3a. tabinote旅行記 ベトナム旅行2~3日目 【古都フエ】


3a. tabinote旅行記 ベトナム旅行2~3日目 【古都フエ】

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キムラリュウジ

株式会社ニューロマジックに勤務する傍ら、the coleslaw、Sloppy Joeという2つのバンドのドラマーとして活動中。

キムラリュウジのニツキ

 
前号に引き続きキムラリュウジさんのベトナム旅行記(2日目から3日目)を掲載します。
内容は2015年5月の体験にもとづいています。


2日目【古都フエでの暮らしに思いを馳せる】

午前中は仕事をして過ごす。Wi-Fiの電波が芳しくないようで、メール一通送るにも難儀する。Wi-Fiの入りの良し悪しはどの部屋に当たるかってところの運なので、こればかりはどうしようもない。

部屋自体は居心地が良い

昼前くらいにホテルを出発して麺を食べに行く。アジアにきたらやっぱ麺でしょ、麺。まあ、日本でも麺ばかり喰っているが。

しっかし暑い。なのにあろうことかジーンズを履いて出てきてしまった。明らかにミスチョイス。しかも厚手のジーンズ。風通しが圧倒的に良くない。お店に着くまでに既に滝汗。

ブン・ボー・フエというフエの名物麺を出している、その名も「ブン・ボー・フエ」というお店に。12時ちょい前の時間だがすでにいい感じに混んでいる。ベトナムの飲食店におけるローカルマナーがよくわからないまま何となく入店し、「1名だよ」ってアピールをしながら席につく。おそらくそんなアピールせずに席につくのがベトナムマナーなのだろう、今日この後に入った幾つかのお店での反応からすると。人差し指を立てながら「ワンパーソンオーケー?」とか言いながら入ってくる東洋人を、訝しがっているように見受けられた。

オーダーをとりにくる感じでもなく放置され気味だったので、何となく人の良さそうな店員さんに目線を合わせて隣の人が食べているものをくれ、というジェスチャーをしたところ、応じてくれた。ほどなくしてブン・ボー・フエが目の前に供された。

あっさりとしつつピリ辛のスープに柔から目の米麺。具は煮込んだ豚肉が入っている。香草は別盛りでたんまりと出てくる。辛さは調整可能で、島とうがらしのようなものが器に入って置かれていて、好みに合わせて投入可能。いい出汁が出ていて非常に美味しい麺。香草は苦手なのだが、ベトナムに来ておいてそれを食べずに逃げまわるのは不可能に近いので、覚悟を決めて食べるようにしている。ってかこの旅行をきっかけに香草好きなレベルまでもっていきたい、いけるのなら。

麺をすすっているうちに肉まんのようなものがすっと差し出された。店員さんは目の色一つ変えずに当然のように差し出してきたが頼んでいないぞ、オレ。まあ、出てきたものを突っぱねるのもなんか野暮だなと思い、その肉まんを頬張る。バイン・バオと呼ばれるもので、なかにうずらのたまごがはいっていたりちょっと変化球な感じはありつつも具材にいい感じの味が染みこんでいて美味しかった。

それにしても本当に暑い。暑い中、辛い麺を食べているので当然体温が上がる。ほどなくして汗まみれになっていた。ジーンズで出かけてきたことを更に悔やんだ。

お会計は50,000ベトナムドン。日本円にして250円くらいか。バイン・バオつきでこの値段なら何も文句はない。この物価の安さは嬉しい!

ブン・ボー・フエ。香草は自分で好きなように投入


涼しそうに見えますが、気温は34℃

さて、ジーンズ履いていたら行動に支障を来しそうなので、着替えのために一時ホテルに帰還。

僕が泊まっているホテル、サイゴンモリンは新市街と旧市街の境目のようなところ位置していて、どこへ行くにも大変便利。この時のように着替えに帰ったり荷物を置きに行ったりシャワーを浴びに行ったり、をこまめにできるのもホテルが中心地にある利点。異国の地では何が起こるかわからないところがあるので、拠点が中心地にあるのは心理的にも安心できる。

さくっと着替えて街歩きへ。王宮へ向かう。ベトナム最後の王朝である阮(グエン)朝の都が置かれていたのがフエであり、その王宮跡があるのだ。これらの古の建造物群はユネスコ世界遺産に登録されている。

王宮は旧市街に位置しており、新市街からアクセスするにはフォーン川に架かった橋を渡る必要がある。橋の長さは200メートルくらいだろうか。遮るものが何もなく直射で太陽の日差しを受けながら歩くのは、当然のことながら暑いわけだが開放感があって気持ち良い。川辺に生えている木々の形やそのそばに点在する建物の形が日本のそれとは大きく異なっており、そんな些細な事からも旅情をかきたてられる。


橋の上から新市街を望む

王宮のまわりには堀があり、そこを渡ると王宮内に入ることができる。お堀の水は緑に濁っていてドブ川さながらの悪臭がした・・・。まあ、そのへんは仕方がないのかな。

王宮内は適度に手が入れられていて、言い換えると適度に当時のままを放置されている感じがして、およそ100年前を空想するにはちょうど良かった。あまりにもキレイに整えられて観光地然としていると、その当時とのギャップを想像で埋めるのが難しくなる。そういう意味で程よかった。

混み具合もちょうど良かった気がする。広大な敷地の中を奥へ奥へと進むにつれて人が少なくなり、気が付くと周囲には自分一人になっていた。当時はこの敷地に何百何千という人が寝起きをし、日々の営みとともに様々な歴史を刻んでいたことを空想してみたりした。


王宮の外堀。キレイではない


王宮の内側へ


内堀も、キレイではない


王宮の目印、フラッグタワー


ここをくぐると王宮内部へ


広いです


回廊で繋がっている

王宮を北東方向に抜け、ドンバ市場へ。旅先の市場を覗くのはいつも楽しい。美味しい物や珍しい物に出会えたり、その地の活気を肌で味わえるからだ。

花屋、貴金属店、薬屋、カットフルーツ屋などなどが軒を連ねる表通りを巡った後に川沿いに面する裏通りへ。よりディープなエリアが広がっていた。米、コーヒーなどを扱うお店の他に、香辛料や野菜を扱うお店の個性がなんとも印象的。日本では到底お目にかかれないような食材の宝庫であることと同時に、そのスタイルが超独特というか。一言でいうと「汚い」んだが、そこにいる人々にとって至極当然の環境。日本人の僕からみたら奇妙な光景であるのに、客観的に見ようとしてみるとそこは完成された空間であることに気づく。異質なのはむしろ僕の方だろう。

この大量な野菜は無駄にならずに消費されるのだろうか。赤と緑のコントラストが目に痛いほどつやつやしている唐辛子、紫色を帯びたにんにくの山。生命の溌剌とした瑞々しさがパワーを放っていたが、それは刹那的なものであり、いつかは腐敗していく。明日にはなればまた新鮮な物達がまたこの場に運び込まれてきて、売られ、循環していく。がっちりとパワフルな生活の営みの歯車が回っていることを感じた。


市場へ


大通りに面したところ。人通りも多い


クルッと回りこんで市場の裏通りへ


ディープなゾーン



何故か床屋さんが並んでいます





埃っぽい空気の中、境目なく店が並んでいる




目にも鮮やかな野菜や香辛料の数々。この量が日々消費されているのだろうか

またホテルに一旦戻りシャワー。


バイクの勢いがすごいっす

夕方になりそろそろどこかで飲み始めようか、ということでホテルを出たらすぐさま雨が降り始めた。部屋には傘が常備されていたが、取りに帰るのも面倒だ。そのまま雨に濡れつつ歩くことに。しかし雨足は弱まるどころか勢いをましていく。時折木陰で雨宿りしながら着いたのが「バードイ」というバイン・カインという麺のお店。バイン・カインはあっさり目のスープにうどんによく似た麺が入った料理。麺の原材料は米である。食感はさぬきうどんに似ているかな。つまりコシがある麺。とっても美味し。


バイン・カイン。スープと麺のマッチングが素晴らしい

店を出ても雨が弱まる気配はない。二軒目に行こうにもこれではずぶ濡れなので道すがらの喫茶店へ入る。「ワンパーソンオーケー?」と聞きながら店内に入って行くも、またしてもめっちゃキョトンとされて怪訝な顔をされて同僚の店員に「ヘルプ!」とか言っている。なんか切ない(笑)。

英語が分かる店員さんと話をつけてビールをオーダー。ホッとして席につく。

東南アジアのお店ではビールに氷を入れる。気温が高いからすぐにビールがぬるくなってしまうからだろうが、日本の習慣になれている僕としてはどうしても馴染めないところがある。このお店でもグラスに氷が入ってきたので「いらないよ」って言おうとしたが、渡されたビール缶を持ってみたら全く冷えていなかったので甘んじて氷入りを受け入れた。

隣の席の男女6人集団はトランプに興じている。ものすごい盛り上がりっぷりだ。トランプでそこまで盛り上がれるなんて、なんかちょっとうらやましい気持ちにもなった。


氷が入れば飲み頃に

雨もそこそこあがったので行動再開。街の南東方面へ。目当てにしていたお店に着いたのだが、あまりにもお客さんがおらず閑古鳥が鳴いていたので入店回避。近くにあった混み合っている食堂に入った。いかにも街の食堂という感じで、老若男女が思い思いに楽しんでいる。よい雰囲気だ。タイガービアと空芯菜炒め、イカフリッター、シーフード焼きそばを注文した。

隣席の若者6人組はガンガンビールを飲みながら、時折嬌声を上げている。何がそんなに楽しいのかと思って観察してみたところ、いっせーのゲームで盛り上がっていた(!)何か掛けでもやっているのだろうか。ビリを免れた人はハイタッチをして喜びを爆発させている。少し異様に感じつつも、楽しそうな雰囲気にこちらも楽しい気分になった。


空芯菜炒めはテッパン


焼きそばもスパイシーでビールによく合う



みなさん箱で頼んで飲み終わった缶を床に放置していくスタイル。これはこれで潔い様式美がある

店を出た頃には雨はほとんど止んでいた。今日という一日を十二分に生き、気絶するように眠りについた。


3日目【暮らすように旅をする】

6時に起床し、朝からやっているフォーのお店を目指す。

こちらでは6時位から営業している食事処が結構多い。そのフォーのお店も6時からやっているようだ。日本で言う富士そばや吉野家のようなものか?

と、フォーのお店への道すがら、ブン・ボー・フエのお店が賑わっている。道の反対から眺めているうちにどうしてもこの賑わいの中に混ざりたくなってきて、入店。フォーはやめてブン・ボー・フエにした。

昨日食べたものよりも最初から辛味があり、具はレアの牛肉、鶏団子、豚団子が入っていて美味い。レバーペーストを寒天状に固めたような物体も入っていたが、直感的に口をつけるのを避けた・・・。


昨日よりも辛め。左端の物体はなんだったのだろう…

食べているうちにドンドン客が増えてくる。バスで団体客が立ち寄ったりもしている。ツアーのお決まりポイントなのだろうか。団体客の勢いに気圧されつつもマイペースに美味しく完食。

食べ終えたと思ったら突然お腹の具合が活発になってきた。ベトナムのトイレも、アジアでは定番の「紙は使わず手で洗う」スタイルのところが多い。市井の食堂なんかは当然例に漏れずそのスタイルである。急いでホテルに引き返す。こういう時のためにも拠点が近くにあるのは嬉しい。

ホテルでは11時くらいまで昼寝(朝寝?)。予定を詰め込み過ぎると疲れて体調を崩すのでゆったりめのスケジュールに。名所旧跡めぐりをせずとも、その土地の空気を吸ってそこにいるだけで満足だったりするので、のんびりすることを良しとしている。

ホテルの部屋で腕立て腹筋スクワットをひと通りこなし、シャワーを浴びて外出。ホテルから川沿いに北西の方向にある安宿が集まるエリアに赴く。安宿があるということはバックパッカーが集まる場所であり、安くて美味い食堂や土産物屋も集まっていたり、独特の雰囲気があったりして面白い。タイのバンコクだとカオサン通りのようなところか。


時間帯によってホテルのエレベーター内の敷物の言葉が変わる


あちぃっす

ハンというバイン・コアイのお店へ。バイン・コアイとはバイン・セオのミニ版のようなもの。お好み焼きに似たカリッとして生地の中にもやし、豚肉、エビなどが入っていて、ピーナッツソースをかけながら食べる。このお店では付け合せに野菜がたっぷりついてきた。野菜はいわゆる香草なのであろう、様々な香りを発し、独特の味わいだ(まだ慣れない・・・)。フエローカルの「フェスティバルビール」を飲みながらのんびりお昼。


バイン・コアイ


フェスティバルビール


飲んでますの図

安宿街は予想通りの歩き甲斐のあるエリアだった。捉え方によっては「危険なエリア」と言えなくもないが、普通に用心していれば難なく過ごせるところだろう。カオティックなところを見る事こそ旅の醍醐味だと思っている。美味そうな飲み屋もいくつか発見できたので夜にまた来てみることにする。




ぶらぶら散歩

ホテルに一度戻り、パソコンを持ち出して川沿いのカフェへ。ひと通り街の中を歩きまわった感じなので、ブログ記事を書くのと読書に時間を使う。のんびりできてこれはこれでとても有意義だ。


あまーいベトナムコーヒー

18時ころホテルにパソコンを置いて、再度昼間に行ったエリアへ。夜は少し妖しい雰囲気が増していて昼間とはまた違った表情だ。

通りを少しぷらぷらした後にDMZエリアの割と西洋の雰囲気のある開放的なレストランへ。一階がバースペースになっており、二階がレストランという作りだ。春巻き、エビチリのようなものをオーダー。春巻きは串に刺さってかつその串がパイナップルに刺さっているというなかなかアバンギャルドな過剰演出盛り付けになっており度肝を抜かれた。予想外というか案の定というべきか、味はイマイチであった。のんびり3杯ほどのビールを流し込み、次の店へ。


お店の二階から


ここでもフェイスティボー!!


インパクト勝負な春巻き

20分ほど歩いて、フォーサイゴンというフォーの専門店へ。フォー・ボー・タイをオーダー。レア牛肉の入ったフォーですね。あと、当然ビールを。ここのフォーは麺がいかにも手作りという感じの均一じゃない製麺。均一でツルッとした麺よりも一層汁が絡みやすい感じになっており美味い。ビール込で300円ちょっとかな。コスパ良いです。



道端にたくさん屋台が出ていて、みんな思い思いに楽しんでいます

フォー・ボー・タイ


かわいい犬がいた。撫でようとしたらウーッって言われた

今日はだいぶのんびり過ごすことができた。暮らすように旅をする感じっていいよな。些細な出来事が幸せ、みたいな。

たらふく飲んで食ったので、思い残すこと無く気絶就寝。

(4日目以降に続きます)