
 ともあれ、間が悪いとはこのことだ。外国に着いたばかりとはいえ、僕は本の続きが気になって仕方なかった。iPadを手に持ったまま歩飛行機を降り、空港内を歩いていても気もそぞろだった。
 やがて到着した入国審査場は、混雑していた。いや、「混雑」なんて形容では生ぬるい。ちょっとあり得ないレベルの、途方もない長さの列ができていたのだ。普段なら我が運の悪さを呪い、舌打ちでもしたくなるところだが、このときは状況が違った。まあいいや、並んでいる間に本の続きを読み終えてしまおう、と気持ちを切り替えたのだ。
 ところが、ここで新たな問題が発生した。列の最後尾に並びつつ、iPadの画面を見始めたところ――係官が血相を変えてこちらに駆け寄ってきた。そして、いますぐiPadをカバンにしまえという。そう、グアムのイミグレーションでは、タブレットの使用は禁止されているのだ。というより、携帯電話が禁止らしい。僕のiPadはWi-Fi版なので、単体では通信はできない。携帯電話やスマートフォンとは違うのだが、それでもダメとのこと。
 さすがにイミグレーションでは大人しくするしかない。言われてすぐに、おずおずとカバンにiPadをしまったのだが、内心もどかしさが募った。こんなとき紙の本だったら……と天を仰ぐ。しょんぼり、である。
 グアムとはいえアメリカなので、入国審査は念入りだ。一人ずつしっかり質問を交え、指紋のスキャンまで行うから時間がかかる。結局、通過するのになんと1時間45分もかかった。さらっと書いたが、1時間45分はめちゃくちゃ長い。グアムまでの飛行時間が約3時間30分なので、その半分の長さである。続きを読み終えたあとで、さらに短めの本をもう一冊読めそうなほど。スマホも使えないので、読書どころか、ネットを見たりして暇をつぶすこともできなかった。一人旅だから話相手もいない。ただただ無言で列に並び続けるのは虚しく、徒労感に包まれたのだった。
 電子機器に関するルールはまだまだ流動的だ。新しいものだけに、将来的にはまた対応が変わってくる可能性も考えられるが、とりあえずはまあ、こういう待ち時間に読書ぐらいはできるといいのになあ、と思った。

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がっかりエピソードで締めくくったものの、グアム旅行自体は楽しめたことは付け加えておく。海が綺麗ならそれで良し!

※キンドル→次回は「る」がつく旅の話です!

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3a. tabinote旅行記 スクートとバニラエアで行く台北旅行 計画編

tabinoteワタベです。この8月の台北旅行記をお届けします。
内容は2015年8月時点の情報、および11月現時点での情報にもとづいています。


2015年夏、家族連れで台北に行った。
予定をたてたのはその年の春過ぎ。コスパとリゾート感を重視して行き先を奄美と台北にしぼりこみ、最終的にはやっぱ海外だよなということで台北とした。

計画編:エアライン

LCCを中心に航空会社や旅行会社のサイトを巡回、ノートPCの放熱がおいつかず強制終了するほどたくさんブラウザのタブを開いて検索しまくった結果、お盆明けの日程でそこそこ安いチケットの組み合わせを見つけた。往路スクート、復路バニラというLCC時代ならではのプランだった。

その頃、関東発のLCCの台北便はスクートバニラエアジェットスターの3社があった。いずれも成田と台湾桃園を結ぶもので、羽田発のピーチ便はまだ噂レベルだった。ジェットスターは関空経由なので除外としても、レガシィキャリアもいい勝負をする。トランスアジアはLCC並みに安く、エバーチャイナエアラインキャセイパシフィックを利用したツアーもかなりの安値をつけていた。

今回はスクートが片道7千円というびっくり価格をつけていたこともあり、往復スクートに決まりかけた。
ただし、スクートは復路が結構つらい。台北発が6時台で、空港には3時か4時に入らなければならない。
もうすこし時間に余裕がある選択肢を探していると、バニラで11:45台北発という身体にやさしい便を見つける。その分少し高かったが…。何より私はスクートもバニラも未経験…、というわけで、往路はスクート、復路はバニラのチケットをとった。

ちなみに現スケジュールでのスクートとバニラエアの組み合わせは以下のとおり。
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身体にやさしく到着日も時間を有効利用できる組み合わせを探していくと、往路成田発はスクートTZ201便かバニラのJW103便がいいのではなかろうか。週末弾丸旅行なら、金曜のバニラJW107便もいいかもしれない。
復路はバニラのJW104便がよさそうだ。朝もゆっくりできて成田着も遅すぎない。ギリギリまで台北滞在時間を延ばしたかったらJW108便という手もある。この場合成田着は22時となるが、まあ許容範囲だろう。

現在はさらにLCCが増え、ピーチの羽田便、ジェットスターの直行便(関空を経由しない便)が就航した。さらにシンガポール系のタイガーエアもある。現時点の東京発LCCをすべて入れて比較してみたのが以下の表。
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もちろん値段によるが、今から予約するとしてもやはり往路はスクートTZ201、復路はバニラJW104便かJW108便にするだろう。ピーチは羽田の深夜枠なので往路5時台、復路も羽田深夜着という過激なスケジュール。ジェットスター、タイガーも厳しい。
ただし、いずれも週末弾丸向けとしてはいいかもしれない。ピーチの場合は金曜夜に羽田に移動し朝まで仮眠して搭乗、復路は月曜早朝に着いてそのまま出社できる。ジェットスターもほぼ同様の使い勝手だろう。

計画編:ホテル

パックツアーではないため、飛行機のあとはホテルをおさえなければならない。
ホテル予約は夏前に行ったが、エアライン選び以上に時間がかかった。
台北はホテルだらけだが夏の繁忙期はそれなりに高い。今回は海外に慣れない家族も同行しているため、いつも泊まるような安宿は対象外。立地がよく清潔でちゃんとしたホテル…という感じで選んでいくと一泊2万オーバーもめずらしくなかった。
ちなみに、Expediaによると8月某日の予算別部屋数(3名1室)は以下のような感じ。1万円台が最多だが、私が探した夏前の時点では予約がうまりつつありこの5割増しくらいのレートだったと思う。
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(出典:Expediaより3名1室のレート)

そうするとパックツアーの方が安いのでは…という疑念も生まれ、実際に価格比較してみるとLCC個別手配とそこそこいい勝負。同じ値段ならレガシィキャリアを使ったツアーの方がいいに決まっている。旅行代理店によって催行条件や追加料金などの条件が異なるパックツアーの価格比較はLCC以上に煩雑で、楽しい旅行計画のはずなのにストレスはMAXレベル。
結局いろいろ比較した結果、スクートがバーゲンだったこともあり一泊1万円未満でカウントすればLCC個別手配の方が安いとわかった。

夏の台北、そこそこいいホテルで1万以下とするとあまり選択肢がない。
そんな中で選んだのは、西門地区のとあるホテルであった。

今どきホテル自体がWEBサイトを持っておらず、いくつかのホテル予約サイトにしか情報がなかったこの宿。一応4つ星ランクとなっていた。
西門は原宿にたとえられる若者多めの繁華街で、どこに行くにも便利。しかもこのホテルは駅から徒歩1分と立地は最高。雑居ビルの特定フロアを宿泊用に提供しているような宿も多い台北で、一棟まるごとホテルというのもポイント高かった。外観や客室はアジアに多いデザインホテルの路線で、清潔に見えた。写真で見たところ、キングサイズのベッドも快適そうだったし、WiFiやエアコンは当然のこと、薄型巨大テレビやドライヤーもそなえてあるという。しかも全棟禁煙。
そして、こんな素晴らしい条件の宿なのに価格は相場のおそらく半額未満。
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(客室画像:booking.com)

安い理由は、ホテル予約サイトの評価がよくないこと。
何がワケありだったのかというと、アジアにありがちなことだが、どうもこのホテルはまだ建設中で一部を仮営業しているということらしい。
完成したフロアから営業をはじめたものの、「廊下がガレキ」「うるさくて眠れず」「客を入れてはいけないレベル」など評判はさんざん。キレイな写真は奇跡的な一枚だった模様。予約サイトは辛口レビューで埋めつくされていた。
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しかし、丹念に各サイトのレビューをみていくうちに、今年の夏前には完成するらしいという真偽不明のコメントを発見。そして、古いレビューは評価が悪いものの、新しいレビューほど満足度が高いという傾向がうかがえた。
このホテルが完成したら、まちがいなくこのエリアの通常相場に価格を引き上げるだろう。そうするとおそらく一泊2万レベル。一方この時点では一泊8千円。仮に多少難があっても、今なら格安でピカピカの部屋がとれるかも…。
泊まる時点では完成していることを祈って、イチかバチかの予約を入れた。

※これだけヒントがあればわかると思うので、どの宿だったのか読者の皆さんも探してみて下さい…。

まとめ

格安旅プラン探しに血道を上げてきたワタクシ。台北旅行なんて国内並みにありふれているしすぐに決まるだろうと思ったら大間違いだった。フライト、ホテル共に選択肢が多すぎて、これなら南米の旅程でもたてる方が簡単なのではと思ったほど…。

LCCの場合、エアラインは往路JW101・TZ201、復路JW104・JW108が使いやすい。ただし、この4便はすぐに予約がうまるか、運賃が高止まりする可能性が高い。安く行きたいならジェットスター往復とかピーチ往復とか、バニラの早朝便とか、ツライ時間帯がねらい目といえる。
ピーチの場合、ふるさと納税でポイントがもらえるので、それを利用すれば賢い週末旅行ができるかもしれない。
(参考:ピーチで行く!ふるさと納税で無料旅(ただたび)ゲットだぜ!

なお、価格的にはスクートのバーゲンがあったので安く済んだものの、もし通常の料金であればパックツアーの方が安くなる可能性が高かった。台北の場合はLCCの就航でかなり相場が下がっているものの、オンシーズンではホテル代がネックとなる。台北は交通の便がよいので北投温泉など郊外に宿をとるという手もある。

パックツアーでは、台北松山空港をつかうプランが安ければかなりねらい目。ご存じのとおり台北には桃園空港、松山空港の2つがあるが、松山空港はホントに市街に近い。台北駅からわずか5kmほど…というよりもほとんど市街地の中にある。ある。一方桃園は市街から40km。
羽田・松山空港プランであれば成田・桃園プランよりも確実に半日以上は台北滞在時間が長くなるため、お得度は高い。
ちなみに羽田。松山の便はチャイナエアライン、JALANA、エバーがある。羽田を午前に発つ便であれば、昼には台北に着いてしまう。

と、ここまで書いてちゃぶ台をひっくり返すようですが、しょせんは台北。
もともとそれほど高いわけではないので、リサーチに数時間費やしても安くなるのはせいぜい千円程度。
思い立ったら行ってしまいましょう。

さて、計画編で結構長くなってしまったので、実際の旅行記は次回に記します。

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3b. 世界一周ノート 青木大地

仕事をやめ、2013年10月から1年間の予定で世界一周の旅に出ました。

Profile
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青木大地(あおき・だいち)

1986年生まれ。日本大学 芸術学部 卒業。
卒業後、大手レンタルビデオメーカーに勤務。店舗、営業を経て世界旅行のため退社。
念願のフリーライターとしてとりあえず1年は過ごせそうです。
同名義のFacebookもよければ見てください。

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3b. 世界一周ノート 第40回:南米 その2

ウユニ02

ウユニの町は小さく、広大な塩湖という観光資源に支えられた辺鄙な場所だった。それでもローカルの市場や人々の生活風景は長閑で雰囲気が良かった。リピーターが続出する理由が、ウユニ塩湖観光も含めてなんとなくわかった気がした。
僕はといえば、マチュピチュから続く高山病に母親と苦しめられながらも、豊かな観光生活を満喫していた。ウユニでは1泊は400円の安宿に泊まり、1泊は塩でできた高級ホテルに泊まった。この旅を通して、こんなにも布団や枕が臭くないことが素晴らしく、配膳された夕食がこんなにも美味しいと感じたことはなかった。
塩ホテル
塩ホテル晩餐

ウユニ塩湖はシーズンを少し外していたけれど、充分絶景を楽しむ事ができた。そして慌ただしくも賑やかな一週間を経て、母親と叔母は大量のお土産をあちこちで買い込んで帰っていった。
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お土産買う叔母

ボリビアの首都、ラパスに戻って一人になった僕はあることに気が付いた。米ドルがない!ということに。調子に乗ってマチュピチュ・ウユニ観光でNYで稼いだ米ドルを使ってしまっていたのだ。そして手元には母親が代わりにくれた大量の日本円があった。南米では基本的に日本円の価値は低く、両替レートは極悪(10000円→現地通貨で4500円)で、受け付けてくれる場所すら殆んどなかった。今後、アルゼンチンへと向かうにあたって、現金がないということは大問題だった。スキミング被害が相次ぐ南米でのカード使用は極力控えたかったからだ。ラパスを歩き回ってみたものの、闇両替・銀行もごく一部の取り扱いなうえ、レートはどこも厳しかった・・・
ラパス夜景

減り続ける僅かな米ドルに焦りながら、僕は旅を続けた。チチカカ湖の湖畔の町、コパカバーナでは何もせず無為に3日過ごした。湖ビューの部屋は1泊300円で、快適だった。移動続きだった南米で初めて落ち着けた場所だった。トルーチャという魚のフライが美味しかった。
コパカバーナ
コパカバーナホテルより
トルーチャ

コパカバーナの帰り、幸運が訪れた。何故か市内からは遠い空港の近くでバスを降ろされた僕は、なんとなく空港の中を散歩した。そして一軒の両替屋を覗いた。思いのほかレートが良かったのだ!(と言っても10000円→75$)僕は残り僅かな旅を乗り切れるくらいの米ドルを手にすることができ、安堵した。まぁ、何とかなるもんだなと、僕は懲りもせず思っていた。襲われても、お金がなくても、大抵の事は何とかなるもんだなと。
コパカバーナ市場

ラパスからはボリビア第二の都市サンタクルスへとバスで向かった。サンタクルスは治安が悪く、市内の市場は目つきの悪い不良少年たちがたくさん居て殺伐としていた。宿ではひったくりに気をつけろと念押しされた。バスターミナルにも少し緊張感があった。ボリビアの安飯メインフード「ポリョ」(フライドチキン)生活にも限界がきていた。だから僕はブエノスアイレスに向けて南下を急いだ。
サンタクルス市場
ポリョ

次回、イグアスの滝、南米ドラッグ横行地帯を記します。


世界一周ノート
上海→杭州→南寧→ハノイ→ホーチミン→シェムリアプ→チェンマイ→ルアンパバーン→バンコク→パンガン島→ペナン島→マラッカ→スマトラ島→ジャワ島→マニラ→シンガポール→ジョホールバル→シドニー→チェンナイ→ムンバイ→アグラ→デリー→バラナシ→ブッダガヤ→コルカタ→ダージリン→ポカラ→ルンビニ→ガヤ→カトマンズ→ポカラ→イスタンブール→カッパドキア→パムッカレ→ボドラム→ギアテネ→メテオラ→ソフィア→ブタペスト→ザコパネ→クラクフ→サラエヴォ→ザグレブ→ヴェネチア→ローマ→ミラノ→バルセロナ→タンジェ→フェズ→マラケシュ→カサブランカ→カイロ→ギザ→アジスアベベ→ヨハネスブルグ→ケープタウン→ドバイ→ニューヨーク→リマ→ナスカ→マチュピチュ→ウユニ→ラパス→コパカバーナ→サンタクルス・・・

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4.世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第54回 ヘルシンキ


Hakaniemi Market (トリップアドバイザー提供)

フィンランド共和国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

北欧デザインやモダン建築などの人気が高まるにしたがい、アクセスが容易なこともあって日本からの観光客は急増中。美しい街並みの散策、雑貨のショッピング、カフェ巡りなどが人気。隣国のエストニア・タリンへの小旅行やオーロラ鑑賞など、ヘルシンキを拠点にしたアクティビティも数多い。

ヘルシンキは各種の暮らしやすい街ランキングや旅行ランキングで上位常連となっている。市内移動もしやすく、街並みはどこを切り取っても絵になる。ヘルシンキ中央駅が街の中心で、周囲にはミュージアムやホテルが集まっている。駅から西側は教会やミュージアム、南側は大聖堂やマーケットなどの名所がひろがる。南西の港をはさんだ向こう側にはヘルシンキのシンボル、ウスペンスキー大聖堂が鎮座している。
Helsingin päärautatieasema to Hakaniemi  Helsinki  Finland   Google Maps
(画像:Google)

ヘルシンキ中央駅は長距離列車・市内交通が交差する街の要。緑の屋根と時計塔が名物。空港からのバスもこちらに停まる。開業1860年と歴史ある駅だが、内部は近代的で案内もわかりやすい。

The Railway Station (Rautatieasema) (トリップアドバイザー提供)

駅を出るとトラムの走る広い通り。赤レンガの古い建物やガラス張りのモダンな建物、ユニークな建物が通りを囲んでいる。

Kamppi Chapel of Silence (トリップアドバイザー提供)

駅から西へむかうとヘルシンキ現代美術館、通称キアズマ(Kiasma)がある。ほっこりイベントから過激な展示まで様々な企画が催されている。ミュージアムショップやカフェも評判が高い。


Museum of Contemporary Art Kiasma (Nykytaiteen Museo) (トリップアドバイザー提供)

さらに通り沿い、北西にむかうと国立博物館。石造りで格式のある建物で、高い尖塔が目印。
石器時代からスウェーデン統治、ロシア統治を経て現在までの歴史が展示されている。キリスト教伝来前のフィンランド神話を描いたフレスコ画が名物。

National Museum of Finland (Suomen Kansallismuseo) (トリップアドバイザー提供)

テンペリアウキオ教会は通称「石の教会」。第二次大戦以前に建造がはじまり、戦後1969年になってようやく完成した。岩を掘りぬき自然光をとりいれる設計がユニークで、景観と反響効果のすばらしさからコンサートの舞台としても使われる。

Rock Church (Temppeliaukio Kirkko) (トリップアドバイザー提供)

駅から東側にむかうとヘルシンキ最大の目抜き通りであるエスプラナード通りへ。石畳に緑が映え、瀟洒なショップが建ちならぶ。マリメッコやイッタラ、ムーミンモチーフの雑貨などがショーウインドウをかざる。

The Esplanadi Park (トリップアドバイザー提供)

エスプラナード通り沿いのヘルシンキ大聖堂および元老院広場はヘルシンキのヘソとも呼べる地点。広大な石畳の広場を見下ろす純白の大聖堂、広場を囲むクラシカルな建物はなんとも趣のある雰囲気。

Helsinki Cathedral (トリップアドバイザー提供)

Senate Square (Senaatintori) (トリップアドバイザー提供)

港沿いに向かうと海や船を背景にカラフルなテントがならぶマーケット広場。真っ赤なベリーやキノコなどの農産物から雑貨屋まで、様々なお店が集まり旅行者のテンションも上がる。屋台も多く出ており、朝食や小腹を満たすのにもいい。食べ歩いてもいいし座る場所も豊富にあるが、食べ物をねらうカモメに注意しよう。大聖堂の階段に座って元老院広場を見下ろしながら食べるのもおすすめ。

Kauppatori (Helsinki Market Square) (トリップアドバイザー提供)

マーケット広場の近くには老舗の食品店、オールドマーケットホールがある。高級百貨店のような趣ある建物の中には生鮮品からデリ、カフェまで様々な店舗が集まっており、ランチにもお土産選びにもよい。

Old Market Hall (トリップアドバイザー提供)

港の向こう側に見える赤レンガと緑屋根の建物がヘルシンキ名物のウスペンスキー大聖堂。
19世紀に完成したロシア正教の教会で、内部の壮麗な装飾がすばらしい。


Uspenskin Cathedral (Uspenskin Katedraali) (トリップアドバイザー提供)

街の南、トラムKolmikulma駅付近はデザイン・ディストリクトと呼ばれている。ミュージアムに加えてインテリアショップ、テキスタイルショップ、雑貨店やギャラリーが集まっておりフィンランドのデザインを概観できる。

Design District (トリップアドバイザー提供)


駅の北東、ハカニエミ(Hakaniemi)は創業100年にもなるヘルシンキの台所。農産品や魚介など旬の幸や生花、テイクアウトのデリをもとめて大勢の人でにぎわう。オープンエアのテーブルで名物のピロシキやスープを味わいたい。

ハカニエミからほど近く、カッリオ地区(Kallio)はエネルギーあふれるリベラルなエリア。もともとは労働者中心のすさんだエリアだったが、再開発によって学生やアーティスト、LBGTなどが集まる流行のエリアに変身をとげた。雑多で少し怪しげな雰囲気が魅力的。

Hakaniemi Market (トリップアドバイザー提供)

市街の北西、シベリウス公園は市民の憩いの場。
深い緑と海のコントラストが美しく、パイプオルガンをイメージしたというモニュメントとあわせてヘルシンキ屈指の写真撮影スポットとなっている。

Sibelius Park & Monument (トリップアドバイザー提供)

スオメンリンナ要塞はヘルシンキ郊外でもっとも人気のある観光スポット。
五稜郭をほうふつとさせる星型の要塞で、ロシアに対するヘルシンキの最終防衛拠点として建造されたが、後にはロシアに接収され逆にフィンランド攻略拠点となるなど数奇な運命をたどった。
現在ではカフェやミュージアムが点在するなごみスポットであるが、往時の大砲や塹壕も残されている。現在でもフィンランド海軍の基地がおかれている。


Fortress of Suomenlinna (トリップアドバイザー提供)


ヘルシンキはマリメッコのお膝元であり、街中にマリメッコショップがある。ただし品揃えの限られた小さなショップも多い。
圧巻のストックをほこるのはエスプラナード通りのフラッグストア、そして郊外のヘルットニエミ(Herttoniemi)にあるファクトリー・アウトレット。アウトレットはマリメッコ本社に隣接していることもあり、なんと一般に開放されている社員食堂がある。もちろん食堂のクロスも什器もマリメッコ仕様。


Marimekko (トリップアドバイザー提供)

フィンランドを代表する陶器アラビア。こちらのファクトリーショップも人気の観光地となっている。巨大な煙突が目印の工場は現役稼働中で、工場見学も催されている。併設ミュージアムでは歴代の代表作やヴィンテージ物を展示している。ショップで買いすぎてもその場で国際発送ができるので安心。

Arabia Factory Shop (トリップアドバイザー提供)


フィンランドで人気のアクティビティといえば、秋~冬に夜空を染めるオーロラ鑑賞。北部のロヴァニエミやサーリセルカはオーロラの名所として知られ、ヘルシンキからのアクセスも比較的容易。


Rovaniemi (トリップアドバイザー提供)


特別編:エストニア・タリン
エストニア共和国・国旗

(画像:Wikipedia)

ヘルシンキから最も近い外国はエストニア。
首都のタリンはフィンランド湾をはさんでヘルシンキから約85km、フェリーに乗って2時間ほどで着いてしまう。

エストニアはIT先進国として知られ、タリンも近代的なビルが建ち並ぶエリアがある一方、旧市街は中世の街並みが美しく保存されている。ヘルシンキから日帰りも可能だが、物価も安く食のレベルも高いタリンは魅力的な街。ぜひ宿を取って滞在したい。


Tallinn (トリップアドバイザー提供)



Tapahtuma Elamykset (トリップアドバイザー提供)

フィンランドは豊かな自然に恵まれているが、寒冷な気候の影響もありもともと食材のバリエーションはあまり多くなかった。伝統的な食材としてはトナカイやベリー類、ニシン、キノコ、夏に旬を迎えるザリガニなど。ロシアやドイツの影響がつよく、黒パンやライ麦パン、じゃがいも、ミートボールや乳製品の多用が特徴的。ロシアもドイツも美食のイメージはあまりなく、さらに食材が限定的なフィンランド料理の評価はこれまであまり高くなかったといえる。

風向きが変わったのは近年デンマークやスウェーデンを中心にニューノルディック料理のムーブメントが登場してから。
伝統的な素材をアレンジした斬新な料理はフィンランドにも影響をあたえ、洗練されたレストランが次々に登場。EU加盟以降はさまざまな食材が店頭にならぶようになり、食のレベルは急速に高まっている。

気軽な軽食としてはエビやサーモンのサンドイッチ、ピロシキ、タパスやピザなどが人気。市場に行けば様々なストリートフードを味わえる。

フィンランドはアイスクリームの一人当たり消費量が世界トップクラス。濃厚な乳に名産のベリーをあわせたアイスクリームはぜひ味わってみたい。

アルコールはやはりビールが主役。甘くコクのある銘柄が多い。ウォッカやロンケロ(Lonkero)というジンをグレープフルーツで割った缶チューハイ的な飲み物も人気がある。


Restaurant Sarkanlinna (トリップアドバイザー提供)


日本からの行き方

(空路)
成田からフィンエアーおよびJALの直行便がある。いずれも毎日就航で、往路は成田を昼に出て同日の午後着、復路は現地を夕方に出て翌午前着。所要10時間と短く、料金も10万を切るなど手ごろ。多くの場合は直行便がおすすめとなる。
フィンエアーは関空便、セントレア便もある。2016年には福岡便も就航の予定。

乗り継ぎ便ではアエロフロートのモスクワ経由便、中国国際航空の北京経由便、トルコ航空のイスタンブール経由便などが安い。
一部の格安チケットサイトでは、成田からセントレアに行き、フィンエアーのセントレア便に乗り継ぐという裏技的なプランがかなりの安値で出ることがある。

(陸路・海路)
ヘルシンキの場合、陸路はロシア経由になるため一般的ではない。
エストニア、スウェーデン、ドイツとのフェリー路線がある。
メジャーなのはやはりエストニアのタリンやスウェーデンのストックホルム航路。

(パッケージツアー)
ヘルシンキの高いホテル代を考えるとパッケージツアーは検討価値あり。

所要時間の短さからフィンエアーのプランが多く、5日間で9万円程度から(2名参加の1名価格)。
乗り継ぎのより安価なツアーとしてはトルコ航空などで6日間7万円台~というツアーもある。ただし現地滞在は実質3日程度。
フィンエアーと同じく直行便をもつJAL便のツアーはやや高めで、15万円程度から。
ロヴァニエミを周遊するツアーも人気が高く、6日間で12万円~。

(空港)
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HEL)は市街から北に15kmほど。
Skytrax社の2015年度エアポートランキングでは18位となっている。
ターミナルは2つあり、ターミナル1はジャーマンウイングスのベルリン便やスカンジナビア航空のコペンハーゲン便などの中短距離線が多く、ターミナル2はフィンエアーやJAL便などの長距離便が中心となっている。

空港からの足としては、ヘルシンキ中央駅までを結ぶ鉄道(Ring Rail Line)が2015年7月に開通したばかり。現在はバスで駅まで移動する必要があるが、年末にはターミナルへの直接乗り入れ工事が完成する見込み。シングルチケットの場合片道5ユーロ。
バスの場合、フィンエアーシティバス(片道6.2ユーロ)か615番のバス(同5ユーロ)を利用。
いずれの手段でも中央駅まで30分程度。
タクシーの場合、定額タクシーが60ユーロ以上。Uberなら40ユーロ程度。


地理と気候

スカンジナビア半島のふもと、ヨーロッパ大陸の北端に属する(一般にフィンランドはスカンジナビア半島に含まれない)。東はロシア、北にノルウェー、西にスウェーデンと接する。
ヘルシンキはフィンランドの南端に位置し、西のボスニア湾を越えるとストックホルム、南のフィンランド湾を超えるとエストニアのタリンがある。

全土が北緯60度以北に位置するが、暖流の影響で緯度からイメージするほど寒くはない。
ベストシーズンはやはり夏で、5月~8月の間。昼でも20度前後で大変過ごしやすく、5月~7月は白夜で活動時間も長い。高緯度で日射しが強いので対策を。
一方で冬は氷点下やマイナス10度もあたりまえの世界。寒さだけでなく日照も短い(昼の長さはわずか7~8時間)ため、かなり薄暗いイメージ。一方でクリスマスやオーロラ鑑賞など冬ならではの楽しみも多いので、あえてオフシーズンをねらうという手もある。
降水量は年間を通して少ない。

フィンランドと日本の時差はマイナス7時間。日本の正午が午前5時。サマータイムは3月最終日曜~10月最終日曜で、この間の時差はマイナス6時間。

Google Maps
(画像:Google提供)


言語と通貨

公用語はフィンランド語と、スウェーデン語。多くのフィンランド人は英語が話せるものの、街の看板やサインはフィンランド語表記も多い。
通貨はユーロ。1ユーロ=134.1円(15年10月時点)。およそ130~140円と覚えておけばよい。

物価の高さは悩みどころ。何をするにもおおむね東京以上というサイフに厳しい街。
値札は24%の消費税がのった税込み表示となっているので更に割高に感じるかも。

一泊1万円以下でホテルを探すのは難しく、2万円台もザラ。タクシーは初乗りで千円程度。
外食も値がはる。ランチの目安だが、カフェで1500円くらい、レストランなら3千円程度。ディナーでは手ごろな店でも5千円程度。テイクアウトのピザやファーストフードならなんとか千円以内でおさまる。ただし、チップの習慣はないため総額は他の西欧の国と同程度ですむかもしれない。

欧州は物価が高い国でも酒だけは安いことが多いが、フィンランドは例外。ビールも酒税が乗っているため日本以上に高い。スーパーで買えるのはアルコール4.7度までの酒(レベル3以下)のみで、より度数の高いものはAlkoという専門店で購入することになる。
また、公衆トイレは有料が多い(1ユーロ~)。

物価についてはネガティブな話ばかりであるが、救いは水。
ヘルシンキは日本と同じく水道水をそのまま飲める街で、軟水なので日本人のお腹にも優しい。店頭で水を買う場合は1ユーロ程度。

高い消費税は手厚い福祉を実現するために必要とされているが旅行者には関係のない話。一応、1店舗につき1日40ユーロ以上の買い物をした場合には10%~16%分の税が還付される制度がある。ただしホテルや食事は対象外となってしまう。

ユーロはできるだけ日本国内で両替していくのが鉄則。
ただしクレジットカードの通用度が高いので、フィンランドだけを観光するならば現金はそれほど必要ない。現地でユーロを使い切ってしまったら現地でクレジットカードからキャッシングするのがよい。

チップの習慣はほとんどなく、何か特別な用事を頼んだときのみで十分。


治安とビザ

フィンランドは安全なイメージがつよいが、スリや置き引きなどの軽犯罪はそれなりに多い。混雑した場所ではスリグループに注意。特に夏の観光シーズンは被害事例も多くなる。
被害が多く報告されているのはショッピングセンターやホテル、市場、観光名所。
なお、ヘルシンキ市内にいわゆる歓楽街はない(バーやクラブは豊富)。

夜中のヘルシンキ中央駅近辺やカッリオ地区の一部など、人通りの少ない場所や風体のあやしい若者がたむろっている場合もある。市内一部地域ではロシア系のマフィアグループが活動しているとされ、麻薬も蔓延している。ただし旅行者がまきこまれる心配はほとんどない模様。

3ヵ月以内の観光滞在はビザ不要。


市内交通

(メトロ・バス・鉄道・フェリー)
ヘルシンキの公共交通機関は大変充実しており、市街がコンパクトであることもあいまって、クルマやタクシーを使わなくてもなんとかなってしまう。公共交通機関にはトラム、バス、メトロ、近郊電車、そしてフェリーがある。

料金は交通機関にかかわらず共通で、ヘルシンキ市内の場合シングルチケット2.5ユーロ(車内で買うと3ユーロ)、携帯のSMSに配信するチケットが2.4ユーロなど。他にも2時間有効のチケット、夜間チケット、トラム専用チケット、12時間有効のSuomenlinnaフェリーチケットなどがある。60分以内で何度でも乗り降りできる(トラム→バスという移動も可)。
ヘルシンキをまたいでヴァンターなどに向かう場合はRegional2ゾーン、3ゾーンなどまたぐ市の数に応じたチケットを購入しなければならない。ヘルシンキ広域首都圏(ヘルシンキ市とヴァンター、エスポー、カウニアイネン)内のどこでも使える共通シングルチケットは5ユーロ。

旅行者にとって便利なのはデイチケット。1~7日の間で自由に有効期間を設定できる。1日有効で8ユーロ、3日間16ユーロ、1週間32ユーロなど。1日4回以上乗るなら迷わず1日チケットを選ぼう。

なお、乗車時はチケットリーダーでの検札を忘れずに。無賃乗車は80ユーロの罰金。

ヘルシンキカードはさまざまな特典がついたお得なカード。公共交通乗り放題にくわえ、主要なミュージアム(国立博物館、デザインミュージアムなど)や観光スポット(スオメンリンナ要塞など)の入場券、観光案内、レストランやツアー割引などの権利がついている。
24時間有効なヘルシンキ広域首都圏乗り放題カードが44ユーロ~、48時間で54ユーロ、72時間で64ユーロ。ヘルシンキ市内のみ有効なものは24時間で41ユーロと若干安くなっている。

(タクシー)
メーター制で安心して利用できる。流しのタクシーは一般的ではなく、ホテル前や観光スポットなどにあるタクシースタンドから乗るか、電話などで配車する。
初乗りが平日昼間で5.9ユーロ。以降1kmごとに1.55ユーロ(乗客2人までの場合、3人以上なら1.87ユーロ/km)。他にも夜間料金や空港チャージがある。

料金は高いが、チップ不要なのが救い。
スマホで配車、明朗会計で安心なUberもおすすめ。

(レンタサイクル)

This photo of Helsinki is courtesy of TripAdvisor

夏は昼も長く路面も良好なため、自転車を借りるのも楽しい。
ヘルシンキの自転車道は1200キロにもおよび、うち730キロが舗装されているという、自転車乗りにはうらやましい環境。
冬は滑りやすい路面に注意。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。


ホテル


Scandic Paasi (トリップアドバイザー提供)

北欧の例に漏れず、ホテルのレートは高め。
3つ星クラスでも1万円以上、4つ星ランクなら1.5万円、5つ星で2万円オーバーといったところ。冬場の場合、北欧の夜は短く必然的にホテル滞在の時間も長くなる。少しくらい高くても立地といごこち重視で選びたい。
ホステル、ゲストハウスならだいぶ手ごろになるが、それでも個室が5~6千円台、ドミトリーでも3千円を下回るものはほとんどない。

個人宅の部屋貸しサービスAirbnbならホテルの半額以下で個室が探せるが、レビューや立地をよく見てからにしよう。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
フィンランドの大手通信事業者はSonera、Cubio、Elisa、GoMobileなど。
プリペイドはSaunalahti(Elisa回線)、Sonera、DNA、TeleFinland(Sonera回線)の3ブランドがメジャー。

Saunalahtiの場合、プリペイドMAXプラン(Saunalahti Prepaid, maks)の場合は0.99ユーロ/24時間。つまり1週間利用なら0.99×7日=6.93ユーロとなる(筈です…)。3G回線のデータ無制限プラン(Rajoitukseton 3G)が24.90ユーロ。LTEの場合(Rajoitukseton 4G)は29.9ユーロ。他にも回線速度で様々なプランがある。

Soneraの場合、「Easy Prepaid」という音声重視プランが9.9ユーロ、うち7ユーロ分がチャージされている。12ヶ月間有効だがネットは従量制(1.91ユーロ/24時間)。
ネットをガンガン使うのであれば「Prepaid nettikayttoon」(英訳では「Prepaid Internet use」)というデータ無制限プランがある。LTE回線にも対応し、24.9ユーロで一ヶ月有効。

DNAの場合、「DNA Smart Prepaid」が7.9ユーロ。いくつかのプラン(サブスクリプションレベル)があり、通常のPerustaso(Basic Level)の場合は0.69ユーロ/24時間、月間3ギガ。つまり1週間利用なら0.69×7日=4.83ユーロとなる(筈です…)。LTE回線も使える。ネットをガンガン使うのであればHuipputasoプランを選べば無制限となる(0.99ユーロ/24時間)。
「DNA Dataprepaid Tablet 4G」というプランもあり、10ギガで24.9ユーロ。

TeleFinlandの場合、5ユーロで1ギガ、10ユーロで5ギガなど。

(WiFi)
マックなどのファーストフードチェーンはもちろん、個店のカフェやレストランでもWiFiが提供されている。公的機関や公共交通機関でもWiFiマークが掲げてあり、接続に困ることはない

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5. 旅の本屋 のまど イベント情報:
 11月6日 (金) 久保田由希さん スライド&トークイベント
 11月19日 (木) 織田博子さん スライド&トークイベント

Profile
プロフィール

旅の本屋 のまど

東京・西荻窪にある旅の本屋です。音楽、映画、思想、料理、宗教など、さまざまなジャンルから「旅」を感じさせてくれる本をセレクトしています。「旅」に関するイベントも定期的に開催中!
所在地:〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10司ビル1F
営業時間:12:00 ~ 22:00 定休日:水曜日
HP:http://www.nomad-books.co.jp/


新刊「かわいいドイツに、会いに行く」発売記念
◆ライター 久保田由希さん  スライド&トークイベント◆
「かわいいドイツを巡る旅の楽しみ方」

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新刊『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)の発売を記念して、著者でライターの久保田由希さんをゲストにお迎えして、かわいいドイツを巡る旅の楽しみ方ついてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。「歩いてまわる小さなベルリン」、「ベルリンの大人の部屋」など、これまでにドイツやベルリンに関する著作が多数ある久保田さんが今回注目したのは「かわいいドイツ」。ドイツといえば、一般的には質実剛健で真面目で地味、といった印象が強いと思いますが、本書では、おとぎの国のような美しい街並み、伝統が息づくかわいい民芸品や雑貨、おしゃれなカフェなど、定番的なドイツではない見どころ満載の「かわいいドイツ」のおすすめスポットが紹介されています。2002年以降、10年以上ドイツに在住している久保田さんならではの、貴重で最新のドイツのお話が聞けるはずです。久保田さんのファンの方はもちろん、ドイツの文化や歴史に興味のある方はぜひご参加ください!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


久保田由希(くぼたゆき)

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東京都出身。日本女子大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライターとなる。
ただ単に、住んでみたいという気持ちから、2002年にベルリンへ渡りそのまま在住。
著作やブログを通して、一人でも多くの人にベルリン・ドイツの魅力を伝えるべく情報を発信している。散歩をしながらスナップ写真を撮ることと、ビールが大好き。
著書に『ベルリンの大人の部屋』(辰巳出版)、『ベルリンのカフェスタイル』(河出書房新社)、『ドイツのキッチン・ルール』(誠文堂新光社)、『レトロミックス・ライフ』(グラフィック社)、『歩いてまわる小さなベルリン』(大和書房)など。

◆久保田由希HP「クボタマガジン」
http://www.kubomaga.com/


【開催日時】  11月6日(金)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
 主催:旅の本屋のまど
 協力:清流出版


新刊「女一匹シルクロードの旅」発売記念
◆イラストレーター 織田博子さん  スライド&トークイベント◆
「女一匹シルクロード&中央アジアの旅」

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新刊『女一匹シルクロードの旅』(イースト・プレス)の発売を記念して、著者でイラストレーターの織田博子さんをお迎えして、シルクロード&中央アジアの旅の魅力についてスライドを眺めながらたっぷりと語っていただきます。前作『女一匹シベリア鉄道の旅』では、モスクワから北京まで9000キロを駆け抜けるシベリア鉄道の旅を紹介した織田さん。新刊では、長距離バスを乗り継ぎ、中国は西安から、新疆ウルムチ、カザフスタン、ウズベキスタン、トルコまで、にぎやかなバザール、オアシスの街など様々な民族や言葉、文化、風景がまじりあったシルクロードの人々との交流を通じて体験したエピソードがマンガで綴られています。今回のイベントでは、女性である織田さんが一人でシルクロードや中央アジアを旅した際の貴重なお話が聞けるはずです。
織田さんのファンの方はもちろん、シルクロードや中央アジア、イスラム文化に興味のある方はぜひご参加くださいませ!
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※トーク終了後、ご希望の方には著作へのサインも行います。


織田博子(おだひろこ)

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1984年生まれ。食を旅するイラストレーター。 早稲田大学第二文学部卒業。2010年より「世界家庭料理の旅」プロジェクトを開始、世界各国をめぐりながら、家庭料理についてのフリーペーパーを発行する。現地の雰囲気あふれるイラストやマンガを描いている。著書に「女一匹シベリア鉄道の旅」(イースト・プレス)。

◆織田博子さんHP
http://www.odahiroko.skr.jp/


【開催日時】  11月19日(木)   19:30 ~ (開場19:00)
【参加費】   900円   ※当日、会場入口にてお支払い下さい
【会場】  旅の本屋のまど店内
【申込み方法】 お電話、ファックス、e-mail、または直接ご来店のうえ、
 お申し込みください。TEL&FAX:03-5310-2627
 e-mail :info@nomad-books.co.jp
 (お名前、ご連絡先電話番号、参加人数を明記してください)
  ※定員になり次第締め切らせていただきます。
【お問い合わせ先】
 旅の本屋のまど TEL:03-5310-2627 (定休日:水曜日)
 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
 http://www.nomad-books.co.jp
主催:旅の本屋のまど
 協力:イースト・プレス

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6. 編集後記

tabinote田口です
9月末から1ヶ月(観光ビザギリギリ)タイのチェンマイにいて土曜日に日本帰ってきたんですが、寒いですねえええ
Tシャツ半ズボン裸足サンダルの生活を1ヶ月続けてた身にこの寒さは落差ありすぎです、あんのじょう風邪気味、、

というわけでtabinoteメールマガジンVol.58をお送りします。
また痛ましい飛行機事故がありました。被害者の方のご冥福をお祈りします。
とは言え、実際に飛行機事故にあう確率は、自動車や自転車の事故で死亡する確率に比べれば遥かに少ないことは確か、僕はこれからも飛行機乗り続けますよ!
吉田さんの連載は電子ブックリーダーKindleのお話し。僕もまったく同じスタイルなのでKindleと小さい文庫本を1冊持って行きます。これでイミグレ混んでてももばっちり。
tabinote旅行記はワタベによる台北旅行の計画編。普通の旅行記はネット上にいくらでもあるけど、旅行計画を立てる手順を事細かに書いているものはあまりないと思います。
青木さんの世界一周ノートもいよいよ終盤。長旅の終わりのなんとも言語化しづらい寂寥感が醸しだされていて味わい深いです。あと、僕も南米行くときは米ドルの用意を忘れないようにしよう。
世界あの街この街はフィンランドのヘルシンキ。「(物価が)高い!」「(気候が)寒い!」というイメージしかない僕ですが、これ読むと結構行きたいところありますね。しかしやっぱりホテル代がネックか……

さて、tabinoteサイトに下川裕治さん、吉田友和さんのメルマガ連載を全編アップしています。
連載:下川裕治さん
連載:吉田友和さん
今後、柳下さん、さるころさんの過去有料連載も公開予定です。

そして、フェイントばかりだった新サービスですが、いよいよスタートします。
その内容は、メジャーな渡航先別に直近の最安値チケットが一覧できるという超便利なニュース配信!もちろん無料です。
安旅マニアも、たまにしか行かない方も、ぜひご活用下さい。
特にリリースなどは打たず、ある日突然ひっそりと始まる予定です。
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では、次号もよろしくお願いします。
次回は11月17日(火)の発行予定です。


発行:有限責任事業組合tabinote
http://tabinote.jp

※本メルマガの連載原稿または寄稿、告知などの著作権は著者・情報発信元に帰属します。その他の著作権および全ての編集著作権はtabinoteに帰属します。記事の引用・転載は出典を明記いただくとともに、諸関連法規の定めに従っていただきますようお願いいたします。

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