4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第56回 サンフランシスコ


San Francisco, California ((c)San Francisco Tourism, Tripadvisor)

アメリカ合衆国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

陽光と海の開放的なイメージが世界の観光客を惹きつける。アメリカには珍しい公共交通が充実したコンパクトな市街は街歩きにも最適。ゴールデンゲートブリッジ、アルカトラズ島、ツインピークスなど見所も多く、フィッシャーマンズワーフのシーフードも有名。ヨセミテ国立公園など西部大自然観光の入り口でもある。

サンフランシスコ市域は広大だが、主な見どころは半島北東部のフィッシャーマンズワーフとダウンタウンに集まっている。

Fisherman s Wharf to Twin Peaks   Google Maps
(画像:Google)


街歩きの起点にするならフィッシャーマンズワーフがいい。ホテルも多く集まっているのでここから1日を始める旅人も多いだろう。いつも人通りがたえず、朝も夕暮れ時もポストカードのように美しい(地面の鶏糞を見なければ)。シーフードの屋台がつらなり軽食をとるにも便利。名物の濃厚なクラムチャウダーやシーフードサンドも楽しみ。



Fisherman’s Wharf

港沿いでも最もにぎわっているエリアがピア39。桟橋上にお土産屋やレストラン、水族館などが連なる一大観光地で、いつも大勢の人でにぎわっている。夜景スポットとしても定評がある。


Pier 39

脱出不可能の監獄島として知られるアルカトラズ島はサンフランシスコ最大の観光名所。脱走兵、禁酒法時代のギャング、他の刑務所から追い出された札付きなど並々ならぬ面々を受け入れてきた難攻不落の牢獄としてあまりにも有名。現在では国立公園の一部となり、ツアーのみで訪れることができる。
わずか50年前まで現役で使われていた施設内部は迫力たっぷり。島から眺める半島も趣がある。



Alcatraz

エクスプロラトリアムはサンフランシスコでも最も人気がある子供向けのサイエンスミュージアム。実際に展示を触ったり乗ったりする「ハンズオン」という体感施設の先駆けで、どの展示もビジュアル面含め洗練されている。アミューズメントとして大人も1日楽しめる。

The Exploratorium

エクスプロラトリアムから更に南。フェリービルディング・マーケットプレイスは最新レストランの集まる人気スポット。倉庫跡をリノベーションし魅力的なモールによみがえらせる事例の先駆けともいえ、センスも物価もハイクラス。火木土にはファーマーズマーケットが開かれさらに多くの人でにぎわう。

Ferry Building Marketplace

港湾沿いを散歩したらケーブルカーに乗ってみよう。
パウエルーハイド線でノブヒル方面に向かうと、途中には名物のクネクネ坂道、ロンバードストリートが見える。

Cable Cars


Lombard Street

ノブヒルは瀟洒な街並みのつづく高級住宅街。壮大な大聖堂のふもとにあり、クラシックで落ち着いた雰囲気。丘の上からみなと方面を見下ろせば美しい市街を見渡せる。

Nob Hill

ノブヒルの東にひろがるのは全米最大のチャイナタウン。漢字の看板とランタンがつらなり、屋台からはもうもうの煙。肉を焼くにおいと市場の喧噪とでアメリカにいることを忘れてしまう。

Chinatown

チャイナタウンから北に向かうとノースビーチ。リトルイタリーがあるエリアとして知られ、中華街よりも落ち着いている。もちろんエスプレッソやピザのレベルも高い。夜はネオンが輝く妖しい面もある。
この地域にはビートニクスの聖地ことシティライツ・ブックストアがある。文系のお友達にはロゴ入りグッズがお土産としてよろこばれるだろう。

City Lights Booksellers

チャイナタウンから西南方面は市庁舎などが建ち並ぶ官庁街だが、豪邸つらなる高級ショッピング街のパシフィックハイツやミュージアムもあり観光客にも魅力的なエリア。そしてなんといってもジャパンタウンがある。ハンバーガーに飽きたらここでまったりしよう。

Japantown

アジア美術館は日本を含むアジア全般の美術品を収蔵している。古代オリエント美術から仏像、浮世絵まで某大なコレクションをほこり、常設のほか常にさまざまな特別展を催している。建物は格調高く、ミュージアムショップやカフェの評判も高い。


Asian Art Museum

ダウンタウンは24時間眠らないサンフランシスコの中心。目抜き通りのマーケットストリートを中心にショップやレストランが集まる。街歩きに疲れたら長年市民に愛される憩いスポット、ユニオンスクエアで休もう。

Union Square

マーケットストリートから南に向かうとSoMa。South of Market Streetの略称で、かつては荒れ果てた場所だったが、現在では再開発やリノベーションが進み、アーティスト、エンジニア、起業家、LGBTなどが集まるエネルギッシュなエリアとなっている。

bar agricole


ゴールデンゲートブリッジは世界一美しい橋とも言われ、サンフランシスコの風光明媚なイメージを決定づける象徴的存在。バスやクルマで行ってもいが、自転車を借りての横断がおすすめ。もちろん徒歩でも渡ることができる。

Golden Gate Bridge

プレシディオ地区は高台に豪邸つらなる高級住宅街。高級住宅街とゴールデンゲートブリッジとの間には広大な森林公園がある。
ランニングが趣味な人ならゴールデンゲートブリッジと市街をのぞむこの森林は最高のコースの1つとなるだろう。ノドが乾いたらカフェかトレーダージョーにかけこもう。

周辺にはウォルト・ディズニーの博物館や古い砦の跡、フォートポイント国立歴史地区がある。


Presidio of San Francisco


Walt Disney Family Museum


Fort Point National Historic Site

ランズエンドはサンフランシスコ半島の北西端に位置する自然公園。都市の喧噪がウソのように深い森林とサンフランシスコ湾、ゴールデンゲートブリッジのコントラストは世界の名だたる絶景スポットにもひけをとらない。トレッキングやランニング、ゴルフなど市民が思い思いに自然を楽しんでいる。


Lands End


サンフランシスコ半島の西端に拡がるゴールデンゲートパークは東西5km、南北800mにもおよぶ広大な公園。日本庭園やゴルフ場、ミュージアムなど多目的に楽しめる。敷地面積は4.1km2と皇居の3倍以上もあり、健脚なら徒歩でもOKだが自転車を借りるのがいいだろう。園内シャトルもある。

Golden Gate Park

カルフォルニア科学アカデミーはゴールデンゲートパーク内にある水族館と科学博物館の複合ミュージアム。大人も子供も巨大な水槽に度肝をぬかれ、熱帯雨林を再現した植物園におどろかされ、プラネタリウムと宇宙センターに夢中になるだろう。地震被害を幾度となく受けたサンフランシスコだけあり、地震に関する体感展示もユニーク。

California Academy of Sciences

ゴールデンゲートパークの東はヘイトアシュベリー地区。
ヒッピーの聖地として長い歴史をほこり、街はDIY風味でサイケデリック。古着屋、アンティーク、レコード屋、オーガニックカフェなど個性的なショップが集まる。

Haight-Ashbury

ヘイトアシュベリーの南、ツインピークスはサンフランシスコのほぼ中央から市街を見下ろす人気スポット。標高277mまではそれなりにきついが、登り終えれば最高の景色がまっている。湾岸やゴールデンゲートブリッジ、ダウンタウンのネオンが無数に煌めく夜の光景はさらに美しい。


Twin Peaks


サンフランシスコの郊外ツアーで人気なのは、カリフォルニアワインの産地を居めぐるワイナリーツアー。
ナパバレーには数十のワイナリーがつらなり、年間500万人もの人がおとづれる。車窓から美しい田園をながめる優雅なワイントレインも人気が高い。

Napa Valley Wine Country Tours

ヨセミテ国立公園はサンフランシスコから250kmほど、クルマで5時間もあれば到着する。広大な原生林と氷河が削りとった渓谷のダイナミックな景観に息をのむ。キャンプやトレッキングといったライトなアクティビティからクライミング、ラフティングやスキーなどのハード系まで様々に楽しめる。


Yosemite National Park



Hog Island Oyster Company

全米でも屈指のグルメシティで、カリフォルニア・キュイジーヌと呼ばれる食の潮流をつくりだした。新鮮なシーフードや郊外で採れる野菜、肉、チーズ、ワインといった素材にめぐまれており、移民がもたらした食文化がアレンジの幅を拡げた。市民の健康意識の高さもあり、シンプルで洗練された、挑戦的なメニューが数々と生み出されている。

サンフランシスコでうれしいのはハイクラスのレストランはもちろん屋台やストリートフードの選択肢も多いことで、リトルイタリーのパニーニ、フィッシャーマンズワーフのシーフードサンド、チャイナタウンの飲茶、ヘイトアシュベリーのタコスなど手ごろな食も多い。


Pacific Catch


日本からの行き方

(空路)
日本からのサンフランシスコ便は豊富で、値段的にも時間的にも直行便がダンゼン有利。
成田からはANAおよびユナイテッド便が毎日運行している。いずれも夕方出発で日付変更線をこえ同日の午前に現地着。
羽田からはJAL便とやはりユナイテッド便が毎日運行している。こちらは深夜発で夕方出発で日付変更線をこえ前日の夕方に現地着。
運賃はANA、ユナイテッド共に10万円弱。ユナイテッドの方がやや安いことが多い。

意外な穴場はANA(ユナイテッドコードシェア)のサンノゼ便。サンノゼからサンフランシスコはおよそ80km程度で、都内から成田空港ほどの距離しかない。鉄道(Caltrain)に乗ればサンフランシスコ市街まで2時間程度で着いてしまう。繁忙期でサンフランシスコ便がうまっている場合には一考の価値あり。料金はサンフランシスコ便とほぼ同じ。

乗り継ぎ便はデルタのロサンゼルス経由や北京国際航空の北京経由など。時間と手間がかかる割に直行便よりも1~2万円程度安い程度で、魅力度はあまり高くない。

(パッケージツアー)
便が豊富なこともありパッケージツアーの選択肢も多い。
安いものでは5日間のロサンゼルス乗り継ぎ便で7万円台もある(2名1室)。ユナイテッドの直行便確約ツアーで9万円程度(同)。JAL便など日系利用で12万円~(同)となっている。
サンフランシスコは後述のようにホテル代が高い。他の都市もいろいろと巡るなら別だが、サンフランシスコのみの滞在であればツアーの方がはるかにお得となるだろう。

(陸路)
鉄道のアムトラック駅はサンフランシスコ市街にはなく、ベイエリアのオークランドにある。
オークランドからは高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコへ。
長距離バスはグレイハウンドがダウンタウンに乗り入れている。

バスでおすすめはボルトバス。全米を縦横にむすぶグレイハウンド社が保有するブランドで、ロサンゼルスとサンフランシスコを結んでいる。所要8時間程度。
安全な乗り場、広いシート、WiFi付の快適なバスで、運賃も安い。

(空港)
サンフランシスコ国際空港(SFO)の他、サンノゼ国際空港(SJC)、オークランド国際空港(OAK)が利用できる。

サンフランシスコ国際空港はロサンゼルス国際空港に次ぐ西海岸の巨大空港。ターミナル1、2、3と国際線ターミナルがあり、日本からの直行便はすべて国際線ターミナルに到着する。
高速鉄道BART(後述)が乗り入れており、市街まで直行できる。市街のPowell駅まで所要30分程度、8.65ドル。
バスも運航しており、急行のKXバスで所要30分。
タクシーの場合はユニオンスクエア近辺まで所要30分、75ドル程度(運賃65ドル+空港利用料2ドル+チップ)。Uberの場合はUberX料金で35ドル程度。

サンノゼ国際空港はサンフランシスコ市街の南東80km程度。ターミナルはAとBの2つあり、日本からのANA便はターミナルAに到着する。サンフランシスコ市街までは無料バス「Free Airport Flyer」で鉄道(Caltrain)に乗り継げる。

オークランド国際空港はベイエリア側、サンフランシスコ市街からおよそ50km程度。アラスカ航空のシアトル便、サウスウエストのロサンゼルス便などが乗り入れている。高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコ市街まで1時間程度。
なお、ニュージーランドの同名空港と混同しないように注意。




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地理と気候

アメリカ西海岸、北に突き出たサンフランシスコ半島のさらに北端にあり、三方を海で囲まれている。高低差が多く景観がよい。
南欧と同様の地中海性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。季節による気温の変化は少ない。夏は平均気温20度台と涼しく、日によって10度台前半の時もあるなど秋用の上着が欠かせない。冬でも10度~15度程度と暖かい。

冬は雨が多いので、4月~10月頃が観光に適している。中でもベストシーズンは晴天が続く秋の9~10月頃。ただしこの時期は展示会シーズンでホテルのレートは高めとなる。
2月の旧正月はチャイナタウンがお祭り状態となり、6月にはLGBTのパレードがある。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。

googleマップ サンフランシスコ   Google マップ
(画像:Google)


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が半数、アジア系が3割、ヒスパニックが15%程度、アフリカ系他が残り15%程度。アジア系の中でも特に中国系が多い。通貨は米国ドル。1ドル=124円程度(15年11月時点)。

物価はアメリカの中でもやや高めといえる。特にホテルは高い。外食についてはピンキリだが、シーフードやオーガニックなどこだわった店が多い。

クレジットカードは必須で、ホテルからスーパーまでカードがないと生活が成り立たない。現金の両替は最小限でOK。ドルの調達は日本でしておくのが鉄則。

チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。

クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


(画像:Wikipedia提供)




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ビザと治安

神経質になりすぎる必要はないものの、そもそも日本とは犯罪件数が段違いのアメリカ。常時警戒レベルをあげておく必要がある。
中でも特に気をつけた方がよいスポットがいくつかある。ジャパンタウン東側のテンダーロイン地区、ジャパンタウン南側のウエスタン・アディション地区、サウスオブマーケットの5th通り西、ゴールデンゲートパーク東のパンハンドル、ミッション地区など。いずれも路上生活者が多く荒れた雰囲気があり、特にテンダーロインは昼でも避けた方がよい。
サウスオブマーケットやミッション地区は再開発が進みおしゃれな店も増えており、極端に警戒する必要はないが要注意。

半島南東のハンターズポイント(Hanter’s Point)は旅行者が訪れることはないと思われるが、各種ガイドブックで避けるべきエリアの筆頭に挙げられている。銃を使った殺人や強盗が頻出する危険なエリアで、クルマでも立ち入ってはならない。

また、一般に観光名所となっているフィッシャーマンズワーフやツインピークスでもスリや車上狙いなどの被害が報告されている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

サンフランシスコの代名詞ことケーブルカーをはじめとして、市内交通は充実している。

(ミュニメトロ、ミュニバス、ケーブルカー)
市内交通の主役はミュニ(Muni)メトロとミュニバス。

マーケットストリートに沿ってEmbarcadero、Montgomary、Powell、Civic Center、Vannessと5つの駅があり、すべてのラインがこの5駅に乗り入れる。Embarcadero~Civic Centerは高速鉄道バート(BART;後述)と連結している。
メトロはJ、K、L、M、N、Tの6系統あるが、実際にはKとTは一体運用されほぼ道ルートを走る。このほかに路面電車のFラインがある。

ミュニバスは55路線あり、市内を縦横に網羅している。時間はあまりあてにならないのでNextBusの位置情報サービスを参照しておくとよい。

ケーブルカーは3系統あり、フィッシャーマンズワーフなど観光名所を走るので旅行者の利用機会も多い。

料金はミュニメトロ、ミュニバスは共通で1回2.25ドル。メトロ地下駅の場合は改札近くの券売機でチケットを購入する。バスおよびメトロ地上の場合は乗車時に運転手からチケットをもらう。チケットはトランスファーといい、90分以内のメトロ⇔バス相互乗り換えが可能。
ケーブルカーの料金は1回7ドル。料金はメトロ・バスとは別体系なのでトランスファーは利用できない。チケットは駅近くの券売機で購入するか、乗車時に支払う。

ミュニパスポートというメトロ、バスおよびケーブルカーへの乗り放題パスがある。デイパスが17ドル、3日パスが26ドル、一週間パスが35ドル。一週間パスはPowell駅前でのみで販売している。
日本のSUICAにあたるプリペイド型のクリッパーカードというパスもある。メトロ、バス、ケーブルカーの他BARTでも利用可能。メトロの駅やBARTの券売機、ドラッグストアなどで購入できる。


高速鉄道バート
高速鉄道バート(BART;Bay Area Rapid Transit)が5系統あり、市街と対岸のイーストベイや半島南部を結んでいる。うち2003年開業のピッツバーグ・サンフランシスコ国際空港線は空港利用者にもおなじみ。
運賃は乗車区間によって異なり、最低1.85ドル~。BARTのチケットは磁気カード式になっており、チャージ額を使い切るまで利用できる。
空港移動くらいでしか乗らないのであれば余分なチャージ残金が発生する可能性があるため、自販機でぴったりの金額を買うか、クリッパーカードを買った方がよい。クリッパーカードは空港のBART乗り場前のインフォメーションデスクで購入できる。

(レンタサイクル)

Dylan’s Tours (トリップアドバイザー提供)

サンフランシスコは自転車乗りにも魅力的な街。シャーマンズワーフ周辺やダウンタウンにはたくさんのレンタルサイクル屋がある。晴天の下、海風を顔に受けてのライディングで気分もあがる。ゴールデンゲートブリッジを自転車で横断しフェリーで戻るルートは定番となっている。
市街はアップダウンが多くややつらいが、ダウンヒルの疾走感は最高。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。サンフランシスコの登録者は非常に多く、貸し自転車屋よりも低い予算で高機能なロードバイクやハイブリッドを借りることができる。
(Spinlisterについてはこちらの記事をご参考)

(タクシー)
よほどの思想的な理由がない限りUberがおすすめ。一般のタクシーよりも安く、カード払い・チップなしの明朗会計。台数も多いのですぐに手配可能。

一般のタクシーを使う場合は、ホテル前やショッピングモールなどの観光スポットで停車している客待ちタクシーをひろうか、電話・ネットで予約する必要がある。流しをつかまえることは難しい。ホテルからの移動ならスタッフに頼むのが簡単(要チップ)。
料金は初乗り3.5ドル(1/2マイル)。以降1/5マイルにつき0.55ドル加算。支払いは基本現金。チップは料金の15%程度。

タクシー会社は配車用のアプリを用意しているが、登録にはショートメッセージ受信が必要。アメリカの電話番号を付与してくれるスマホアプリ・HeyWireが便利。

(レンタカー)
バークレーなど郊外での移動はレンタカーに頼るしかない場合がある。
ダウンタウンや主要道は一方通行が多いので注意。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。


ホテルとシーズン

アメリカの大都市はホテル代が高いが、人気都市のサンフランシスコは特に高い。全米でもニューヨークに次ぐ高さ。さらに7~8月はハイシーズンのため、9~10月は展示会シーズンのため、それぞれ室料も高止まりしがち。
3つ星のホテルで1.5~2万円、4つ星ランクで2万円~3万円といったところが相場。ホテルは半島の北東、すなわちフィッシャーマンズワーフ~ユニオンスクエア~サウスオブマーケットおよびシビックセンターあたりに集まっている。

サンフランシスコはAirbnb発祥の地。ホテルの半額程度の予算で便利な場所に沢山の快適そうな物件を探すことができる。もちろん不安になるような激安物件も…。人気物件はすぐ埋まるので、レビュー内容とキャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良いが販売場所は限られる(Portland周辺では売っていない)。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPhoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないこともあり、いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

面倒なことが嫌いな方はWiFiルーターを借りていったり海外の数カ国で使えるSIMを買っていくのも手。



(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
個人経営のカフェも多いが、至る所にあるスターバックスでWiFiが提供されている。

4. 世界あの街この街: サンフランシスコ


4. 世界あの街この街

このコーナーでは旅行先として人気の様々な都市を詳しく紹介していきます。

第56回 サンフランシスコ


San Francisco, California ((c)San Francisco Tourism, Tripadvisor)

アメリカ合衆国・国旗

(画像:Wikipedia)


見どころと特徴

陽光と海の開放的なイメージが世界の観光客を惹きつける。アメリカには珍しい公共交通が充実したコンパクトな市街は街歩きにも最適。ゴールデンゲートブリッジ、アルカトラズ島、ツインピークスなど見所も多く、フィッシャーマンズワーフのシーフードも有名。ヨセミテ国立公園など西部大自然観光の入り口でもある。

サンフランシスコ市域は広大だが、主な見どころは半島北東部のフィッシャーマンズワーフとダウンタウンに集まっている。

Fisherman s Wharf to Twin Peaks   Google Maps
(画像:Google)


街歩きの起点にするならフィッシャーマンズワーフがいい。ホテルも多く集まっているのでここから1日を始める旅人も多いだろう。いつも人通りがたえず、朝も夕暮れ時もポストカードのように美しい(地面の鶏糞を見なければ)。シーフードの屋台がつらなり軽食をとるにも便利。名物の濃厚なクラムチャウダーやシーフードサンドも楽しみ。



Fisherman’s Wharf

港沿いでも最もにぎわっているエリアがピア39。桟橋上にお土産屋やレストラン、水族館などが連なる一大観光地で、いつも大勢の人でにぎわっている。夜景スポットとしても定評がある。


Pier 39

脱出不可能の監獄島として知られるアルカトラズ島はサンフランシスコ最大の観光名所。脱走兵、禁酒法時代のギャング、他の刑務所から追い出された札付きなど並々ならぬ面々を受け入れてきた難攻不落の牢獄としてあまりにも有名。現在では国立公園の一部となり、ツアーのみで訪れることができる。
わずか50年前まで現役で使われていた施設内部は迫力たっぷり。島から眺める半島も趣がある。



Alcatraz

エクスプロラトリアムはサンフランシスコでも最も人気がある子供向けのサイエンスミュージアム。実際に展示を触ったり乗ったりする「ハンズオン」という体感施設の先駆けで、どの展示もビジュアル面含め洗練されている。アミューズメントとして大人も1日楽しめる。

The Exploratorium

エクスプロラトリアムから更に南。フェリービルディング・マーケットプレイスは最新レストランの集まる人気スポット。倉庫跡をリノベーションし魅力的なモールによみがえらせる事例の先駆けともいえ、センスも物価もハイクラス。火木土にはファーマーズマーケットが開かれさらに多くの人でにぎわう。

Ferry Building Marketplace

港湾沿いを散歩したらケーブルカーに乗ってみよう。
パウエルーハイド線でノブヒル方面に向かうと、途中には名物のクネクネ坂道、ロンバードストリートが見える。

Cable Cars


Lombard Street

ノブヒルは瀟洒な街並みのつづく高級住宅街。壮大な大聖堂のふもとにあり、クラシックで落ち着いた雰囲気。丘の上からみなと方面を見下ろせば美しい市街を見渡せる。

Nob Hill

ノブヒルの東にひろがるのは全米最大のチャイナタウン。漢字の看板とランタンがつらなり、屋台からはもうもうの煙。肉を焼くにおいと市場の喧噪とでアメリカにいることを忘れてしまう。

Chinatown

チャイナタウンから北に向かうとノースビーチ。リトルイタリーがあるエリアとして知られ、中華街よりも落ち着いている。もちろんエスプレッソやピザのレベルも高い。夜はネオンが輝く妖しい面もある。
この地域にはビートニクスの聖地ことシティライツ・ブックストアがある。文系のお友達にはロゴ入りグッズがお土産としてよろこばれるだろう。

City Lights Booksellers

チャイナタウンから西南方面は市庁舎などが建ち並ぶ官庁街だが、豪邸つらなる高級ショッピング街のパシフィックハイツやミュージアムもあり観光客にも魅力的なエリア。そしてなんといってもジャパンタウンがある。ハンバーガーに飽きたらここでまったりしよう。

Japantown

アジア美術館は日本を含むアジア全般の美術品を収蔵している。古代オリエント美術から仏像、浮世絵まで某大なコレクションをほこり、常設のほか常にさまざまな特別展を催している。建物は格調高く、ミュージアムショップやカフェの評判も高い。


Asian Art Museum

ダウンタウンは24時間眠らないサンフランシスコの中心。目抜き通りのマーケットストリートを中心にショップやレストランが集まる。街歩きに疲れたら長年市民に愛される憩いスポット、ユニオンスクエアで休もう。

Union Square

マーケットストリートから南に向かうとSoMa。South of Market Streetの略称で、かつては荒れ果てた場所だったが、現在では再開発やリノベーションが進み、アーティスト、エンジニア、起業家、LGBTなどが集まるエネルギッシュなエリアとなっている。

bar agricole


ゴールデンゲートブリッジは世界一美しい橋とも言われ、サンフランシスコの風光明媚なイメージを決定づける象徴的存在。バスやクルマで行ってもいが、自転車を借りての横断がおすすめ。もちろん徒歩でも渡ることができる。

Golden Gate Bridge

プレシディオ地区は高台に豪邸つらなる高級住宅街。高級住宅街とゴールデンゲートブリッジとの間には広大な森林公園がある。
ランニングが趣味な人ならゴールデンゲートブリッジと市街をのぞむこの森林は最高のコースの1つとなるだろう。ノドが乾いたらカフェかトレーダージョーにかけこもう。

周辺にはウォルト・ディズニーの博物館や古い砦の跡、フォートポイント国立歴史地区がある。


Presidio of San Francisco


Walt Disney Family Museum


Fort Point National Historic Site

ランズエンドはサンフランシスコ半島の北西端に位置する自然公園。都市の喧噪がウソのように深い森林とサンフランシスコ湾、ゴールデンゲートブリッジのコントラストは世界の名だたる絶景スポットにもひけをとらない。トレッキングやランニング、ゴルフなど市民が思い思いに自然を楽しんでいる。


Lands End


サンフランシスコ半島の西端に拡がるゴールデンゲートパークは東西5km、南北800mにもおよぶ広大な公園。日本庭園やゴルフ場、ミュージアムなど多目的に楽しめる。敷地面積は4.1km2と皇居の3倍以上もあり、健脚なら徒歩でもOKだが自転車を借りるのがいいだろう。園内シャトルもある。

Golden Gate Park

カルフォルニア科学アカデミーはゴールデンゲートパーク内にある水族館と科学博物館の複合ミュージアム。大人も子供も巨大な水槽に度肝をぬかれ、熱帯雨林を再現した植物園におどろかされ、プラネタリウムと宇宙センターに夢中になるだろう。地震被害を幾度となく受けたサンフランシスコだけあり、地震に関する体感展示もユニーク。

California Academy of Sciences

ゴールデンゲートパークの東はヘイトアシュベリー地区。
ヒッピーの聖地として長い歴史をほこり、街はDIY風味でサイケデリック。古着屋、アンティーク、レコード屋、オーガニックカフェなど個性的なショップが集まる。

Haight-Ashbury

ヘイトアシュベリーの南、ツインピークスはサンフランシスコのほぼ中央から市街を見下ろす人気スポット。標高277mまではそれなりにきついが、登り終えれば最高の景色がまっている。湾岸やゴールデンゲートブリッジ、ダウンタウンのネオンが無数に煌めく夜の光景はさらに美しい。


Twin Peaks


サンフランシスコの郊外ツアーで人気なのは、カリフォルニアワインの産地を居めぐるワイナリーツアー。
ナパバレーには数十のワイナリーがつらなり、年間500万人もの人がおとづれる。車窓から美しい田園をながめる優雅なワイントレインも人気が高い。

Napa Valley Wine Country Tours

ヨセミテ国立公園はサンフランシスコから250kmほど、クルマで5時間もあれば到着する。広大な原生林と氷河が削りとった渓谷のダイナミックな景観に息をのむ。キャンプやトレッキングといったライトなアクティビティからクライミング、ラフティングやスキーなどのハード系まで様々に楽しめる。


Yosemite National Park



Hog Island Oyster Company

全米でも屈指のグルメシティで、カリフォルニア・キュイジーヌと呼ばれる食の潮流をつくりだした。新鮮なシーフードや郊外で採れる野菜、肉、チーズ、ワインといった素材にめぐまれており、移民がもたらした食文化がアレンジの幅を拡げた。市民の健康意識の高さもあり、シンプルで洗練された、挑戦的なメニューが数々と生み出されている。

サンフランシスコでうれしいのはハイクラスのレストランはもちろん屋台やストリートフードの選択肢も多いことで、リトルイタリーのパニーニ、フィッシャーマンズワーフのシーフードサンド、チャイナタウンの飲茶、ヘイトアシュベリーのタコスなど手ごろな食も多い。


Pacific Catch


日本からの行き方

(空路)
日本からのサンフランシスコ便は豊富で、値段的にも時間的にも直行便がダンゼン有利。
成田からはANAおよびユナイテッド便が毎日運行している。いずれも夕方出発で日付変更線をこえ同日の午前に現地着。
羽田からはJAL便とやはりユナイテッド便が毎日運行している。こちらは深夜発で夕方出発で日付変更線をこえ前日の夕方に現地着。
運賃はANA、ユナイテッド共に10万円弱。ユナイテッドの方がやや安いことが多い。

意外な穴場はANA(ユナイテッドコードシェア)のサンノゼ便。サンノゼからサンフランシスコはおよそ80km程度で、都内から成田空港ほどの距離しかない。鉄道(Caltrain)に乗ればサンフランシスコ市街まで2時間程度で着いてしまう。繁忙期でサンフランシスコ便がうまっている場合には一考の価値あり。料金はサンフランシスコ便とほぼ同じ。

乗り継ぎ便はデルタのロサンゼルス経由や北京国際航空の北京経由など。時間と手間がかかる割に直行便よりも1~2万円程度安い程度で、魅力度はあまり高くない。

(パッケージツアー)
便が豊富なこともありパッケージツアーの選択肢も多い。
安いものでは5日間のロサンゼルス乗り継ぎ便で7万円台もある(2名1室)。ユナイテッドの直行便確約ツアーで9万円程度(同)。JAL便など日系利用で12万円~(同)となっている。
サンフランシスコは後述のようにホテル代が高い。他の都市もいろいろと巡るなら別だが、サンフランシスコのみの滞在であればツアーの方がはるかにお得となるだろう。

(陸路)
鉄道のアムトラック駅はサンフランシスコ市街にはなく、ベイエリアのオークランドにある。
オークランドからは高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコへ。
長距離バスはグレイハウンドがダウンタウンに乗り入れている。

バスでおすすめはボルトバス。全米を縦横にむすぶグレイハウンド社が保有するブランドで、ロサンゼルスとサンフランシスコを結んでいる。所要8時間程度。
安全な乗り場、広いシート、WiFi付の快適なバスで、運賃も安い。

(空港)
サンフランシスコ国際空港(SFO)の他、サンノゼ国際空港(SJC)、オークランド国際空港(OAK)が利用できる。

サンフランシスコ国際空港はロサンゼルス国際空港に次ぐ西海岸の巨大空港。ターミナル1、2、3と国際線ターミナルがあり、日本からの直行便はすべて国際線ターミナルに到着する。
高速鉄道BART(後述)が乗り入れており、市街まで直行できる。市街のPowell駅まで所要30分程度、8.65ドル。
バスも運航しており、急行のKXバスで所要30分。
タクシーの場合はユニオンスクエア近辺まで所要30分、75ドル程度(運賃65ドル+空港利用料2ドル+チップ)。Uberの場合はUberX料金で35ドル程度。

サンノゼ国際空港はサンフランシスコ市街の南東80km程度。ターミナルはAとBの2つあり、日本からのANA便はターミナルAに到着する。サンフランシスコ市街までは無料バス「Free Airport Flyer」で鉄道(Caltrain)に乗り継げる。

オークランド国際空港はベイエリア側、サンフランシスコ市街からおよそ50km程度。アラスカ航空のシアトル便、サウスウエストのロサンゼルス便などが乗り入れている。高速鉄道BART(後述)でサンフランシスコ市街まで1時間程度。
なお、ニュージーランドの同名空港と混同しないように注意。




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地理と気候

アメリカ西海岸、北に突き出たサンフランシスコ半島のさらに北端にあり、三方を海で囲まれている。高低差が多く景観がよい。
南欧と同様の地中海性気候とされ、牧畜やワイン栽培に適した気候。季節による気温の変化は少ない。夏は平均気温20度台と涼しく、日によって10度台前半の時もあるなど秋用の上着が欠かせない。冬でも10度~15度程度と暖かい。

冬は雨が多いので、4月~10月頃が観光に適している。中でもベストシーズンは晴天が続く秋の9~10月頃。ただしこの時期は展示会シーズンでホテルのレートは高めとなる。
2月の旧正月はチャイナタウンがお祭り状態となり、6月にはLGBTのパレードがある。
日本との時差はマイナス17時間、サマータイム中はマイナス16時間。日本の正午が前日の19時(夏は20時)。

googleマップ サンフランシスコ   Google マップ
(画像:Google)


言語と通貨

英語が基本。
ヨーロッパ系が半数、アジア系が3割、ヒスパニックが15%程度、アフリカ系他が残り15%程度。アジア系の中でも特に中国系が多い。通貨は米国ドル。1ドル=124円程度(15年11月時点)。

物価はアメリカの中でもやや高めといえる。特にホテルは高い。外食についてはピンキリだが、シーフードやオーガニックなどこだわった店が多い。

クレジットカードは必須で、ホテルからスーパーまでカードがないと生活が成り立たない。現金の両替は最小限でOK。ドルの調達は日本でしておくのが鉄則。

チップの習慣がある。タクシーは1割程度(最低1ドル)、ホテルのベルボーイやベッドメイクには1ドル程度、ルームサービスやレストランは代金の1~2割。サービス料が含まれていれば不要。

クレカの場合、チップは伝票のチップ欄に任意の額を書き込んで会計してもらう。チップのみ現金をテーブルに置いてきてもよい。


(画像:Wikipedia提供)




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ビザと治安

神経質になりすぎる必要はないものの、そもそも日本とは犯罪件数が段違いのアメリカ。常時警戒レベルをあげておく必要がある。
中でも特に気をつけた方がよいスポットがいくつかある。ジャパンタウン東側のテンダーロイン地区、ジャパンタウン南側のウエスタン・アディション地区、サウスオブマーケットの5th通り西、ゴールデンゲートパーク東のパンハンドル、ミッション地区など。いずれも路上生活者が多く荒れた雰囲気があり、特にテンダーロインは昼でも避けた方がよい。
サウスオブマーケットやミッション地区は再開発が進みおしゃれな店も増えており、極端に警戒する必要はないが要注意。

半島南東のハンターズポイント(Hanter’s Point)は旅行者が訪れることはないと思われるが、各種ガイドブックで避けるべきエリアの筆頭に挙げられている。銃を使った殺人や強盗が頻出する危険なエリアで、クルマでも立ち入ってはならない。

また、一般に観光名所となっているフィッシャーマンズワーフやツインピークスでもスリや車上狙いなどの被害が報告されている。

観光目的の場合、90日以内の滞在はビザ免除。商用や第三国を経由しての入国などではビザが必要。
ビザ免除のためにはESTA(電子渡航認証システム)による事前申請が必要。ESTAは2年間有効で渡航72時間前までに申請が推奨されている。ESTAを取得していないと入国できないため早めの準備がお勧め。


市内交通

サンフランシスコの代名詞ことケーブルカーをはじめとして、市内交通は充実している。

(ミュニメトロ、ミュニバス、ケーブルカー)
市内交通の主役はミュニ(Muni)メトロとミュニバス。

マーケットストリートに沿ってEmbarcadero、Montgomary、Powell、Civic Center、Vannessと5つの駅があり、すべてのラインがこの5駅に乗り入れる。Embarcadero~Civic Centerは高速鉄道バート(BART;後述)と連結している。
メトロはJ、K、L、M、N、Tの6系統あるが、実際にはKとTは一体運用されほぼ道ルートを走る。このほかに路面電車のFラインがある。

ミュニバスは55路線あり、市内を縦横に網羅している。時間はあまりあてにならないのでNextBusの位置情報サービスを参照しておくとよい。

ケーブルカーは3系統あり、フィッシャーマンズワーフなど観光名所を走るので旅行者の利用機会も多い。

料金はミュニメトロ、ミュニバスは共通で1回2.25ドル。メトロ地下駅の場合は改札近くの券売機でチケットを購入する。バスおよびメトロ地上の場合は乗車時に運転手からチケットをもらう。チケットはトランスファーといい、90分以内のメトロ⇔バス相互乗り換えが可能。
ケーブルカーの料金は1回7ドル。料金はメトロ・バスとは別体系なのでトランスファーは利用できない。チケットは駅近くの券売機で購入するか、乗車時に支払う。

ミュニパスポートというメトロ、バスおよびケーブルカーへの乗り放題パスがある。デイパスが17ドル、3日パスが26ドル、一週間パスが35ドル。一週間パスはPowell駅前でのみで販売している。
日本のSUICAにあたるプリペイド型のクリッパーカードというパスもある。メトロ、バス、ケーブルカーの他BARTでも利用可能。メトロの駅やBARTの券売機、ドラッグストアなどで購入できる。


高速鉄道バート
高速鉄道バート(BART;Bay Area Rapid Transit)が5系統あり、市街と対岸のイーストベイや半島南部を結んでいる。うち2003年開業のピッツバーグ・サンフランシスコ国際空港線は空港利用者にもおなじみ。
運賃は乗車区間によって異なり、最低1.85ドル~。BARTのチケットは磁気カード式になっており、チャージ額を使い切るまで利用できる。
空港移動くらいでしか乗らないのであれば余分なチャージ残金が発生する可能性があるため、自販機でぴったりの金額を買うか、クリッパーカードを買った方がよい。クリッパーカードは空港のBART乗り場前のインフォメーションデスクで購入できる。

(レンタサイクル)

Dylan’s Tours (トリップアドバイザー提供)

サンフランシスコは自転車乗りにも魅力的な街。シャーマンズワーフ周辺やダウンタウンにはたくさんのレンタルサイクル屋がある。晴天の下、海風を顔に受けてのライディングで気分もあがる。ゴールデンゲートブリッジを自転車で横断しフェリーで戻るルートは定番となっている。
市街はアップダウンが多くややつらいが、ダウンヒルの疾走感は最高。

個人の自転車貸しサービス、Spinlisterもおすすめ。サンフランシスコの登録者は非常に多く、貸し自転車屋よりも低い予算で高機能なロードバイクやハイブリッドを借りることができる。
(Spinlisterについてはこちらの記事をご参考)

(タクシー)
よほどの思想的な理由がない限りUberがおすすめ。一般のタクシーよりも安く、カード払い・チップなしの明朗会計。台数も多いのですぐに手配可能。

一般のタクシーを使う場合は、ホテル前やショッピングモールなどの観光スポットで停車している客待ちタクシーをひろうか、電話・ネットで予約する必要がある。流しをつかまえることは難しい。ホテルからの移動ならスタッフに頼むのが簡単(要チップ)。
料金は初乗り3.5ドル(1/2マイル)。以降1/5マイルにつき0.55ドル加算。支払いは基本現金。チップは料金の15%程度。

タクシー会社は配車用のアプリを用意しているが、登録にはショートメッセージ受信が必要。アメリカの電話番号を付与してくれるスマホアプリ・HeyWireが便利。

(レンタカー)
バークレーなど郊外での移動はレンタカーに頼るしかない場合がある。
ダウンタウンや主要道は一方通行が多いので注意。
なお、25歳未満は借りることができないか、割増料金が必要となる場合が殆ど。


ホテルとシーズン

アメリカの大都市はホテル代が高いが、人気都市のサンフランシスコは特に高い。全米でもニューヨークに次ぐ高さ。さらに7~8月はハイシーズンのため、9~10月は展示会シーズンのため、それぞれ室料も高止まりしがち。
3つ星のホテルで1.5~2万円、4つ星ランクで2万円~3万円といったところが相場。ホテルは半島の北東、すなわちフィッシャーマンズワーフ~ユニオンスクエア~サウスオブマーケットおよびシビックセンターあたりに集まっている。

サンフランシスコはAirbnb発祥の地。ホテルの半額程度の予算で便利な場所に沢山の快適そうな物件を探すことができる。もちろん不安になるような激安物件も…。人気物件はすぐ埋まるので、レビュー内容とキャンセルポリシーに気をつけつつ早めに予約を。


ネット・通信環境

(携帯・モバイル)
かつては高い、買いにくいなどあまりプリペイドSIMが入手しやすいとはいえなかった。
近年は多くのMVNO業者(プリペイド携帯会社)による競争が進んでおり、利用者にとって状況は改善されている。おおむね月額35ドル~40ドルでデータ無制限、2G程度まではLTE速度というプランが多い。

以下の「アメリカのSIM、基礎知識101」にある通り、SIMと契約は独立している。アクティベートは自分で行うのが前提だが、あらかじめプラン(通信業者)を決めて購入時スタッフに設定してもらうのがラク。T-mobileの回線を使うReady SIMならアクティベート不要、14日間で容量1G、25ドルとコスパが良いが販売場所は限られる(Portland周辺では売っていない)。

プランによっては、手持ちのスマホの対応周波数と合わない場合があるのでよく調べてから購入しよう。iPhoneやNEXUSなどのグローバルモデル以外はAT&Tの850MHz3G回線しか使えないこともあり、いっそ現地でSIMフリーの安スマホを買ってしまうという手も…。

ソフトバンクのPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air 2を使っている場合、Sprintの回線を使った「アメリカ放題」プランがある。980円で通話もデータ通信も無制限。2014年9月からキャンペーンが続いており、実際には無料で利用できる(キャンペーン期間中はiPad mini 3も対象)。Sprint以外のネットワークは対象外なので要注意。

面倒なことが嫌いな方はWiFiルーターを借りていったり海外の数カ国で使えるSIMを買っていくのも手。



(WiFi)
WiFiの接続に不自由することはない。
個人経営のカフェも多いが、至る所にあるスターバックスでWiFiが提供されている。