4. 世界あの街この街: アムステルダム


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第51回 アムステルダム

オランダ・国旗

(画像:Wikipedia)

見どころと特徴

運河と風車、橋が織りなす街並みは欧州でも有数の美しさ。移民を多く受け入れてきた歴史と自由な雰囲気も魅力的。欧州でも有数のミュージアム群をほこり、国立ミュージアムやゴッホ美術館など古典の名作から生々しい近代史を紹介するものまで見どころだらけ。
高尚な芸術なんて興味ねーよ!という向きにも安心の裏観光スポットも多く、楽しみ方は奥深い。

アムステルダムはオランダ最大の都市。首都はデン・ハーグとなっており行政施設が集中する。街の構造はわかりやすく、中心となるダム広場を5本の環状水路が取り囲んでいる。
一番内側の運河は「シンゲル(Singel)」、外側5番目の運河は「シンゲル運河(Singelgracht)」とよばれるので区別に注意。
Dam Square to Bloemgracht  Amsterdam  Netherlands   Google Maps


王宮に隣接するダム広場とアムステルダム中央駅を結ぶダムラック通り(Damrak)が街の中心。両替所や安宿なども多く、旅行者にとってのホームでもある。東京駅のモデルといわれる中央駅は見事な建築。歴史を感じさせるダム広場までの通りは実に絵になる。広場には若いカップルや旅行者、大道芸人からちょっと怪しげな連中まで多様な人々が集まる。

Dam Square (トリップアドバイザー提供)

広場から東にむかうとレンブラント・ミュージアムがある。実際の居室を再現しており、有名な作品からデッサンの小品まで数多くのコレクションを展示している。特別展やワークショップ、映像上映などイベントも多い。
近隣にはウォータールー広場(Waterlooplein)があり、青空市場が催される。

Museum Het Rembrandthuis (Rembrandt House) (トリップアドバイザー提供)


Waterlooplein Market (トリップアドバイザー提供)

南西の方角に向かうとミュージアムの集まる広場へ。
途中には世界一美しい映画館と称されるトゥシンスキー劇場がある。は、世界で最も美しい映画館のひとつと言われています。アールデコ調の豪華なつくりは名門オペラハウスのよう。もちろん現役で映画も上映している。

Tuschinski Theater (トリップアドバイザー提供)

シンゲル運河をこえると2つの塔がそびえる国立ミュージアムへとたどり着く。レンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」など、教科書レベルの名画がずらりとコレクションされているアムステルダム最大の観光名所。

Amsterdam Musee (トリップアドバイザー提供)

Rijksmuseum (トリップアドバイザー提供)

ゴッホ美術館は国立ミュージアムのすぐ南。クラシックな国立ミュージアムと対をなすモダンな建築で、別館は黒川紀章による設計。ゴッホの作品を年代順に収蔵している他、影響を受けたとされる浮世絵やゴーギャン、ロートレックといった同世代の作家の展示もある。油絵200点、デッサン500点、浮世絵500点など充実の品揃え。ミュージアムショップも楽しい。

Van Gogh Museum (トリップアドバイザー提供)

シンゲル運河を東に進むとハイネケン・エクペリエンス。いわゆる大人の社会見学というやつ。ハイネケンの製造工程からアトラクションまでサービス精神もばっちり。もちろん見学の最後にはキンキンに冷えたビールが楽しめる。ビール好きならぜひとも訪れたいところ。

Heineken Experience (トリップアドバイザー提供)

さて、ここから再び中心部へむかって移動。
レジスタンスミュージアムはナチスドイツ時代のオランダと抵抗する市民活動の様子を紹介する施設。戦時下の緊迫した様子を伝える遺物から子供向けの展示までがそろい、旅行者の評価は高い。
ダムラック通りの西側にあるアンネフランク・ハウスと合わせて訪れたい。こちらはアンネ一家が実際に潜伏していた自宅をミュージアムとして公開しているもので、年間来場者数が100万人を超えるというアムステルダムでも屈指のディスティネーション。行列のすごさでも有名なので、事前予約を推奨。

The Resistance Museum (トリップアドバイザー提供)


Anne Frank House (トリップアドバイザー提供)

アムステルクリング博物館、通称「屋根裏教会」はプロテスタントが牛耳っていた時代のアムステルダムに設立された歴史あるカトリック教会。隠れキリシタン寺のオランダ版といったところだが、日本のような弾圧はなかった模様。

Our Lord in the Attic (トリップアドバイザー提供)


ダムラック通りの東側はデ・ワーレン、アムステルダム最大の裏観光名所である飾り窓地区となっている。このエリアは売春合法地帯で、週末は国内外から客が訪れる。外国人には非常に人気があるエリアで、現地ツアーも多い。日本語の案内もちらほらと見かける。
ダムラック通り沿いに鎮座するのはアムスの秘宝館ことセックスミュージアムと売春博物館。どちらも思わず笑える展示からえげつないものまで、濃密な時間が待っている。

Red Light Secrets – Museum of Prostitution (トリップアドバイザー提供)

隠れた人気を誇るのは拷問博物館。こぢんまりとしているが展示内容や照明などおどろおどろしく、場末感もたっぷり。

Red Light Secrets – Museum of Prostitution (トリップアドバイザー提供)

もはや日本での展示は不可能と思われる「人体の不思議展」もこちらでは健在。ダムラック通り沿いにあり、結構にぎわっているのがアムステルダムらしい。


ふたたびほっこりモードへ。
内側の運河・シンゲル沿いはフラワーマーケットとして名高く、通り沿いや船の上が売り物の花で彩られる。街歩きの2日目は運河ツアーに参加するのもおすすめ。アムステルダム中央駅やハイネケン・エクスペリエンス付近に発着場がある。日が落ちると運河に夜景がうつりなまめかしい。

Flower Market (トリップアドバイザー提供)

Exposure Photo Tours, Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

アムステルダムは店じまいがはやめ。たいてい18時に閉まってしまう。ショッピングは早めにでかけよう。


アムステルダムはモダンな建築でも名高い。アイ湾(Het IJ)沿いのウォーターフロント地区、ボルネオ島やジャワ島近辺には個性的な現代建築がそろっており、マニアにはたまらない。

Amsterdam Photo Safari (トリップアドバイザー提供)


Python Bridge (トリップアドバイザー提供)

Ookmeerweg---Google-Maps
(画像:Google-Oklahoma)


せっかくオランダにいったのなら、郊外の名所にも訪れたい。
キューケンホフ公園は市街中心部からおよそ30km。3月半ばから5月半ばの8週間のみ開園する庭園で、地面を埋め尽くすような圧巻のチューリップ畑が有名な人気スポット。

Keukenhof (トリップアドバイザー提供)

アムステルダム市内でも風車を見ることができるが、やはり訪れたいのはキンデルダイク。18世紀に遡る歴史ある風車群で、巨大な19基もの風車を背景に沈む夕陽は絶景。帰りはアムステルダムに戻ってもいいし、ロッテルダムに宿をとるのもいい。



The Mill Network at Kinderdijk-Elshout (トリップアドバイザー提供)



Jacketz Oud-West (トリップアドバイザー提供)


MAX Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

イギリス、ドイツと同じくプロテスタントのお国柄であり、食についてはあまり期待できない…、という評価は過去のもの。
オーガニック食材やファーマーズマーケットなど食への意識は高まっており、伝統的な煮込み料理からアジアンフードまでバラエティも豊か。

オランダ料理に欠かせないのは熟成度の高いソーセージ(サラミ)やチーズ、そしてニシンの漬けもの。野菜の煮込みを添えたりサンドイッチにしたりと素材をいかしてシンプルに味わうことが多い。また、ジャガイモは主食といっていいほど多用される。ムール貝や牛肉のビール煮、濃厚なシチューやザワークラウトなど周辺国ベルギー、ドイツ、フランスの味わいもポピュラー。
移民が持ち込んだエスニックフードも豊富で、特にインドネシア料理のレベルは高い。

隣国ベルギーと同じくビール大国で、ハイネケンのお膝元でもある。ライトなものから度数の高いもの、濃厚な味わいのものまで数多くそろっている。

コーヒーも名物で、そもそもインドネシアにコーヒーを持ち込み一大産地としたのはオランダ人。市中には歴史あるカフェも多い。
なお、アムステルダムのカフェはコフィーハウス(Koffiehuis)、コーヒーショップ(Coffeeshop)は大麻ショップを指すのでご注意(ということくらい、アムステルダムに行こうとしている方なら常識ですよね…)。

(画像:柳下毅一郎)


日本からの行き方

(空路)
なんといっても便利なのはKLMオランダ航空による直行便。
成田・関空から毎日運航している(成田の火木土日は1日2便)ほか、福岡からも運航している。いずれも日本を午前に出発し同日午後3時頃到着(成田の2便目は午後発19時着)。
料金も安く、燃油込みで10万を切ることも珍しくない。

一方乗り継ぎであれば中東系が安く、エディハドやカタール航空で7万円程度のものも。所要時間は長いものの、日程に余裕があれば検討したい。

(パッケージツアー)
中東系エアラインやトルコ航空を使った比較的安めのツアーが多い。5日間で9万円程度。2人旅なら航空券代とさほど変わらないこともあり、検討価値は高い。

(陸路)
鉄道や高速バスで近隣国から向かうことができる。
ブリュッセルからは高速鉄道でおよそ3時間、フランクフルトからは4時間、ベルリンからは6時間、パリからは3時間と、かなり近い。チェックイン時間や空港移動などを考えると飛行機よりも早いことも。
スキポール空港駅にはアントワープ、ブリュッセル、パリ、ベルリンなどから直接高速鉄道が乗り入れており、都市間の移動も容易。

(空港)
市街の南西、およそ15kmに位置するのがスキポール空港(Schiphol Airport;AMS)。1916年開港と世界でも屈指の歴史をほこり、現在でも利便性と最新設備が評価されている、欧州を代表する名空港である。もちろんKLMオランダのハブ空港となっている。
単一ターミナルで移動がしやすく、欧州各地への乗り継ぎも容易。

空港から市街への移動手段も充実しており、鉄道でアムステルダム中央駅までわずか15分(4ユーロ程度)。
タクシーならおよそ20分程度。料金は大手TCA社の場合中心部まで定額40ユーロとなっている。メーターで行った場合には45ユーロ程度かかるので料金を確認しておこう。
空港からのバス(Amsterdam Airport Express)も安く、料金は5ユーロ程度。主要ホテルを巡るConnexxion社のシャトルバスは17ユーロ。

アムステルダムへの短期滞在なら「アムステルダムトラベルチケット」がお得。空港からの移動と市内交通がセットになっており、1日券が15ユーロ、2日券が20ユーロ、3日券が25ユーロとなっている。空港到着ロビーのチケット&サービスカウンターや観光案内所で購入できる他、市内のホテルや交通局カウンターでも入手できる。
また、「オランダパス」「アムステルダムシティカード」「ミュージアムカールト」という各種のパスもあり、それぞれ適用範囲が異なる。場合によってはパスの内容を使い切れず割高になることもあるので、事前に比較しておこう。




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地理と気候

オランダは西ヨーロッパの北部、ドイツとベルギーに隣接しており、北海に面している。国土の多くが干拓地であり、スキポール空港も海面下にある。
アムステルダムは北緯52度と樺太やバイカル湖にあたる高緯度だが、暖流と都市化のためそれほど寒くならない。冬は昼間5度程度、夏でも20度台で、30度を超えることはあまりない。夏場は夜9時頃まで明るい。

ベストシーズンは5月~8月だが、キューケンホフ公園の開園する3月半ばやチューリップが開花する4月の人気も高い。。
オランダはクリスマスを2回祝う。11月中旬が1回目で、聖ニコラスを記念したパレード。12月になると5日の聖ニコラス祭を経てクリスマスマーケットが建ち並ぶ。

日本との時差はマイナス8時間。日本の正午が午前4時。3月最終日曜日から10月最終日曜までサマータイムで、時差はマイナス7時間。


(画像:Google)


言語と通貨

公用語はオランダ語だが、オランダ人はふつうに英語を話す。英語で全く問題ない。

オランダ人(ゲルマン系)がマジョリティであるが、アムステルダムは積極的な移民政策のかいもあって様々な人種が共存している。アフリカ、中東のほか、かつての植民地であるアジアからの移民も多い。
通貨はユーロ。1ドル=136円程度(15年9月時点)。

物価は高め。特に、旅行者3大支出のホテル、外食、タクシー代はいずれも日本より高く感じる。ホテルは3つ星で100ユーロを超える。外食は安くても12ユーロ、タクシーは初乗り7.5ユーロ。
比較的安いのは食料品。長期滞在の場合はキッチン付の宿で自炊するか、テイクアウトの利用でしのごう。

クレジットカードの通用度はそれなりに高く、多額の現金を持ち歩かないという意味からも積極的な利用を推奨。ユーロの両替は日本で行うのが鉄則。
6~21%の付加価値税がかかるが、レシート1枚あたり50ユーロ以上の買い物で還付制度がある。

チップはタクシーに1割程度、レストランも代金の1割程度、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ユーロ程度。サービス料が含まれていれば不要。


(画像:Wikipedia)


ビザと治安

フリーダムな雰囲気から予想できる通り、身辺にはそれなりに注意が必要。
旅行者をねらったひったくり、スリ、置き引き、盗難などの被害は多く、特に大金を持ち歩きがちな日本人はねらわれやすいとされている。
主要な観光地や交通機関、特にダム広場やゴッホ美術館、スキポール空港、アムステルダム駅、駅とダム広場を結ぶダムラック通りなどでスリの被害が多く報告されている、
ダム広場周辺や飾り窓付近はホームレスやキマった連中も多く夜はかなり不穏な雰囲気。写真撮影も控えた方がよい。

なお、マリファナの個人所有(2グラム以内)が黙認されているのはオランダ人に対してであることに注意しよう。日本の大麻取締法は国外での所持をも対象としている。日本人が現地のカフェでブハっとやったらもちろん違法となる。
指定場所以外での屋外喫煙やハード・ドラッグの使用は現地でも違法となり、厳しく取り締まられている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。オランダ出国時にはパスポート有効期間が3ヵ月以上必要。


市内交通

市街はそれほど広くないため、徒歩でもそれほど不自由はない。

(トラム・バス・鉄道・メトロ)

This photo of Park Plaza Vondelpark, Amsterdam (トリップアドバイザー提供)

公共交通機関が網の目のように張り巡らされており、特にトラムは旅行者にとっても移動にかかせない足。
メトロ・バス・トラムはすべてアムステルダム市営交通会社(GVB)による運営で、チケットも共通。1時間券が2.8ユーロ、1日券が7.5ユーロ。中央駅の正面にGVBのビルがあるので、各種チケット購入はそこで可能。

OVチップカードというプリペイドカードが便利。旅行者は無記名式のものを利用する。カード代は7.5ユーロで、無料利用分は含まれない。5年間有効。電車を利用する場合には20ユーロ以上のカード残高が必要となる。

短期滞在なら上掲の「アムステルダムトラベルチケット」をはじめとした各種パスの検討も。

(タクシー)
ホテルや観光地などのタクシー乗り場に停車している。流しのタクシーは拾えないので注意。「T☆K」というステッカーの貼ってあるタクシーは認定制度をクリアしたドライバーの証であり、安心して利用できる。

初乗りが2kmで7.5ユーロ、以降1kmごとに2.2ユーロ。タクシーを待たせる場合の上限は1時間あたり33ユーロ。おつりの小銭をチップで渡せばOK。

鉄道駅では割り安な相乗りタクシー(トレインタクシー)を利用することもできる。

(レンタサイクル)

Wheely Dutch Bike Tours – Day Tours (トリップアドバイザー提供)

オランダ人の自転車好きは有名で、人口より自転車台数の方が多いともいわれる。国外でもその自転車狂っぷりは変わらず、自転車各国の空港でロードバイクを組み立てている旅行者をみたら高確率でオランダ人とみてもいいほど。
当然市街や交通ルールも自転車にやさしいつくりで、現地で乗らないのはソン。レンタルサービスを活用してライドを楽しもう。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。アムステルダムにはかなり多くの登録者がいる。


ホテルとシーズン


Lloyd Hotel & Cultural Embassy (トリップアドバイザー提供)

ホテルのレートはヨーロッパの標準的な水準で、すなわちやや高め。
3つ星ホテルが1.5万円程度、4つ星なら2万円台となる。
ただし、安宿もそれなりに充実している。ダム広場やミュージアム広場周辺はリーズナブルな宿がそろっている。ホステルなら安いドミトリーで2千円~、個室なら4千円~。

7~8月はハイシーズンで、レートも高めになる。

宿代はオランダ滞在のネックなので、個人宅の部屋貸しサービスAirbnbの利用もお勧め。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
オランダの大手携帯会社は、T-Mobile、KPN、Vodafone、MVNOのLebaraなど。
プリペイドSIMの購入は簡単で、空港や市中の通信キャリアカウンターで購入できる。アクティベートも即時。

T-mobileの場合、10ユーロで200メガ。1メガにつき0.05ユーロ。
旧国営KPNの場合はバリエーションも多く、1ギガで20ユーロ、5ギガで25ユーロなど。
Vodafoneの場合は700メガで15ユーロ、1ギガで18ユーロなど。
NOSの場合、4週間1ギガで12.5ユーロ、8週間2ギガで25ユーロなど。

LebaraはKPNの回線でカバレッジも広く、日本語の情報も多い。500メガで5ユーロ、1ギガ10ユーロなど。

レンタルルーターの場合、一日800円程度。

(WiFi)
多くの欧州の大都市同様に、多くのカフェや公共機関でWiFiが利用できる。